JPH09310510A - 既設建屋の耐震補強構造 - Google Patents

既設建屋の耐震補強構造

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JPH09310510A
JPH09310510A JP12884196A JP12884196A JPH09310510A JP H09310510 A JPH09310510 A JP H09310510A JP 12884196 A JP12884196 A JP 12884196A JP 12884196 A JP12884196 A JP 12884196A JP H09310510 A JPH09310510 A JP H09310510A
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seismic
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earthquake
girder
existing
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JP12884196A
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Hiroaki Edo
宏彰 江戸
Tetsuo Suzuki
哲夫 鈴木
Matsutaro Seki
松太郎 関
Kazuaki Tsuda
和明 津田
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 住戸使用を維持できかつ居住者の日常生活を
阻害することなく、震災被害を低減できる補強工事を効
率良く遂行できるようにした既設建屋の耐震補強構造を
提供する。 【解決手段】 RC造またはSRC造の既設建屋10の
桁行方向の両端部に位置する住戸18,18の梁間方向
両側に、一階から最上階に連続して垂直方向に耐震要素
として耐震製の横壁24a,24a…をそれぞれ新設
し、これによって垂直方向耐震架構24,24を増設す
る。更にこれら耐震架構24,24をダンパー26,2
6…を介して既設建屋10に接続するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状集合住宅など
のRC造またはSRC造の既設建屋の耐震補強構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、RC造またはSRC造で構築され
る板状集合住宅等の既設建屋では、図4に示すように梁
1,1間方向(図中X方向)に対向する柱2,2…同士
を間仕切り壁3,3…で接続し、これら間仕切り壁3,
3…間にそれぞれ各住戸を構成するようになっている。
また、梁1,1間方向の外方両側縁の桁行方向(図中Y
方向)には、一方に廊下4が形成され、他方にバルコニ
ー5が形成されている。そして、各住戸を構成する前記
間仕切り壁3,3…間には、廊下4側に図外のドアを設
けると共に、バルコニー5側には図外のガラス戸等を建
て込むようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の既設建屋にあっては、間仕切り壁3,3…が存在
する梁1,1間方向(X方向)は、これら間仕切り壁
3,3…が耐震壁となって地震に対する必要強度を確保
することができている一方で、桁行方向(Y方向)に関
しては、各住戸の廊下4やバルコニー5に通ずるドアや
ガラス戸のために開口面積が大きく、地震に対する十分
な強度を確保することが難しかった。
【0004】上記既設建屋の桁行方向の強度を増強する
手法として、柱2,2…の外周を鉄板6で巻いたり、柱
2,2…や間仕切り壁3,3…にこれより桁行方向に向
かって一部耐震壁7,8を増設する方法などが考えられ
る。しかしながら、このような補強工事は各住戸の部屋
内に及ぶこととなるため、各住戸一戸一戸ごとに個別に
工事を行わねばならないとともに、各住戸にあっても居
住者の都合を考慮しつつ家具の移動や防塵,防音等の養
生を施した上で工事を行う必要があって施工性が良くな
く、さらにはこのような配慮をしても居住者の日常生活
に著しい支障をきたし、場合によっては工事期間中の居
住者の移転などをも考慮する必要があって、施工上種々
の問題があると考えられる。
【0005】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、住戸使用を維持できかつ居住者の日常生活を阻害す
ることなく、震災被害を低減できる補強工事を効率良く
遂行できるようにした既設建屋の耐震補強構造を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1にかかる既設建屋の耐震補強構造
は、梁間方向に沿う間仕切り壁を桁行方向に複数並設し
てこれら間仕切り壁間を住戸としたRC造またはSRC
造の既設建屋において、桁行方向両端部またはいずれか
一端部の端部住戸を既設部分から縁切りして分離すると
ともに、該端部住戸の梁間方向両側に、下階から上階に
亘って垂直方向に耐震要素を連設して垂直方向耐震架構
を構築し、該垂直方向耐震架構をダンパーを介して既設
部分に接続する。
【0007】また上記耐震補強構造において、前記端部
住戸の分離部分に、梁間方向両側の前記耐震要素を接続
して前記垂直方向耐震架構を平断面コ字状に形成するた
めの第2の耐震要素を設ける。
【0008】さらに上記耐震補強構造において、前記垂
直方向耐震架構を前記既設建屋の桁行方向両端部に構築
した場合に、これら両耐震架構間を補強ガーダーで連結
し、この補強ガーダーをダンパーを介して既設建屋に接
続する。
【0009】したがって、本発明の請求項1にかかる既
設建屋の耐震補強構造にあっては、既設建屋の桁行方向
端部の端部住戸が既設部分から縁切りされて分離され、
さらにこれに耐震要素が設けられることで、既設建屋の
桁行方向両端部またはいずれか一端部に垂直方向耐震架
構が構築され、かつこの耐震架構が既設部分に対してダ
ンパーを介して接続されるので、地震力等の外力が作用
した場合には、ダンパーが既設建屋および垂直方向耐震
架構相互間に発生する相対変位で作動して既設建屋への
地震入力を吸収し、これにより地震に対する既設建屋の
振動応答量を低減させることができると共に、当該耐震
架構によって既設建屋に加わる地震力を負担させること
ができて、これらダンパーおよび耐震架構により既設建
屋の震災被害を大幅に低減することができる。
【0010】前記耐震要素が設けられる端部住戸内の空
間は、工事完了後にはトランクルームや階段スペースと
して有効に利用することができる。
【0011】そして、前記耐震架構を構築し、かつまた
ダンパーを設置するなどの耐震補強工事期間中にあって
も、端部住戸以外の住戸についてはその使用を継続する
ことができ、当該工事によって日常生活が阻害されるこ
とはない。このように居住者の日常生活に支障をきたさ
ないようにして上記耐震架構等を構築できることによ
り、耐震補強工事自体を効率よく施工することができて
工期を短縮化でき、震災被害の低減と短期工事という両
面で居住者にとって好ましい耐震補強構造を得ることが
できる。
【0012】また、既設部分から縁切りされた端部住戸
の分離部分に、梁間方向両側の耐震要素同士を接続して
垂直方向耐震架構を平断面コ字状に形成するための第2
の耐震要素を設けるようにすると、既設建屋を補強しつ
つ地震力を負担する当該耐震架構の強度を高めることが
でき、十分な耐震補強効果を確保することができる。
【0013】さらに、かかる既設建屋の耐震補強構造に
おいて、垂直方向耐震架構を既設建屋の桁行方向両端部
に構築した場合には、これら両耐震架構間を補強ガーダ
ーで連結するとともに、この補強ガーダーをダンパーを
介して既設建屋に接続することにより、この補強ガーダ
ーで両耐震架構を連結して相互に拘束できることから、
既設建屋をさらに補強することができるとともに、既設
建屋への地震入力を補強ガーダーとの間のこのダンパー
でも吸収させて低減させることができ、効果的に既設建
屋への地震入力を抑えて耐震補強することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、添付
図面を参照して詳細に説明する。図1,図2は本発明の
一実施形態を示す既設建屋の耐震補強構造で、図1は既
設建屋を任意の階で切断した断面平面図、図2は既設建
屋全体の正面図である。
【0015】本実施形態は基本的には、梁間方向(X方
向)に沿う間仕切り壁16を桁行方向(Y方向)に複数
並設してこれら間仕切り壁16間を住戸18としたRC
造またはSRC造の既設建屋10において、桁行方向
(Y方向)両端部の端部住戸18を既設部分から縁切り
して分離するとともに、端部住戸18の梁間方向(X方
向)両側に、下階から上階に亘って垂直方向に耐震要素
として耐震性の横壁24aを連設して垂直方向耐震架構
24を構築し、垂直方向耐震架構24をダンパー26を
介して既設部分に接続して構成される。また、端部住戸
18の分離部分には、梁間方向(X方向)両側の横壁2
4aを接続して垂直方向耐震架構24を平断面コ字状に
形成するための第2の耐震要素として耐震性の縦壁24
bが設けられる。さらに、垂直方向耐震架構24を既設
建屋10の桁行方向(Y方向)両端部に構築しているこ
とから、これら両耐震架構24間を補強ガーダー28で
連結し、この補強ガーダー28をダンパー30を介して
既設建屋10に接続するようにしている。
【0016】本実施形態の既設建屋10は従来と同様に
RC造またはSRC造の板状集合住宅として構築された
ものであって、桁行方向(Y方向)に平行に2列に並ん
だ各既設柱12,12…間それぞれが一対の既設梁1
4,14で接続されている。そして、前記梁14,14
間方向(X方向)にそれぞれ対向する既設柱12,12
…が、この梁間方向(X方向)に沿って設けた間仕切り
壁16,16…で接続されることにより、これら間仕切
り壁16,16…間に各住戸18,18…が構成され
る。
【0017】また、前記既設建屋10の梁14,14間
方向の片側(図1中上方)には廊下20が、かつ、他側
(図1中下方)にはバルコニー22がそれぞれ桁行方向
(Y方向)に形成されている。
【0018】ここで本実施形態では、前記既設建屋10
の桁行方向の両端部に位置する住戸18,18の梁間方
向両側に、一階から最上階に連続して垂直方向に耐震要
素として耐震製の横壁24a,24a…をそれぞれ新設
し、これによって垂直方向耐震架構24,24を増設す
る。更にこれら耐震架構24,24をダンパー26,2
6…を介して既設建屋10に接続するようにしている。
【0019】詳細にはこれら耐震架構24,24は、一
対の既設梁14,14位置それぞれに対応させて、桁行
方向に沿って並設した一対の横壁24a,24a…と、
これら横壁24a,24a…の既設建屋10側端部間を
接続すべく、梁間方向に沿って間仕切り壁16に並行に
配置される第2の耐震要素としての耐震性の縦壁24b
…とによって、それぞれ平断面コ字状に構築される。図
示例では、前記横壁24a,24a…は、上下階の梁1
4,14の外側面間に掛け渡してこれらの外側に一体的
に接合されている。
【0020】さらに、前記耐震架構24,24を構築す
る際、縦壁24bとこれに沿う間仕切り壁16との間
で、各階の端部住戸18の既設床を隣接する住戸18の
既設床からはつって、耐震架構24,24と既設建屋1
0とを縁切りして分離するようになっている。
【0021】他方、前記ダンパー26,26…は図2に
示すように、既設建屋10の各階毎に等間隔で配置して
もよく、また図示しないが、高さ方向に沿って既設建屋
10と耐震架構24,24との相対変位量の大小を考慮
して、相対変位量が大きくなると考えられる高さ位置に
集中的に配置することもできる。更に、前記ダンパー2
6,26…は図1に示すように、耐震架構24,24の
梁間方向両側部に既設梁14,14位置に対応させて2
箇所配置してもよく、またさらに縦壁24bと間仕切り
壁16との間にも設けることで、既設建屋10の梁間方
向中央部をも含めて3箇所配置するようにしてもよい。
前記ダンパー26の設置個数は、入力振動の大きさとダ
ンパー26の発生減衰力とを勘案して適宜に設定すれば
よい。
【0022】また前記一対の耐震架構24,24の各頂
部には、既設建屋10の屋上10aより上方に突設させ
て突設部分32,32が形成され、これら突設部分3
2,32間にはこれらを連結する鉄骨製等の補強ガーダ
ー28が架設されている。補強ガーダー28は、屋上1
0aを覆うように当該屋上10aの上方に適宜間隔を隔
てて配置されている。そしてこの補強ガーダー28と既
設建屋10との間にもダンパー30,30…が介設さ
れ、これらダンパー30,30…によって補強ガーダー
28と既設建屋10の屋上10aとを接続している。
【0023】ところで、前記耐震架構24,24の横壁
24a,24a…は、図3に示したように上下階の梁1
4,14の上・下側間に嵌め込んで一体に接合するよう
にしてもよい。
【0024】上述したように本実施形態にあっては、既
設建屋10の桁行方向(Y方向)両端部の端部住戸1
8,18を既設部分から縁切りして分離するとともにこ
れに耐震製の横壁24a,24a…を設けることによっ
て、既設建屋10の桁行方向(Y方向)両端部に垂直方
向耐震架構24,24を構築するようにし、かつこの耐
震架構24,24を既設部分に対してダンパー26,2
6…を介して接続するようにしたので、地震力等の外力
が作用した場合には、ダンパー26,26…が既設建屋
10および垂直方向耐震架構24,24相互間に発生す
る相対変位で作動して既設建屋10への地震入力を吸収
し、これにより地震に対する既設建屋10の振動応答量
を低減させることができると共に、当該耐震架構24,
24によって既設建屋10に加わる地震力を負担させる
ことができて、これらダンパー26,26…および耐震
架構24,24により既設建屋10の震災被害を大幅に
低減することができる。
【0025】また前記横壁24a,24a…が設けられ
る端部住戸18,18内の空間は、工事完了後にはトラ
ンクルームや階段スペースとして有効に利用することが
できる。
【0026】そして、前記耐震架構24,24を構築
し、かつまたダンパー26,26…を設置するなどの耐
震補強工事期間中にあっても、端部住戸18,18以外
の住戸18,18…についてはその使用を継続すること
ができ、当該工事によって日常生活が阻害されることは
ない。このように居住者の日常生活に支障をきたさない
ようにして上記耐震架構24,24等を構築できること
により、耐震補強工事自体を効率よく施工することがで
きて工期を短縮化でき、震災被害の低減と短期工事とい
う両面で居住者にとって好ましい耐震補強構造を得るこ
とができる。
【0027】また、既設部分から縁切りした端部住戸1
8,18の分離部分に、梁間方向(X方向)両側の横壁
24a,24a…同士を接続して垂直方向耐震架構2
4,24を平断面コ字状に形成するための縦壁24b…
を設けるようにしたので、既設建屋10を補強しつつ地
震力を負担する当該耐震架構24,24の強度を高める
ことができ、十分な耐震補強効果を確保することができ
る。
【0028】さらに、既設建屋10の桁行方向(Y方
向)両端部に構築した一対の垂直方向耐震架構24,2
4間を補強ガーダー28で連結するとともに、この補強
ガーダー28をダンパー30,30…を介して既設建屋
10に接続するようにしたので、この補強ガーダー28
で両耐震架構24,24を連結して相互に拘束できるこ
とから、既設建屋10をさらに補強することができると
ともに、既設建屋10への地震入力を補強ガーダー28
との間のこのダンパー30,30…でも吸収させて低減
させることができ、効果的に既設建屋10への地震入力
を抑えて耐震補強することができる。
【0029】また、本実施形態では、補強ガーダー28
を既設建屋10の屋上10a上方に架設するようにした
ので、当該屋上10aを補強ガーダー28で覆って全天
候化することができる。
【0030】上記実施形態にあっては、垂直方向耐震架
構24,24を一階から最上階までの範囲に亘って構築
する例を示したが、この耐震架構24,24の構築範囲
は下階から上階に亘って連続するものであればその範囲
は問われない。
【0031】また、上記実施形態では横壁24a,24
aと縦壁24bとによって平断面コ字状に形成した耐震
架構24,24を開示したが、縦壁24bを省略して一
対の横壁24a,24aを並設するだけの構成としても
よい。更に、前記耐震架構24,24を既設建屋10の
両端部に構築した場合を開示したが、既設建屋10の片
側にのみ構築する形態でも良い。
【0032】またさらに上記実施形態では、耐震要素を
耐震壁24a,24a…,24b…によって構成する場
合を例示したがこれに限ることなく、ブレース架構や、
振動吸収機能をもたせた周知の各種構造材を採用して耐
震要素を構成しても良いことはもちろんである。
【0033】また上記実施形態では、補強ガーダー28
を屋上10a上方に架設した場合を説明したが、既設建
屋10の両側面若しくは片面に沿って配置して耐震架構
24,24間を接続するように構成しても良い。
【0034】本発明では前記補強ガーダー28は必ずし
も必要ではなく、耐震架構24,24で既設建屋10を
補強する構造を備えていれば良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
かかる既設建屋の耐震補強構造にあっては、既設建屋の
桁行方向端部の端部住戸を既設部分から縁切りして分離
するとともにこれに耐震要素を設けることによって、既
設建屋の桁行方向両端部またはいずれか一端部に垂直方
向耐震架構を構築するようにし、かつこの耐震架構を既
設部分に対してダンパーを介して接続するようにしたの
で、地震力等の外力が作用した場合には、ダンパーが既
設建屋および垂直方向耐震架構相互間に発生する相対変
位で作動して既設建屋への地震入力を吸収し、これによ
り地震に対する既設建屋の振動応答量を低減させること
ができると共に、当該耐震架構によって既設建屋に加わ
る地震力を負担させることができて、これらダンパーお
よび耐震架構により既設建屋の震災被害を大幅に低減す
ることができる。
【0036】また前記耐震要素が設けられる端部住戸内
の空間は、工事完了後にはトランクルームや階段スペー
スとして有効に利用することができる。
【0037】そして、前記耐震架構を構築し、かつまた
ダンパーを設置するなどの耐震補強工事期間中にあって
も、端部住戸以外の住戸についてはその使用を継続する
ことができ、当該工事によって日常生活が阻害されるこ
とはない。このように居住者の日常生活に支障をきたさ
ないようにして上記耐震架構等を構築できることによ
り、耐震補強工事自体を効率よく施工することができて
工期を短縮化でき、震災被害の低減と短期工事という両
面で居住者にとって好ましい耐震補強構造を得ることが
できる。
【0038】また本発明の請求項2にかかる既設建屋の
耐震補強構造にあっては、既設部分から縁切りした端部
住戸の分離部分に、梁間方向両側の耐震要素同士を接続
して垂直方向耐震架構を平断面コ字状に形成するための
第2の耐震要素を設けるようにしたので、既設建屋を補
強しつつ地震力を負担する当該耐震架構の強度を高める
ことができ、十分な耐震補強効果を確保することができ
る。
【0039】さらに本発明の請求項3にかかる既設建屋
の耐震補強構造にあっては、垂直方向耐震架構を既設建
屋の桁行方向両端部に構築した場合に、これら両耐震架
構間を補強ガーダーで連結するとともに、この補強ガー
ダーをダンパーを介して既設建屋に接続するようにした
ので、この補強ガーダーで両耐震架構を連結して相互に
拘束できることから、既設建屋をさらに補強することが
できるとともに、既設建屋への地震入力を補強ガーダー
との間のこのダンパーでも吸収させて低減させることが
でき、効果的に既設建屋への地震入力を抑えて耐震補強
することができるという各種優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる既設建屋の耐震補強構造の一実
施形態を示す既設建屋を任意の階で切断した断面平面図
である。
【図2】本発明にかかる既設建屋の耐震補強構造の一実
施形態を示す既設建屋全体の正面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す図1に対応する断面
平面図である。
【図4】従来の既設建屋の耐震補強方法を示す断面平面
図である。
【符号の説明】
10 既設建屋 16 間仕切り壁 18 住戸(端部住戸) 24 垂直方向耐震架構 24a 横壁 24b 縦壁 26 ダンパー 28 補強ガーダー 30 ダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津田 和明 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梁間方向に沿う間仕切り壁を桁行方向に
    複数並設してこれら間仕切り壁間を住戸としたRC造ま
    たはSRC造の既設建屋において、桁行方向両端部また
    はいずれか一端部の端部住戸を既設部分から縁切りして
    分離するとともに、該端部住戸の梁間方向両側に、下階
    から上階に亘って垂直方向に耐震要素を連設して垂直方
    向耐震架構を構築し、該垂直方向耐震架構をダンパーを
    介して既設部分に接続したことを特徴とする既設建屋の
    耐震補強構造。
  2. 【請求項2】 前記端部住戸の分離部分に、梁間方向
    両側の前記耐震要素を接続して前記垂直方向耐震架構を
    平断面コ字状に形成するための第2の耐震要素を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の既設建屋の耐震補強
    構造。
  3. 【請求項3】 前記垂直方向耐震架構を前記既設建屋の
    桁行方向両端部に構築した場合に、これら両耐震架構間
    を補強ガーダーで連結し、この補強ガーダーをダンパー
    を介して既設建屋に接続することを特徴とする請求項1
    または2に記載の既設建屋の耐震補強構造。
JP12884196A 1996-05-23 1996-05-23 既設建屋の耐震補強構造 Pending JPH09310510A (ja)

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