JPH08326354A - 集合住宅の制震構造 - Google Patents
集合住宅の制震構造Info
- Publication number
- JPH08326354A JPH08326354A JP13161895A JP13161895A JPH08326354A JP H08326354 A JPH08326354 A JP H08326354A JP 13161895 A JP13161895 A JP 13161895A JP 13161895 A JP13161895 A JP 13161895A JP H08326354 A JPH08326354 A JP H08326354A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- damper
- joint
- house
- earthquake
- frame structure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 剛性の異なる戸境壁とラーメン構造で構成さ
れる集合住宅を、例えばL字型に接合する場合、従来の
エクスパンションジョイント接合に比較して、耐震性、
シール性に優れた構造を提供する。 【構成】 剛性の異なる戸境壁とラーメン構造で構成さ
れる集合住宅の、接合部にジョイントダイパを装着した
構成とする。
れる集合住宅を、例えばL字型に接合する場合、従来の
エクスパンションジョイント接合に比較して、耐震性、
シール性に優れた構造を提供する。 【構成】 剛性の異なる戸境壁とラーメン構造で構成さ
れる集合住宅の、接合部にジョイントダイパを装着した
構成とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】集合住宅の制震構造に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】集合住宅
は機能上、方向によって戸境壁とラーメン構造という剛
性の異なった構造で構成されている。従って図7に示す
ようなL字型の集合住宅では、接合部は戸境壁とラーメ
ン構造が接合することになり、地震時の水平力に対して
捩れを生ずる。これを避けるために従来は、接合部にエ
クスパンションジョイントを設けて建物毎に設計するの
が一般的であった。しかしエクスパンションジョイント
の変形は頂部変位の2倍にも達するという大きな変形と
なり、大きなディテールが必要となる。この問題を解決
するため、エクスパンションジョイントをジョイントダ
ンパに置き換えて、L字型の集合住宅の戸境壁部分とラ
ーメン構造を接合して両者の剛性の差によって生ずる地
震時の水平力による応答を吸収することを目的とする。
は機能上、方向によって戸境壁とラーメン構造という剛
性の異なった構造で構成されている。従って図7に示す
ようなL字型の集合住宅では、接合部は戸境壁とラーメ
ン構造が接合することになり、地震時の水平力に対して
捩れを生ずる。これを避けるために従来は、接合部にエ
クスパンションジョイントを設けて建物毎に設計するの
が一般的であった。しかしエクスパンションジョイント
の変形は頂部変位の2倍にも達するという大きな変形と
なり、大きなディテールが必要となる。この問題を解決
するため、エクスパンションジョイントをジョイントダ
ンパに置き換えて、L字型の集合住宅の戸境壁部分とラ
ーメン構造を接合して両者の剛性の差によって生ずる地
震時の水平力による応答を吸収することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】方向によって剛性の異な
る戸境壁とラーメン構造よりなる集合住宅に於いて、前
記戸境壁とラーメン構造を接合する場合、接合部に制震
要素としてのダンパを装着して、耐震性を向上させたこ
とを特徴とする集合住宅の制震構造を主旨とする。
る戸境壁とラーメン構造よりなる集合住宅に於いて、前
記戸境壁とラーメン構造を接合する場合、接合部に制震
要素としてのダンパを装着して、耐震性を向上させたこ
とを特徴とする集合住宅の制震構造を主旨とする。
【0004】
【作用】戸境壁とラーメン構造部分を接合する集合住宅
の構造に於いて、エクスパンションジョイントに変え
て、ジョイントダンパを採用することにより、建物の高
さに差がなくても壁方向とラーメン方向の剛性の差によ
って、地震時に於いて全体的な応答低減が得られ、かつ
エクスパンションジョイントの幅をジョイントダンパの
変形で制限し、ディテールを簡素化することが可能とな
る。
の構造に於いて、エクスパンションジョイントに変え
て、ジョイントダンパを採用することにより、建物の高
さに差がなくても壁方向とラーメン方向の剛性の差によ
って、地震時に於いて全体的な応答低減が得られ、かつ
エクスパンションジョイントの幅をジョイントダンパの
変形で制限し、ディテールを簡素化することが可能とな
る。
【0005】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の集合住宅の制震
構造を説明する。
構造を説明する。
【0006】図1は、5層のL字型集合住宅の斜視図
で、X、Y方向の水平力に対する、層剪断力をシミュレ
ートした模型図も併せて示している。ジョイントダンパ
1及びジョイントダンパ2は最上階に2個設置する。A
棟4、B棟5を剛な鋼棒とし、その頂部を前記ジョイン
トダンパ1及び2と剛な棒部材11で剛接したものをシ
ミュレーションモデルとする。
で、X、Y方向の水平力に対する、層剪断力をシミュレ
ートした模型図も併せて示している。ジョイントダンパ
1及びジョイントダンパ2は最上階に2個設置する。A
棟4、B棟5を剛な鋼棒とし、その頂部を前記ジョイン
トダンパ1及び2と剛な棒部材11で剛接したものをシ
ミュレーションモデルとする。
【0007】ジョイントダンパは鋼製性ダンパでもよい
しオイルダンパ等どのようなダンパでもよいが本シミュ
レーションでは図2に示すようなベルダンパ3を用い
た。該ベルダンパ3の初期剛性は85t/cmで降伏点は1
1.5t とする。地震入力レベルはベースシヤーC0 =
0.2とし、エルセントロ波100Gal とした。
しオイルダンパ等どのようなダンパでもよいが本シミュ
レーションでは図2に示すようなベルダンパ3を用い
た。該ベルダンパ3の初期剛性は85t/cmで降伏点は1
1.5t とする。地震入力レベルはベースシヤーC0 =
0.2とし、エルセントロ波100Gal とした。
【0008】図3(a)にX方向に地震力が作用した場
合の層剪断力、(b)にA棟負担分のフレーム方向剪断
力、(c)にB棟負担の壁方向の剪断力をジョイントダ
ンパ1、2を採用した場合(実線)と、A、B棟独立で
エクスパンションジョイントを採用した場合(点線)で
比較している。
合の層剪断力、(b)にA棟負担分のフレーム方向剪断
力、(c)にB棟負担の壁方向の剪断力をジョイントダ
ンパ1、2を採用した場合(実線)と、A、B棟独立で
エクスパンションジョイントを採用した場合(点線)で
比較している。
【0009】図4は、同様に、(a)にY方向に地震力
が作用した場合の層剪断力、(b)にA棟負担の壁方向
剪断力、(c)にB棟負担のフレーム方向の剪断力を比
較したものである。
が作用した場合の層剪断力、(b)にA棟負担の壁方向
剪断力、(c)にB棟負担のフレーム方向の剪断力を比
較したものである。
【0010】これらの結果からX方向地震入力に対して
は、全体剪断力で26%、Y方向では16%の低減が可
能であることが分かる。
は、全体剪断力で26%、Y方向では16%の低減が可
能であることが分かる。
【0011】図5は、シミュレーションに供した集合住
宅の屋根レベルの平面図であり、図6(a)はベルダン
パ3の取付部の平面詳細図であり、(b)はその立面図
(Z−Z視図)である。(b)に於いて、B棟5の柱8
に支持部材9を設け、該支持部材9の上にベルダンパ3
を立て、該ベルダンパ3が納まるような空隙をA棟4の
床スラブ10に設け、鉄板でベルダンパ3の頂部を拘束
するように形成し、該鉄板を床スラブ10と接合した構
造である。
宅の屋根レベルの平面図であり、図6(a)はベルダン
パ3の取付部の平面詳細図であり、(b)はその立面図
(Z−Z視図)である。(b)に於いて、B棟5の柱8
に支持部材9を設け、該支持部材9の上にベルダンパ3
を立て、該ベルダンパ3が納まるような空隙をA棟4の
床スラブ10に設け、鉄板でベルダンパ3の頂部を拘束
するように形成し、該鉄板を床スラブ10と接合した構
造である。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、L字型集合住宅の最上
部をジョイントダンパによって接合することにより全体
の耐震性が大幅に向上し(例えば5層L字型集合住宅が
地震力を受けた場合に於いて、X方向26%、Y方向1
6%の全体剪断力の低減)、エクスパンションが25m
m位の幅の狭いシールで処理出来る利点がある。
部をジョイントダンパによって接合することにより全体
の耐震性が大幅に向上し(例えば5層L字型集合住宅が
地震力を受けた場合に於いて、X方向26%、Y方向1
6%の全体剪断力の低減)、エクスパンションが25m
m位の幅の狭いシールで処理出来る利点がある。
【図1】5層のL字型集合住宅の斜視図で、X、Y方向
の水平力に対する、層剪断力をシミュレートした模型図
でもある。
の水平力に対する、層剪断力をシミュレートした模型図
でもある。
【図2】制震装置としてのダンパの一例でベルダンパの
図である。
図である。
【図3】(a)はX方向に地震力が作用した場合の層剪
断力、(b)はA棟負担分のフレーム方向剪断力、
(c)はB棟負担の壁方向の剪断力をジョイントダンパ
1、2を採用した場合(実線)と、A、B棟独立でエク
スパンションジョイントを採用した場合(点線)で比較
した図である。
断力、(b)はA棟負担分のフレーム方向剪断力、
(c)はB棟負担の壁方向の剪断力をジョイントダンパ
1、2を採用した場合(実線)と、A、B棟独立でエク
スパンションジョイントを採用した場合(点線)で比較
した図である。
【図4】(a)はY方向に地震力が作用した場合の層剪
断力、(b)はA棟負担分の壁方向剪断力、(c)はB
棟負担のフレーム方向の剪断力をジョイントダンパ1、
2を採用した場合(実線)と、A、B棟独立でエクスパ
ンションジョイントを採用した場合(点線)で比較した
図である。
断力、(b)はA棟負担分の壁方向剪断力、(c)はB
棟負担のフレーム方向の剪断力をジョイントダンパ1、
2を採用した場合(実線)と、A、B棟独立でエクスパ
ンションジョイントを採用した場合(点線)で比較した
図である。
【図5】シミュレーションに供した集合住宅の屋根レベ
ルの平面図である。
ルの平面図である。
【図6】(a)はベルダンパの取付部の平面詳細図であ
り、(b)はその立面詳細図である。
り、(b)はその立面詳細図である。
【図7】L字型の集合住宅で、接合部が戸境壁とラーメ
ン構造が接することになることを示す図である。
ン構造が接することになることを示す図である。
1・・・ジョイントダンパ(JD)、2・・・ジョイン
トダンパ(JD)、3・・・ベルダンパ、4・・・A
棟、5・・・B棟、6・・・戸境壁、7・・・ラーメン
構造、8・・・柱、9・・・支持部材、10・・・床ス
ラブ
トダンパ(JD)、3・・・ベルダンパ、4・・・A
棟、5・・・B棟、6・・・戸境壁、7・・・ラーメン
構造、8・・・柱、9・・・支持部材、10・・・床ス
ラブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 出 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 方向によって剛性の異なる戸境壁とラー
メン構造よりなる集合住宅に於いて、前記戸境壁とラー
メン構造を接合する場合、接合部に制震要素としてのダ
ンパを装着して、耐震性を向上させたことを特徴とする
集合住宅の制震構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13161895A JPH08326354A (ja) | 1995-05-30 | 1995-05-30 | 集合住宅の制震構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13161895A JPH08326354A (ja) | 1995-05-30 | 1995-05-30 | 集合住宅の制震構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08326354A true JPH08326354A (ja) | 1996-12-10 |
Family
ID=15062281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13161895A Pending JPH08326354A (ja) | 1995-05-30 | 1995-05-30 | 集合住宅の制震構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08326354A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11336332A (ja) * | 1998-05-29 | 1999-12-07 | Kajima Corp | 既存構造物の補強構造及び補強構造物 |
JP2001207549A (ja) * | 1999-11-16 | 2001-08-03 | Sekisui Chem Co Ltd | 建築物 |
JP2004027594A (ja) * | 2002-06-25 | 2004-01-29 | East Japan Railway Co | 制振構造物 |
JP2011026855A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | East Japan Railway Co | 隣接建物を利用した耐震補強方法及び耐震補強構造物 |
-
1995
- 1995-05-30 JP JP13161895A patent/JPH08326354A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11336332A (ja) * | 1998-05-29 | 1999-12-07 | Kajima Corp | 既存構造物の補強構造及び補強構造物 |
JP2001207549A (ja) * | 1999-11-16 | 2001-08-03 | Sekisui Chem Co Ltd | 建築物 |
JP2004027594A (ja) * | 2002-06-25 | 2004-01-29 | East Japan Railway Co | 制振構造物 |
JP2011026855A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | East Japan Railway Co | 隣接建物を利用した耐震補強方法及び耐震補強構造物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990803 |