JP3218527B2 - 制振構造物 - Google Patents

制振構造物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高層建物、特に超高層
建物の制振に用いて好適な制振構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より提案されている受動的な制振構
造物は、その多くが剪断変形が卓越する構造物の変形ま
たは応答を抑制しようとするものであった。具体的に
は、剪断変形を生ずる部分に、建物の振動エネルギーを
吸収するための制振装置を取り付ける制振構造物であっ
た。しかし、このような機構では、超高層ビルに代表さ
れるような曲げが卓越する構造物の振動抑制にはほとん
ど効かない。なぜなら、層間変形がほとんどなく、柱の
微小な軸変形の積み重ねによって構造物全体の曲げ変形
が生ずるので、制振装置をかりに設置しても、制振装置
にはほとんど変形が生じず、エネルギー吸収がほとんど
なされないからである。
【0003】このため、このような曲げ変形が卓越する
ような構造物では、TMD(チューンド・マス・ダン
パ)に代表されるように、曲げ変形によって生じた水平
変位を二次系で増幅する制振手段がとられていた。しか
し、構造物に小さな付加的質量を付け加えただけの制振
装置であるTMDには以下の問題点があった。すなわ
ち、制振装置のストロークに限界があり、大地震時用に
は無理がある。二次系の周期のチューニングを慎重に行
なわなければ効果がうまく発揮されない。二次系があく
までも付加的で、中途半端な物量であるために有効利用
しにくいという問題点である。なお、このような問題点
は、構造物の剛性が大きいほど顕著となる。
【0004】そこで、曲げが卓越する構造物の制振用と
して、次のようなメガーサブ機構を有する制振構造物が
開発された。このメガーサブ機構を有する制振構造物
は、図4に示すように、自重や地震力に抵抗する主構造
体1と、主構造体1に生じた変形を適度に増幅するため
の二次系の役割を果たす副構造体2によって構成され、
副構造体2の重量は主構造体1の重量に比べて同等若し
くは大きいものとされ、副構造体2と主構造体1の間に
は制振装置3が設けられるものである(特公平5ー20
73号公報、特開平2ー194279号公報参照)。そ
して、このようなメガーサブ機構を有する制振構造物で
は、大地震時の制振にも有効に用いることができる。副
構造体2と主構造体1の間の変位を現実的な範囲まで低
減できる。副構造体2の振動自体も低減されて二次系で
ある副構造体2を居住空間として有効に利用できる等の
利点を持つ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したメガ
ーサブ機構を有する制振構造物にあっても、以下の問題
点があった。 すなわち、各副構造体2の周期をそれよりも大きな構
造体である主構造体1の周期よりも長くすることが必要
であるために、副構造体の支持方法が問題となる。現実
では、主架構のメガビームからつり下げることが考えら
れているが、メガビームが過大になったりする等の問題
が生じ、実際に副構造体2の周期を長くすることが難し
い。 十分な制振装置の設置スペースを確保することが難し
い。このため、制振装置3の能力を十分に発揮させるこ
とができず、制振装置3の能力が十分に発揮できない場
合には、制振効果が副構造体の周期に鋭敏に依存してし
まい、ロバスト性が乏しくなる。 主構造体1と副構造体2を結ぶ制振装置3が、主構造
体1のメガコラムに取り付く場合には、メガコラムに過
大な横力が作用してしまうという問題点があった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、主構造体と副構造体との間に制振装置を設置するた
めの余分なスペースを必要とせず、しかも主構造体のメ
ガコラムに過大な横力を作用させることなく良好な制振
が行なえる制振構造物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、主架構からなる主構造体の内部に形成される空間
に、居室・居住区空間を画成する副構造体が、その上部
を前記主構造体の梁から延びる吊り材によって吊り下げ
られるとともにその下部を前記主構造体との間に介装さ
れた制振装置によって側方への移動を抑制されて収納さ
れ、前記副構造体は上下方向に多層構造とされ、かつ副
構造体の層間に制振装置が介装されていることを特徴と
する。
【0008】請求項2記載の発明では、前記副構造体の
層間に介装される制振装置は、板材と粘弾性体が交互に
複数層貼り合わされて構成されることを特徴とする。
【0009】
【0010】請求項記載の発明では、主架構からなる
主構造体の内部に形成される空間に、居室・居住区空間
を画成する副構造体が、その上部を吊り材によって吊り
下げられるとともにその下部を制振装置によって側方へ
の移動を抑制されて収納され、前記副構造体は上下に多
層構造とされ、かつ副構造体の層間に制振装置が介装さ
れるとともに、前記主構造体の上方の梁から該梁によっ
て支持される前記副構造体の対角線に沿って延びて副構
造体の下端あるいは前記主構造体の下方の梁と連結され
る斜め材に制振装置が介装されていることを特徴とす
る。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明では、地震あるいは風等に
よって当該制振構造物に振動が生じるとき、主構造体に
よって吊り下げられた副構造体には変形が生じるが、こ
のとき生じる変形は主に剪断変形である。したがって、
この副構造体に生じる剪断変形を副構造体の層間に介装
させた制振装置によって吸収し、もって建物の振動エネ
ルギーを吸収して揺れを低減する。
【0012】請求項2記載の発明では、副構造体の変形
に応じて、副構造体の層間に介装させた制振装置の粘弾
性体が変形し、この粘弾性体が変形することによって建
物の振動エネルギーを吸収して揺れを低減する。
【0013】
【0014】請求項記載の発明では、上記した請求項
1記載の発明の作用を持つ。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 〈第1実施例〉図1及び図2は第1実施例の制振構造物
の概略構成を示す。図において、符号10は主構造体で
ある。主構造体10は、長期・短期荷重に対して設計さ
れた柱10a及び梁10bを備える主架構からなる。主
構造体10の内部に形成される上下分割された各空間に
は居室・居住区空間を画成する副構造体12A,12
B,…が、主構造体の梁1bから下方に延びる鋼材等の
引張強度の強い材料からなる吊り材13,…によって懸
垂支持されて、主構造体10との間にクリアランスをあ
けて収納されている。副構造体12A,12B,…の下
端と主構造体10の柱10a及び梁10bの交差部分の
近傍との間には制振装置14が設けられ、これにより、
副構造体12A,12B,…と主構造体10との間の相
対変位は抑制される。制振装置14は、主構造体10と
副構造体12A,12B,…との間の相対変位に基づく
振動エネルギーを熱エネルギー等に変換して吸収するも
のであり、例えば高減衰ゴム等の弾塑性材や、粘性流体
等を利用して構成された粘性ダンパ等が利用される。ま
た、副構造体12A,12B,…の重量は、主構造体1
0の重量に比べて同等もしくはそれよりも大きく設定さ
れる。
【0016】前記副構造体12A,12B,…の内部
は、柱、スラブ及び壁等によって複数に区分けされ、こ
れにより居室あるいは居住区空間が多層構造の形で形成
されている。副構造体12A,12B,…の各層間には
制振装置16,…が設けられている。制振装置16は、
図2に示すように、鋼鈑16aと粘弾性体16bとを交
互に複数層貼り合わせたものであり、副構造体12A,
12B,…の各層間に生じる剪断変形に応じて粘弾性体
16bが変形し、それら副構造体12A,12B,…の
振動エネルギーを吸収するものである。
【0017】しかして、上記構成の制振構造物では、地
震あるいは風等によって当該制振構造物に振動が生じる
とき、主構造体10には曲げ変形が卓越するものの、副
構造体12A,12B,…は、その上部を前記主構造体
10の梁10bから延びる吊り材13によって吊り下げ
られるとともにその下部を前記主構造体10との間に介
装された制振装置14によって側方への移動を抑制され
て収納されるため、副構造体12A,12B,…には剪
断変形が卓越する。この副構造体12A,12B,…に
生じる卓越する剪断変形は、副構造体12A,12B,
…の各層間に介装させた制振装置16によって吸収され
る。したがって、副構造体12A,12B,…に止まら
ず主構造体10の振動エネルギーをも吸収され、ひいて
は制振構造物全体の振動エネルギーを吸収して揺れを低
減し得る。
【0018】図3は本発明の第2実施例を示す。この実
施例の特徴は、主構造体10の梁10bから該梁10b
によって支持される前記副構造体12A,12B,…の
対角線に沿って延びて副構造体の下端に連結されるよう
に斜め材20が設けられ、この斜め材20に制振装置2
1を介装された点である。斜め材20は、図にも示すよ
うに片側に設けているものではなく、図中右上から左下
及び左上から右下へ延びるようにX字状に設けられ、そ
れら斜め材20にそれぞれ制振装置21が介装されてい
る。斜め材20には、圧縮強度の優れたブレース材、あ
るいは引張強度の優れたワイヤー材等が用いられる。ま
た、斜め材20どうしは交差部分が互いに固定されてい
てもよく、さらに、副構造体12A,12B,…の振動
を抑制したい振動モードに合わせて、斜め材20を副構
造体12A,12B,…の中間層の一部と固定されても
よい。また、斜め材20の下端は副構造体12A,12
B,…の下端に取り付けているが、これに限られること
なく、主構造体の下方の梁に連結されてもよい。制振装
置21には、前記制振装置14と同様なもの、例えば高
減衰ゴム等の弾塑性材や、粘性流体等を利用して構成さ
れた粘性ダンパ等が用いられる。なお、他の構造は、前
記した第1実施例と同様であるため、第1実施例と同一
の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0019】この第2実施例のものでは、斜め材20に
介装した制振装置21が、主構造体10の梁10bと該
梁10bによって支持される副構造体12A,12B,
…の下端との間に生じる斜め方向の相対変位を抑制する
ように作用する。したがって、より長周期のモードの外
乱に対しても有効に制振できる。
【0020】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、地震ある
いは風等によって当該制振構造物に振動が生じるとき、
主構造体によって吊り下げられる副構造体には主に剪断
変形が生じ、この剪断変形を副構造体の層間に介装させ
た制振装置によって吸収し、もって建物の振動エネルギ
ーを吸収して揺れを低減し得る。また、主構造体と副構
造体との間に設ける制振装置は、副構造体の下部と主構
造体との間にのみ設けられるものであり、従来の主構造
体と副構造体の間に多数の制振装置を設けるものに比
べ、制振装置を多数配置するための余計なスペースを必
要とせず、しかも、主構造体のメガコラムに過大な横力
が作用するのを防止できる。
【0021】請求項2記載の発明では、副構造体の変形
に応じて、副構造体の層間に介装させた制振装置の粘弾
性体が変形し、この粘弾性体が変形することによって建
物の振動エネルギーを吸収するので、制振構造物の揺れ
を効率良く低減できる。
【0022】
【0023】請求項記載の発明では、上記した請求項
1記載の発明と同様な効果をもつ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の概略構成図。
【図2】同第1実施例の副構造体の層間に介装される制
振装置の概略構成図。
【図3】本発明の第2実施例の概略構成図。
【図4】従来の制振構造物の概略構成図。
【符号の説明】
10 主構造体 10a 柱 10b 梁 12A,12B,… 副構造体 13 吊り材 14 制振装置 16 制振装置 16a 鋼材 16b 粘弾性体 20 斜め材 21 制振装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 9/02 E04B 1/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主架構からなる主構造体の内部に形成さ
    れる空間に、居室・居住区空間を画成する副構造体が、
    その上部を前記主構造体の梁から延びる吊り材によって
    吊り下げられるとともにその下部を前記主構造体との間
    に介装された制振装置によって側方への移動を抑制され
    て収納され、前記副構造体は上下方向に多層構造とさ
    れ、かつ副構造体の層間に制振装置が介装されているこ
    とを特徴とする制振構造物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制振構造物において、前
    記副構造体の層間に介装される制振装置は、板材と粘弾
    性体が交互に複数層貼り合わされて構成されることを特
    徴とする制振構造物。
  3. 【請求項3】 主架構からなる主構造体の内部に形成さ
    れる空間に、居室・居住区空間を画成する副構造体が、
    その上部を吊り材によって吊り下げられるとともにその
    下部を制振装置によって側方への移動を抑制されて収納
    され、前記副構造体は上下に多層構造とされ、かつ副構
    造体の層間に制振装置が介装されるとともに、前記主構
    造体の上方の梁から該梁によって支持される前記副構造
    体の対角線に沿って延びて副構造体の下端あるいは前記
    主構造体の下方の梁と連結される斜め材に制振装置が介
    装されていることを特徴とする制振構造物。
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