JP2003328585A - ピロティを有する建物の制震構造 - Google Patents
ピロティを有する建物の制震構造Info
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Abstract
式とした建物の制震構造を提供する。 【解決手段】ピロティ部2の柱頭と、剛性が高い上層階
3の最下梁4との間を絶縁し、その絶縁部に長期軸力を
伝達可能な絶縁支承部5が設けられ、ピロティ部の柱頭
に水平方向の繋ぎ材6が設置され、この繋ぎ材を下弦材
とし、上層階の最下梁4を上弦材として、その間にダン
パー7が設置されている。
Description
が林立して壁のないピロティ形式とした建物の制震構造
の技術分野に属する。
舗や駐車場などに利用する建物は広く実施されている。
しかし、低層階で剛性が急激に低下するので、耐震性能
に問題があり、過去の地震においても大きな被害を受け
ている。したがって、ピロティ部には耐震壁を適切に配
置することが望ましいが、計画動線上、壁の配置は不可
能なケースが多い。
性、制震性を高める工夫として、例えば(1)特開平9
−328924号公報に記載された「耐震構造」は、ピ
ロティ構造物の2階の壁を除去して、その代わりにダン
パーを取り付け、地震時の振動エネルギを吸収させる構
成とされている。
載された「建造物」は、ピロティ空間を形成する柱と、
この柱の上に積層ゴム等の免震手段を介して構築され
た、コミニュティセンターなどとして利用可能な上部構
造とで構成されている。
記載された「耐震補強構造」は、1階のピロティ部分
に、全方向対応型の制震部材を配設した構成とされてい
る。全方向対応型の制震部材は、一般鋼又は低降伏点鋼
などによる鋼管、或いは鉛入りの高減衰積層ゴムなどで
ある。
に開示されたピロティを有する建物の制震構造は、それ
ぞれ固有の課題の解決を達成していることは認められ
る。しかしながら、例えば上記従来技術(1)の場合
は、2階の壁を除去することが前提条件となる。上記従
来技術(2)の場合は、柱の上に積層ゴム等の免震手段
を介してコミニュティセンターなどの上部構造を構築し
た構成を注目できる。しかし、地震エネルギの減衰手段
については一切配慮されていない。上記従来技術(3)
の場合は、1階のピロティ部分に、全方向対応型の制震
部材を配設した構成なので、当然のことながら、1階の
ピロティ部分の空間的利用に制約が生じるという問題が
ある。
施でき、制震効果、応答減衰効果が大きく、しかもピロ
ティ部分の空間的利用に制約を生じさせない、ピロティ
を有する建物の制震構造を提供することである。
決するための手段として、請求項1に記載した発明に係
るピロティを有する建物の制震構造は、低層階を壁のな
いピロティ形式とした建物において、ピロティ部の柱頭
と、剛性が高い上層階の最下梁との間を絶縁し、その絶
縁部に長期軸力を伝達可能な絶縁支承部が設けられてい
ること、ピロティ部の柱頭に水平方向の繋ぎ材が設置さ
れ、この繋ぎ材を下弦材とし、前記上層階の最下梁を上
弦材として、その間にダンパーが設置されていることを
特徴とする。
たピロティを有する建物の制震構造において、絶縁支承
部は、積層ゴム又は滑り支承若しくは転がり支承などで
あることを特徴とする。
たピロティを有する建物の制震構造において、ダンパー
は、金属製の履歴系減衰材であることを特徴とする。
たピロティを有する建物の制震構造において、ダンパー
は、柱頭の繋ぎ材を下弦材とし、前記上層階の最下梁を
上弦材とし、その間に、低降伏点鋼を斜材として組み込
んだトラス架構として構成されていることを特徴とす
る。
たピロティを有する建物の制震構造において、トラス架
構は、斜材が順次段階別に降伏する構造とされているこ
とを特徴とする。
を説明する。図1は、地上1階ないし2階程度の低層階
を、柱1…のみが林立して壁のないピロティ形式とした
建物の一例を示している。従って、ピロティ部2は店
舗、駐車場などの用途に至便に供し得る。
等が配置されて剛性が高い上層階3の最下梁4との間は
完全に絶縁され、その絶縁部に長期軸力を伝達可能な絶
縁支承部5が設けられている。この絶縁支承部5として
は、公知の積層ゴム又は滑り支承若しくは転がり支承な
どを適用できる(請求項2記載の発明)。場合によって
はステンレス鋼板等を敷き込んで滑り可能に構成した支
承(一種の滑り支承)なども実施可能である。
4の下方に一定の間隔を開けた位置に水平方向の繋ぎ材
6が設置され、この繋ぎ材6を下弦材とし、前記上層階
の最下梁4を上弦材として、その間に、境界条件を利用
する減衰材としてダンパー7又は8が設置されている。
なお、図1の建物に指示したA−A側は、ダンパー7が
金属製の履歴系減衰材である場合の実施形態を示し、同
B−B側はダンパー8がトラス架構として構成された場
合の実施形態を便宜的に示す。これらのダンパー7と8
は1種類づつ使い分ける場合と、適材適所に2種を併用
する場合とがある。
したダンパー7(請求項3記載の発明)の構造詳細を示
している。これはローコスト化を意図した実施形態で、
低降伏点鋼板などによるエネルギ吸収部7aの上下両端
が、上層階3の最下梁4及び繋ぎ材6にそれぞれ固定さ
れたアンカー部7b、7cと縫うようにボルト接合等し
て固定された構成である。地震時に絶縁支承部5(境界
部)に集中する剪断変形を利用してエネルギ吸収部7a
に地震エネルギを吸収させて減衰効果を高める構成であ
る。紙面と直交方向(面外方向)の変形に関しては、エ
ネルギ吸収部7aの面外曲げ抵抗により減衰性能を発揮
させる。
し、前記上層階3の最下梁4を上弦材として利用し、そ
の間に、低降伏点鋼を斜材8a(ラチス)として組み込
んでトラス架構として構成されたダンパー8(請求項4
記載の発明)の構造詳細を示している。やはり、地震時
に絶縁支承部5(境界部)に集中する剪断変形を利用し
て斜材8aに地震エネルギを吸収させ減衰効果を高める
構成である。
は、最下梁4の鉛直力(上載荷重)に対する自立性を高
めることが可能であるほか、トラス架構の斜材8aが柱
1の直近位置から遠のくにつれて順次段階別に降伏する
構造に設計、施工することにより、建物の制震効果を調
整することも可能である(請求項5記載の発明)。
(S造)である場合はもとよりのこと、鉄筋コンクリー
ト造建物その他の別を問わず実施可能である。
係るピロティを有する建物の制震構造は、構造が簡単
で、実施が容易であり、比較的安価に実施できるほか、
制震効果に優れ、応答減衰効果が大きく、しかもピロテ
ィ部分の空間的利用に制約を生じさせないので、建物機
能の自由度が高いのである。
面図である。
ある。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】低層階を壁のないピロティ形式とした建物
において、 ピロティ部の柱頭と、剛性が高い上層階の最下梁との間
を絶縁し、その絶縁部に長期軸力を伝達可能な絶縁支承
部が設けられていること、 ピロティ部の柱頭に水平方向の繋ぎ材が設置され、この
繋ぎ材を下弦材とし、前記上層階の最下梁を上弦材とし
て、その間にダンパーが設置されていることを特徴とす
る、ピロティを有する建物の制震構造。 - 【請求項2】絶縁支承部は、積層ゴム又は滑り支承若し
くは転がり支承などであることを特徴とする、請求項1
に記載したピロティを有する建物の制震構造。 - 【請求項3】ダンパーは、金属製の履歴系減衰材である
ことを特徴とする、請求項1に記載したピロティを有す
る建物の制震構造。 - 【請求項4】ダンパーは、柱頭の繋ぎ材を下弦材とし、
前記上層階の最下梁を上弦材とし、その間に、低降伏点
鋼を斜材として組み込んだトラス架構として構成されて
いることを特徴とする、請求項1に記載したピロティを
有する建物の制震構造。 - 【請求項5】トラス架構は、斜材が順次段階別に降伏す
る構造とされていることを特徴とする、請求項4に記載
したピロティを有する建物の制震構造。
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JP2002132606A JP3622115B2 (ja) | 2002-05-08 | 2002-05-08 | ピロティを有する建物の制震構造 |
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JP3622115B2 JP3622115B2 (ja) | 2005-02-23 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006249795A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Railway Technical Res Inst | 線路上空建築物の免震防振構造システム |
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JP2008038420A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-02-21 | Jfe Steel Kk | 人工地盤を有する免震構造物 |
KR100973152B1 (ko) * | 2008-02-21 | 2010-07-30 | 쌍용건설 주식회사 | 복층 건물의 필로티 보강 구조체 |
JP2010270474A (ja) * | 2009-05-20 | 2010-12-02 | Shimizu Corp | 制振構造 |
-
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- 2002-05-08 JP JP2002132606A patent/JP3622115B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3622115B2 (ja) | 2005-02-23 |
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