JP2010270474A - 制振構造 - Google Patents

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【課題】ピロティ形式の建物の長所を損なうことなくその耐震性を充分に確保し得る有効適切な構造を実現する。
【解決手段】ピロティ形式の建物の主体構造1に対して独立に挙動して付加バネとして機能する付加ラーメン架構2をピロティ階の床面上に設置し、付加ラーメン架構と主体構造との間に慣性質量ダンパー4を備えた制振機構3を介装して応答低減機構として機能する付加振動系を構成し、その固有振動数f0を主体構造の1次固有振動数f1に同調させる。あるいは付加ラーメン架構を主体構造と一体に挙動するように設置して、付加ラーメン架構とピロティ階の床面との間に制振機構を介装する。制振機構に慣性質量ダンパー4と並列に付加減衰要素5を備える。付加ラーメン架構の水平剛性(付加バネ)k0をピロティ階の層剛性k1の0.05〜0.30倍の範囲に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明はピロティ形式の建物を対象とする制振構造に関する。
建物の1階に耐震壁やブレースを設けず柱のみとしたピロティ形式は、特に市街地のマンションやビルの1階を駐車場や店舗とする場合に有効な形態であるが、阪神大震災でも多くの被害が報告されているように耐震性に劣るという問題がある。
このため、1階部分に耐震性能を確保させるためのブレースや耐震壁を追加したり、柱断面を増加することが行われるが、その場合はピロティ形式本来の利点が損なわれるし、建築計画を阻害する要因となり意匠性も損なうものとなり、好ましくない。
また、既存のピロティ形式の建物に対する耐震補強策としても同様にブレースや耐震壁を増設することが一般的であり、耐震性は向上するものの使い勝手を低下させてしまうという問題を生じる。
なお、ピロティ構造の建物の耐震性を改善するための構造として、特許文献1にはピロティ階の上階の既存壁を除去して代わりにダンパを取着するという構造が提案され、特許文献2にはピロティ階に制振装置(壁体状のダンパー)を設置するという構造が提案されている。
特開平9−328924号公報 特開2003−278402号公報
しかし、特許文献1,2に示される構造によることでは、ダンパの設置によりピロティ階やその上階の使い勝手が損なわれるし、必ずしも充分な効果が得られるものではない。
そのため、ピロティ形式の建物の長所を損なうことなくその耐震性を充分に確保し得る有効適切な構造が求められている。
請求項1記載の発明は、ピロティ形式の建物を対象とする制振構造であって、当該建物の主体構造に対して独立に挙動して付加バネとして機能する付加ラーメン架構をピロティ階の床面上に設置して、該付加ラーメン架構と主体構造との間に慣性質量ダンパーを備えた制振機構を介装することにより、それら付加ラーメン架構と慣性質量ダンパーとによって応答低減機構として機能する付加振動系を構成し、前記付加ラーメン架構の水平剛性k0と前記慣性質量ダンパーの慣性質量Ψとにより定まる付加振動系の固有振動数f0を、主振動系としての主体構造の1次固有振動数f1に同調させたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、ピロティ形式の建物を対象とする制振構造であって、当該建物の主体構造と一体に挙動するとともにピロティ階の床面に対して独立に挙動して付加バネとして機能する付加ラーメン架構をピロティ階に設置して、該付加ラーメン架構とピロティ階の床面との間に慣性質量ダンパーを備えた制振機構を介装することにより、それら付加ラーメン架構と慣性質量ダンパーとによって応答低減機構として機能する付加振動系を構成し、前記付加ラーメン架構の水平剛性k0と前記慣性質量ダンパーの慣性質量Ψとにより定まる付加振動系の固有振動数f0を、主振動系としての主体構造の1次固有振動数f1に同調させたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の制振構造であって、前記制振機構に前記慣性質量ダンパーと並列に付加減衰要素を備えたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の発明の制振構造であって、前記付加ラーメン架構の水平剛性k0を、主体構造のピロティ階の層剛性k1の0.05〜0.30倍の範囲に設定したことを特徴とする。
本発明によれば、ピロティ階に建築計画や使用勝手を阻害するブレースや耐震壁を設けずとも、比較的柔な付加ラーメン架構を設置することで耐震性能を充分に確保した軽快なピロティ形式の建物を構築できる。
特に、付加ラーメン架構による付加バネと慣性質量ダンパーとによる付加質量とによりTMD機構として機能する応答低減機構を構成するので、大きな慣性質量を軽量な回転錘で実現でき、構造体への負荷を軽減でき、風や交通振動のような小振幅だけでなく大地震時の応答低減にも効果的となる。
本発明の実施形態を示す図である。 同、具体的な設計例を示す図である。 同、解析ケースを示す図である。 同、解析結果を示す図である。 同、解析結果を示す図である。 同、変形例を示す図である。 同、他の変形例を示す図である。
本発明の制振構造の一実施形態を図1に示す。これは1階がピロティ階とされている建物(図1では地上4階建てのように図示している)への適用例であって、建物全体が柱1aおよび梁1bからなるラーメン架構による主体構造1により構築されているものであるが、ピロティ階である1階には付加柱2aおよび付加梁2bからなる付加ラーメン架構2が主体構造1とは独立に設置されているものである。
すなわち、1階の柱1aの内側には若干の間隔をおいて付加柱2aが設置され、それら付加柱2aの上端間には2階の梁1bの下方にそれとは若干の間隔をおいて付加梁2bが横架されている。この付加ラーメン架構2は主体構造1としてのラーメン架構に対して構造的には独立していてそれらは異なる振動特性により独立に挙動するものであり、したがってそれらの間には水平方向の相対変位および相対振動が生じるものとされている。
そして、主体構造1としての梁1bと付加ラーメン架構2における付加梁2bとの間には、それらの間で水平方向の相対振動が生じた際に作動する制振機構3が介装されていて、その制振機構3と付加ラーメン架構2とによって応答低減機構として機能する付加振動系が構成されている。
すなわち、図1(b)に振動モデルとして示すように、上記の制振機構3は慣性質量ダンパー4と付加減衰要素5とが並列に設置された構成とされており、また上記の付加ラーメン架構2は制振機構3に対して直列に設置された付加バネとして機能するものであり、これらにより構成される付加振動系の固有振動数を主振動系としての主体構造1の1次固有振動数に同調させるように各諸元を設定することによって、この付加振動系がTMD
(Tuned Mass Damper)機構と同様の応答低減機構として機能して主振動系としての主体構造1(すなわちこの建物全体)の振動を有効を低減させ得るものとなっている。
具体的には、この付加振動系の固有振動数f0は付加ラーメン架構2の水平剛性(付加バネ)k0と慣性質量ダンパー4の慣性質量(付加質量)Ψとにより次式で定まるから、その付加振動系の固有振動数f0が主体構造1の1次固有振動数f1にほぼ合致するように付加ラーメン架構2の水平剛性k0と慣性質量ダンパーの慣性質量Ψとを適正に設定すれば良い。
Figure 2010270474
この場合、付加ラーメン架構2の水平剛性k0は、上式の関係を満足するばかりでなく、主体構造1の1階(ピロティ階)の層剛性k1との関係も考慮して次式のようにその層剛性k1の0.05〜0.30倍(5〜30%)の範囲に設定することが好ましい。その範囲以下の場合には充分な制振効果が得られないし、その範囲以上の場合には付加柱2aや付加梁2bの断面が過大になって付加ラーメン架構2を設置するための所要スペースが徒に大きくなってしまい、したがってピロティ階の有効面積を損なうので好ましくない。
Figure 2010270474
なお、上記の制振機構3における慣性質量ダンパー4としては、水平方向の相対変位をボールねじ機構によってフライホイール(回転錘)の回転運動に変換する構成の公知のものが好適に採用可能であり、それにより小質量のフライホイールにより大きな慣性質量効果(付加質量効果)が得られる。また、許容限度を超える過大な加速度が作用した際にはフライホイールを空回りさせるリミッター機構を備えた慣性質量ダンパーを用いることも好ましく、それにより過大入力による破損を防止することができる。
また、上記の制振機構3における付加減衰要素5としてはオイルダンパーや粘弾性ダンパー、あるいは鋼材ダンパーや摩擦ダンパー等、任意の形式のものが採用可能であるが、中小地震から制振機能を発揮するためには特に粘性系ダンパー(オイルダンパーや粘弾性ダンパー)が好適に採用可能である。
また、制振機構3としては上記実施形態のように適宜の慣性質量ダンパー4と適宜の付加減衰要素5とを並列に組み合わせて構成すれば良いが、あるいは慣性質量ダンパー4として減衰コマ等の減衰要素を備えた形式のものを用いる(つまり慣性質量ダンパー4自体が付加減衰要素5の機能も兼ね備える)ことでも良く、その場合には他に格別の付加減衰要素5を設けることはない。また、付加減衰要素5を省略可能な場合には制振機構3を慣性質量ダンパー4のみで構成することでも良い。
また、付加ラーメン架構2は必ずしも建物のX方向とY方向の両方向(梁間方向と桁行方向の双方)に設置することに限らず、建物全体の形態や構造上の方向性を考慮していずれか一方向にのみ設置することでも良い。たとえばピロティ階を含め主体構造1が「梁間方向には耐震壁が多く桁行方向には純ラーメン構造」であるような場合において桁行方向の制振だけを考慮すれば良い場合には、付加ラーメン架構2および制振機構3を桁行方向にだけ設置すれば充分である。
以下、本発明の制振構造の具体的な設計例と、その制振効果を時刻歴応答解析により検討する。
・解析条件
図2に示すRC造、地上10階建(地上高さ31.2m)、1階がピロティ階、1次固有周期が0.98秒の集合住宅建物を対象とし、そのピロティ階である1階(層剛性1000kN/mm)に対して、図1に示したような付加ラーメン架構2および制振機構3を桁行方向に設置する場合について、図3に示す4ケースの比較検討を行う。
解析は構造物の非線形性を無視した線形応答解析とし、減衰は1次に対して5%の振動数比例型(弾性)とする。
検討用の地震動は高層評定で一般的に使用されている建築センター波L2(356gal)と、El Centro-NSを50kineに基準化した地震波(510gal)の2つとする。
・各ケースの諸元
〈Case-1〉従来型の耐震構造:ダンパーなし。
〈Case-2〉従来型の制振構造:1階にブレース10と直列したオイルダンパー11を設置し、そのオイルダンパー11の減衰係数c0=800kN/kineとする(1台あたり100kN/kineを8台設置)。
〈Case-3〉本発明の制振構造:1階に付加ラーメン架構2および制振機構3を設置する(ブレースや耐震壁なし)。付加ラーメン架構2の水平剛性(付加バネ)k0=200kN/mm(1階の層剛性k(k1)の0.2倍=20%)、 慣性質量ダンパー4による慣性質量Ψ=4000ton(負担力を3MN/台として、Ψ=500ton/台のものを8台設置)、付加減衰要素5としてオイルダンパーを設置し、その減衰係数c0=60kN/kine(負担力を3MN/台として、c0=30kN/kine/台のものを2台設置)とする。
〈Case-4〉比較例:Case-3の付加ラーメン架構2に対し、制振架構3に代えてCase-2のオイルダンパー11(c0=800kN/kine)を設置する(Case-2におけるブレース10をCase-3の付加ラーメン架構2に変更したものに相当する)。
・解析結果(建築センター波L2)
図4に示すように、本発明の制振構造(Case-3)では、ブレースや耐震壁を設けずに比較的柔(主体構造の層剛性の20%)な付加ラーメン架構を設けるだけであり、しかも減衰係数が従来の制振構造(Case-2)の場合の1/10以下(Case-2の場合の800kN/kineに対して、Case-3では60kN/kine)にもかかわらず、それと同等の性能を発揮している。
一方、ブレースおよび慣性質量ダンパーを用いない比較例の場合(Case-4)では、本発明の制振構造(Case-3)の10倍以上の減衰を付与しても大きな応答低減効果が望めないことがわかる。
したがって、本発明の制振構造によれば、建築計画を阻害するブレースや耐震壁を用いずとも耐震性能を確保した軽快なピロティ形式を構築できる。
・解析結果(El Centro-NS 50kine)
図5に示すように、本発明の制振構造(Case-3)では、ブレースや耐震壁がなく、しかも減衰係数が従来の制振構造(Case-2)の場合の1/10以下にも拘わらず、それと同等の性能を発揮している。
また、1階(ピロティ階)だけに制振機構を設置しているにもかかわらず、各階の応答が3〜4割低減しており、柔層となるピロティ階の層間変形角も1/100程度以下に納まっている。
なお、オイルダンパーの負担力はCase-2で22MN、Case-3で5MNなので、1台当たりの負担力は3MN以内となり、設定した台数で充分である。
ダンパーのストロークはCase-2で38mm、Case-3で130mmなので、通常の制振・免震用のダンパーで充分対応できる範囲である。
以下に本発明の効果を列挙する。
(1)ピロティ階に建築計画や使用勝手を阻害するブレースや耐震壁を設けずとも、耐震性能を充分に確保した軽快なピロティ形式の建物を構築できる。
(2)付加ラーメン架構と制振機構により応答低減機構としての付加振動系を構成し、かつその付加振動系が慣性質量ダンパーを用いたTMD機構を構成するので、大きな慣性質量(付加質量)を軽量な回転錘で実現でき、構造体への負荷を軽減できる。従来のTMD機構では錘質量を構造物の1〜2%程度しか与えることが現実的にできなかったが、本発明によれば10%以上でも比較的容易に実現できる。そのため、風や交通振動のような小振幅だけでなく大地震時の応答低減にも効果的となる。また、従来一般のTMD機構と比較して錘質量を大きくできるため応答低減する振動数範囲は広く、正確な同調がなされていなくても応答低減効果を保持できるため同調はラフでよい(ロバスト性が高い)。
(3)付加ラーメン架構を付加バネとして機能させてそれに慣性質量ダンパーに直列した応答低減機構を構成するので、単なるラーメン構造にオイルダンパーを設けた(直列した)従来型の制振構造(上記のCase-4に相当)と比較すると大幅な応答低減効果の向上が得られる。
すなわち、ピロティ階に耐震壁やブレースを設けることは意匠性を損なうため耐震壁やブレースに代えてラーメン架構による耐震要素を追加することが好ましいが、単なるラーメン架構は耐震壁やブレースに比較して剛性を確保し難いので、それにダンパーを設けてもラーメン架構の変形によるロスが生じて層間変位の一部しかダンパーに作用せず、したがって充分なる制振効果を期待できない場合が多い。
それに対し、本発明はラーメン架構の変形ロスを積極的に活用してそれを付加バネとして機能させるものであり、付加ラーメン架構の水平剛性を慣性質量ダンパーによる慣性質量と関連づけて適正に設定することによってそれらの協働作用によって優れた制振効果を得るものであるといえる。
(4)本発明は新築だけでなく既存建物の制振補強としても利用できるものである。ピロティ階にこの補強を行うことで、当該階だけでなく全層にわたり応答を低減でき耐震性を向上させることができる。従来の耐震補強と異なり、ピロティ階の耐力を増加させるわけではないが、応答を減少させることで耐震性を増大するものである。主体構造の柱梁を補強する必要がないので、施工が容易でローコスト化が図れる。
(5)従来一般のピロティ構造は柱梁に充分な耐力を付与することで耐震性を確保していたが、その場合には大きな応答加速度や変位を免れない。本発明は剛性の小さいピロティ階に応答低減機構を組み込むことで効果的に大きな減衰性能を付与し、建物の応答を低下させるものであるから、地震時の応答加速度や応答変位を低下でき、居住性を向上させることができる(建物内で揺れが小さくなり、家具や設備の転倒落下が軽減し、居住者の恐怖心も減る)。
(6)慣性質量効果を利用した応答低減機構であるので、制振ダンパーとして一般的な鋼材ダンパーのように鋼材が降伏してから効果を発揮するものとは異なり、微小振幅から効果を発揮できる。
(7)構造物の共振による応答増大を防止する構造であり、共振点近傍での応答変位・反力を大きく低減することができ、地下基礎部の負担軽減や浮き上がり防止にも効果的である。
(8)通常の粘性系や履歴系の制振ダンパーと併用することも可能であり、それにより応答低減効果を更に高めることが可能である。
以上で本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、たとえば以下に列挙するような適宜の変形や応用が可能である。
付加ラーメン架構2は上記実施形態のように主体構造1から独立させてピロティ階の床面に対して(実質的には基礎を介して地盤に対して)設置したうえで、その付加ラーメン架構2と主体構造1との間に制振機構3を介装することが現実的ではあるが、要は付加ラーメン架構2が主体構造1に対して付加バネとして機能し、かつそれらの間の相対水平振動によって制振機構3が作動するように構成すれば良く、そのためにはたとえば図6に示すように構成することも考えられる。
これは付加ラーメン架構2を上記実施形態とは天地を逆にして2階の梁1bから吊り下げた形態で設置して主体構造1と一体に挙動させることにより、ピロティ階の床面に対して独立に挙動するようにしたうえで付加ラーメン架構2の付加梁2bとピロティ階の床面(実質的には基礎を介して地盤)との間に制振機構3を介装するものであり、これによっても上記実施形態と同様の効果が得られる。
上記実施形態にように付加ラーメン架構2を主体構造1の柱1aと梁1bとによる架構の内側(構面内)において梁1bの直下に設置し、制振機構3をその梁1bとの間に設置した場合には、付加柱2bの間隔は柱1bの間隔よりも小さくなるので、それが不利な場合には、図7に示すように構成することも考えられる。
これは付加ラーメン架構2を主体構造1の架構の内側(構面内)に設置せずにそれら相互の間に設置し、制振機構3を上階の小梁(ないし床)との間に設置するようにしたものであり、この場合には付加柱2bの間隔を柱1bの間隔と同等に確保できるから、開口幅が主体柱の内のり寸法となる。このように付加ラーメン架構はピロティ階の平面計画や使用勝手を考慮して最適配置すれば良い。
付加ラーメン架構2はピロティ階の床面(あるいは図6のように構成する場合には主体構造1)に対して剛接合により設置することでも良いが、付加ラーメン架構2は主体構造1に対して所望剛性の付加バネとして機能すれば良いから、その限りにおいては付加ラーメン架構2をピロティ階の床面(あるいは主体構造1)に対してピン接合により設置することでも良い。
1 主体構造
1a 柱
1b 梁
2 付加ラーメン架構
2a 付加柱
2b 付加梁
3 制振機構
4 慣性質量ダンパー
5 付加減衰要素

Claims (4)

  1. ピロティ形式の建物を対象とする制振構造であって、
    当該建物の主体構造に対して独立に挙動して付加バネとして機能する付加ラーメン架構をピロティ階の床面上に設置して、該付加ラーメン架構と主体構造との間に慣性質量ダンパーを備えた制振機構を介装することにより、それら付加ラーメン架構と慣性質量ダンパーとによって応答低減機構として機能する付加振動系を構成し、
    前記付加ラーメン架構の水平剛性k0と前記慣性質量ダンパーの慣性質量Ψとにより定まる付加振動系の固有振動数f0を、主振動系としての主体構造の1次固有振動数f1に同調させたことを特徴とする制振構造。
  2. ピロティ形式の建物を対象とする制振構造であって、
    当該建物の主体構造と一体に挙動するとともにピロティ階の床面に対して独立に挙動して付加バネとして機能する付加ラーメン架構をピロティ階に設置して、該付加ラーメン架構とピロティ階の床面との間に慣性質量ダンパーを備えた制振機構を介装することにより、それら付加ラーメン架構と慣性質量ダンパーとによって応答低減機構として機能する付加振動系を構成し、
    前記付加ラーメン架構の水平剛性k0と前記慣性質量ダンパーの慣性質量Ψとにより定まる付加振動系の固有振動数f0を、主振動系としての主体構造の1次固有振動数f1に同調させたことを特徴とする制振構造。
  3. 請求項1または2記載の制振構造であって、
    前記制振機構に前記慣性質量ダンパーと並列に付加減衰要素を備えたことを特徴とする制振構造。
  4. 請求項1,2または3記載の制振構造であって、
    前記付加ラーメン架構の水平剛性k0を、主体構造のピロティ階の層剛性k1の0.05〜0.30倍の範囲に設定したことを特徴とする制振構造。
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