JP3278647B2 - 希土類系ボンド磁石 - Google Patents

希土類系ボンド磁石

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JP3278647B2 JP2000002223A JP2000002223A JP3278647B2 JP 3278647 B2 JP3278647 B2 JP 3278647B2 JP 2000002223 A JP2000002223 A JP 2000002223A JP 2000002223 A JP2000002223 A JP 2000002223A JP 3278647 B2 JP3278647 B2 JP 3278647B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、めっき被膜などの
耐食性被膜の形成を高い膜厚寸法精度で行うことができ
希土類系ボンド磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】Nd−Fe−B系永久磁石に代表される
R−Fe−B系永久磁石などの希土類系永久磁石は、S
m−Co系永久磁石に比べて、資源的に豊富で安価な材
料が用いられ、かつ、高い磁気特性を有している。従っ
て、特に、R−Fe−B系永久磁石は、今日様々な分野
で使用されている。近年、希土類系永久磁石が使用され
る電子業界や家電業界では、部品の小型化やダウンサイ
ジング化が進み、それに対応して、磁石自体も小型化や
複雑形状化の必要性に迫られている。この観点から、磁
性粉と樹脂バインダーを主成分とした、形状成形が容易
なボンド磁石が注目され、すでに各種方面で実用化され
ている。しかし、希土類系永久磁石は、大気中で酸化腐
食されやすいRを含む。それ故、表面処理を行わずに使
用した場合には、わずかな酸やアルカリや水分などの影
響によって表面から腐食が進行して錆が発生し、それに
伴って、磁気特性の劣化やばらつきを招くことになる。
さらに、錆が発生した磁石を磁気回路などの装置に組み
込んだ場合、錆が飛散して周辺部品を汚染する恐れがあ
る。この問題点を解消すべく、例えば、電気めっき処理
によって、磁石表面に耐食性被膜としてめっき被膜を形
成しようとする試みがなされている。しかし、ボンド磁
石に直接的に電気めっき処理を施した場合、磁石表面を
構成する樹脂バインダーで絶縁化されている磁性粉やこ
れらの磁性粉間の樹脂部分は導電性が低いために均一で
緻密なめっき被膜を形成することができず、その結果、
ピンホール(無めっき部分)が生じて発錆を招く場合が
ある。
【0003】上記の点に鑑み、ボンド磁石表面全体に導
電性を付与して電気めっき処理を行う方法が各種提案さ
れている。例えば、特開平5−302176号公報に
は、ボンド磁石と少なくとも部分的に未硬化の状態にあ
る樹脂と導電性粉体とスチールボールなどの被膜形成媒
体を容器内に入れ、それらに振動または攪拌を加えるこ
とにより、導電性粉体を含む樹脂被膜を磁石表面に形成
し、その表面にめっき被膜を形成する方法が記載されて
いる。特開平7−161516号公報には、ボンド磁石
表面の全体または一部に未硬化樹脂層を形成した後、振
動ボールミルのメディアである銅製ボールを用いてその
表面に金属粉体からなる導電層を形成し、さらにその導
電層表面にめっき被膜を形成する方法が記載されてい
る。特開平11−3811号公報には、金属粉末を添加
したカップリング剤の溶液中にボンド磁石を浸漬し、磁
石表面に金属粉末を付着させた後、さらにステンレスボ
ールなどのブラストメディアの打撃力で磁石表面に金属
粉末を充填・被覆し、その後、その表面にめっき被膜を
形成する方法が記載されている。また、特開平8−18
6016号公報には、ボンド磁石表面に樹脂と導電性材
料粉末との混合物を塗装して導電性被膜層を形成した
後、表面平滑処理を行い、その表面にめっき被膜を形成
する方法が記載されている。
【0004】ボンド磁石表面にめっき被膜以外の耐食性
被膜を形成する方法としては、以下のような方法が提案
されている。例えば、特開平7−302705号公報に
は、ボンド磁石の表面を未硬化樹脂で被覆した後、これ
を金属粉末とアルミナ製ボールなどの被覆形成媒体とと
もに容器内に入れ、容器を振動および/または攪拌する
ことにより未硬化樹脂表面に金属粉末を付着させ、その
表面にクロメート被膜を形成する方法が記載されてい
る。特開平10−226890号公報には、金属粉末を
添加したカップリング剤の溶液中にボンド磁石を浸漬し
た後、その表面に予め金属粉末を付着させた状態で、ス
テンレスボールなどのブラストメディアによる金属粉末
の付着工程を行い、その表面に樹脂被膜を形成する方法
が記載されている。また、特開平9−205013号公
報には、ボンド磁石表面の空隙部にスチールボールなど
のブラストメディアの攻撃力によって金属粉末を充填
し、その表面に樹脂被膜を形成する方法が記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−30217
6号公報などに記載の方法は、基本的に金属粉末を用い
てボンド磁石表面全体に導電性を付与するものである。
また、特開平7−302705号公報と特開平10−2
26890号公報に記載の方法によっても、ボンド磁石
表面全体に導電性を付与することができる。しかし、い
ずれの方法も樹脂やカップリング剤などの第三の成分の
粘着性を利用して金属粉末を磁石表面に付着させるもの
である。このような方法では、第三の成分を必要とする
ことから、コストの上昇を招く他、導電層を磁石表面全
体に均一に形成することが困難になるので、結果的に高
い寸法精度での表面処理が困難になる。また、未硬化樹
脂の硬化工程などが必要となるので製造工程が煩雑にな
る。さらに、金属粉末の付着手段として、スチールボー
ル、銅製ボール、ステンレスボール、アルミナ製ボール
などの媒体を用いた場合、ボンド磁石の割れや欠けを招
いてしまう恐れがある。特開平9−205013号公報
に記載の方法によれば、樹脂やカップリング剤などの第
三の成分を用いずに磁石表面の空隙部に金属粉末を充填
することが可能となる。しかし、この方法は、本来的に
磁石表面を構成する磁性粉上に金属粉末を付着させよう
とするものではない。従って、磁性粉上に金属粉末が付
着しても、その付着力は必然的に弱いものなので、磁性
粉上に金属粉末を強固に付着させることはできない。ま
た、この方法では、磁性粉上に弱く付着した過剰の金属
粉末を洗浄により除去する工程が必要になるので、製造
工程の煩雑化を招く。そこで本発明は、樹脂やカップリ
ング剤などの第三の成分を用いることなく、磁石表面全
体に均一にしかも強固に導電層を形成することにより、
めっき被膜などの耐食性被膜の形成を高い膜厚寸法精度
で行うことができる希土類系ボンド磁石を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化など
がされていない無垢な金属表面(新鮮表面)が引き起こ
す特異な表面化学反応であるメカノケミカル(mech
anochemical)反応に着目し、種々の検討を
行った結果、希土類系永久磁石と金属微粉生成物質を処
理容器内に入れ、処理容器内にて、両者に振動を加え、
および/または両者を攪拌すると、金属微粉生成物質か
ら新鮮表面を有する金属微粉が生成し、磁石表面を構成
する金属上に、金属微粉からなる被着層が強固にかつ高
密度に形成されることを知見した。
【0007】本発明は、かかる知見に基づき成されたも
ので、本発明の希土類系ボンド磁石は、請求項1記載の
通り、磁石表面を構成する金属上に実質的に金属微粉の
みからなる被着層を有することを特徴とし、該被着層の
表面に電気めっき被膜が形成されていない希土類系ボン
ド磁石である。また、請求項2記載の希土類系ボンド磁
は、請求項1記載の希土類系ボンド磁石において、金
属微粉がCu、Fe、Ni、Co、Crから選ばれる少
なくとも一種の金属成分を含んでなることを特徴とす
る。また、請求項3記載の希土類系ボンド磁石は、請求
項1記載の希土類系ボンド磁石において、金属微粉がC
u微粉であることを特徴とする。また、請求項4記載の
希土類系ボンド磁石は、請求項1記載の希土類系ボンド
磁石において、金属微粉のヴィッカース硬度値が60以
下であることを特徴とする。また、請求項5記載の希土
類系ボンド磁石は、請求項1記載の希土類系ボンド磁石
において、金属微粉がSn、Zn、Pb、Cd、In、
Au、Ag、Alから選ばれる少なくとも一種の金属成
分を含んでなることを特徴とする。また、請求項6記載
希土類系ボンド磁石は、請求項1記載の希土類系ボン
ド磁石において、金属微粉がAl微粉であることを特徴
とする。また、請求項7記載の希土類系ボンド磁石は、
請求項1記載の希土類系ボンド磁石において、希土類系
ボンド磁石R−Fe−B系ボンド磁石であることを特
徴とする。また、請求項8記載の希土類系ボンド磁石
は、請求項2記載の希土類系ボンド磁石において、磁石
表面の樹脂部分がCu、Fe、Ni、Co、Crから選
ばれる少なくとも一種の金属成分を含んでなる金属微粉
からなる被着層で被覆されていることを特徴とする。ま
た、請求項9記載の希土類系ボンド磁石は、請求項4記
載の希土類系ボンド磁石において、磁石表面の樹脂部分
がヴィッカース硬度値60以下の金属微粉からなる被着
層で被覆されていることを特徴とする。また、請求項1
0記載の希土類系ボンド磁石は、請求項2記載の希土類
系ボンド磁石において、被着層の膜厚が0.001μm
〜0.2μmであることを特徴とする。また、請求項1
1記載の希土類系ボンド磁石は、請求項4記載の希土類
系ボンド磁石において、被着層の膜厚が0.001μm
〜100μmであることを特徴とする。また、請求項1
2記載の希土類系ボンド磁石は、請求項1記載の希土類
系ボンド磁石において、金属微粉の長径が0.001μ
m〜5μmであることを特徴とする。また、本発明の
土類系ボンド磁石は、請求項13記載の通り、請求項1
記載の希土類系ボンド磁石の実質的に金属微粉のみから
なる被着層の表面に金属酸化物被膜を有することを特徴
とする。また、本発明の希土類系ボンド磁石は、請求項
14記載の通り、請求項1記載の希土類系ボンド磁石の
実質的に金属微粉のみからなる被着層の表面に化成処理
被膜を有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、磁性粉を所要のバイン
ダーによって結合成形したボンド磁石、磁性粉を焼結さ
せた焼結磁石など、種々の構成からなる希土類系永久磁
石を対象とすることができるが、本発明によれば、これ
までは磁石表面全体に導電性を付与するためには樹脂や
カップリング剤などの第三の成分が必要であったボンド
磁石に対して、このような第三の成分を用いることな
く、磁石表面全体に導電性を付与することができること
から、特に、ボンド磁石に対して有効である。従って、
本発明はボンド磁石を対象とする。なお、ボンド磁石
は、磁性粉と樹脂バインダーを主成分とするものであれ
ば磁気的等方性ボンド磁石であっても磁気的異方性ボン
ド磁石であってもよい。また、樹脂バインダーによって
結合形成されたものの他、金属バインダーや無機バイン
ダーなどによって結合成形されたものであってもよい。
さらに、バインダーにフィラーを含むものであってもよ
い。
【0009】希土類系ボンド磁石としては、種々の組成
のものや結晶構造のものが知られているが、これらすべ
てが本発明の対象となる。例えば、特開平9−9251
5号公報に記載されているような異方性R−Fe−B系
ボンド磁石、特開平8−203714号公報に記載され
ているようなソフト磁性相(例えば、α−FeやFe
B)とハード磁性相(NdFe14B)を有するNd
−Fe−B系ナノコンポジット磁石、従来から広く使用
されている液体急冷法により作成された等方性Nd−F
e−B系磁石粉末(例えば、商品名:MQP−B・MQ
I社製)を用いたボンド磁石などが挙げられる。また、
特公平5−82041号公報記載の(Fe1−x
1−y(0.07≦x≦0.3,0.001≦y≦
0.2)で表されるR−Fe−N系ボンド磁石などが挙
げられる。
【0010】本発明の効果は、ボンド磁石を構成する磁
性粉の組成、結晶構造、異方性の有無などによって異な
るものではない。従って、上述のいずれのボンド磁石に
おいても目的とする効果を得ることができる。
【0011】なお、ボンド磁石を構成する磁性粉は、希
土類系永久磁石合金を溶解し、鋳造後に粉砕する溶解粉
砕法、一度焼結磁石を作成した後、これを粉砕する焼結
体粉砕法、Ca還元にて直接磁性粉を得る直接還元拡散
法、溶解ジェットキャスターで希土類系永久磁石合金の
リボン箔を得、これを粉砕・焼純する急冷合金法、希土
類系永久磁石合金を溶解し、これをアトマイズで粉末化
して熱処理するアトマイズ法、原料金属を粉末化した
後、メカニカルアロイングにて微粉末化して熱処理する
メカニカルアロイ法などの方法で得ることができる。ま
た、R−Fe−N系ボンド磁石を構成する磁性粉は、希
土類系永久磁石合金を粉砕し、これを窒素ガス中または
アンモニアガス中で窒化した後、微粉末化するガス窒化
法などの方法でも得ることができる。以下、R−Fe−
B系ボンド磁石用の磁性粉の製造を例にとって各方法の
概略を説明する。
【0012】(溶解粉砕法) 原料を溶解して鋳造後に機械的粉砕する工程による製造
法である。例えば、出発原料として、電解鉄、Bを含有
し残部はFeおよびAl、Si、Cなどの不純物からな
るフェロボロン合金、希土類金属、あるいはさらに、電
解Coを配合した原料粉を、高周波溶解し、その後水冷
銅鋳型に鋳造し、水素吸蔵粉砕するか、スタンプミルな
どの通常の機械的な粉砕により粗粉砕する。次の微粉砕
のプロセスとしては、ボールミル、ジェットミルなどの
乾式粉砕ならびに種々の溶媒を用いる湿式粉砕などが採
用できる。本方法により、主相が正方晶で、実質的に単
結晶ないし数個の結晶粒からなる平均粒度1μm〜50
0μmの微粉末を得ることができる。また、所要組成の
3μm以下の微粉砕粉を、磁界中配向成形した後、解砕
し、さらに800℃〜1100℃で熱処理した後、解砕
することにより、高保磁力を有した磁性粉を得ることが
できる。
【0013】(焼結体粉砕法) 所要のR−Fe−B系合金を焼結し、再度粉砕して磁性
粉を得る方法である。例えば、出発原料として、電解
鉄、Bを含有し残部はFeおよびAl、Si、Cなどの
不純物からなるフェロボロン合金、希土類金属、あるい
はさらに、電解Coを配合した原料粉を、不活性ガス雰
囲気下、高周波溶解などで合金化し、スタンプミルなど
を用いて粗粉砕、さらに、ボールミルなどにより微粉砕
する。得られた微粉末を磁界下または磁界をかけずに加
圧成形し、非酸化性雰囲気である真空中や不活性ガス中
で焼結し、再度粉砕して、平均粒度0.3μm〜100
μmの微粉末を得る。この後、保磁力を高めるために、
500℃〜1000℃で、熱処理を施してもよい。
【0014】(直接還元拡散法) フェロボロン粉、フェロニッケル粉、コバルト粉、鉄
粉、希土類酸化物粉などからなる少なくとも1種の金属
粉および/または酸化物粉からなる原料粉を所望する原
料合金粉末の組成に応じて選定し、上記原料粉に、金属
CaあるいはCaHを上記希土類酸化物粉の還元に要
する化学量論的必要量の1.1倍〜4.0倍(重量比)
混合し、不活性ガス雰囲気中で900℃〜1200℃に
加熱し、得られた反応生成物を水中に投入して反応副生
成物を除去することにより、粗粉砕が不要な10μm〜
200μmの平均粒度を有する粉末を得る。得られた粉
末は、さらに、ボールミル、ジェットミルなどの乾式粉
砕を行い微粉砕するのもよい。また、所要組成の3μm
以下の微粉砕粉を、磁界中配向成形した後、解砕し、さ
らに800℃〜1100℃で熱処理した後、解砕するこ
とにより、高保磁力を有した磁性粉を得ることができ
る。
【0015】(急冷合金法) 所要のR−Fe−B系合金を溶解し、ジェットキャスタ
ーでメルトスピンさせて20μm厚み程度のリボン箔を
得てこれを粉砕した後、焼鈍熱処理し、0.5μm以下
の微細結晶粒を有する粉末となす。また、上記のリボン
箔から得た微細結晶粒を有する粉末をホットプレス・温
間据え込み加工して、異方性を付与したバルク磁石を
得、これを微粉砕するのもよい。
【0016】(アトマイズ法) 所要のR−Fe−B系合金を溶解し、細いノズルより溶
湯を落下させ、高速の不活性ガスまたは液体でアトマイ
ズし、これを篩分けまたは粉砕後、乾燥または焼鈍熱処
理して磁性粉を得る方法である。また、上記の微細結晶
粒を有する粉末をホットプレス・温間据え込み加工し
て、異方性を付与したバルク磁石を得、これを微粉砕す
るのもよい。
【0017】(メカニカルアロイ法) 所要の原料粉末を、ボールミル、振動ミル、乾式アトラ
イターなどにより、不活性ガス中で、原子レベルで混
合、非晶質化し、その後、焼鈍熱処理して磁性粉を得る
方法である。また、上記の微細結晶粒を有する粉末をホ
ットプレス・温間据え込み加工して、異方性を付与した
バルク磁石を得、これを微粉砕するのもよい。
【0018】また、バルクや磁性粉に対して磁気的異方
性を付与する方法として、急冷合金法によって得られた
合金粉をホットプレスなどにより低温で焼結し、さらに
温間据え込み加工によって磁気的異方性を付与したバル
ク状磁石体を粉砕する温間加工・粉砕法(特公平4−2
0242号公報参照)、急冷合金法によって得られた合
金粉をそのまま金属製容器に充填封入し、温間圧延など
の塑性加工によって磁気的異方性を付与するパック圧延
法(特許第2596835号公報参照)、合金鋳塊を熱
間で塑性加工し、その後に粉砕して磁気的異方性を有す
る磁性粉を得るインゴット熱間加工・粉砕法(特公平7
−66892号公報参照)、希土類系永久磁石合金を水
素中で加熱して水素を吸蔵させた後、脱水素処理し、次
いで冷却することによって磁性粉を得るHDDR法(特
公平6−82575号公報参照)などを採用することが
できる。なお、磁気的異方性の付与は、上記の原料合金
と異方化手段の組合せに限られるものではなく、適宜組
み合わせることができる。
【0019】上記の方法により得られる磁性粉の組成と
しては、例えば、R:8原子%〜30原子%(但しRは
Yを含む希土類元素の少なくとも1種、望ましくはN
d、Prなどの軽希土類を主体として、あるいはNd、
Prなどとの混合物を用いる)、B:2原子%〜28原
子%(Bの一部をCで置換することもできる)、Fe:
65原子%〜84原子%(Feの一部を、Feの50%
以下のCo、Feの8%以下のNi、のうち少なくとも
1種で置換したものを含む)が挙げられる。
【0020】また、得られるボンド磁石の高保磁力化、
耐食性向上のために、原料粉末に、Cu:3.5原子%
以下、S:2.5原子%以下、Ti:4.5原子%以
下、Si:15原子%以下、V:9.5原子%以下、N
b:12.5原子%以下、Ta:10.5原子%以下、
Cr:8.5原子%以下、Mo:9.5原子%以下、
W:9.5原子%以下、Mn:3.5原子%以下、A
l:9.5原子%以下、Sb:2.5原子%以下、G
e:7原子%以下、Sn:3.5原子%以下、Zr:
5.5原子%以下、Hf:5.5原子%以下、Ca:
8.5原子%以下、Mg:8.5原子%以下、Sr:7
原子%以下、Ba:7原子%以下、Be:7原子%以
下、Ga:10原子%以下、のうち少なくとも1種を添
加含有させることができる。
【0021】Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石用
の磁性粉は、Rが1原子%〜10原子%、Bが5原子%
〜28原子%、残部が実質的にFeからなる範囲で組成
を選定することが望ましい。
【0022】ボンド磁石を製造する際のバインダーとし
て、樹脂バインダーを用いる場合、各成形法に適した樹
脂を用いればよい。例えば、圧縮成形に適した樹脂とし
ては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレ
ートなどが挙げられる。射出成形法に適した樹脂として
は、6ナイロン、12ナイロン、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリブチレンフタレートなどが挙げられる。押し
出し成形法や圧延成形法に適した樹脂としては、ポリ塩
化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、塩素化
ポリエチレン、天然ゴム、ハイパロンなどが挙げられ
る。
【0023】ボンド磁石の製造方法は種々知られてお
り、例えば、磁性粉、樹脂バインダー、必要に応じてシ
ラン系やチタン系のカップリング剤、成形を容易にする
潤滑剤、樹脂と無機フィラーの結合剤などを所要の配合
量にて混合し、混練した後、圧縮成形を行い、加熱して
樹脂を硬化させる圧縮成形法の他、射出成形法、押し出
し成形法、圧延成形法などが一般的である。
【0024】 本発明において、磁石表面を構成する金属
とは、ボンド磁石を構成する磁石表面に位置する磁性粉
の他、ボンド磁石のバインダーとして金属フィラーを含
むバインダーを用いた構成における磁石表面に位置する
金属フィラーなどを意味する。即ち、磁石表面を構成す
る金属は、メカノケミカル反応によって金属微粉を強固
に被着させることができるものであれば、その形態や材
質に特段の制限や限定はなく、得られる効果が大きく異
なるものでもない。本発明は、磁石表面での酸化腐食に
よる発錆の要因となる金属のすべてを対象とするもので
あるので、磁石の製造方法などによって磁石表面を構成
する金属の存在形態や配置形態が異なっていても、メカ
ノケミカル反応によって金属微粉を強固に被着させるこ
とができるものであればよく、後述する実施例によって
制限や限定を受けるものでもない。
【0025】 金属微粉としては、Cu、Fe、Ni、C
o、Crなどの金属成分からなるもの、展延性が大き
な、例えば、Sn、Zn、Pb、Cd、In、Au、A
g、Alなどの金属成分からなるヴィッカース硬度値が
60以下のものが挙げられる。なお、ヴィッカース硬度
は、材料の硬さを示す指標の一つであり、その測定試験
は、例えば、ヴィッカース硬度試験器(JISB772
5)を用いたヴィッカース硬度試験方法(JISZ22
44)に基づいて行うことができる。
【0026】 金属微粉は、上記の各々単一の金属成分か
らなるものであっても、二種以上の金属成分を含有する
合金からなるものであってもよい。また、これらの金属
成分を主成分とし、他の金属成分を含有する合金からな
るものであってもよい。このような合金を用いる場合、
要求される展延性などに応じて適切な金属成分の組み合
わせを選定することが望ましい。なお、金属微粉は、工
業的生産上不可避な不純物を含有するものであっても差
し支えない。
【0027】 本発明では、金属の新鮮表面が引き起こす
特異な表面化学反応であるメカノケミカル反応を利用し
て、希土類系ボンド磁石表面を構成する金属上に、金属
微粉からなる被着層を効率よく形成させる。メカノケミ
カル反応によって形成された被着層は、磁石表面を構成
する金属上に強固にかつ高密度に形成されているので、
手で表面を擦った程度では除去することができない。従
って、被着層形成後の洗浄工程など、電気めっき処理を
完了するまでの種々の取り扱い時に被着層が脱落するこ
とはない。よって、樹脂やカップリング剤などの第三の
成分を用いなくても、磁石表面全体に均一にしかも強固
に導電層を形成できるので、密着強度の高いめっき被膜
を高い膜厚寸法精度で形成することができる。
【0028】 なお、磁石表面を構成する金属上に形成さ
れた被着層は、金属微粉生成物質から生成した直後の形
状を保持した金属微粉、磁石表面を構成する金属上に被
着した金属微粉が処理容器内の内容物(その多くは金属
微粉生成物質である)との衝突によって変形(例えば展
延)した金属微粉、金属微粉上に被着した後に変形した
金属微粉、金属微粉の集合体、該集合体の変形物(例え
ば展延されて鱗片状になったもの)、該集合体の積層物
などから構成されている。よって、本発明における金属
微粉からなる被着層は、金属微粉生成物質から生成した
金属微粉を形成源として形成された被着層を意味するも
のとする。
【0029】 メカノケミカル反応は、上述のように金属
の新鮮表面が引き起こす反応であるので、いかに金属の
新鮮表面を生じさせるのかが重要となる。本発明におい
ては、希土類系ボンド磁石と金属微粉生成物質を処理容
器内に入れ、処理容器内にて、両者に振動を加え、およ
び/または両者を攪拌することでこの目的を達成するこ
とができる。そのメカニズムとしては、希土類系ボンド
磁石と金属微粉生成物質に対する、振動および/または
攪拌により、まず、金属微粉生成物質から金属微粉が生
成する。この生成直後の金属微粉は、酸化されておら
ず、新鮮表面を有していることが挙げられる。さらに、
上記の操作は、磁石表面を構成する金属や、磁石表面を
構成する金属上に被着した金属微粉などに対しても、処
理容器内の内容物との衝突によって新鮮表面を生じさせ
ることが挙げられる。その結果として、メカノケミカル
反応を連続的に引き起こすのに非常に都合がよいと考え
られる。
【0030】 ちなみに、本発明者らの検討において、金
属微粉生成物質の代わりに市販の金属微粉を容器内に入
れて同様の操作を行っても、磁石表面を構成する金属上
に金属微粉を被着させることはできないことが判明して
いる。これは、市販の金属微粉は、通常、その表面が酸
化されており、新鮮表面を持たないことに加え、鋭利な
端部を有していないことから、金属微粉と磁石表面を構
成する金属との衝突では、磁石表面を構成する金属に対
して効率よく新鮮表面を生じさせることができず、ま
た、金属微粉自体も互いの衝突や磁石表面を構成する金
属との衝突によっては新鮮表面が生じないからであると
考えられる。
【0031】 新鮮表面を有する金属微粉の生成源となる
金属微粉生成物質としては、所望する金属のみからなる
金属片、異種金属からなる芯材に所望する金属を被覆し
た複合金属片などが用いられる。これらの金属片は、針
状(ワイヤー状)、円柱状、塊状など様々な形状を有す
るが、金属微粉を効率よく生成させるためや、磁石表面
を構成する金属に対して新鮮表面を効率よく生じさせる
ためなどの観点からは、末端が鋭利な針状や円柱状のも
のを用いることが望ましい。このような望ましい形状
は、公知のワイヤーカット技術を採用することで容易に
得ることができる。
【0032】 金属微粉生成物質の大きさ(長径)は、金
属微粉を効率よく生成させること、磁石表面を構成する
金属に対して効果的に新鮮表面を生じさせることなどの
観点から、0.05mm〜10mmが望ましい。より望
ましくは0.3mm〜5mmであり、さらに望ましくは
0.5mm〜3mmである。金属微粉生成物質は、同一
形状・同一寸法のものを用いてもよく、異形状・異寸法
のものを混合して用いてもよい。
【0033】 市販の金属微粉のみでは、磁石表面を構成
する金属上に金属微粉を被着させることができないこと
は上述の通りであるが、市販の金属微粉を、上述の金属
微粉生成物質とともに処理容器内に入れれば、金属微粉
生成物質などとの衝突によって、金属微粉にも新鮮表面
を生じさせることができるので、該金属微粉も被着層の
形成に寄与することが期待される。
【0034】 本発明において使用しうる処理容器は、該
処理容器内にて、希土類系ボンド磁石と金属微粉生成物
質に振動を加え、および/または両者を攪拌することが
できるものであれば特段限定されるものではない。具体
的な処理容器としては、例えば、被処理物の表面を加工
するために用いられるバレル装置の処理槽、被処理物を
粉砕するために用いられるボールミル装置の処理槽など
が挙げられる。磁石自体の強度が高いとはいえないボン
ド磁石などは、磁石への衝撃が強いと割れや欠けを生じ
るので、その観点からはバレル装置の処理槽を使用する
ことが望ましい。バレル装置は、回転式をはじめ、振動
式や、遠心式など、公知の装置を用いることができる。
回転式の場合、その回転数は20rpm〜50rpmと
することが望ましい。振動式の場合、その振動数は50
Hz〜100Hz、振動振幅は0.3mm〜10mmと
することが望ましい。遠心式の場合、その回転数は70
rpm〜200rpmとすることが望ましい。
【0035】 希土類系ボンド磁石 と金属微粉生成物質に
対する、振動および/または攪拌は、両者が酸化腐食さ
れやすいことを考慮して乾式的に行うことが望ましい。
処理容器内に投入する希土類系ボンド磁石と金属微粉生
成物質の量は、処理容器内容積の20vol%〜90v
ol%が望ましい。20vol%未満では、処理量が少
なすぎて実用的でなく、90vol%を越えると、磁石
への金属微粉の被着が効率よく起こらなくなる恐れがあ
るからである。また、容器内に投入する希土類系ボンド
磁石と金属微粉生成物質との比率は、容積比率(磁石/
金属微粉生成物質)にして3以下が望ましい。容積比率
が3を越えると、金属微粉の被着に時間を要して実用的
でないことに加え、磁石同士の衝突が頻繁に起こり、磁
石の割れや、磁石表面からの磁性粉の脱粒などを引き起
こす恐れがあるからである。また、処理時間は、処理量
にも依存するが、一般的には1時間程度〜10時間程度
である。
【0036】 なお、ボンド磁石に対して上記操作を行う
場合、その前工程として、酸化アルミニウムなどの無機
質粉体を用いた空孔部の封孔処理や、植物性皮屑、おが
屑、もみ、ふすま、果実の殻、トウモロコシの穂軸、研
磨石などを用いた表面平滑処理を行ってもよい。
【0037】 金属微粉生成物質から生成する金属微粉の
大きさや形状は様々であるが、概して、超微粉(長径
0.001μm〜0.1μmの微粉)はメカノケミカル
反応を引き起こすのに都合がよいようである。Cu、F
e、Ni、Co、Crなどの金属成分からなる微粉は、
磁石表面を構成する金属上に、膜厚が0.001μm〜
0.2μmの、強固でかつ高密度な被着層を形成する。
展延性が大きな、例えば、Sn、Zn、Pb、Cd、I
n、Au、Ag、Alなどの金属成分からなるヴィッカ
ース硬度値が60以下の微粉は、その集合体が積層する
ようにして強固でかつ高密度な被着層を形成する。従っ
て、処理時間を延長すれば、100μm程度の膜厚を有
する被着層を形成することも可能である。しかし、磁石
表面に十分な導電性を付与し、かつ磁石の小型化の要請
に応えるためには、被着層の膜厚は0.001μm〜1
μmであることが望ましい。
【0038】 また、ボンド磁石に適用される本発明にお
いては、生成する金属微粉の比較的大きなもの(長径5
μm程度までの微粉)は、磁石表面の既に硬化した樹脂
部分に圧入され、樹脂上に突出した部分は処理容器内の
内容物との衝突により、樹脂表面を覆う形に変形し、樹
脂表面全体を被覆する被着層を形成するのに寄与するよ
うである。よって、磁石表面を構成する金属上にも、磁
石表面の既に硬化した樹脂上にも金属微粉からなる被着
層が形成されるので、磁石表面全体に均一にしかも強固
に導電層を付与することができる。
【0039】 このようにして磁石表面全体に導電性が付
与された希土類系ボンド磁石に対しては、公知の電気め
っき処理などを行うことが可能である。しかも、樹脂や
カップリング剤などの第三の成分を含んだ導電層を形成
することが不要となるので、磁石表面上に高い膜厚寸法
精度でめっき被膜を形成させることができる。従って、
本発明の構成を採用することによって、めっき被膜形成
後の磁石寸法精度の向上を図ることが可能となる。
【0040】 このようにして得られるめっき被膜を有す
るリング状ボンド磁石をモータに利用した場合、磁石自
体の磁気特性を最大限に活用でき、エネルギー効率の向
上を図ることが可能となる。また、モータの小型化を図
ることも可能となる。なお、いずれの金属微粉からなる
被着層であっても、その表面にめっき被膜を形成するこ
とは可能であるが、電気Niめっき処理の容易性やコス
トの点においては、Cu微粉を用いて形成された被着層
が望ましい。
【0041】 また、メカノケミカル反応によって形成さ
れた金属微粉からなる被着層は、磁石表面を構成する金
属上に強固にかつ高密度に形成されているので、被着層
自体が磁石の発錆を防ぐ効果を有する。勿論、高い耐食
性を付与するためには、電気めっき処理などを行う必要
がある。しかし、樹脂埋め込み型モータ用磁石などのよ
うに、部品の製造完了時までの耐食性が保証されていれ
ばよいような磁石に対しては、金属微粉からなる被着層
自体が、磁石の防錆層としての効果によって十分な工業
的価値を有する。Al微粉からなる被着層は、その表面
に酸化被膜を形成し、防錆作用も優れているので、上記
のような簡易的防錆の点においてAl微粉は望ましいも
のである。
【0042】 磁石表面上にめっき被膜を形成するための
代表的な電気めっき処理法としては、例えば、Ni、C
u、Sn、Co、Zn、Cr、Ag、Au、Pb、Pt
などから選ばれた少なくとも1つの金属または金属の合
金(B、S、Pを含有していてもよい)を用いためっき
法などが挙げられる。また、用途に応じて、上記の金属
とともに他の金属を含有する合金を用いためっき法を採
用することも可能である。めっき厚は、50μm以下、
望ましくは10μm〜30μmである。
【0043】 電気Niめっき処理を行う場合、洗浄、電
解Niめっき、洗浄、乾燥の工程で行うことが望まし
い。めっき浴槽は磁石の形状に応じて種々の浴槽が使用
でき、例えば、リング形状のボンド磁石の場合には、ひ
っかけめっき処理用浴槽やバレルめっき処理用浴槽を用
いることが望ましい。めっき浴としては、ワット浴、ス
ルファミン酸浴、ウッド浴などの公知のめっき浴を用い
ればよい。陽極には電解Ni板を用いるが、Niの溶出
を安定させるために、電解Ni板としてSを含有したエ
ストランドニッケルチップを使用することが望ましい。
【0044】 電気Cuめっき処理を行う場合、洗浄、電
解Cuめっき、洗浄、乾燥の工程で行うことが望まし
い。めっき浴槽は磁石の形状に応じて種々の浴槽が使用
でき、例えば、リング形状のボンド磁石の場合には、ひ
っかけめっき処理用浴槽やバレルめっき処理用浴槽を用
いることが望ましい。めっき浴としては、硫酸銅浴、ピ
ロリン酸胴浴などの公知のめっき浴を用いればよい。
【0045】 なお、Alの微粉からなる被着層上に電気
めっき処理を施す場合、電気めっき処理時におけるAl
の溶解流出を防止するために亜鉛置換処理を行うことが
望ましい。亜鉛置換処理は公知の方法に準じて行えばよ
く、例えば、水酸化ナトリウム、酸化亜鉛、塩化第二
鉄、ロッシェル塩、硝酸ナトリウムを含む亜鉛置換液を
用いて、浴温10℃〜25℃にて、10秒〜120秒浸
漬すればよい。
【0046】 また、金属微粉からなる被着層上には、め
っき被膜の他にも種々の耐食性被膜、例えば、金属酸化
物被膜や化成処理被膜を形成することができる。該被着
層は、磁石表面全体に均一にしかも強固に形成されてい
るので、高い膜厚寸法精度での被膜形成が可能となる。
【0047】 金属酸化物被膜を形成する方法としては、
CVD法、スパッタリング法、塗布熱分解法、ゾルゲル
成膜法など公知の方法を用いることができる。しかし、
金属酸化物被膜の構成源となる金属化合物の、加水分解
反応や重合反応などによって得られたゾル液を、磁石表
面に塗布した後、熱処理することによって被膜形成を行
うゾルゲル成膜法を用いることが望ましい。ゾルゲル成
膜法に使用されるゾル液は比較的安定であり、被膜形成
を比較的低温で行えるので、高温による磁石自体の磁気
特性への影響を回避できることなどの利点がある。ま
た、特に、樹脂をバインダーとして用いたボンド磁石に
対して有効である。金属酸化物被膜は、単一の金属酸化
物成分からなる被膜であってもよいし、複数の金属酸化
物成分からなる複合被膜であってもよい。金属酸化物被
膜は、膜厚が0.01μm以上であれば優れた耐食性を
発揮する。膜厚の上限は特段限定されるものではない
が、磁石自体の小型化に基づく要請から、10μm以
下、望ましくは5μm以下が実用面において適した膜厚
である。被着層を形成する金属成分と同一の金属成分を
含む金属酸化物被膜を被着層上に形成した場合(例え
ば、Al微粉からなる被着層上へのAlを含む金属酸化
物被膜の形成)、両者の界面での密着性がより強固なも
のになる点において都合がよい。
【0048】 ゾル液は、金属アルコキシド(アルコキシ
ル基の一部をアルキル基などで置換したものであっても
よい)などの金属化合物、硝酸や塩酸などの触媒、所望
する場合はβ−ジケトンなどの安定化剤、水などを有機
溶媒中で調整し、金属化合物の加水分解反応や重合反応
などにより得られるコロイドが分散した溶液を用いる。
また、ゾル液には無機質微粒子などを分散させてもよ
い。ゾル液の塗布方法としては、ディップコーティング
法、スプレー法、スピンコーティング法などが挙げられ
る。ゾル液塗布後の熱処理は、特に、ボンド磁石に適用
する場合、ゾル液中の有機溶媒の沸点や磁石の耐熱性な
どを考慮して80℃〜200℃で行うことが望ましい。
なお、通常、熱処理時間は1分〜1時間である。所望す
る膜厚を有する被膜を得るために、塗布と熱処理を繰り
返して行ってもよいことは言うまでもない。
【0049】 化成処理被膜を形成する方法としては、ク
ロメート処理、リン酸処理、リン酸亜鉛処理、リン酸マ
ンガン処理、リン酸カルシウム処理、リン酸亜鉛カルシ
ウム処理、チタン−リン酸系化成処理、ジルコニウム−
リン酸系化成処理などの公知の方法を用いることができ
る。Al微粉からなる被着層の耐食性を向上させる場合
には、クロメート処理、チタン−リン酸系化成処理、ジ
ルコニウム−リン酸系化成処理などが望ましく、とりわ
け、処理液や被膜の環境への負荷が小さい、チタン−リ
ン酸系化成処理、ジルコニウム−リン酸系化成処理が望
ましい。
【0050】 チタン−リン酸系化成処理を行う際の処理
液は、フルオロチタン酸などのチタン化合物、リン酸や
縮合リン酸、上記のフルオロチタン酸やフッ化水素酸な
どのフッ素化合物などを水に溶解して調整する。磁石表
面への処理液の塗布方法としては、ディップコーティン
グ法、スプレー法、スピンコーティング法などが挙げら
れる。処理液を塗布する際の処理液温度は20℃〜80
℃、処理時間は10秒〜10分が望ましい。処理液塗布
後の乾燥温度は、特に、ボンド磁石に適用する場合、5
0℃〜200℃、乾燥時間は5秒〜1時間である。ジル
コニウム−リン酸系化成処理を行う場合、チタン−リン
酸系化成処理の方法に準じればよい。形成される被膜中
には、チタンやジルコニウムが磁石表面1m上に形成
される被膜あたり0.1mg〜100mg含有されてい
ることが望ましい。
【0051】
【実施例】以下、本発明の詳細を具体的実施例に基づい
て説明する。なお、以下の実施例において、金属微粉か
らなる被着層の膜厚の測定には電子線マイクロアナライ
ザー(EPMA)(EPM−810:島津製作所社製)
を用いた。めっき被膜の膜厚の測定には蛍光X線膜厚計
(SFT−7100:セイコー電子社製)を用いた。化
成処理被膜中の金属含量の測定には蛍光X線強度測定装
置(RIX−3000:理学電機社製)を用いた。
【0052】 実施例1: (工程A) 急冷合金法で作製した、Nd12原子%、Fe77原子
%、B6原子%、Co5原子%の組成からなる平均粒径
150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2wt%加えて
混練し、686N/mmの圧力で圧縮成形した後、1
70℃で1時間キュアし、外径22mm×内径20mm
×高さ3mmのリング状ボンド磁石を作製した。得られ
たリング状ボンド磁石(素材上がり)の特性を表1に示
す。
【0053】 (工程B) 工程Aで得られた磁石50個(見かけ容積0.15l、
重量71g)と直径1mm、長さ1mmの短円柱状Cu
微粉生成物質(ワイヤーをカットしたもの)10kg
(見かけ容積2l)を容積3.5lの振動バレル装置の
処理槽に投入し(合計投入量は処理槽内容積の61vo
l%)、振動数70Hz、振動振幅3mmの条件にて乾
式的に処理を3時間行った。この操作により生成したC
u微粉は、長径が0.1μm以下の超微粉から最も大き
いもので長径が5μm程度であった。上記の処理によっ
て得られた磁石について、標準試料を用いてCuKα線
強度測定を行ったところ、磁石表面の磁性粉上には膜厚
0.1μmのCu微粉からなる被着層が形成されている
ことがわかった。さらに、磁石表面の樹脂部分は、Cu
微粉からなる被着層で被覆されていることがわかった。
【0054】参考例1 : 実施例1で得られた磁石表面全体にCu微粉からなる被
着層を有する磁石を洗浄した後、ひっかけめっき方式で
電気Niめっき処理を行った。該処理は、電流密度2A
/dm、めっき時間60分、pH4.2、浴温55
℃、めっき液組成(硫酸ニッケル240g/l、塩化ニ
ッケル45g/l、炭酸ニッケル適量(pH調整)、ほ
う酸30g/l)の条件にて行った。得られためっき被
膜は、外径側膜厚が22μm、内径側膜厚が20μmで
あった。このめっき被膜を有する磁石について、80
℃、相対湿度90%、500時間の条件にて環境試験
(耐湿試験)を行い、耐湿試験後の表面状況観察(30
倍の顕微鏡観察)と磁気特性劣化率測定を行った。ま
た、内径側膜厚の寸法精度を測定した(n=50)。そ
の結果を表2および表3に示す。表2および表3から明
らかなように、このめっき被膜を有する磁石は優れた耐
食性を示すとともに、高い膜厚寸法精度にて成膜されて
いた。この結果は、実施例1で用いた短円柱状Cu微粉
生成物質の末端が鋭利であるので、処理容器内の内容物
との衝突により新鮮表面を有するCu微粉を効率よく生
成させたことや、磁石表面の磁性粉に対しても新鮮表面
を効率よく生じさせたことなどにより、メカノケミカル
反応が非常に都合がよく引き起こされ、強固でかつ高密
度なCu微粉からなる被着層を形成できたことに起因す
るものと思われる。また、磁石表面の樹脂部分もCu微
粉からなる被着層で被覆することができたことから、磁
石表面全体に均一にしかも強固に導電層を形成できたこ
とに起因するものと思われる。
【0055】実施例2 : (工程A) 急冷合金法で作製した、Nd13原子%、Fe76原子
%、B6原子%、Co5原子%の組成からなる平均粒径
150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2wt%加えて
混練し、686N/mmの圧力で圧縮成形した後、1
80℃で2時間キュアし、外径21mm×内径18mm
×高さ4mmのリング状ボンド磁石を作製した。得られ
たリング状ボンド磁石(素材上がり)の特性を表1に示
す。
【0056】 (工程B) 工程Aで得られた磁石50個(見かけ容積0.15l、
重量132g)と見かけ容積2lの直径1mm、長さ
0.8mmの短円柱状Fe微粉生成物質(ワイヤーをカ
ットしたもの)を容積3.0lの振動バレル装置の処理
槽に投入し(合計投入量は処理槽内容積の72vol
%)、振動数60Hz、振動振幅2mmの条件にて乾式
的に処理を2時間行った。この操作により生成したFe
微粉は、最も大きいもので長径が5μm程度であった。
上記の処理によって得られた磁石について、標準試料を
用いてFeKα線強度測定を行ったところ、磁石表面の
磁性粉上には膜厚0.1μmのFe微粉からなる被着層
が形成されていることがわかった。さらに、磁石表面の
樹脂部分は、Fe微粉からなる被着層で被覆されている
ことがわかった。
【0057】参考例2実施例2 で得られた磁石表面全体にFe微粉からなる被
着層を有する磁石を洗浄した後、ひっかけめっき方式で
電気Niめっき処理を行った。該処理は、電流密度2.
2A/dm、めっき時間60分、pH4.2、浴温5
0℃、めっき液組成(硫酸ニッケル240g/l、塩化
ニッケル45g/l、炭酸ニッケル適量(pH調整)、
ほう酸30g/l)の条件にて行った。得られためっき
被膜は、外径側膜厚が21μm、内径側膜厚が18μm
であった。このめっき被膜を有する磁石について、参考
例1と同様にして、耐湿試験後の表面状況観察と磁気特
性劣化率測定、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。そ
の結果、表2および表3から明らかなように、このめっ
き被膜を有する磁石は、優れた耐食性を示すとともに、
高い膜厚寸法精度にて成膜されていた。
【0058】実施例3実施例2 の工程Aと同様の方法で作製されたリング状ボ
ンド磁石(特性を表1に示す)を用い、工程Bの短円柱
状Fe微粉生成物質を同じ大きさの短円柱状Ni微粉生
成物質に代えたこと以外は実施例2の工程Bと同様にし
て処理を行った。この操作により生成したNi微粉は、
最も大きいもので長径が5μm程度であった。上記の処
理によって得られた磁石について、標準試料を用いてN
iKα線強度測定を行ったところ、磁石表面の磁性粉上
には膜厚0.1μmのNi微粉からなる被着層が形成さ
れていることがわかった。さらに、磁石表面の樹脂部分
は、Ni微粉からなる被着層で被覆されていることがわ
かった。
【0059】参考例3実施例3 で得られた磁石表面全体にNi微粉からなる被
着層を有する磁石に対し、参考例2と同一の条件にて電
気Niめっき処理を行った。得られためっき被膜は、外
径側膜厚が21μm、内径側膜厚が18μmであった。
このめっき被膜を有する磁石について、参考例1と同様
にして、耐湿試験後の表面状況観察と磁気特性劣化率測
定、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。その結果、表
2および表3から明らかなように、このめっき被膜を有
する磁石は、優れた耐食性を示すとともに、高い膜厚寸
法精度にて成膜されていた。
【0060】実施例4実施例2 の工程Aと同様の方法で作製されたリング状ボ
ンド磁石(特性を表1に示す)を用い、工程Bの短円柱
状Fe微粉生成物質を同じ大きさの短円柱状Co微粉生
成物質に代えたこと以外は実施例2の工程Bと同様にし
て処理を行った。この操作により生成したCo微粉は、
最も大きいもので長径が5μm程度であった。上記の処
理によって得られた磁石について、標準試料を用いてC
oKα線強度測定を行ったところ、磁石表面の磁性粉上
には膜厚0.1μmのCo微粉からなる被着層が形成さ
れていることがわかった。さらに、磁石表面の樹脂部分
は、Co微粉からなる被着層で被覆されていることがわ
かった。
【0061】参考例4実施例4 で得られた磁石表面全体にCo微粉からなる被
着層を有する磁石に対し、参考例2と同一の条件にて電
気Niめっき処理を行った。得られためっき被膜は、外
径側膜厚が21μm、内径側膜厚が18μmであった。
このめっき被膜を有する磁石について、参考例1と同様
にして、耐湿試験後の表面状況観察と磁気特性劣化率測
定、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。その結果、表
2および表3から明らかなように、このめっき被膜を有
する磁石は、優れた耐食性を示すとともに、高い膜厚寸
法精度にて成膜されていた。
【0062】実施例5実施例2 の工程Aと同様の方法で作製されたリング状ボ
ンド磁石(特性を表1に示す)を用い、工程Bの短円柱
状Fe微粉生成物質を同じ大きさの短円柱状Cr微粉生
成物質に代えたこと以外は実施例2の工程Bと同様にし
て処理を行った。この操作により生成したCr微粉は、
最も大きいもので長径が5μm程度であった。上記の処
理によって得られた磁石について、標準試料を用いてC
rKα線強度測定を行ったところ、磁石表面の磁性粉上
には膜厚0.1μmのCr微粉からなる被着層が形成さ
れていることがわかった。さらに、磁石表面の樹脂部分
は、Cr微粉からなる被着層で被覆されていることがわ
かった。
【0063】参考例5実施例5 で得られた磁石表面全体にCr微粉からなる被
着層を有する磁石に対し、参考例2と同一の条件にて電
気Niめっき処理を行った。得られためっき被膜は、外
径側膜厚が21μm、内径側膜厚が18μmであった。
このめっき被膜を有する磁石について、参考例1と同様
にして、耐湿試験後の表面状況観察と磁気特性劣化率測
定、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。その結果、表
2および表3から明らかなように、このめっき被膜を有
する磁石は、優れた耐食性を示すとともに、高い膜厚寸
法精度にて成膜されていた。
【0064】 比較例1: (工程A) 実施例1の工程Aと同様の方法で作製された外径22m
m×内径20mm×高さ3mmのリング状ボンド磁石を
洗浄後、浸漬法にて、未硬化のフェノール樹脂層を磁石
上に形成した後、市販のAg粉(長径0.7μm以下)
を樹脂表面に付着させた。得られた50個のリング状ボ
ンド磁石(見かけ容積0.15l、重量71g)を容積
3.5lの振動バレル装置の処理槽に投入し、2.5m
m径のスチールボール(見かけ容積2l)をメディアと
して3時間処理した後(合計投入量は処理槽内容積の6
1vol%)、150℃で2時間キュアし、磁石表面上
に7μmの導電被覆層を形成した。
【0065】 (工程B) 工程Aで得られた磁石に対し、参考例1と同一の条件に
て電気Niめっき処理を行った。このめっき被膜を有す
る磁石について、参考例1と同様にして、耐湿試験後の
表面状況観察、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。そ
の結果、表2から明らかなように、このめっき被膜を有
する磁石は耐湿試験によって発錆を招き、また膜厚寸法
精度も低いものであった。
【0066】 比較例2: (工程A) 実施例1の工程Aと同様の方法で作製された外径22m
m×内径20mm×高さ3mmのリング状ボンド磁石を
洗浄後、エポキシ系接着剤の10wt%メチルエチルケ
トン(MEK)溶液に5分間含浸させ、その後、十分に
液切りしてからMEKを乾燥させた。このようにして作
製された、表面に未硬化のエポキシ系接着剤層を有する
リング状ボンド磁石50個(見かけ容積0.15l、重
量71g)と直径1mmのCuボール10kg(見かけ
容積2l)と長径0.8μmの市販のCu粉末25gを
容積3.5lの振動バレル装置の処理槽に投入し(合計
投入量は処理槽内容積の61vol%)、3時間処理し
た。その後、150℃で2時間キュアしてから洗浄し、
過剰のCu粉末を除去し、磁石表面上に18μmの導電
被覆層を形成した。
【0067】 (工程B) 工程Aで得られた磁石に対し、参考例1と同一の条件に
て電気Niめっき処理を行った。このめっき被膜を有す
る磁石について、参考例1と同様にして、耐湿試験後の
表面状況観察、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。そ
の結果、表2から明らかなように、このめっき被膜を有
する磁石は耐湿試験によって発錆を招き、また膜厚寸法
精度も低いものであった。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】実施例6: (工程A) 急冷合金法で作製した、Nd13原子%、Fe76原子
%、B6原子%、Co5原子%の組成からなる平均粒径
150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2wt%加えて
混練し、686N/mmの圧力で圧縮成形した後、1
80℃で2時間キュアし、外径25mm×内径23mm
×高さ3mmのリング状ボンド磁石を作製した。得られ
たリング状ボンド磁石(素材上がり)の特性を表4に示
す。
【0072】 (工程B) 工程Aで得られた磁石50個(見かけ容積0.15l、
重量83g)と見かけ容積2lの直径2mm、長さ1m
mの短円柱状Sn微粉生成物質(ワイヤーをカットした
もの)を容積3.0lの振動バレル装置の処理槽に投入
し(合計投入量は処理槽内容積の72vol%)、振動
数60Hz、振動振幅2mmの条件にて乾式的に処理を
2時間行った。この操作により生成したSn微粉は、長
径が0.1μm以下の超微粉から最も大きいもので長径
が5μm程度であった。上記の処理によって得られた磁
石について、標準試料を用いてSnKα線強度測定を行
ったところ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.5μmの
Sn微粉からなる被着層が形成されていることがわかっ
た。さらに、磁石表面の樹脂部分は、Sn微粉からなる
被着層で被覆されていることがわかった。
【0073】参考例6実施例6 で得られた磁石表面全体にSn微粉からなる被
着層を有する磁石を洗浄した後、ひっかけめっき方式で
電気Cuめっき処理を行った。該処理は、電流密度2.
3A/dm、めっき時間6分、pH10.5、浴温4
5℃、めっき液組成(銅20g/l、遊離シアン10g
/l)の条件にて行った。続いて、ひっかけめっき方式
で電気Niめっき処理を行った。該処理は、電流密度
2.2A/dm、めっき時間60分、pH4.2、浴
温50℃、めっき液組成(硫酸ニッケル240g/l、
塩化ニッケル45g/l、炭酸ニッケル適量(pH調
整)、ほう酸30g/l)の条件にて行った。得られた
めっき被膜は、外径側膜厚が24μm、内径側膜厚が2
2μmであった。このめっき被膜を有する磁石につい
て、参考例1と同様にして、耐湿試験後の表面状況観察
と磁気特性劣化率測定、内径側膜厚の寸法精度測定を行
った。その結果、表5および表6から明らかなように、
このめっき被膜を有する磁石は、優れた耐食性を示すと
ともに、高い膜厚寸法精度にて成膜されていた。
【0074】実施例7実施例6 の工程Aと同様の方法で作製されたリング状ボ
ンド磁石(特性を表4に示す)を用い、工程Bの短円柱
状Sn微粉生成物質を同じ大きさの短円柱状Zn微粉生
成物質に代えたこと以外は実施例6の工程Bと同様にし
て処理を行った。この操作により生成したZn微粉は、
最も大きいもので長径が5μm程度であった。上記の処
理によって得られた磁石について、標準試料を用いてZ
nKα線強度測定を行ったところ、磁石表面の磁性粉上
には膜厚0.3μmのZn微粉からなる被着層が形成さ
れていることがわかった。さらに、磁石表面の樹脂部分
は、Zn微粉からなる被着層で被覆されていることがわ
かった。
【0075】 参考例7実施例7 で得られた磁石表面全体にZn微粉からなる被
着層を有する磁石に対し、参考例6と同一の条件にて電
気Cuめっき処理と電気Niめっき処理を行った。得ら
れためっき被膜は、外径側膜厚が24μm、内径側膜厚
が22μmであった。このめっき被膜を有する磁石につ
いて、参考例1と同様にして、耐湿試験後の表面状況観
察と磁気特性劣化率測定、内径側膜厚の寸法精度測定を
行った。その結果、表5および表6から明らかなよう
に、このめっき被膜を有する磁石は、優れた耐食性を示
すとともに、高い膜厚寸法精度にて成膜されていた。
【0076】実施例8実施例6 の工程Aと同様の方法で作製されたリング状ボ
ンド磁石(特性を表4に示す)を用い、工程Bの短円柱
状Sn微粉生成物質を同じ大きさの短円柱状Pb微粉生
成物質に代えたこと以外は実施例6の工程Bと同様にし
て処理を行った。この操作により生成したPb微粉は、
最も大きいもので長径が5μm程度であった。上記の処
理によって得られた磁石について、標準試料を用いてP
bKα線強度測定を行ったところ、磁石表面の磁性粉上
には膜厚0.7μmのPb微粉からなる被着層が形成さ
れていることがわかった。さらに、磁石表面の樹脂部分
は、Pb微粉からなる被着層で被覆されていることがわ
かった。
【0077】参考例8実施例8 で得られた磁石表面全体にPb微粉からなる被
着層を有する磁石に対し、参考例6と同一の条件にて電
気Cuめっき処理と電気Niめっき処理を行った。得ら
れためっき被膜は、外径側膜厚が24μm、内径側膜厚
が22μmであった。このめっき被膜を有する磁石につ
いて、参考例1と同様にして、耐湿試験後の表面状況観
察と磁気特性劣化率測定、内径側膜厚の寸法精度測定を
行った。その結果、表5および表6から明らかなよう
に、このめっき被膜を有する磁石は、優れた耐食性を示
すとともに、高い膜厚寸法精度にて成膜されていた。
【0078】 比較例3: (工程A)実施例6 の工程Aと同様の方法で作製された外径25m
m×内径23mm×高さ3mmのリング状ボンド磁石
(特性を表4に示す)を洗浄後、浸漬法にて、未硬化の
フェノール樹脂層を磁石上に形成した後、市販のAg粉
(長径0.8μm以下)を樹脂表面に付着させた。得ら
れた50個のリング状ボンド磁石(見かけ容積0.15
l、重量83g)を容積3.0lの振動バレル装置の処
理槽に投入し、2.5mm径のスチールボール(見かけ
容積2l)をメディアとして2時間処理した後(合計投
入量は処理槽内容積の72vol%)、150℃で2時
間キュアし、磁石表面上に8μmの導電被覆層を形成し
た。
【0079】 (工程B) 工程Aで得られた磁石に対し、参考例6と同一の条件に
て電気Cuめっき処理と電気Niめっき処理を行った。
このめっき被膜を有する磁石について、参考例1と同様
にして、耐湿試験後の表面状況観察と磁気特性劣化率測
定、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。その結果、表
5および表6から明らかなように、このめっき被膜を有
する磁石は、耐湿試験によって発錆や磁気特性の劣化を
招き、また膜厚寸法精度も低いものであった。
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】
【0083】実施例9: (工程A) 急冷合金法で作製した、Nd13原子%、Fe76原子
%、B6原子%、Co5原子%の組成からなる平均粒径
150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2wt%加えて
混練し、686N/mmの圧力で圧縮成形した後、1
80℃で2時間キュアし、外径20mm×内径17mm
×高さ6mmのリング状ボンド磁石を作製した。得られ
たリング状ボンド磁石(素材上がり)の特性を表7に示
す。
【0084】 (工程B) 工程Aで得られた磁石50個(見かけ容積0.15l、
重量188g)と見かけ容積2lの直径1.2mm、長
さ1.5mmの短円柱状Al微粉生成物質(ワイヤーを
カットしたもの)を容積3.0lの振動バレル装置の処
理槽に投入し(合計投入量は処理槽内容積の72vol
%)、振動数60Hz、振動振幅2mmの条件にて乾式
的に処理を2時間行った。この操作により生成したAl
微粉は、最も大きいもので長径が5μm程度であった。
上記の処理によって得られた磁石について、標準試料を
用いてAlKα線強度測定を行ったところ、磁石表面の
磁性粉上には膜厚0.4μmのAl微粉からなる被着層
が形成されていることがわかった。さらに、磁石表面の
樹脂部分は、Al微粉からなる被着層で被覆されている
ことがわかった。この磁石表面全体にAl微粉からなる
被着層を有する磁石を、80℃、相対湿度90%の条件
下に放置しても、36時間までは発錆を招くことはなか
った(表面状況についての30倍の顕微鏡観察によ
る)。
【0085】参考例9実施例9 で得られた磁石表面全体にAl微粉からなる被
着層を有する磁石を、浴温20℃の亜鉛置換液(液組
成:水酸化ナトリウム50g/l、酸化亜鉛5g/l、
塩化第二鉄2g/l、ロッシェル塩50g/l、硝酸ナ
トリウム1g/l)に1分間浸漬して亜鉛置換処理を行
った。磁石を洗浄した後、ひっかけめっき方式で電気N
iめっき処理を行った。該処理は、電流密度2.2A/
dm、めっき時間60分、pH4.2、浴温50℃、
めっき液組成(硫酸ニッケル240g/l、塩化ニッケ
ル45g/l、炭酸ニッケル適量(pH調整)、ほう酸
30g/l)の条件にて行った。得られためっき被膜
は、外径側膜厚が21μm、内径側膜厚が19μmであ
った。このめっき被膜を有する磁石について、参考例1
と同様にして、耐湿試験後の表面状況観察と磁気特性劣
化率測定、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。その結
果、表8および表9から明らかなように、このめっき被
膜を有する磁石は、優れた耐食性を示すとともに、高い
膜厚寸法精度にて成膜されていた。
【0086】 比較例4: (工程A)実施例9 の工程Aと同様の方法で作製された外径20m
m×内径17mm×高さ6mmのリング状ボンド磁石
(特性を表7に示す)を洗浄後、浸漬法にて、未硬化の
フェノール樹脂層を磁石上に形成した後、市販のAg粉
(長径0.8μm以下)を樹脂表面に付着させた。得ら
れた50個のリング状ボンド磁石(見かけ容積0.15
l、重量188g)を容積3.0lの振動バレル装置の
処理槽に投入し、2.5mm径のスチールボール(見か
け容積2l)をメディアとして2時間処理した後(合計
投入量は処理槽内容積の72vol%)、150℃で2
時間キュアし、磁石表面上に7μmの導電被覆層を形成
した。
【0087】 (工程B) 工程Aで得られた磁石に対し、参考例9に記載の条件に
て電気Niめっき処理を行った。このめっき被膜を有す
る磁石について、参考例1と同様にして、耐湿試験後の
表面状況観察と磁気特性劣化率測定、内径側膜厚の寸法
精度測定を行った。その結果、表8および表9から明ら
かなように、このめっき被膜を有する磁石は、耐湿試験
によって発錆や磁気特性の劣化を招き、また膜厚寸法精
度も低いものであった。
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
【表9】
【0091】実施例10: (工程A) 急冷合金法で作製した、Nd12原子%、Fe77原子
%、B6原子%、Co5原子%の組成からなる平均粒径
150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2wt%加えて
混練し、686N/mmの圧力で圧縮成形した後、1
70℃で1時間キュアし、縦30mm×横20mm×高
さ3mmのボンド磁石を作製した。この磁石を、80
℃、相対湿度90%の条件下に放置したところ、12時
間で微小な点錆が発生した(表面状況についての30倍
の顕微鏡観察による)。
【0092】 (工程B) 工程Aで得られた磁石50個(見かけ容積0.1l、重
量650g)と見かけ容積2lの直径2mm、長さ1m
mの短円柱状Sn微粉生成物質(ワイヤーをカットした
もの)を容積3.0lの振動バレル装置の処理槽に投入
し(合計投入量は処理槽内容積の72vol%)、振動
数60Hz、振動振幅2mmの条件にて乾式的に処理を
2時間行った。この操作により生成したSn微粉は、長
径が0.1μm以下の超微粉から最も大きいもので長径
が5μm程度であった。上記の処理によって得られた磁
石について、標準試料を用いてSnKα線強度測定を行
ったところ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.5μmの
Sn微粉からなる被着層が形成されていることがわかっ
た。さらに、磁石表面の樹脂部分は、Sn微粉からなる
被着層で被覆されていることがわかった。
【0093】実施例11 : ゾル液を、表10に示すSi化合物、触媒、有機溶媒お
よび水の各成分にて、表11に示す組成、粘度およびp
Hで調整した。実施例10で得られた磁石表面全体にS
n微粉からなる被着層を有する磁石に対し、ゾル液を、
ディップコーティング法にて、表12に示す引き上げ速
度で塗布し、熱処理を行って、その表面に膜厚1.5μ
m(破面の電子顕微鏡観察で測定)のSi酸化物被膜
(SiO被膜:0<x≦2)を形成した。このゾルゲ
ル成膜法によって得られたSi酸化物被膜を有する磁石
を、80℃、相対湿度90%の条件下に放置しても、2
00時間までは発錆を招くことはなかった(表面状況に
ついての30倍の顕微鏡観察による)。
【0094】実施例12実施例10 の工程Aと同様の方法で作製されたボンド磁
石を用い、工程Bの短円柱状Sn微粉生成物質を同じ大
きさの短円柱状Zn微粉生成物質に代えたこと以外は
施例10の工程Bと同様にして処理を行った。この操作
により生成したZn微粉は、最も大きいもので長径が5
μm程度であった。上記の処理によって得られた磁石に
ついて、標準試料を用いてZnKα線強度測定を行った
ところ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.3μmのZn
微粉からなる被着層が形成されていることがわかった。
さらに、磁石表面の樹脂部分は、Zn微粉からなる被着
層で被覆されていることがわかった。
【0095】実施例13 : ゾル液を、表10に示すTi化合物、触媒、安定化剤、
有機溶媒および水の各成分にて、表11に示す組成、粘
度およびpHで調整した。実施例12で得られた磁石表
面全体にZn微粉からなる被着層を有する磁石に対し、
ゾル液を、ディップコーティング法にて、表12に示す
引き上げ速度で塗布し、熱処理を行って、その表面に膜
厚0.7μm(破面の電子顕微鏡観察で測定)のTi酸
化物被膜(TiO被膜:0<x≦2)を形成した。こ
のゾルゲル成膜法によって得られたTi酸化物被膜を有
する磁石を、80℃、相対湿度90%の条件下に放置し
ても、200時間までは発錆を招くことはなかった(表
面状況についての30倍の顕微鏡観察による)。
【0096】実施例14実施例10 の工程Aと同様の方法で作製されたボンド磁
石50個(見かけ容積0.1l、重量650g)と見か
け容積2lの直径1.2mm、長さ1.5mmの短円柱
状Al微粉生成物質(ワイヤーをカットしたもの)を容
積3.0lの振動バレル装置の処理槽に投入し(合計投
入量は処理槽内容積の72vol%)、振動数60H
z、振動振幅2mmの条件にて乾式的に処理を2時間行
った。この操作により生成したAl微粉は、長径が0.
1μm以下の超微粉から最も大きいもので長径が5μm
程度であった。上記の処理によって得られた磁石につい
て、標準試料を用いてAlKα線強度測定を行ったとこ
ろ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.4μmのAl微粉
からなる被着層が形成されていることがわかった。さら
に、磁石表面の樹脂部分は、Al微粉からなる被着層で
被覆されていることがわかった。
【0097】実施例15 : ゾル液を、表10に示すSi化合物、Al化合物、触
媒、安定化剤、有機溶媒および水の各成分にて、表11
に示す組成、粘度およびpHで調整した。実施例14
得られた磁石表面全体にAl微粉からなる被着層を有す
る磁石に対し、ゾル液を、ディップコーティング法に
て、表12に示す引き上げ速度で塗布し、熱処理を行っ
て、その表面に膜厚0.5μm(破面の電子顕微鏡観察
で測定)のSi−Al複合酸化物被膜(SiO・Al
被膜:0<x≦2・0<y≦3)を形成した。こ
のゾルゲル成膜法によって得られたSi−Al複合酸化
物被膜を有する磁石を、80℃、相対湿度90%の条件
下に放置しても、200時間までは発錆を招くことはな
かった(表面状況についての30倍の顕微鏡観察によ
る)。
【0098】
【表10】
【0099】
【表11】
【0100】
【表12】
【0101】実施例16: パルコート3753(製品名:日本パーカライジング社
製のTi−リン酸系化成処理用液)35gを水1lに溶
解して調整した処理液(pH3.8)に、実施例9で得
られた磁石表面全体にAl微粉からなる被着層を有する
磁石を、浴温40℃で1分間浸漬した後、100℃で2
0分間乾燥し、その表面にTi含有化成処理被膜を形成
した。得られた被膜中のTi含有量は、磁石表面1m
上に形成された被膜あたり10mgであった。この化成
処理被膜を有する磁石を、80℃、相対湿度90%の条
件下に放置しても、200時間までは発錆を招くことは
なかった(表面状況についての30倍の顕微鏡観察によ
る)。
【0102】実施例17 : パルコート3756MAおよびパルコート3756MB
(いずれも製品名:日本パーカライジング社製のZr−
リン酸系化成処理用液)各10gを水1lに溶解して調
整した処理液(pH3.2)に、実施例9で得られた磁
石表面全体にAl微粉からなる被着層を有する磁石を、
浴温50℃で1分30秒間浸漬した後、120℃で20
分間乾燥し、その表面にZr含有化成処理被膜を形成し
た。得られた被膜中のZr含有量は、磁石表面1m
に形成された被膜あたり16mgであった。この化成処
理被膜を有する磁石を、80℃、相対湿度90%の条件
下に放置しても、200時間までは発錆を招くことはな
かった(表面状況についての30倍の顕微鏡観察によ
る)。
【0103】
【発明の効果】本発明の希土類系ボンド磁石は、磁石表
面を構成する金属上に実質的に金属微粉のみからなる被
着層が強固にかつ高密度に形成されている。ボンド磁石
に適用される本発明においては、磁石表面の既に硬化し
た樹脂部分も金属微粉からなる被着層で被覆することが
できるので、樹脂やカップリング剤などの第三の成分を
用いることなく、磁石表面全体に均一にしかも強固に導
電層を形成することが可能となる。従って、電気めっき
処理などにより、耐食性に優れた被膜の形成を高い膜厚
寸法精度で行うことができ、磁石寸法精度の向上を図る
ことが可能となる。また、金属微粉からなる被着層自体
に防錆効果があるので、それ自体が磁石の防錆層として
の役割を果たす。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−186016(JP,A) 特開 平7−176443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/032 - 1/08

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石表面を構成する金属上に実質的に金
    属微粉のみからなる被着層を有することを特徴とし、該
    被着層の表面に電気めっき被膜が形成されていない希土
    類系ボンド磁石
  2. 【請求項2】 金属微粉がCu、Fe、Ni、Co、C
    rから選ばれる少なくとも一種の金属成分を含んでなる
    ことを特徴とする請求項1記載の希土類系ボンド磁石
  3. 【請求項3】 金属微粉がCu微粉であることを特徴と
    する請求項1記載の希土類系ボンド磁石
  4. 【請求項4】 金属微粉のヴィッカース硬度値が60以
    下であることを特徴とする請求項1記載の希土類系ボン
    ド磁石
  5. 【請求項5】 金属微粉がSn、Zn、Pb、Cd、I
    n、Au、Ag、Alから選ばれる少なくとも一種の金
    属成分を含んでなることを特徴とする請求項1記載の
    土類系ボンド磁石
  6. 【請求項6】 金属微粉がAl微粉であることを特徴と
    する請求項1記載の希土類系ボンド磁石
  7. 【請求項7】 希土類系ボンド磁石R−Fe−B系ボ
    ンド磁石であることを特徴とする請求項1記載の希土類
    系ボンド磁石
  8. 【請求項8】 磁石表面の樹脂部分がCu、Fe、N
    i、Co、Crから選ばれる少なくとも一種の金属成分
    を含んでなる金属微粉からなる被着層で被覆されている
    ことを特徴とする請求項2記載の希土類系ボンド磁石
  9. 【請求項9】 磁石表面の樹脂部分がヴィッカース硬度
    値60以下の金属微粉からなる被着層で被覆されている
    ことを特徴とする請求項4記載の希土類系ボンド磁石
  10. 【請求項10】 被着層の膜厚が0.001μm〜0.
    2μmであることを特徴とする請求項2記載の希土類系
    ボンド磁石
  11. 【請求項11】 被着層の膜厚が0.001μm〜10
    0μmであることを特徴とする請求項4記載の希土類系
    ボンド磁石
  12. 【請求項12】 金属微粉の長径が0.001μm〜5
    μmであることを特徴とする請求項1記載の希土類系ボ
    ンド磁石
  13. 【請求項13】 請求項1記載の希土類系ボンド磁石の
    実質的に金属微粉のみからなる被着層の表面に金属酸化
    物被膜を有することを特徴とする希土類系ボンド磁石
  14. 【請求項14】 請求項1記載の希土類系ボンド磁石の
    実質的に金属微粉のみからなる被着層の表面に化成処理
    被膜を有することを特徴とする希土類系ボンド磁石
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