JP3236815B2 - 高耐食性R−Fe−B系ボンド磁石とその製造方法 - Google Patents

高耐食性R−Fe−B系ボンド磁石とその製造方法

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JP3236815B2
JP3236815B2 JP04882798A JP4882798A JP3236815B2 JP 3236815 B2 JP3236815 B2 JP 3236815B2 JP 04882798 A JP04882798 A JP 04882798A JP 4882798 A JP4882798 A JP 4882798A JP 3236815 B2 JP3236815 B2 JP 3236815B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リング形状や円
板状の種々の形状からなる清浄性の高い金属被膜にて耐
食性を改善したR−Fe−B系ボンド磁石に係り、ビッ
カース硬度値が80以下の金属片の金属メディアによる
乾式バレル研磨により、磨砕された前記金属微片をボン
ド磁石表面の樹脂面および空孔部に圧入、被覆し、また
磁粉面に前記金属微片を被覆することにより、磁石表面
に十分な導電性を付与して、無電解めっきすることなく
直接電気めっきを実施可能とし、耐食性密着性に優れた
高耐食性R−Fe−B系ボンド磁石を得る製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】今日、ゴム磁石あるいはプラスチック磁
石と呼ばれるボンド磁石には、従来の等方性ボンド磁石
から異方性ボンド磁石へ、またフェライト系ボンド磁石
より高磁力の希土類系ボンド磁石へと高性能化が図られ
てきた。
【0003】R−Fe−B系ボンド磁石はその組成に極
めて酸化しやすい成分相およびFeを多量に含むため、
錆びやすい問題があり、表面に種々構成からなる樹脂層
を電着塗装、スプレー法、浸漬法、含浸法等で被着して
いた。(例えば特開平1−166519、特開平1−2
45504号)
【0004】これまでR−Fe−B系ボンド磁石の耐食
性向上のために用いられてきた樹脂塗装法、例えばスプ
レー法ではリング状ボンド磁石の場合、塗料のロスが大
きく、裏、表を反転する必要があるため工数が多く、ま
た膜厚の均一性も劣る問題があった。
【0005】また、電着塗装法では、膜厚は均一である
が、磁石1個ごとにそれぞれ電極に取り付けるため工数
を要して小物には不適であるほか、塗装後に外した電極
部跡の補修、すなわちタッチアップが必要であり、工数
を要して小物には不適であるという問題がある。
【0006】浸漬法では、一定の均一な膜厚の塗膜を得
るにはタレ等の問題により困難であり、またポーラスな
ボンド磁石では空孔が十分に埋まらず、乾燥時に膨れた
り、製品同士のくっつき等の問題がある。
【0007】さらに最近においては、コンピューターの
HDDユニットに使用するR−Fe−B系ボンド磁石に
は極めて高い表面洗浄性が求められ、従来の樹脂塗膜で
は対応できず、清浄性の高い金属被膜が求められてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】金属被膜の生成方法に
ついては量産性を考慮すると、焼結R−Fe−B磁石で
行われている電気金属めっきを施すこと(特開昭60−
54406、特開昭62−120003号)が考えられ
るが、R−Fe−B系ボンド磁石表面はポーラスでかつ
導電性の低い樹脂部分が露出しているため、めっき液が
残存したり、樹脂部にめっき被膜が十分に生成せずピン
ホール(無めっき部)が生じて、発錆が起こる。
【0009】そこで前処理として導電性を付与した後、
R−Fe−B系ボンド磁石に電気めっきを施す方法が提
案され、その主なものとしては、(1) R−Fe−B
系ボンド磁石の表面に無電解めっきを施した後、電気め
っきを行う方法、(2) R−Fe−B系ボンド磁石の
表面に樹脂と導電性粉末との混合物を塗装被覆後、電気
めっきを行う方法、(3) R−Fe−B系ボンド磁石
の表面に粘着性を有する樹脂層を形成し、金属粉体を付
着させた後、電気めっきを行う方法(特開平5−302
176号)、などがある。
【0010】しかしながら、上記の(1)の無電解めっ
き法では、R−Fe−B系ボンド磁石表面にめっき液が
残存して発錆を生じる恐れがあり、かつ時間を要し成膜
効率の良いめっき液ではない。(3)は最表面層の金属
粉の付着力は弱く、電気めっき時に脱落して密着不良が
生じたり、接着層の樹脂部が一部露出する。また(2)
は樹脂層の中に導電性物質あるいは金属粉を含有させた
ものであり、表面において樹脂露出部はR−Fe−B系
ボンド磁石素材に比べると改善されているものの、製法
上は被膜樹脂露出部が少なからず存在し、表面に導電性
の低い部分が存在することから、均一な良好な導電性を
得るのは困難であり、電気めっき時にピンホールが生じ
やすくなるなどの問題がある。
【0011】この発明は、R−Fe−B系ボンド磁石に
電気めっきを施す方法において種々の問題を解消し、清
浄性の高い金属被膜にて耐食性を改善したリング形状や
円板状の種々の形状からなるR−Fe−B系ボンド磁石
を効率よく製造するため、ボンド磁石表面に導電性膜を
密着性良く、均一に高効率で形成して、容易に電気めっ
きが可能な高耐食性R−Fe−B系ボンド磁石とその製
造方法の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らは、耐食性およ
び表面清浄性に優れたR−Fe−B系ボンド磁石の電気
めっき技術については、素材表面にきわめて均一に導電
性を付与することが重要であることに着目し、その導電
性膜の形成方法について種々検討した結果、R−Fe−
B系ボンド磁石を、所要寸法の球状、塊状あるいは針状
(ワイヤー)等のビッカース硬度値が80以下の不定形
金属片をメディアとして用いて、バレル装置にて乾式法
よるバレル研磨方法を施すこと、すなわち乾式バレル
装置にR−Fe−B系ボンド磁石と不定形金属片を装入
して回転や振動などを付与する乾式バレル処理を施すこ
とにより、前記不定形Cu片が磨砕されて生成した金属
微片がボンド磁石表面の樹脂面および空孔部に圧入、被
覆され、また磁粉面にも金属微片が被覆されてR−Fe
−B系ボンド磁石表面に極めて均一に導電性膜が付与で
き、良好な電気めっきが可能となり、耐食性に優れ、磁
気特性劣化の少ないR−Fe−B系ボンド磁石めっき被
膜品を得ることができることを知見し、この発明を完成
した。
【0013】すなわち、この発明は、R−Fe−B系ボ
ンド磁石表面に磨砕されたビッカース硬度が80以下の
金属微片による導電被覆層と、このビッカース硬度が
80以下の金属の導電被覆層を介して形成された電解め
っき層とを有することを特徴とする高耐食性R−Fe−
B系ボンド磁石である。
【0014】また、発明者らは、上記構成の高耐食性R
−Fe−B系ボンド磁石において、該ビッカース硬度が
80以下の金属の導電被覆層の、磁石表面を構成する
粉面上に形成された部分の厚さが1.0μm以下である
こと、該ビッカース硬度が80以下の金属の導電被覆層
の、磁石表面を構成する樹脂面及び空孔部に形成され
部分の厚が、0.1μm以上2μm以下であるこ
と、ビッカース硬度が80以下の金属、Sn、Z
n、Pb、Cd、In、Au、Ag及びその合金で、前
記合金にはSn、Znと50%以下のCuとの合金も包
含する、を各々特徴とする高耐食性R−Fe−B系ボン
ド磁石を併せて提案する。
【0015】また、この発明は、乾式バレル装置にR−
Fe−B系ボンド磁石とビッカース硬度が80以下の不
定形金属片を装入し、乾式バレル処理によって該不定形
金属片が磨砕されて生成したビッカース硬度が80以下
金属微片による導電被覆層を磁石表面に形成した
後、この導電被覆層を介して電解めっきを施し、電解め
っき層を形成することを特徴とする高耐食性R−Fe−
B系ボンド磁石の製造方法である。
【0016】また、発明者らは、上記構成の高耐食性R
−Fe−B系ボンド磁石の製造方法において、ビッカー
ス硬度が80以下の不定形金属片が大きさ0.1mm〜
10mmの球状、塊状あるいは針状であること、乾式バ
レル装置で乾式バレル処理によって該不定形金属片が磨
砕されて生成したビッカース硬度が80以下の金属の微
片の大きさは長径5μm以下であること、回転、振動、
遠心バレルを用いて磁石とビッカース硬度が80以下の
金属片の容積比率(磁石/金属)を3以下にてバレル研
磨を行うこと、不定形金属片が、Sn、Zn、Pb、C
d、In、Au、Ag及びその合金で、前記合金にはS
n、Znと50%以下のCuとの合金も包含する、をそ
れぞれ特徴とする高耐食性R−Fe−B系ボンド磁石の
製造方法を併せて提案する。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明において、R−Fe−B
系ボンド磁石は等方性、異方性ボンド磁石のいずれも対
象とし、例えば圧縮成型の場合は、所要組成、性状の磁
性粉末の熱硬化性樹脂、カップリング剤、潤滑等を添加
混練した後、圧縮成型し加熱して樹脂を硬化して得ら
れ、射出成型、押し出し成型、圧延成型の場合は、磁性
粉末に熱可塑性樹脂、カップリング剤、潤滑等を添加混
練したのち、射出成型、押し出し成型、圧延成型のいず
れかの方法にて成型して得られる。
【0018】R−Fe−B系磁性材粉には、所要のR−
Fe−B系合金を溶解し鋳造後に粉砕する溶解粉砕法、
Ca還元にて直接粉末を得る直接還元拡散法、所要のR
−Fe−B系合金を溶解ジェットキャスターでリボン箔
を得てこれを粉砕・焼鈍する急冷合金法、所要のR−F
e−B系合金を溶解し、これをガスアトマイズで粉末化
して熱処理するガスアトマイズ法、所要原料金属を粉末
化したのち、メカニカルアロイングにて微粉末化して熱
処理するメカニカルアロイ法及び所要のR−Fe−B系
合金を水素中で加熱して分解並びに再結晶させる方法
(HDDR法)などの各種製法で得た等方性、異方性粉
末が利用できる。
【0019】この発明において、R−Fe−B系磁石粉
末に用いる希土類元素Rは、組成の10原子%〜30原
子%を占めるが、Nd,Pr,Dy,Ho,Tbのうち
少なくとも1種、あるいはさらに、La,Ce,Sm,
Gd,Er,Eu,Tm,Yb,Lu,Yのうち少なく
とも1種を含むものが好ましい。また、通常Rのうち1
種をもって足りるが、実用上は2種以上の混合物(ミッ
シュメタル、シジム等)を入手上の便宜等の理由により
用いることができる。なお、このRは純希土類元素でな
くてもよく、工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不
純物を含有するものでも差し支えない。
【0020】Rは、上記系磁石粉末における必須元素で
あって、10原子%未満では結晶構造がα−鉄と同一構
造の立方晶組織となるため、高磁気特性、特に高保磁力
が得られず、30原子%を超えるとRリッチな非磁性相
が多くなり、残留磁束密度(Br)が低下してすぐれた
特性の永久磁石が得られない。よって、Rは、10原子
%〜30原子%の範囲が望ましい。
【0021】Bは、上記系磁石粉末における必須元素で
あって、2原子%未満では菱面体構造が主相となり、高
い保磁力(iHc)は得られず、28原子%を超えると
Bリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度(Br)
が低下するため、すぐれた永久磁石が得られない。よっ
て、Bは2原子%〜28原子%の範囲が望ましい。
【0022】Feは、上記系磁石粉末において必須元素
であり、65原子%未満では残留磁束密度(Br)が低
下し、80原子%を超えると高い保磁力が得られないの
で、Feは65原子%〜80原子%の含有が望ましい。
【0023】また、Feの一部をCoで置換すること
は、得られる磁石の磁気特性を損なうことなく、温度特
性を改善することができるが、Co置換量がFeの20
%を超えると、逆に磁気特性が劣化するため、好ましく
ない。Coの置換量がFeとCoの合計量で5原子%〜
15原子%の場合は、(Br)は置換しない場合に比較
して増加するため、高磁束密度を得るために好ましい。
【0024】また、R,B,Feのほか、工業的生産上
不可避的不純物の存在を許容でき、例えば、Bの一部を
4.0wt%以下のC、2.0wt%以下のP、2.0
wt%以下のS、2.0wt%以下のCuのうち少なく
とも1種、合計量で2.0wt%以下で置換することに
より、永久磁石の製造性改善、低価格化が可能である。
【0025】さらに、Al,Ti,V,Cr,Mn,B
i,Nb,Ta,Mo,W,Sb,Ge,Ga,Sn,
Zr,Ni,Si,Zn,Hfのうち少なくとも1種
は、磁石粉末に対してその保磁力、減磁曲線の角型性を
改善あるいは製造性の改善、低価格化に効果があるため
添加することができる。なお、添加量の上限は、ボンド
磁石の(BH)maxや(Br)値を所要値とするに必
要な該条件を満たす範囲が望ましい。
【0026】またこの発明において、バインダーには射
出成形では、樹脂として6Pa、12Pa、PPS、P
BT、EVA等、又押出成形、カレンダーロール、圧延
成形ではPVC、NBR、CPE、NR、ハイパロン
等、又圧縮成形には、エポキシ樹脂、DAP、フェノー
ル樹脂等が利用でき、必要に応じて、公知の金属バイン
ダーを用いることができる。さらに、助材には成形を容
易にする滑剤や樹脂と無機フィラーの結合剤、シラン
系、チタン系等のカップリング剤などを用いることがで
きる。
【0027】この発明において、乾式バレル装置には、
回転式、振動式、遠心式等の公知のバレルが使用でき
る。ビッカース硬度値80以下のSn、Zn、Pb、C
d、In、Au、Ag及びその合金からなる金属片の形
状については、球状、塊状あるいは針状(ワイヤー)等
の不定形が使用できる。金属片の大きさは、0.1mm
未満では十分な圧入、被覆に長時間を要して実用的でな
く、また10mmを越えると表面凹凸が大きくなり、表
面全体に金属を被覆することができないため、金属の大
きさは0.1mm〜10mmが望ましく、さらに好まし
い範囲は0.5mm〜5mmである。又、この発明にお
いて、乾式バレル装置内に装入される金属片は同一形
状、寸法でもよく、又異形状、異寸法のものを混合して
もよい。又不定形金属片に金属微粉を混入してもよい。
【0028】また、乾式バレル装置に投入する比率、磁
石と不定形金属片の容積比率(磁石/不定形金属)を3
以下に限定したのは、3を越えると金属の圧入、被覆に
時間を要し実用的でなく、またボンド磁石表面からの磁
粉の脱粒が生じるため、3以下とした。またバレル装置
内に装入するボンド磁石及び金属片の量は装置内容積の
20%〜90%が好ましく、20%未満では、処理量が
少なすぎて実用的でなく、90%を越えると、撹拌が不
十分で、十分な処理ができない問題がある。
【0029】圧入、被覆される金属微片は微粉末又は針
状片でその大きさについては、長径5μmを越えると、
磁石表面との密着性が良くなく、電解めっき時に密着不
良、剥離等が生じるため長径5μm以下とした。好まし
い範囲は長径2μm以下である。
【0030】この発明において、金属微片の圧入、被覆
に関し、金属微片はボンド磁石表面の樹脂面及び空孔部
と磁粉面においては、柔らかい樹脂面及び空孔部には圧
入、被覆され、磁粉面には被覆される。樹脂面及び空孔
部に圧入される量は表面ほど多く、樹脂層内部に漸次的
に含有量が減少している。樹脂面及び空孔部の金属の圧
入層の厚さを0.1μm以上2μm以下に限定したの
は、0.1μm未満では充分な導電性が得られず、2μ
mを越えると性能上の問題はないが作業に時間を要し、
実用的でない。また、ボンド磁石表面の磁粉面の金属の
被覆層の厚さを1.0μm以下に限定したのは、磁粉面
表面と金属微片の反応は一種のメカノケミカル的反応で
あり、1.0μmを越えると密着性が劣るためである。
【0031】この発明において、ボンド磁石表面の平滑
性が求められる場合には、この発明の処理を行う前に、
研磨材と植物性媒体の混合物、研磨材と無機質粉体にて
表面を改質された植物性媒体の混合物をメディアとして
乾式法によるバレル研磨を行う等の処理を行うことによ
り、平滑性が向上し、耐食性がさらにすぐれたR−Fe
−B系ボンド磁石を得ることができる。
【0032】この発明による乾バレル処理をバレル
装置で行う場合の回転数は、回転バレルの場合は回転
数20〜50rpm、遠心バレルの場合は回転数70〜
200rpm、また振動バレル場合は振動振幅0.5
〜50mmが好ましい。
【0033】この発明において、電気めっき方法として
は、Ni,Cu,Sn,Co,Zn,Cr,Ag,A
u,Pb,Pt等から選ばれた少なくとも1種の金属ま
たはそれらの合金等にB,S,Pが含有されるめっき法
が好ましく、特にCu、Niめっきが好ましい。めっき
厚は50μm以下、好ましくは10〜30μmである。
この発明では前述の金属微粉の圧入、被覆が有効な作用
をするため一般的なめっきが可能であり、優れた密着
性、耐食性が得られる。
【0034】Cu、Niめっき浴のめっき方法として
は、洗浄→電気めっき→洗浄→乾燥の工程で行うのがよ
く、乾燥は70℃以上の処理が好ましい。
【0035】めっき浴槽にはボンド磁石の形状に応じて
種々の浴槽を使用することができ、リング形状のボンド
磁石の場合、ひっかけめっき処理、バレルめっき処理が
好ましい。
【0036】
【実施例】実施例1 超急冷法で作製したNd12at%、Fe77at%、
B6at%、Co5at%の組成からなる平均粒径15
0μmの合金粉末にエポキシ樹脂2wt%を加えて混練
し、7ton/cm2の圧力で圧縮成型した後、170
℃で1時間キュアーし、外径25mm×内径23mm×
高さ3mmのリング状ボンド磁石を作製した。得られた
ボンド磁石の特性はBr6.9kG、iHc9.1kO
e、(BH)max9.3MGOeであった。
【0037】得られたボンド磁石を振動バレルに入れ、
直径2mm、長さ1mmの短円柱状Sn片を用い、乾式
バレル理を行い、Sn微片による導電被覆層を形成し
た。Sn微片の樹脂面での圧入深さは約0.9μm、磁
粉面での被覆厚さは0.4μmであった。
【0038】なお、振動バレルによる乾式バレル処理条
件は、容積50lの振動バレルに入れ、200ケのボン
ド磁石(見かけ容積0.7l、重量450g)と前記寸
法のSn微片(見かけ容積20l、重量100kg)を
装入し、3時間の処理を行った。
【0039】その後洗浄を行い、ひっかけめっき方式で
電気Cuめっきを行い、その後電気Niめっきを行っ
た。めっき後の膜厚は内径側22μm、外径側23μm
であった。得られたリング状ボンド磁石を80℃、相対
湿度90%、500時間にて環境試験(耐湿試験)を行
った。その結果及び膜厚寸法精度を表1〜表3に示す。
【0040】なお、電気Cuめっきの条件は、電流密度
2.5A/dm2、めっき時間5分、pH10、浴温4
0℃であり、めっき液組成は銅20g/l、遊離シアン
10g/lであった。
【0041】なお、電気Niめっきの条件は、電流密度
2A/dm2、めっき時間60分、pH4.1、浴温5
5℃であり、めっき液組成は硫酸ニッケル235g/
l、塩化ニッケル45g/l、炭酸ニッケル適量(pH
調整)、ほう酸28g/lであった。
【0042】実施例2 実施例1と同様方法で得たリング状ボンド磁石を振動バ
レルにて入れ、直径1mm、長さ2mmの円柱状Zn片
を用い、乾式バレル処理を行い、Zn微片による導電被
覆層を形成した。Zn微片の樹脂面での圧入深さは約
0.8μm、磁粉面での被覆厚さは0.2μmであっ
た。なお、乾式バレ処理条件は容積50lの振動バレ
ルに入れ、200ケのボンド磁石(見かけ容積0.7
l、重量450g)と前記寸法のZn微片(見かけ容積
20l、重量100kg)を装入し、3時間の処理を行
った。
【0043】その後、実施例1と同一の条件でCu、N
iめっきを行った。得られたリング状ボンド磁石を80
℃、相対湿度90%、500時間にて環境試験(耐湿試
験)を行った。その結果を表1〜表3に示す。
【0044】実施例3 実施例1と同様方法で得たリング状ボンド磁石を振動バ
レルに入れ、直径1mm、長さ1mmの円柱状Pb片を
用い、乾式バレル処理を行い、Pb微片による導電被覆
層を形成した。Pb微片の樹脂面での圧入深さは約0.
9μm、磁粉面での被覆厚さは0.6μmであった。な
お、乾式バレ処理条件は容積3.5lの振動バレルに
入れ、50ケのボンド磁石(見かけ容積0.17l、重
量120g)と前記寸法のPb微片(見かけ容積2l、
重量12kg)を装入し、3時間の処理を行った。
【0045】実施例1と同一の条件でCu、Niめっき
を行った。得られたリング状ボンド磁石を80℃、相対
湿度90%、500時間にて環境試験(耐湿試験)を行
った。その結果を表1〜表3に示す。
【0046】比較例1 実施例1と同様方法で得たリング状ボンド磁石を洗浄
後、無電解銅めっきを行った。めっき厚は5μmであっ
た。無電解銅めっき後、実施例と同一の条件でCu、N
iめっきを行った。得られたリング状ボンド磁石を80
℃、相対湿度90%、500時間にて環境試験(耐湿試
験)を行った。その結果を表1〜表3に示す。
【0047】なお、無電解銅めっきの条件は、めっき時
間20分、pH11.5、浴温20℃であり、めっき液
組成は硫酸銅29g/l、炭酸ナトリウム25g/l、
酒石酸塩140g/l、水酸化ナトリウム40g/l、
37%ホルムアルデヒド150mlであった。
【0048】比較例2 実施例1と同様方法で得たリング状ボンド磁石を洗浄
後、フェノール樹脂とNi粉を混合して10μmの導電
被膜を形成した。処理後、実施例1と同一の条件でC
u、Niめっきを行った。得られたリング状ボンド磁石
を80℃、相対湿度90%、500時間にて環境試験
(耐湿試験)を行った。その結果を表1〜表3に示す。
【0049】なお、導電被膜処理条件は、処理時間30
分、処理液組成はフェノール樹脂5wt%、Ni粉(粒
径0.7μm以下)5wt%、MEK(メチルエチルケ
トン)90wt%であった。
【0050】比較例3 実施例1と同様方法で得たリング状ボンド磁石を洗浄
後、浸漬法にて接着層としたフェノール樹脂層を予め形
成後、Ag粉(粒径0.7μm以下)を表面に付着させ
た後、振動バレルにて7μmの導電性被覆層を形成し
た。振動バレルによる乾式バレル処理後、実施例1と同
一の条件でCu、Niめっきを行った。得られたリング
状ボンド磁石を80℃、相対湿度90%、500時間に
て環境試験(耐湿試験)を行った。その結果を表1〜表
3に示す
【0051】なお、振動バレルによる乾式バレル処理条
件は、容積3.5lの振動バレルを用い、50ケのボン
ド磁石を装入し、見かけ容積が2lの2.5mm径のス
チールボールをメディアとして、3時間の処理を行っ
た。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】表1〜表3より明らかなごとく、比較例1
は約130時間後に点錆が認められ、比較例2は250
時間後、比較例3においても約330時間後に点錆が認
められたが、これに対して実施例1は500時間後にお
いても30倍の顕微鏡で認められる点錆はなかった。
【0056】
【発明の効果】この発明は、R−Fe−B系ボンド磁石
を所要寸法の球状、塊状あるいは針状(ワイヤー)等の
不定形金属、すなわちビッカース硬度値が80以下のS
n、Zn、Pb、Cd、In、Au、Ag及びその合金
を用いてバレル装置にて乾式法にてバレル研磨方法を行
う乾式バレル処理を施し、磨砕された前記金属微片をボ
ンド磁石表面の樹脂面および空孔部に圧入被覆し、また
磁粉面に金属微片を被覆することにより、R−Fe−B
系ボンド磁石表面に金属被覆膜を形成して極めて高い導
電性を付与することができ、そのため緻密でピンホール
のない電解めっき層を形成可能となり、極めて優れた耐
食性を有するR−Fe−B系ボンド磁石を得ることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−276094(JP,A) 特開 平7−176443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/032 - 1/08 H01F 41/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−Fe−B系ボンド磁石表面に磨砕さ
    れたビッカース硬度が80以下の金属微片による導電
    被覆層と、このビッカース硬度が80以下の金属の導電
    被覆層を介して形成され電解めっき層とを有すること
    を特徴とする高耐食性R−Fe−B系ボンド磁石。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のR−Fe−B系ボンド磁
    において、該ビッカース硬度が80以下の金属の導電
    被覆層の、磁石表面を構成する磁粉面上に形成された部
    の厚さが1.0μm以下であることを特徴とする高耐
    食性R−Fe−B系ボンド磁石。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のR−Fe−B系
    ボンド磁石において、該ビッカース硬度が80以下の金
    属の導電被覆層の、磁石表面を構成する樹脂面及び空
    孔部に形成された部分の厚が、0.1μm以上2μm
    以下であることを特徴とする高耐食性R−Fe−B系ボ
    ンド磁石。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載のR−Fe−B系ボ
    ンド磁石において、該ビッカース硬度が80以下の
    、Sn、Zn、Pb、Cd、In、Au、Ag及びそ
    の合金であることを特徴とする高耐食性R−Fe−B系
    ボンド磁石。
  5. 【請求項5】 乾式バレル装置にR−Fe−B系ボンド
    磁石とビッカース硬度が80以下の不定形金属片を装入
    、乾式バレル処理によって該不定形金属片が磨砕され
    て生成したビッカース硬度が80以下の金属微片によ
    る導電被覆層を磁石表面に形成した後、この導電被覆層
    を介して電解めっきを施し、電解めっき層を形成する
    とを特徴とする高耐食性R−Fe−B系ボンド磁石の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の高耐食性R−Fe−B系
    ボンド磁石の製造方法において、ビッカース硬度が80
    以下の不定形金属片が大きさ0.1mm〜10mmの球
    状、塊状あるいは針状であることを特徴とする高耐食性
    R−Fe−B系ボンド磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の高耐食性R−F
    e−B系ボンド磁石の製造方法において、乾式バレル
    置で乾式バレル処理によって該不定形金属片が磨砕され
    て生成したビッカース硬度が80以下の金属微片の大
    きさは長径5μm以下であることを特徴とする高耐食性
    R−Fe−B系ボンド磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至6に記載の高耐食性R−F
    e−B系ボンド磁石の製造方法において、回転、振動ま
    たは遠心バレルを用いて、磁石とビッカース硬度が80
    以下の不定形金属片の容積比率(磁石/金属)を3以下
    にて、導電被覆層形成を行うことを特徴とする高耐食性
    R−Fe−B系ボンド磁石の製造方法。
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