JP4131385B2 - 希土類系永久磁石の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に均一で緻密な電気めっき被膜を優れた密着性でもって有することで高い耐食性を示す希土類系永久磁石の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Nd−Fe−B系永久磁石に代表されるR−Fe−B系永久磁石などの希土類系永久磁石は、資源的に豊富で安価な材料が用いられ、かつ、高い磁気特性を有していることから、今日様々な分野で使用されている。
近年、希土類系永久磁石が使用される電子業界や家電業界では、部品の小型化やダウンサイジング化が進み、それに対応して、磁石自体も小型化や複雑形状化の必要性に迫られている。
この観点から、磁性粉と樹脂バインダーを主成分とした、形状成形が容易なボンド磁石が注目され、すでに各種方面で実用化されている。
【0003】
希土類系永久磁石は、大気中で酸化腐食されやすいRを含む。それ故、表面処理を行わずに使用した場合には、わずかな酸やアルカリや水分などの影響により表面から腐食が進行して錆が発生し、それに伴って、磁気特性の劣化やばらつきを招くことになる。さらに、錆が発生した磁石を磁気回路などの装置に組み込んだ場合、錆が飛散して周辺部品を汚染する恐れがある。
この問題点を解消すべく、磁石表面に耐食性被膜としての電気めっき被膜を形成する試みがなされている。しかし、ボンド磁石表面に直接的に電気めっき被膜を形成しようとした場合、磁石表面を構成する樹脂バインダーで絶縁化されている磁性粉やこれらの磁性粉間の樹脂部分は導電性が低いために均一で緻密な被膜を形成することができず、その結果、ピンホール(無めっき部分)が生じて発錆を招く場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上の点に鑑み、ボンド磁石表面全体に導電性を付与した後に電気めっき被膜を形成する方法として、例えば、特許第2719658号(特開平4−276095号)公報には、ボンド磁石表面に樹脂と導電性材料粉末との混合物を塗布して導電性樹脂被膜を形成した後、電気めっきを施す方法が提案されている。しかし、この方法では、ミクロ的に見ると樹脂表面全体に必ずしも十分な導電性が付与されているわけではないので、表面に導電性が低い部分が存在することは否めず、その結果、均一で緻密な電気めっき被膜を形成することができないという問題がある。また、磁石表面に形成される樹脂被膜が導電性であるので、電気めっきを行った際などに樹脂被膜表面が腐食すると、被膜内部における導電部を通じて腐食が磁石表面まで進行してしまうといった問題もある。
また、上記特許公報には、ボンド磁石表面に無電解めっきを施した後、電気めっきを施す方法も提案されているが、この方法では、無電解めっきを行った際などに処理液の溶媒となる水や処理液に含まれる各種の成分が磁石の空孔部などに残存してしまい、磁石の腐食を招く場合があるほか、形成される被膜自体の磁石表面に対する密着性も優れたものとは言い難い。
従って、上記のようなこれまでに提案されている方法では、満足できるに足る成果を得ることができないことから、ボンド磁石表面に電気めっき被膜を形成するための新たな方法が待ち望まれている。優れた方法が開発されれば、当然のことながら、それはボンド磁石に対してだけでなく焼結磁石に対しても優れた効果を発揮するものであるので、非常に価値が高い。
そこで本発明は、表面に均一で緻密な電気めっき被膜を優れた密着性でもって有することで高い耐食性を示す希土類系永久磁石の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の点に鑑みて本発明者らが種々の検討を行ったことにより完成された本発明の希土類系永久磁石の製造方法は、請求項1記載の通り、希土類系永久磁石表面に、平均粒径が2μm〜30μmの第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる体積抵抗率が1×10 Ω・cm以上の非導電性被膜を形成した後、非導電性被膜形成磁石を第1金属より貴な電位を有する第2金属のイオンを含む溶液に浸漬することで非導電性被膜表面に第2金属の置換めっき被膜を形成し、さらに置換めっき被膜表面に第3金属の電気めっき被膜を形成することを特徴とする。
また、請求項2記載の製造方法は、請求項1記載の製造方法において、希土類系永久磁石がボンド磁石であることを特徴とする
た、請求項記載の製造方法は、請求項1または2記載の製造方法において、非導電性被膜中における第1金属の粉末の分散量が50重量%〜99重量%であることを特徴とする
た、請求項記載の製造方法は、請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法において、非導電性被膜の膜厚が1μm〜100μmであることを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法において、第1金属が亜鉛で第2金属がニッケルであることを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法において、第1金属がニッケルで第2金属が銅であることを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法において、第2金属と第3金属が同じ金属であることを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項記載の製造方法において、置換めっき被膜を形成する工程と電気めっき被膜を形成する工程を一つのめっき浴において行うことを特徴とする。
また、請求項記載の製造方法は、請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法において、置換めっき被膜の膜厚が0.05μm〜2μmであることを特徴とする。
また、本発明の希土類系永久磁石は、請求項10記載の通り、希土類系永久磁石表面に、平均粒径が2μm〜30μmの第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる体積抵抗率が1×10 Ω・cm以上の非導電性被膜を形成した後、非導電性被膜形成磁石を第1金属より貴な第2金属のイオンを含む溶液に浸漬することで非導電性被膜表面に第2金属の置換めっき被膜を形成し、さらに置換めっき被膜表面に第3金属の電気めっき被膜を形成することで得られるものである。
また、本発明の希土類系永久磁石は、請求項11記載の通り、希土類系永久磁石表面に、平均粒径が2μm〜30μmの第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる体積抵抗率が1×10 Ω・cm以上の非導電性被膜が形成され、さらにその表面に第1金属より貴な第2金属の置換めっき被膜を介して第3金属の電気めっき被膜が形成されているものである。
また、本発明の希土類系永久磁石は、請求項12記載の通り、希土類系永久磁石表面に、平均粒径が2μm〜30μmの第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる体積抵抗率が1×10 Ω・cm以上の非導電性被膜が形成され、さらにその表面に第1金属より貴な第2金属の置換めっき被膜が形成されているものである。
また、本発明の希土類系永久磁石は、請求項13記載の通り、希土類系永久磁石表面に、平均粒径が2μm〜30μmの第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる体積抵抗率が1×10 Ω・cm以上の非導電性被膜が形成されているものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の希土類系永久磁石の製造方法は、希土類系永久磁石表面に第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜を形成した後、非導電性被膜形成磁石を第1金属より貴な電位を有する第2金属のイオンを含む溶液に浸漬することで非導電性被膜表面に第2金属の置換めっき被膜を形成し、さらに置換めっき被膜表面に第3金属の電気めっき被膜を形成することを特徴とするものである。
【0007】
本発明の希土類系永久磁石の製造方法においては、希土類系永久磁石表面に第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜を形成し、被膜表面やその近傍に存在する第1金属の粉末を起点とする置換めっき反応を利用することで第2金属の置換めっき被膜を非導電性被膜表面全体に形成する。これにより結果として磁石表面全体に導電性が付与されることになるので、置換めっき被膜表面に均一で緻密な第3金属の電気めっき被膜を優れた密着性でもって形成することが可能となる。また、磁石表面に形成された樹脂被膜は非導電性であるので、万が一、電気めっき被膜にピンホールや傷などの欠陥が生じ、当該欠陥を通じるなどして樹脂被膜表面が腐食したとしても、被膜内部を通じて腐食が磁石表面まで進行してしまうといったことがないという利点を有する。本発明の製造方法によれば、希土類系永久磁石がボンド磁石であっても焼結磁石であっても上記の効果を得ることができるが、この効果はとりわけボンド磁石に対して有益なものとなる。また、複数の希土類系永久磁石を嫌気性接着剤などの接着剤を用いて積層した積層磁石に対して本発明の製造方法を適用すれば、磁石と磁石の間の接着剤厚み部分も含めて積層磁石表面全体に電気めっき被膜を形成することができる。従って、磁石と接着剤との間の接着界面への接着劣化起因物質(水分など)の浸入を阻止することができるので、接着劣化防止効果を得ることができる。
以下、本発明の希土類系永久磁石の製造方法について、これをボンド磁石に適用する場合を例にとり、順を追って説明する。
【0008】
工程1:
まず、ボンド磁石表面に第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜を形成する。非導電性被膜の主体となる樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、スチレンアクリル樹脂などが単独で、または複数の樹脂を混合して使用される。
【0009】
樹脂被膜中に分散される第1金属の粉末の種類に特段の制限はないが、後の工程において置換めっき反応を起すためには、第1金属は第2金属よりも卑な電位を有することが必須となる。従って、第1金属は第2金属との電位差を考慮して適宜選択される。第1金属と第2金属の組合せの具体例としては、第1金属が亜鉛で第2金属がニッケルの組合せや、第1金属がニッケルで第2金属が銅の組合せなどが挙げられる。
【0010】
第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜は、例えば、第1金属の粉末を分散させた非導電性の樹脂自体を、また、必要であればこのような樹脂を有機溶剤を用いて希釈して調製した溶液を処理液として磁石表面にスプレー塗装したり、処理液中に磁石を浸漬して浸漬塗装を行った後、これを乾燥させることにより形成する。金属粉末を分散させた非導電性の樹脂は市販されているものもあり、簡便に入手することができる。第1金属の粉末を分散させた樹脂が導電性であっても、有機分散媒を添加して個々の金属粉末を均一に分散させて隔離することで処理液を非導電性のものとすることもできる。この場合、有機分散媒としては、アニオン性分散媒(脂肪族系多価カルボン酸、ポリエーテルポリエステルカルボン酸塩、高分子ポリエステル酸ポリアミン塩、高分子量ポリカルボン酸長鎖アミン塩など)、非イオン性分散媒(ポリオキシエチレンアルキルエーテルやソルビタンエステルなどのカルボン酸塩やスルフォン酸塩やアンモニウム塩など)、高分子分散媒(水溶性エポキシのカルボン酸塩やスルフォン酸塩やアンモニウム塩など、スチレン−アクリル酸共重合物、ニカワなど)などが金属粉末との親和性やコストの点から好適に使用される。また、非導電性被膜を形成することができる処理液であれば、それ自体が導電性であってもよい。処理液の調製に際しては、ボールミルやアトライターやサンドミルなどの分散機を適宜使用することができる。
なお、第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜を形成するための操作を行う前に磁石表面に対してバレル研磨などの自体公知の清浄化手段を施してもよい。
【0011】
非導電性被膜中の金属粉末が置換めっき反応の起点となり、被膜表面全体に置換めっき被膜が形成されるためには、被膜表面やその近傍に金属粉末が均一にしかもリッチに存在することが有利である。従って、この観点からは、被膜中における金属粉末の分散量が50重量%以上となるように処理液を調製することが望ましい。被膜中における金属粉末の分散量の上限は限定されるものではないが、通常、金属粉末の分散量が99重量%を越える被膜を形成するための処理液を調製することは困難である(処理液中において金属粉末が凝集沈降するといった問題や処理液の粘性が上昇して取扱性に劣るといった問題が生じるため)。従って、製造上においては被膜中における金属粉末の分散量の上限は99重量%である。
なお、金属粉末が均一分散した処理液を調製するために、金属粉末の平均粒径はμm〜30μmとするがμm〜12μmであることが望ましく、2μm〜10μmであることがより望ましい。
【0012】
以上のようにして形成される第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜は、被膜が非導電性であるが故、たとえ被膜表面が腐食したとしても、被膜内部を通じて腐食が磁石表面まで進行してしまうことを防止するので、それ自体が磁石に対して耐食性を付与するという効果を有する。この効果には、被膜が有する自己修復作用(第1金属の腐食化合物(第1金属が亜鉛の場合にはZnCl・4Zn(OH)やZnOなどが該当する)の生成や樹脂の膨潤による体積増加により被膜にピンホールや傷などの欠陥が存在しても当該欠陥を埋没させてしまうという作用)や第1金属が有する犠牲防食作用なども寄与しているものと考えられる。この効果をより確実なものとするために、非導電性被膜の体積抵抗率を1×10Ω・cm以上とする。前述の有機分散媒を処理液中に添加して処理液中における金属粉末の凝集沈降を抑制し、金属粉末の分散性を高めることで体積抵抗率を高めるようにしてもよい。また、表面に高い体積抵抗率の非導電性被膜を有するボンド磁石は、モータに組み込んで使用した場合、磁石内部に発生する渦電流が少ない。従って、渦電流に起因する発熱による熱減磁も少ないので、モータ効率の低減を抑制することができる点において価値がある。こうした磁石を複数個積層してモータに組み込んだ場合、その価値は特に高いものとなる。なお、上記の効果を十分に発揮させるとともに、被膜表面を平滑なものとし、被膜表面やその近傍に金属粉末を均一にしかもリッチに存在させ、被膜表面全体に均一な置換めっき被膜が形成されるようにするためには、非導電性被膜の膜厚は1μm〜100μmであることが望ましい。しかしながら、非導電性被膜の膜厚が増大すると、ともすれば、均一な電気めっき被膜の形成に悪影響を及ぼすことがある。従って、この点や磁石の有効体積を考慮すると、膜厚の上限は30μmであることがより望ましい。
【0013】
工程2:
次に、工程1で非導電性被膜がその表面に形成されたボンド磁石を第1金属より貴な電位を有する第2金属のイオンを含む溶液に浸漬することで非導電性被膜表面に第2金属の置換めっき被膜を形成する。第2金属の置換めっき被膜は、磁石表面全体に導電性を付与する機能を有するとともに、第1金属の粉末が非導電性被膜から脱粒することを防止し、磁石表面清浄性の向上に寄与する。この工程は置換めっき被膜を形成するための常法に従って行えばよいが、後の工程において均一で緻密な第3金属の電気めっき被膜を形成するために十分な導電性を確保するという観点からは、0.05μm以上の膜厚を有する被膜を形成することが望ましい。置換めっき被膜を形成する前に、非導電性被膜表面を平滑なものとするとともに非導電性被膜中に均一分散させた第1金属の粉末の活性面を露出させる目的で非導電性被膜がその表面に形成されたボンド磁石をバレル研磨してもよい。なお、置換めっき被膜の膜厚の上限は特段限定されるものではないが、製造コストの点に鑑みれば2μm以下とすることが望ましい。
【0014】
工程3:
最後に、工程2で形成された置換めっき被膜表面に第3金属の電気めっき被膜を形成する。この工程は電気めっき被膜を形成するための常法に従って行えばよい。前述のように、第1金属と第2金属との組合せについては両者の電位差を考慮しなければならないが、第3金属については第2金属との関係において特段考慮しなければならない事情はなく、例えば、Ni、Cu、Sn、Co、Zn、Cr、Ag、Au、Pb、Ptなどのような、通常、電気めっき被膜として形成される金属が第3金属として適用される。従って、第2金属と第3金属が同じ金属であっても何ら問題はない。
【0015】
第2金属と第3金属を同じ金属とする場合、即ち、置換めっき被膜を構成する金属と電気めっき被膜を構成する金属を同じ金属とする場合には、置換めっき被膜を形成する工程2と電気めっき被膜を形成する工程3を一つのめっき浴において行うことが好都合である。即ち、例えば、その表面に非導電性被膜が形成されたボンド磁石をめっき浴に浸漬した当初、電圧をかけないことで置換めっき反応を進行させて置換めっき被膜を形成した後、電圧をかけることで電気めっき被膜を形成することができる。また、その表面に非導電性被膜が形成されたボンド磁石をめっき浴に浸漬した当初から電圧をかけた場合でも、浸漬初期の段階においては被膜の体積抵抗率が高いので、その表面ではまず第1金属と第2金属の電位差による置換めっき反応が起こって置換めっき被膜が形成される。これにより結果として磁石表面全体に導電性が付与されて、置換めっき被膜表面に均一で緻密な電気めっき被膜が形成される。なお、ボンド磁石の有効体積をできる限り確保するという観点と優れた耐食性を発揮させるという観点からは、電気めっき被膜の膜厚は10μm〜30μmが望ましい。
【0016】
例えば、ボンド磁石表面に置換Niめっき被膜と電気Niめっき被膜を一つのめっき浴において形成する場合においては、めっき浴槽は磁石の形状に応じて種々の浴槽を使用することができる。めっき浴としては、ワット浴、スルファミン酸浴、ウッド浴などの公知のめっき浴を用いればよい。第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜表面に密着性に優れた置換Niめっき被膜を形成するためには、例えば、低ニッケル高硫酸塩浴などを使用し、第1金属とニッケルとの間の過度な置換効率(置換Niめっき被膜の成膜速度)を抑制することが望ましい。好適な低ニッケル高硫酸塩浴としては、硫酸ニッケル・5水和物100g/L〜170g/L、硫酸ナトリウム160g/L〜270g/L、塩化アンモニウム8g/L〜18g/L、ホウ酸13g/L〜23g/Lからなるめっき浴が挙げられる。めっき浴のpHは4.0〜8.0とすることが望ましい。4.0未満であると酸性条件に不安定な希土類系ボンド磁石に対して悪影響を及ぼす恐れがある一方、8.0を超えると形成された置換Niめっき被膜の密着性が劣る恐れがあるからである。また、めっき浴のpHを4.0〜8.0とすることには、Niよりも卑な電位を有する第1金属が急激に溶出して粗雑な置換Niめっき被膜が形成され、その表面に形成される電気Niめっき被膜との密着性に悪影響を及ぼすといったことを効果的に抑制する目的もある。めっき浴の浴温は30℃〜70℃とすることが望ましい。30℃未満であると形成された置換Niめっき被膜の表面が粗雑なものになる恐れがある一方、70℃を超えると浴温管理が難しく、均一な置換Niめっき被膜が形成されない恐れがあるからである。このようなめっき浴を用いて置換Niめっき被膜を形成した後に電気Niめっき被膜を形成するに際しては、電流密度は0.2A/dm2〜20A/dm2とすることが望ましい。0.2A/dm2未満であると成膜速度が遅くて生産性に劣る恐れがある一方、20A/dm2を超えると形成された電気Niめっき被膜の表面が粗雑なものとなり、ピンホールが多数発生する恐れがあるからである。なお、陽極には電解Ni板を用いるが、Niの溶出を安定させるために、電解Ni板としてSを含有したニッケルチップを使用することが望ましい。
【0017】
例えば、ボンド磁石表面に置換Cuめっき被膜と電気Cuめっき被膜を一つのめっき浴において形成する場合においても、めっき浴槽は磁石の形状に応じて種々の浴槽を使用することができる。めっき浴のpHは5.0〜8.5であることが望ましい。5.0未満であると酸性条件に不安定な希土類系ボンド磁石に対して悪影響を及ぼす恐れがある一方、8.5を超えると形成された置換Cuめっき被膜の密着性が劣る恐れがあるからである。めっき浴の浴温は25℃〜70℃とすることが望ましい。25℃未満であると形成された置換Cuめっき被膜の表面が粗雑なものになる恐れがある一方、70℃を超えると浴温管理が難しく、均一な置換Cuめっき被膜が形成されない恐れがあるからである。このようなめっき浴を用いて置換Cuめっき被膜を形成した後に電気Cuめっき被膜を形成するに際しては、電流密度は0.1A/dm2〜5.0A/dm2とすることが望ましい。0.1A/dm2未満であると成膜速度が遅くて生産性に劣る恐れがある一方、5.0A/dm2を超えると形成された電気Cuめっき被膜の表面が粗雑なものとなり、ピンホールが多数発生する恐れがあるからである。なお、めっき浴としてはボンド磁石に対する腐食性と浸透性が低い中性Cuめっき浴が望ましく、とりわけ、硫酸銅とエチレンジアミン四酢酸と亜硫酸ナトリウムを主成分とする中性Cu−EDTA浴が望ましい。
【0018】
本発明の製造方法をリング状ボンド磁石に適用した場合、ともすれば、その内側表面に局部的凸部が発生する場合がある。この現象は第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜の主体として使用した樹脂の硬度が低い場合に散見されることから、この現象を回避するためには、非導電性被膜の主体として使用する樹脂は硬度が高いもの、具体的には、樹脂自体の硬化時のロックウェル硬度がM80以上のもの、例えば、フェノール樹脂(M110)、エポキシ樹脂(M80)、アクリル樹脂(M80)、ポリエステル樹脂(M80)、ポリイミド樹脂(M128)などを使用することが望ましい。とりわけ、このような樹脂の中でも、ポリイミド樹脂に代表される耐熱性熱硬化性樹脂、いわゆる、スーパーエンジニアリングプラスチックは、磁石に熱と荷重が加わった場合でも、樹脂部分が軟化してしまって樹脂によって分散されていた第1金属の粉末が結合性を獲得し、その結果、体積抵抗率が低下して非導電性被膜としての特性が劣化してしまうといったことを効果的に防止する作用を有する、即ち、非導電性被膜に耐熱性を付与する作用を有する点においてより望ましい。なお、複数の樹脂を混合して使用する場合においては、混合樹脂自体の硬化時のロックウェル硬度がM80以上となるように個々の樹脂を組み合わせて使用することが望ましい。例えば、エポキシ樹脂とポリイミド樹脂との混合樹脂は、混合樹脂自体の硬化時のロックウェル硬度がM80以上であり、相溶性に優れるとともに、金属粉末の分散性にも優れ、さらに、上記のように耐熱性の点においても優れることから望ましい混合樹脂といえる。また、電気めっき被膜を形成するためのめっき浴に添加される光沢剤、例えば、芳香族スルフォンアミドや芳香族スルフォンイミドなどのサッカリン系光沢剤、2−ブチン−1,4−ジオールなどのブチンジオール系光沢剤の添加量を調整することによって、非導電性被膜表面に積層形成されためっき被膜の応力を緩和し、局部的凸部の発生を回避するようにしてもよい。
【0019】
なお、電気めっき被膜の上に、更に別の電気めっき被膜などを積層形成してもよい。このような構成を採用することによって、ボンド磁石の耐食性や機械的強度などの特性を増強・補完したり、更なる機能性を付与したりすることができる。
【0020】
本発明が適用される希土類系永久磁石のうち、ボンド磁石は、磁性粉と樹脂バインダーを主成分とするものであれば磁気的等方性ボンド磁石であっても磁気的異方性ボンド磁石であってもよい。また、樹脂バインダーにより結合形成されたものの他、金属バインダーや無機バインダーなどにより結合成形されたものであってもよい。さらに、バインダーにフィラーを含むものであってもよい。
【0021】
希土類系ボンド磁石としては、種々の組成のものや結晶構造のものが知られているが、これらすべてが本発明の対象となる。
例えば、特開平9−92515号公報に記載されているような異方性R−Fe−B系ボンド磁石、特開平8−203714号公報に記載されているようなソフト磁性相(例えば、α−FeやFe3B)とハード磁性相(Nd2Fe14B)を有するNd−Fe−B系ナノコンポジット磁石、従来から広く使用されている液体急冷法により作成された等方性Nd−Fe−B系磁石粉末(例えば、商品名:MQP−B・MQI社製)を用いたボンド磁石などが挙げられる。
また、特公平5−82041号公報記載の(Fe1-xx1-yy(0.07≦x≦0.3,0.001≦y≦0.2)で表されるR−Fe−N系ボンド磁石などが挙げられる。
【0022】
なお、希土類系ボンド磁石を構成する磁性粉は、希土類系永久磁石合金を溶解し、鋳造後に粉砕する溶解粉砕法、一度焼結磁石を作成した後、これを粉砕する焼結体粉砕法、Ca還元にて直接磁性粉を得る直接還元拡散法、溶解ジェットキャスターで希土類系永久磁石合金のリボン箔を得、これを粉砕・焼純する急冷合金法、希土類系永久磁石合金を溶解し、これをアトマイズで粉末化して熱処理するアトマイズ法、原料金属を粉末化した後、メカニカルアロイングにて微粉末化して熱処理するメカニカルアロイ法などの方法で得ることができる。
また、R−Fe−N系ボンド磁石を構成する磁性粉は、希土類系永久磁石合金を粉砕し、これを窒素ガス中またはアンモニアガス中で窒化した後、微粉末化するガス窒化法などの方法でも得ることができる。
【0023】
本発明の効果は、希土類系永久磁石を構成する磁性粉の組成、結晶構造、異方性の有無などにより異なるものではない。従って、希土類系永久磁石がボンド磁石であっても焼結磁石であっても、目的とする効果を得ることができる。
【0024】
【実施例】
本発明を以下の実施例と比較例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例と比較例は、急冷合金法で作製した、Nd:12原子%、Fe:77原子%、B:6原子%、Co:5原子%の組成からなる平均長径150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2wt%加えて混練し、686N/mm2の圧力で圧縮成形した後、150℃で1時間キュアすることによって作製された、外径30mm×内径28mm×長さ4mmのリング状ボンド磁石(以下、磁石体試験片と称する)を用いて行った。
【0025】
実施例1:
非導電性の亜鉛粉末分散樹脂としてエポローバル(ローバル社製の商品名:亜鉛粉末の平均粒径は4μmで硬化時のロックウェル硬度がM80のエポキシ樹脂を主体とする)を使用し、これをエポローバル専用シンナー(ローバル社製の商品名)で希釈した後(重量比でエポローバル:シンナー=1:0.5)、均一に攪拌することにより非導電性の亜鉛粉末分散樹脂溶液を調製した。得られた溶液をガン口径1.5mmのエアスプレー装置を使用し、吹付圧力0.2MPaの条件にて磁石体試験片表面全面に吹付け、スプレー塗装を行った後、常温(20℃)における60分間の乾燥と200℃における30分間の焼付けを行い、亜鉛粉末の分散量が96重量%である膜厚15μm(断面観察による)の非導電性被膜(体積抵抗率3×105Ω・cm:JIS−H0505による)を磁石体試験片表面に形成した。この亜鉛粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜を有する磁石体試験片について、35℃の5重量%食塩水を噴霧するという塩水噴霧試験を行ったところ、500時間経過後も外観に変化が見られた磁石体試験片は存在しなかった(n=50)。
25個の亜鉛粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜を有する磁石体試験片を容量2.8Lのバレル槽に直径4mmのアルミナメディア2.0Lとともに投入し、振幅1.0mm、振動数60Hzの条件にて30分間バレル研磨した。バレル研磨が施された非導電性被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、硫酸ニッケル・5水和物240g/L、塩化ニッケル・5水和物45g/L、ホウ酸35g/Lを含み、炭酸ニッケルでpHを4.2に調整した液温55℃のワット浴に磁石体試験片を浸漬し、30分間電圧をかけずに非導電性被膜表面に置換Niめっき被膜を形成した。25個の磁石体試験片の内の5個をこの時点でワット浴から取り出し、形成された置換Niめっき被膜の膜厚を調べたところ、その平均値は1μmであった(蛍光X線観察による)。
残りの20個の磁石体試験片について、その後、電圧をかけて電流密度1.5A/dm2の条件にて90分間電気Niめっき処理を行い、置換Niめっき被膜表面に電気Niめっき被膜を形成した。
以上のようにして得られた最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、100℃にて60分間乾燥させた。
20個の磁石体試験片の最表面の電気Niめっき被膜を拡大鏡(×4)にて外観検査したところ、ピンホールや突起や異物付着などを有する不良品は存在せず、全てが均質な被膜で良品と評価された。非導電性被膜表面に形成されたNiめっき被膜の総厚の平均値(n=5)は25μmであったことから(蛍光X線観察による)、電気Niめっき被膜の膜厚の平均値(n=5)は24μmであることがわかった。
15個の最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片に対して温度60℃×相対湿度90%の高温高湿条件下に500時間存置するという耐食性試験を行ったところ、いずれの磁石体試験片についても発錆や被膜膨れや局部的凸部などの外観異常は見受けられなかった。
【0026】
比較例1:
平均粒径が4μmの亜鉛粉末75重量%、キシレン22重量%、エポミック(三井化学社製の商品名:硬化時のロックウェル硬度がM80の1液型エポキシ樹脂)3重量%を混合し、均一に攪拌することにより導電性の亜鉛粉末分散樹脂溶液を調製した。得られた溶液をガン口径1.5mmのエアスプレー装置を使用し、吹付圧力0.2MPaの条件にて磁石体試験片表面全面に吹付け、スプレー塗装を行った後、常温(20℃)における60分間の乾燥と200℃における30分間の焼付けを行い、亜鉛粉末の分散量が96重量%である膜厚15μm(断面観察による)の導電性被膜(体積抵抗率5×10-1Ω・cm:JIS−H0505による)を磁石体試験片表面に形成した。この亜鉛粉末を分散させた樹脂からなる導電性被膜を有する磁石体試験片について、35℃の5重量%食塩水を噴霧するという塩水噴霧試験を行ったところ、500時間経過後には発錆した磁石体試験片が2個存在した(n=50)。
【0027】
実施例2:
実施例1と同じ非導電性の亜鉛粉末分散樹脂溶液を使用し、実施例1と同じ工程を経て、バレル研磨が施された亜鉛粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜を有する磁石体試験片を得た。このバレル研磨が施された非導電性被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、実施例1と同じワット浴に磁石体試験片を浸漬した。実施例2においては実施例1と異なり、浸漬当初から電圧をかけて電流密度1.5A/dm2の条件にて120分間電気Niめっき処理を行い、最表面に電気Niめっき被膜を形成した。
以上のようにして得られた最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、100℃にて60分間乾燥させた。
20個の磁石体試験片の最表面の電気Niめっき被膜を拡大鏡(×4)にて外観検査したところ、ピンホールや突起や異物付着などを有する不良品は存在せず、全てが均質な被膜で良品と評価された。非導電性被膜表面に形成されたNiめっき被膜の総厚の平均値(n=5)は25μmであった(蛍光X線観察による)。実施例2においては非導電性被膜表面に形成された置換Niめっき被膜の膜厚は測定できないが、以上のような良質の電気Niめっき被膜が最表面に形成されることは、その下層に置換Niめっき被膜が形成され、その表面全体に導電性が付与されていることに起因するものであると推察された。
15個の最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片に対して温度60℃×相対湿度90%の高温高湿条件下に500時間存置するという耐食性試験を行ったところ、いずれの磁石体試験片についても発錆や被膜膨れや局部的凸部などの外観異常は見受けられなかった。
【0028】
比較例2:
導電性のニッケル粉末分散樹脂としてエレシャットNo.10EMC(大橋化学工業社製の商品名:ニッケル粉末の平均粒径は5μmで硬化時のロックウェル硬度がM80のアクリル樹脂を主体とする)を使用し、これを合成樹脂塗料用シンナーNo.5600(大橋化学工業社製の商品名)で希釈した後(重量比でエレシャット:シンナー=1:0.5)、均一に攪拌することにより導電性のニッケル粉末分散樹脂溶液を調製した。得られた溶液をガン口径1.5mmのエアスプレー装置を使用し、吹付圧力0.2MPaの条件にて磁石体試験片表面全面に吹付け、スプレー塗装を行った後、常温(20℃)における60分間の乾燥と200℃における30分間の焼付けを行い、ニッケル粉末の分散量が66重量%である膜厚15μm(断面観察による)の導電性被膜(体積抵抗率2×10-1Ω・cm:JIS−H0505による)を磁石体試験片表面に形成した。
実施例1と同じ工程を経て、バレル研磨が施されたニッケル粉末を分散させた樹脂からなる導電性被膜を有する磁石体試験片を得、このバレル研磨が施された導電性被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、実施例1と同じワット浴に磁石体試験片を浸漬し、浸漬当初から電圧をかけて電流密度1.5A/dm2の条件にて120分間電気Niめっき処理を行い、最表面に電気Niめっき被膜を形成した。
以上のようにして得られた最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、100℃にて60分間乾燥させた。
20個の磁石体試験片の最表面の電気Niめっき被膜を拡大鏡(×4)にて外観検査したところ、いずれの被膜についてもピンホール、突起、異物付着の少なくとも一つが観察されるとともにめっきムラが大きく、全てが不良品と評価された。導電性被膜表面に形成されたNiめっき被膜の総厚の平均値(n=5)は25μmであった(蛍光X線観察による)。以上の結果は、比較例2においては電気Niめっき被膜の下層に置換Niめっき被膜が形成されなかったために、良質の電気Niめっき被膜が形成されるに足る導電性を付与することができなかったことに起因するものであると推察された。
15個の最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片に対して温度60℃×相対湿度90%の高温高湿条件下に500時間存置するという耐食性試験を行ったところ、いずれの磁石体試験片についても発錆や被膜膨れや局部的凸部などの外観異常が発生した。
【0029】
実施例3:
導電性のニッケル粉末分散樹脂としてエレシャットNo.10EMC(大橋化学工業社製の商品名:ニッケル粉末の平均粒径は5μmで硬化時のロックウェル硬度がM80のアクリル樹脂を主体とする)を使用し、これをサンコートNo.503(長島特殊塗料社製の商品名:硬化時のロックウェル硬度がM80のエポキシ樹脂を主体とする)とともに合成樹脂塗料用シンナーNo.5600(大橋化学工業社製の商品名)で希釈するとともに(重量比でエレシャット:サンコート:シンナー=1:0.2:0.5/混合樹脂自体の硬化時のロックウェル硬度はM80)、さらにディスパロン♯2150(楠本化成社製の商品名:アニオン性分散媒)0.5重量%を添加して、均一に攪拌することにより非導電性のニッケル粉末分散樹脂溶液を調製した。得られた溶液をガン口径1.5mmのエアスプレー装置を使用し、吹付圧力0.2MPaの条件にて磁石体試験片表面全面に吹付け、スプレー塗装を行った後、常温(20℃)における60分間の乾燥と200℃における30分間の焼付けを行い、ニッケル粉末の分散量が55重量%である膜厚15μm(断面観察による)の非導電性被膜(体積抵抗率4×104Ω・cm:JIS−H0505による)を磁石体試験片表面に形成した。
実施例1と同じ工程を経て、バレル研磨が施されたニッケル粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜を有する磁石体試験片を得、このバレル研磨が施された非導電性被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、硫酸銅・5水和物25g/L、エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム55g/L、酒石酸ナトリウム・2水和物28.2g/L、硫酸ナトリウム71g/L、亜硫酸ナトリウム25.2g/Lを含み、水酸化ナトリウムでpHを6.8に調整した液温40℃のCuめっき浴に磁石体試験片を浸漬し、30分間電圧をかけずに非導電性被膜表面に置換Cuめっき被膜を形成した。25個の磁石体試験片の内の5個をこの時点でCuめっき浴から取り出し、形成された置換Cuめっき被膜の膜厚を調べたところ、その平均値は2μmであった(蛍光X線観察による)。
残りの20個の磁石体試験片について、その後、電圧をかけて電流密度1.5A/dm2の条件にて90分間電気Cuめっき処理を行い、置換Cuめっき被膜表面に電気Cuめっき被膜を形成した。
以上のようにして得られた最表面に電気Cuめっき被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、100℃にて60分間乾燥させた。
20個の磁石体試験片の最表面の電気Cuめっき被膜を拡大鏡(×4)にて外観検査したところ、ピンホールや突起や異物付着などを有する不良品は存在せず、全てが均質な被膜で良品と評価された。非導電性被膜表面に形成されたCuめっき被膜の総厚の平均値(n=5)は24μmであったことから(蛍光X線観察による)、電気Cuめっき被膜の膜厚の平均値(n=5)は22μmであることがわかった。
15個の最表面に電気Cuめっき被膜を有する磁石体試験片に対して温度60℃×相対湿度90%の高温高湿条件下に500時間存置するという耐食性試験を行ったところ、いずれの磁石体試験片についても若干茶色に変色したが発錆や被膜膨れや局部的凸部などは見受けられなかった。
【0030】
実施例4:
実施例1と同様にして作成したバレル研磨が施された非導電性被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、硫酸ニッケル・5水和物133g/L、硫酸ナトリウム213g/L、塩化アンモニウム13g/L、ホウ酸18g/Lを含み、水酸化ナトリウムでpHを5.8に調整した液温50℃の低ニッケル高硫酸塩浴に磁石体試験片を浸漬し、30分間電圧をかけずに非導電性被膜表面に膜厚1μmの置換Niめっき被膜を形成した(蛍光X線観察による)。その後、電圧をかけて電流密度1.5A/dm2の条件にて90分間電気Niめっき処理を行い、置換Niめっき被膜表面に膜厚24μmの電気Niめっき被膜を形成した(蛍光X線観察による)。
以上のようにして得られた最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、100℃にて60分間乾燥させた。磁石体試験片の最表面の電気Niめっき被膜を拡大鏡(×4)にて外観検査したところ、ピンホールや突起や異物付着などの外観異常は見受けられなかった。また、この最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片に対して温度60℃×相対湿度90%の高温高湿条件下に500時間存置するという耐食性試験を行ったところ、発錆や被膜膨れや局部的凸部などの外観異常は見受けられなかった。さらに、この最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片に対して120℃のホットプレートに3分間静置するという熱衝撃試験を行ったところ、非導電性被膜と置換Niめっき被膜との密着性不良を原因とする外観異常は見受けられなかった。
【0031】
実施例5:
非導電性の亜鉛粉末分散樹脂としてエポローバル(ローバル社製の商品名:亜鉛粉末の平均粒径は4μmで硬化時のロックウェル硬度がM80のエポキシ樹脂を主体とする)を使用し、これをBANI(丸善石油化学社製の商品名:硬化時のロックウェル硬度がM128のポリイミド樹脂)とともにエポローバル専用シンナー(ローバル社製の商品名)で希釈した後(重量比でエポローバル:BANI:シンナー=1:0.2:0.5/混合樹脂自体の硬化時のロックウェル硬度はM90)、均一に攪拌することにより非導電性の亜鉛粉末分散樹脂溶液を調製した。得られた溶液をガン口径1.5mmのエアスプレー装置を使用し、吹付圧力0.2MPaの条件にて磁石体試験片表面全面に吹付け、スプレー塗装を行った後、常温(20℃)における60分間の乾燥と200℃における30分間の焼付けを行い、亜鉛粉末の分散量が77重量%である膜厚10μm(断面観察による)の非導電性被膜(体積抵抗率2×106Ω・cm:JIS−H0505による)を磁石体試験片表面に形成した。
この亜鉛粉末を分散させた樹脂からなる非導電性被膜を有する磁石体試験片に対し、実施例1と同様にしてバレル研磨を行った。バレル研磨が施された非導電性被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、実施例1と同じ工程を経て、非導電性被膜表面に膜厚1μmの置換Niめっき被膜を形成し、さらに置換Niめっき被膜表面に膜厚24μmの電気Niめっき被膜を形成した(蛍光X線観察による)。
以上のようにして得られた最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、100℃にて60分間乾燥させた。磁石体試験片の最表面の電気Niめっき被膜を拡大鏡(×4)にて外観検査したところ、ピンホールや突起や異物付着などの外観異常は見受けられなかった。また、この最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片に対して温度60℃×相対湿度90%の高温高湿条件下に500時間存置するという耐食性試験を行ったところ、発錆や被膜膨れや局部的凸部などの外観異常は見受けられなかった。さらに、この最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片に対して120℃のホットプレートに3分間静置するという熱衝撃試験を行ったところ、非導電性被膜と置換Niめっき被膜との密着性不良を原因とする外観異常は見受けられなかった。
【0032】
実施例6:
実施例5と同様にして作成したバレル研磨が施された非導電性被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、実施例4と同じ工程を経て、非導電性被膜表面に膜厚1μmの置換Niめっき被膜を形成し、さらに置換Niめっき被膜表面に膜厚24μmの電気Niめっき被膜を形成した(蛍光X線観察による)。以上のようにして得られた最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片を3分間超音波水洗した後、100℃にて60分間乾燥させた。磁石体試験片の最表面の電気Niめっき被膜を拡大鏡(×4)にて外観検査したところ、ピンホールや突起や異物付着などの外観異常は見受けられなかった。また、この最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片に対して温度60℃×相対湿度90%の高温高湿条件下に500時間存置するという耐食性試験を行ったところ、発錆や被膜膨れや局部的凸部などの外観異常は見受けられなかった。さらに、この最表面に電気Niめっき被膜を有する磁石体試験片に対して120℃のホットプレートに3分間静置するという熱衝撃試験を行ったところ、非導電性被膜と置換Niめっき被膜との密着性不良を原因とする外観異常は見受けられなかった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、表面に均一で緻密な電気めっき被膜を優れた密着性でもって有することで高い耐食性を示す希土類系永久磁石の製造方法が提供される。

Claims (13)

  1. 希土類系永久磁石表面に、平均粒径が2μm〜30μmの第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる体積抵抗率が1×10 Ω・cm以上の非導電性被膜を形成した後、非導電性被膜形成磁石を第1金属より貴な電位を有する第2金属のイオンを含む溶液に浸漬することで非導電性被膜表面に第2金属の置換めっき被膜を形成し、さらに置換めっき被膜表面に第3金属の電気めっき被膜を形成することを特徴とする希土類系永久磁石の製造方法。
  2. 希土類系永久磁石がボンド磁石であることを特徴とする請求項1記載の製造方法
  3. 非導電性被膜中における第1金属の粉末の分散量が50重量%〜99重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法
  4. 非導電性被膜の膜厚が1μm〜100μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法。
  5. 第1金属が亜鉛で第2金属がニッケルであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法。
  6. 第1金属がニッケルで第2金属が銅であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法。
  7. 第2金属と第3金属が同じ金属であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法。
  8. 置換めっき被膜を形成する工程と電気めっき被膜を形成する工程を一つのめっき浴において行うことを特徴とする請求項記載の製造方法。
  9. 置換めっき被膜の膜厚が0.05μm〜2μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の製造方法。
  10. 希土類系永久磁石表面に、平均粒径が2μm〜30μmの第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる体積抵抗率が1×10 Ω・cm以上の非導電性被膜を形成した後、非導電性被膜形成磁石を第1金属より貴な第2金属のイオンを含む溶液に浸漬することで非導電性被膜表面に第2金属の置換めっき被膜を形成し、さらに置換めっき被膜表面に第3金属の電気めっき被膜を形成することで得られる希土類系永久磁石。
  11. 希土類系永久磁石表面に、平均粒径が2μm〜30μmの第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる体積抵抗率が1×10 Ω・cm以上の非導電性被膜が形成され、さらにその表面に第1金属より貴な第2金属の置換めっき被膜を介して第3金属の電気めっき被膜が形成されている希土類系永久磁石。
  12. 希土類系永久磁石表面に、平均粒径が2μm〜30μmの第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる体積抵抗率が1×10 Ω・cm以上の非導電性被膜が形成され、さらにその表面に第1金属より貴な第2金属の置換めっき被膜が形成されている希土類系永久磁石。
  13. 希土類系永久磁石表面に、平均粒径が2μm〜30μmの第1金属の粉末を分散させた樹脂からなる体積抵抗率が1×10 Ω・cm以上の非導電性被膜が形成されている希土類系永久磁石。
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