JP2001257112A - 永久磁石材料 - Google Patents

永久磁石材料

Info

Publication number
JP2001257112A
JP2001257112A JP2000069835A JP2000069835A JP2001257112A JP 2001257112 A JP2001257112 A JP 2001257112A JP 2000069835 A JP2000069835 A JP 2000069835A JP 2000069835 A JP2000069835 A JP 2000069835A JP 2001257112 A JP2001257112 A JP 2001257112A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluororesin
plating layer
magnet material
permanent magnet
plating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000069835A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Yoshino
吉野  信幸
Hidetake Hashimoto
英豪 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP2000069835A priority Critical patent/JP2001257112A/ja
Publication of JP2001257112A publication Critical patent/JP2001257112A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0253Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets
    • H01F41/026Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets protecting methods against environmental influences, e.g. oxygen, by surface treatment

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 R−Fe−B系組成(Rは希土類元素)の希
土類永久磁石に関し、特に、高度の磁気特性を有し、よ
り優れた耐食性が付与された永久磁石材料を提供するこ
とにある。 【解決手段】 R−Fe−B系組成(Rは希土類元素)
からなる磁石材料の最表面がフッ素樹脂含有Ni複合メ
ッキ層あるいはフッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層で
被覆されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、R−Fe−B系組
成(Rは希土類元素)の希土類焼結永久磁石に関し、特
に、高度の磁気特性を有し、優れた耐食性を有する永久
磁石材料に関する。
【0002】
【従来の技術】R−Fe−B系組成の希土類焼結永久磁
石、その中でもNd−Fe−B組成からなる希土類焼結
永久磁石は、非常に優れた磁気特性を持ち、特に、その
最大エネルギー積はSmCo系磁石を凌ぎ、最近では5
0MGOeを越える高性能磁石が量産化されており、現
在の情報エレクトロニクス社会に必要不可欠な機能性材
料として活躍している。
【0003】近年、磁石を応用したコンピュータ関連機
器やCDプレーヤー、ミニディスクシステム、携帯電話
をはじめとする電子機器の軽薄短小化、高密度化、高容
量化、高性能化、省電力・省エネルギー化に伴い、R−
Fe−B組成からなる希土類永久磁石、特に、Nd−F
e−B組成の焼結磁石の小型化、薄型化が要求されてい
る。
【0004】R−Fe−B系焼結磁石を小型化あるいは
薄型の実用形状に加工し、磁気回路に実装するために
は、成形焼結したブロック状の焼結磁石を切断、研削あ
るいは研磨加工などの機械加工をする必要があり、この
加工にはワイヤーソー等の切断機や表面研削機、センタ
レス研磨機、ラッピングマシン等が使用される。
【0005】しかしながら、上記のような加工を行う
と、R−Fe−B系組成の希土類焼結永久磁石は僅かな
水分(水蒸気)や酸、アルカリの存在によって永久磁石
表面に酸化物や水和物が形成され、腐食が開始する。そ
の後、電気化学的な腐食は、時間の経過と共に磁石内部
まで進行し、磁石相が侵食されて錆が発生し、さらに進
行すると最終的には構成粒子の欠落が発生する。その結
果、磁気特性は著しく劣化してしまう。この現象は劣化
速度には差があるものの加工の有無を問わずに発生する
ものである。一般に永久磁石材料の使用環境は湿気の存
在を避け難いため、R−Fe−B系組成の希土類焼結永
久磁石表面には耐食性を付与する目的で、適切な表面処
理を施さなければならない。
【0006】上記の表面処理方法としては、既に、電気
あるいは無電解メッキ法によってNi、あるいはNi−
P合金メッキを希土類焼結永久磁石の最表面に被覆する
方法やアルミニウム蒸着膜を被覆後、その表面にクロム
複合酸化物の薄膜層を形成する方法(アルミクローメー
ト処理)や電着塗装、エポキシあるいはフッ素樹脂のス
プレー塗装が実用化されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法はいずれもいくつかの欠点を有している。アルミ
クロメート処理では、蒸着装置をはじめ、その後のクロ
ム複合酸化物の薄膜層を形成する工程でも環境問題の観
点から廃液の処理設備などの高価な設備や大量の電力や
水が必要であり、最終的にはコストアップに繋がる。ま
た、微小な穴内部や溝部へのコーティングが困難である
などの欠点がある。更に、クロム複合酸化物の薄膜層を
形成する工程では人体の健康を害する恐れが生ずる。
【0008】電着塗装では、磁石の形状によっては電界
分布が不均一となり塗装膜厚が場所により異なる現象が
生ずる。特に鋭角な角部を有する箇所では電界が集中
し、設定膜厚よりも著しく塗装膜厚が厚くなり、磁石全
体の寸法精度が要求される場合には問題となる。場合に
よっては後加工が必要となるケースも発生する。さらに
は得られた塗装被膜にはピンホールが数多く存在し、時
間経過に伴い、水分が磁石表面に到達し、腐食の原因と
なる問題点がある。また、エポキシあるいはフッ素樹脂
のスプレー塗装では、膜厚の制御が困難であり、そのた
め、寸法精度が要求される場合、不適当であるなどの問
題やピンホールが多い問題がある。
【0009】電気あるいは無電解メッキ法によるNiあ
るいはNi−P合金メッキは、安価な耐食性付与方法と
して既に多方面に応用されており、この方法は形状に関
わらず、ほぼ均一な膜厚で全面被覆が可能であること、
膜厚の制御が容易でピンホールの少ない膜の形成が可能
であること、更には大規模で高価な設備を必要としない
ことなど、上述の表面処理方法と比較し、優位な点を数
多く有しており、R−Fe−B系組成の希土類焼結永久
磁石材料の耐食性付与方法として高い評価を受け、広く
使用されている。この例として、例えば、特開昭63−
198305号公報にはNi−Pの合金層を有する希土
類永久磁石や、特開平5−9784号公報や特開平5−
82320号公報にはNiメッキ層を被覆した永久磁石
が開示されている。
【0010】しかしながら、電気あるいは無電解メッキ
法によるNiメッキ層あるいはNi合金メッキ層によっ
て耐食性を付与しても長期間に渉り、完全に腐食を防止
できることは困難である場合がある。すなわち、Niメ
ッキ層あるいはNi合金メッキ層は、メッキを行う作業
環境にも依存するが、ゴミ(パーティクル)の付着等に
よる、ピンホールの発生が避けられず、僅かではあるが
ピンホールが存在する。そのため、このピンホールから
水分が徐々に侵入し、時間の経過と共に磁石材料表面に
到達し、腐食が開始する。また、耐食性寿命は、使用環
境に依存するため、例えば高温高湿環境下や、水中など
の常に水分と接触するような環境下での耐食性は大気中
環境下と比較し、より高度の長期間に渉る信頼性のある
耐食性が要求される。そのためにはNiメッキ層あるい
はNi合金メッキ層では不充分であることが本発明者に
よって、確認されている。
【0011】以上のように、電気あるいは無電解メッキ
法によるNiあるいはNi−P合金メッキを被覆したR
−Fe−B系組成の希土類焼結永久磁石材料では耐食性
を満足させることは困難であった。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、R−Fe−B系組成(Rは希土類元
素)の希土類焼結永久磁石に関し、特に、高度の磁気特
性を有し、より優れた耐食性が付与された永久磁石材料
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による永久磁石材料は、下記記載の構成から
なっている。すなわち、本発明の永久磁石材料は、R−
Fe−B系組成(Rは希土類元素)からなる磁石材料の
表面に被覆層を有する永久磁石材料であって、その被覆
層がフッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あるいはフッ素樹
脂含有Ni合金複合メッキ層のいずれかからなる複合メ
ッキ層を有することを特徴とする。
【0014】また、本発明の永久磁石材料は、フッ素樹
脂含有Ni複合メッキ層あるいはフッ素樹脂含有Ni合
金複合メッキ層が磁石材料の最表面に有することを特徴
とする。
【0015】また、本発明の永久磁石材料は、フッ素樹
脂含有Ni複合メッキ層あるいはフッ素樹脂含有Ni合
金複合メッキ層の膜厚が1μm以上であることを特徴と
する。
【0016】また、本発明の永久磁石材料は、フッ素樹
脂含有Ni複合メッキ層あるいはフッ素樹脂含有Ni合
金複合メッキ層と磁石材料との間に、Ni、Cu、Z
n、Ni合金、Cu合金またはZn合金のいずれかから
なる一層以上の中間層を有することを特徴とする。
【0017】(作用)本発明の永久磁石材料に関し、よ
り優れた耐食性を付与する手段について、本発明者が鋭
意、検討した結果、永久磁石材料の表面を電気あるいは
無電解メッキ法によるフッ素樹脂含有Ni複合メッキ層
あるいはフッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層で被覆す
ることが最適であることを見い出した。この効果発現の
原因は、メッキ層表面に存在するフッ素樹脂の表面エネ
ルギーが小さく、優れた撥水性を有することによる、水
滴の付着を防ぐ効果と、水蒸気の結露及びその侵入を抑
制する効果によるもので、この効果は、仮に、メッキ層
にピンホールが存在しても、影響を受けないことが本発
明者によって確認されている。
【0018】フッ素樹脂コートでも同様の効果がある
が、先に記載したように膜厚の制御が困難であり、ピン
ホールが多いことや、フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層
あるいはフッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層と比較す
ると、フッ素樹脂コートは硬度、耐摩耗性に劣るため、
例えば、フッ素樹脂コートした磁石と他の部品とを接合
する際に、他の部品と擦れ合うと、フッ素樹脂の摩耗や
破損等が生じ易く、耐食性付与としての目的には、適さ
ないことも本発明者によって確認されている。これに対
し、フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あるいはフッ素樹
脂含有Ni合金複合メッキ層はNiあるいはNi合金を
マトリックスとするため、耐久性、硬度、耐摩耗性、さ
らには耐熱性をもフッ素樹脂コートを凌駕することが、
本発明者によって確認されている。
【0019】ここで、フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層
あるいはフッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層とは、N
iメッキ層あるいはNi合金メッキ層中にフッ素樹脂微
粒子が均一に分散、含有されている共析メッキ層のこと
であり、フッ素樹脂微粒子の一部はメッキ層表面に露頭
している。Ni合金メッキ層としてはNi−PやNi−
BあるいはNi−P−WあるいはNi−B−Wからなる
合金メッキ層でも良いが、これらに限るものではない。
また、フッ素樹脂微粒子とは一般には平均粒径0.2μ
m程度のポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロ
ン)微粒子に代表されるものであるが、フッ素樹脂の材
質、平均粒径ともこれに限るものではない。また、メッ
キ層中に含まれるフッ素樹脂微粒子の体積割合は3%以
上、50%以下が好ましい。
【0020】また、本発明者の検討では充分な耐食性を
得るためには、フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あるい
はフッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層のメッキ膜厚
は、1μm以上あれば良いことが本発明者によって確認
されている。これは1μm未満であるとNiまたはNi
合金メッキ層中にフッ素樹脂微粒子が充分に取り込まれ
ないためである。通常は5μm程度が好ましく、このこ
とは寸法精度が要求される磁石材料部品の場合、好都合
であるという効果もある。また、膜厚の上限値について
は特に限るものではない。
【0021】また、フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あ
るいはフッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層の形成方法
は電気メッキ法、無電解メッキ法のどちらでも可能ある
が、メッキ被膜の被覆性を考慮し、微小な穴内部やエッ
ジ部へ均一に被覆するためには無電解メッキ法が好まし
い。
【0022】フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あるいは
フッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層はR−Fe−B系
組成からなる焼結磁石材料の表面に直接形成しても、優
れた密着性を有していることを本発明者は確認している
が、メッキ層全体のピンホールを無くし、さらにフッ素
樹脂含有Ni複合メッキ層あるいはフッ素樹脂含有Ni
合金複合メッキ層の密着性を向上させ、また、焼結磁石
材料が本来有する磁気特性の劣化を防止する目的で、磁
石材料の表面上に中間層を形成し、その上にフッ素樹脂
含有Ni複合メッキ層あるいはフッ素樹脂含有Ni合金
複合メッキ層を形成しても良い。この時の中間層はメッ
キ法によるNiやCuやZnやNi合金、Cu合金、Z
n合金などが適しているが、メッキ法に限るものではな
く、また、一層のみならず、多層からなる中間層を採用
しても良い。
【0023】フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あるいは
フッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層の形成のために行
う洗浄方法や前処理方法およびメッキ浴の組成、温度、
メッキ条件は特に限定するものではないが、洗浄や前処
理に使用する各種の溶液やメッキ浴のpHは6以上であ
ることが好ましい。これはpH6未満の強酸性であると
電気化学的に焼結磁石材料の腐食が進行し、磁石層が侵
食されて、磁気特性が劣化するためである。また、メッ
キ後、フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あるいはフッ素
樹脂含有Ni合金複合メッキ層の密着性、硬度を向上さ
せ、また、メッキ層表面に露頭しているフッ素樹脂を溶
融し、フッ素樹脂の密着性を高め、さらにはフッ素樹脂
の占有する表面積を大きくすることによってより優れた
耐食性を発現させるために、熱処理を行っても良い。こ
の時の温度は200〜500℃が適当であり、好ましく
は300℃〜400℃が最適である。また、この時の雰
囲気は特に限定するものではないが、窒素や不活性ガス
雰囲気が好ましい。
【0024】以上の方法によって得られたフッ素樹脂含
有Ni複合メッキ層あるいはフッ素樹脂含有Ni合金複
合メッキ層からなる複合メッキ層を最表面に被覆したR
−Fe−B系組成からなる希土類焼結磁石材料は優れた
耐食性を有することが本発明者によって確認された。ま
た、本発明は焼結磁石材料に限るものではなく、R−F
e−B系組成の磁石粉を樹脂で結合したボンド磁石にも
適用可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により詳細に説明する。 (実施例1)以下、本発明の実施例における永久磁石材
料について説明する。本実施例ではR−Fe−B系組成
(Rは希土類元素)からなる焼結磁石材料としてNd−
Fe−B組成からなる焼結磁石材料を採用した。本発明
で用いるNd−Fe−B組成からなる焼結磁石材料の製
造方法はまず、高周波溶解により所定組成のNd−Fe
−B合金を溶解しインゴットを作製する。このインゴッ
トを粗粉砕機と微粉砕機との組み合わせにより、平均粒
径3μmまで粉砕し、微粉末を得る。この微粉末を磁場
中でプレスして、c軸方向が揃った成形体を作製する。
この成形体をアルゴン雰囲気中、1100℃付近の温度
で焼結し、その後、アルゴン雰囲気中で約600℃で熱
処理することにより長さ40mm、幅30mm、厚み2
0mmの高磁気エネルギー積、(BH)maxを有する
ブロック状の焼結磁石材料を得た。
【0026】その後、上記のブロック状の焼結体をワイ
ヤーソーを用いて切断し、その後、表面研削機やラッピ
ングマシン等により研削し、各辺が長さ10mm、幅1
0mm、厚さ5mm寸法の直方体を作製し、試験用サン
プルとした。
【0027】その後、この試験用サンプルをアセトン中
で超音波洗浄した後、水酸化ナトリウム20g/L、オ
ルソケイ酸ナトリウム70g/L、炭酸ナトリウム20
g/Lを含むアルカリ水溶液中で脱脂後、純水で水洗
し、熱風で乾燥した。この時、使用する有機溶媒はアセ
トンに限るものでなく、その他の有機溶媒、たとえばイ
ソプロピルアルコールやトルエンなどでも良い。同様に
アルカリ水溶液も上記成分に限るものではない。
【0028】その後、試験用サンプルを適当な導電性を
有するメッキ治具に設置後、メッキ治具全体が陰極にな
るようにして、シアン化銅メッキ浴中に浸漬し、電気メ
ッキ法により試験用サンプル全面に膜厚2μmのCuメ
ッキ層を被覆後、以下の組成及び条件からなるフッ素樹
脂含有Ni複合電気メッキ浴にメッキ治具全体が陰極に
なるように浸漬し、フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層8
μmを形成した。
【0029】 スルファミン酸ニッケル 280g/L 塩化ニッケル 30g/L ホウ酸 40g/L ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.2μm) 100g/L 分散剤 0.1g/L メッキ液温度 40℃ 陽極 ニッケル板 陰極電流密度 2A/dm2 メッキ液浸漬時間 5分間
【0030】メッキ終了後、水洗、乾燥し、その後35
0℃、窒素雰囲気中で1時間熱処理を行った。このよう
にして得られたメッキ層被膜の表面は溶融したフッ素樹
脂で覆われており、メッキ層膜中には平均粒径約0.2
μmのフッ素樹脂微粒子が20〜30vol%の範囲で
割合で均一に分散含有していることがメッキ層断面のS
EM(走査型電子顕微鏡)観察から確認された。
【0031】(実施例2)実施例1と同様に試験用サン
プルを作製後、実施例1と同様にメッキ前処理を行い、
その後、試験用サンプルを適当な導電性を有するメッキ
治具に設置後、メッキ治具全体が陰極になるようにし
て、シアン化亜鉛メッキ浴中に浸漬し、電気メッキ法に
より試験用サンプル全面に膜厚2μmのZnメッキ層を
被覆後、以下の組成及び条件からなるフッ素樹脂含有N
i−P複合無電解メッキ浴に浸漬し、フッ素樹脂含有N
i−P複合メッキ層8μmを形成した。
【0032】 次亜リン酸ナトリウム 70g/L 硫化アンモニウム 100g/L 硫酸ニッケル 150g/L ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.2μm) 100g/L 分散剤 0.1g/L メッキ液温度 90℃ メッキ液浸漬時間 40分間
【0033】メッキ終了後、水洗、乾燥し、その後35
0℃、窒素雰囲気中で1時間熱処理を行った。このよう
にして得られたメッキ層被膜の表面は溶融したフッ素樹
脂で覆われており、メッキ層膜中には平均粒径約0.2
μmのフッ素樹脂微粒子が20〜30vol%の範囲で
割合で均一に分散含有していることがメッキ層断面のS
EM(走査型電子顕微鏡)観察から確認された。
【0034】(実施例3)実施例1と同様に試験用サン
プルを作製後、実施例1と同様にメッキ前処理を行い、
その後、試験用サンプルを適当な導電性を有するメッキ
治具に設置後、以下の組成及び条件からなるフッ素樹脂
含有Ni−P複合無電解メッキ浴に浸漬し、直接、試験
用サンプル表面にフッ素樹脂含有Ni−P複合メッキ層
10μmを形成した。
【0035】 次亜リン酸ナトリウム 70g/L 硫化アンモニウム 100g/L 硫酸ニッケル 150g/L ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.2μm) 100g/L 分散剤 0.1g/L メッキ液温度 90℃ メッキ液浸漬時間 50分間
【0036】(実施例4)実施例1と同様に試験用サン
プルを作製後、実施例1と同様にメッキ前処理を行い、
その後、試験用サンプルを適当な導電性を有するメッキ
治具に設置後、以下の組成及び条件からなるフッ素樹脂
含有Ni−P複合無電解メッキ浴に浸漬し、直接、試験
用サンプル表面にフッ素樹脂含有Ni−P複合メッキ層
1μmを形成した。
【0037】 次亜リン酸ナトリウム 70g/L 硫化アンモニウム 100g/L 硫酸ニッケル 150g/L ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.2μm) 100g/L 分散剤 0.1g/L メッキ液温度 90℃ メッキ液浸漬時間 5分間
【0038】メッキ終了後、水洗、乾燥し、その後35
0℃、窒素雰囲気中で1時間熱処理を行った。このよう
にして得られたメッキ層被膜の表面は溶融したフッ素樹
脂で覆われており、メッキ層膜中には平均粒径約0.2
μmのフッ素樹脂微粒子が20〜30vol%の範囲で
割合で均一に分散含有していることがメッキ層断面のS
EM(走査型電子顕微鏡)観察から確認された。
【0039】(比較例)なお、本実施例に対する比較例
1として、実施例1と同様にブロック状の焼結体を切
断、研削して試験用サンプルとした後、全く表面処理を
行わない永久磁石材料と、比較例2として、試験用サン
プルを実施例1と同様のメッキ前処理を行った後、シア
ン化銅メッキ浴中に浸漬し、電気メッキ法により試験用
サンプル全面に膜厚2μmのCuメッキ層を被覆後、そ
の上に電気メッキ法によりスファミン酸浴を用いてNi
メッキ層を8μm被覆し、その後350℃、窒素雰囲気
中で1時間熱処理を行った永久磁石材料と、比較例3と
して、試験用サンプルを実施例1と同様にメッキ前処理
を行った後、実施例2と同じく、シアン化亜鉛メッキ浴
中に浸漬し、電気メッキ法により試験用サンプル全面に
膜厚2μmのZnメッキ層を被覆後、その上に、無電解
Ni−Pメッキ液を用いて、Ni−P合金メッキ層を8
μm被覆し、メッキ終了後、水洗、乾燥し、その後35
0℃、窒素雰囲気中で1時間熱処理を行った永久磁石材
料と、比較例4として試験用サンプル表面にスプレー塗
装法によりフッ素樹脂を膜厚が約10μmになるように
被覆し、その後、350℃、窒素雰囲気中で1時間熱処
理を行った永久磁石材料を作製した。
【0040】そして、評価方法として、実施例1〜4お
よび比較例1〜4の各試験用サンプルについて振動試料
型磁力計(VSM)による磁気特性評価を行い、その
後、各サンプルを温度60℃、相対湿度95%、50日
間の雰囲気に曝す耐食試験を行い、試験後、再び、磁気
特性評価および金属顕微鏡による磁石表面の観察を行っ
た。その結果を以下の表に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1から、本実施例1〜4で得られた永久
磁石材料はいずれも、本比較例1〜4で得られた永久磁
石材料と比較すると明らかなように、耐食試験後に磁気
特性の劣化も起こらず、変色や錆の発生も観察されず、
優れた磁気特性および耐食性を維持することが可能であ
ることが確認された。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による永久
磁石材料では、R−Fe−B系組成からなる磁石材料の
最表面にフッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あるいはフッ
素樹脂含有Ni合金複合メッキ層を被覆することによ
り、高度の磁気特性を有し、より優れた耐食性が付与さ
れた永久磁石材料を提供することが可能となり、このこ
とは、各種電子製品に適用可能な磁気特性に優れた信頼
性の高い永久磁石材料の提供を可能とするものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−Fe−B系組成(Rは希土類元素)
    からなる磁石材料の表面に被覆層を有する永久磁石材料
    であって、その被覆層がフッ素樹脂含有Ni複合メッキ
    層あるいはフッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層のいず
    れかからなることを特徴とする永久磁石材料。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あるい
    はフッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層が永久磁石材料
    の最表面に有することを特徴とする請求項1に記載の永
    久磁石材料。
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あるい
    はフッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層の膜厚が1μm
    以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の永久磁石材料。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂含有Ni複合メッキ層あるい
    はフッ素樹脂含有Ni合金複合メッキ層と磁石材料との
    間に、Ni、Cu、Zn、Ni合金、Cu合金またはZ
    n合金のいずれかからなる一層以上の中間層を有するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に
    記載の永久磁石材料。
JP2000069835A 2000-03-14 2000-03-14 永久磁石材料 Pending JP2001257112A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000069835A JP2001257112A (ja) 2000-03-14 2000-03-14 永久磁石材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000069835A JP2001257112A (ja) 2000-03-14 2000-03-14 永久磁石材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001257112A true JP2001257112A (ja) 2001-09-21

Family

ID=18588649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000069835A Pending JP2001257112A (ja) 2000-03-14 2000-03-14 永久磁石材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001257112A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006066870A (ja) * 2004-07-28 2006-03-09 Hitachi Ltd 希土類磁石
JP2006103834A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Bridgestone Corp コンベヤベルト
CN1924110B (zh) * 2005-09-01 2010-04-28 中南大学 一种用于Nd-Fe-B材料防腐的金属基纳米复合电镀的方法
CN103451663A (zh) * 2013-08-19 2013-12-18 南通保来利轴承有限公司 一种稀土永磁材料表面处理的方法
CN106968003A (zh) * 2017-03-03 2017-07-21 陈治 钕铁硼磁钢表面镀层方法
CN113394017A (zh) * 2021-06-10 2021-09-14 北京工业大学 一种电镀电泳协同沉积扩散烧结钕铁硼的方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006066870A (ja) * 2004-07-28 2006-03-09 Hitachi Ltd 希土類磁石
JP4654709B2 (ja) * 2004-07-28 2011-03-23 株式会社日立製作所 希土類磁石
JP2006103834A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Bridgestone Corp コンベヤベルト
CN1924110B (zh) * 2005-09-01 2010-04-28 中南大学 一种用于Nd-Fe-B材料防腐的金属基纳米复合电镀的方法
CN103451663A (zh) * 2013-08-19 2013-12-18 南通保来利轴承有限公司 一种稀土永磁材料表面处理的方法
CN106968003A (zh) * 2017-03-03 2017-07-21 陈治 钕铁硼磁钢表面镀层方法
CN113394017A (zh) * 2021-06-10 2021-09-14 北京工业大学 一种电镀电泳协同沉积扩散烧结钕铁硼的方法
CN113394017B (zh) * 2021-06-10 2023-11-03 北京工业大学 一种电镀电泳协同沉积扩散烧结钕铁硼的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2844269B2 (ja) 耐食性永久磁石及びその製造方法
JPH0283905A (ja) 耐食性永久磁石およびその製造方法
KR100921874B1 (ko) 물품표면에의 전기도금 피막의 형성방법
KR100374398B1 (ko) 고내식성을 갖는 R-Fe-B계 본드 자석과 그 제조 방법
JP2001257112A (ja) 永久磁石材料
JPH03173106A (ja) 耐食性被膜を有する希土類永久磁石およびその製造方法
JP2001250707A (ja) 永久磁石材料
EP1028438B1 (en) METHOD OF MANUFACTURING R-Fe-B BOND MAGNETS OF HIGH CORROSION RESISTANCE
JPH04288804A (ja) 永久磁石およびその製造方法
JP2631493B2 (ja) 耐食性永久磁石の製造方法
JP3724739B2 (ja) 希土類磁石の製造方法
JPS62120004A (ja) 耐食性のすぐれた永久磁石及びその製造方法
JP2001135538A (ja) 永久磁石材料の製造方法
KR100393680B1 (ko) 다층 도금 네오디뮴-철-보론계 자석 및 그 제조방법
JP2001230106A (ja) 永久磁石材料
JP4131385B2 (ja) 希土類系永久磁石の製造方法
JP3142172B2 (ja) 接着性を改善したr−tm−b系永久磁石およびその製造方法
JP2631492B2 (ja) 耐食性永久磁石の製造方法
JP2016082142A (ja) 磁石部材
KR20020050829A (ko) 니켈 다층 도금 네오디뮴-철-보론계 자석 및 그 제조방법
JP4131386B2 (ja) 物品表面への電気めっき被膜の形成方法
JP4089948B2 (ja) ハードディスクドライブ用永久磁石の製造方法
JPS62120003A (ja) 耐食性のすぐれた永久磁石及びその製造方法
KR101602789B1 (ko) NdFeB계 자석 및 습식 코팅을 이용한 이의 제조 방법
JP2005032845A (ja) ボンド磁石及びその製造方法