JP2001230106A - 永久磁石材料 - Google Patents

永久磁石材料

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JP2001230106A
JP2001230106A JP2000036053A JP2000036053A JP2001230106A JP 2001230106 A JP2001230106 A JP 2001230106A JP 2000036053 A JP2000036053 A JP 2000036053A JP 2000036053 A JP2000036053 A JP 2000036053A JP 2001230106 A JP2001230106 A JP 2001230106A
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Nobuyuki Yoshino
吉野  信幸
Hidetake Hashimoto
英豪 橋本
Shinji Ikeda
信二 池田
Takeshi Takahashi
武志 高橋
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AGEO SEIMITSU KK
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 R−Fe−B系組成(Rは希土類元素)の希
土類永久磁石に関し、特に、高度の磁気特性を有し、優
れた耐食性が付与され、さらには半田やロウ付け性、耐
熱性、耐摩耗性などの機械的強度にも優れた永久磁石材
料を提供することにある。 【解決手段】 R−Fe−B系組成(Rは希土類元素)
からなる磁石材料の最表面がNi−BあるいはNi−P
−WあるいはNi−B−Wのいずれかからなる合金メッ
キ層で被覆されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、R−Fe−B系組
成(Rは希土類元素)の希土類焼結永久磁石に関し、特
に、高度の磁気特性を有し、優れた耐食性を有し、さら
には半田やロウ付け性、耐熱性、耐摩耗性にも優れた永
久磁石材料に関する。
【0002】
【従来の技術】R−Fe−B系組成の希土類焼結永久磁
石、その中でもNd−Fe−B組成からなる希土類焼結
永久磁石は、非常に優れた磁気特性を持ち、特に、その
最大エネルギー積はSmCo系磁石を凌ぎ、最近では5
0MGOeを越える高性能磁石が量産化されており、現
在の情報エレクトロニクス社会に必要不可欠な機能性材
料として活躍している。
【0003】近年、磁石を応用したコンピュータ関連機
器やCDプレーヤー、ミニディスクシステム、携帯電話
をはじめとする電子機器の軽薄短小化、高密度化、高容
量化、高性能化、省電力・省エネルギー化に伴い、R−
Fe−B組成からなる希土類永久磁石、特に、Nd−F
e−B組成の焼結磁石の小型化、薄型化が要求されてい
る。
【0004】R−Fe−B系焼結磁石を小型化あるいは
薄型の実用形状に加工し、磁気回路に実装するために
は、成形焼結したブロック状の焼結磁石を切断、研削あ
るいは研磨加工などの機械加工をする必要があり、この
加工にはワイヤーソー等の切断機や表面研削機、センタ
レス研磨機、ラッピングマシン等が使用される。
【0005】しかしながら、上記のような加工を行う
と、R−Fe−B系組成の希土類焼結永久磁石は僅かな
水分(水蒸気)や酸、アルカリの存在によって永久磁石
表面に酸化物や水和物が形成され、腐食が開始する。そ
の後、電気化学的な腐食は、時間の経過と共に磁石内部
まで進行し、磁石相が侵食されて錆が発生し、さらに進
行すると最終的には構成粒子の欠落が発生する。その結
果、磁気特性は著しく劣化してしまう。この現象は劣化
速度には差があるものの加工の有無を問わずに発生する
ものである。一般に永久磁石材料の使用環境は湿気の存
在を避け難いため、R−Fe−B系組成の希土類焼結永
久磁石表面には耐食性を付与する目的で、適切な表面処
理を施さなければならない。
【0006】上記の表面処理方法としては、既に、電気
あるいは無電解メッキ法によってNi、あるいはNi−
P合金メッキを希土類焼結永久磁石の最表面に被覆する
方法やアルミニウム蒸着膜を被覆後、その表面にクロム
複合酸化物の薄膜層を形成する方法(アルミクローメー
ト処理)や電着塗装、エポキシあるいはフッ素樹脂のス
プレー塗装が実用化されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法はいずれもいくつかの欠点を有している。アルミ
クロメート処理では、蒸着装置をはじめ、その後のクロ
ム複合酸化物の薄膜層を形成する工程でも環境問題の観
点から廃液の処理設備などの高価な設備や大量の電力や
水が必要であり、最終的にはコストアップに繋がる。ま
た、微小な穴内部や溝部へのコーティングが困難である
などの欠点がある。更に、クロム複合酸化物の薄膜層を
形成する工程では人体の健康を害する恐れが生ずる。
【0008】電着塗装では、磁石の形状によっては電界
分布が不均一となり塗装膜厚が場所により異なる現象が
生ずる。特に鋭角な角部を有する箇所では電界が集中
し、設定膜厚よりも著しく塗装膜厚が厚くなり、磁石全
体の寸法精度が要求される場合には問題となる。場合に
よっては後加工が必要となるケースも発生する。さらに
は得られた塗装被膜にはピンホールが数多く存在し、時
間経過に伴い、水分が磁石表面に到達し、腐食の原因と
なる問題点がある。また、エポキシあるいはフッ素樹脂
のスプレー塗装では、膜厚の制御が困難であること、ま
た、膜厚が薄いとピンホールの発生確率が大きくなり、
腐食が発生するなどの問題がある。
【0009】電気あるいは無電解メッキ法によるNiあ
るいはNi−P合金メッキは、安価な耐食性付与方法と
して既に多方面に応用されており、この方法は形状に関
わらず、ほぼ均一な膜厚で全面被覆が可能であること、
膜厚の制御が容易でピンホールの無い膜形成が可能であ
ること、更には大規模で高価な設備を必要としないこと
など、上述の表面処理方法と比較し、優位な点を数多く
有しており、R−Fe−B系組成の希土類焼結永久磁石
材料の耐食性付与方法として高い評価を受け、広く使用
されている。この例として、例えば、特開昭63−19
8305号公報にはNi−Pの合金層を有する希土類永
久磁石や、特開平5−9784号公報や特開平5−82
320号公報にはNiメッキ層を被覆した永久磁石が開
示されている。
【0010】しかしながら、電気あるいは無電解メッキ
法によるNiあるいはNi−P合金メッキでは、以下の
ような場合、不適当であることが本発明者によって明ら
かとなった。すなわち、NiあるいはNi−P合金メッ
キを被覆したR−Fe−B系組成の希土類焼結永久磁石
を単独で使用する例は希であり、他部品と接合する必要
が多々、生ずる。その一例として、時計用のローター磁
石として適用する際には、他の金属製部品と接合しなけ
ればならず、その方法としては、半田やロウ付けが採用
される。この時、NiあるいはNi−P合金メッキと半
田やロウとは密着性が悪いために、長期間の耐久性に劣
り、信頼性が問題となる。これは時計だけではなく、他
の電子製品についても同様である。また、半田やロウ付
けの際には局所的に数百℃に加熱されるが、Niあるい
はNi−P合金メッキでは耐熱性に劣るため、メッキ被
膜の変質、剥離が発生する場合がある。
【0011】また、近年、ハードディスクドライブや光
ピックアップなどのヘッドの駆動用モーターにもR−F
e−B系組成の希土類焼結永久磁石が用いられるが、そ
の際、この希土類永久磁石から発生するゴミ(パーティ
クル)がヘッドクラッシュの危険性を高めるために大き
な問題となっている。すなわち、従来の電気あるいは無
電解メッキによるNiあるいはNi−P合金メッキでは
耐摩耗性や硬度などの機械的強度が不充分であったた
め、ヘッド作製工程の途中で他の構成部品と接触や摩擦
を起こすと、その衝撃で極微小なメッキ破片が発生し、
これがゴミ(パーティクル)発生の大きな原因となって
いた。
【0012】以上のように、電気あるいは無電解メッキ
法によるNiあるいはNi−P合金メッキを被覆したR
−Fe−B系組成の希土類焼結永久磁石材料では耐食性
と半田やロウ付け性、耐熱性、耐摩耗性などの機械的強
度を同時に満足させることは困難であった。
【0013】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、R−Fe−B系組成の希土類焼結永
久磁石に関し、特に、高度の磁気特性を有し、優れた耐
食性が付与され、さらには半田やロウ付け性、耐熱性、
耐摩耗性にも優れた永久磁石材料を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による永久磁石材料は、下記記載の構成から
なっている。すなわち、本発明の永久磁石材料は、R−
Fe−B系組成(Rは希土類元素)からなる磁石材料の
表面に被覆層を有する永久磁石材料であって、その被覆
層がNi−BあるいはNi−P−WあるいはNi−B−
Wのいずれかからなる合金メッキ層を有することを特徴
とする。
【0015】また、本発明の永久磁石材料は、Ni−B
あるいはNi−P−WあるいはNi−B−Wのいずれか
からなる合金メッキ層が磁石材料の最表面に有すること
を特徴とする。
【0016】また、本発明の永久磁石材料は、Ni−B
あるいはNi−P−WあるいはNi−B−Wのいずれか
からなる合金メッキ層の膜厚が2μm以上であることを
特徴とする。
【0017】また、本発明の永久磁石材料は、Ni−B
あるいはNi−P−WあるいはNi−B−Wのいずれか
からなる合金メッキ層と磁石材料の間に、CuまたはZ
nまたはCu合金またはZn合金のいずれかからなる一
層以上の中間層を有することを特徴とする。
【0018】(作用)本発明の永久磁石材料に関し、耐
食性と半田やロウ付け性、耐熱性、耐摩耗性を同時に満
足させる手段について、本発明者が種々検討した結果、
電気あるいは無電解メッキ法によるNiあるいはNi−
P合金メッキよりも、Ni−BあるいはNi−P−Wあ
るいはNi−B−Wのいずれかからなる合金メッキ層で
被覆することが最適であることを見い出した。この効果
発現の原因は、Ni単独あるいはNi−P合金メッキ被
膜中にBやWなどの元素が含有され、合金化されること
によって耐熱性および耐摩耗性が向上し、更には、メッ
キ被膜表面が改質されて、その表面エネルギーが上昇
し、半田やロウの濡れ性が向上して、その結果、半田や
ロウとの密着性が改善されたためである。
【0019】また、Ni−BあるいはNi−P−Wある
いはNi−B−Wからなる合金メッキ層のメッキ膜厚
は、耐食性を付与するためには2μm以上でなければな
らないことが本発明者によって確認されている。この理
由は、メッキ膜厚が2μm未満では、微小な穴や溝部を
有する複雑形状の磁石材料の場合、完全に全面を被覆す
ることが困難であり、ピンホール発生の確率が大きくな
るためである。また、これらのNi−BあるいはNi−
P−WあるいはNi−B−Wメッキ層はいずれかを一層
だけを被覆するだけではなく、例えば、Ni−Bメッキ
層上にNi−B−Wメッキ層を積層するなど、2種類以
上のメッキ層を組み合わせて積層しても良い。
【0020】また、Ni−BあるいはNi−P−Wある
いはNi−B−Wからなる合金メッキ層の形成方法は電
気メッキ法、無電解メッキ法のどちらでも可能あるが、
メッキ被膜の被覆性を考慮し、微小な穴内部やエッジ部
へ均一に被覆するためには無電解メッキ法が好ましい。
【0021】Ni−BあるいはNi−P−WあるいはN
i−B−Wからなる合金メッキ層はR−Fe−B系組成
からなる焼結磁石材料の表面に直接形成しても、Niあ
るいはNi−P合金メッキよりも優れた密着性を有して
いることを本発明者は確認しているが、メッキ層全体の
ピンホールを無くし、さらにNi−BあるいはNi−P
−WあるいはNi−B−Wからなる合金メッキ層の密着
性を向上させ、また、焼結磁石材料が本来有する磁気特
性の劣化を防止する目的で、磁石材料表面と合金メッキ
層の間に中間層を形成し、その上にNi−BあるいはN
i−P−WあるいはNi−B−Wからなる合金メッキ層
を形成しても良い。この時の中間層はメッキ法によるC
uやZnやCu合金、Zn合金などが適しているが、メ
ッキ法に限るものではなく、また、一層のみならず、多
層からなる中間層を採用しても良い。
【0022】Ni−BあるいはNi−P−WあるいはN
i−B−Wからなる合金メッキ層の形成のために行う洗
浄方法や前処理方法およびメッキ浴の組成、温度、メッ
キ条件は特に限定するものではないが、洗浄や前処理に
使用する各種の溶液やメッキ浴のpHは6以上であるこ
とが好ましい。これはpH6未満の強酸性であると電気
化学的に焼結磁石材料の腐食が進行し、磁石層が侵食さ
れて、磁気特性が劣化するためである。また、メッキ
後、Ni−BあるいはNi−P−WあるいはNi−B−
Wからなる合金メッキ層の密着性、硬度をさらに上げる
ために熱処理を行っても良い。この時の温度は200〜
800℃が適当であり、好ましくは300℃〜400℃
が最適である。また、この時の雰囲気は特に限定するも
のではないが、窒素や不活性ガス雰囲気が好ましい。こ
れは合金メッキ層表面が酸化されると半田やロウとの密
着性が低下するので、これを防ぐためである。
【0023】上記の方法によって得られたNi−Bある
いはNi−P−WあるいはNi−B−Wからなる合金メ
ッキ層を最表面に被覆したR−Fe−B系組成からなる
希土類焼結磁石材料は耐食性と半田やロウ付け性、耐熱
性、耐摩耗性を同時に満足させることが本発明者によっ
て確認された。また、本発明は焼結磁石材料に限るもの
ではなく、R−Fe−B系組成の磁石粉を樹脂で結合し
たボンド磁石にも適用可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により詳細に説明する。 (実施例1)以下、本発明の実施例における永久磁石材
料について説明する。本実施例ではR−Fe−B系組成
(Rは希土類元素)からなる焼結磁石材料としてNd−
Fe−B組成からなる焼結磁石材料を採用した。本発明
で用いるNd−Fe−B組成からなる焼結磁石材料の製
造方法はまず、高周波溶解により所定組成のNd−Fe
−B合金を溶解しインゴットを作製する。このインゴッ
トを粗粉砕機と微粉砕機との組み合わせにより、平均粒
径3μmまで粉砕し、微粉末を得る。この微粉末を磁場
中でプレスして、c軸方向が揃った成形体を作製する。
この成形体をアルゴン雰囲気中、1100℃付近の温度
で焼結し、その後、アルゴン雰囲気中で約600℃で熱
処理することにより長さ40mm、幅30mm、厚み2
0mmの高磁気エネルギー積、(BH)maxを有する
ブロック状の焼結磁石材料を得た。
【0025】その後、上記のブロック状の焼結体をワイ
ヤーソーを用いて切断し、その後、表面研削機やラッピ
ングマシン等により研削し、各辺が長さ10mm、幅1
0mm、厚さ5mm寸法の直方体を作製し、試験用サン
プルとした。
【0026】その後、この試験用サンプルをアセトン中
で超音波洗浄した後、水酸化ナトリウム20g/L、オ
ルソケイ酸ナトリウム70g/L、炭酸ナトリウム20
g/Lを含むアルカリ水溶液中で脱脂後、純水で水洗
し、熱風で乾燥した。この時、使用する有機溶媒はアセ
トンに限るものでなく、その他の有機溶媒、たとえばイ
ソプロピルアルコールやトルエンなどでも良い。同様に
アルカリ水溶液も上記成分に限るものではない。
【0027】その後、試験用サンプルを適当な導電性を
有するメッキ治具に設置後、以下の組成及び条件からな
る無電解Ni−Bメッキ液に浸漬し、メッキ層を形成し
た。
【0028】(CH32NHBH3: 10g/L C34(OH)(COONa)3・2H20: 30g/
L CH2(COOH)2: 10g/L NiSO4・6H20: 10g/L NiCl2・6H20: 20g/L その他添加剤: 2g/L pH=7.0 液温: 70℃
【0029】この時、あらかじめ対向電極としてNiの
板を無電解Ni−Bメッキ液に浸漬させておき、対向電
極が正極になるように直流電源を介して、試験用サンプ
ルを設置したメッキ治具に接続した。続いて、電流密度
1A/cm2 になるよう直流電源の電圧を調整し、1秒
間試験用サンプルにマイナス電位を印加した。この操作
によりメッキ反応が開始する。その後、60分間、上記
組成の無電解Ni−Bメッキ液に浸漬させることによ
り、Ni−B合金メッキ層10μmを試験用サンプル全
面に被覆した。
【0030】メッキ終了後、水洗、乾燥し、その後30
0℃、窒素雰囲気中で1時間熱処理を行った。得られた
メッキ被膜はEPMA(電子プローブマイクロアナリシ
ス)による分析により均一な組成のNi−Bからなる合
金層であることが確認された。
【0031】(実施例2)実施例1と同様に試験用サン
プルを作製後、実施例1と同様にメッキ前処理を行い、
その後、試験用サンプルを適当な導電性を有するメッキ
治具に設置後、以下の組成及び条件からなる無電解Ni
−P−Wメッキ液に浸漬し、メッキ層を形成した。
【0032】NaH2PO2・H20: 5g/L (NH42SO4: 30g/L C34(OH)(COONa)3・2H2O: 5g/L NiSO4・6H2O: 20g/L Na2WO4・2H2O: 10g/L その他添加剤: 2g/L pH=9.0 液温: 90℃
【0033】この時、あらかじめ対向電極としてNiの
板を無電解Ni−P−Wメッキ液に浸漬させておき、対
向電極が正極になるように直流電源を介して、試験用サ
ンプルを設置したメッキ治具に接続した。続いて、電流
密度1A/cm2 になるよう直流電源の電圧を調整し、
1秒間試験用サンプルにマイナス電位を印加した。この
操作によりメッキ反応が開始する。その後、50分間、
上記組成の無電解Ni−P−Wメッキ液に浸漬させるこ
とにより、Ni−P−W合金メッキ層10μmを試験用
サンプル全面に被覆した。
【0034】メッキ終了後、水洗、乾燥し、その後30
0℃、窒素雰囲気中で1時間熱処理を行った。得られた
メッキ被膜はEPMA(電子プローブマイクロアナリシ
ス)による分析によって均一な組成のNi−P−Wから
なる合金層であることが確認された。
【0035】(実施例3)実施例1と同様に試験用サン
プルを作製後、実施例1と同様にメッキ前処理を行い、
その後、試験用サンプルを適当な導電性を有するメッキ
治具に設置後、以下の組成及び条件からなる無電解Ni
−B−Wメッキ液に浸漬し、メッキ層を形成した。
【0036】(CH32NHBH3: 5g/L C34(OH)(COONa)3・2H2O: 20g/
L NiSO4・6H2O: 20g/L Na2WO4・2H2O: 10g/L その他添加剤: 2g/L pH=9.0 液温: 70℃
【0037】この時、あらかじめ対向電極としてNiの
板を無電解Ni−B−Wメッキ液に浸漬させておき、対
向電極が正極になるように直流電源を介して、試験用サ
ンプルを設置したメッキ治具に接続した。続いて、電流
密度1A/cm2 になるよう直流電源の電圧を調整し、
1秒間試験用サンプルにマイナス電位を印加した。この
操作によりメッキ反応が開始する。その後、50分間、
上記組成の無電解Ni−B−Wメッキ液に浸漬させるこ
とにより、Ni−B−W合金メッキ層10μmを試験用
サンプル全面に被覆した。
【0038】メッキ終了後、水洗、乾燥し、その後30
0℃、窒素雰囲気中で1時間熱処理を行った。得られた
メッキ被膜はEPMA(電子プローブマイクロアナリシ
ス)による分析によって均一な組成のNi−B−Wから
なる合金層であることが確認された。
【0039】(実施例4)実施例1と同様に試験用サン
プルを作製後、実施例1と同様にメッキ前処理を行い、
試験用サンプルを適当な導電性を有するメッキ治具に設
置後、シアン化銅メッキ浴中に浸漬し、電気メッキ法に
より試験用サンプル全面に膜厚1μmのCuメッキ層を
被覆後、実施例1と同様の無電解Ni−Bメッキ液に浸
漬し、メッキ層を形成した。
【0040】この時、あらかじめ対向電極としてNiの
板を無電解Ni−Bメッキ液に浸漬させておき、対向電
極が正極になるように直流電源を介して、試験用サンプ
ルを設置したメッキ治具に接続した。続いて、電流密度
1A/cm2 になるよう直流電源の電圧を調整し、1秒
間試験用サンプルにマイナス電位を印加した。この操作
によりメッキ反応が開始する。その後、60分間、上記
組成の無電解Ni−Bメッキ液に浸漬させることによ
り、Ni−B合金メッキ層10μmを試験用サンプル全
面に被覆した。
【0041】メッキ終了後、水洗、乾燥し、その後30
0℃、窒素雰囲気中で1時間熱処理を行った。得られた
メッキ被膜はEPMA(電子プローブマイクロアナリシ
ス)による分析によって均一な組成のNi−Bからなる
合金層であることが確認された。
【0042】(比較例)なお、本実施例に対する比較例
1として、ブロック状の焼結体を切断、研削して試験用
サンプルとした後、全く表面処理を行わない永久磁石材
料と、比較例2として、試験用サンプルを実施例1と同
様のメッキ前処理を行った後、その表面に無電解Ni−
Pメッキ液を用いて、実施例1と同様の操作で、Ni−
P合金メッキ層を10μm被覆し、その後300℃、窒
素雰囲気中で1時間熱処理を行った永久磁石材料と、比
較例3として、試験用サンプルを実施例1と同様にメッ
キ前処理を行った後、その表面に電気メッキ法によりス
ファミン酸浴を用いてNiメッキ層を10μm被覆し、
その後300℃、窒素雰囲気中で1時間熱処理を行った
永久磁石材料を作製した。
【0043】そして、評価方法として、振動試料型磁力
計(VSM)による磁気特性測定の他に、各サンプル
について温度60℃、相対湿度95%、4日間の雰囲気
に曝す耐食試験、各サンプルの10mm平方の片面に
Sn−Pb半田を300℃で5秒間加熱して溶融後、面
積が約25mm2 になるように平滑に半田付けし、その
後、半田の付着強度を測定するために、半田の表面にエ
ポキシ接着剤によって長さ30mm、直径4mmの丸棒
の下端を接着して、丸棒の上端を引っ張り、半田が剥離
する際の荷重を測定する引っ張り試験測定および剥離箇
所の表面観察、各サンプルの10mm平方の面にサン
ドペーパーを貼り付けた幅5mmの摩耗輪で加重200
gを印加させながら、これを100回往復させる耐摩耗
試験および試験後の表面観察を行った。その結果を以下
の表に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1から、本実施例1〜4で得られた永久
磁石材料は、本比較例1〜3で得られた永久磁石材料と
比較すると明らかなように、いずれも優れた磁気特性お
よび耐食性を示すことは共通であるが、さらに、半田と
の密着性に優れ、また、優れた耐摩耗性を有しているこ
とが確認された。これは、本発明の永久磁石材料の最表
面がNi−BあるいはNi−P−WあるいはNi−B−
Wのいずれかからなる合金メッキ層で被覆されているこ
とによるものである。また、表1には記載していない
が、本実施例1〜4で得られた永久磁石材料表面におけ
る半田の濡れ性は非常に良く、溶融した半田の接触角が
10°以下であったのに対し、本比較例1〜3で得られ
た永久磁石材料表面における半田の濡れ性は悪く、溶融
した半田の接触角は50°以上であった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による永久
磁石材料では、R−Fe−B系組成(Rは希土類元素)
からなる磁石材料の最表面がNi−BあるいはNi−P
−WあるいはNi−B−Wのいずれかからなる合金メッ
キ層で磁石材料表面を被覆することにより、耐食性と半
田やロウ付け性、耐熱性、耐摩耗性などの機械的強度を
同時に満足させることが可能となり、このことは、各種
電子製品に適用可能な磁気特性に優れた信頼性の高い永
久磁石材料の提供を可能とするものである。
フロントページの続き (72)発明者 池田 信二 岩手県北上市北工業団地2番25号 上尾精 密株式会社内 (72)発明者 高橋 武志 岩手県北上市北工業団地2番25号 上尾精 密株式会社内 Fターム(参考) 4K018 AA27 FA23 KA45 4K022 AA02 AA37 AA44 BA04 BA08 BA14 BA16 BA24 BA25 BA32 CA28 DA01 5E040 AA04 BC01 BC08 CA01 HB14 NN05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−Fe−B系組成(Rは希土類元素)
    からなる磁石材料の表面に被覆層を有する永久磁石材料
    であって、その被覆層がNi−B、Ni−P−Wまたは
    Ni−B−Wのいずれかからなる合金メッキ層を有する
    ことを特徴とする永久磁石材料。
  2. 【請求項2】 合金メッキ層が永久磁石材料の最表面に
    有することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石材
    料。
  3. 【請求項3】 合金メッキ層の膜厚が2μm以上である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の永久
    磁石材料。
  4. 【請求項4】 合金メッキ層と磁石材料との間に、C
    u、Zn、Cu合金またはZn合金のいずれかからなる
    一層以上の中間層を有することを特徴とする請求項1か
    ら請求項3のいずれか1項に記載の永久磁石材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003073888A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Sumitomo Special Metals Co Ltd ニッケルめっき被膜の接着性劣化防止方法
JP2008010726A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Daido Electronics Co Ltd 希土類ボンド磁石

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