JP3698308B2 - 磁石およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁石およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Nd−Fe−B系磁石は、磁気特性が高いこと、主要材料であるFeが豊富で安価であること、希土類であるNdがSmに比べて資源的に有利で安価なこと、供給が不安定で高価なCoを使用しないこと、などの理由から、近年では、Sm−Co系磁石に代わり希土類磁石の主流となっている。
【0003】
Nd−Fe−B系磁石は、このままで使用すると一般の鉄鋼材質と比較して非常に腐食し易いという欠点を有していることから、さまざまな表面処理が施されてきた。
【0004】
Nd−Fe−B系磁石の防錆処理は、安価で耐食性に優れるニッケルメッキが広く採用されている。そして、磁石表面のニッケルメッキ上に接着剤を介して他の部材を固定して使用される。この種の接着剤には、エポキシ系接着剤や嫌気性アクリル系接着剤を使用することが多く、特に嫌気性アクリル系接着剤は作業性が良く、硬化温度が低いため熱減磁が少ないことから、好んで選定されることが多い。
【0005】
しかしながら、嫌気性アクリル系接着剤は、鉄や銅に対しては活性が高く、その結果、迅速に反応するのに対し、被着体がニッケルである場合、反応性が乏しいという欠点がある。ニッケルを代表とする反応不活性な被着体を接着する場合、接着面に活性剤(プライマー)処理を施すが、小物形状の場合は作業性が著しく低下して嫌気性アクリル系接着剤の長所を生かせないのみならず、接着工程におけるコストアップの要因となっていた。
【0006】
ところで、鉄鋼やアルミニウムの塗装下地処理として、リン酸亜鉛処理が広く採用されている。鉄鋼やアルミニウムにリン酸亜鉛処理を施した場合、その表面にリン酸塩の結晶が被膜として析出して塗装被膜の密着性が向上することが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした鉄鋼やアルミニウムの塗装下地処理に用いられている技術を、そのままニッケルメッキに適用した場合、ニッケルの耐食性が優れているため処理溶液中で十分に反応せず、リン酸塩の結晶が表面に析出しなかった。
【0008】
なお、特開平6−318512号公報では、Nd−Fe−B系磁石本体表面に形成されたニッケルメッキ膜の表面を、フッ化物を含む酸を用いて予め活性化させた後、さらにフッ化物を含むリン酸亜鉛溶液で処理して、前記ニッケルメッキ膜表面に膜厚0.1〜10μmのリン酸亜鉛被膜を形成し、このようなリン酸亜鉛被膜の効果により、ニッケルメッキ膜表面の接着性を改善する方法が開示してある。ここでは、フッ化物がニッケルメッキ表面を強制的に溶解し、活性化させるため、ニッケルメッキ上にリン酸亜鉛の結晶が被膜として形成されており、接着強度が改善されている。
【0009】
しかしながら、上記公報記載の方法によると、フッ化物を含む酸による前処理(活性化処理)の状態により接着強度が大きく変化することがあり、また、リン酸亜鉛被膜の膜厚制御が困難という欠点もあり、生産レベルで安定した接着強度を得ることが困難であった。このため、生産レベルで安定した接着強度が得られ、接着作業の効率化を実現できる技術の開発が望まれていた。
【0010】
本発明の目的は、ニッケルメッキ膜に対して反応不活性な接着剤の硬化不良を効果的に解消し、接着強度のバラツキが小さく、大きな接着強度を得ることができ、その結果、接着作業の効率化を実現できる磁石を提供することである。また本発明は、このような磁石を効率よく製造できる磁石の製造方法を提供することも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、磁石本体表面に形成されたニッケルメッキ膜の表面を、特定組成の処理液を用いてリン酸塩処理を行うことにより、前記ニッケルメッキ膜表面に形成されるリン酸塩被膜の厚み制御が容易となり、その結果、ニッケルメッキ膜表面の接着性改善を生産レベルで安定して行うことができ、接着作業の効率化を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
磁石の製造方法
すなわち、本発明に係る磁石の製造方法は、希土類元素を含む磁石本体の表面に、電気メッキを行い、ニッケルメッキ膜からなる保護膜を形成する工程と、
前記保護膜の表面に、フッ化物を含まない処理液を用いてリン酸塩処理を行い、リン酸塩被膜を形成する工程とを有する。
【0013】
好ましくは、前記処理液のpHが、4以下である。
【0014】
好ましくは、前記リン酸塩処理の処理温度が、20〜50℃である。
【0015】
好ましくは、前記処理液には、硝酸イオンが2〜30g/lの割合で含有してある。
【0016】
好ましくは、前記保護膜を形成する前に、前記磁石本体の表面に、アルカリ溶液を用いて脱脂処理を行い、酸による化学エッチングを施し、前記磁石本体の表面を清浄化する第1前処理工程を有する。
【0017】
好ましくは、前記リン酸塩被膜を形成する前に、前記保護膜の表面に、アルカリ溶液を用いて脱脂処理を行い、洗浄する第2前処理工程を有する。
【0018】
アルカリの一例としてのNaOHは、安価で、入手しやすく、しかも脱脂効果が高いため、これを主成分とするアルカリ溶液を用いることが好ましい。
【0019】
好ましくは、前記リン酸塩被膜を形成した後に、磁石本体をアルコール浸漬して風乾する。
【0020】
磁石
本発明に係る磁石は、希土類元素を含む磁石本体と、
前記磁石本体の表面に形成されたニッケルメッキ膜からなる保護膜と、
前記保護膜の表面に形成された0.1μm未満の厚みを持つリン酸塩被膜とを有する。
【0021】
好ましくは、前記リン酸塩被膜が、フッ化物を含まない処理液を用いてリン酸塩処理して形成される。
【0022】
好ましくは、前記磁石本体と保護膜との間に形成された、銅を主成分とする下地層をさらに有する。
【0023】
共通事項
前記リン酸塩としては、リン酸錫、リン酸鉄、リン酸マンガン、リン酸亜鉛、リン酸亜鉛カルシウムなどが例示される。
【0024】
前記磁石本体としては、本発明では希土類元素を含んでいれば特に限定されないが、R(ただし、RはYを含む希土類元素の一種以上)、TM(ただし、TMはFeを主成分とする遷移元素)およびBを含むR−TM−B系希土類磁石である場合に、特に効果が大きい。R−TM−B系希土類磁石の代表例が、Nd−Fe−B系希土類磁石である。
【0025】
【作用】
本発明に係る磁石では、ニッケルメッキ膜からなる保護膜の表面にリン酸塩被膜を0.1μm未満と極めて薄く形成することにより、前記リン酸塩被膜にかかる内部応力を小さくできる。このため、この極薄のリン酸塩被膜の上に、たとえば嫌気性アクリル系接着剤などの各種接着剤を接着しても、前記リン酸塩被膜が破壊されるおそれは極めて少ない。一方、リン酸塩被膜の厚みが0.1μm未満であっても、破壊されずに、均一に被膜が形成され、安定した接着強度を得ることが期待できる。すなわち、本発明では、リン酸塩被膜の厚みを極めて薄く形成することにより、当該リン酸塩被膜の内部応力による破壊を防止して厚みの均一化を確保し、その結果、ニッケルメッキ膜に対して反応不活性な各種接着剤(たとえば嫌気性アクリル系接着剤)の硬化阻害を効果的に抑制でき、接着作業の効率化を実現できる。
【0026】
本発明に係る磁石の製造方法では、希土類元素を含む磁石本体の表面に形成されたニッケルメッキ膜からなる保護膜の表面にリン酸塩被膜を形成するに際し、フッ化物を含まない処理液を用いてリン酸塩処理を行う。このため、リン酸塩被膜の膜厚制御が容易となり、厚みが0.1μm未満のリン酸塩被膜を生産レベルで安定して形成することができる。
【0027】
本発明に係る磁石の具体的な用途は、特に限定されないが、各種産業用回転機器、民生用回転機器、光ピックアップ装置などが例示される。
【0028】
産業用回転機器としては、自動車やオートバイなどに使用される各種モータ;工作機械の駆動系などが例示される。民生用回転機器としては、VTR、CD、MD、DVD、カセットステレオなどに使用される各種モータ;OA機器(コンピュータ、プリンタ、複写機など)のモータなどが例示される。
【0029】
光ピックアップ装置は、記録媒体である光ディスクに情報を記録再生するためのものであり、一般に、対物レンズを光ディスクのトラッキング方向やフォーカス方向に移動させる対物レンズ駆動装置と、取り付け台上に光源や受光部などが設けられ、対物レンズを介して、光ディスクにレーザ光を投射し、その反射光を検出する光学系ブロックと、から構成される。本発明の磁石を光ピックアップ装置に用いる場合、当該磁石は、対物レンズ駆動装置の構成部材である磁気回路に用いられる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る永久磁石を示す概略断面図、
図2は実施例1、比較例1および比較例5のそれぞれの永久磁石サンプルについて、硬化時間と接着強度との関係を示すグラフである。
【0031】
永久磁石
図1に示すように、本実施形態に係る永久磁石2は、磁石本体4の表面に保護膜6が形成してある。保護膜6の表面には、リン酸塩被膜8が形成してある。
【0032】
磁石本体
磁石本体4は、本実施形態では、R(ただし、RはYを含む希土類元素の一種以上)、TM(ただし、TMはFeを主成分とする遷移元素)およびBを含むR−TM−B系希土類磁石である。
【0033】
R、TMおよびBの含有量は、5.5原子%≦R≦30原子%、42原子%≦TM≦90原子%、2原子%≦B≦28原子%、であることが好ましい。
【0034】
希土類元素Rとしては、Nd,Pr,Ho,Tbのうち少なくとも1種、あるいはさらに、La,Sm,Ce,Gd,Er,Eu,Pm,Tm,Yb,Yのうち1種以上を含むものが好ましい。
【0035】
なお、Rとして2種以上の元素を用いる場合、原料としてミッシュメタル等の混合物を用いることもできる。
【0036】
Rの含有量は、5.5〜30原子%であることが好ましい。Rの含有量が少なすぎると、磁石の結晶構造がα−鉄と同一構造の立方晶組織となるため、高い保磁力(iHc)が得られず、多すぎると、Rリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度(Br)が低下する。
【0037】
TMの含有量は42〜90原子%であることが好ましい。TMの含有量が少なすぎると、Brが低下し、多すぎると、iHcが低下する。なお、Feの一部をCoで置換することにより、磁気特性を損うことなく温度特性を改善することができる。この場合、Co置換量がFeの50%を超えると磁気特性が劣化するため、Co置換量は50%以下とすることが好ましい。
【0038】
Bの含有量は、2〜28原子%であることが好ましい。Bの含有量が少なすぎると、磁石の結晶構造が菱面体組織となるためiHcが不十分であり、多すぎると、Bリッチな非磁性相が多くなるため、Brが低下する。
【0039】
また、R、TMおよびBの他、不可避的不純物として、Ni,Si,Al,Cu,Ca等が全体の3原子%以下含有されていてもよい。
【0040】
さらに、Bの一部を、C,P,S,Cuのうちの1種以上で置換することにより、生産性の向上および低コスト化が実現できる。この場合、置換量は全体の4原子%以下であることが好ましい。また、保磁力の向上、生産性の向上、低コスト化のために、Al,Ti,V,Cr,Mn,Bi,Nb,Ta,Mo,W,Sb,Ge,Sn,Zr,Ni,Si,Hf等の1種以上を添加してもよい。この場合、添加量は総計で10原子%以下とすることが好ましい。
【0041】
本実施形態における磁石本体4は、実質的に正方晶系の結晶構造の主相を有する。この主相の粒径は、1〜100μm程度であることが好ましい。そして、通常、体積比で1〜50%の非磁性相を含むものである。
【0042】
保護膜
保護膜6は、電気メッキ法により形成されたメッキ膜で構成される。メッキ膜はニッケルを主成分として含有することが好ましい。ニッケルを主成分とすることにより、保護膜6の強度を高め、優れた防錆効果を発揮できる。
【0043】
保護膜6としては、磁石本体4の寸法・形状に応じてラックメッキ、またはバレルメッキが適宜選択される。電気メッキ法により形成されたニッケルメッキ膜からなる保護膜6は、優れた耐食性を得るために無欠陥である必要があることから、保護膜6の厚みT1は、好ましくは10〜30μm、より好ましくは10〜20μm程度である。
【0044】
なお、保護膜6を構成するニッケルメッキ膜の種類により、接着性が大幅に変化することはない。しかしながら、磁石本体4と保護膜6との界面にかかる応力の集中を低減させて、接着強度をより高めるためには、磁石本体4と保護膜6との間に下地層(図示省略)をさらに有することが好ましい。下地層は、Cuを主成分として含有することが好ましい。このような下地層を設けた場合に、接着後の磁石体に荷重がかかったときに、Cuが柔らかいために磁石体との界面の一カ所に応力が集中することを抑制する働きがあり、接着強度が向上する。下地層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは5〜10μm程度である。
【0045】
リン酸塩被膜
リン酸塩被膜8は、リン酸塩処理により形成される。リン酸塩被膜8の厚みT2は、本実施形態では、0.1μm未満、好ましくは0.01μm以下である。リン酸塩が厚く積層すると、リン酸塩被膜8にかかる内部応力が大きくなり、接着試験を行うと、リン酸塩被膜8が簡単に破壊される。また、接着剤の硬化条件によってはリン酸塩の結晶水が蒸発し、リン酸塩被膜8にクラックが生じることがある。被膜8の厚みT2を0.1μm未満とすることにより、リン酸塩被膜8が結晶構造として顕微鏡で観察できないレベルとなり、厚膜で生じていた不具合が払拭される。
【0046】
なお、リン酸塩被膜8が及ぼす接着強度向上効果、特に嫌気性アクリル系接着剤に対する硬化性の向上は、保護膜6の表面にリン酸塩被膜8が存在すれば発現するため、リン酸塩被膜8の厚みT2の下限は、0.001μm程度、好ましくは0.005μm程度である。
【0047】
永久磁石の製造方法
次に、本実施形態に係る永久磁石2の製造方法の一例を説明する。
【0048】
(1)まず、磁石本体を製造する。磁石本体4の製造には、粉末冶金法を用いることが好ましい。粉末冶金法による磁石本体4の製造は、以下のようにして行われる。
【0049】
まず、所望の組成の合金を、鋳造法やストリップキャスト法などの各種合金製造プロセスを用いて作製する。次いで、得られた合金を、ジョークラッシャー、ブラウンミル、スタンプミルなどの粗粉砕機を用いて10〜100μm程度の粒径に粗粉砕した後、ジェットミル、アトライターなどの微粉砕機により0.5〜5μm程度の粒径に微粉砕する。次いで、得られた粉末を、好ましくは磁場中にて成型する。成型時の磁場強度は、好ましくは600kA/m以上である。成型圧力は、好ましくは0.5〜5ton/cm程度である。次いで、得られた成型体を、1000〜1200℃で0.5〜10時間、焼結し、急冷する。焼結時の雰囲気は、Arガス等の不活性ガスであることが好ましい。この後、好ましくは不活性ガス雰囲気中で500〜900℃にて1〜5時間、熱処理(時効処理)を行う。
【0050】
製造された磁石本体4は、たとえばRがNdである場合に、特に磁気特性に優れるが、C軸と垂直な方向に負の膨張係数を有することが知られている。
【0051】
(2)次に、得られた磁石本体4の表面を脱脂処理した後、酸による化学エッチングを施し、前記磁石本体4の表面を清浄化する(第1前処理)。この第1前処理は、本発明では任意の処理であるが、脱脂処理を行うことにより磁石本体4の表面の汚れを除去でき、確実に保護膜6を形成できるメリットがある。なお、脱脂処理前に、磁石本体4の表面のバリなどを取り除くため、バレル研磨を行ってもよい。
【0052】
脱脂処理で用いる脱脂液は、通常の鉄鋼用に使用されているものであれば特に限定されない。一般にNaOHを主成分として、その他添加剤は特定するものでない。
【0053】
化学エッチングで使用する酸としては、硝酸を用いることが好ましい。一般の鋼材にメッキ処理を施す場合、塩酸、硫酸等の非酸化性の酸が用いられることが多い。しかし、本実施形態での磁石本体4のように、磁石本体が希土類元素を含む場合には、これらの酸を用いて処理を行うと、酸により発生する水素が磁石本体の表面に吸蔵され、吸蔵部位が脆化して多量の粉状未溶解物が発生する。この粉状未溶解物は、表面処理後の面粗れ、欠陥および密着不良を引き起こすため、上述した非酸化性の酸を化学エッチング処理液に含有させないことが好ましい。したがって、水素の発生が少ない酸化性の酸である硝酸を用いることが好ましく、さらにアルドン酸またはその塩が同時に含有されているのが表面に目視で確認不可なレベルの凹凸が形成され、塗膜の密着力が向上するのでより一層好ましい。なお、このような密着性の向上は、アルドン酸またはその塩によって選択的に実現し、他の有機酸、例えばクエン酸、酒石酸等では実現しない。
【0054】
このような前処理による磁石本体4の表面の溶解量は、表面から平均厚みで5μm以上、好ましくは10〜15μmとするのが好適である。溶解量が少なすぎると、磁石本体の表面の加工による変質層や酸化層を完全に除去できないために、後述する保護膜6が正常に磁石本体4の表面に形成されず、耐食性を悪化させてしまう。
【0055】
前処理に用いられる処理液の硝酸濃度は、好ましくは1規定以下、特に好ましくは0.5規定以下である。硝酸濃度が高すぎると、磁石本体4の溶解速度が極めて速く、溶解量の制御が困難となり、特にバレル処理のような大量処理ではバラツキが大きくなり、製品の寸法精度が維持できない。また、硝酸濃度が低すぎると、溶解量の不足となる。このため、硝酸濃度は1規定以下、特に0.5〜0.05規定以下とするのが望ましい。また、処理終了時のFeの溶解量は、1〜10g/l程度とする。
【0056】
前処理を行った磁石本体4の表面から少量の未溶解物、残留酸成分を完全に除去するため、超音波を使用した洗浄を実施することが好ましい。この超音波洗浄は、磁石本体4の表面に錆を発生させる塩素イオンが極めて少ないイオン交換水の中で行うのが好ましい。また、前記超音波洗浄の前後、および前記前処理の各過程で必要に応じて同様な水洗を行ってもよい。
【0057】
(3)次に、前処理が施された磁石本体4の表面に、電気メッキ法により保護膜6を形成する。電気メッキ法を用いて保護膜6を形成することで、高性能耐食膜である保護膜6を低コストで形成できる。Niの電気メッキに用いるメッキ浴としては、塩化ニッケルを含有しないワット浴(すなわち、硫酸ニッケルおよびほう酸を主成分とする)、スルファミン酸浴、ほうフッ化浴、臭化ニッケル浴などが挙げられる。ただし、この場合、陽極の溶解が少なくなるため、ニッケルイオンを浴に補充することが好ましい。ニッケルイオンは、硫酸ニッケルあるいは臭化ニッケルの溶液として補充するのが好ましい。
【0058】
なお、前処理後の磁石本体4の表面に保護膜6を形成する前に、たとえばCuを主成分として含有する下地層(図示省略)を形成する場合には、磁石本体4の表面に対してCuの置換析出を防止するため、pH7〜10の弱アルカリ浴中で処理することが好ましい。Cuを主成分として含有する下地層を形成する場合において、上述したニッケルメッキ浴は、上述した例示に限定されるものでなく、塩化ニッケルを含有した浴でニッケルメッキ膜からなる保護膜6を形成しても耐食性を損なうものではない。すなわちこの場合、塩化ニッケルを含有する浴を用いて保護膜6を形成してもよい。
【0059】
(4)次に、保護膜6の表面を脱脂処理した後、純水で十分に表面を清浄化する(第2前処理)。この第2前処理も本発明では任意の処理であるが、脱脂処理を行うことにより保護膜6の表面に付着した汚れ(光沢剤などの有機物)を除去でき、確実にリン酸塩被膜8を形成できるメリットがある。
【0060】
脱脂処理で用いる脱脂液は、有機物を除去できるものであれば特に限定されないが、アルカリ溶液を使用することが最も効果が高く好ましい。アルカリ溶液は、NaOHを主成分とした、通常の鉄鋼用に使用されているものであればよく、その他添加剤は特定するものでない。
【0061】
(5)次に、保護膜6の表面にリン酸塩処理を行い、リン酸塩被膜8を形成する。具体的には、所定の濃度および温度に調整されたリン酸塩浴に、保護膜6が形成された磁石本体4を浸漬し、保護膜6の表面にリン酸塩被膜8を形成する。
【0062】
リン酸塩処理に用いる処理液としては、リン酸錫処理液、リン酸鉄処理液、リン酸マンガン処理液、リン酸亜鉛処理液、リン酸亜鉛カルシウム処理液などが例示される。これらの処理溶液のいずれかを使用すれば、ニッケルメッキ膜からなる保護膜6に接着効果が付与される。これらの中の一例としてのリン酸亜鉛処理液の成分としては、特に限定されないが、亜鉛イオン、リン酸イオン、硝酸イオンなどが例示される。これら各イオンの好ましい濃度は、亜鉛イオン:0.4〜3.0g/l、特に0.5〜2.0g/l、リン酸イオン:5〜40g/l、特に7〜30g/l、硝酸イオン:2〜30g/l、特に2〜10g/l、である。
【0063】
亜鉛イオン濃度が低すぎると、保護膜6の表面に均一なリン酸塩被膜8を形成できない傾向がある。一方、亜鉛イオン濃度が高すぎると、リン酸塩被膜8の厚みT2が厚くなりすぎ、接着強度が不十分となる傾向がある。
【0064】
リン酸イオン濃度が低すぎると、均一なリン酸塩被膜8を形成できない傾向がある。一方、リン酸イオン濃度が高すぎると、リン酸塩被膜8の形成効果の向上が期待できない。
【0065】
硝酸イオンは、ニッケルメッキ膜からなる保護膜6上へのリン酸塩被膜8の形成促進剤として添加される。硝酸イオン濃度が低すぎると、ほとんどニッケルメッキ膜からなる保護膜6の溶解が起こらないため、保護膜6の表面にリン酸塩被膜8を形成できない傾向がある。一方、硝酸イオン濃度が高すぎると、それ以上の被膜形成効果が期待できないのみならず、ニッケルの不動態化を促進し、リン酸塩被膜8の形成を阻害する傾向がある。
【0066】
その他のリン酸塩処理溶液、即ちリン酸マンガン、リン酸鉄、リン酸亜鉛カルシウム等においても、リン酸亜鉛と同じ要領で処理を行うことが可能である。
【0067】
また、アルミニウムのリン酸亜鉛処理の場合、被膜形成促進剤としてペルオキシドおよびフッ化物が使用されているが、Ni表面を粗し過ぎて接着強度を低下させることがある。このため、反応が比較的緩やかに進行する硝酸イオンを用いるのが好ましい。
【0068】
処理液のpHは、4以下であることが好ましい。処理液のpHが高すぎると、処理液中にリン酸亜鉛が溶解できず、リン酸塩の形態が変化し、スラッジ化して溶液中に沈殿するため、ニッケルメッキ膜からなる保護膜6の表面にリン酸塩被膜が形成されない傾向があるからである。なお、処理液のpHが低すぎると、リン酸塩被膜8の形成を妨げ、ニッケルメッキ膜からなる保護膜6を侵し耐湿性を損なうおそれがあるので、その下限は好ましくは2である。
【0069】
上記範囲の浴組成における処理温度は、通常の鉄鋼で行われる条件でも得られる接着性に何ら問題を生じないので特に限定されない。しかしながら、処理温度が低すぎると、処理液中での反応が乏しく処理性が低下する傾向がある。一方、処理温度が高すぎると、シミなどが発生して美観を損なうおそれがあるので、処理温度は、好ましくは20〜50℃、より好ましくは30〜50℃である。
【0070】
上記範囲の浴組成における処理時間は、好ましくは3〜30分、より好ましくは5〜15分である。処理時間が短すぎると、保護膜6の表面に処理液が十分に接触せず、反応不十分となり均一なリン酸塩被膜8を形成できない傾向がある。一方、処理時間が長すぎると、リン酸塩被膜8の厚みT2が0.1μm以上となり、接着強度が低下する傾向がある。すなわち処理時間を特定範囲にすることで、0.1μm未満の厚みを持つリン酸塩被膜8を生産レベルで安定的に成膜できる。
【0071】
(6)次に、純水で洗浄を行い、乾燥する。このとき、通常は80〜150℃で乾燥を行い表面の水分を除去するが、工程簡略化のためアルコール浸漬して風乾することも好ましい。保護膜6の表面に形成されたリン酸塩被膜8は、顕微鏡で観察できないレベルの被膜であるため、水分がある程度除去されていれば、厚膜のような乾燥時の水分蒸発(結晶水含む)による被膜クラック等がほとんど生じない。
【0072】
(7)以上の工程を経ることにより、図1に示す本実施形態に係る永久磁石2が製造される。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0075】
実施例1
粉末冶金法によって作成した、14.7Nd―79.2Fe―6.1B(数字は原子比)の組成からなる鋳塊を、粗粉砕し、さらに不活性ガスによるジェットミル粉砕で平均粒径が約3.5μmの微粉末を得た。得られた微粉末を、磁場成型し、焼結、熱処理を経て焼結体を得た。得られた焼結体を、10mm×20mm×厚さ5mmの大きさに切り出し加工し、さらにバレル研磨処理により面取りを行って、永久磁石本体を得た。
【0076】
次いで、この永久磁石本体のサンプルを、アルカリ性脱脂液で洗浄後、エッチングの工程を経て、電気ニッケルメッキを行い、永久磁石本体の表面に、電気ニッケルメッキ膜からなる保護膜を形成した。電気ニッケルメッキ膜からなる保護膜の膜厚は15μmであった。
【0077】
次いで、保護膜が形成された永久磁石本体を、アルカリ溶液(メルテックス(株)製、エンドックスQ−576S)で脱脂した後、純水洗浄を行った。
【0078】
次いで、下記に示す組成のフッ化物を含まない処理液を用いてリン酸塩(リン酸亜鉛)処理を行った。
亜鉛イオン : 1.0g/l、
リン酸イオン :15.0g/l、
硝酸イオン : 3.2g/l、
処理温度 :50℃、
浸漬時間 :5分。
【0079】
浸漬後、純水で洗浄を行い100℃、10分の条件で乾燥を行い、永久磁石サンプルを得た。リン酸亜鉛被膜の膜厚を、SEM(Scanning Electron Microscope)で観察したところ、0.1μm未満であった。
【0080】
実施例2
リン酸塩処理における処理液への浸漬時間を30分とした以外は、実施例1と同様にして、永久磁石サンプルを得た。リン酸亜鉛被膜の膜厚を、SEMで観察したところ、実施例1と同様に0.1μm未満であった。
【0081】
実施例3
下記に示す処理液を用いてリン酸塩(リン酸マンガン)処理を行った以外は、実施例1と同様にして、永久磁石サンプルを得た。リン酸マンガン被膜の膜厚を、SEMで観察したところ、実施例1と同様に0.1μm未満であった。
【0082】
マンガンイオン: 1.2g/l、
鉄イオン : 0.3g/l、
リン酸イオン :16.0g/l、
硝酸イオン : 4.0g/l。
【0083】
実施例4
下記に示す処理液を用いてリン酸塩(リン酸亜鉛カルシウム)処理を行った以外は、実施例1と同様にして、永久磁石サンプルを得た。リン酸亜鉛カルシウム被膜の膜厚を、SEMで観察したところ、実施例1と同様に0.1μm未満であった。
【0084】
亜鉛イオン : 1.0g/l、
カルシウムイオン: 0.3g/l、
リン酸イオン :14.0g/l、
硝酸イオン : 3.0g/l。
【0085】
比較例1
リン酸亜鉛処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、永久磁石サンプルを得た。
【0086】
比較例2
フッ化物を含む酸(日本マグダーミッド(株)製、メテックスアシッドソルトM−629、120g/l)からなる処理液を用いてリン酸亜鉛処理を行った以外は、実施例1と同様にして、永久磁石サンプルを得た。リン酸亜鉛被膜の膜厚を、電子顕微鏡を用いて断面観察を行って算出したところ、3μmであった。
【0087】
比較例3
下記に示す処理液を用いてリン酸亜鉛処理を行った以外は、実施例1と同様にして、永久磁石サンプルを得た。リン酸亜鉛被膜の膜厚を、比較例2と同様にして算出したところ、8μmであった。
【0088】
亜鉛イオン : 1.0g/l、
リン酸イオン :15.0g/l、
硝酸イオン : 3.2g/l、
珪フッ化水素酸: 2.0g/l。
【0089】
比較例4
下記に示す処理液を用いてリン酸亜鉛処理を行った以外は、実施例1と同様にして、永久磁石サンプルを得た。リン酸亜鉛被膜の膜厚を、比較例2と同様にして算出したところ、12μmであった。
【0090】
亜鉛イオン : 1.0g/l、
リン酸イオン :15.0g/l、
硝酸イオン : 3.2g/l、
珪フッ化水素酸: 5.0g/l。
【0091】
比較例5
ニッケルメッキ膜からなる保護膜をアルカリ脱脂した後、20g/lの無水クロム酸溶液に40℃、10分浸漬することにより、保護膜の表面にクロメート被膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、永久磁石サンプルを得た。クロメート被膜の膜厚を、比較例2と同様にして算出したところ、0.8μmであった。
【0092】
評価方法
リン酸亜鉛被膜と接着強度との比較を行うために、以下の試験を行った。実施例1〜4および比較例1〜5により得られた、それぞれの永久磁石サンプルのリン酸亜鉛被膜の表面に、嫌気性アクリル系接着剤(ロックタイト638UV)を0.008〜0.010g程度塗布し、表面が洗浄された鉄板に圧着した後、100℃に昇温した乾燥機に30分投入後、圧縮せん断試験を行った。サンプル数を各10個とし、その平均値を接着強度とした。圧縮せん断試験は室温で5mm/分の速度で行った。結果を表1に示す。
【0093】
硬化時間と接着強度との比較を行うために、以下のような試験を行った。実施例1および比較例1、5により得られた、それぞれの永久磁石サンプルのリン酸亜鉛被膜の表面に、嫌気性アクリル系接着剤(ロックタイト638UV)を0.002〜0.003g程度塗布し、表面が洗浄された鉄板に圧着した後、予め100℃に昇温した乾燥機に、3分、5分、10分、15分投入し、取り出し後1分以内に、圧縮せん断試験を行った。なお、この試験では、サンプル形状を10mm×5mm×厚さ5mmとし、ハンドプレスで強度測定を行った。結果を表2および図2に示す。
【0094】
【表1】
Figure 0003698308
【0095】
【表2】
Figure 0003698308
【0096】
考察
表1に示すように、リン酸亜鉛被膜の膜厚が0.1μm未満である実施例1〜4の磁石サンプルでは、比較例1〜5の磁石サンプルと比較して、接着強度が格段に優れてており、しかもそのバラツキが少ないことも確認できた。
【0097】
表2および図2に示すように、実施例1の磁石サンプルでは、比較例1および5の磁石サンプルと比較して、極めて短時間で所定の接着強度が得られることが確認できた。
【0098】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、ニッケルメッキ膜に対して反応不活性な接着剤の硬化不良を効果的に解消し、接着強度のバラツキが小さく、大きな接着強度を得ることができ、その結果、接着作業の効率化を実現できる磁石を提供できる。
また本発明によれば、このような磁石を効率よく製造できる磁石の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施形態に係る永久磁石を示す概略断面図である。
【図2】 図2は実施例1、比較例1および比較例5のそれぞれの永久磁石サンプルについて、硬化時間と接着強度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2… 永久磁石
4… 磁石本体
6… ニッケルメッキ膜からなる保護膜
8… リン酸塩被膜

Claims (10)

  1. 希土類元素を含む磁石本体と、
    前記磁石本体の表面に形成されたニッケルメッキ膜からなる保護膜と、
    前記保護膜の表面に、前記保護膜に対して反応不活性な接着剤の硬化阻害を抑制する被膜とを有する磁石であって、
    前記被膜が、フッ化物を含まず、硝酸イオンが2〜30g/lの割合で含有してある処理液を用いたリン酸塩処理により形成された0.1μm未満の厚みを持つリン酸塩被膜であることを特徴とする磁石。
  2. 前記処理液のpHが4以下であり、前記リン酸塩処理の処理温度が20〜50℃である請求項1に記載の磁石。
  3. 前記保護膜に対して反応不活性な接着剤が、嫌気性アクリル系接着剤である請求項1または2に記載の磁石。
  4. 前記磁石本体と前記保護膜との間に形成された、銅を主成分とする下地層をさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載の磁石。
  5. 前記磁石本体が、R(ただし、RはYを含む希土類元素の一種以上)、TM(ただし、TMはFeを主成分とする遷移元素)およびBを含むR−TM−B系希土類磁石である請求項1〜のいずれかに記載の磁石。
  6. 希土類元素を含む磁石本体の表面に、電気メッキを行い、ニッケルメッキ膜からなる保護膜を形成する工程と、
    前記保護膜の表面に、フッ化物を含まず、硝酸イオンが2〜30g/lの割合で含有してある処理液を用いてリン酸塩処理を行い、前記保護膜に対して反応不活性な接着剤の硬化阻害を抑制するリン酸塩被膜を形成する工程とを有する磁石の製造方法。
  7. 前記リン酸塩処理が、リン酸錫処理、リン酸鉄処理、リン酸マンガン処理、リン酸亜鉛処理およびリン酸亜鉛カルシウム処理、のいずれかである請求項に記載の磁石の製造方法。
  8. 前記処理液のpHが4以下であり、前記リン酸塩処理の処理温度が20〜50℃であることを特徴とする請求項に記載の磁石の製造方法。
  9. 前記保護膜を形成する前に、前記磁石本体の表面に、アルカリ溶液を用いて脱脂処理を行い、酸による化学エッチングを施し、前記磁石本体の表面を清浄化する第1前処理工程を有する請求項に記載の磁石の製造方法。
  10. 前記リン酸塩被膜を形成する前に、前記保護膜の表面に、アルカリ溶液を用いて脱脂処理を行い、洗浄する第2前処理工程を有する請求項に記載の磁石の製造方法。
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