JP2004200387A - 耐食性永久磁石およびその製造方法 - Google Patents

耐食性永久磁石およびその製造方法 Download PDF

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Masayuki Yoshimura
吉村  公志
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Abstract

【課題】高い耐食性を示す希土類系永久磁石およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の耐食性永久磁石は、希土類系永久磁石の表面に、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた亜鉛微粒子分散被膜を介して、電気めっき被膜を有することを特徴とする。その製造方法は、アルキルシリケートの加水分解重合反応物と平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を含有したpHが6〜8で粘度が100cP以下の水系処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、250℃〜350℃にて熱処理を行うことで亜鉛微粒子分散被膜とし、続いて、その表面に電気めっき被膜を形成することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い耐食性を示す希土類系永久磁石およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Nd−Fe−B系永久磁石に代表されるR−Fe−B系永久磁石やSm−Fe−N系永久磁石に代表されるR−Fe−N系永久磁石などの希土類系永久磁石は、資源的に豊富で安価な材料が用いられ、かつ、高い磁気特性を有していることから、特にR−Fe−B系永久磁石は今日様々な分野で使用されている。
しかしながら、希土類系永久磁石は反応性の高い希土類元素:Rを含むため、大気中で酸化腐食されやすく、何の表面処理をも行わずに使用した場合には、わずかな酸やアルカリや水分などの存在によって表面から腐食が進行して錆が発生し、それに伴って、磁石特性の劣化やばらつきを招く。更に、錆が発生した磁石を磁気回路などの装置に組み込んだ場合、錆が飛散して周辺部品を汚染する恐れがある。
希土類系永久磁石に耐食性を付与する方法には数多くの方法があるが、その一つとして、珪素化合物を出発原料とした耐食性被膜を希土類系永久磁石の表面に形成する方法がある。近年、このような耐食性被膜の更なる性能向上を目的として種々の研究がなされている。
例えば、下記の特許文献1においては、亜鉛微粒子を分散させたアルカリ珪酸塩水溶液からなる処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、熱処理を行うことで亜鉛微粒子分散被膜とする方法が提案されている。この方法は、アルカリ珪酸塩を出発原料とした被膜の耐食作用と電位的に卑な亜鉛微粒子の犠牲防食作用を利用したものであり、希土類系永久磁石に高い耐食性を付与することができる方法として期待される。しかしながら、この方法においては、亜鉛微粒子分散被膜を形成するための処理液中に亜鉛微粒子を均一に分散させておくためには処理液をアルカリ性にしておかなければならないため、処理液を希土類系永久磁石の表面に塗布した際、磁石の表面において磁石を構成する金属の水酸化物が生成し、このような金属水酸化物からなる層で磁石の表面が覆われてしまうことに起因して、密着性に優れた亜鉛微粒子分散被膜が形成されにくいといった問題や、アルカリ珪酸塩を出発原料とした被膜は柔軟性に劣るためにクラックが生じやすいといった問題や、廃液処理が面倒であるといった問題などがある。
また、下記の特許文献2においては、珪素有機化合物と平均粒径が1nm〜100nmの無機質微粒子を含有した処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、熱処理を行うことで無機質微粒子分散被膜とする方法が提案されている。この方法は、珪素有機化合物を出発原料とした薄くて緻密な耐食性被膜を希土類系永久磁石の表面に形成するためのものであり、特定の平均粒径を有する無機質微粒子を被膜成分中に分散させることで、被膜生成過程における被膜内部応力を緩和してクラックなどの物理的欠陥が発生することを防止するものである。この方法も希土類系永久磁石に高い耐食性を付与することができる方法として期待される。しかしながら、ナノメーターオーダーの無機質微粒子は水に均一に分散させることが困難なことなどを考慮すれば、処理液の調製においては、低級アルコールなどの有機溶媒を主体としてそこにわずかな水を添加し、酸性条件下で珪素有機化合物を加水分解重合反応させてゾル液とするとともに無機質微粒子を分散させる必要があり、従って、調製された処理液は酸性であるため、処理液を希土類系永久磁石の表面に塗布した際、磁石の腐食を招くといった問題や、有機溶媒が揮発することで処理液組成が変動しやすく、また、環境に悪影響を与えるといった問題や、廃液処理が面倒であるといった問題などがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−182813号公報
【特許文献2】
特開2001−143949号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、高い耐食性を示す希土類系永久磁石およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の点に鑑みて本発明者が種々の検討を行ったことにより完成された本発明の耐食性永久磁石は、請求項1記載の通り、希土類系永久磁石の表面に、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた亜鉛微粒子分散被膜を介して、電気めっき被膜を有することを特徴とする。
また、請求項2記載の永久磁石は、請求項1記載の耐食性永久磁石において、亜鉛微粒子分散被膜の亜鉛微粒子含有量が50重量%〜95重量%であることを特徴とする。
また、請求項3記載の永久磁石は、請求項1または2記載の耐食性永久磁石において、亜鉛微粒子分散被膜の膜厚が1μm〜50μmであることを特徴とする。
また、請求項4記載の永久磁石は、請求項1乃至3のいずれかに記載の耐食性永久磁石において、亜鉛微粒子が鱗片状のものであることを特徴とする。
また、請求項5記載の永久磁石は、請求項1乃至4のいずれかに記載の耐食性永久磁石において、亜鉛微粒子分散被膜中に他の金属微粒子を更に分散させてなることを特徴とする。
また、請求項6記載の永久磁石は、請求項1乃至5のいずれかに記載の耐食性永久磁石において、電気めっき被膜が亜鉛よりも電位的に貴な金属から構成されることを特徴とする。
また、請求項7記載の永久磁石は、請求項6記載の耐食性永久磁石において、電気めっき被膜が電気ニッケルめっき被膜であることを特徴とする。
また、本発明の耐食性永久磁石の製造方法は、請求項8記載の通り、アルキルシリケートの加水分解重合反応物と平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を含有したpHが6〜8で粘度が100cP以下の水系処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、250℃〜350℃にて熱処理を行うことで亜鉛微粒子分散被膜とし、続いて、その表面に電気めっき被膜を形成することを特徴とする。
また、請求項9記載の製造方法は、請求項8記載の製造方法において、水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の合計配合割合が40重量%〜90重量%(アルキルシリケートはSiO2換算)であることを特徴とする。
また、請求項10記載の製造方法は、請求項8または9記載の製造方法において、水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の混合比率が1:1〜1:19(重量比:アルキルシリケートはSiO2換算)であることを特徴とする。
また、請求項11記載の製造方法は、請求項8乃至10のいずれかに記載の製造方法において、水系処理液中に有機分散剤を添加することを特徴とする。
また、本発明の希土類系永久磁石は、請求項12記載の通り、表面に、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた亜鉛微粒子分散被膜が形成され、更にその表面に亜鉛よりも電位的に貴な金属から構成される置換めっき被膜を介して電気めっき被膜が形成されてなることを特徴とする。
また、請求項13記載の希土類系永久磁石は、請求項12記載の希土類系永久磁石において、置換めっき被膜と電気めっき被膜が同じ金属から構成されることを特徴とする。
また、本発明の希土類系永久磁石は、請求項14記載の通り、表面に、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた亜鉛微粒子分散被膜が形成され、更にその表面に亜鉛よりも電位的に貴な金属から構成される置換めっき被膜が形成されてなることを特徴とする。
また、本発明の希土類系永久磁石は、請求項15記載の通り、表面に、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた亜鉛微粒子分散被膜が形成されてなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における、電気めっき被膜の下層被膜としての、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた亜鉛微粒子分散被膜(以下、単に亜鉛微粒子分散被膜と称する)は、例えば、アルキルシリケートの加水分解重合反応物と平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を含有したpHが6〜8で粘度が100cP以下の水系処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、250℃〜350℃にて熱処理を行うことで形成される。このようにして形成された亜鉛微粒子分散被膜は、その表面に密着性に優れた均一で緻密な電気めっき被膜が形成されるための十分な表面導電性を有するものである。また、万が一その表面に形成された電気めっき被膜にピンホールや傷などの欠陥が生じた場合でも、アルキルシリケートを出発原料とした被膜の耐食作用と電位的に卑な亜鉛微粒子の犠牲防食作用により希土類系永久磁石の腐食を確実に阻止するとともに、磁石本体の表面から内部に亜鉛が拡散していることで密着性に優れる。
【0007】
ここで、アルキルシリケートとしては、一般式:Sin(n-1)(OR)(2n+2)で示されるものが用いられる。式中、Rはアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜4の低級アルキル基が例示されるが、中でも、安価であることに加えて毒性がなく取り扱い性に優れたエチル基(エチルシリケート)が好適である。また、nは1以上の整数であるが、緻密な被膜を形成するためにはnは10以下の整数であることが望ましい。
【0008】
また、亜鉛微粒子は、平均粒径が1μm〜50μmのものが用いられる。これは、平均粒径が1μmよりも小さいと、水系処理液中で亜鉛微粒子が二次凝集を起こす恐れがある一方、平均粒径が50μmよりも大きいと、水系処理液中で亜鉛微粒子が沈降する恐れがあり、いずれの場合においても保存安定性に優れた亜鉛微粒子が均一に分散した水系処理液を調製することが困難になる恐れがあるからである。なお、亜鉛微粒子の平均粒径は、2μm〜30μmが望ましく、5μm〜20μmがより望ましい。亜鉛微粒子はいかなる形状のものであってもよいが、亜鉛微粒子分散被膜にピンホールが極力発生しないようにするためには、亜鉛微粒子は被膜成分中に高密度に積層充填されることが有利であり、また、磁石本体の表面から内部に亜鉛を拡散させるためには磁石本体に対する亜鉛微粒子の接触面積は広いことが有利である。従って、かかる観点からは、亜鉛微粒子は鱗片状のものが望ましい。亜鉛微粒子が鱗片状のものである場合、亜鉛微粒子の平均粒径とは平均長径を意味するものとする。
【0009】
水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の合計配合割合は、40重量%〜90重量%(アルキルシリケートはSiO2換算)とすることが望ましく、60重量%〜80重量%とすることがより望ましい。合計配合割合が40重量%未満であると、十分な特性を発揮する膜厚を有する亜鉛微粒子分散被膜を得るためには製造工程回数を必要以上に増やさなければならなくなる恐れがある一方、90重量%を超えると、水系処理液の保存安定性に影響を及ぼす恐れがあるからである。
【0010】
水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の混合比率は、形成される亜鉛微粒子分散被膜の亜鉛微粒子含有量が50重量%〜95重量%になるように、1:1〜1:19(重量比:アルキルシリケートはSiO2換算)とすることが望ましく、1:3〜1:10とすることがより望ましい。形成される亜鉛微粒子分散被膜の亜鉛微粒子含有量が50重量%より少ないと、被膜成分中に亜鉛微粒子を分散させることの効果(その表面に密着性に優れた均一で緻密な電気めっき被膜が形成されるための十分な表面導電性の保持と犠牲防食作用の発揮)が十分に発揮されない恐れがある一方、95重量%より多いと、アルキルシリケートを出発原料とする被膜の耐食作用が十分に発揮されない恐れがあるからである。
【0011】
水系処理液は、例えば、酸性条件下(pH3〜4程度)または塩基性条件下(pH10〜12程度)でアルキルシリケートを加水分解重合反応させた水溶液に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を添加した後、pHを6〜8に調整するとともに必要に応じて粘度を100cP以下に調整することで調製される。
【0012】
水系処理液の段階でアルキルシリケートを加水分解重合反応させておくのは、形成される被膜を緻密なものにするためである。アルキルシリケートの加水分解重合反応は、用いるアルキルシリケートの全てを加水分解重合反応させる必要は必ずしもなく、その一部を加水分解重合反応させるような態様であってもよい。加水分解重合反応の程度は、酸や塩基の添加量や加水分解重合反応を起こすに際して使用する媒体としての水の量にて調整することができる。
【0013】
水系処理液のpHを6〜8と規定するのは、pHが6より小さいと、上記の特許文献2に記載したように希土類系永久磁石の腐食を招く恐れがある一方、pHが8より大きいと、上記の特許文献1に記載したように密着性に優れた亜鉛微粒子分散被膜が形成されない恐れがあるからである。酸性条件下でアルキルシリケートを加水分解重合反応させた場合、pHの調整は、例えば、水酸化ナトリウムなどを用いて行えばよい。また、塩基性条件下でアルキルシリケートを加水分解重合反応させた場合、pHの調整は、例えば、塩酸などを用いて行えばよい。
【0014】
水系処理液の粘度を100cP以下と規定するのは、水系処理液の粘度が100cPを超えると、膜厚が均一な亜鉛微粒子分散被膜を形成することが困難になる恐れがあるからである。アルキルシリケートの加水分解重合反応の程度が高いと、水系処理液の粘度が100cPを超える場合がある。いったん粘度が100cPを超えた場合であっても加温水を添加するなどすれば粘度の低下を図ることも可能ではあるが、処理液としての均質性を確保するためには、水系処理液の粘度が100cPを超えそうな場合には、適宜、水を添加するなどしてその粘度が100cPを超えないようにすることが望ましい。なお、水系処理液の粘度は50cP以下が望ましく、25cP以下がより望ましい。また、十分な特性を発揮する膜厚を有する亜鉛微粒子分散被膜を必要以上の製造工程回数を繰り返すことなく形成するためには、水系処理液の粘度は5cP以上であることが望ましい。
【0015】
アルキルシリケートを加水分解重合反応させた水溶液に亜鉛微粒子を添加するに際しては、有機分散剤を用いて、水系処理液中で亜鉛微粒子が均一に分散するようにすることが望ましい。水系処理液中への有機分散剤の添加は、例えば、有機分散剤を添加した水に亜鉛微粒子を投入することで亜鉛微粒子が均一に分散した亜鉛微粒子分散水系媒体を調製し、この亜鉛微粒子分散水系媒体とアルキルシリケートを加水分解重合反応させた水溶液を混合することで行えばよい。なお、有機分散媒としては、アニオン性分散媒(脂肪族系多価カルボン酸、ポリエーテルポリエステルカルボン酸塩、高分子ポリエステル酸ポリアミン塩、高分子量ポリカルボン酸長鎖アミン塩など)、非イオン性分散媒(ポリオキシエチレンアルキルエーテルやソルビタンエステルなどのカルボン酸塩やスルフォン酸塩やアンモニウム塩など)、高分子分散媒(水溶性エポキシのカルボン酸塩やスルフォン酸塩やアンモニウム塩など、スチレン−アクリル酸共重合物、ニカワなど)などが亜鉛微粒子との親和性やコストの点から好適に使用される。
【0016】
また、水系処理液の表面張力を適度なものにして所望する膜厚の亜鉛微粒子分散被膜が形成されやすくするために、水系処理液中にセルロース系増粘剤などを添加してもよい。
【0017】
希土類系永久磁石の表面に以上のようにして調製された水系処理液を塗布するに際しては、ディップコーティング法、スプレー法、スピンコーティング法などを採用することができる。なお、希土類系永久磁石の表面に形成される亜鉛微粒子分散被膜との密着性の向上を図るため、水系処理液を塗布する前に磁石に対してサンドブラスト処理や酸洗処理を施してもよい。
【0018】
希土類系永久磁石の表面に水系処理液を塗布した後の熱処理は、250℃〜350℃にて行う。このような温度条件にて熱処理を行うと、水系処理液中に含まれる亜鉛微粒子の一部が、被膜生成過程において、磁石本体の表面から内部に適度に拡散することで、密着性に優れた亜鉛微粒子分散被膜が形成される。熱処理の温度が250℃よりも低いと、このような亜鉛の拡散が十分に起こらないばかりか、水が十分に蒸発せずに希土類系永久磁石の表面に残存することで、その後において磁石の腐食を招く恐れがある一方、350℃よりも高いと、亜鉛の拡散が必要以上に起こることで磁石特性に悪影響を及ぼす恐れがある。熱処理の時間は、例えば、10分〜120分が望ましい。なお、水系処理液を表面に塗布した希土類系永久磁石をいったん90℃〜110℃で仮乾燥してから熱処理を行うことで、より均質な亜鉛微粒子分散被膜を形成することができる。
【0019】
亜鉛微粒子分散被膜は、その膜厚が1μm〜50μmとなるように形成することが望ましく、5μm〜15μmとなるように形成することがより望ましい。膜厚が1μm未満であると、亜鉛微粒子分散被膜としての特性が十分に発揮されない恐れがある一方、膜厚が50μmを超えると、希土類系永久磁石の有効体積が十分に確保することができなくなる恐れがあるからである。
【0020】
なお、亜鉛微粒子分散被膜中に他の金属微粒子、例えば、アルミニウム、錫、マンガン、マグネシウム、チタン、ニッケルなどの亜鉛と同様に電位的に卑な金属の微粒子を更に分散させてもよい。例えば、亜鉛微粒子とともにアルミニウム微粒子を分散させることで、亜鉛微粒子の腐食による白錆(塩基性炭酸亜鉛)の生成を効果的に防止することができる。亜鉛微粒子とともに他の金属微粒子を分散させる場合、形成される被膜の亜鉛微粒子と他の金属微粒子の合計含有量は、95重量%以下であることが望ましい。
【0021】
亜鉛微粒子分散被膜の表面に形成される電気めっき被膜としては、例えば、ニッケル、銅、錫、コバルト、亜鉛、クロム、銀、金、鉛、白金などのような、通常、電気めっき被膜として形成される金属からなるものが適用され、その形成も常法に従って行われる。希土類系永久磁石の有効体積をできる限り確保するという観点と優れた耐食性を発揮させるという観点からは、電気めっき被膜の膜厚は10μm〜30μmが望ましい。
【0022】
亜鉛微粒子分散被膜は、その表面に密着性に優れた均一で緻密な電気めっき被膜が形成されるための十分な表面導電性を有しているので、電気めっき被膜はどのような金属から構成されるものであってもよいが、中でも、亜鉛よりも電位的に貴な金属から構成されるものが好適である。具体的には、亜鉛微粒子分散被膜の表面に形成される電気めっき被膜は、電気ニッケルめっき被膜であることが望ましい。
亜鉛よりも電位的に貴な金属から構成される電気めっき被膜を選択すれば、亜鉛微粒子分散被膜を表面に有する希土類系永久磁石をこのような電気めっき被膜形成用めっき浴に浸漬した初期の段階においては、亜鉛微粒子分散被膜の体積抵抗率が高いので、その表面ではまず亜鉛と電気めっき被膜を構成する金属の電位差による置換めっき反応が起こって置換めっき被膜が形成される。これにより結果としてより均一な表面導電性が付与されて、置換めっき被膜の表面により密着性に優れた均一で緻密な電気めっき被膜が形成される。
【0023】
なお、亜鉛微粒子分散被膜を表面に有する希土類系永久磁石を、亜鉛よりも電位的に貴な金属から構成される置換めっき被膜形成用めっき浴に浸漬することで、亜鉛微粒子分散被膜の表面に置換めっき被膜を形成した後、亜鉛微粒子分散被膜を介して置換めっき被膜を表面に有する希土類系永久磁石を電気めっき被膜形成用めっき浴に浸漬することで置換めっき被膜の表面に電気めっき被膜を形成するようにしてもよい。
【0024】
例えば、亜鉛微粒子分散被膜の表面に電気ニッケルめっき被膜を形成する場合においては、めっき浴槽は希土類系永久磁石の形状に応じて種々の浴槽を使用することができる。めっき浴としては、ワット浴、スルファミン酸浴、ウッド浴などの公知のめっき浴を用いればよい。亜鉛微粒子分散被膜の表面に密着性に優れた均一で緻密な電気ニッケルめっき被膜を形成するためには、例えば、低ニッケル高硫酸塩浴などを使用し、亜鉛微粒子分散被膜を表面に有する希土類系永久磁石をめっき浴に浸漬した初期の段階における亜鉛とニッケルとの間の過度な置換効率(置換ニッケルめっき被膜の成膜速度)を抑制することが望ましい。好適な低ニッケル高硫酸塩浴としては、硫酸ニッケル・5水和物100g/L〜170g/L、硫酸ナトリウム160g/L〜270g/L、塩化アンモニウム8g/L〜18g/L、ホウ酸13g/L〜23g/Lからなるめっき浴が挙げられる。めっき浴のpHは4.0〜8.0とすることが望ましい。4.0未満であると酸性条件に不安定な希土類系永久磁石に対して悪影響を及ぼす恐れがある一方、8.0を超えると形成された置換ニッケルめっき被膜の密着性が劣る恐れがあるからである。また、めっき浴のpHを4.0〜8.0とすることには、ニッケルよりも電位的に卑な亜鉛が急激に溶出して粗雑な置換ニッケルめっき被膜が形成され、その表面に形成される電気ニッケルめっき被膜との密着性に悪影響を及ぼすといったことを効果的に抑制する目的もある。めっき浴の浴温は30℃〜70℃とすることが望ましい。30℃未満であると形成された置換ニッケルめっき被膜の表面が粗雑なものになる恐れがある一方、70℃を超えると浴温管理が難しく、均一な置換ニッケルめっき被膜が形成されない恐れがあるからである。このようなめっき浴を用いて電気ニッケルめっき被膜を形成するに際しては、電流密度は0.2A/dm2〜20A/dm2とすることが望ましい。0.2A/dm2未満であると成膜速度が遅くて生産性に劣る恐れがある一方、20A/dm2を超えると形成された電気ニッケルめっき被膜の表面が粗雑なものとなり、ピンホールが多数発生する恐れがあるからである。なお、陽極には電解ニッケル板を用いるが、ニッケルの溶出を安定させるために、電解ニッケル板として硫黄を含有したニッケルチップを使用することが望ましい。
【0025】
希土類系永久磁石としては、Nd−Fe−B系永久磁石に代表されるR−Fe−B系永久磁石やSm−Fe−N系永久磁石に代表されるR−Fe−N系永久磁石などの公知の希土類系永久磁石が挙げられる。中でも、R−Fe−B系永久磁石は、特に磁気特性が高く、量産性や経済性に優れている点において望ましいものである。希土類系永久磁石は、焼結磁石であってもよいしボンド磁石であってもよい。
希土類系永久磁石における希土類元素(R)は、Nd、Pr、Dy、Ho、Tb、Smのうち少なくとも1種、あるいは更に、La、Ce、Gd、Er、Eu、Tm、Yb、Lu、Yのうち少なくとも1種を含むものが望ましい。
また、通常はRのうち1種をもって足りるが、実用上は2種以上の混合物(ミッシュメタルやジジムなど)を入手上の便宜などの理由によって使用することもできる。
更に、Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、Hf、Gaのうち少なくとも1種を添加することで、保磁力や減磁曲線の角型性の改善、製造性の改善、低価格化を図ることが可能となる。また、Feの一部をCoで置換することによって、得られる磁石の磁気特性を損なうことなしに温度特性を改善することができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例と比較例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。
【0027】
実施例1:
出発原料として、電解鉄、フェロボロン、RとしてのNdを所要の磁石組成に配合し、溶解鋳造後、機械的粉砕法にて粗粉砕してから微粉砕することで粒度が3μm〜10μmの微粉末を得、これを10kOeの磁界中で成形してからアルゴン雰囲気中で1100℃×1時間の焼結を行った後、得られた焼結体に対して600℃×2時間の時効処理を行い、15Nd−7B−78Feの組成を有する磁石体から切り出した36mm×32mm×3mm寸法の焼結磁石試験片を用いて以下の実験を行った。
【0028】
工程A. エチルシリケート40(エチルシリケートをSiO2換算で40重量%含有する無色透明液体)に水を添加し、1N塩酸でpHを3に調整することでエチルシリケートを加水分解重合反応させ、出発原料としてのエチルシリケートを20重量%(SiO2換算)含有する水溶液を調製した。この水溶液と、有機分散剤(商品名ソルスパースS20000:アビシア社製)と平均長径が20μmの鱗片状亜鉛微粒子(概寸法20μm×20μm×1μm)を水に添加して調製した亜鉛微粒子分散水系媒体を混合し、よく攪拌して1N水酸化ナトリウムでpHを7に調整し、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子の合計配合割合が70重量%(エチルシリケートはSiO2換算)で、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子と有機分散剤の混合比率が、9.9:90:0.1(重量比:エチルシリケートはSiO2換算)である粘度が15cPの水系処理液を得た。
工程B. エタノールにて超音波洗浄(脱脂処理)してから15分間自然乾燥させた試験片を上記の水系処理液に浸漬した。水系処理液から取り出した試験片を遠心乾燥機に収容し、300rpmにて30秒間振り切りすることで試験片の表面に付着している余分な水系処理液を除去した後、100℃×5分間大気中にて仮乾燥した。こうして表面に塗布した水系処理液を仮乾燥させた試験片を再度水系処理液に浸漬した。水系処理液から取り出した試験片の表面に付着している余分な水系処理液を上記と同様にして除去した後、320℃×10分間大気中にて熱処理を行うことで試験片の表面に亜鉛微粒子分散被膜を形成した。形成された亜鉛微粒子分散被膜の膜厚の平均値(n=5)は10μmであった(断面観察より)。
工程C. 工程Bにて得られた亜鉛微粒子分散被膜を表面に有する試験片20個を、容量2.8Lのバレル槽に直径4mmのアルミナメディア2.0Lとともに投入し、振幅1.0mm、振動数60Hzの条件にて30分間バレル研磨した後、3分間超音波水洗してから、硫酸ニッケル・5水和物240g/L、塩化ニッケル・5水和物45g/L、ホウ酸35g/Lを含み、炭酸ニッケルでpHを4.2に調整した液温55℃のワット浴に浸漬し、電流密度1.5A/dm2の条件にて120分間電気ニッケルめっき処理を行い、亜鉛微粒子分散被膜の表面に電気ニッケルめっき被膜を形成した。こうして得られた亜鉛微粒子分散被膜を介して電気ニッケルめっき被膜を表面に有する試験片を3分間超音波水洗した後、100℃にて60分間乾燥させた。5個の試験片の最表面に形成された電気ニッケルめっき被膜を拡大鏡(×4)にて外観検査したところ、ピンホールや突起や異物付着などを有する不良品は存在せず、全てが均質な被膜で良品と評価された。また、その膜厚の平均値(n=5)は25μmであった(蛍光X線観察より)。このような良質の電気ニッケルめっき被膜が形成されたことは、その下層に置換ニッケルめっき被膜が形成され、その表面全体に導電性が付与されていることに起因するものであると推察された。こうして製造された亜鉛微粒子分散被膜を介して電気ニッケルめっき被膜を表面に有する試験片10個に対して35℃の5%塩水を500時間噴霧するという耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
【0029】
参考例1:
実施例1の工程Bと同様にして得られた亜鉛微粒子分散被膜を表面に有する試験片20個を、容量2.8Lのバレル槽に直径4mmのアルミナメディア2.0Lとともに投入し、振幅1.0mm、振動数60Hzの条件にて30分間バレル研磨した後、3分間超音波水洗してから、硫酸ニッケル・5水和物240g/L、塩化ニッケル・5水和物45g/L、ホウ酸35g/Lを含み、炭酸ニッケルでpHを4.2に調整した液温55℃のワット浴に30分間電圧をかけずに浸漬した後、ワット浴から取り出し、表面観察を行ったところ、亜鉛微粒子分散被膜の表面に置換ニッケルめっき被膜が形成されていた。この置換ニッケルめっき被膜の膜厚の平均値(n=5)は1μmであった(蛍光X線観察より)。
【0030】
実施例2:
実施例1の工程Aと同様にして調製した出発原料としてのエチルシリケートを20重量%(SiO2換算)含有するpHが3の水溶液と、有機分散剤(商品名ソルスパースS20000:アビシア社製)と平均長径が20μmの鱗片状亜鉛微粒子(概寸法20μm×20μm×1μm)と平均粒径が3μmの粒状アルミニウム微粒子を水に添加して調製した亜鉛・アルミニウム微粒子分散水系媒体を混合し、よく攪拌して1N水酸化ナトリウムでpHを7に調整し、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子とアルミニウム微粒子の合計配合割合が70重量%(エチルシリケートはSiO2換算)で、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子とアルミニウム微粒子と有機分散剤の混合比率が、9.9:60:30:0.1(重量比:エチルシリケートはSiO2換算)である粘度が13cPの水系処理液を得た。この水系処理液を用いて実施例1と同様の試験片の表面に実施例1と同様にして亜鉛・アルミニウム微粒子分散被膜を形成した。形成された亜鉛・アルミニウム微粒子分散被膜の膜厚は約10μmであった(断面観察より)。
こうして得られた亜鉛・アルミニウム微粒子分散被膜を表面に有する試験片の亜鉛・アルミニウム微粒子分散被膜の表面に実施例1の工程Cと同様にして電気ニッケルめっき被膜を形成した。5個の試験片の最表面に形成された電気ニッケルめっき被膜を拡大鏡(×4)にて外観検査したところ、ピンホールや突起や異物付着などを有する不良品は存在せず、全てが均質な被膜で良品と評価された。また、その膜厚の平均値(n=5)は25μmであった(蛍光X線観察より)。こうして製造された亜鉛・アルミニウム微粒子分散被膜を介して電気ニッケルめっき被膜を表面に有する試験片10個に対して35℃の5%塩水を500時間噴霧するという耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
【0031】
実施例3:
急冷合金法で作製した、Nd:12原子%、Fe:77原子%、B:6原子%、Co:5原子%の組成からなる平均長径150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2wt%加えて混練し、686N/mm2の圧力で圧縮成形した後、150℃で1時間キュアすることによって作製した、外径30mm×内径28mm×長さ4mmのリング状ボンド磁石試験片を用いて実施例1と同様の実験を行い、試験片の表面に亜鉛微粒子分散被膜を形成した。形成された亜鉛微粒子分散被膜の膜厚の平均値(n=5)は10μmであった(断面観察より)。また、EPMA(電子線マイクロアナライザー:島津製作所社製EPM810)を用いて亜鉛微粒子分散被膜を表面に有する試験片の表面付近の断面観察を行ったところ、試験片本体の表面から内部に亜鉛が拡散していることが判明した。
こうして得られた亜鉛微粒子分散被膜を表面に有する試験片の亜鉛微粒子分散被膜の表面に実施例1の工程Cと同様にして電気ニッケルめっき被膜を形成した。5個の試験片の最表面に形成された電気ニッケルめっき被膜を拡大鏡(×4)にて外観検査したところ、ピンホールや突起や異物付着などを有する不良品は存在せず、全てが均質な被膜で良品と評価された。また、その膜厚の平均値(n=5)は25μmであった(蛍光X線観察より)。こうして製造された亜鉛微粒子分散被膜を介して電気ニッケルめっき被膜を表面に有する試験片10個に対して35℃の5%塩水を500時間噴霧するという耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、高い耐食性を示す希土類系永久磁石およびその製造方法が提供される。

Claims (15)

  1. 希土類系永久磁石の表面に、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた亜鉛微粒子分散被膜を介して、電気めっき被膜を有することを特徴とする耐食性永久磁石。
  2. 亜鉛微粒子分散被膜の亜鉛微粒子含有量が50重量%〜95重量%であることを特徴とする請求項1記載の耐食性永久磁石。
  3. 亜鉛微粒子分散被膜の膜厚が1μm〜50μmであることを特徴とする請求項1または2記載の耐食性永久磁石。
  4. 亜鉛微粒子が鱗片状のものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の耐食性永久磁石。
  5. 亜鉛微粒子分散被膜中に他の金属微粒子を更に分散させてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の耐食性永久磁石。
  6. 電気めっき被膜が亜鉛よりも電位的に貴な金属から構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の耐食性永久磁石。
  7. 電気めっき被膜が電気ニッケルめっき被膜であることを特徴とする請求項6記載の耐食性永久磁石。
  8. アルキルシリケートの加水分解重合反応物と平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を含有したpHが6〜8で粘度が100cP以下の水系処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、250℃〜350℃にて熱処理を行うことで亜鉛微粒子分散被膜とし、続いて、その表面に電気めっき被膜を形成することを特徴とする耐食性永久磁石の製造方法。
  9. 水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の合計配合割合が40重量%〜90重量%(アルキルシリケートはSiO2換算)であることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
  10. 水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の混合比率が1:1〜1:19(重量比:アルキルシリケートはSiO2換算)であることを特徴とする請求項8または9記載の製造方法。
  11. 水系処理液中に有機分散剤を添加することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 表面に、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた亜鉛微粒子分散被膜が形成され、更にその表面に亜鉛よりも電位的に貴な金属から構成される置換めっき被膜を介して電気めっき被膜が形成されてなることを特徴とする希土類系永久磁石。
  13. 置換めっき被膜と電気めっき被膜が同じ金属から構成されることを特徴とする請求項12記載の希土類系永久磁石。
  14. 表面に、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた亜鉛微粒子分散被膜が形成され、更にその表面に亜鉛よりも電位的に貴な金属から構成される置換めっき被膜が形成されてなることを特徴とする希土類系永久磁石。
  15. 表面に、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた亜鉛微粒子分散被膜が形成されてなることを特徴とする希土類系永久磁石。
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