JP4285218B2 - 耐食性希土類系永久磁石の製造方法および耐食性希土類系永久磁石 - Google Patents

耐食性希土類系永久磁石の製造方法および耐食性希土類系永久磁石 Download PDF

Info

Publication number
JP4285218B2
JP4285218B2 JP2003397416A JP2003397416A JP4285218B2 JP 4285218 B2 JP4285218 B2 JP 4285218B2 JP 2003397416 A JP2003397416 A JP 2003397416A JP 2003397416 A JP2003397416 A JP 2003397416A JP 4285218 B2 JP4285218 B2 JP 4285218B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rare earth
zinc
permanent magnet
coating
corrosion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003397416A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005109421A (ja
Inventor
吉村  公志
智郁 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2003397416A priority Critical patent/JP4285218B2/ja
Publication of JP2005109421A publication Critical patent/JP2005109421A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4285218B2 publication Critical patent/JP4285218B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、亜鉛微粒子分散耐食性被膜を表面に有する希土類系永久磁石の安定かつ簡易な製造方法、こうして製造される耐食性希土類系永久磁石、各種形状の薄型ワークに対する塗膜形成に適したディップスピンコーティング法およびワークの塗膜形成方法に関する。
Nd−Fe−B系永久磁石に代表されるR−Fe−B系永久磁石やSm−Fe−N系永久磁石に代表されるR−Fe−N系永久磁石などの希土類系永久磁石は、資源的に豊富で安価な材料が用いられ、かつ、高い磁気特性を有していることから、特にR−Fe−B系永久磁石は今日様々な分野で使用されている。
しかしながら、希土類系永久磁石は反応性の高い希土類元素:Rを含むため、大気中で酸化腐食されやすく、何の表面処理をも行わずに使用した場合には、わずかな酸やアルカリや水分などの存在によって表面から腐食が進行して錆が発生し、それに伴って、磁石特性の劣化やばらつきを招く。さらに、錆が発生した磁石を磁気回路などの装置に組み込んだ場合、錆が飛散して周辺部品を汚染する恐れがある。
希土類系永久磁石に耐食性を付与する方法には数多くの方法があるが、その一つとして、珪素化合物を出発原料とした耐食性被膜を希土類系永久磁石の表面に形成する方法がある。近年、このような耐食性被膜の更なる性能向上を目的として種々の研究がなされている。
例えば、下記の特許文献1においては、亜鉛微粒子を分散させたアルカリ珪酸塩水溶液からなる処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、熱処理を行うことで亜鉛微粒子分散耐食性被膜とする方法が提案されている。この方法は、アルカリ珪酸塩を出発原料とした被膜の耐食作用と電位的に卑な亜鉛微粒子の犠牲防食作用を利用したものであり、希土類系永久磁石に高い耐食性を付与することができる方法として期待される。しかしながら、この方法においては、亜鉛微粒子分散耐食性被膜を形成するための処理液中に亜鉛微粒子を均一に分散させておくためには処理液をアルカリ性にしておかなければならないため、処理液を希土類系永久磁石の表面に塗布した際、磁石の表面において磁石を構成する金属の水酸化物が生成し、このような金属水酸化物からなる層で磁石の表面が覆われてしまうことに起因して、密着性に優れた亜鉛微粒子分散耐食性被膜が形成されにくいといった問題や、アルカリ珪酸塩を出発原料とした被膜は柔軟性に劣るためにクラックが生じやすいといった問題や、廃液処理が面倒であるといった問題などがある。
また、下記の特許文献2においては、珪素有機化合物と平均粒径が1nm〜100nmの無機質微粒子を含有した処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、熱処理を行うことで無機質微粒子分散耐食性被膜とする方法が提案されている。この方法は、珪素有機化合物を出発原料とした薄くて緻密な耐食性被膜を希土類系永久磁石の表面に形成するためのものであり、特定の平均粒径を有する無機質微粒子を被膜成分中に分散させることで、被膜生成過程における被膜内部応力を緩和してクラックなどの物理的欠陥が発生することを防止するものである。この方法も希土類系永久磁石に高い耐食性を付与することができる方法として期待される。しかしながら、ナノメーターオーダーの無機質微粒子は水に均一に分散させることが困難なことなどを考慮すれば、処理液の調製においては、低級アルコールなどの有機溶媒を主体としてそこにわずかな水を添加し、酸性条件下で珪素有機化合物を加水分解重合反応させてゾル液とするとともに無機質微粒子を分散させる必要があり、従って、調製された処理液は酸性であるため、処理液を希土類系永久磁石の表面に塗布した際、磁石の腐食を招くといった問題や、有機溶媒が揮発することで処理液組成が変動しやすく、また、環境に悪影響を与えるといった問題や、廃液処理が面倒であるといった問題などがある。
特開2000−182813号公報 特開2001−143949号公報
そこで本発明は、亜鉛微粒子分散耐食性被膜を表面に有する希土類系永久磁石の安定かつ簡易な製造方法、こうして製造される耐食性希土類系永久磁石、各種形状の薄型ワークに対する塗膜形成に適したディップスピンコーティング法およびワークの塗膜形成方法を提供することを目的とする。
上記の点に鑑みてなされた本発明の耐食性希土類系永久磁石の製造方法は、請求項1記載の通り、アルキルシリケートの加水分解重合反応物と平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を含有したpHが6〜8で粘度が1000cP以下の水系処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、250℃〜400℃にて熱処理を行うことで亜鉛微粒子分散耐食性被膜とし、かつ、磁石本体表面から内部に亜鉛を拡散させることを特徴とする。
また、請求項2記載の製造方法は、請求項1記載の製造方法において、亜鉛微粒子が鱗片状のものであることを特徴とする。
また、請求項3記載の製造方法は、請求項1または2記載の製造方法において、水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の合計配合割合が40重量%〜90重量%(アルキルシリケートはSiO換算)であることを特徴とする。
また、請求項4記載の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法において、水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の混合比率が1:1〜1:19(重量比:アルキルシリケートはSiO換算)であることを特徴とする。
また、請求項5記載の製造方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法において、水系処理液中に有機分散剤を添加することを特徴とする。
また、請求項6記載の製造方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法において、亜鉛微粒子分散耐食性被膜の膜厚が1μm〜50μmであることを特徴とする。
また、請求項7記載の製造方法は、請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法において、亜鉛微粒子分散耐食性被膜中に他の無機質微粒子をさらに分散させることを特徴とする。
また、請求項8記載の製造方法は、請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法において、水系処理液の希土類系永久磁石の表面への塗布をディップスピンコーティング法で行うことを特徴とする。
また、請求項9記載の製造方法は、請求項8記載の製造方法において、粘度が300cP〜600cPの水系処理液を用いて行うことを特徴とする。
また、請求項10記載の製造方法は、請求項8または9記載の製造方法において、鉛直方向の中心軸を回転軸として回転可能な回転台座の略外周端部上に、複数個の希土類系永久磁石を保持し、希土類系永久磁石が保持された回転台座を水系処理液槽に浸漬することで希土類系永久磁石に水系処理液を浸漬塗装した後、液中から取り出し、回転台座を回転させて希土類系永久磁石に余分に付着した水系処理液を遠心振り切りすることでディップスピンコーティングを行うことを特徴とする。
また、請求項11記載の製造方法は、請求項10記載の製造方法において、複数個の希土類系永久磁石を回転台座の略外周端部上に略環状に保持することを特徴とする。
また、請求項12記載の製造方法は、請求項10または11記載の製造方法において、希土類系永久磁石が薄型磁石であることを特徴とする。
また、請求項13記載の製造方法は、請求項12記載の製造方法において、薄型磁石をその最も広い面が回転台座の放射状方向に対して略平行になるように保持することを特徴とする。
また、請求項14記載の製造方法は、請求項13記載の製造方法において、回転台座の略外周端部上に装着した際、複数個の薄型磁石を個々の磁石が離間した状態でその最も広い面が回転台座の放射状方向に対して略平行になるように略環状にセットすることができる塗装治具を用いて行うことを特徴とする。
また、請求項15記載の製造方法は、請求項12記載の製造方法において、薄型磁石が平板状、リング状、弓形状のいずれかの形状であることを特徴とする。
また、請求項16記載の製造方法は、請求項14記載の製造方法において、ディップスピンコーティングを行った後、薄型磁石がセットされたままの塗装治具を回転台座から取り外し、任意の場所で塗装治具にセットされたままの薄型磁石を熱処理することを特徴とする。
また、本発明の希土類系永久磁石は、請求項17記載の通り、アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた耐食性被膜を表面に有し、かつ、磁石本体表面から内部に亜鉛が拡散していることを特徴とする。
また、請求項18記載の希土類系永久磁石は、請求項17記載の希土類系永久磁石において、耐食性被膜の亜鉛微粒子含有量が50重量%〜95重量%であることを特徴とする
た、請求項19記載の希土類系永久磁石は、請求項17または18記載の希土類系永久磁石において、請求項1記載の製造方法により製造されたことを特徴とする


本発明によれば、亜鉛微粒子分散耐食性被膜を表面に有する希土類系永久磁石の安定かつ簡易な製造方法、こうして製造される耐食性希土類系永久磁石、各種形状の薄型ワークに対する塗膜形成に適したディップスピンコーティング法およびワークの塗膜形成方法が提供される。
本発明において、亜鉛微粒子分散耐食性被膜は、アルキルシリケートの加水分解重合反応物と平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を含有したpHが6〜8で粘度が1000cP以下の水系処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、250℃〜400℃にて熱処理を行うことで形成される。このようにして形成された亜鉛微粒子分散耐食性被膜は、希土類系永久磁石に高い耐食性を付与するものであるとともに、磁石本体表面から内部に亜鉛が拡散していることで密着性に優れる。
ここで、アルキルシリケートとしては、一般式:Sin(n-1)(OR)(2n+2)で示されるものが用いられる。式中、Rはアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜4の低級アルキル基が例示されるが、中でも、安価であることに加えて毒性がなく取り扱い性に優れたエチル基(エチルシリケート)が好適である。また、nは1以上の整数であるが、緻密な被膜を形成するためにはnは10以下の整数であることが望ましい。
また、亜鉛微粒子は、平均粒径が1μm〜50μmのものが用いられる。これは、平均粒径が1μmよりも小さいと、水系処理液中で亜鉛微粒子が二次凝集を起こす恐れがある一方、平均粒径が50μmよりも大きいと、水系処理液中で亜鉛微粒子が沈降する恐れがあり、いずれの場合においても保存安定性に優れた亜鉛微粒子が均一に分散した水系処理液を調製することが困難になる恐れがあるからである。なお、亜鉛微粒子の平均粒径は、2μm〜30μmが望ましく、5μm〜20μmがより望ましい。亜鉛微粒子はいかなる形状のものであってもよいが、亜鉛微粒子分散耐食性被膜にピンホールが極力発生しないようにするためには、亜鉛微粒子は被膜成分中に高密度に積層充填されることが有利であり、また、磁石本体表面から内部に亜鉛を拡散させるためには磁石本体に対する亜鉛微粒子の接触面積は広いことが有利である。従って、かかる観点からは、亜鉛微粒子は鱗片状のものが望ましい。亜鉛微粒子が鱗片状のものである場合、亜鉛微粒子の平均粒径とは平均長径を意味するものとする。
水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の合計配合割合は、40重量%〜90重量%(アルキルシリケートはSiO2換算)とすることが望ましく、60重量%〜80重量%とすることがより望ましい。合計配合割合が40重量%未満であると、十分な特性を発揮する膜厚を有する亜鉛微粒子分散耐食性被膜を得るためには製造工程回数を必要以上に増やさなければならなくなる恐れがある一方、90重量%を超えると、水系処理液の保存安定性に影響を及ぼす恐れがあるからである。
水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の混合比率は、形成される亜鉛微粒子分散耐食性被膜の亜鉛微粒子含有量が50重量%〜95重量%になるように、1:1〜1:19(重量比:アルキルシリケートはSiO2換算)とすることが望ましく、1:3〜1:10とすることがより望ましい。形成される亜鉛微粒子分散耐食性被膜の亜鉛微粒子含有量が50重量%より少ないと、被膜成分中に亜鉛微粒子を分散させることの効果が十分に発揮されない恐れがある一方、95重量%より多いと、アルキルシリケートを出発原料とする耐食性被膜としての本来的な特性が十分に発揮されない恐れがあるからである。
希土類系永久磁石の表面に塗布する水系処理液のpHを6〜8と規定するのは、pHが6より小さいと、上記の特許文献2に記載したように希土類系永久磁石の腐食を招く恐れがある一方、pHが8より大きいと、上記の特許文献1に記載したように密着性に優れた亜鉛微粒子分散耐食性被膜が形成されない恐れがあるからである。
希土類系永久磁石の表面に塗布する水系処理液の粘度を1000cP以下と規定するのは、水系処理液の粘度が1000cPを超えると、膜厚が均一な亜鉛微粒子分散耐食性被膜を形成することが困難になる恐れがあるからである。
均質性に優れた水系処理液の調製は、例えば、酸性条件下(pH3〜4程度)または塩基性条件下(pH10〜12程度)でアルキルシリケートを加水分解重合反応させた水溶液に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を添加した後、pHを6〜8に調整するとともに粘度を100cP以下に維持または調整することで行うことが望ましい(粘度は50cP以下がより望ましく25cP以下がさらに望ましい)。なお、酸性条件下でアルキルシリケートを加水分解重合反応させた場合、pHの調整は、例えば、水酸化ナトリウムなどを用いて行えばよい。また、塩基性条件下でアルキルシリケートを加水分解重合反応させた場合、pHの調整は、例えば、塩酸などを用いて行えばよい。
水系処理液の調製の段階でアルキルシリケートを加水分解重合反応させておくのは、形成される被膜を緻密なものにするためである。アルキルシリケートの加水分解重合反応は、用いるアルキルシリケートの全てを加水分解重合反応させる必要は必ずしもなく、その一部を加水分解重合反応させるような態様であってもよい。加水分解重合反応の程度は、酸や塩基の添加量や加水分解重合反応を起こすに際して使用する媒体としての水の量にて調整することができる。アルキルシリケートの加水分解重合反応の程度が高いと、水溶液の粘度が100cPを超える場合がある。いったん粘度が100cPを超えた場合であっても加温水を添加するなどすれば粘度の低下を図ることも可能ではあるが、水系処理液のより優れた均質性を確保するためには、加水分解重合反応時に水溶液の粘度が100cPを超えそうな場合には、適宜、水を添加するなどしてその粘度が100cPを越えないようにすることが望ましい。なお、所望する膜厚の被膜が形成されやすくすることを目的として水系処理液の表面張力を適度なものにしたい場合などには、例えば、水系処理液中にセルロース系の増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルエチルセルロースなどが例示される水溶性セルロースエーテルなど)などを添加することで、その粘度を調整することができる。形成される被膜の膜厚を厚くすることなどを目的として水系処理液の粘度を100cP以上にしたい場合には、いったん調製した水系処理液中に増粘剤を添加して粘度を高めることによって行うことが望ましい。
アルキルシリケートを加水分解重合反応させた水溶液に亜鉛微粒子を添加するに際しては、有機分散剤を用いて、水系処理液中で亜鉛微粒子が均一に分散するようにすることが望ましい。水系処理液中への有機分散剤の添加は、例えば、有機分散剤を添加した水に亜鉛微粒子を投入することで亜鉛微粒子が均一に分散した亜鉛微粒子分散水系媒体を調製し、この亜鉛微粒子分散水系媒体とアルキルシリケートを加水分解重合反応させた水溶液を混合することで行えばよい。なお、有機分散媒としては、アニオン性分散媒(脂肪族系多価カルボン酸、ポリエーテルポリエステルカルボン酸塩、高分子ポリエステル酸ポリアミン塩、高分子量ポリカルボン酸長鎖アミン塩など)、非イオン性分散媒(ポリオキシエチレンアルキルエーテルやソルビタンエステルなどのカルボン酸塩やスルフォン酸塩やアンモニウム塩など)、高分子分散媒(水溶性エポキシのカルボン酸塩やスルフォン酸塩やアンモニウム塩など、スチレン−アクリル酸共重合物、ニカワなど)などが亜鉛微粒子との親和性やコストの点から好適に使用される。
なお、希土類系永久磁石の表面に塗布する水系処理液の粘度は、十分な特性を発揮する膜厚を有する亜鉛微粒子分散耐食性被膜を必要以上の製造工程回数を繰り返すことなく形成するためには、5cP以上であることが望ましい。
希土類系永久磁石の表面に水系処理液を塗布するに際しては、ディップコーティング法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップスピンコーティング法などを採用することができる。なお、希土類系永久磁石の表面に形成される亜鉛微粒子分散耐食性被膜との密着性の向上を図るため、水系処理液を塗布する前に磁石に対してサンドブラスト処理や酸洗処理を施してもよい。
水系処理液の希土類系永久磁石の表面への塗布は、より均一な水系処理液の塗膜が形成されるようにするためには、ディップスピンコーティング法で行うことが望ましい。とりわけ、鉛直方向の中心軸を回転軸として回転可能な回転台座の略外周端部上に、複数個の希土類系永久磁石を保持し、希土類系永久磁石が保持された回転台座を水系処理液槽に浸漬することで希土類系永久磁石に水系処理液を浸漬塗装した後、液中から取り出し、回転台座を回転させて希土類系永久磁石に余分に付着した水系処理液を遠心振り切りすることでディップスピンコーティングを行うことが望ましい。
薄型ワークの表面に、膜厚が例えば10μm程度の薄い塗膜を形成する方法として、ワークを塗料槽に浸漬することでワークに塗料を浸漬塗装した後、液中から取り出し、高速回転させて余分に付着した塗料を振り切ることによるディップスピンコーティング法が採用されることがある。これまでに知られている薄型ワークのディップスピンコーティング法としては、例えば、特開平7−201088号公報に光ディスクの保護膜塗布方法として提案されているものがある。この方法は、水平主軸に複数個の基板を一定間隔に垂直にセットし、主軸を中心に低速回転させながら基板の中心部以外を保護膜材料に浸漬して該材料を塗布した後、該材料から引き上げ、最後に高速回転させて該材料を振り切ることによるものである。また、特開平3−86271号公報においては、ハンガーを用いて被塗物の塗布面(平面)をほぼ水平に保持した状態で、ハンガーと被塗物を含む全体の重心を通る鉛直線を回転軸として回転させて塗料を遠心振り切りする工程を含むことを特徴とするディップスピンコーティング法が提案されている。また、特開2000−164556号公報においては、複数の溝を有する一対の保持部材を溝を有する側を対向させ、この対向する溝でウエハの周辺を保持するようにしたウエハキャリアを用い、キャリアをその溝が略回転加速度方向に向くように回転させてキャリアに保持した複数個のウエハ上の液体を遠心振り切り乾燥する方法が提案されている。
大量の薄型ワークに対してディップスピンコーティング法を採用する場合、ワークの形状にとらわれることなく、全てのワークに対して膜厚のばらつきを生じさせないで均一な塗装ができることが望ましい。しかしながら、この点に鑑みれば、上記の特許文献に記載のいずれの方法も多かれ少なかれ欠点を有する。具体的には、特開平7−201088号公報に記載の方法では、ワークをその中心部で保持しなければならないので、リング状ワークにしか適用することができないといった欠点がある。また、この方法では、リング状ワークの内周面に水平主軸を当接させ、両者間に発生する摩擦力でワーク自体を回転させるため、ワークと主軸との間に発生する摩擦力にばらつきがあると、ワークの回転速度がばらつくので、全てのワークに対して均一な塗装ができない恐れがあるといった欠点や、ワークを高速回転させることが困難であるため、粘性が高い塗料(例えば粘度が500cPを超えるようなもの)をワークに塗装する場合には、余分に付着した塗料を十分に振り切ることができない恐れがあるといった欠点がある。また、特開平3−86271号公報に記載の方法では、ワークの平面をほぼ水平に保持するので、上面と下面との間で塗料の付着量に差異が生じる恐れがあるといった欠点がある。また、特開2000−164556号公報に記載の方法では、ワークの一方の平面が回転軸に対向して保持されるので、保持位置によってワークごとにその回転速度が異なることから、全てのワークに対して均一な塗装ができない恐れがあるといった欠点がある。
しかしながら、本発明において提案するディップスピンコーティング法によれば、大量の薄型ワークに対しても膜厚のばらつきを生じさせないで均一な塗膜形成ができる。
以下、本発明において提案するディップスピンコーティング法を、必要に応じて図面を参照しながら説明するが、本発明において提案するディップスピンコーティング法は以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。本発明において提案するディップスピンコーティング法は、ワークの形状にとらわれることなく、あらゆる形状のワークの塗装に適用することができるが、とりわけ平板状やリング状や弓形状などの薄型ワークの塗装に好適であるので、以下の説明においては、本発明の方法を平板状ワークとリング状ワークの塗装に適用する場合を例にとる。
図1は、本発明において提案するディップスピンコーティング法の一例の概略工程図である。その工程を順を追って説明すると、(a)まず、鉛直方向の中心軸1を回転軸として回転可能な回転台座2の略外周端部上に、複数個の平板状ワークXを、その個々の最も広い面(平面)が放射状方向に略平行になるように略環状に保持する。(b)次に、エアシリンダ3により塗料槽4を上昇させてワークXが保持された回転台座2を塗料槽4に浸漬することでワークXに塗料を浸漬塗装する。(c)次に、エアシリンダ3により塗料槽4を下降させて回転台座2を液中から取り出す。(d)最後に、回転台座2をモータ5により中心軸1を回転軸として回転させて(少なくとも1回は回転方向を逆転することが望ましい)、ワークXの平面に余分に付着した塗料を遠心振り切りする。この方法によれば、粘性が比較的高い塗料(例えば粘度が200cPを超えるようなもの)であっても、回転台座2の大きさを調整したり回転速度を制御したりすることで、ワークXの平面への塗料の付着量を自在に調整することができることから、形成される塗膜の膜厚も自在に調整することができる。
なお、回転台座2の台座面は、塗料溜りができたりしないように、メッシュ状であることが望ましい。
図2(a)は、回転台座2の略外周端部上に、複数個の平板状ワークXを、その個々の平面が放射状方向に略平行になるように略環状に保持した状態の一例の概略部分斜視図である。図2(b)は、ワークXを保持した回転台座2をその上方から見た図である。ワークXは、回転台座2に敷設された2本の保持部材(断面が半円の棒状のものが望ましい)11上に載置される。ワークXは、図1に示したように、回転台座2上に直に載置してもよいが、このような載置方法を採用することで、ワークXの下面に生じる載置跡を極小化することができる(図2(c)参照)。
個々の平板状ワークXは、保持部材11に対して鉛直方向に設けられたスペーサ12によって離間した状態で保持される。なお、スペーサ12はワークXの横転を防止する機能も併せ持つ。隣接するスペーサ12とスペーサ12の間隔は、ワークXの厚みよりも広いことが望ましい。常にワークXの両面にスペーサ12が当接していると、その当接跡が顕著になるからである。また、スペーサ12の断面は円形であることが望ましい。回転台座2を回転させることによってワークXの平面に生じる当接跡を極小化することができるからである。
工程(d)において、回転台座2をモータ5により中心軸1を回転軸として回転させて平板状ワークXの平面に余分に付着した塗料を遠心振り切りする際、ワークXは、遠心力により放射状方向に飛び出そうとするが、図略の構成によって回転台座2に固定され、水平方向に配置された遠心飛び出し規制棒13は、ワークXの外側側面に当接してワークXの放射状方向への飛び出しを規制する働きを有する。また、遠心飛び出し規制棒13に対して回転軸方向に設けられたスペーサ14は、遠心振り切り中のワークXの動きを規制する働きを有する。
図3(a)は、回転台座2の略外周端部上に、複数個のリング状ワークYを、その個々の平面が放射状方向に略平行になるように略環状に保持した状態の一例の概略部分斜視図である。ワークYは、図略の構成によって回転台座2に固定された水平吊掛部材15に、そのリング部にて吊り掛けられて保持される。水平吊掛部材15は、断面が円形の棒状のものが望ましい。また、水平吊掛部材15のワークYが吊り掛けられる部分は、例えばV字型に切り欠いておくことが望ましい(図3(b)参照)。水平吊掛部材15をこのような構成とすることで、ワークYのリング部に生じる吊掛跡を極小化することができる。
複数個の薄型ワークにディップスピン塗装を行うに際しては、図1〜図3に示したように、薄型ワークの1個1個を直接的に回転台座に保持させてもよいが、回転台座の略外周端部上に装着した際、複数個の薄型ワークを個々のワークが離間した状態でその最も広い面が回転台座の放射状方向に対して略平行になるように略環状にセットすることができる塗装治具を用いてもよい。
図4は、回転台座の略外周端部上に装着した際、複数個の平板状ワークを個々のワークが離間した状態でその平面が回転台座の放射状方向に対して略平行になるように略環状にセットすることができる塗装治具の一例の概略斜視図である。この塗装治具Zは、複数個の平板状ワークXを個々のワークが離間した状態でその平面が鉛直方向に略平行になるように保持するための、水平方向に平行配置された、2本の、スペーサ22付き保持棒21と、ワークXがセットされた治具を回転台座の略外周端部上に装着して回転台座を回転させた際に、ワークXの外側側面に当接して遠心力による放射状方向へのワークXの飛び出しを規制するための、水平方向に平行配置された、スペーサ24付き遠心飛び出し規制棒23を少なくとも有してなるが、保持棒21の上方に、治具を上下反転させた際に、複数個のワークXを個々のワークが離間した状態でその平面が鉛直方向に略平行になるように、かつ、ワークXの上部が保持棒21と空間を存するように保持するための、保持棒21に平行配置された、2本の、スペーサ26付き棒状部材25をさらに有してなる。ワークXを上段にて保持するための保持棒21は、治具を上下反転させた際に、棒状部材25として機能する。
図5は、複数個の薄型ワークXをセットした塗装治具Zの概略正面図(a)とD−D断面図(b)である。
保持棒21と棒状部材25は、断面が円形であることが望ましい。薄型ワークXの下面に生じる載置跡を極小化することができるからである。また、遠心飛び出し規制棒23も、断面が円形であることが望ましい。薄型ワークXの外側側面に生じる当接跡を極小化することができるからである。また、スペーサ22とスペーサ24とスペーサ26も、断面が円形であることが望ましい。薄型ワークXの平面に生じる当接跡を極小化することができるからである。なお、保持棒21と棒状部材25は、必ずしも2本必要であるわけではなく、1本であってもよい。
図4に示した塗装治具Zは、例えば、次のようにして用いられる。図6は、自体公知の着脱自在な装着手段により、複数個の平板状ワークXをセットした塗装治具Zを、回転台座2の略外周端部上に装着した状態の一例の概略部分平面図である。図1に示した概略工程図に従って、エアシリンダ2により塗料槽4を上昇させてワークXをセットした塗装治具Zを装着した回転台座2を塗料槽4に浸漬することでワークXに塗料を浸漬塗装する。次に、エアシリンダ3により塗料槽4を下降させて回転台座2を液中から取り出す。最後に、回転台座2をモータ5により中心軸1を回転軸として回転させてワークXの平面に余分に付着した塗料を遠心振り切りすることでディップスピン塗装を完了する。任意時間経過後、ワークXがセットされたままの塗装治具Zを回転台座2から取り外し、任意の場所で塗装治具ZにセットされたままのワークXを所望により乾燥処理(自然乾燥または加熱乾燥)する。その後、ワークXがセットされたままの塗装治具Zを上下反転させて再び回転台座2に装着し、ディップスピン塗装を前記と同様の工程にて再び行う。このようにすれば、1回目の塗装と2回目の塗装とでは、ワークXに生じる載置跡や当接跡の位置が変わるので、2回目の塗装により、1回目の塗装でワークXに生じた載置跡や当接跡にも塗装が行われることから、ワークXに対してより均一な塗装を行うことができる。その後、ワークXがセットされたままの塗装治具Zを回転台座2から取り外し、任意の場所で塗装治具ZにセットされたままのワークXを所望により乾燥処理(自然乾燥または加熱乾燥)すれば、大量のワークに対しても膜厚のばらつきを生じさせないで均一な塗膜形成を効率よく行うことができる。
なお、水系処理液の希土類系永久磁石の表面への塗布をディップスピンコーティング法で行う場合、粘度が300cP〜600cPの水系処理液を用いることで、より均一な塗膜形成を行うことができる。このような粘度の水系処理液は、上述したように、いったん調製した水系処理液中にセルロース系の増粘剤などを添加することで粘度を高めたものであることが望ましい(増粘剤は水系処理液中に1重量%〜2重量%含まれるように添加することが望ましい)。
表面に水系処理液の塗膜が形成された希土類系永久磁石の熱処理は、250℃〜400℃にて行う。このような温度条件にて熱処理を行うと、水系処理液中に含まれる亜鉛微粒子の一部が、被膜生成過程において、磁石本体表面から内部に適度に拡散することで、密着性に優れた亜鉛微粒子分散耐食性被膜が形成される。熱処理の温度が250℃よりも低いと、このような亜鉛の拡散が十分に起こらないばかりか、水が十分に蒸発せずに希土類系永久磁石の表面に残存することで、その後において磁石の腐食を招く恐れがある一方、400℃よりも高いと、亜鉛の拡散が必要以上に起こることで磁石特性に悪影響を及ぼす恐れがある。熱処理の時間は、例えば、10分〜120分が望ましい。なお、水系処理液を表面に塗布した希土類系永久磁石をいったん100℃〜170℃で仮乾燥してから熱処理を行うことで、より均質な亜鉛微粒子分散耐食性被膜を形成することができる。
亜鉛微粒子分散耐食性被膜は、その膜厚が1μm〜50μmとなるように形成することが望ましく、5μm〜15μmとなるように形成することがより望ましい。膜厚が1μm未満であると、亜鉛微粒子分散耐食性被膜としての特性が十分に発揮されない恐れがある一方、膜厚が50μmを超えると、希土類系永久磁石の有効体積が十分に確保することができなくなる恐れがあるからである。
なお、亜鉛微粒子分散耐食性被膜中に他の無機質微粒子をさらに分散させてもよい。無機質微粒子としては、例えば、アルミニウム、錫、マンガン、マグネシウム、チタン、ニッケルなどの亜鉛と同様に電位的に卑な金属の微粒子が挙げられる。例えば、亜鉛微粒子とともにアルミニウム微粒子を分散させることで、亜鉛微粒子の腐食による白錆(塩基性炭酸亜鉛)の生成を効果的に防止することができる。また、被膜に発生しうるピンホールをより低減化し、被膜の耐食性をより高めるために、被膜中に亜鉛微粒子とともにAl23やTiO2やSiO2やマイカなどの酸化物微粒子を分散させてもよい。亜鉛微粒子とともに他の無機質微粒子を分散させる場合、形成される耐食性被膜の亜鉛微粒子と他の無機質微粒子の合計含有量は、95重量%以下であることが望ましい。
希土類系永久磁石としては、Nd−Fe−B系永久磁石に代表されるR−Fe−B系永久磁石やSm−Fe−N系永久磁石に代表されるR−Fe−N系永久磁石などの公知の希土類系永久磁石が挙げられる。中でも、R−Fe−B系永久磁石は、特に磁気特性が高く、量産性や経済性に優れている点において望ましいものである。希土類系永久磁石は、焼結磁石であってもよいしボンド磁石であってもよい。
希土類系永久磁石における希土類元素(R)は、Nd、Pr、Dy、Ho、Tb、Smのうち少なくとも1種、あるいはさらに、La、Ce、Gd、Er、Eu、Tm、Yb、Lu、Yのうち少なくとも1種を含むものが望ましい。
また、通常はRのうち1種をもって足りるが、実用上は2種以上の混合物(ミッシュメタルやジジムなど)を入手上の便宜などの理由によって使用することもできる。
さらに、Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、Hf、Gaのうち少なくとも1種を添加することで、保磁力や減磁曲線の角型性の改善、製造性の改善、低価格化を図ることが可能となる。また、Feの一部をCoで置換することによって、得られる磁石の磁気特性を損なうことなしに温度特性を改善することができる。
以下、本発明を実施例と比較例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。
実施例1:
出発原料として、電解鉄、フェロボロン、RとしてのNdを所要の磁石組成に配合し、溶解鋳造後、機械的粉砕法にて粗粉砕してから微粉砕することで粒度が3μm〜10μmの微粉末を得、これを10kOeの磁界中で成形してからアルゴン雰囲気中で1100℃×1時間の焼結を行った後、得られた焼結体に対して600℃×2時間の時効処理を行い、15Nd−7B−78Feの組成を有する磁石体から切り出した36mm×32mm×3mm寸法の平板状焼結磁石試験片を用いて以下の実験を行った。
A. エチルシリケート40(エチルシリケートをSiO2換算で40重量%含有する無色透明液体)に水を添加し、1N塩酸でpHを3に調整することでエチルシリケートを加水分解重合反応させ、出発原料としてのエチルシリケートを20重量%(SiO2換算)含有する水溶液を調製した。この水溶液と、有機分散剤(商品名ソルスパースS20000:アビシア社製)と平均長径が20μmの鱗片状亜鉛微粒子(概寸法20μm×20μm×1μm)を水に添加して調製した亜鉛微粒子分散水系媒体を混合し、よく攪拌して1N水酸化ナトリウムでpHを7に調整し、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子の合計配合割合が70重量%(エチルシリケートはSiO2換算)で、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子と有機分散剤の混合比率が、9.9:90:0.1(重量比:エチルシリケートはSiO2換算)である粘度が15cPの水系処理液を得た。
B. エタノールにて超音波洗浄(脱脂処理)してから15分間自然乾燥させた試験片を上記の水系処理液に浸漬した。水系処理液から取り出した試験片を遠心乾燥機に収容し、300rpmにて30秒間振り切りすることで試験片の表面に付着している余分な水系処理液を除去した後、100℃×5分間大気中にて仮乾燥した。こうして表面に塗布した水系処理液を仮乾燥させた試験片を再度水系処理液に浸漬した。水系処理液から取り出した試験片の表面に付着している余分な水系処理液を上記と同様にして除去した後、表面に水系処理液の塗膜が形成された試験片に対して320℃×10分間大気中にて熱処理を行い、試験片の表面に亜鉛微粒子含有量が90重量%の亜鉛微粒子分散耐食性被膜を形成した。形成された亜鉛微粒子分散耐食性被膜の膜厚は約10μmであった(断面観察より)。
C. こうして製造された亜鉛微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片10個に対して35℃の5%塩水を500時間噴霧するという耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
実施例2:
実施例1と同様にして調製した出発原料としてのエチルシリケートを20重量%(SiO2換算)含有するpHが3の水溶液と、有機分散剤(商品名ソルスパースS20000:アビシア社製)と平均長径が20μmの鱗片状亜鉛微粒子(概寸法20μm×20μm×1μm)と平均粒径が3μmの粒状アルミニウム微粒子を水に添加して調製した亜鉛・アルミニウム微粒子分散水系媒体を混合し、よく攪拌して1N水酸化ナトリウムでpHを7に調整し、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子とアルミニウム微粒子の合計配合割合が70重量%(エチルシリケートはSiO2換算)で、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子とアルミニウム微粒子と有機分散剤の混合比率が、9.9:60:30:0.1(重量比:エチルシリケートはSiO2換算)である粘度が13cPの水系処理液を得た。この水系処理液を用いて実施例1と同様の試験片の表面に実施例1と同様にして亜鉛微粒子含有量が60重量%でアルミニウム微粒子含有量が30重量%の亜鉛・アルミニウム微粒子分散耐食性被膜を形成した。形成された亜鉛・アルミニウム微粒子分散耐食性被膜の膜厚は約10μmであった(断面観察より)。こうして製造された亜鉛・アルミニウム微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片10個に対して実施例1と同様の耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
実施例3:
実施例1と同様にして調製した出発原料としてのエチルシリケートを20重量%(SiO2換算)含有するpHが3の水溶液と、有機分散剤(商品名ソルスパースS20000:アビシア社製)と平均長径が20μmの鱗片状亜鉛微粒子(概寸法20μm×20μm×1μm)と平均粒径が3μmの粒状アルミニウム微粒子と平均粒径が3μmの粒状錫微粒子を水に添加して調製した亜鉛・アルミニウム・錫微粒子分散水系媒体を混合し、よく攪拌して1N水酸化ナトリウムでpHを7に調整し、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子とアルミニウム微粒子と錫微粒子の合計配合割合が70重量%(エチルシリケートはSiO2換算)で、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子とアルミニウム微粒子と錫微粒子と有機分散剤の混合比率が、9.9:55:25:10:0.1(重量比:エチルシリケートはSiO2換算)である粘度が18cPの水系処理液を得た。この水系処理液を用いて実施例1と同様の試験片の表面に実施例1と同様にして亜鉛微粒子含有量が55重量%でアルミニウム微粒子含有量が25重量%で錫微粒子含有量が10重量%の亜鉛・アルミニウム・錫微粒子分散耐食性被膜を形成した。形成された亜鉛・アルミニウム・錫微粒子分散耐食性被膜の膜厚は約10μmであった(断面観察より)。こうして製造された亜鉛・アルミニウム・錫微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片10個に対して実施例1と同様の耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
比較例1:
A. SiO2/Na2Oが4.0でpHが12のアルカリ珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液と、有機分散剤(商品名ソルスパースS20000:アビシア社製)と平均長径が20μmの鱗片状亜鉛微粒子(概寸法20μm×20μm×1μm)を水に添加して調製した亜鉛微粒子分散水系媒体を混合し、よく攪拌して、出発原料としてのアルカリ珪酸ナトリウムと亜鉛微粒子の合計配合割合が70重量%(アルカリ珪酸ナトリウムはSiO2換算)で、出発原料としてのアルカリ珪酸ナトリウムと亜鉛微粒子と有機分散剤の混合比率が、9.9:90:0.1(重量比:アルカリ珪酸ナトリウムはSiO2換算)である処理液を得た。
B. エタノールにて超音波洗浄(脱脂処理)してから15分間自然乾燥させた実施例1と同様の試験片を上記の処理液に浸漬した。処理液から取り出した試験片を遠心乾燥機に収容し、300rpmにて30秒間振り切りすることで試験片の表面に付着している余分な処理液を除去した後、100℃×5分間大気中にて仮乾燥した。こうして表面に塗布した処理液を仮乾燥させた試験片を再度処理液に浸漬した。処理液から取り出した試験片の表面に付着している余分な処理液を上記と同様にして除去した後、表面に処理液の塗膜が形成された試験片に対して150℃×30分間大気中にて熱処理を行い、試験片の表面に亜鉛微粒子含有量が90重量%の亜鉛微粒子分散耐食性被膜を形成した。形成された亜鉛微粒子分散耐食性被膜の膜厚は約10μmであった(断面観察より)。
C. こうして製造された亜鉛微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片10個に対して35℃の5%塩水を500時間噴霧するという耐食性試験を行ったところ、200時間経過時点において外観変化(発錆)を来したものが7個存在した。
実施例4:
急冷合金法で作製した、Nd:12原子%、Fe:77原子%、B:6原子%、Co:5原子%の組成からなる平均長径150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2wt%加えて混練し、686N/mm2の圧力で圧縮成形した後、150℃で1時間キュアすることによって作製した、外径30mm×内径28mm×長さ4mmのリング状ボンド磁石試験片を用いて実施例1と同様の実験を行い、試験片の表面に亜鉛微粒子含有量が90重量%の亜鉛微粒子分散耐食性被膜を形成した。形成された亜鉛微粒子分散耐食性被膜の膜厚は約10μmであった(断面観察より)。また、EPMA(電子線マイクロアナライザー:島津製作所社製EPM810)を用いて亜鉛微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片の表面付近の断面観察を行った。その2次電子像を図7に亜鉛X線像を図8に鉄X線像を図9に示す。図7〜図9より、試験片本体表面から内部に亜鉛が拡散していることが判明した。なお、亜鉛の拡散による試験片本体の磁気特性の劣化は認められなかった。こうして製造された亜鉛微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片10個に対して35℃の5%塩水を500時間噴霧するという耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
実施例5:
実施例1で調製した水系処理液に、増粘剤としてヒドロキシエチルセルロースをその濃度が1重量%となるように添加し、粘度を450cPに調整した。エタノールにて超音波洗浄(脱脂処理)してから15分間乾燥させた実施例1と同様の多数の試験片を、図4に示した塗装治具にセットし、試験片をセットした塗装治具を図6のようにして回転台座の略外周端部上に装着し、図1のようにして前記の処理液を用いたディップスピンコーティングを行った(遠心振り切りは300rpmで30秒間)。その後、試験片がセットされたままの塗装治具を回転台座から取り外し、試験片を塗装治具にセットしたまま130℃×10分間大気中にて仮乾燥し、続いて、表面に水系処理液の塗膜が形成された試験片に対して350℃×30分間大気中にて熱処理を行った。次に、試験片がセットされたままの塗装治具を上下反転させて再び回転台座に装着し、前記と同様の工程でディップスピンコーティングと仮乾燥と熱処理を行うことで、試験片の表面に亜鉛微粒子含有量が90重量%の亜鉛微粒子分散耐食性被膜を形成した。形成された亜鉛微粒子分散耐食性被膜の膜厚は10μmであった(断面観察より)。こうして製造された亜鉛微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片10個に対して実施例1と同様の耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
実施例6:
実施例2で調製した水系処理液に、増粘剤としてヒドロキシエチルセルロースをその濃度が1重量%となるように添加し、粘度を440cPに調整した。この処理液を用いて、エタノールにて超音波洗浄(脱脂処理)してから15分間乾燥させた実施例1と同様の試験片の表面に、実施例5と同様にして、亜鉛微粒子含有量が60重量%でアルミニウム微粒子含有量が30重量%の亜鉛・アルミニウム微粒子分散耐食性被膜を形成した。形成された亜鉛・アルミニウム微粒子分散耐食性被膜の膜厚は10μmであった(断面観察より)。こうして製造された亜鉛・アルミニウム微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片10個に対して実施例1と同様の耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
実施例7:
実施例3で調製した水系処理液に、増粘剤としてヒドロキシエチルセルロースをその濃度が1重量%となるように添加し、粘度を460cPに調整した。この処理液を用いて、エタノールにて超音波洗浄(脱脂処理)してから15分間乾燥させた実施例1と同様の試験片の表面に、実施例5と同様にして、亜鉛微粒子含有量が55重量%でアルミニウム微粒子含有量が25重量%で錫微粒子含有量が10重量%の亜鉛・アルミニウム・錫微粒子分散耐食性被膜を形成した。形成された亜鉛・アルミニウム・錫微粒子分散耐食性被膜の膜厚は10μmであった(断面観察より)。こうして製造された亜鉛・アルミニウム・錫微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片10個に対して実施例1と同様の耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
実施例8:
実施例1と同様にして調製した出発原料としてのエチルシリケートを20重量%(SiO2換算)含有するpHが3の水溶液と、有機分散剤(商品名ソルスパースS20000:アビシア社製)と平均長径が20μmの鱗片状亜鉛微粒子(概寸法20μm×20μm×1μm)と平均粒径が3μmの粒状アルミニウム微粒子と平均粒径が3μmの粒状錫微粒子と平均粒径が1μmのアルミナ微粒子を水に添加して調製した亜鉛・アルミニウム・錫・アルミナ微粒子分散水系媒体を混合し、よく攪拌して1N水酸化ナトリウムでpHを7に調整し、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子とアルミニウム微粒子と錫微粒子とアルミナ微粒子の合計配合割合が70重量%(エチルシリケートはSiO2換算)で、出発原料としてのエチルシリケートと亜鉛微粒子とアルミニウム微粒子と錫微粒子とアルミナ微粒子と有機分散剤の配合比率が、9.9:55:25:8:2:0.1(重量比:エチルシリケートはSiO2換算)である粘度が16cPの水系処理液を得た。この水系処理液に、増粘剤としてヒドロキシエチルセルロースをその濃度が1重量%となるように添加し、粘度を465cPに調整した。この処理液を用いて、エタノールにて超音波洗浄(脱脂処理)してから15分間乾燥させた実施例1と同様の試験片の表面に、実施例5と同様にして、亜鉛微粒子含有量が55重量%でアルミニウム微粒子含有量が25重量%で錫微粒子含有量が8重量%でアルミナ微粒子含有量が2重量%の亜鉛・アルミニウム・錫・アルミナ微粒子分散耐食性被膜を形成した。形成された亜鉛・アルミニウム・錫・アルミナ微粒子分散耐食性被膜の膜厚は10μmであった(断面観察より)。こうして製造された亜鉛・アルミニウム・錫・アルミナ微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片10個に対して実施例1と同様の耐食性試験を行ったが、試験後において外観変化(発錆)を来したものはなかった。
比較例2:
比較例1で調製した処理液に、増粘剤としてヒドロキシエチルセルロースをその濃度が1重量%となるように添加し、粘度を420cPに調整した。この処理液を用いて、エタノールにて超音波洗浄(脱脂処理)してから15分間乾燥させた実施例1と同様の試験片の表面に、仮乾燥条件と熱処理条件を比較例1と同様にしたこと以外は実施例5と同様にして、亜鉛微粒子含有量が90重量%の亜鉛微粒子分散耐食性被膜を形成した。形成された亜鉛微粒子分散耐食性被膜の膜厚は10μmであった(断面観察より)。こうして製造された亜鉛微粒子分散耐食性被膜を表面に有する試験片10個に対して実施例1と同様の耐食性試験を行ったところ、200時間経過時点において外観変化(発錆)を来したものが6個存在した。
本発明は、亜鉛微粒子分散耐食性被膜を表面に有する希土類系永久磁石の安定かつ簡易な製造方法、こうして製造される耐食性希土類系永久磁石、各種形状の薄型ワークに対する塗膜形成に適したディップスピンコーティング法およびワークの塗膜形成方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
本発明のワークのディップスピン塗装方法の一例の概略工程図。 本発明の回転台座の略外周端部上に複数個の平板状ワークを保持した状態の一例の概略図。 本発明の回転台座の略外周端部上に複数個のリング状ワークを保持した状態の一例の概略図。 本発明の塗装治具の一例の概略斜視図。 本発明の複数個の平板状ワークをセットした塗装治具の概略図。 本発明の複数個の平板状ワークをセットした塗装治具を回転台座の略外周端部上に装着した状態の一例の概略図。 実施例4におけるEPMA2次電子像。 同、亜鉛X線像。 同、鉄X線像。
符号の説明
1 中心軸(回転軸)
2 回転台座
3 エアシリンダ
4 塗料槽
5 モータ
11 保持部材
12 スペーサ
13 遠心飛び出し規制棒
14 スペーサ
15 水平吊掛部材
21 保持棒
22 スペーサ
23 遠心飛び出し規制棒
24 スペーサ
25 棒状部材
26 スペーサ
X 薄型ワーク(平板状ワーク)
Y 薄型ワーク(リング状ワーク)
Z 塗装治具

Claims (19)

  1. アルキルシリケートの加水分解重合反応物と平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を含有したpHが6〜8で粘度が1000cP以下の水系処理液を、希土類系永久磁石の表面に塗布した後、250℃〜400℃にて熱処理を行うことで亜鉛微粒子分散耐食性被膜とし、かつ、磁石本体表面から内部に亜鉛を拡散させることを特徴とする耐食性希土類系永久磁石の製造方法。
  2. 亜鉛微粒子が鱗片状のものであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の合計配合割合が40重量%〜90重量%(アルキルシリケートはSiO換算)であることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  4. 水系処理液中における出発原料としてのアルキルシリケートと亜鉛微粒子の混合比率が1:1〜1:19(重量比:アルキルシリケートはSiO換算)であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 水系処理液中に有機分散剤を添加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 亜鉛微粒子分散耐食性被膜の膜厚が1μm〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 亜鉛微粒子分散耐食性被膜中に他の無機質微粒子をさらに分散させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 水系処理液の希土類系永久磁石の表面への塗布をディップスピンコーティング法で行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 粘度が300cP〜600cPの水系処理液を用いて行うことを特徴とする請求項8記載の製造方法。
  10. 鉛直方向の中心軸を回転軸として回転可能な回転台座の略外周端部上に、複数個の希土類系永久磁石を保持し、希土類系永久磁石が保持された回転台座を水系処理液槽に浸漬することで希土類系永久磁石に水系処理液を浸漬塗装した後、液中から取り出し、回転台座を回転させて希土類系永久磁石に余分に付着した水系処理液を遠心振り切りすることでディップスピンコーティングを行うことを特徴とする請求項8または9記載の製造方法。
  11. 複数個の希土類系永久磁石を回転台座の略外周端部上に略環状に保持することを特徴とする請求項10記載の製造方法。
  12. 希土類系永久磁石が薄型磁石であることを特徴とする請求項10または11記載の製造方法。
  13. 薄型磁石をその最も広い面が回転台座の放射状方向に対して略平行になるように保持することを特徴とする請求項12記載の製造方法。
  14. 回転台座の略外周端部上に装着した際、複数個の薄型磁石を個々の磁石が離間した状態でその最も広い面が回転台座の放射状方向に対して略平行になるように略環状にセットすることができる塗装治具を用いて行うことを特徴とする請求項13記載の製造方法。
  15. 薄型磁石が平板状、リング状、弓形状のいずれかの形状であることを特徴とする請求項12記載の製造方法。
  16. ディップスピンコーティングを行った後、薄型磁石がセットされたままの塗装治具を回転台座から取り外し、任意の場所で塗装治具にセットされたままの薄型磁石を熱処理することを特徴とする請求項14記載の製造方法。
  17. アルキルシリケートを出発原料とした被膜成分中に平均粒径が1μm〜50μmの亜鉛微粒子を分散させた耐食性被膜を表面に有し、かつ、磁石本体表面から内部に亜鉛が拡散していることを特徴とする希土類系永久磁石。
  18. 耐食性被膜の亜鉛微粒子含有量が50重量%〜95重量%であることを特徴とする請求項17記載の希土類系永久磁石
  19. 請求項1記載の製造方法により製造されたことを特徴とする請求項17または18記載の希土類系永久磁石
JP2003397416A 2002-11-29 2003-11-27 耐食性希土類系永久磁石の製造方法および耐食性希土類系永久磁石 Expired - Lifetime JP4285218B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003397416A JP4285218B2 (ja) 2002-11-29 2003-11-27 耐食性希土類系永久磁石の製造方法および耐食性希土類系永久磁石

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002348841 2002-11-29
JP2003319207 2003-09-11
JP2003397416A JP4285218B2 (ja) 2002-11-29 2003-11-27 耐食性希土類系永久磁石の製造方法および耐食性希土類系永久磁石

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005109421A JP2005109421A (ja) 2005-04-21
JP4285218B2 true JP4285218B2 (ja) 2009-06-24

Family

ID=34556946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003397416A Expired - Lifetime JP4285218B2 (ja) 2002-11-29 2003-11-27 耐食性希土類系永久磁石の製造方法および耐食性希土類系永久磁石

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4285218B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4775104B2 (ja) * 2006-05-09 2011-09-21 Tdk株式会社 希土類磁石
JP5090781B2 (ja) * 2007-04-27 2012-12-05 株式会社ソフテム 永久磁石の防食方法
JP4618390B1 (ja) * 2009-12-16 2011-01-26 Tdk株式会社 希土類焼結磁石製造方法及び塗布装置
JP5472444B2 (ja) * 2010-03-04 2014-04-16 Tdk株式会社 希土類焼結磁石及びモータ
JP5088404B2 (ja) * 2010-08-23 2012-12-05 Tdk株式会社 希土類焼結磁石製造方法及び塗布装置
JP6236826B2 (ja) * 2013-03-27 2017-11-29 日立金属株式会社 筒型バレルに収容した被処理物の乾燥方法
JP6365393B2 (ja) 2015-04-28 2018-08-01 信越化学工業株式会社 希土類磁石の製造方法及び希土類化合物の塗布装置
JP6459758B2 (ja) 2015-04-28 2019-01-30 信越化学工業株式会社 希土類磁石の製造方法及び希土類化合物の塗布装置
JP7417038B2 (ja) 2018-09-26 2024-01-18 日亜化学工業株式会社 希土類磁性粉末の製造方法
CN112750615B (zh) * 2020-12-23 2022-12-02 北京京磁电工科技有限公司 超重力旋转填料装置及提高烧结钕铁硼晶界扩散效率的方法
TWI769121B (zh) * 2022-01-10 2022-06-21 磁河智慧財產顧問有限公司 廢磁石再生方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005109421A (ja) 2005-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080124567A1 (en) Corrosion-resistant rare earth metal-based permanent magnet
JP4285218B2 (ja) 耐食性希土類系永久磁石の製造方法および耐食性希土類系永久磁石
JP2013191849A (ja) NdFeB焼結磁石
JP3159693B1 (ja) 耐食性被膜を有する希土類系永久磁石の製造方法
JP2021087010A (ja) Nd−Fe−B系焼結永久磁性体の希土類元素拡散処理方法
CN110610787A (zh) 重稀土晶界扩散型RE-Fe-B类稀土磁铁及其制备方法
KR20000017644A (ko) 내식성 피막을 가지는 Fe-B-R계 영구자석의 제조방법
CN110767440B (zh) 一种磁体的表面处理方法、磁体、系统及其应用
CN100361239C (zh) 抗腐蚀稀土金属基永磁体的制造方法、抗腐蚀稀土金属基永磁体
EP1441047B1 (en) Method for forming electroplated coating on surface of article
WO2015051756A1 (zh) 烧结钕铁硼磁体的表面处理方法和制造方法
JP4529260B2 (ja) R−Fe−B系永久磁石およびその製造方法
CN106935390B (zh) 一种稀土烧结磁铁的表面处理方法
JP5573663B2 (ja) 耐食性磁石の製造方法
JP2001176711A (ja) ボンド磁石の製造方法、ボンド磁石粉末の製造方法、ボンド磁石及びボンド磁石粉末
JP2004200387A (ja) 耐食性永久磁石およびその製造方法
JP2002220675A (ja) ゾルゲル法による金属酸化物被膜の形成方法
JP3719483B2 (ja) 希土類系磁性粉末およびその表面処理方法
JP4225063B2 (ja) 高耐食性永久磁石およびその製造方法
JP2004356328A (ja) 耐食性希土類系永久磁石およびその製造方法
JP2002105655A (ja) コーティング被膜付き金属部材の製造方法
JP4131385B2 (ja) 希土類系永久磁石の製造方法
JPH06176911A (ja) 耐食性永久磁石とその製造方法
JP2000232026A (ja) 耐食性皮膜を有するFe−B−R系永久磁石の製造方法
JP2004071912A (ja) 永久磁石の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060623

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090303

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090316

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4285218

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140403

Year of fee payment: 5

EXPY Cancellation because of completion of term