JP2002220675A - ゾルゲル法による金属酸化物被膜の形成方法 - Google Patents

ゾルゲル法による金属酸化物被膜の形成方法

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JP2002220675A
JP2002220675A JP2001015023A JP2001015023A JP2002220675A JP 2002220675 A JP2002220675 A JP 2002220675A JP 2001015023 A JP2001015023 A JP 2001015023A JP 2001015023 A JP2001015023 A JP 2001015023A JP 2002220675 A JP2002220675 A JP 2002220675A
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sol
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Atsushi Kikukawa
篤 菊川
Fumiaki Kikui
文秋 菊井
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板状希土類系永久磁石などの被処理物に対し
て均一な金属酸化物被膜をゾルゲル法により簡易に効率
よく形成するための方法を提供すること。 【解決手段】 金属酸化物被膜の原料となる金属化合物
の加水分解反応と重合反応によって得られるゾル液を被
処理物に塗布した後、熱処理して被処理物表面に金属酸
化物被膜を形成するに際し、被処理物を載置することが
できる台座が複数個直列的に配置され、被処理物を台座
上から台座上に移送するために、各台座を被処理物の移
送方向に傾動自在とし、各台座を傾動させることにより
被処理物を隣接する台座上に反転させながら移送するこ
とができる移送手段上で、ゾル液が塗布された被処理物
を移送しながら熱処理を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状希土類系永久
磁石などの被処理物に対して均一な金属酸化物被膜をゾ
ルゲル法により簡易に効率よく形成するための方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】Nd−Fe−B系永久磁石に代表される
R−Fe−B系永久磁石などの希土類系永久磁石は、高
い磁気特性を有しているが、大気中で酸化腐食されやす
い金属種(特にR)を含むので、表面処理を行わずに使
用した場合には、わずかな酸やアルカリや水分などの存
在によって表面から腐食が進行して錆が発生し、それに
伴って、磁石特性の劣化やばらつきを招くことになる。
さらに、錆が発生した磁石を磁気回路などの装置に組み
込んだ場合、錆が飛散して周辺部品を汚染する恐れがあ
る。従って、これらの問題点を回避するために、従来か
ら、該磁石に要求される耐食性を付与すべく耐食性被膜
としての金属酸化物被膜をゾルゲル法によりその表面に
形成することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ゾルゲル法に
よる金属酸化物被膜の形成は、金属酸化物被膜の原料と
なる金属化合物の加水分解反応と重合反応によって得ら
れるゾル液を磁石に塗布した後、熱処理することにより
行われる。ゾル液の磁石への塗布方法としてはディップ
コーティング法やスプレー法などがあるが、一般に、デ
ィップコーティング法を採用した場合、磁石をゾル液に
浸漬してから引き上げて熱処理するので、磁石に磁石支
持部材の接点跡が残る。従って、磁石表面全体に金属酸
化物被膜を形成するためには、支持部材の支持位置を替
えて2回コーティングすることが必要であり、生産性に
劣るという問題がある。また、スプレー法を採用した場
合、磁石表面全体に均一に金属酸化物被膜を形成するこ
とは困難であり、磁石の端部に液だれが生じやすく、磁
石に磁石支持部材の接点跡が残るので、歩留まりが悪
く、生産性に乏しいという問題がある。バレル治具を使
用して行う方法もあるが、液だれの問題を解消すること
は困難であり、磁石表面全体に均一に金属酸化物被膜を
形成することができない。また、バレル治具内で磁石同
士が衝突することにより、板状磁石のような場合には磁
石の割れや欠けを発生させる恐れがある。また、熱処理
時の磁石同士の固着も問題となる。このような事情に鑑
み、従来から、磁石のような個片の被処理物の表面全体
に均一な金属酸化物被膜をゾルゲル法により簡易に効率
よく形成するための方法が待ち望まれていた。そこで、
本発明においては、板状希土類系永久磁石などの被処理
物に対して均一な金属酸化物被膜をゾルゲル法により簡
易に効率よく形成するための方法を提供することを目的
としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するべく鋭意検討を行った結果なされたもので、本
発明のゾルゲル法による金属酸化物被膜の形成方法は、
請求項1記載の通り、金属酸化物被膜の原料となる金属
化合物の加水分解反応と重合反応によって得られるゾル
液を被処理物に塗布した後、熱処理して被処理物表面に
金属酸化物被膜を形成するに際し、被処理物を載置する
ことができる台座が複数個直列的に配置され、被処理物
を台座上から台座上に移送するために、各台座を被処理
物の移送方向に傾動自在とし、各台座を傾動させること
により被処理物を隣接する台座上に反転させながら移送
することができる移送手段上で、ゾル液が塗布された被
処理物を移送しながら熱処理を行うことを特徴とする。
また、請求項2記載の形成方法は、請求項1記載の形成
方法において、台座が開口部を有することを特徴とす
る。また、請求項3記載の形成方法は、請求項2記載の
形成方法において、台座が櫛状または網状であることを
特徴とする。また、請求項4記載の形成方法は、請求項
1乃至3のいずれかに記載の形成方法において、ゾル液
の被処理物への塗布をディップコーティング法により行
うものであって、前記移送手段の上流部をゾル液中に浸
漬させ、かつ、下流部に向かって一定の斜度をもって液
面から突出させたことを特徴とする。また、請求項5記
載の形成方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の形
成方法において、ゾル液の被処理物への塗布をスプレー
法により行うものであって、前記移送手段の上流部で反
転しながら移送される被処理物に対して移送手段の上方
に設置したスプレーノズルからゾル液をスプレーするこ
とによりゾル液を塗布することを特徴とする。また、請
求項6記載の形成方法は、請求項1乃至5のいずれかに
記載の形成方法において、ゾル液を被処理物に塗布した
後、熱処理を行う前に、ブロアーにより被処理物に過剰
に付着したゾル液を除去することを特徴とする。また、
請求項7記載の形成方法は、請求項1乃至6のいずれか
に記載の形成方法において、被処理物が板状希土類系永
久磁石であることを特徴とする。また、本発明の表面に
金属酸化物被膜を有する板状希土類系永久磁石は、請求
項8記載の通り、請求項7記載の形成方法により得られ
ることを特徴とする。また、本発明のゾルゲル法による
金属酸化物被膜の形成用装置は、請求項9記載の通り、
金属酸化物被膜の原料となる金属化合物の加水分解反応
と重合反応によって得られるゾル液を板状被処理物に塗
布した後、熱処理して被処理物表面に金属酸化物被膜を
形成するに際し、被処理物を載置することができる台座
が複数個直列的に配置され、被処理物を台座上から台座
上に移送するために、各台座を被処理物の移送方向に傾
動自在とし、各台座を傾動させることにより被処理物を
隣接する台座上に反転させながら移送することができる
移送手段上で、ゾル液が塗布された被処理物を移送しな
がら熱処理を行うことができるようにしたことを特徴と
する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のゾルゲル法による金属酸
化物被膜の形成方法は、金属酸化物被膜の原料となる金
属化合物の加水分解反応と重合反応によって得られるゾ
ル液を被処理物に塗布した後、熱処理して被処理物表面
に金属酸化物被膜を形成するに際し、被処理物を載置す
ることができる台座が複数個直列的に配置され、被処理
物を台座上から台座上に移送するために、各台座を被処
理物の移送方向に傾動自在とし、各台座を傾動させるこ
とにより被処理物を隣接する台座上に反転させながら移
送することができる移送手段上で、ゾル液が塗布された
被処理物を移送しながら熱処理を行うことを特徴とする
ものである。
【0006】本発明のゾルゲル法による金属酸化物被膜
の形成方法においては、ゾル液の被処理物への塗布方法
は特段限定されるものではなく、ディップコーティング
法やスプレー法などを採用することがでる。
【0007】図1は、ゾル液の被処理物への塗布をディ
ップコーティング法により行う場合における、本発明の
ゾルゲル法による金属酸化物被膜の形成方法の実施の形
態の一例の概略構成を示す側断面図である。図1に示し
たゾルゲル法による金属酸化物被膜の形成用装置Aにお
いては、櫛状の台座3が複数個直列的に配置され、該台
座3に被処理物として、例えば、板状希土類系永久磁石
(以下、板状磁石と略称する)Wが載置される。台座3
は板状磁石Wを台座上から台座上に移送するために、板
状磁石Wの移送方向に傾動自在に設置されており、台座
3を傾動させることにより板状磁石Wを隣接する台座上
に反転させながら移送することができる。この装置にお
いては、この移送手段の上流部を処理槽1内のゾル液2
中に浸漬させ、かつ、下流部に向かって一定の斜度をも
って液面から突出させるとともに、下流部を水平状態に
保ち、ゾル液が塗布された板状磁石Wを反転させながら
移送してヒーター6(乾燥炉であってもよい)で熱処理
を行うものである。
【0008】図2は、台座を傾動させて板状磁石を隣接
する台座上に反転させながら移送する機構を示す概略側
面図である。例えば、後述する傾動駆動機構によって台
座3を傾動軸3aを中心に傾動、即ち、回転させると、
90度以上傾動させた時点で板状磁石Wは反転して隣接
する台座上(図中の右隣の台座上)に移送される。その
後、台座3はもとの傾動方向と反対方向に傾動して初期
位置に戻る。なお、台座は隣接する台座の傾動のタイミ
ングにあわせてさらに傾動を続け、360度傾動して初
期位置に戻るものであってもよい。
【0009】図3は、台座と傾動駆動機構の詳細を示す
斜視図である。複数個の櫛状の台座が直列的に配置され
ている(3−1、3−2、3−3、3−4、・・・)。
櫛状の台座は傾動軸3aに複数のピン3bを垂直方向に
固着することにより形成されており、一台座おきに2つ
の駆動軸に連結されている。即ち、奇数番目の台座(3
−1、3−3、・・・)はその傾動軸が正面の駆動軸4
aに連結されており、偶数番目の台座(3−2、3−
4、・・・)はその傾動軸が背面の駆動軸4bに連結さ
れている。駆動軸は歯車を介してモータに連結されてお
り、2本の駆動軸4aと4bを交互に作動させることに
よって奇数番目の台座と偶数番目の台座を交互に傾動さ
せることにより、板状磁石を順次隣接する台座に反転さ
せながら移送することができる。
【0010】板状磁石は台座上から台座上に反転しなが
ら移送されるので、板状磁石の台座との接点が固定化さ
れないことから、接点跡のない均一な金属酸化物被膜を
その表面に形成することができる。また、バレル方式に
よって行う場合のように板状磁石が重なり合うことなく
個々に移送されながら処理されるため、磁石の割れや欠
けを発生させたり、磁石同士を固着させたり、形成され
た金属酸化物被膜を傷つけたりすることがない。
【0011】台座を構成する素材は金属素材であっても
よいし非金属素材であってもよい。台座の形状はどのよ
うなものであってもよいが、板状磁石と台座との接点面
積を少なくし、ゾル液の液切れをよくするためには、櫛
状や網状(メッシュやパンチング網など)などのような
開口部を有する台座が望ましい。櫛の形状や開口間隔、
網の開口面積などは板状磁石の大きさや形状などに応じ
て適宜設定すればよいが、板状磁石と台座との接点位置
を最大限に変化させるために異なる形状の台座を組み合
わせて使用してもよい。板状磁石と台座との接点面積を
できるだけ少なくするために台座表面形状を波状や突起
状などの凹凸形状としてもよい。図4に示したように、
板状磁石が傾動する際に台座13上から滑り落ちないよ
うに、傾動軸13aに切り欠き部14を設けたり、傾動
軸を角材にしたりしてもよい。図5に示したように、台
座23の端部には板状磁石Wの滑り止め24を設けても
よい。台座を取り外し交換可能にしておけば、洗浄の際
などに利便性が高い。
【0012】図1に示した装置においては、板状磁石の
移送方向が一方向であるが、図6に示したように、末端
の台座以外の台座33を傾動軸33aを対称としてその
両側に複数のピン33bを固着したものとし、当該ピン
が隣接する台座のピンとピンの間に位置するように各台
座を配置し、傾動軸33aを時計回りにも半時計回りに
も回転させることができるようにすることにより、移送
手段上で板状磁石が反転しながら左方向から右方向に、
右方向から左方向にというように両方向に移送されるこ
とにより往復運動するようにしてもよい。
【0013】図1に示した装置においては、移送手段の
上流部を処理槽1内のゾル液2中に浸漬させ、かつ、下
流部に向かって一定の斜度をもって液面から突出させて
いる。かかる構成により、板状磁石Wが処理槽1内から
連続的に搬出されるとともに、その過程において、板状
磁石Wに過剰に付着しているゾル液が自然に流れ落とさ
れるという効果を発揮させることができる。また、熱処
理を行う前に、例えば、移送手段がゾル液面から突出し
た後、水平状態になるまでの一定の角度で傾斜している
位置で、ブロアー7からエアーカーテン状に温風を吹き
出させて、板状磁石Wに過剰に付着したゾル液を除去す
ることが望ましい。
【0014】処理槽1への板状磁石Wの搬入方法として
は、例えば、図1に示したように、移送方向の上流部末
端の台座に、板状磁石Wを処理槽1内に搬入するための
一定の角度で傾斜した搬入手段(ベルト)5を隣接して
設ける方法が挙げられる。搬送手段5への板状磁石Wの
供給は、例えば、所定の間隔をもって、1個ずつ、また
は、複数個のかたまり(ブロック)で間欠的に供給さ
れ、台座上に移送される。なお、この搬入手段が本発明
において構成される移送手段の一部をなすようにしても
よい。
【0015】図7は、ゾル液の被処理物への塗布をスプ
レー法により行う場合における、本発明のゾルゲル法に
よる金属酸化物被膜の形成方法の実施の形態の一例の概
略構成を示す側断面図である。図7に示したゾルゲル法
による金属酸化物被膜の形成用装置Bにおいては、櫛状
の台座43が複数個直列的に配置され、該台座43に被
処理物として、例えば、板状希土類系永久磁石(以下、
板状磁石と略称する)Wが載置される。台座43は板状
磁石Wを台座上から台座上に移送するために、板状磁石
Wの移送方向に傾動自在に設置されており、台座43を
傾動させることにより板状磁石Wを隣接する台座上に反
転させながら移送することができる。この装置において
は、この移送手段の上流部で反転しながら移送される板
状磁石Wに対して移送手段の上方に設置したスプレーノ
ズル48からゾル液42をスプレーすることによりゾル
液を塗布するとともに、ゾル液が塗布された板状磁石W
を反転させながら移送してヒーター46(乾燥炉であっ
てもよい)で熱処理を行うものである。台座を傾動させ
て板状磁石を隣接する台座上に反転させながら移送する
機構や台座と傾動駆動機構の詳細は図1に示したゾルゲ
ル法による金属酸化物被膜の形成用装置Aと同様であ
る。
【0016】ゾル液42はゾル液槽41からポンプによ
り汲み出され、スプレーノズル48から噴出される。板
状磁石Wは反転しながら移送されているので、スプレー
ノズル48からのゾル液42の噴出は一方向からでよ
く、装置の簡略化が可能になる。台座に関する詳細やブ
ロアー47を設置してもよいことなどについては図1に
示したゾルゲル法による金属酸化物被膜の形成用装置A
と同様である。この装置を使用した場合でも、板状磁石
は台座上から台座上に反転しながら移送されるので、板
状磁石の台座との接点が固定化されないことから、接点
跡のない均一な金属酸化物被膜をその表面に形成するこ
とができる。また、バレル方式によって行う場合のよう
に板状磁石が重なり合うことなく、個々に移送されなが
ら処理されるため、磁石の割れや欠けを発生させたり、
磁石同士を固着させたり、形成された金属酸化物被膜を
傷つけたりすることがない。
【0017】以上の説明においては、被処理物として板
状希土類系永久磁石を例にとったが、被処理物は板状の
ものに限られるわけではなく、断面形状が三角形や四角
形や五角形などのような多角形のものであってもよい。
また、当然のことながら希土類系永久磁石に限られるわ
けではなく、表面に金属酸化物被膜を形成する必要のあ
るものであればどのようなものであってもよい。なお、
本発明の方法によって表面に金属酸化物被膜が形成され
る希土類系永久磁石としては、例えば、R−Fe−B系
永久磁石が挙げられる。R−Fe−B系永久磁石におけ
る希土類元素(R)は、Nd、Pr、Dy、Ho、T
b、Smのうち少なくとも1種、あるいはさらに、L
a、Ce、Gd、Er、Eu、Tm、Yb、Lu、Yの
うち少なくとも1種を含むものが望ましい。また、通常
はRのうち1種をもって足りるが、実用上は2種以上の
混合物(ミッシュメタルやジジムなど)を入手上の便宜
などの理由によって使用することもできる。さらに、A
l、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、
W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、H
f、Gaのうち少なくとも1種を添加することで、保磁
力や減磁曲線の角型性の改善、製造性の改善、低価格化
を図ることが可能となる。また、Feの一部をCoで置
換することによって、得られる磁石の磁気特性を損なう
ことなしに温度特性を改善することができる。
【0018】
【実施例】本発明を以下の実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の記載に何ら限定されるもの
ではない。
【0019】A:実験方法 (1)使用するR−Fe−B系永久磁石 例えば、米国特許4770723号公報や米国特許47
92368号公報に記載されているようにして、公知の
鋳造インゴットを粉砕し、微粉砕後に成形、焼結、熱処
理、表面加工を行うことによって得られた14Nd−7
9Fe−6B−1Co組成の25mm×25mm×3m
m寸法の焼結磁石で、トルエンを使用して脱脂処理した
ものを使用した。
【0020】(2)ゾルゲル法による金属酸化物被膜の
形成条件 50個の磁石を磁石同士が重なり合うことなく処理可能
な図1〜図3に示した機構を備えた装置を、奇数番目の
台座と偶数番目の台座が交互に10秒に一度の割合で傾
動し、磁石が反転するように設定して使用した。移送手
段の上流部はゾル液中に浸漬させ、かつ、20度の斜度
をもって液面から突出させた(斜度は15度〜25度が
望ましい)。ブロアーは、液面から出現してから1回傾
動した後の磁石に対して70℃〜90℃の温風が当たる
ように設置した(磁石とブロアーの距離は約15c
m)。移送手段の上方と下方に配置された熱処理のため
のヒーターの温度は200℃とし、磁石に対して20分
間熱処理されるようにした。なお、台座はSUS304
をテフロン(登録商標)コートしたものを使用した(ヒ
ーター部分以降はテフロンコートなし)。
【0021】(3)使用するゾル液 珪素化合物としてモノメチルトリエトキシシラン、無機
質微粒子として液相法によって調製された平均粒径が2
5nmのSiOからなる金属酸化物微粒子(分散媒は
イソプロピルアルコール)、水、有機溶媒としてイソプ
ロピルアルコールの各成分にて、表1に示す組成、粘度
およびpHで調整されたゾル液を使用した。
【0022】
【表1】
【0023】B:実験結果 磁石表面に形成された金属酸化物被膜の平均膜厚を破断
面の電子顕微鏡観察により測定したところ、3.0μm
であり、その膜厚の最大値と最小値の差はわずか0.4
μmであった(任意に選択した10個のめっき磁石の実
測値)。また、平均膜厚を測定した磁石の外観を調べた
ところ、磁石の割れ欠けはなく、金属酸化物被膜に台座
の接点跡は認められなかった。従って、本発明のゾルゲ
ル法による金属酸化物被膜の形成方法を採用することに
より、効率よく薄膜で外観上も優れた金属酸化物被膜を
形成することができることがわかった。
【0024】
【発明の効果】本発明のゾルゲル法による金属酸化物被
膜の形成方法を採用すれば、板状磁石は台座上から台座
上に反転しながら移送されるので、板状磁石の台座との
接点が固定化されないことから、接点跡のない均一な金
属酸化物被膜をその表面に形成することができる。ま
た、バレル方式によって行う場合のように板状磁石が重
なり合うことなく個々に移送されながら処理されるた
め、磁石の割れや欠けを発生させたり、磁石同士を固着
させたり、形成された金属酸化物被膜を傷つけたりする
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゾルゲル法による金属酸化物被膜の
形成方法の実施の形態の一例の概略構成を示す側断面図
(ディップコーティング法を採用する場合の方法)。
【図2】 台座を傾動させて板状磁石を隣接する台座上
に反転させて移送する機構を示す概略側面図。
【図3】 台座と傾動駆動機構の詳細を示す斜視図。
【図4】 傾動軸に切り欠き部を設けた台座を示す概略
側面図。
【図5】 滑り止めを設けた台座を示す概略斜視図。
【図6】 板状磁石を往復運動させるための台座の形状
と配置を示す概略斜視図。
【図7】 本発明のゾルゲル法による金属酸化物被膜の
形成方法の実施の形態の一例の概略構成を示す側断面図
(スプレー法を採用する場合の方法)。
【符号の説明】 1 処理槽 2、42 ゾル液 3、13、23、33 台座 3a、13a、33a 傾動軸 3b、33b ピン 4a、4b 駆動軸 5 搬入手段 6、46 ヒーター 7、47 ブロアー 14 切り欠き部 24 滑り止め 41 ゾル液槽 48 スプレーノズル A 金属酸化物被膜の形成用装置(ディップコーティ
ング法採用) B 金属酸化物被膜の形成用装置(スプレー法採用) W 被処理物(板状希土類系永久磁石)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 3/00 B05D 3/00 A 5E062 3/02 3/02 Z 7/00 7/00 K 7/24 301 7/24 301J C01B 13/14 C01B 13/14 Z 33/12 33/12 C C23C 18/02 C23C 18/02 H01F 41/02 H01F 41/02 G Fターム(参考) 4D075 AA01 AA52 AA59 AA65 AB03 AB32 AB38 AB39 AB56 BB14Y BB24Z BB32Z BB57Y BB91Y CA47 DA06 DA10 DB01 DB02 DC50 EA12 EB42 EC02 4F042 AA06 BA10 CA01 CC09 DB01 DB09 DF03 DF05 DF15 DF25 DF28 DF32 DF35 ED03 ED05 4G042 DA01 DB11 DD02 DE09 DE14 4G072 AA25 FF06 GG03 HH18 PP03 PP17 4K022 AA02 AA31 AA44 BA15 BA20 BA33 DA06 DB15 DB19 DB24 5E062 CD04 CG02 CG07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物被膜の原料となる金属化合物
    の加水分解反応と重合反応によって得られるゾル液を被
    処理物に塗布した後、熱処理して被処理物表面に金属酸
    化物被膜を形成するに際し、被処理物を載置することが
    できる台座が複数個直列的に配置され、被処理物を台座
    上から台座上に移送するために、各台座を被処理物の移
    送方向に傾動自在とし、各台座を傾動させることにより
    被処理物を隣接する台座上に反転させながら移送するこ
    とができる移送手段上で、ゾル液が塗布された被処理物
    を移送しながら熱処理を行うことを特徴とするゾルゲル
    法による金属酸化物被膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 台座が開口部を有することを特徴とする
    請求項1記載の形成方法。
  3. 【請求項3】 台座が櫛状または網状であることを特徴
    とする請求項2記載の形成方法。
  4. 【請求項4】 ゾル液の被処理物への塗布をディップコ
    ーティング法により行うものであって、前記移送手段の
    上流部をゾル液中に浸漬させ、かつ、下流部に向かって
    一定の斜度をもって液面から突出させたことを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の形成方法。
  5. 【請求項5】 ゾル液の被処理物への塗布をスプレー法
    により行うものであって、前記移送手段の上流部で反転
    しながら移送される被処理物に対して移送手段の上方に
    設置したスプレーノズルからゾル液をスプレーすること
    によりゾル液を塗布することを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載の形成方法。
  6. 【請求項6】 ゾル液を被処理物に塗布した後、熱処理
    を行う前に、ブロアーにより被処理物に過剰に付着した
    ゾル液を除去することを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれかに記載の形成方法。
  7. 【請求項7】 被処理物が板状希土類系永久磁石である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の形
    成方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の形成方法により得られる
    ことを特徴とする表面に金属酸化物被膜を有する板状希
    土類系永久磁石。
  9. 【請求項9】 金属酸化物被膜の原料となる金属化合物
    の加水分解反応と重合反応によって得られるゾル液を板
    状被処理物に塗布した後、熱処理して被処理物表面に金
    属酸化物被膜を形成するに際し、被処理物を載置するこ
    とができる台座が複数個直列的に配置され、被処理物を
    台座上から台座上に移送するために、各台座を被処理物
    の移送方向に傾動自在とし、各台座を傾動させることに
    より被処理物を隣接する台座上に反転させながら移送す
    ることができる移送手段上で、ゾル液が塗布された被処
    理物を移送しながら熱処理を行うことができるようにし
    たことを特徴とするゾルゲル法による金属酸化物被膜の
    形成用装置。
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