JP6443179B2 - R−t−b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R−t−b系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、R214B型化合物を主相として有するR−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素、TはFeを主とする遷移金属元素)の製造方法に関する。
214B型化合物を主相とするR−T−B系焼結磁石は、永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)や、ハイブリッド車搭載用モータ等の各種モータや家電製品等に使用されている。
R−T−B系焼結磁石は、高温で保磁力が低下するため、不可逆熱減磁が起こる。不可逆熱減磁を回避するため、モータ用等に使用する場合、高温下でも高い保磁力を維持することが要求されている。
R−T−B系焼結磁石は、R214B型化合物相中のRの一部を重希土類元素RH(Dy、Tbの少なくとも一方からなる)で置換すると、保磁力が向上することが知られている。高温で高い保磁力を得るためには、R−T−B系焼結磁石中に重希土類元素RHを多く添加することが有効である。
しかし、R−T−B系焼結磁石において、Rとして軽希土類元素RL(Nd、Prの少なくとも一方からなる)を重希土類元素RHで置換すると、保磁力が向上する一方、残留磁束密度が低下してしまうという問題がある。また、重希土類元素RHは希少資源であるため、その使用量を削減することが求められている。
そこで、近年、残留磁束密度を低下させないように、より少ない重希土類元素RHによってR−T−B系焼結磁石の保磁力を向上させることが検討されている。本出願人は、既に特許文献1において、R−T−B系焼結磁石体表面にDy等の重希土類元素RHを供給しつつ、該表面から重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石体の内部に拡散させる(「蒸着拡散」)方法を開示している。特許文献1では、高融点金属材料から形成された処理室の内部において、R−T−B系焼結磁石体とRHバルク体とが所定間隔をあけて対向配置される。処理室は、複数のR−T−B系焼結磁石体を保持する部材と、RHバルク体を保持する部材とを備えている。このような装置を用いる方法では、処理室内にRHバルク体を配置する工程、保持部材と網を載せる工程、網の上にR−T−B系焼結磁石体を配置する工程、更にその上に保持部材と網を載せる工程、網の上に上方のRHバルク体を配置する工程、処理室を密閉して蒸着拡散を行う工程という一連の作業が必要となる。
特許文献2は、R−T−B系金属間化合物磁性材料の磁気特性を向上させることを目的として、低沸点のYb金属粉末とR−T−B系焼結磁石体とを耐熱密封容器内に封入して加熱することを開示している。特許文献2の方法では、Yb金属の被膜をR−T−B系焼結磁石体の表面に均一に堆積し、この被膜からR−T−B系焼結磁石の内部に希土類元素を拡散させる(特許文献2の実施例5)。
特許文献3は、重希土類元素としてDyまたはTbを含む重希土類化合物の鉄化合物をR−T−B系焼結磁石体に付着させた状態で熱処理を行うことを開示している。
特許文献1の方法では、スパッタ処理や蒸着処理にてR−T−B系焼結磁石体の表面に被膜する方法と比べると、700℃から1000℃という低い温度で重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石体に供給することでR−T−B系焼結磁石体への重希土類元素RHの供給量が過多にならない。このため、残留磁束密度の低下がほとんどなく保磁力の向上したR−T−B系焼結磁石を作製することができた。しかし、重希土類元素RHを供給するRHバルク体は反応性が高いため、R−T−B系焼結磁石体と接触しつつ加熱するとRHバルク体がR−T−B系焼結磁石体と反応し、変質してしまう可能性があった。また、処理室内において、RHバルク体とR−T−B系焼結磁石体とが反応しないように、R−T−B系焼結磁石体とRHバルク体とを離間して配置する必要があるため、配置のための工程に手間がかかるという問題があった。
一方、特許文献2の方法によると、Yb、Eu、Smのように飽和蒸気圧の高い希土類金属であれば、焼結磁石体への被膜の形成と被膜からの拡散とを同一温度範囲(例えば800〜850℃)の熱処理によって実行することが可能である。しかし、特許文献2の方法によれば、DyやTbのように蒸気圧の低い希土類元素をR−T−B系焼結磁石体表面へ被膜・堆積するためには、高周波加熱用コイルを用いた誘導加熱により粉末状の希土類金属を選択的に高温に加熱することが必要になる。このようにDyやTbをR−T−B系焼結磁石体よりも高い温度に加熱する場合は、DyやTbとR−T−B系焼結磁石体とを一定程度離間させることが必要になる。特許文献2の技術思想および方法によれば、離間しなければ特許文献1に記載の方法と同様にRH拡散源がR−T−B系焼結磁石体と反応し、変質してしまう問題が生じ得る。離間していても、粉末状のDy、Tbを選択的に高温に加熱するとR−T−B系焼結磁石体の表面にDyやTbの被膜が厚く(例えば数十μm以上)形成されるため、R−T−B系焼結磁石体の表面近傍において主相結晶粒の内部にDyやTbが拡散してしまい、残留磁束密度の低下が発生することになる。
特許文献3の方法によると、DyやTbの鉄合金の粉末がR−T−B系焼結磁石体に付着した状態で熱処理を行うため、固定した付着点からR−T−B系焼結磁石体にDyやTbが拡散される。用いるDyやTbの鉄合金は50μmから100nmの微粉末であるため、熱処理後、完全に取り除くのが難しく熱処理炉内に残りやすい。炉内に残った熱処理後のDyやTbの鉄合金は次に行なうR−T−B系焼結磁石体と反応し、コンタミネーションに変質しやすい。そのため特許文献3に開示されているDyやTbの鉄合金の粉末は熱処理毎に炉内から完全に除去しなければならず、DyやTbの鉄合金の粉末は何度も使用することができない。また、DyやTbの鉄合金の粉末を溶媒に溶かして塗布したり、スラリー状にして塗る工程が追加されるためR−T−B系焼結磁石の製造に手間がかかるという問題がある。
上記の特許文献1〜3に記載されている従来技術の課題を解決するため、本出願人は、特許文献4および特許文献5において、重希土類元素RHを含む複数のRH拡散源と複数のR−T−B系焼結磁石素材とを相対的に移動可能かつ近接または接触可能に装入した処理容器内で連続的または断続的に移動させながら加熱処理を行うことにより、R−T−B系焼結磁石素材の内部に重希土類元素RHを拡散することを開示した。
国際公開第2007/102391号 特開2004−296973号公報 特開2009−289994号公報 国際公開第2012/008426号 特開2014−72259号公報
高い保磁力を示すR−T−B系焼結磁石として、従来よりも多様な形状を持つものが求められるようになってきた。例えば、縦5mm×横5mm×長さ50mmのサイズを有するような、一方向に長く延びた形状のR−T−B系焼結磁石の需要がある。このような非等方的な形状を有するR−T−B系焼結磁石の素材に対して、特許文献4または特許文献5に記載されている技術を適用すると、R−T−B系焼結磁石素材の一部に割れ、欠けが発生する場合があることがわかった。
本発明の実施形態は、残留磁束密度を低下させることなく重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石素材の表面から内部に拡散させるR−T−B系焼結磁石の製造方法において、R−T−B系焼結磁石の割れ、欠けの発生を抑制することを可能にする。
本開示の限定的ではない例示的なR−T−B系焼結磁石の製造方法は、複数のR−T−B系焼結磁石素材を準備する工程と、重希土類元素RH(DyおよびTbの少なくとも一方からなる)および40質量%以上80質量%以下のFeを含有する複数のRH拡散源を準備する工程と、回転可能に支持された処理室内に、前記複数の焼結磁石素材、前記複数のRH拡散源、および複数の攪拌補助部材を装入する工程と、回転する前記処理室内において、前記複数の焼結磁石素材、前記複数のRH拡散源、および前記複数の攪拌補助部材を移動させながら、前記複数の焼結磁石素材および前記複数のRH拡散源を800℃以上1000℃以下の処理温度に加熱するRH拡散工程とを包含する。前記複数の焼結磁石素材は、1000mm3以上の体積を有し、直交する3方向における3つのサイズの最大のサイズが最小のサイズの2倍以上である。前記複数のRH拡散源は、それぞれ、3mm以下のサイズを有する。前記複数の攪拌補助部材は、各々が4mm以上10mm以下の直径を有する複数の第1球体と、各々が1.5mm以上3.5mm以下の直径を有する複数の第2球体とを含む。
ある実施形態において、前記処理室内に装填される前記複数の焼結磁石素材、前記複数のRH拡散源、前記複数の第1球体、および前記複数の第2球体の重量を、それぞれ、M、R、A1、およびA2とするとき、以下の関係が成立する。
0.15×(A1+A2) ≦ A1 ≦ 0.35×(A1+A2)、
0.8 ≦ R/(A1+A2)≦ 1.2、
0.2 ≦ M/(R+A1+A2) ≦ 0.4、
ある実施形態において、前記複数の焼結磁石素材の各々は、1辺の長さが40mm以上、他の2辺の長さがそれぞれ20mm以下の直方体の形状を有している。各頂点位置で面取りされていてもよい。
ある実施形態において、前記複数の焼結磁石素材の各々は、1辺の長さが50mm以上、他の2辺の長さがそれぞれ10mm以下の直方体の形状を有している。各頂点位置で面取りされていてもよい。
ある実施形態において、前記複数の第1球体および前記複数の第2球体の各々は、球または楕円球の形状を有している。
ある実施形態において、前記複数の第1球体および前記複数の第2球体の各々は、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化硼素または、これらの混合物のセラミックスから形成されている。
ある実施形態において、前記RH拡散工程は、前記処理室の内部圧力を0.001Pa以上大気圧以下に調整して行う。
本開示の実施形態によれば、残留磁束密度を低下させることなく重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石素材の表面から内部に拡散させるR−T−B系焼結磁石の製造方法において、R−T−B系焼結磁石の割れ、欠けの発生を抑制することを可能にする。
焼結磁石素材の形状の例を示す斜視図である。 本発明の好ましい実施形態で使用される拡散装置の構成を模式的に示す断面図である。 拡散処理工程時におけるヒートパターンの一例を示すグラフである。
本発明者の検討の結果、処理室内に複数のR−T−B系焼結磁石素材、RH拡散源、攪拌補助部材を投入し、処理室を回転させながら熱処理を行う場合、攪拌補助部材のサイズによって処理室内の投入物の流動性、およびR−T−B系焼結磁石素材の運動の仕方が大きく変化することがわかった。例えば直径が3mm程度の球体を攪拌補助部材として使用する場合、R−T−B系焼結磁石素材同士が衝突することだけでなく、回転する処理室内で掻き上げられた投入物の上部からR−T−B系焼結磁石素材が滑落して処理室の内壁に頻繁に衝突することがわかった。この衝突がR−T−B系焼結磁石素材の欠けの原因であると推定される。更に発明者の検討により、適切なサイズの攪拌補助部材を混合(ブレンド)することにより、R−T−B系焼結磁石素材が処理室内の内壁に勢いよく衝突することが充分に抑制され、その結果、R−T−B系焼結磁石素材の欠け発生率が低下することもわかった。異なるサイズの攪拌補助部材が形成する凹凸が、掻き上げられた投入物の斜面を滑り落ちるR−T−B系焼結磁石素材の速度を低下させる働きを示すと推定される。
本開示による製造方法では、R−T−B系焼結磁石素材とRH拡散源とを相対的に移動可能かつ近接または接触可能に処理室(または処理容器)内に装入し、それらを800℃以上1000℃以下の温度(処理温度)に加熱保持する。好ましい処理温度は850℃以上1000℃以下である。ここで、RH拡散源は、重希土類元素RH(DyおよびTbの少なくとも一方からなる)と、40質量%以上80質量%以下のFeとを含有する合金である。このとき、処理室を回転させることにより、R−T−B系焼結磁石素材とRH拡散源とを前記処理室内にて連続的にまたは断続的に移動させ、R−T−B系焼結磁石素材とRH拡散源との接触部の位置を変化させたり、R−T−B系焼結磁石素材とRH拡散源とを近接・離間させながら、重希土類元素RHの供給とR−T−B系焼結磁石素材への拡散とを同時に実行する(RH拡散工程)。
また、本開示の実施形態では、回転可能に支持された処理室内に、複数の焼結磁石素材および複数のRH拡散源だけではなく、サイズが異なる複数種類の攪拌補助部材を装入する。その結果、回転する前記処理室内において、前記複数の焼結磁石素材、複数のRH拡散源、およびサイズが異なる複数種類の攪拌補助部材を移動させながら、重希土類元素RHの供給とR−T−B系焼結磁石素材への拡散とを効率的に進行させることができる。
複数の焼結磁石素材は、それぞれ、1000mm3以上の体積を有し、直交する3方向における3つのサイズの最大のサイズが最小のサイズの2倍以上である。ある例においては、複数の焼結磁石素材は、それぞれ、1000mm3以上の体積を有し、直交する3方向における3つのサイズの最大のサイズが最小のサイズの3倍以上または4倍以上である。また、複数のRH拡散源は、それぞれ、3mm以下のサイズを有する。更に、サイズが異なる複数種類の攪拌補助部材は、ある実施形態において、各々が4mm以上10mm以下の直径を有する複数の第1球体と、各々が1.5mm以上3.5mm以下の直径を有する複数の第2球体とを含む。
処理室内に装填される複数の焼結磁石素材、複数のRH拡散源、複数の第1球体、および複数の第2球体の重量を、それぞれ、M、R、A1、およびA2とする。このとき、好ましい実施形態において、以下の関係が成立する。
0.15 ≦ A1/(A1+A2) ≦ 0.35
0.8 ≦ R/(A1+A2)≦ 1.2
0.2 ≦ M/(R+A1+A2) ≦ 0.4
上記の関係が成立するときに好ましい効果が得られることは、実験例を説明した後、あらためて述べることにする。
本開示では、RH拡散源とR−T−B系焼結磁石素材とを相対的に移動可能かつ近接または接触可能に処理室内に装入し、これらを連続的または断続的に移動させることができるので、R−T−B系焼結磁石素材とRH拡散源とを所定位置に並べる載置の時間が不要となる。
重希土類元素RHと40質量%以上80質量%以下のFeとからなる合金をRH拡散源とすることで、RH拡散工程時にRH拡散源がR−T−B系焼結磁石素材から出たNd、Prにより変質することを抑制することができる。このRH拡散源はR−T−B系焼結磁石と反応しにくいので、800℃以上から1000℃以下の温度でRH拡散処理を行っても、R−T−B系焼結磁石の表面に供給される重希土類元素RH(DyまたはTbの少なくとも一方からなる)が供給過多とならない。これにより、RH拡散後の残留磁束密度の低下を抑えながら、充分に高い保磁力を得ることができる。
RH拡散源のFeの含有量が40質量%未満であると、重希土類元素RHの体積率が高くなり、その結果、RH拡散処理中にR−T−B系焼結磁石素材から出たNd、PrがRH拡散源に取り込まれ、Nd、PrがFeと反応してRH拡散源の組成がずれ、RH拡散源が変質してしまう。また、攪拌補助部材へのRH拡散源の付着が発生し、攪拌補助部材の形状が変わる可能性がある。一方、Feの含有率が80質量%を超えると、RH含有量が20質量%よりも少なくなるため、RH拡散源からの重希土類元素RHの供給量が小さくなり、処理時間が非常に長くなるため欠け発生の可能性がある。
本開示は、重希土類元素RHと40質量%以上80質量%以下のFeとを含有するRH拡散源を800℃以上から1000℃以下で連続的または断続的にR−T−B系焼結磁石素材とともに移動させることで、処理室内でRH拡散源とR−T−B系焼結磁石素材との接触点により、重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石素材表面から導入し、R−T−B系焼結磁石素材内部に拡散させることができる。また、800℃以上から1000℃以下という温度範囲が、R−T−B系焼結磁石素材においてRH拡散が促進される温度範囲であり、重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石素材内部に拡散させやすい状況でRH拡散ができる。850℃以上1000℃以下でRH拡散をより効率的に行うことができる。
本開示のRH拡散源に含まれるFeの重量比率は好ましくは40質量%から60質量%である。好ましい範囲ではRH拡散源中に含まれるDyFe2等のRHFe2化合物および/またはDyFe3等のRHFe3化合物および/またはDy6Fe23等のRH6Fe23化合物の体積比率が90%以上である。
希土類元素とFeとの組合せでは、希土類元素がNd、Prの場合は原子数比が(NdまたはPr):Fe=1:2、1:3、又は6:23の1−2、1−3、6−23の化合物は生成しない。従って、上記さらに好ましい範囲においては、RH拡散源を1−2、1−3、6−23の組成比とすることでRH拡散時にR−T−B系焼結磁石素材から出たNd、PrをRH拡散源中のRH−Fe化合物が取り込むことを防止できるので、RH拡散源が変質せず、より多くの回数を繰り返し使用できる。また、RH拡散処理でのR−T−B系焼結磁石素材への重希土類元素RHの供給過多がなくなり、残留磁束密度Brの低下がなくなる。
本開示の実施形態によれば、攪拌補助部材の働きにより、RH拡散工程において、R−T−B系焼結磁石素材に割れ、欠けを発生させることなく、RH拡散源とR−T−B系焼結磁石素材との相互配置関係を変動させることが可能である。
重希土類元素RHを主相結晶粒の外側から拡散させることにより、主相外殻部に重希土類置換層を形成する。この結果として、R−T−B系焼結磁石の主相結晶粒の外殻部における結晶磁気異方性が高められると、磁石全体の保磁力HcJが効果的に向上する。本開示では、R−T−B系焼結磁石素材の表面に近い領域だけでなく、R−T−B系焼結磁石素材表面から離れた内部の領域においても重希土類置換層を主相外殻部に形成することができるため、R−T−B系焼結磁石素材全体にわたって主相外殻部で効率良く重希土類元素RHが濃縮された層を形成することにより、保磁力HcJを向上させることが可能になる一方、重希土類置換層は充分薄く、主相内部には重希土類元素RHの濃度の低い部分が残存するため、残留磁束密度Brを殆ど低下させない。
本開示の実施形態において、R−T−B系焼結磁石素材の組成に重希土類元素RHを含む必要はない。すなわち、希土類元素Rとして軽希土類元素RL(NdおよびPrの少なくとも一方からなる)を含有する公知のR−T−B系焼結磁石素材を用意し、その表面から重希土類元素RHを磁石内部に拡散する。本開示によれば、R−T−B系焼結磁石素材の内部に位置する主相の外殻部にも重希土類元素RHを効率的に供給することが可能になる。本開示の方法は、重希土類元素RHが添加されているR−T−B系焼結磁石素材に対して適用しても良い。ただし、多量の重希土類元素RHを添加したのでは、本開示による効果を充分に奏することはできないため、相対的に少ない量の重希土類元素RHが添加され得る。
[R−T−B系焼結磁石素材]
まず、重希土類元素RHの拡散の対象とするR−T−B系焼結磁石素材を準備する。準備するR−T−B系焼結磁石素材は公知の組成から形成される。R−T−B系焼結磁石素材は、例えば、以下の組成を有する。
希土類元素R:12〜17原子%
B(Bの一部はCで置換されていてもよい):5〜8原子%
添加元素M(Al、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Pb、およびBiからなる群から選択された少なくとも1種):0〜2原子%
T(Feを主とする遷移金属であって、Coを含んでもよい)および不可避不純物:残部
上記組成のR−T−B系焼結磁石素材は、公知の製造方法によって製造される。
本開示の実施形態で使用する複数の焼結磁石素材は、それぞれ、1000mm3以上の体積を有し、直交する3方向における3つのサイズの最大のサイズが最小のサイズの2倍以上である。
図1は、焼結磁石素材1の形状の例を示す斜視図である。図1(a)には、焼結磁石素材1の寸法、すなわち長さL、奥行きD、高さHが示されている。図1(b)には、図1(a)に示される焼結磁石素材の8個の頂点に面取りを行った形態が図示されている。
ある実施形態において、複数の焼結磁石素材の各々は、1辺の長さ(L)が40mm以上、他の2辺の長さ(D、H)がそれぞれ20mm以下の直方体の形状を有している。他の実施形態において、複数の焼結磁石素材の各々は、1辺の長さが50mm以上、他の2辺の長さがそれぞれ10mm以下の概略直方体の形状を有していてもよい。個々の焼結磁石素材は、図1(b)に示されるように、各頂点位置で面取りされていてもよい。面取りにより、割れおよび欠けの発生は更に抑制され得る。
以下、作製されたR−T−B系焼結磁石素材に対して行う拡散処理工程を詳細に説明する。
[RH拡散源]
RH拡散源は、重希土類元素RHと40質量%以上80質量%以下のFeとを含有する合金であり、その形態は、例えば、球状、線状、板状、ブロック状である。本開示の実施形態における複数のRH拡散源は、それぞれ、3mm以下のサイズを有する。各RH拡散源は、最低でも0.001mm以上のサイズを有し、その典型的なサイズは、2mm程度である。
RH拡散源の作製方法は、一般的な合金溶製法の他、拡散還元法なども利用できる。
同一のRH拡散源を用いてRH拡散工程を繰り返すと、R−T−B系焼結磁石素材からRH拡散源にNd、Prが取り込まれることがある。しかし、Nd、Prが取り込まれても、RH拡散源の組成が上記の範囲から外れない限り、そのRH拡散源を本発明の製造方法に繰り返して用いることができる。本明細書において「同一のRH拡散源」とは、RH拡散工程を繰り返すことによってRH拡散源の組成、形状、および重量が変化したとしても、組成が上記の範囲から外れていないRH拡散源を含むものとする。言い換えると、RH拡散源の同一性は、その組成、形状、および重量が変化しても、RH拡散源の機能が損なわれない限り、維持される。
なお、Nd、Prの取り込みが発生したとしても、1回のRH拡散工程におけるRH拡散源の組成の変化は僅かである。このため、Nd、Prの取り込みが発生したとしても、RH拡散源の繰り返し使用可能な回数は大きく減少しない。
RH拡散源は、Dy、Tb、Fe以外に本発明の効果を損なわない限りにおいて、Nd、Pr、La、Ce、Zn、Zr、SnおよびCoからなる群から選択された少なくとも1種を含有してもよい。
さらに不可避不純物として、Al、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Ga、Nb、Mo、Ag、In、Hf、Ta、W、Pb、SiおよびBiからなる群から選択された少なくとも1種を含んでいてもよい。
[攪拌補助部材]
本発明の実施形態では、R−T−B系焼結磁石素材とRH拡散源に加えて、径が異なる複数種類の攪拌補助部材を処理室内に導入する。攪拌補助部材はRH拡散源とR−T−B系焼結磁石素材との接触を促進し、また、攪拌補助部材に一旦付着した重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石素材へ間接的に供給する役割をする。さらに、攪拌補助部材は、処理室内において、R−T−B系焼結磁石素材同士やR−T−B系焼結磁石素材とRH拡散源との接触による欠けを防ぐ役割もある。本開示の実施形態において、サイズが異なる複数種類の攪拌補助部材は、各々が4mm以上10mm以下の直径を有する複数の第1球体と、各々が1.5mm以上3.5mm以下の直径を有する複数の第2球体とを含む。
本開示の実施形態において、サイズが異なる複数種類の攪拌補助部材は処理室内で運動しやすい形状およびサイズを有しているため、サイズが異なる複数種類の攪拌補助部材をR−T−B系焼結磁石素材とRH拡散源と混合して処理室の回転を行うことにより、R−T−B系焼結磁石素材が、回転中の処理容器の内壁に衝突するときの衝撃が緩和される。その結果、撹拌中にR−T−B系焼結磁石素材の割れおよび欠けの発生が抑制される。
本開示の実施形態におけるサイズが異なる複数種類の攪拌補助部材は、上述したように、各々が4mm以上10mm以下の直径を有する複数の第1球体と、各々が1.5mm以上3.5mm以下の直径を有する複数の第2球体とを含む。このように2種類の球体を適切なサイズ範囲で混在させることにより、処理室内でのR−T−B系焼結磁石素材の運動が調整され、所望の効果が達成される。この理由については、後述の実施例に関連して説明する。
径が異なる複数種類の攪拌補助部材は、RH拡散処理中にR−T−B系焼結磁石素材およびRH拡散と接触しても、反応しにくい材料から形成されることが好ましい。攪拌補助部材としてはジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素並びに窒化硼素、または、これらの混合物のセラミックスから好適に形成され得る。また、Mo、W、Nb、Ta、Hf、Zrを含む族の元素、または、これらの混合物からも形成されえる。
[RH拡散工程]
図2を参照しながら、本発明による拡散処理工程の好ましい例を説明する。
図2に模式的に示す例では、R−T−B系焼結磁石素材1、RH拡散源2、およびサイズが異なる複数種類の攪拌補助部材30がステンレス製の筒3の内部に導入されている。この例では、筒3が「処理室」として機能する。筒3の材料は、ステンレスに限定されず、800℃以上1000℃以下の温度に耐える耐熱性を有し、R−T−B系焼結磁石素材1、RH拡散源2、攪拌補助部材30と反応しにくい材料であれば任意である。例えば、Nb、Mo、Wまたはそれらの少なくとも1種を含む合金を用いてもよい。また、Fe−Cr−Al系合金、Fe−Cr−Co系合金を用いてもよい。筒3には開閉または取り外し可能な蓋5が設けられている。また筒3の内壁には、RH拡散源とR−T−B系焼結磁石素材とが効率的に移動と接触を行い得るように、突起物を設置することができる。筒3の長軸方向に垂直な断面形状も、円に限定されず、楕円または多角形、あるいはその他の形状であってもよい。図2に示す状態の筒3は排気装置6と連結されている。排気装置6の働きにより、筒3の内部は減圧され得る。筒3の内部には、不図示のガスボンベからArなどの不活性ガスが導入され得る。
筒3は、例えば、その外周部に配置されたヒータ4によって加熱される。筒3の加熱により、その内部に収納されたR−T−B系焼結磁石素材1、RH拡散源2も加熱される。筒3は、中心軸の回りに回転可能に支持されており、ヒータ4による加熱中もモータ7によって回動することができる。筒3の回転速度は、例えば筒3の内壁面の周速度を毎秒0.001m以上に設定され得る。回転により筒内のR−T−B系焼結磁石素材同士が激しく接触して欠けないよう、毎秒0.1m以下に設定するのが好ましい。
図2の例では、筒3は一定の方向に回転するが、本発明は、このような場合に限定されない。例えば、筒3は、回転の途中、または回転の前後において、揺動または振動していてもよいし、回転中に、揺動および振動の少なくとも1つが同時に生じていてもよい。回転の方向も一定に限定されず、回転の方向が拡散工程中に反転しても良い。
次に、図2の処理装置を用いて行うRH拡散工程の動作を説明する。
まず、蓋5を筒3から取り外し、筒3の内部を開放する。複数のR−T−B系焼結磁石素材1、RH拡散源2、および径が異なる複数種類の攪拌補助部材30を筒3の内部に装入した後、再び、蓋5を筒3に取り付ける。排気装置6を接続して筒3の内部を真空排気する。筒3の内部圧力が充分に低下した後、排気装置6を取り外す。加熱後、必要圧力まで不活性ガスを導入し、モータ7によって筒3を回転させながら、ヒータ4による加熱を実行する。
拡散熱処理時における筒3の内部は不活性雰囲気であることが好ましい。本明細書における「不活性雰囲気」とは、真空、または不活性ガスを含むものとする。また、「不活性ガス」は、例えばアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの希ガスであるが、焼結磁石素材1およびRH拡散源2との間で化学的に反応しないガスであれば、「不活性ガス」に含まれ得る。不活性ガスの圧力は、大気圧以下であることが好ましい。筒3の内部における雰囲気ガス圧力が大気圧に近いと、例えば特許文献1に示された技術では、RH拡散源2から重希土類元素RHがR−T−B系焼結磁石素材1の表面に供給されにくくなる。しかし、本実施形態においては、RH拡散源2とR−T−B系焼結磁石素材1とが近接または接触しているため、特許文献1に記載の圧力よりも高い圧力でRH拡散ができる。また、真空度とRHの供給量との相関は比較的小さく、真空度を更に高めても、重希土類元素RHの供給量(保磁力の向上度)に大きく影響しない。供給量は、雰囲気圧力よりもR−T−B系焼結磁石素材の温度に敏感である。
本実施形態では、重希土類元素RHを含むRH拡散源2と、サイズが異なる複数種類の攪拌補助部材30と、R−T−B系焼結磁石素材1とを入れた処理室を回転させつつ、加熱することにより、RH拡散源2から重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石素材1の表面に供給しつつ、内部に拡散させることができる。
拡散処理時における処理室の内壁面の周速度は、例えば0.001m/s以上に設定され得る。回転速度が低くなると、R−T−B系焼結磁石素材1とRH拡散源2との接触部の移動が遅くなり、溶着が発生しやすくなる。このため、拡散温度が高いほど、処理室の回転速度を高めることが好ましい。好ましい回転速度は、拡散温度のみならず、RH拡散源2の形状やサイズによっても異なる。
本実施形態では、RH拡散源2およびR−T−B系焼結磁石素材1の温度を800℃以上1000℃以下の範囲内に保持する。この温度範囲は、重希土類元素RHがR−T−B系焼結磁石素材1の粒界相を伝って内部へ拡散するのに好ましい温度領域である。
RH拡散源2は重希土類元素RHと40質量%以上80質量%以下のFeとから形成され、800℃以上1000℃以下で重希土類元素RHが供給過多にならない。熱処理の時間は、例えば10分以上72時間以下である。好ましくは1時間以上20時間以下である。
また、RH拡散源2は、変質が起こりにくく、特に体積率でRHFe2またはRHFe3が大部分を占める範囲であるときは、R−T−B系焼結磁石素材1からのNd、PrがRH拡散源2の中のRH−Fe化合物に取り込まれることもない。その結果、変質することなく、RH拡散源2を繰り返して使用することができる。ここで、「RH拡散源の変質」とは、RH拡散源2の機能が損なわれる程度に組成、形状、および重量が変化し、RH拡散源2の同一性が保持できない状態に変化することを意味するものとする。
処理温度が1000℃を超えると、RH拡散源2とR−T−B系焼結磁石素材1とが溶着してしまう問題が生じ易く、一方、処理温度が800℃以下では、処理に長時間を要する。
保持時間は、RH拡散処理工程をする際のR−T−B系焼結磁石素材1およびRH拡散源2の投入量の比率、R−T−B系焼結磁石素材1の形状、RH拡散源2の形状、および、RH拡散処理によってR−T−B系焼結磁石素材1に拡散されるべき重希土類元素RHの量(拡散量)などを考慮して決められる。
RH拡散工程時における雰囲気ガスの圧力(処理室内の雰囲気圧力)は、例えば0.001Paから大気圧の範囲内に設定され得る。
RH拡散工程後に、拡散された重希土類元素RHをより均質化する目的または拡散された重希土類元素RHをより奥深くまで拡散させる目的でR−T−B系磁石体1に対する第1熱処理を追加的に行っても良い。熱処理は、RH拡散源を取り除いた後、重希土類元素RHが実質的に拡散し得る700℃〜1000℃の範囲で行い、より好ましくは850℃から950℃の温度で実行される。この第1熱処理では、R−T−B系焼結磁石素材1に対して重希土類元素RHの更なる供給は生じないが、R−T−B系焼結磁石素材1において重希土類元素RHの拡散が生じるため、R−T−B系焼結磁石素材の表面側から奥深くに重希土類元素RHを拡散し、磁石全体として保磁力を高めることが可能になる。第1熱処理の時間は、例えば10分以上72時間以下である。好ましくは1時間以上12時間以下である。ここで、第1熱処理を行なう熱処理炉の雰囲気圧力は、大気圧以下である。好ましいのは100kPa以下である。
[第2熱処理]
また、必要に応じてさらに第2熱処理(400℃以上700℃以下)を行うが、第2熱処理(400℃以上700℃以下)を行う場合は、第1熱処理(700℃以上1000℃以下)の後に行うことが好ましい。第1熱処理(700℃以上1000℃以下)と第2熱処理(400℃以上700℃以下)とは、同じ処理室内で行っても良い。第2熱処理の時間は、例えば10分以上72時間以下である。好ましくは1時間以上12時間以下である。ここで、第2熱処理を行なう熱処理炉の雰囲気圧力は、大気圧以下である。好ましいのは100kPa以下である。
[ヒートパターンの例]
拡散処理時における処理室の温度は、例えば図3に示すように変化する。図3は、加熱開始後における処理室温度の変化(ヒートパターン)の一例を示すグラフである。図3の例では、ヒータによる昇温を行いながら、真空排気を実行した。昇温レートは、約5℃/分である。処理室内の圧力が所望のレベルに達するまで、例えば約600℃に温度を保持した。その後、処理室の回転を開始する。拡散処理温度に達するまで昇温を行った。昇温レートは約5℃/分である。拡散処理温度に達した後、所定の時間だけ、その温度に保持する。その後、ヒータによる加熱を停止し、室温程度まで降温させた。その後、図2の装置から取り出したR−T−B系焼結磁石素材を別の熱処理炉に投入し、拡散処理時と同じ雰囲気圧力で第1熱処理(800℃〜950℃×4時間〜10時間)を行ない、さらに拡散後の第2熱処理(450℃〜550℃×3時間〜5時間)が行われる。第1熱処理と第2熱処理の処理温度と時間は、R−T−B系焼結磁石素材とRH拡散源の投入量、RH拡散源の組成、RH拡散温度等を考慮し設定される。
なお、本開示の拡散処理で実行可能なヒートパターンは、図3に示す例に限定されず、他の多様なパターンを採用することができる。また、真空排気は拡散処理が完了し、焼結磁石素材が充分に冷却されるまで行ってもよい。
(実験例1)
まず、組成比Nd=22.5、Pr=7.0、Dy=0.6、B=1.0、Co=2.0、Al=0.2、Cu=0.1、Ga=0.1、残部=Fe(質量%)のR−T−B系焼結磁石素材(磁石素材P)を作製した。これを機械加工することにより、60mm×4mm×7mmの一方向に長い直方体のR−T−B系焼結磁石素材を得た。その後、焼結磁石素材の8個の頂点に面取りを行った。作製したR−T−B系焼結磁石素材の磁気特性をB−Hトレーサによって測定したところ、熱処理(500℃)後の特性で保磁力HcJは1100kA/m、残留磁束密度Brは1.42Tであった。
次に、図2の装置を用いてRH拡散処理を実行した。筒の内径:約300mm、筒の長さ:約500mm、R−T−B系焼結磁石素材の投入重量:5kg、RH拡散源の投入重量:10kg、攪拌補助部材の投入量:10kgであった。筒(処理室)の容積に対する投入物(R−T−B系焼結磁石素材、RH拡散源、および攪拌補助部材)の体積を「充填率」と規定する。本実験例では、充填率を20%に設定した。
実験例におけるRH拡散源は、DyFe2(表中ではRH拡散源α)から形成され、その形状は、直径3mm以下(約2mm)の球形であった。また、攪拌補助部材としては、直径が、それぞれ、7mm、5mm、3mm、2mm、1mmの5種類のジルコニア球(攪拌補助部材a)群を使用した。以下、直径Nmmのジルコニア球をφNと表記する。例えば、直径5mmのジルコニア球をφ5と表記する。本実験例では、サイズが異なる2種類のジルコニア球を所定の重量比率で混合して構成した攪拌補助部材を使用した。具体的には、φ7またはφ5のジルコニア球と、φ3、φ2、またはφ1のジルコニア球とを混合して使用した。一方、比較例では、1種類のサイズを有するジルコニア球を攪拌補助部材として使用した。
拡散処理を行うとき、実施例および比較例のいずれの場合でも、処理室内に投入する焼結磁石素材、攪拌補助部材、RH拡散源の重量比率は0.5:1.0:1.0の比に設定した。処理室内は、真空廃棄後、アルゴンガスを導入した。アルゴンガスの雰囲気圧力は1Paに設定した。
RH拡散処理は、処理室を毎秒0.01mの周速度で回転しながら、処理室内を930℃に加熱し、その温度で6時間保持することにより行った。その後、R−T−B系焼結磁石に対して、不活性ガス雰囲気(圧力:10kPa)、温度900℃、6時間の第1熱処理を行った。
実施例および比較例の条件と、磁石の欠け、磁石特性の評価結果とを下記の表1に示す。
Figure 0006443179
ここで、処理室内に装填(投入)される焼結磁石素材、RH拡散源、攪拌補助部材の第1球体(相対的に大きな部材)、および攪拌補助部材の第2球体(相対的に小さな部材)の重量を、それぞれ、M、R、A1、およびA2とする。A1/(A1+A2)の比率は、攪拌補助部材の全体に占める第1球体の質量比率である。
実験の結果、求められた欠け発生率と測定された磁石特性を下記の表2に示す。
Figure 0006443179
ここで、判定の「特性」は、RH拡散後のHcJの判定結果を示している。φ5のみのサンプル1でのRH拡散後のHcJ1722kA/mの値から±1%以内の保磁力HcJの場合「○」、−1%超の保磁力HcJの場合を「×」としている。以降の表でも、判定の「特性」は、同様にして「○」または「×」によって判定の結果を示している。
表における判定の「欠け」は、欠けの体積と同一体積の球体の直径に換算して評価した結果を示している。具体的には、大きさがφ2mmの球の体積と同等以上の欠けを生じた焼結磁石の個数比率をカウントした。表2中で10%未満の欠け発生率は「◎」、10%以上20%未満の欠け発生率は「○」、20%以上30%未満の欠け発生率は「△」、30%以上40%未満の欠け発生率は「×」、40%以上の欠け発生率は「××」と記載している。以降の表でも同様にして「◎」、「○」、「△」、「×」または「××」の判定をしている。
上記の表2からわかるように、φ5/(φ5+φ3)またはφ5/(φ5+φ2)で規定される混合比率(質量比率)が、およそ0.15〜0.35の範囲にあるとき、HcJ1722kA/mの値から±1%以内になった。また、欠けの発生比率も10%程度またはそれ以下に低減された。特に、φ5の球体の占める割合が0.2〜0.3のとき、欠けの発生率が最も小さくなることがわかった。
一方、φ5のジルコニア球が質量%の全体に占める割合が100%の場合、表1の比較例1について示されているように、磁石に生じる欠けが多くなった。φ5のジルコニア球だけでは、回転する処理室内における焼結磁石の運動を適切に調整できないことがわかる。
攪拌補助部材が単一のサイズのジルコニア球から構成される場合、ジルコニア球のサイズが大きいほど、保磁力増加(ΔHcJ)は大きくなることがわかった。ただし、ジルコニア球のサイズが充分に大きいとき(例えば直径が3mm以上のとき)、φ2mm以上の球の体積と同等以上の欠けの発生比率が高い(例えば20%以上)という問題がある。
しかし、φ5またはφ7のジルコニア球と、それよりも小さなジルコニア球(φ3またはφ2)とを混合して処理室内に投入すると、意外にも、φ2mm以上の球の体積と同等以上の欠けの発生比率が著しく低下することがわかった。このようなサイズが異なる球体の混合により、磁石の欠けの発生比率は低下し、小さなジルコニア球(φ3またはφ2)を単独で使用するときの発生比率よりも小さな値を示すことがわかった。
(実験例2)
まず、組成比Nd=30.0、B=1.0、Co=2.0、Al=0.4、Cu=0.1、Ga=0.1、残部=Fe(質量%)のR−T−B系焼結磁石素材(表中では磁石素材Q)を作製した。これを機械加工することにより、60mm×4mm×7mmの一方向に長い直方体のR−T−B系焼結磁石素材を得た。作製したR−T−B系焼結磁石素材の磁気特性をB−Hトレーサによって測定したところ、熱処理(500℃)後の特性で保磁力HcJは1000kA/m、残留磁束密度Brは1.42Tであった。
次に、実験例1と同じ装置を用いて拡散処理を行った。攪拌補助部材の種類、投入量など関する条件は、表1に示すとおりである。ヒートパターンなどの熱処理条件、処理室内の雰囲気、処理室の回転速度などは、実験例1と共通している。
実験の結果、求められた欠け発生率と測定された磁石特性を下記の表3に示す。
φ5のみのサンプル19でのRH拡散後のHcJ1604kA/mの値から±1%以内の保磁力HcJの場合「○」、−1%超の保磁力HcJの場合を「×」としている。欠け判定の仕方は実験例1と同じである。
Figure 0006443179
欠けの発生率は、焼結磁石素材の組成にほとんど依存しないことがわかる。このため、本開示の実施形態は、特別の組成に限定されず、R−T−B系焼結磁石に広く適用できることがわかる。
また、サイズが異なる2種類のジルコニア球を混合(ブレンド)した攪拌補助部材を用いた場合において、φ5のジルコニア球の代わりにφ7のジルコニア球を用いたとき、φ5のジルコニア球を用いたときと同様の効果が得られることがわかる。また、サイズが異なる2種類のジルコニア球を混合した場合において、φ2またはφ3のジルコニア球の代わりにφ1のジルコニア球を用いたときは、欠けの発生率は大きく低下したが、保磁力の向上が小さく、磁気特性が不十分であった。
(実験例3)
次に、RH拡散源としてDyFe2の代わりにTbFe3(表中ではRH拡散源β)を用いて実験を行った。本実験例の条件は、RH拡散源としてDyFe2の代わりにTbFe3を用いる点以外は、実験例1の条件と同じ条件である。条件の詳細は、表4に示すとおりである。
φ5のみのサンプル37でのRH拡散後のHcJ1966kA/mの値から±1%以内の保磁力HcJの場合「○」、−1%超の保磁力HcJの場合を「×」としている。欠け判定の仕方は実験例1と同じである。
以下の表4に示すように、本実験例でも、実験例1と同様に効果が得られた。したがって、本開示の実施形態によれば、RH拡散源の組成によらず、効果が発揮されることがわかる。
なお、RH拡散による保磁力の増加は、Dyを拡散する場合よりも、Tbを拡散する場合で大きいことがわかる。
Figure 0006443179
(実験例4)
次に、RH拡散源としてDyFe2を使用し、実験例1と同様の条件で実験を行った。条件の詳細は、以下の表5に示すとおりである。本実験例が実験例1と異なる点は、攪拌補助部材A1の直径がφ5の1種類であること、攪拌補助部材の投入量、RH拡散源の投入量、焼結磁石素材の投入量を変えていることである。
実験の結果、求められた欠け発生率と測定された磁石特性を下記の表6に示す。
φ5のみのサンプル55でのRH拡散後のHcJ1739kA/mの値から±1%以内の保磁力HcJの場合「○」、−1%超の保磁力HcJの場合を「×」としている。欠け判定の仕方は実験例1と同じである。
Figure 0006443179
Figure 0006443179
(実験例5)
次に、RH拡散源としてDyFe2を使用し、実験例1と同様の条件で実験を行った。条件の詳細は、以下の表7に示すとおりである。本実験例が実験例1と異なる点は、攪拌補助部材A1の直径がφ5の1種類であること、攪拌補助部材の投入量、RH拡散源の投入量、焼結磁石素材の投入量を変えていることである。
実験の結果、求められた欠け発生率と測定された磁石特性を下記の表8に示す。
φ5のみのサンプル66でのRH拡散後のHcJ1743kA/mの値から±1%以内の保磁力HcJの場合「○」、−1%超の保磁力HcJの場合を「×」としている。欠け判定の仕方は実験例1と同じである。
Figure 0006443179
Figure 0006443179
(実験例6)
次に、RH拡散源としてDyFe2を使用し、実験例1と同様の条件で実験を行った。条件の詳細は、以下の表9に示すとおりである。本実験例が実験例1と異なる点は、攪拌補助部材A1の直径がφ5の1種類であること、攪拌補助部材の投入量、RH拡散源の投入量、焼結磁石素材の投入量を変えていることである。
実験の結果、求められた欠け発生率と測定された磁石特性を下記の表10に示す。
φ5のみのサンプル77でのRH拡散後のHcJ1737kA/mの値から±1%以内の保磁力HcJの場合「○」、−1%超の保磁力HcJの場合を「×」としている。欠け判定の仕方は実験例1と同じである。
Figure 0006443179
Figure 0006443179
(実験例7)
次に、RH拡散源としてDyFe2を使用し、実験例1と同様の条件で実験を行った。条件の詳細は、以下の表11に示すとおりである。本実験例が実験例1と異なる点は、攪拌補助部材A1の直径がφ5の1種類であること、攪拌補助部材の投入量、RH拡散源の投入量、焼結磁石素材の投入量を変えていることである。
実験の結果、求められた欠け発生率と測定された磁石特性を下記の表12に示す。
φ5のみのサンプル88でのRH拡散後のHcJ1723kA/mの値から±1%以内の保磁力HcJの場合「○」、−1%超の保磁力HcJの場合を「×」としている。欠け判定の仕方は実験例1と同じである。
Figure 0006443179
Figure 0006443179
上記の実験例4から実験例7から本発明者は、処理室内に装填される複数の焼結磁石素材、複数のRH拡散源、複数の第1球体、および複数の第2球体の重量を、それぞれ、M、R、A1、およびA2とするとき、0.8 ≦ R/(A1+A2)≦ 1.2であってもよいことを確認した。また、0.2 ≦ M/(R+A1+A2) ≦ 0.4の範囲にあれば効果が得られることを確認した。
なお、上記の実験例からわかるように、0.15 ≦ A1/(A1+A2) ≦ 0.35のとき、高い保磁力を実現しながら、欠け発生率を抑制することができる。
(実験例8)
次に、RH拡散源としてDyFe2を使用し、実験例1のサンプル1、2、7と同様の条件で実験を行った。本実験例が実験例1のサンプル1、2、7と異なる点は、攪拌補助部材がφ5球相当径の体積を有する楕円形のジルコニアとφ3球相当径の体積を有する楕円形のジルコニアを使用していることである。条件の詳細は、以下の表13に示すとおりである。
φ5のみのサンプル99でのRH拡散後のHcJ1737kA/mの値から±1%以内の保磁力HcJの場合「○」、−1%超の保磁力HcJの場合を「×」としている。欠け判定の仕方は実験例1と同じである。
実験の結果、求められた欠け発生率と測定された磁石特性を下記の表14に示す。表14より、攪拌補助部材は、典型的には、各々球体が用いられるが、完全な球体である必要はないことは明らかである。
Figure 0006443179
Figure 0006443179
(実験例9)
次に、RH拡散源としてDyFe2を使用し、実験例1のサンプル1、2、7と同様の条件で実験を行った。本実験例が実験例1のサンプル1、2、7と異なる点は、窒化ケイ素(表中では攪拌補助部材c)の攪拌補助部材を使用していることである。
φ5のみのサンプル102でのRH拡散後のHcJ1722kA/mの値から±1%以内の保磁力HcJの場合「○」、−1%超の保磁力HcJの場合を「×」としている。欠け判定の仕方は実験例1と同じである。
実験の結果、求められた欠け発生率と測定された磁石特性を下記の表15に示す。表15より、攪拌補助部材は、典型的には、各々ジルコニアが用いられるが、ジルコニア以外である必要はないことは明らかである。
Figure 0006443179
本発明によれば、高残留磁束密度、高保磁力のR−T−B系焼結磁石を作製することができる。本発明の焼結磁石は、高温下に晒されるハイブリッド車搭載用モータ等の各種モータや家電製品等に好適である。
1 R−T−B系焼結磁石素材
2 RH拡散源
3 ステンレス製の筒(処理室)
4 ヒータ
5 蓋
6 排気装置
30 攪拌補助部材

Claims (9)

  1. 複数のR−T−B系焼結磁石素材を準備する工程と、
    重希土類元素RH(DyおよびTbの少なくとも一方からなる)および40質量%以上80質量%以下のFeを含有する複数のRH拡散源を準備する工程と、
    回転可能に支持された処理室内に、前記複数の焼結磁石素材、前記複数のRH拡散源、および複数の攪拌補助部材を装入する工程と、
    回転する前記処理室内において、前記複数の焼結磁石素材、前記複数のRH拡散源、および前記複数の攪拌補助部材を移動させながら、前記複数の焼結磁石素材および前記複数のRH拡散源を800℃以上1000℃以下の処理温度に加熱するRH拡散工程と、
    を包含し、
    前記複数の焼結磁石素材は、1000mm3以上の体積を有し、直交する3方向における3つのサイズの最大のサイズが最小のサイズの2倍以上であり、
    前記複数のRH拡散源は、それぞれ、3mm以下のサイズを有し、
    前記複数の攪拌補助部材は、各々が4mm以上10mm以下の直径を有する複数の第1球体と、各々が1.5mm以上3.5mm以下の直径を有する複数の第2球体とを含む、R−T−B系焼結磁石の製造方法。
  2. 前記処理室内に装填される前記複数の焼結磁石素材、前記複数のRH拡散源、前記複数の第1球体、および前記複数の第2球体の重量を、それぞれ、M、R、A1、およびA2とするとき、
    0.15×(A1+A2) ≦ A1 ≦ 0.35×(A1+A2)、
    0.8 ≦ R/(A1+A2)≦ 1.2、
    0.2 ≦ M/(R+A1+A2) ≦ 0.4、
    の関係が成立する、請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  3. 前記複数の焼結磁石素材の各々は、1辺の長さが40mm以上、他の2辺の長さがそれぞれ20mm以下の直方体の形状を有している、請求項1または2に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  4. 前記複数の焼結磁石素材の各々は、1辺の長さが40mm以上、他の2辺の長さがそれぞれ20mm以下の概略直方体の形状を有し、各頂点位置で面取りされている、請求項1または2に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  5. 前記複数の焼結磁石素材の各々は、1辺の長さが50mm以上、他の2辺の長さがそれぞれ10mm以下の直方体の形状を有している、請求項1または2に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  6. 前記複数の焼結磁石素材の各々は、1辺の長さが50mm以上、他の2辺の長さがそれぞれ10mm以下の概略直方体の形状を有し、各頂点位置で面取りされている、請求項1または2に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  7. 前記複数の第1球体および前記複数の第2球体の各々は、球または楕円球の形状を有している、請求項1から6のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  8. 前記複数の第1球体および前記複数の第2球体の各々は、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化硼素または、これらの混合物のセラミックスから形成されている、請求項1から7のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  9. 前記RH拡散工程は、前記処理室の内部圧力を0.001Pa以上大気圧以下に調整して行う、請求項1から8のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
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