JP4788690B2 - R−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法 - Google Patents

R−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、R2Fe14B型化合物結晶粒(Rは希土類元素)を主相として有するR−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法に関し、その表面からM元素(Ca、Sr、Ba、Sb、Bi、Gd、およびSnからなる群から選択された少なくとも1種)が拡散されているR−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法に関している。
Nd2Fe14B型化合物を主相とするR−Fe−B系の希土類焼結磁石は、永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)や、ハイブリッド車搭載用モータ等の各種モータや家電製品等に使用されている。R−Fe−B系希土類焼結磁石をモータ等の各種装置に使用する場合、高温での使用環境に対応するため、耐熱性に優れ、高保磁力特性を有することが要求される。
R−Fe−B系希土類焼結磁石の保磁力を向上する手段として、重希土類元素RHを原料として配合し、溶製した合金を用いることが行われている。この方法によると、希土類元素Rとして軽希土類元素RLを含有するR2Fe14B相の希土類元素Rが重希土類元素RHで置換されるため、R2Fe14B相の結晶磁気異方性(保磁力を決定する本質的な物理量)が向上する。しかし、R2Fe14B相中における軽希土類元素RLの磁気モーメントは、Feの磁気モーメントと同一方向であるのに対して、重希土類元素RHの磁気モーメントは、Feの磁気モーメントと逆方向であるため、軽希土類元素RLを重希土類元素RHで置換するほど、残留磁束密度Brが低下してしまうことになる。
一方、重希土類元素RHは希少資源であるため、その使用量の削減が望まれている。これらの理由により、軽希土類元素RLの全体を重希土類元素RHで置換する方法は好ましくない。
比較的少ない量の重希土類元素RHによって保磁力向上効果を発現させる手段として、焼結磁石の段階で重希土類元素RHを含む金属、合金、化合物等を磁石表面に被着後、熱処理、拡散させることによって、保磁力を回復または向上させることが検討されている(特許文献1、特許文献2、および特許文献3)。
しかしながらこれらの方法においても、若干の残留磁束密度の低下は免れず、残留磁束密度を低下させずに保磁力を向上させる手段が望まれている。
特開昭62−192566号公報 特開2004−304038号公報 特開2005−285859号公報
特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示されている従来技術は、いずれも焼結磁石表面から内部に重希土類元素を拡散させるものであり、保磁力HcJの向上と共に残留磁束密度Brおよび角形比(Hk/HcJ)の低下が免れない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、保磁力HcJ、残留磁束密度Brおよび角形比(Hk/HcJ)を向上させるべく、M元素(Ca、Sr、Ba、Sb、Bi、Gd、およびSnからなる群から選択された少なくとも1種)を拡散させたR−Fe−B系希土類焼結磁石を提供することにある。
本発明のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法は、軽希土類元素RL(NdおよびPrの少なくとも1種)を主たる希土類元素Rとして含有するR2Fe14B型化合物結晶粒を主相として有するR−Fe−B系希土類焼結磁石体を用意する工程(a)と、M元素(Ca、Sr、Ba、Sb、Bi、Gd、およびSnからなる群から選択された少なくとも1種)を含有するバルク体を、前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体とともに処理室内に配置する工程(b)と、前記バルク体および前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体を550℃以上1100℃以下に加熱することにより、前記バルク体からM元素を前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の表面に供給しつつ、前記M元素を前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の内部に拡散させる工程(c)とを包含する。
好ましい実施形態において、前記工程(c)において、前記バルク体と前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体は接触することなく前記処理室内に配置され、かつ、その平均間隔を0.1mm以上300mm以下の範囲内に設定する。
好ましい実施形態において、前記工程(c)において、前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の温度と前記バルク体の温度との温度差が20℃以内である。
好ましい実施形態において、前記工程(c)において、前記処理室内の雰囲気ガスの圧力を10-5〜105Paの範囲内に調整する。
好ましい実施形態において、前記工程(c)において、前記バルク体および前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の温度を550℃以上1100℃以下の範囲内に10分〜600分保持する。
好ましい実施形態において、M元素が、M1元素(Sr、Ca、Ba、Biからなる群から選択された少なくとも1種)であり、前記工程(c)における加熱温度を550℃以上700℃以下、前記処理室内の雰囲気ガスの圧力を10-2〜105Paの範囲内に調整する。
好ましい実施形態において、M元素が、M2元素(Sb)であり、前記工程(c)における加熱温度を550℃以上850℃以下、前記処理室内の雰囲気ガスの圧力を10-4〜103Paの範囲内に調整する。
好ましい実施形態において、M元素が、M3元素(Sn)であり、前記工程(c)における加熱温度を600℃以上900℃以下、前記処理室内の雰囲気ガスの圧力を10-4〜103Paの範囲内に調整する。
好ましい実施形態において、M元素が、M4元素(Gd)であり、前記工程(c)における加熱温度を700℃以上1100℃以下、前記処理室内の雰囲気ガスの圧力を10-4〜103Paの範囲内に調整する。
好ましい実施形態において、前記工程(a)の後に、さらに重希土類元素RH(Dy、Ho、およびTbからなる群から選択された少なくとも1種)を含有するバルク体を、前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体とともに処理室内に配置する工程(b’)と、前記重希土類元素RHを含有するバルク体および前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体を700℃以上1100℃以下に加熱することにより、前記バルク体から重希土類元素RHを前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の表面に供給しつつ、前記重希土類元素RHを前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の内部に拡散させる工程(c’)とを包含する。
本発明によるR−Fe−B系希土類焼結磁石体は、軽希土類元素RL(NdおよびPrの少なくとも1種)を主たる希土類元素Rとして含有するR2Fe14B型化合物結晶粒を主相として有するR−Fe−B系希土類焼結磁石体であって、少なくとも前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の表面付近に軽希土類元素RLおよびM元素(Ca、Sr、Ba、Sb、Bi、Gd、およびSnからなる群から選択された少なくとも1種)の濃化層を有する。
本発明では、M元素(Ca、Sr、Ba、Sb、Bi、Gd、およびSnからなる群から選択された少なくとも1種)の粒界拡散を行うことにより、残留磁束密度Brおよび角形比(Hk/HcJ)の低下を抑制しつつ、保磁力HcJを上昇させることが可能になる。
本発明のR−Fe−B系希土類焼結磁石は、焼結体の表面から粒界拡散によって内部に導入されたM元素(Ca、Sr、Ba、Sb、Bi、Gd、およびSnからなる群から選択された少なくとも1種)を含有している。
本発明のR−Fe−B系希土類焼結磁石は、M元素のバルク体からこれらの元素を焼結磁石体表面に供給しつつ、焼結体の表面から内部へ拡散させることによって好適に製造される。
本発明の製造方法では、気化(昇華)しにくいM元素のバルク体、および希土類焼結磁石体を550℃以上1100℃以下に加熱することにより、M元素バルク体の気化(昇華)をM元素膜の成長速度がM元素の磁石内部への拡散速度よりも極度に大きくならない程度に抑制しつつ、焼結磁石体の表面に飛来したM元素を速やかに磁石体内部に拡散させる。550℃以上1100℃以下の温度範囲は、M元素の気化(昇華)がほとんど生じない温度であるが、R−Fe−B系希土類焼結磁石においてM元素の拡散が生じる温度でもある。このため、磁石体表面に飛来したM元素が磁石体表面に膜を形成するよりも優先的に、磁石体内部への拡散を促進させることが可能になる。
なお、本明細書では、M元素バルク体からM元素を焼結磁石体表面に供給しつつ、M元素を焼結磁石体の表面から内部に拡散させることを簡単に「蒸着拡散」と称する場合がある。本発明によれば、焼結磁石体表面の近傍に位置する主相の内部にM元素が拡散して行く速度(レート)よりも高い速度でM元素が磁石内部に拡散・浸透して行くことになる。
従来より、R−Fe−B系希土類焼結磁石の保磁力HcJを向上させるための元素としては、重希土類元素RHが注目されてきた。本明細書においてM元素と称する種々の元素のR−Fe−B系希土類焼結磁石への導入、特に、拡散による外部導入については、その方法も効果も未知であったが、本発明者らの実験によると、R−Fe−B系希土類焼結磁石にM元素を前記方法で供給し、拡散させることが可能であり、さらに、それにより、R−Fe−B系希土類焼結磁石の残留磁束密度Brおよび角形比(Hk/HcJ)の低下を抑制しつつ、保磁力HcJを上昇させることが可能であることがわかった。
次に、図1を参照しながら、本発明による拡散処理の好ましい例を説明する。図1は、焼結磁石体2とMバルク体4との配置例を示している。図1に示す例では、高融点金属材料からなる処理室6の内部において、焼結磁石体2とMバルク体4とが所定間隔をあけて対向配置されている。図1の処理室6は、複数の焼結磁石体2を保持する部材と、Mバルク体4を保持する部材とを備えている。図1の例では、焼結磁石体2と上方のMバルク体4がNb製の網8によって保持されている。焼結磁石体2およびMバルク体4を保持する構成は、上記の例に限定されず、任意である。ただし、焼結磁石体2とMバルク体4との間を遮断するような構成は採用されるべきではない。本願における「対向」とは焼結磁石体とMバルク体が間を遮断されることなく向かい合っていることを意味する。また、「対向配置」とは、主たる表面どうしが平行となるように配置されていることを必要としない。
不図示の加熱装置で処理室6を加熱することにより、処理室6の温度を上昇させる、焼結磁石体2とMバルク体4の温度を550℃以上1100℃以下に上昇させる。この温度領域では、M元素の蒸気圧は僅かであり、ほとんど気化しない。
しかしながら、本発明者は、焼結磁石体2とMバルク体4とを接触させることなく、近接配置させることにより、焼結磁石体2の表面にM元素を析出させることが可能であり、しかも、焼結磁石体2の温度をMバルク体4の温度と同じかそれよりも高い適切な温度範囲内に調節することにより、気相から析出したM元素を、そのまま焼結磁石体2の内部に拡散させ得ることを見出した。
焼結磁石体2とMバルク体4の温度は、M元素がM1元素(Sr、Ca、Ba、Biからなる群から選択された少なくとも1種)の場合、550℃以上700℃以下に調整されることが好ましく、550℃以上650℃以下に調整されることがより好ましい。処理室内の雰囲気ガスの圧力は10-2〜105Paの範囲内に調整することが好ましく、1〜103Paの範囲内に調整することがより好ましい。
M元素がM2元素(Sb)の場合、焼結磁石体2とMバルク体4の温度は、550℃以上850℃以下に調整されることが好ましく、650℃以上850℃以下に調整されることがより好ましい。処理室内の雰囲気ガスの圧力は10-4〜103Paの範囲内に調整することが好ましく、10-3〜1Paの範囲内に調整することがより好ましい。
M元素がM3元素(Sn)の場合、焼結磁石体2とMバルク体4の温度は、600℃以上900℃以下に調整されることが好ましく、750℃以上850℃以下に調整されることがより好ましい。処理室内の雰囲気ガスの圧力は10-4〜103Paの範囲内に調整することが好ましく、10-3〜1Paの範囲内に調整することがより好ましい。
M元素がM4元素(Gd)の場合、焼結磁石体2とMバルク体4の温度は、700℃以上1100℃以下に調整されることが好ましく、850℃以上950℃以下に調整されることがより好ましい。処理室内の雰囲気ガスの圧力は10-4〜103Paの範囲内に調整することが好ましく、10-3〜1Paの範囲内に調整することがより好ましい。
上記の温度範囲は、各元素が蒸発し焼結磁石体内部へ拡散しやすい温度範囲であり、上記の雰囲気圧力は、R−Fe−B系希土類焼結磁石が液相を形成する約500℃以上の温度領域において、M1〜M4元素の各元素が蒸発し焼結磁石体内部へ拡散していく速度に合わせて各M元素の蒸気圧特性に基づいて適正化した圧力である。
焼結磁石体2とMバルク体4の間隔は0.1mm〜300mmに設定することが好ましい。この間隔は、1mm以上50mm以下であることがより好ましく、10mm以下であることが更に好ましい。このような距離で離れた状態を維持できれば、焼結磁石体2とMバルク体4の配置関係は上下でも左右でも、また互いが相対的に移動するような配置であってもよい。ただし、蒸着拡散処理中の焼結磁石体2およびMバルク体4の距離は変化しないことが望ましい。例えば、焼結磁石体を回転バレルに収容して攪拌しながら処理するような形態は好ましくない。また、気化したMは上記のような距離範囲内であれば均一なM雰囲気を形成するので、対向している面の面積は問われず、お互いの最も狭い面積の面が対向していてもよい。
従来の蒸着装置の場合、蒸着材料供給部分の周りの機構が障害となったり、蒸着材料供給部分に電子線やイオンを当てる必要があるため、蒸着材料供給部分と被処理物との間に相当の距離を設ける必要があった。このため、本発明のように、蒸着材料供給部分(Mバルク体4)を被処理物(焼結磁石体2)に近接して配置させることが行われてこなかった。その結果、蒸着材料を充分に高い温度に加熱し、充分に気化させない限り、被処理物上に蒸着材料を充分に供給できないと考えられていた。
これに対し、本発明では、蒸着材料を気化(昇華)させるための特別な機構を必要とせず、処理室全体の温度を制御することにより、磁石表面にM元素を析出させることができる。なお、本明細書における「処理室」は、焼結磁石体2とMバルク体4を配置した空間を広く含むものであり、熱処理炉の処理室を意味する場合もあれば、そのような処理室内に収容される処理容器を意味する場合もある。
さらに、RHバルク体と焼結磁石体とを近接配置するため、同じ容積を有する処理室内に搭載可能な焼結磁石体の量が増え、積載効率が高い。また、大掛かりな装置を必要としないため、一般的な真空熱処理炉が活用でき、製造コストの上昇を避けることが可能であり、実用的である。
熱処理時における処理室内は不活性雰囲気であることが好ましい。本明細書における「不活性雰囲気」とは、真空、または不活性ガスで満たされた状態を含むものとする。また、「不活性ガス」は、例えばアルゴン(Ar)などの希ガスであるが、Mバルク体および焼結磁石体との間で化学的に反応しないガスであれば、「不活性ガス」に含まれ得る。
焼結磁石体の表面に飛来し、析出したM元素は、雰囲気の熱および磁石界面におけるM濃度の差を駆動力として、磁石内部に向かって拡散する。このとき、R2Fe14B相中の軽希土類元素RLの一部が、焼結磁石体の温度の上昇によって表層付近に濃化する。その結果、R2Fe14B相の外殻部に軽希土類元素RLとM元素が濃縮された層が形成される。
M元素の焼結磁石体内部への拡散によって、R−Fe−B系希土類焼結磁石の残留磁束密度Brおよび角形比(Hk/HcJ)の低下を抑制しつつ、保磁力HcJを上昇させることが可能である。後述の実施例に示すように、M元素はEPMA(電子線マイクロアナライザ)の分析による限り、焼結磁石体の表層付近にとどまっている。しかし、前記のような効果が見られるのは、M元素は重希土類元素RHと異なり、主相(R2Fe14B型化合物結晶粒)の内部への粒内拡散は起こりにくく、極微量が粒界相(Ndリッチ相)に優先的に拡散するからであると推測される。
従来の重希土類元素RHを拡散導入する技術によれば、焼結磁石体の表面に厚さ数μm以上のRH膜を形成した上で、そのRH膜からRHが焼結磁石体の内部に拡散していた。気相からではなく固相であるRH膜から供給されるRHは、粒界を拡散するだけではなく、焼結磁石体の表層領域に位置する主相の内部にも粒内拡散し、残留磁束密度Brの低下を引き起こしていた。
しかしながら、本発明によれば、気相から供給されるM元素が、焼結磁石体の表面に衝突した後、主相(R2Fe14B型化合物結晶粒)の内部への粒内拡散することなく、焼結磁石体の内部に拡散して行く。これにより、残留磁束密度Brおよび角形比(Hk/HcJ)の低下が起こりにくくなっている。
焼結磁石の表面状態はM元素が拡散浸透しやすいよう、より金属状態に近い方が好ましく、事前に酸洗浄やブラスト処理等の活性化処理を行った方がよい。ただし、本発明では、M元素が気化し、活性な状態で焼結磁石体の表面に被着すると、固体の層を形成するよりも高い速度で焼結磁石体の内部に拡散していく。このため、焼結磁石体の表面は、例えば焼結工程後や切断加工が完了した後の酸化が進んだ状態にあってもよい。
Mバルク体の形状・大きさは特に限定されず、板状であってもよいし、不定形(石ころ状)であってもよい。Mバルク体に多数の微小孔(直径数10μm程度)が存在してもよい。Mバルク体は少なくとも1種のM元素を含むM元素またはM元素を含む合金から形成されていることが好ましい。また、Mバルク体の材料の蒸気圧が高いほど、単位時間あたりのM元素の導入量が大きくなり、効率的である。
本発明の蒸着拡散工程を経た磁石に対して、さらに追加熱処理を行うと、保磁力(HcJ)をさらに向上させることができる。追加熱処理の条件(処理温度、時間)は、蒸着拡散条件と同様の条件でよく、550℃〜1100℃の温度で、10分〜600分保持することが好ましい。
追加熱処理は、拡散工程終了後、Ar分圧を103Pa程度に上げてM元素を蒸発させないようにし、そのまま熱処理のみを行ってもよいし、一度拡散工程を終了した後、RH蒸発源を配置せずに再度拡散工程と同じ条件で熱処理のみを行ってもよい。
また、M元素の拡散導入は、同様の方法による重希土類元素RHの拡散導入と組み合わせて行ってもよい。この場合、M元素の拡散処理とRHの拡散処理はどちらが先に行われてもよい。
重希土類元素RHの拡散条件は、RHバルク体および焼結磁石体の温度を700℃以上1100℃以下、好ましくは、850℃以上950℃以下、に調整し、処理室内の雰囲気圧力を10-5Pa以上500Pa以下、好ましくは10-3Pa以上1Pa以下に設定するほかは、M元素の拡散処理と同じ条件でよい。
また、重希土類元素RHは、M元素に比べて、焼結磁石体の表面に近い部分の主相(R2Fe14B型化合物結晶粒)の内部へ粒内拡散しやすいので、RHの蒸着拡散処理を行った後、焼結磁石体表面を5〜500μm除去し、その後にM元素の拡散処理を行ってもよい。
以下、本発明によるR−Fe−B系希土類焼結磁石を製造する方法の好ましい実施形態を説明する。
(実施形態)
[原料合金]
まず、25質量%以上40質量%以下の軽希土類元素RLと、0.6質量%〜1.6質量%のB(硼素)と、残部Feおよび不可避的不純物とを含有する合金を用意する。Bの一部はC(炭素)によって置換されていてもよいし、Feの一部(50原子%以下)は、他の遷移金属元素(例えばCoまたはNi)によって置換されていてもよい。この合金は、種々の目的により、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Pb、およびBiからなる群から選択された少なくとも1種の添加元素Mを0.01〜1.0質量%程度含有していてもよい。
上記の合金は、原料合金の溶湯を例えばストリップキャスト法によって急冷して好適に作製され得る。以下、ストリップキャスト法による急冷凝固合金の作製を説明する。
まず、上記組成を有する原料合金をアルゴン雰囲気中において高周波溶解によって溶融し、原料合金の溶湯を形成する。次に、この溶湯を1350℃程度に保持した後、単ロール法によって急冷し、例えば厚さ約0.3mmのフレーク状合金鋳塊を得る。こうして作製した合金鋳片を、次の水素粉砕前に例えば1〜10mmの大きさのフレーク状に粉砕する。なお、ストリップキャスト法による原料合金の製造方法は、例えば、米国特許第5、383、978号明細書に開示されている。
[粗粉砕工程]
上記のフレーク状に粗く粉砕された合金鋳片を水素炉の内部へ収容する。次に、水素炉の内部で水素脆化処理(以下、「水素粉砕処理」と称する場合がある)工程を行う。水素粉砕後の粗粉砕合金粉末を水素炉から取り出す際、粗粉砕粉が大気と接触しないように、不活性雰囲気下で取り出し動作を実行することが好ましい。そうすれば、粗粉砕粉が酸化・発熱することが防止され、磁石の磁気特性の低下が抑制できるからである。
水素粉砕によって、希土類合金は0.1mm〜数mm程度の大きさに粉砕され、その平均粒径は500μm以下となる。水素粉砕後、脆化した原料合金をより細かく解砕するとともに冷却することが好ましい。比較的高い温度状態のまま原料を取り出す場合は、冷却処理の時間を相対的に長くすれば良い。
[微粉砕工程]
次に、粗粉砕粉に対してジェットミル粉砕装置を用いて微粉砕を実行する。本実施形態で使用するジェットミル粉砕装置にはサイクロン分級機が接続されている。ジェットミル粉砕装置は、粗粉砕工程で粗く粉砕された希土類合金(粗粉砕粉)の供給を受け、粉砕機内で粉砕する。粉砕機内で粉砕された粉末はサイクロン分級機を経て回収タンクに集められる。こうして、0.1〜20μm程度(典型的には3〜5μm)の微粉末を得ることができる。このような微粉砕に用いる粉砕装置は、ジェットミルに限定されず、アトライタやボールミルであってもよい。粉砕に際して、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を粉砕助剤として用いてもよい。
[プレス成形]
本実施形態では、上記方法で作製された磁性粉末に対し、例えばロッキングミキサー内で潤滑剤を例えば0.3wt%添加・混合し、潤滑剤で合金粉末粒子の表面を被覆する。次に、上述の方法で作製した磁性粉末を公知のプレス装置を用いて配向磁界中で成形する。印加する磁界の強度は、例えば1.5〜1.7テスラ(T)である。また、成形圧力は、成形体のグリーン密度が例えば4〜4.5g/cm3程度になるように設定される。
[焼結工程]
上記の粉末成形体に対して、650〜1000℃の範囲内の温度で10〜240分間保持する工程と、その後、上記の保持温度よりも高い温度(例えば1000〜1200℃)で焼結を更に進める工程とを順次行なうことが好ましい。焼結時、特に液相が生成されるとき(温度が650〜1000℃の範囲内にあるとき)、粒界相中のRリッチ相が融け始め、液相が形成される。その後、焼結が進行し、焼結磁石体が形成される。前述の通り、焼結磁石体の表面が酸化された状態でも蒸着拡散処理を施すことができるため、焼結工程の後、時効処理(400℃〜700℃)や寸法調整のための研削を行っても良い。
[蒸着拡散工程]
次に、こうして作製された焼結磁石体にM元素を拡散浸透させて、保磁力HcJを向上させる。具体的には、図1に示す処理室内にM元素を含むMバルク体と焼結磁石体とを配置し、加熱により、Mバルク体からM元素を焼結磁石体の表面に供給しつつ、焼結磁石体の内部に拡散させる。
本実施形態における拡散工程では、焼結磁石体の温度をバルク体の温度と同じかそれ以上にすることが好ましい。ここで、焼結磁石体の温度をバルク体の温度と同じとは、両者の温度差が20℃以内にあることを意味するものとする。具体的には、Mバルク体の温度を550℃以上1100℃以下の範囲内に設定し、かつ、焼結磁石体の温度を550℃以上1100℃以下の範囲内に設定することが好ましい。また、焼結磁石体とMバルク体の間隔は、前述の通り、0.1mm〜300mm、好ましくは3mm〜100mm、より好ましくは4mm〜50mmに設定する。
また、蒸着拡散工程時における雰囲気ガスの圧力は、10-5〜105Paであれば、Mバルク体の気化(昇華)が適切に進行し、蒸着拡散処理を行うことができる。効率的に蒸着拡散処理を行うためには、雰囲気ガスの圧力を10-3〜103Paの範囲内に設定することが好ましい。また、Mバルク体および焼結磁石体の温度を550℃以上1100℃以下の範囲内に保持する時間は、10分〜600分の範囲に設定されることが好ましい。ただし、保持時間は、Mバルク体および焼結磁石体の温度が550℃以上1100℃以下および圧力が10-5Pa以上105Pa以下にある時間を意味し、必ずしも特定の温度、圧力に一定に保持される時間のみを表すのではない。
本実施形態における拡散工程は、焼結磁石体の表面状況に敏感ではなく、拡散工程の前に焼結磁石体の表面にAlまたはZnからなる膜が形成されていてもよい。AlおよびZnは、低融点金属であり、しかも、少量であれば磁石特性を劣化させず、また上記の拡散の障害ともならないからである。
なお、バルク体は、一種類の元素から構成されている必要はなく、M元素および元素X(Nd、Pr、La、Ce、Al、Zn、Cu、Co、Fe、Ag、およびInからなる群から選択された少なくとも1種)の合金を含有していてもよい。このような元素Xは、粒界相の融点を下げるため、M元素の粒界拡散を促進する効果が期待できる。このような合金のバルク体とNd焼結磁石とを離間配置した状態で真空熱処理することにより、M元素および元素Xを磁石表面上に蒸着するとともに、優先的に液相となった粒界相(Ndリッチ相)を介して磁石内部へ拡散させることができる。
また、拡散のための熱処理に際して、粒界相のNd、Prが微量ながら気化するため、元素XがNdおよび/またはPrであれば、蒸発したNdおよび/またはPrを補うことができ、好ましい。
拡散処理の後、前述の追加熱処理(550℃〜1100℃)を行っても良い。また、必要に応じて時効処理(400℃〜550℃)を行うが、追加熱処理(550℃〜1100℃)を行う場合は、時効処理はその後に行うことが好ましい。追加熱処理と時効処理とは、同じ処理室内で行っても良い。
実用上、蒸着拡散後の焼結磁石体に表面処理を施すことが好ましい。表面処理は公知の表面処理でよく、例えばAl蒸着や電気Niめっきや樹脂塗装などの表面処理を行うことができる。表面処理を行う前にはサンドブラスト処理、バレル処理、エッチング処理、機械研削等公知の前処理を行ってもよい。また、拡散処理の後に寸法調整のための研削を行っても良い。このような工程を経ても、保磁力向上効果はほとんど変わらない。寸法調整のための研削量は、1〜300μm、より好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜30μmである。
(実施例1)
まず、Nd:32.0、B:1.0、Co:0.9、Cu:0.1、Al:0.2、残部:Fe(質量%)の組成を有するように配合した合金を用いてストリップキャスト法により厚さ0.2〜0.3mmの合金薄片を作製した。
次に、この合金薄片を容器内に充填し、水素処理装置内に収容した。そして、水素処理装置内を圧力500kPaの水素ガス雰囲気で満たすことにより、室温で合金薄片に水素吸蔵させた後、放出させた。このような水素処理を行うことにより、合金薄片を脆化し、大きさ約0.15〜0.2mmの不定形粉末を作製した。
上記の水素処理により作製した粗粉砕粉末に対し粉砕助剤として0.05wt%のステアリン酸亜鉛を添加し混合した後、ジェットミル装置による粉砕工程を行うことにより、粉末粒径が約3μmの微粉末を作製した。
こうして作製した微粉末をプレス装置により成形し、粉末成形体を作製した。具体的には、印加磁界中で粉末粒子を磁界配向した状態で圧縮し、プレス成形を行った。その後、成形体をプレス装置から抜き出し、真空炉により1020℃で4時間の焼結工程を行った。こうして、焼結体ブロックを作製したあと、この焼結体ブロックを機械的に加工することにより、厚さ3mm×縦7mm×横7mmの焼結磁石体を得た。磁化方向は、厚さ3mmの方向に設定した。
この焼結磁石体を0.3%硝酸水溶液で酸洗し、乾燥させた後、図1に示す構成を有する処理容器内に配置した。本実施例で使用する処理容器はMoから形成されており、複数の焼結磁石体を支持する部材と、2枚のMバルク体を保持する部材とを備えている。焼結磁石体とMバルク体との間隔は2〜4mm程度に設定した。Mバルク体は、表1に示す元素から形成され、15mm×15mm×5mmのサイズを有している。
次に、図1の処理容器を真空熱処理炉において加熱し、熱処理を行った。熱処理の条件は、以下の表1に示す通りである。なお、以下特に示さない限り、熱処理温度は焼結磁石体の温度を意味することとする。焼結磁石体の温度は、RHバルク体の温度にほぼ等しい。
表1に示す条件で熱処理を行った後、時効処理(圧力2Pa、500℃で120分)を行った。
各サンプルについて、3MA/mのパルス着磁を行った後、B−Hトレーサで磁石特性(残留磁束密度:Br、保磁力:HcJ)を測定した。測定によって得た残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを図2に示す。
この結果から、M元素がM1元素(Sr、Ca、Ba、Bi)の場合、550℃以上700℃以下で、M元素がM2元素(Sb)の場合、550℃以上850℃以下で熱処理することにより、残留磁束密度Brの低下を抑制しつつ、保磁力HcJを向上させることができることを確認した。
(実施例2)
磁石組成をNd:31.8、B:0.97、Co:0.92、Cu:0.1、Al:0.24、残部:Fe(質量%)としたこと以外は実施例1について説明した方法と同様の方法によって作製した焼結磁石体を用意した。上記の焼結磁石体を0.3%硝酸で酸洗し、乾燥させた後、図1に示す構成を有する処理容器内に配置した。焼結磁石体と拡散元素のバルク体との間隔は2〜4mm程度に設定した。拡散元素のバルク体は、表2に示す元素から形成され、15mm×15mm×5mmのサイズを有している。
次に、図1の処理容器を真空熱処理炉において加熱し、表2に示す条件で120分熱処理を行った後、時効処理(圧力2Pa、500℃で60分)を行った。
時効処理後、B−Hトレーサによって磁石特性(残留磁束密度Br、保磁力HcJ)を測定した。測定結果を以下の表2に示す。
なお、拡散処理を行わずに実施例と同様の条件で時効処理を行ったサンプルについても素材として表中に磁石特性を記載した。
これらの結果からわかるように、M元素を拡散導入した場合は、残留磁束密度Brや角形比Hk/HcJをほとんど低下させずに保磁力HcJを向上させることができる。
図3はSrを拡散処理後のサンプルの断面EPMA分析結果である。図3の上左から順番に、BEI(反射電子像)、Nd、およびFeの分布を示す写真であり、図3の下左からOおよびSrの分布を示す写真である。各写真に示されるサンプルの左端が磁石体表面である。これによれば、焼結磁石体表面付近にNdとSrが濃化した層(濃化層)が形成されていることがわかる。ここで、「濃化層」とは、磁石体の内部における平均濃度の5倍程度以上に濃度が増加した層を意味しており、例えば1〜5μm程度の厚さを有している。
(実施例3)
磁石組成をNd:31.8、B:0.97、Co:0.92、Cu:0.1、Al:0.24、残部:Fe(質量%)としたこと以外は実施例1について説明した方法と同様の方法によって作製した焼結磁石体を用意した。上記の焼結磁石体を0.3%硝酸で酸洗し、乾燥させた後、図1に示す構成を有する処理容器内に配置した。焼結磁石体と拡散元素のバルク体との間隔は2〜4mm程度に設定した。拡散元素のバルク体は、表2に示す元素から形成され、15mm×15mm×5mmのサイズを有している。
次に、図1の処理容器を真空熱処理炉において加熱し、表3に示す条件で120分の熱処理を2回行った後、時効処理(圧力2Pa、500℃で60分)を行った。
時効処理後、B−Hトレーサによって磁石特性(残留磁束密度Br、保磁力HcJ)を測定した。測定結果を以下の表3に示す。
なお、拡散処理を行わずに実施例と同様の条件で時効処理を行ったサンプルについても素材として表中に磁石特性を記載した。
これらの結果からわかるように、RH(Dy)の拡散導入とM元素の拡散導入を組み合わせることにより、RH(Dy)単独で拡散導入した場合に比べて残留磁束密度Brや角形比Hk/HcJの低下を抑えつつ、保磁力HcJを向上させることができる。
図4は1回目Dy、2回目Srを拡散処理後のサンプルの断面EPMA分析結果である。図4の上左から順番に、BEI、Nd、およびFeの分布を示す写真であり、図4の下左からO、Dy、およびSrの分布を示す写真である。各写真に示されるサンプルの左端が磁石体表面である。これによれば、Dyが磁石内部まで拡散導入され、磁石体表面付近にNdとSrの濃化層が形成されていることがわかる。
本発明のR−Fe−B系希土類焼結磁石は、残留磁束密度Brや角形比Hk/HcJの低下を抑えつつ、保磁力HcJを向上させることができるため、電子機器やモータなどの種々の技術分野に好適に使用され得る。
本発明によるR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法に好適に用いられる処理容器の構成と、処理容器内におけるM元素のバルク体と焼結磁石体との配置関係の一例を模式的に示す断面図である。 (a)は、残留磁束密度Brと処理温度との関係を示すグラフであり、(b)は、保磁力HcJと処理温度との関係を示すグラフである。 Srを拡散処理後のサンプルの断面EPMA分析結果を示す写真である。 1回目Dy、2回目Srを拡散処理後のサンプルの断面EPMA分析結果を示す写真である。
符号の説明
2 焼結磁石体
4 M元素のバルク体
6 処理室
8 Nb製の網

Claims (10)

  1. 軽希土類元素RL(NdおよびPrの少なくとも1種)を主たる希土類元素Rとして含有するR2Fe14B型化合物結晶粒を主相として有するR−Fe−B系希土類焼結磁石体を用意する工程(a)と、
    M元素(Ca、Sr、Ba、Sb、Bi、Gd、およびSnからなる群から選択された少なくとも1種)を含有するバルク体を、前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体とともに処理室内に配置する工程であって、前記バルク体と前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体とを接触することなく前記処理室内に近接配置する工程(b)と、
    前記近接配置された前記バルク体および前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体を550℃以上1100℃以下に加熱することにより、前記バルク体からM元素を前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の表面に供給しつつ、前記M元素を前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の内部に拡散させる工程(c)と、
    を包含するR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。
  2. 前記工程(c)において、前記バルク体と前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体との平均間隔0.1mm以上300mm以下の範囲内に設定される、請求項1に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。
  3. 前記工程(c)において、前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の温度と前記バルク体の温度との温度差が20℃以内である、請求項1に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。
  4. 前記工程(c)において、前記処理室内の雰囲気ガスの圧力を10-5〜105Paの範囲内に調整する、請求項1に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。
  5. 前記工程(c)において、前記バルク体および前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の温度を550℃以上1100℃以下の範囲内に10分〜600分保持する請求項1に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。
  6. M元素が、M1元素(Sr、Ca、Ba、Biからなる群から選択された少なくとも1種)であり、前記工程(c)における加熱温度を550℃以上700℃以下、前記処理室内の雰囲気ガスの圧力を10-2〜105Paの範囲内に調整する、請求項1に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。
  7. M元素が、M2元素(Sb)であり、前記工程(c)における加熱温度を550℃以上850℃以下、前記処理室内の雰囲気ガスの圧力を10-4〜103Paの範囲内に調整する、請求項1に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。
  8. M元素が、M3元素(Sn)であり、前記工程(c)における加熱温度を600℃以上900℃以下、前記処理室内の雰囲気ガスの圧力を10-4〜103Paの範囲内に調整する、請求項1に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。
  9. M元素が、M4元素(Gd)であり、前記工程(c)における加熱温度を700℃以上1100℃以下、前記処理室内の雰囲気ガスの圧力を10-4〜103Paの範囲内に調整する、請求項1に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。
  10. 前記工程(a)の後に、さらに重希土類元素RH(Dy、Ho、およびTbからなる群から選択された少なくとも1種)を含有するバルク体を、前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体とともに処理室内に配置する工程(b')と、
    前記重希土類元素RHを含有するバルク体および前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体を700℃以上1100℃以下に加熱することにより、前記バルク体から 重希土類元素RHを前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の表面に供給しつつ、前記重希土類元素RHを前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の内部に拡散させる工程(c')と、
    を包含する請求項1に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。
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