JP5146552B2 - R−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法 - Google Patents

R−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、R2Fe14B型化合物結晶粒(Rは希土類元素)を主相として有するR−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法に関し、特に、軽希土類元素RL(NdおよびPrの少なくとも1種)を主たる希土類元素Rとして含有し、かつ、軽希土類元素RLの一部が重希土類元素RH(Dy、Ho、およびTbからなる群から選択された少なくとも1種)によって置換されているR−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法に関している。
Nd2Fe14B型化合物を主相とするR−Fe−B系の希土類焼結磁石は、永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)や、ハイブリッド車搭載用モータ等の各種モータや家電製品等に使用されている。R−Fe−B系希土類焼結磁石をモータ等の各種装置に使用する場合、高温での使用環境に対応するため、耐熱性に優れ、高保磁力特性を有することが要求される。
R−Fe−B系希土類焼結磁石の保磁力を向上する手段として、重希土類元素RHを原料として配合し、溶製した合金を用いることが行われている。この方法によると、希土類元素Rとして軽希土類元素RLを含有するR2Fe14B相の希土類元素Rが重希土類元素RHで置換されるため、R2Fe14B相の結晶磁気異方性(保磁力を決定する本質的な物理量)が向上する。しかし、R2Fe14B相中における軽希土類元素RLの磁気モーメントは、Feの磁気モーメントと同一方向であるのに対して、重希土類元素RHの磁気モーメントは、Feの磁気モーメントと逆方向であるため、軽希土類元素RLを重希土類元素RHで置換するほど、残留磁束密度Brが低下してしまうことになる。
一方、重希土類元素RHは希少資源であるため、その使用量の削減が望まれている。これらの理由により、軽希土類元素RLの全体を重希土類元素RHで置換する方法は好ましくない。
比較的少ない量の重希土類元素RHを添加することにより、重希土類元素RHによる保磁力向上効果を発現させるため、重希土類元素RHを多く含む合金・化合物などの粉末を、軽希土類RLを多く含む主相系母合金粉末に添加し、成形・焼結させることが提案されている。この方法によると、重希土類元素RHがR2Fe14B相の粒界近傍に多く分布することになるため、主相外殻部におけるR2Fe14B相の結晶磁気異方性を効率よく向上させることが可能になる。R−Fe−B系希土類焼結磁石の保磁力発生機構は核生成型(ニュークリエーション型)であるため、主相外殻部(粒界近傍)に重希土類元素RHが多く分布することにより、結晶粒全体の結晶磁気異方性が高められ、逆磁区の核生成が妨げられ、その結果、保磁力が向上する。また、保磁力向上に寄与しない結晶粒の中心部では、重希土類元素RHによる置換が生じないため、残留磁束密度Brの低下を抑制することもできる。
しかしながら、実際にこの方法を実施してみると、焼結工程(工業規模で1000℃から1200℃で実行される)で重希土類元素RHの拡散速度が大きくなるため、重希土類元素RHが結晶粒の中心部にも拡散してしまう結果、期待していた組織構造を得ることは容易でない。
さらにR−Fe−B系希土類焼結磁石の別の保磁力向上手段として、焼結磁石の段階で重希土類元素RHを含む金属、合金、化合物等を磁石表面に被着後、熱処理、拡散させることによって、残留磁束密度をそれほど低下させずに保磁力を回復または向上させることが検討されている(特許文献1、特許文献2、及び特許文献3)。
特許文献1は、Ti、W、Pt、Au、Cr、Ni、Cu、Co、Al、Ta、Agのうち少なくとも1種を1.0原子%〜50.0原子%含有し、残部R´(R´はCe、La、Nd、Pr、Dy、Ho、Tbのうち少なくとも1種)からなる合金薄膜層を焼結磁石体の被研削加工面に形成することを開示している。
特許文献2は、小型磁石の最表面に露出している結晶粒子の半径に相当する深さ以上に金属元素R(このRは、Y及びNd、Dy、Pr、Ho、Tbから選ばれる希土類元素の1種又は2種以上)を拡散させ、それによって加工変質損傷部を改質して(BH)maxを向上させることを開示している。
特許文献3は、厚さ2mm以下の磁石の表面に希土類元素を主体とする化学気相成長膜を形成し、磁石特性を回復させることを開示している。
特許文献4は、R−Fe−B系微小焼結磁石や粉末の保磁力を回復するため、希土類元素の収着法を開示している。この方法では、収着金属(Yb、Eu、Smなどの沸点が比較的低い希土類金属)をR−Fe−B系微小焼結磁石や粉末と混合した後、攪拌しながら真空中で均一に加熱するための熱処理が行われる。この熱処理により、希土類金属が磁石表面に被着するとともに、内部に拡散する。沸点の高い希土類金属(例えばDy)を収着させる実施形態では、高周波加熱方式により、Dyなどを選択的に高温に加熱しているが、例えばDyの沸点は2560℃であり、沸点1193℃のYbを800〜850℃に加熱していることから、Dyは少なくとも1000℃を超える温度に加熱しているものと考えられる。さらに、R−Fe−B系微小焼結磁石や粉末は700〜850℃に保つことが好ましいと記載されている。
特開昭62−192566号公報 特開2004−304038号公報 特開2005−285859号公報 特開2004−296973号公報
特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示されている従来技術は、いずれも、加工劣化した焼結磁石表面の回復を目的としているため、表面から内部に拡散される金属元素の拡散範囲は、焼結磁石の表面近傍に限られている。このため、厚さ3mm以上の磁石では、保磁力の向上効果がほとんど得られない。
一方、特許文献4に開示されている従来技術では、Dyなどの希土類金属を充分に気化する温度に加熱し、成膜を行っているため、磁石中の拡散速度よりも成膜速度の方が圧倒的に高く、磁石表面上に厚いDy膜が形成される。その結果、磁石表層領域(表面から数十μmの深さまでの領域)では、Dy膜と焼結磁石体との界面におけるDy濃度の大きな勾配を駆動力として、Dyが主相中にも拡散することを避けられず、残留磁束密度Brが低下してしまう。
また、特許文献4の方法では、成膜処理時に装置内部の磁石以外の部分(例えば真空チャンバーの内壁)にも多量に希土類金属が堆積するため、貴重資源である重希土類元素の省資源化に反することになる。
更に、低沸点の希土類金属を対象とした実施形態においては、確かに個々のR−Fe−B系微小磁石の保磁力は回復するが、拡散熱処理時にR−Fe−B系磁石と収着金属が融着したり、処理後お互いを分離することが困難であり、焼結磁石体表面に未反応の収着金属(RH)の残存が事実上避けられない。これは、磁石成形体における磁性成分比率を下げ磁石特性の低減を招くのみならず、希土類金属は本来非常に活性で酸化しやすいため、実用環境において未反応収着金属が腐食の起点になりやすく好ましくない。また、混合攪拌するための回転と真空熱処理を同時に行う必要があるため、耐熱性、圧力(気密度)を維持しながら回転機構を組み込んだ特別な装置が必要になり、量産製造時に設備投資や品質安定製造の観点で課題がある。また、収着原料に粉末を使用した場合は安全性の問題(発火や人体への有害性)や作製工程に手間がかかりコストアップ要因となる。
また、Dyを含む高沸点希土類金属を対象とした実施形態においては、高周波によって収着原料と磁石の双方を加熱するため、希土類金属のみを充分な温度に加熱し磁石を低温に保持することは容易ではなく、磁石は、誘導加熱されにくい粉末の状態か極微小なものに限られてしまう。
なお、特許文献1乃至特許文献4に開示されている技術によれば、希少資源であるDyを有効に活用するには、磁石体表面に堆積したDyを残存させることなく、磁石体の内部に拡散させることが好ましい。従って、拡散が終了した後、磁石体表面には被膜が存在せず、磁石体の腐食が生じやすい状態にある。このため、従来は、拡散工程の後、耐候性を確保するための表面処理が別途必要であった。
本発明は、上記課題を解決する為になされたものであり、その目的とするところは、少ない量の重希土類元素RHを効率よく活用し、磁石が比較的厚くとも、磁石全体にわたって主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを拡散させるとともに耐候性に優れた層を形成したR−Fe−B系希土類焼結磁石を提供することにある。
本発明のR−Fe−B系希土類焼結磁石は、軽希土類元素RL(NdおよびPrの少なくとも1種)を主たる希土類元素Rとして含有するR2Fe14B型化合物結晶粒を主相として有するR−Fe−B系希土類焼結磁石体と、前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の表面に形成された保護層とを備え、前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体は、重希土類元素RH(Dy、HoおよびTbからなる群から選択された少なくとも1種)を含有し、前記保護層は、軽希土類元素RLを含有し、厚さ0.5μm以上の部分を有している。
好ましい実施形態において、前記保護層の平均厚さは0.3μm以上である。
好ましい実施形態において、前記保護層は前記軽希土類元素RLの酸化物または水酸化物を含有している。
好ましい実施形態において、前記重希土類元素RHは、前記表面から粒界拡散によって導入された元素を含有している。
好ましい実施形態において、前記保護層は前記重希土類元素RHを含有している。
好ましい実施形態において、前記保護層は前記重希土類元素RHの酸化物または水酸化物を含有している。
本発明によるR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法は、軽希土類元素RLを主たる希土類元素Rとして含有するR2Fe14B型化合物相結晶粒を主相として有するR−Fe−B系希土類焼結磁石体を用意する工程(A)と、重希土類元素RHを含有するバルク体を前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体とともに処理室内に配置する工程(B)と、前記バルク体および前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体を、酸素分圧が1×10-6Pa以上1×103Pa以下の雰囲気中で700℃以上1000℃以下に加熱することにより、前記バルク体から重希土類元素RHを前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の表面に供給しつつ、前記重希土類元素RHを前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の内部に拡散させ、同時に前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体表面に軽希土類元素RLを含有する保護層を形成する工程(C)とを包含する。
好ましい実施形態において、前記保護層は前記軽希土類元素RLの酸化物または水酸化物を含有している。
好ましい実施形態において、前記保護層は前記重希土類元素RHを含有している。
好ましい実施形態において、前記保護層は前記重希土類元素RHの酸化物または水酸化物を含有している。
本発明では、重希土類元素RH(Dy、Ho、およびTbからなる群から選択された少なくとも1種)の粒界拡散を行うことにより、焼結磁石体内部の奥深い位置まで重希土類元素RHを供給し、主相外殻部において軽希土類元素RLを効率よく重希土類元素RHで置換することができる。その結果、残留磁束密度Brの低下を抑制しつつ、保磁力HcJを上昇させることが可能になる。
また本発明では、重希土類元素RHの拡散方向と反対の方向に軽希土類元素RLを拡散(相互拡散)させることにより、焼結磁石体の表面に到達した軽希土類元素RLから充分な厚さの保護層を形成するため、特別の表面処理工程を行なうことなく耐食性を向上させることができる。
(a)および(b)は、それぞれ、本発明の実施例(サンプルA)および比較例の断面構成を示す写真(反射電子線像)である。 本発明によるR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法に好適に用いられる処理容器の構成と、処理容器内におけるDy板と焼結磁石体との配置関係の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例であるサンプルAについて得られた表面EPMA分析結果を示す写真であり、(a)、(b)、(c)、および(d)は、それぞれ、BEI(反射電子線像)、Nd、Fe、およびDyの分布を示すマッピング写真である。 本発明の実施例であるサンプルBについて得られた表面EPMA分析結果を示す写真であり、(a)、(b)、(c)、および(d)は、それぞれ、BEI(反射電子線像)、Nd、Fe、およびDyの分布を示すマッピング写真である。 本発明の実施例であるサンプルCについて得られた表面EPMA分析結果を示す写真であり、(a)、(b)、(c)、および(d)は、それぞれ、BEI(反射電子線像)、Nd、Fe、およびDyの分布を示すマッピング写真である。 本発明の実施例であるサンプルAについて得られた断面EPMA分析結果を示す写真であり、(a)、(b)、(c)、および(d)は、それぞれ、BEI(反射電子線像)、Nd、Fe、およびDyの分布を示すマッピング写真である。 本発明の実施例であるサンプルBについて得られた断面EPMA分析結果を示す写真であり、(a)、(b)、(c)、および(d)は、それぞれ、BEI(反射電子線像)、Nd、Fe、およびDyの分布を示すマッピング写真である。 本発明の実施例であるサンプルCについて得られた断面EPMA分析結果を示す写真であり、(a)、(b)、(c)、および(d)は、それぞれ、BEI(反射電子線像)、Nd、Fe、およびDyの分布を示すマッピング写真である。 サンプルA〜CについてX線回折装置(Rigaki RINT2400)によるX線回折測定を行った結果を示すグラフである。 本発明の実施例および比較例の減磁曲線の角形比(Hk/Hcj)と、PCTの経過時間(Exposure Time)との関係を示すグラフである。
本発明のR−Fe−B系希土類焼結磁石は、焼結体の表面から粒界拡散によって内部に導入された重希土類元素RHを含有している。ここで、重希土類元素RHは、Dy、Ho、およびTbからなる群から選択された少なくとも1種である。
本発明のR−Fe−B系希土類焼結磁石は、重希土類バルク体(以下、「RHバルク体」と称する。)から重希土類元素RHを焼結磁石体表面に供給しつつ、重希土類元素RHを焼結体の表面から内部へ拡散させることによって好適に製造される。本発明の製造方法では、気化・昇華しにくい重希土類元素RHのバルク体、および希土類焼結磁石体を700℃以上1000℃以下に加熱することにより、RHバルク体の気化・昇華をRH膜の成長速度がRHの磁石内部への拡散速度よりも大きくならない程度に抑制しつつ、焼結磁石体の表面に飛来した重希土類元素RHを速やかに磁石体内部に拡散させる。700℃以上1000℃以下の温度範囲は、重希土類元素RHの気化・昇華がほとんど生じない温度であるが、R−Fe−B系希土類焼結磁石における希土類元素の拡散が活発に生じる温度でもある。このため、磁石体表面に飛来した重希土類元素RHが磁石体表面に膜を形成するよりも優先的に、磁石体内部への粒界拡散を促進させることが可能になる。ここで、重希土類元素RHが粒界相を通ってではなく、主相の内部へ拡散して行くことを「体積拡散」と称することにする。
本発明によれば、焼結磁石体表面の近傍に位置する主相の内部に重希土類元素RHが拡散して行く速度(レート)よりも速い速度で重希土類元素RHが磁石内部に拡散・浸透して行くことになる。
従来、Dyなどの重希土類元素RHの気化・昇華には、1000℃を超える高温に加熱することが必要であると考えられており、700℃以上1000℃以下の加熱では磁石体表面にDyを析出させることは無理であると考えられていた。しかしながら、本発明者の実験によると、従来の予測に反し、700℃以上1000℃以下でも対向配置された希土類磁石に重希土類元素RHを供給し、拡散させることが可能であることがわかった。なお、ここで「対向配置」とは、主たる表面どうしが平行となるように配置されていることを必要としない。
さらに本発明では、上記熱処理を酸素分圧が1×10-6Pa以上1×103Pa以下の雰囲気中で実行することにより、焼結磁石体の粒界に存在していた軽希土類元素RLが、焼結磁石体の表面に拡散し、表面に濃縮されて被膜を形成する。このとき、軽希土類元素RLは、雰囲気中の酸素と反応し、酸化物または水酸化物を形成する。本発明では、この被膜を厚さ0.5μm以上の部分を有するように成長させ、焼結磁石体の保護層として活用する。好ましい実施形態では、保護層の平均厚さが0.3μm以上である。
この保護層は、軽希土類元素RLの酸化物を主として含有するが、RHバルク体から焼結磁石体の表面に飛来した重希土類元素RHが固溶、または酸化物の状態で含有してもよい。その場合、保護層における重希土類元素RHの含有量が軽希土類元素RLの含有量を超えることもあり得るが、通常は、軽希土類元素RLが主体である。こうして形成される保護層は安定であり、焼結磁石の耐候性が著しく向上する。
図1(a)および(b)は、それぞれ、後に詳しく説明する本発明の実施例(サンプルA)および比較例の断面構成を示す写真(反射電子線像)である。実施例は、RHバルク体から焼結磁石体の表面にDyを気相的に供給し、焼結磁石体内部に拡散した状態にある。一方、比較例は、焼結磁石体の表面にDy層を堆積した後、熱処理により焼結磁石体の内部にDyを拡散した状態にある。
図1(a)および(b)からわかるように、実施例では、焼結磁石体の表面(上面)に明度の高い領域(被膜)が形成されているのに対し、比較例では、焼結磁石体の表面には被膜は形成されておらず、焼結磁石体の主相(R2Fe14B型化合物結晶粒)が露出している。図1(a)の被膜が上述した保護層として機能する層であり、拡散工程中に形成されたものである。
本発明の焼結磁石体表面に形成する保護層は、厚さ0.5μm以上の部分を有しているが、通常の使用環境において充分な耐候性を付与するという観点から、平均厚さが0.3μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、2.0μm以上であることが更に好ましい。磁石体の有効体積を考慮すれば、保護層の平均厚さは10μm以下であることが好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。なお、本明細書における「平均厚さ」は、磁石体表面における異なる10箇所の位置で測定した保護層の厚さを算術的に平均した値である。10箇所の位置は、磁石体表面上の任意の直線上にあり、5μm以上の一定間隔(例えば10μm間隔)を置いて選択される。保護層の厚さの測定は、例えば、保護層が形成された磁石体の断面を示す顕微鏡写真を撮影し、その写真上における保護層の厚さを計測することにより行うことができる。
重希土類元素RHの膜(RH膜)を焼結磁石体の表面に形成した後、焼結磁石体の内部に拡散させる従来技術では、RH膜と接する表層領域で「体積拡散」が顕著に進行し、磁石特性が劣化してしまう。これに対し、本発明では、RH膜の成長レートを低く抑えた状態で、重希土類元素RHを焼結磁石体の表面に供給しながら、焼結磁石体の温度を拡散に適したレベルに保持するため、磁石体表面に飛来した重希土類元素RHが、粒界拡散によって速やかに焼結磁石体内部に浸透して行く。このため、表層領域においても、「体積拡散」よりも優先的に「粒界拡散」が生じ、残留磁束密度Brの低下を抑制し、保磁力HcJを効果的に向上させることが可能になる。
また、RH膜を焼結磁石体の表面に形成後、焼結磁石体の内部に拡散させる従来の方法では、本発明のような軽希土類元素RLを含有し、少なくとも一部が厚さ0.5μm以上に成長した層は形成されない。本発明者の検討によれば、従来の方法では、焼結磁石体の表層領域で「体積拡散」が顕著に進行し、重希土類元素RHが主相の内部に速やかに拡散していくため、粒界に存在していた軽希土類元素RLは焼結磁石体表面に拡散しにくく、表層領域に濃縮されにくいと考えられる。
これに対し、本発明では、重希土類元素RHの供給速度が磁石体内部への拡散速度に近い速度に維持されるため、磁石体表面において重希土類元素RHの濃度勾配を軽減して主相への体積拡散を抑制しつつ、重希土類元素RHを優先的に粒界相へ拡散していくことができる。そして、その結果として、軽希土類元素RLの粒界相における相互拡散が顕著に生じ、磁石体表面では、軽希土類元素RLを含有する被膜が形成されると考えられる。また、酸化雰囲気中で拡散のための熱処理を行うため、磁石体表面には安定度の高い希土類酸化物を形成することが可能になる。
焼結磁石体の表面に成長するRL酸化物層には、気相中を飛来する重希土類元素RHが固溶し、あるいはRH酸化物の状態で含有されるため、被膜は更に安定化され、耐候性の向上に大きく寄与することになる。
本発明における拡散処理により、R2Fe14B主相結晶粒に含まれる軽希土類元素RLの一部を焼結体表面から粒界拡散によって内部に浸透させた重希土類元素RHで置換し、R2Fe14B主相の外殻部に重希土類元素RHが相対的に濃縮した層(厚さは例えば1nm)を形成することができる。
R−Fe−B系希土類焼結磁石の保磁力発生機構はニュークリエーション型であるため、主相外殻部における結晶磁気異方性が高められると、主相における粒界相の近傍で逆磁区の核生成が抑制される結果、主相全体の保磁力HcJが効果的に向上する。本発明では、焼結磁石体の表面に近い領域だけでなく、磁石表面から奥深い領域においても重希土類置換層を主相外殻部に形成することができるため、磁石全体にわたって結晶磁気異方性が高められ、磁石全体の保磁力HcJが充分に向上することになる。したがって、本発明によれば、消費する重希土類元素RHの量が少なくとも、焼結体の内部まで重希土類元素RHを拡散・浸透させることができ、主相外殻部で効率良くRH2Fe14Bを形成することにより、残留磁束密度Brの低下を抑制しつつ保磁力HcJを向上させることが可能になる。
なお、Tb2Fe14Bの結晶磁気異方性は、Dy2Fe14Bの結晶磁気異方性よりも高く、Nd2Fe14Bの結晶磁気異方性の約3倍の大きさを有している。このため、主相外殻部で軽希土類元RLと置換させるべき重希土類元素RHとしては、DyよりもTbが好ましい。
上記説明から明らかなように、本発明では、原料合金の段階において重希土類元素RHを添加しておく必要はない。すなわち、希土類元素Rとして軽希土類元素RL(NdおよびPrの少なくとも1種)を含有する公知のR−Fe−B系希土類焼結磁石を用意し、その表面から重希土類元素を磁石内部に拡散する。従来の重希土類層のみを磁石表面に形成した場合は、拡散温度を高めても、磁石内部の奥深くまで重希土類元素を拡散させることは困難であったが、本発明によれば、重希土類元素の粒界拡散により、焼結磁石体の内部に位置する主相の外殻部にも重希土類元素を効率的に供給することが可能になる。もちろん、本発明は、原料合金の段階において重希土類元素RHが添加されているR−Fe−B系焼結磁石に対して適用しても同様の効果が得られる。
次に、図2を参照しながら、本発明による拡散処理の好ましい例を説明する。図2は、焼結磁石体2とRHバルク体4との配置例を示している。図2に示す例では、高融点金属材料からなる処理室6の内部において、焼結磁石体2とRHバルク体4とが所定間隔をあけて対向するように配置されている。図2の処理室6は、複数の焼結磁石体2を支持する部材と、RHバルク体4を保持する部材とを備えている。図2の例では、焼結磁石体2と上方のRHバルク体4がNb製の網8によって保持されている。焼結磁石体2およびRHバルク体4を保持する構成は、上記の例に限定されず、任意である。ただし、焼結磁石体2とRHバルク体4との間を遮断するような構成は採用されるべきではない。本願における「対向」とは焼結磁石体とRHバルク体が間を遮断されることなく向かい合っていることを意味する。
不図示の加熱装置で処理室6を加熱することにより、処理室6の温度を上昇させる。このとき、処理室6の温度を、例えば700℃〜1000℃、好ましくは850℃〜950℃の範囲に調整する。この温度領域では、重希土類金属RHの蒸気圧は僅かであり、ほとんど気化しない。従来の技術常識によれば、このような温度範囲では、RHバルク体4から蒸発させた重希土類元素RHを焼結磁石体2の表面に供給し、成膜することはできないと考えられていた。
しかしながら、本発明者は、焼結磁石体2とRHバルク体4とを接触させることなく、近接配置させることにより、焼結磁石体2の表面に毎時数μm(例えば0.5〜5μm/Hr)の低いレートで重希土類金属を析出させることが可能であり、しかも、焼結磁石体2の温度をRHバルク体4の温度と同じかそれよりも高い適切な温度範囲内に調節することにより、気相から析出した重希土類金属RHを、そのまま焼結磁石体2の内部に深く拡散させ得ることを見出した。この温度範囲は、RH金属が焼結磁石体2の粒界相を伝って内部へ拡散する好ましい温度領域であり、RH金属のゆっくりとした析出と磁石体内部への急速な拡散が効率的に行われることになる。
本発明では、前述のように、RHバルク体の気化・昇華を抑制しつつ、焼結磁石体の表面に飛来した重希土類元素RHを速やかに磁石体内部に拡散させる。このためには、RHバルク体の温度は700℃以上1000℃以下の範囲内に設定し、かつ、焼結磁石体の温度は700℃以上1000℃以下の範囲内に設定することが好ましい。
焼結磁石体2とRHバルク体4の間隔は1mm〜300mm、好ましくは3mm〜100mm、より好ましくは4mm〜50mmに設定する。このような距離で離れた状態を維持できれば、焼結磁石2とRHバルク体4の配置関係は上下でも左右でも、また互いが相対的に移動するような配置であってもよい。また、気化したRHは上記のような距離範囲内であれば均一なRH雰囲気を形成するので、対向している面の面積は問われず、お互いの最も狭い面積の面が対向していてもよい。
従来の蒸着装置の場合、蒸着材料供給部分の周りの機構が障害となったり、蒸着材料供給部分に電子線やイオンを当てる必要があるため、蒸着材料供給部分と被処理物との間に相当の距離を設ける必要があった。このため、本発明のように、蒸着材料供給部分(RHバルク体4)を被処理物(焼結磁石体2)に近接して配置させることが行われてこなかった。その結果、蒸着材料を充分に高い温度に加熱し、充分に気化させない限り、被処理物上に蒸着材料を充分に供給できないと考えられていた。
これに対し、本発明では、蒸着材料を気化・昇華させるための特別な機構を必要とせず、処理室全体の温度を制御することにより、磁石表面にRH金属を析出させることができる。なお、本明細書における「処理室」は、焼結磁石体2とRHバルク体4を配置した空間を広く含むものであり、熱処理炉の処理室を意味する場合もあれば、そのような処理室内に収容される処理容器を意味する場合もある。
また、本発明では、RH金属の気化量は少ないが、焼結磁石体とRHバルク体4とが非接触かつ至近距離に配置されるため、気化したRH金属が焼結磁石体表面に効率よく析出し、処理室内の壁面などに付着することが少ない。さらに、処理室内の壁面がNbなどの耐熱合金やセラミックなどRHと反応しない材質で作成されていれば、壁面に付着したRH金属は再び気化し、最終的には焼結磁石体表面に析出する。このため、貴重資源である重希土類元素RHの無駄な消費を抑制することができる。
本発明で行う拡散工程の処理温度範囲では、RHバルク体は溶融軟化せず、その表面からRH金属が気化(昇華)するため、一回の処理工程でRHバルク体の外観形状に大きな変化は生じず、繰り返し使用することが可能である。
さらに、RHバルク体と焼結磁石体とを近接配置するため、同じ容積を有する処理室内に搭載可能な焼結磁石体の量が増え、積載効率が高い。また、大掛かりな装置を必要としないため、一般的な真空熱処理炉が活用でき、製造コストの上昇を避けることが可能であり、実用的である。
熱処理時における処理室内は、酸素分圧が1×10-6Pa以上1×103Pa以下の雰囲気で満たされる。具体的には、酸素分圧が上記範囲内に調節された不活性ガス中で熱処理を行うことが好ましい。本明細書における「不活性雰囲気」とは、真空または不活性ガスで満たされた状態を含むものとする。また、「不活性ガス」は、例えばアルゴン(Ar)などの希ガスであるが、RHバルク体および焼結磁石体との間で化学的に反応しないガスであれば、「不活性ガス」に含まれ得る。不活性ガスの圧力は、大気圧よりも低い値を示すように減圧される。処理室内の雰囲気圧力が大気圧に近いと、RHバルク体から焼結磁石体の表面に供給されにくくなるが、この圧力が充分に低い場合は、RH金属の拡散量(保磁力の向上度)は圧力に大きくは影響しない。これは、拡散量が磁石表面から内部への拡散速度によって律速されるためである。拡散量は、圧力よりも焼結磁石体の温度に敏感である。
焼結磁石体の表面に飛来し、析出したRH金属は、雰囲気の熱および磁石界面におけるRH濃度の差を駆動力として、粒界相中を磁石内部に向かって拡散する。このとき、R2Fe14B相中の軽希土類元素RLの一部が、磁石表面から拡散浸透してきた重希土類元素RHによって置換される。その結果、R2Fe14B相の外殻部に重希土類元素RHが濃縮された層が形成される。
このようなRH濃縮層の形成により、主相外殻部の結晶磁気異方性が高められ、保磁力HcJが向上することになる。すなわち、少ないRH金属の使用により、磁石内部の奥深くにまで重希土類元素RHを拡散浸透させ、主相外殻部のみを効率的にRH2Fe14Bに
変換するため、残留磁束密度Brの低下を抑制しつつ、磁石全体にわたって保磁力HcJを向上させることが可能になる。
前述したように、重希土類元素RHの拡散浸透に伴って軽希土類元素RLは焼結磁石体内部から表面に向かって拡散し、磁石体表面に保護層が形成される。
従来技術によれば、Dyなどの重希土類元素RHが焼結磁石体の表面に堆積する速さ(膜の成長レート)が、重希土類元素RHが焼結磁石体の内部に拡散する速さ(拡散速度)に比較して格段に高かった。このため、焼結磁石体の表面に厚さ数μm以上のRH膜を形成した上で、そのRH膜から重希土類元素RHが焼結磁石体の内部に拡散していた。気相からではなく固相であるRH膜から供給される重希土類元素RHは、粒界を拡散するだけではなく、焼結磁石体の表層領域に位置する主相の内部にも拡散し、残留磁束密度Brの低下を引き起こしていた。主相内部にも重希土類元素RHが拡散し、主相と粒界相との間でRH濃度に差異がなくなる領域は、焼結磁石体の表層領域(厚さ100μm以下)に限定されるが、磁石全体の厚さが薄い場合は、残留磁束密度Brの低下を避けることはできなくなる。
しかしながら、本発明によれば、気相から供給されるDyなどの重希土類元素RHが、焼結磁石体の表面に衝突した後、焼結磁石体の内部に速やかに拡散して行く。このことは、重希土類元素RHが表層領域に位置する主相の内部に拡散する前に、より高い拡散速度で粒界相を通じて焼結磁石体の内部に奥深く浸透して行くことを意味している。
本発明によれば、焼結磁石体の表面から深さ100μmまでの表層領域において、R2Fe14B型化合物結晶粒の中央部における重希土類元素RHの濃度と、R2Fe14B型化合物結晶粒の粒界相における重希土類元素RHの濃度との間に1原子%以上の差異が発生している。残留磁束密度Brの低下を抑制するには、2原子%の濃度差を形成することが好ましい。
前述のように、R−Fe−B系焼結磁石は、ニュークリエーションによる保磁力発生機構を有しているため、主相外殻部における結晶磁気異方性が高められることにより、主相の粒界相近傍における逆磁区の核生成が抑制され、保磁力HcJが高まる。なお、Tb2Fe14Bにおける結晶磁気異方性はNd2Fe14Bにおける結晶磁気異方性の約3倍であるため、希土類元素RHとしては、DyよりもTbを用いる方が保磁力向上効果を高めることが可能である。
また、拡散するRHの含有量は、磁石全体の重量比で0.1%以上1.5%以下の範囲に設定することが好ましい。1.5%を超えると、残留磁束密度Brの低下を抑制できなくなる可能性があり、0.1%未満では、保磁力HcJの向上効果が不充分だからである。上記の温度領域および圧力で、30〜180分熱処理することにより、0.1%〜1%の拡散量が達成できる。
焼結磁石の表面状態はRHが拡散浸透しやすいよう、より金属状態の近い方が好ましく、事前に酸洗浄やブラスト処理等の活性化処理を行った方がよい。ただし、本発明では、重希土類元素RHが気化し、活性な状態で焼結磁石体の表面に被着すると、固体の層を形成するよりも速い速度で焼結磁石体の内部に拡散していく。このため、焼結磁石体の表面は、例えば切断加工が完了した後の酸化が進んだ状態にあってもよい。
本発明によれば、主として粒界相を介して重希土類元素RHを拡散させることができるため、処理時間を調節することにより、磁石内部のより深い位置へ効率的に重希土類元素RHを拡散させることが可能である。
また、処理雰囲気の圧力を調節することにより、重希土類元素RHの蒸発レートを制御することが可能であるため、例えば焼結工程時にすでにRHバルク体を装置内に配置しておき、焼結工程時には相対的に高い雰囲気ガス圧力のもとでRHの蒸発を抑制しつつ、焼結反応を進める。そして、焼結完了後は、雰囲気ガス圧力を低下させ、RHの蒸散・拡散を進行させることにより、焼結工程と保磁力向上工程とを同一設備を用いて連続的に実施することが可能になる。
RHバルク体の形状は特に限定されず、板状であってもよいし、不定形(石ころ状)であってもよい。RHバルク体に多数の微小孔(直径数10mm程度)が存在すれば、比表面積が増加して重希土類元素RHの蒸発量が大きくなるため、好ましい。RHバルク体は、少なくとも1種の重希土類元素RHを含んでいれば、金属でも合金でもよい。また、蒸気圧が高いほど、単位時間あたりのRH導入量が大きくなり効率的である。
本発明によれば、例えば厚さ3mm以上の厚物磁石に対しても、僅かな量の重希土類元素RHを用いて残留磁束密度Brおよび保磁力HcJの両方を高め、高温でも磁気特性が低下しない高性能磁石を提供することができる。このような高性能磁石は、超小型・高出力モータの実現に大きく寄与する。粒界拡散を利用した本発明の効果は、厚さが10mm以下の磁石において特に顕著に発現する。
以下、本発明によるR−Fe−B系希土類焼結磁石を製造する方法の好ましい実施形態を説明する。
[原料合金]
まず、25質量%以上40質量%以下の軽希土類元素RLと、0.6質量%以上〜1.6質量%のB(硼素)と、残部Fe及び不可避的不純物とを含有する合金を用意する。Bの一部はC(炭素)によって置換されていてもよいし、Feの一部(50原子%以下)は、他の遷移金属元素(例えばCoまたはNi)によって置換されていてもよい。この合金は、種々の目的により、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Pb、およびBiからなる群から選択された少なくとも1種の添加元素Mを0.01〜1.0質量%程度含有していてもよい。
上記の合金は、原料合金の溶湯を例えばストリップキャスト法によって急冷して好適に作製され得る。以下、ストリップキャスト法による急冷凝固合金の作製を説明する。
まず、上記組成を有する原料合金をアルゴン雰囲気中において高周波溶解によって溶融し、原料合金の溶湯を形成する。次に、この溶湯を1350℃程度に保持した後、単ロール法によって急冷し、例えば厚さ約0.3mmのフレーク状合金鋳塊を得る。こうして作製した合金鋳片を、次の水素粉砕前に例えば1〜10mmの大きさのフレーク状に粉砕する。なお、ストリップキャスト法による原料合金の製造方法は、例えば、米国特許第5、383、978号明細書に開示されている。
[粗粉砕工程]
上記のフレーク状に粗く粉砕された合金鋳片を水素炉の内部へ収容する。次に、水素炉の内部で水素脆化処理(以下、「水素粉砕処理」と称する場合がある)工程を行なう。水素粉砕後の粗粉砕合金粉末を水素炉から取り出す際、粗粉砕粉が大気と接触しないように、不活性雰囲気下で取り出し動作を実行することが好ましい。そうすれば、粗粉砕粉が酸化・発熱することが防止され、磁石の磁気特性が向上するからである。
水素粉砕によって、希土類合金は0.1mm〜数mm程度の大きさに粉砕され、その平均粒径は500μm以下となる。水素粉砕後、脆化した原料合金をより細かく解砕するとともに冷却することが好ましい。比較的高い温度状態のまま原料を取り出す場合は、冷却処理の時間を相対的に長くすれば良い。
[微粉砕工程]
次に、粗粉砕粉に対してジェットミル粉砕装置を用いて微粉砕を実行する。本実施形態で使用するジェットミル粉砕装置にはサイクロン分級機が接続されている。ジェットミル粉砕装置は、粗粉砕工程で粗く粉砕された希土類合金(粗粉砕粉)の供給を受け、粉砕機内で粉砕する。粉砕機内で粉砕された粉末はサイクロン分級機を経て回収タンクに集められる。こうして、0.1〜20μm程度(典型的には3〜5μm)の微粉末を得ることができる。このような微粉砕に用いる粉砕装置は、ジェットミルに限定されず、アトライタやボールミルであってもよい。粉砕に際して、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を粉砕助剤として用いてもよい。
[プレス成形]
本実施形態では、上記方法で作製された磁性粉末に対し、例えばロッキングミキサー内で潤滑剤を例えば0.3wt%添加・混合し、潤滑剤で合金粉末粒子の表面を被覆する。次に、上述の方法で作製した磁性粉末を公知のプレス装置を用いて配向磁界中で成形する。印加する磁界の強度は、例えば1.5〜1.7テスラ(T)である。また、成形圧力は、成形体のグリーン密度が例えば4〜4.5g/cm3程度になるように設定される。
[焼結工程]
上記の粉末成形体に対して、650〜1000℃の範囲内の温度で10〜240分間保持する工程と、その後、上記の保持温度よりも高い温度(例えば1000〜1200℃)で焼結を更に進める工程とを順次行なうことが好ましい。焼結時、特に液相が生成されるとき(温度が650〜1000℃の範囲内にあるとき)、粒界相中のRリッチ相が融け始め、液相が形成される。その後、焼結が進行し、焼結磁石体が形成される。焼結後、必要に応じて、時効処理(500〜1000℃)が行われる。
[拡散工程]
次に、こうして作製された焼結磁石体に重希土類元素RHを効率良く拡散浸透させて、保磁力HcJを向上させる。具体的には、図2に示す処理室内に重希土類元素RHを含むRHバルク体と焼結磁石体とを配置し、加熱により、RHバルク体から重希土類元素RHを焼結磁石体の表面に供給しつつ、焼結磁石体の内部に拡散させる。
本実施形態における拡散工程では、焼結磁石体の温度をバルク体の温度と同じかそれ以上にすることが好ましい。具体的には、RHバルク体の温度を700℃以上1000℃以下の範囲内に設定し、かつ、焼結磁石体の温度を700℃以上1000℃以下の範囲内に設定することが好ましい。また、焼結磁石体とRHバルク体の間隔は、前述の通り、1mm〜300mm、好ましくは3mm〜100mm、より好ましくは4mm〜50mmに設定する。雰囲気ガス中の酸素分圧は1×10-6Pa以上1×103Pa以下に調節する。
本実施形態における拡散工程は、焼結磁石体の表面状況に敏感ではなく、拡散工程の前に焼結磁石体の表面にZnやSnからなる膜が形成されていてもよい。ZnやSnは、低融点金属であり、しかも、少量であれば磁石特性を劣化させず、また上記の拡散の障害ともならないからである。ZnやSnなどの元素をRHバルク体に含有させておいても良い。
まず、Nd:31.8、B:0.97、Co:0.92、Cu:0.1、Al:0.24、残部:Fe(質量%)の組成を有するように配合した合金のインゴットをストリップキャスト装置により溶融し、冷却することによって凝固した。こうして、厚さ0.2〜0.3mmの合金薄片を作製した。
次に、この合金薄片を容器内に充填し、水素処理装置内に収容した。そして、水素処理装置内に圧力500kPaの水素ガス雰囲気で満たすことにより、室温で合金薄片に水素吸蔵させた後、放出させた。このような水素処理を行うことにより、合金薄片を脆化し、大きさ約0.15〜0.2mmの不定形粉末を作製した。
上記の水素処理により作製した粗粉砕粉末に対し粉砕助剤として0.05wt%のステアリン酸亜鉛を添加し混合した後、ジェットミル装置による粉砕工程を行うことにより、粉末粒径が約3μmの微粉末を製作した。
こうして作製した微粉末をプレス装置により成形し、粉末成形体を作製した。具体的には、印加磁界中で粉末粒子を磁界配向した状態で圧縮し、プレス成形を行った。その後、成形体をプレス装置から抜き出し、真空炉により1020℃で4時間の焼結工程を行った。こうして、焼結体ブロックを作製したあと、この焼結体ブロックを機械的に加工することにより、厚さ3mm(磁化方向)×縦7mm×横7mmの焼結磁石体を得た。
次に、上記の焼結磁石体を図2に示すように処理室内に配置した。本実施例で使用する処理容器はMoから形成されており、複数の焼結磁石体を支持する部材と、2枚のRHバルク体を保持する部材とを備えている。焼結磁石体とRHバルク体との間隔は5〜9mm程度に設定した。RHバルク体は、純度99.9%のDy板(株式会社三徳製)から形成され、30mm×30mm×5mmのサイズを有している。
次に、図2の処理容器を真空熱処理炉において加熱し、熱処理を行った。熱処理は、900℃で120分間行った。炉内の圧力は1×10-2Paであった。その後、500℃、2Pa、60分間の時効熱処理を行った。なお、熱処理の温度は、焼結磁石体およびそれとほぼ等しいRHバルク体の温度を意味している。こうして得られた磁石を「サンプルA」とする。
一方、他の焼結磁石体に対しては、電子線加熱蒸着法により、焼結磁石体の表面に厚さが約5μmのDy層を堆積した。Dyの蒸着は、ビーム出力を10kV、ビーム電流を0.3A、真空度を5×10-3Paに設定して8分間行った。その後、表面にDy層が形成された焼結磁石体を真空熱処理炉内に挿入し、900℃で120分間の熱処理(拡散処理)を行った。炉内の圧力は1×10-2Paに設定した。更に、その後、500℃、2Pa、60分間時効熱処理を行った。こうして、得られた磁石を「サンプルB」とする。また、更に他の比較例として、拡散処理を全く行わない加工直後の焼結磁石体をサンプルCとする。
上記のサンプルA〜Cについて、EPMA(島津製作所製EPM−810)にて分析した。図3〜図5は、それぞれ、サンプルA〜Cに関するEPMAの表面分析結果を示している。これらの分析結果から、サンプルAでは、焼結磁石体の表面の一部に主相が露出しているものの、焼結磁石体の表面の大部分はNdを含有する緻密な被膜で覆われていることがわかる。一方、サンプルBでは、焼結磁石体の表面に現れる粒界相の部分にNdが検出されたが、焼結磁石体の表面の大部分には、主相が露出しており、主相に含まれるFeが広い範囲で検出されている。サンプルCでは、通常の焼結磁石体の表面が観察された。
図6〜図8は、それぞれ、サンプルA〜Cに関するEPMAの断面分析結果を示している。これらの分析結果から、サンプルAでは、焼結磁石体の表面(写真上方)に約3μmの被膜が形成されていることがわかる。サンプルAの被膜について、上述した方法で平均厚さを算出したところ、その値は2.5μm程度であった。
被膜は、Ndを主とし含有する緻密な膜であり、保護層として機能する。また、焼結磁石体の内部における主相粒界には、Dyが濃化し磁石体の表面から内部にDyの粒界拡散が生じたことを確認できる。一方、サンプルBの焼結磁石体の表面には被膜が形成されておらず、表面近傍の主相にはDyの体積拡散が発生していることが確認できる。また、サンプルBでは、主相粒界におけるDyの濃度は低い。
次に、サンプルA〜Cの焼結磁石体の表面に対して、X線回折装置(Rigaki RINT2400)を用いてX線回折測定を行った。図9は、その測定結果を示すグラフである。図9のグラフからわかるように、サンプルAの表面にはNd23を主として含有する被膜が形成されている。サンプルBにも、Nd23 、Dy23の回折ピークが確認さ
れるが、その強度は非常に小さく、主相(Nd2Fe14B)のピーク強度が支配的である。サンプルCでは、焼結磁石体の表面からは特に被膜の存在は確認されず、主相(Nd2Fe14B)のピーク強度が支配的である。
各サンプルについて、3MA/mのパルス着磁を行った後、B−Hトレーサで磁石特性(残留磁束密度:Br、保磁力:HcJ)を測定した。測定によって得た残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを以下の表1に示す。
Figure 0005146552
表1からわかるように、本発明におけるDy拡散を行ったサンプルAは、Dy拡散を行わない比較例(サンプルC)に比べて保磁力HcJが大幅に向上した。
次に、サンプルA〜Cについて耐候性試験を行った。
まず、耐湿潤性試験(温度80℃、相対湿度90%RH)を行った。サンプルAでは、1000時間後も微小発錆が生じる程度であり、サンプルCに比べて大きく耐湿潤性が向上していることがわかった。
次に、温度:120℃、圧力:0.2MPa、相対湿度95%RHの条件でPCT(プレッシャークッカーテスト)を行った。このテストの結果、サンプルAでは96時間後も微小発錆が生じる程度であり、サンプルCに比べて耐候性が大きく向上していることを確認した。
PCT中における磁石特性の変化を評価したところ、図10に示すように、表面処理を行わない焼結磁石体(サンプルC)では減磁曲線の角形比(Hk/Hcj)の劣化が顕著に生じるに対し、サンプルAでは、Dy拡散工程以外に特別の表面処理工程を行っていないにもかかわらず、角形比(Hk/Hcj)の劣化が充分に抑制されることがわかった。
図10に示す「Dy0%材」はサンプルAを意味し、「Dy2.5%材」は、Nd:29.5、Dy:2.5、B:1.0、Co:0.9、Cu:0.1、Al:0.2、残部:Fe(質量%)の組成を有するように配合した合金のインゴットからサンプルAと同様にして焼結磁石を作製した後、サンプルAと同様にDyを拡散させた磁石を意味する。また、「Dy5.0%材」は、Nd:27.0、Dy5.0、B:1.0、Co:0.9、Cu:0.1、Al:0.2、残部:Fe(質量%)の組成を有するように配合した合金のインゴットからサンプルAと同様にして焼結磁石を作製した後、サンプルAと同様にDyを拡散させた磁石を意味する。図10では、サンプルAのみならず、「Dy2.5%材」や「Dy5.0%材」について上記条件でPCTを行った結果を示している。本発明による拡散を行う前からDyを含有する磁石体に対し、本発明の拡散処理を施しても、サンプルAと同様に角形比(Hk/Hcj)の劣化が充分に抑制されることがわかった。
このように本発明の実施例によれば、Dy拡散時に焼結磁石体の表面に形成される被膜が焼結磁石体を保護する緻密な膜として機能するため、R−Fe−B系希土類焼結磁石の耐候性を向上させる。
本発明によれば、外殻部に効率よく重希土類元素RHが濃縮された主相結晶粒を焼結磁石体の内部にも効率よく形成することができるため、高い残留磁束密度と高い保磁力とを兼ね備えた高性能磁石を提供することができる。
2 焼結磁石体
4 RHバルク体
6 処理室
8 網

Claims (7)

  1. 軽希土類元素RL(NdおよびPrの少なくとも1種)を主たる希土類元素Rとして含有するR2Fe14B型化合物結晶粒を主相として有するR−Fe−B系希土類焼結磁石体と、
    前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の表面に形成された保護層と、
    を備え、
    前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体は、重希土類元素RH(Dy、HoおよびTbからなる群から選択された少なくとも1種)を含有し、前記R2Fe14B型化合物結晶粒の外殻部には重希土類元素RHが濃縮された層が形成されており、
    前記保護層は、前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の内部から表面に拡散した軽希土類元素RLの酸化物を主として含有し、厚さ0.5μm以上の部分を有しているR−Fe−B系希土類焼結磁石。
  2. 前記保護層の平均厚さは0.3μm以上である請求項1に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石。
  3. 前記保護層は前記軽希土類元素RLの水酸化物を含有している請求項1または2に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石。
  4. 前記重希土類元素RHは、前記表面から粒界拡散によって導入された元素を含有している請求項1から3のいずれかに記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石。
  5. 前記保護層は前記重希土類元素RHを含有している請求項4に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石。
  6. 前記保護層は前記重希土類元素RHの酸化物または水酸化物を含有している請求項5に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石。
  7. 前記R−Fe−B系希土類焼結磁石体の表面から深さ100μmまでの表層領域において、前記R2Fe14B型化合物結晶粒の中央部における重希土類元素RHの濃度と、前記R2Fe14B型化合物結晶粒の粒界相における重希土類元素RHの濃度との間に1原子%以上の差異が発生している、請求項1から5のいずれかに記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石。
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