JP2002105655A - コーティング被膜付き金属部材の製造方法 - Google Patents

コーティング被膜付き金属部材の製造方法

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JP2002105655A
JP2002105655A JP2000304675A JP2000304675A JP2002105655A JP 2002105655 A JP2002105655 A JP 2002105655A JP 2000304675 A JP2000304675 A JP 2000304675A JP 2000304675 A JP2000304675 A JP 2000304675A JP 2002105655 A JP2002105655 A JP 2002105655A
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Tomoyoshi Uchigaki
友好 内垣
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Ishizuka Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Fe系希土類磁石等の金属部材の処理剤塗布
後の乾燥及び/又は焼成工程において、金属部材(磁石
材料)の端面、周縁面等に他物が接触することによるコ
ーティング被膜の剥離や亀裂を生じにくくし、コーティ
ング被膜の薄膜化を図ることのできるコーティング被膜
付き金属部材の製造方法を提供する。 【解決手段】 例えば筒状の被処理部材51が、被処理
部材51の形態に応じて定められた非接触面Z(両端
面)を除く面のうちいずれかの面を被保持面Hとして、
保持体110にて保持しつつ乾燥及び/又は焼成され
る。これによって、被処理部材51の非接触面Zに他物
が接触することによるコーティング被膜の剥離や亀裂が
生じにくくなる。したがって、例えば磁石部材等に対し
て金属アルコキシド含有溶液からなる金属用処理剤を塗
布してコーティング被膜の薄膜化を図る上で、コーティ
ング被膜の剥離や亀裂が生じにくく、より高性能な磁石
部材等を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング被膜
付き金属部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、Nd−Fe−B系磁石材料あるい
はSm−Fe−N系磁石材料など、Feを主成分とする
高性能希土類永久磁石材料が開発されており、特にNd
−Fe−B系磁石材料は優れた磁気特性を有することか
ら、各種電気機器や自動車用のモータ、あるいはコンピ
ュータ用のボイスコイルモータ等に広く使用されてい
る。Nd−Fe−B系磁石材料は、その製法により、焼
結磁石、熱間加工磁石及びボンド磁石(樹脂結合磁石)
の3種類に大別される。このうちボンド磁石は、所定量
の合金成分を配合・溶解後、溶湯を単ロール法等により
急冷凝固させて得られる急冷薄帯を粉砕して原料磁石粉
末を作り、その粉末をエポキシ樹脂、あるいはナイロン
樹脂等の樹脂バインダとともに成形して所望の形状の磁
石とするものである。
【0003】ところで、上記のようなFe系希土類磁石
材料はFeを主成分としている上、化学的に活性な希土
類元素を比較的多く含んでいることから、使用環境によ
っては、具体的には湿度や温度の上がりやすい環境下で
は腐食が問題となる場合がある。一般にFe系希土類磁
石材料は、安定した磁気特性を確保するために、磁性相
を形成する金属間化合物(例えば2−14−1相であ
る)の化学量論比よりも過剰な希土類成分を含有するよ
うに組成調整されることが多く、その過剰な希土類成分
が希土類リッチ相となって磁性相とともに多相構造を形
成する形となる。このような場合、異相間の局部電池反
応も関係して腐食はより進行しやすい状況にあるといえ
る。いずれにしろ、このような腐食が進行すれば、該F
e系希土類磁石を励磁媒体とするモータ等の電子機器自
体の性能劣化につながるばかりでなく、腐食反応物の飛
散により周辺回路等にも悪影響を及ぼすことは避けがた
くなる。
【0004】このように、例えばFe系希土類磁石を始
めとしてFe系金属部材は一般に、金属部材が筒状形態
をなすときはその端面が、金属部材が板状形態をなすと
きはその周縁面が、また金属部材が軸状形態をなすとき
はその端面が、化学的活性が高く酸化されやすい(酸化
腐食反応)ことが知られている。そこで、従来よりFe
系希土類磁石等のFe系金属部材には、電着塗装、浸漬
塗装(ディップ塗装)、スプレー塗装、ニッケルメッキ
等の各種防食コーティング処理を施して使用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかも、特に磁石材料
の場合、防食コーティングの被膜厚さが厚くなる(例え
ば30μm以上)と磁気特性を阻害するおそれがあるた
め、被膜厚さを薄くして(例えば10μm以下)性能向
上を図るために、コーティング方法や処理剤の工夫がな
されつつある。ところが、このようなコーティング被膜
の薄膜化により、処理剤塗布後の乾燥及び/又は焼成工
程において、金属部材(磁石材料)の端面、周縁面等に
他物が接触すると、接触の際の衝撃やこすれによってコ
ーティング被膜付き金属部材(磁石材料)のコーティン
グ被膜に剥離や亀裂を生じ易くなる。
【0006】本発明の課題は、Fe系希土類磁石等の金
属部材の処理剤塗布後の乾燥及び/又は焼成工程におい
て、金属部材(磁石材料)の端面、周縁面等に他物が接
触することによるコーティング被膜の剥離や亀裂を生じ
にくくし、コーティング被膜の薄膜化を図ることのでき
るコーティング被膜付き金属部材の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために、本発明のコーティング被膜付き金属
部材の製造方法は、金属系元素のアルコキシドを含む成
分を有機溶媒に分散させた金属アルコキシド含有溶液か
らなる金属用処理剤が全面に塗布された被処理部材に対
して、該被処理部材が筒状形態をなすときはその端面、
該被処理部材が板状形態をなすときはその周縁面、該被
処理部材が軸状形態をなすときはその端面の如く、前記
被処理部材の形態に応じて保持の際に非接触とする面
(以下、非接触面という)を定めるとともに、前記被処
理部材の前記非接触面を除く面のうちいずれかの面(以
下、被保持面という)を保持体にて保持しつつ乾燥及び
/又は焼成することを特徴とする。
【0008】上記本発明によれば、例えば筒状、板状
又、棒状等の被処理部材が、被処理部材の形態に応じて
定められた非接触面を除く面のうちいずれかの面を被保
持面として、保持体にて保持しつつ乾燥及び/又は焼成
される。これによって、被処理部材の非接触面(端面及
び/又は周縁面等)に他物が接触することによるコーテ
ィング被膜の剥離や亀裂が生じにくくなる。したがっ
て、例えば磁石部材等に対して金属アルコキシド含有溶
液からなる金属用処理剤を塗布してコーティング被膜の
薄膜化を図る上で、コーティング被膜の剥離や亀裂が生
じにくく、より高性能な磁石部材等を得ることができ
る。
【0009】そして、保持体によって被保持面を保持す
るに際し、保持体が被保持面を点状又はエッジ状に当接
していることが望ましい。例えば着磁等がなされる被保
持面に対して、コーティング被膜の薄膜化を図る上で当
接面積を小さく抑えられる。また、保持体は、少なくと
も一部のものが被処理部材に作用する重力によって被保
持面と当接するようにすれば、下方から支えるように被
保持面を保持でき、保持体の構造を簡素化できる利点が
ある。
【0010】ここで、本発明に用いる金属用処理剤の代
表例として磁性素材用処理剤を挙げることができ、この
磁性素材用処理剤は、磁性相の最も含有率の高い元素が
Feであり、かつ希土類を含有する金属系磁性素材の表
面に塗布する形で使用され、金属系元素のアルコキシド
(以下、金属アルコキシドという:ただし、本明細書に
おいては、金属系元素の概念にSi及びBを含める)を
含む成分を有機溶媒に分散させた金属アルコキシド含有
溶液として構成される。なお、金属アルコキシド含有溶
液には、金属アルコキシド以外に顔料等の第三成分を含
む場合がある。
【0011】磁性相の最も含有率の高い元素がFeであ
り、かつ希土類を含有する金属系磁性素材としては、含
有される希土類元素のうち、最も重量含有率の高いもの
が、Nd、Pr及びSmのいずれかである永久磁石素材
を挙げることができ、具体的には、Nd−Fe−B系磁
石材料(ボンド磁石あるいは焼結磁石:希土類成分はN
dが主体であるが、一部がDyやPr等の他の希土類元
素で置換されていてもよい)、あるいはSm−Fe−N
系磁石材料(主にボンド磁石)を例示できる。また、永
久磁石材料以外では、超音波発生装置あるいはアクチュ
エータ等に使用されるTb−Fe系超磁歪材料を例示で
きる。
【0012】金属アルコキシド含有溶液からなる上記の
ような磁性素材用処理剤を該金属系磁性素材に対して処
理すると、金属酸化物やアルコキシドに由来する有機成
分がこれに複合化した組成物(有機無機ハイブリッド)
のコーティング被膜が、均一かつ簡便に磁性素材表面に
形成される。そして、それら金属酸化物もしくは組成物
により、特有の機能を磁性素材に対して付与することが
できる。
【0013】具体的には、上記のような金属系磁性素材
はFeを主成分としてしかも希土類を含有するため腐食
を受けやすいが、コーティング被膜に含有される金属酸
化物の化学的安定性により、薄膜でも極めて良好な耐腐
食性や防錆性を磁性素材に付与することができる。ま
た、電着塗装やニッケルメッキ等とは異なり、基本的に
電気化学処理を伴わないから、条件設定も容易であり、
また電着塗装のような治具による把持も必須ではなくな
り、仮に治具を使用する場合でも通電を行わないので簡
略なものを採用できる。その結果、処理が簡便なだけで
なく、コーティング被膜に欠損等を生じさせる因子が大
幅に減少し、高品質のコーティング被膜を極めて能率的
に形成することができる。また、金属アルコキシド含有
溶液は後述するゾルゲル反応など、化学反応(例えばア
ルコキシドの加水分解と縮重合反応)の進行をコントロ
ールすることにより、含有される被膜形成成分の含有比
率を大きく変えることなく、液の粘性や流動性等の性状
を自由に調整できる。従って、その液性状の調整により
被処理部材である磁性素材に対する液の付着量、ひいて
は膜厚調整も容易であり、小膜厚でもばらつきの小さい
コーティング被膜を容易に形成できるので、例えば磁気
ギャップの寸法が小さかったりギャップ寸法精度等に対
する要求が厳しい場合にも十分対応できる。
【0014】また、上記のコーティング被膜の形成によ
り、磁性素材に耐衝撃性や耐摩耗性を付与することもで
きる。これにより、被膜形成後の磁性素材(例えばボン
ド磁石)をモータ等の電子機器に組み込む際の、ハンド
リング性を高めることができる。また、複合化した有機
成分に由来する撥水性により、磁性素材表面における水
分との接触を防止ないし抑制する効果や、磁性素材に対
して防塵/防汚性を付与することもできる。その防汚作
用により磁性素材の腐食反応を進行させる核の形成を抑
制することが可能となるが、これは、磁性素材に対する
間接的な耐腐食性向上をもたらす。また、埃等の付着が
軽減されることにより、該磁性素材からなる部材を電子
機器等に組み込む際のコンタミ持ち込みを防止する効果
も達成され、例えばコンピュータ用等の精密機器等にお
いては動作不良等を生じにくくすることができる。
【0015】また、コーティング被膜付き金属部材の代
表例としてコーティング被膜付き磁性部材を挙げること
ができ、このコーティング被膜付き磁性部材は、磁性相
の最も含有率の高い元素がFeであり、かつ希土類を含
有する磁性部材の表面に、カチオン状態の金属系元素成
分(ただし、本明細書では、金属系元素の概念にSiと
Bとを含める)と、アニオン状態の酸素及び有機炭素と
を含有する非晶質状のコーティング被膜が形成されてい
る。
【0016】上記のコーティング被膜は、上記金属アル
コキシドを用いた処理液にて形成することができるもの
であり、前述の通り有機無機ハイブリッド構造を有して
いると推測される。このような有機無機ハイブリッド構
造は、非晶質的であるため原子レベルにて正確に同定す
ることは困難であるが、少なくとも有機成分を構成する
有機原子団と、アルコキシドの加水分解により生じてい
る金属酸化物的な無機原子団とが入り組んだ構造を呈し
ていることが考えられる。この場合、金属元素成分は金
属単体では存在しないか存在しても微量であり、大半は
酸化物等の形成に関与したカチオン状態(正の価数を有
した状態)で存在することとなる。また、酸素は金属を
酸化した状態、すなわちアニオンの状態で存在する。本
明細書では、X線光電子分光法(XPS)で被膜を分析
したときに、正の価数を示す側にケミカルシフトが観察
される元素はカチオン状態で存在すると考え、逆に負の
価数を示す側にケミカルシフトが観察される元素はアニ
オン状態で存在すると考える。さらに、「非晶質状」と
は、X線ディフラクトメータ法にて分析したときに、ハ
ローパターンが観察され、かつ特定の結晶構造を反映し
た回折ピークが観察されない状態になっていることをい
う。ただし、コーティング被膜中に意図的にあるいは不
可避的に結晶質の無機又は有機材料粒子が混入されてい
る場合は、その粒子からの回折ピークは除く。つまり、
被膜の主体となる基質が非晶質状であればよいのであ
る。
【0017】また、炭素成分も、有機分子的な残留形態
を呈すると考えられ、無定形炭素やグラファイトあるい
はダイヤモンド等の単体状態では存在するものは存在し
ないか存在しても微量であり、大半は何らかの有機結合
を形成した形(有機炭素)にて存在するものと考えられ
る。この場合の炭素原子の存在形態は、その結合形態に
より種々に変化するが、例えばアルコキシドの炭素鎖形
成部分に由来する、CH−あるいはCH−などの有
機結合状態を少なからず含むものとなる。このような結
合状態を含んでいるか否かも、前記のXPSにおいて炭
素のケミカルシフトを測定することにより確認すること
ができる。
【0018】金属系磁性素材は、例えば、金属系永久磁
石粉末を樹脂結合したボンド磁石部材とすることがで
き、本発明に用いる金属用処理剤はボンド磁石部材の表
面に、その耐腐食性向上のために塗布して使用すること
ができる。そして、コーティング被膜を得るために、処
理剤を塗布後、乾燥及び/又は焼成を行う。
【0019】次に、前記の磁性素材用処理液を、金属系
アルコキシドの加水分解により得られるゾル状組成物液
とすることができる。すなわち、コーティング被膜をい
わゆるゾルゲル法により形成する。これによれば、均一
な膜厚のコーティング被膜を極めて簡便に形成すること
が可能で、被処理磁性素材が粉末状である場合にも、各
粒子の粒径に拘らず、膜厚の均一なコーティングを形成
することが可能である。この場合、コーティング被膜
は、そのゾル状組成物に基づくゲル状組成物被膜とな
る。このようなアルコキシドを加水分解させて調製した
ゾル状組成物には、金属元素及び/又はSiの酸化物が
含有され、さらにアルコキシドに由来する有機物(炭素
成分)が残存することとなる。従って、そのゾル状組成
物に基づくゲル状組成物にも酸化物や有機物が含有され
ており、この酸化物が被処理部材たる磁性素材に高い耐
腐食性を付与する。また、残存有機物により、特にボン
ド磁石に適用した場合には、ボンド磁石に含まれる樹脂
部分とのなじみ性(親和性)が向上し、被膜の密着性を
格段に高めることができ、結果的に薄膜でも十分な耐腐
食性等を付与できる一要因となる。
【0020】金属アルコキシドは、例えば、一般式:M
−(OR)xで表され、Mが金属系成分、−(OR)xがア
ルコキシド成分を表している。その金属系成分として
は、磁性素材の表面に形成される酸化物が安定になる金
属を用いるのが好ましい。そのような金属系元素として
は、例えば、Si、B、Al、Mgの他、遷移金属の1
種又は2種以上から選択されるものを採用することがで
きる。このような金属系成分を含有した金属アルコキシ
ドを用いると、磁性素材(磁性部材)の耐腐食性や防錆
性、あるいは耐衝撃性や耐摩耗性が一層顕著に向上す
る。このうち、耐腐食性や防錆性を向上させる観点にお
いて、より望ましい成分は、Si、B、Al、Mg、T
i及びZrから選ばれる一種または2種以上である。な
かでも、Siは、生成する酸化物の安定性、ゾル状組成
物の安定性等を考慮すると、アルコキシド成分として最
も優れている。なお、Siを用いたアルコキシドとして
は、例えばテトラエトキシシラン(Si(OC
)等を用いることができる。
【0021】一方、金属アルコキシドのアルコキシド成
分としては、例えば、一般式:−(OC)で表さ
れる有機アルコキシド成分を用いることができる。この
場合、特にカーボンに結合している水素(H)成分に置
換して、ハロゲン元素成分、特にフッ素成分が含有され
ているのがよい。なお、金属に直接フッ素成分が結合し
ているものを用いることも可能である。このように、金
属アルコキシドにフッ素成分が含有されていると、磁性
素材(磁性部材)表面に形成される金属酸化物に複合化
する組成物にフッ素が含まれることになり、磁性素材
(磁性部材)に付与される撥水性が著しく向上する。な
お、上記一般式で表される有機アルコキシド成分として
は、例えば、n=0〜8、m=1〜20、l=1〜6の
飽和、不飽和の炭化水素基から構成されるものを採用す
ることができ、鎖状、環状等の形状はいずれでもよい。
また、上記一般式に特に限定されるものでもなく、水酸
基を用いることも可能で、さらに、金属アルコキシド中
に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニ
ル基、アクリル基、フェニル基、イソシアネート基、メ
タクリル基等の官能基が単独で存在又は複数共存してい
てもよく、多価アルコールのアルコキシドとしてもよ
い。すなわち、アルコキシドの炭素鎖に結合される原子
及び原子団は、水素に限らず、ハロゲン元素、及び上記
のような種々の官能基等が含まれていてもよい。
【0022】上記のような金属アルコキシドを少なくと
も1種類以上含んだ分散液とするために、有機溶媒とし
てはアルコール系、エーテル系、エステル系、フェノー
ル系等を用いることが可能で、これらの混合溶媒として
もよい。中でもアルコールは比較的低沸点であるため、
乾燥工程が短時間で行える利点を備えている。このよう
なアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等を用いることができ
る。
【0023】なお、ゾル状組成物液を作る場合は、溶媒
の配合量を25〜98重量%、アルコキシドの配合量を
2〜40重量%程度にするのが好ましい。溶媒の配合量
が25重量%未満の場合は、アルコキシドが均一に分散
及び/又は溶解されにくくなることがあるため、アルコ
キシドの加水分解反応が起こりにくくなる場合があり、
ゲル状組成物が不安定となる場合がある。また、溶媒の
配合量が98重量%を超えると、溶媒を蒸発させる乾燥
工程に長時間を要する場合がる。一方、アルコキシドの
配合量が2重量%未満の場合、例えば耐腐食性付与効果
が低下する場合があり、また、アルコキシドの有機成分
によるボンド磁石等の樹脂成分へのなじみ性も低下する
場合がある。また、アルコキシドの配合量が40重量%
を超えると、アルコキシドの溶媒への分散性及び/又は
溶解性が低下し、ゲル状組成物が不安定となる場合があ
る。
【0024】さらに、金属アルコキシド含有溶液には、
フッ素を含有する撥水材料を少なくとも含ませることも
可能である(該撥水材料は当然にコーティング被膜中に
取り込まれる)。このようにフッ素を含有する撥水材料
を含ませた磁性素材用処理剤を磁性素材に処理すると、
該磁性素材の表面エネルギーを著しく低下させ、高い撥
水性を付与することが可能である。したがって、磁性素
材に対して防塵、防汚性を付与することができ、また、
腐食反応の核となり得る結露による水分や汚れの付着を
極力低下させることが可能となり、磁性素材の耐腐食性
がさらに向上する。なお、フッ素を含有する撥水材料と
しては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化
ピッチ(フッ素化グラファイト)等の有機フッ素化合物
を用いることができる。
【0025】上記のように撥水性等付与の目的として、
フッ素を含有する撥水材料を金属アルコキシド含有溶液
に添加したが、それ以外にも、各種熱可塑性樹脂あるい
は熱硬化性樹脂(以上、ゴムあるいはエラストマーを含
む)を1種又は2種以上添加することもでき、例えば、
PVA、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂の1種又は2種以上か
ら選択される樹脂成分を添加することができる(これら
もコーティング被膜中に取り込まれる)。この場合も、
上記撥水材料と同様に、磁性素材に対して高い撥水性を
付与することが可能である。なお、これら撥水材料及び
/又は樹脂成分は、溶媒に溶かした溶液状態、又はコロ
イド状態にて金属アルコキシド含有溶液に含有すること
が可能であるが、なかでも微粉末状のものをコロイド状
態で含有するのが簡便である。その場合、微粉末粒径
は、サブミクロン以下、例えば0.01〜0.8μm程
度とするのが、金属アルコキシド含有溶液への微粉末の
分散性、及び処理後の被膜内での撥水材料及び/又は樹
脂成分の分散性を向上させる上で都合がよい。
【0026】次に、コーティング被膜の膜厚は、50μ
m以下、好ましくは20μm以下とするのがよい。膜厚
が50μmを超えると、磁性相の相対含有量が減少して
磁気特性、例えば永久磁石の場合は残留磁束密度(B
r)や最大エネルギー積((BH)max))の低下を招
いたり、あるいは磁気ギャップの大きさが制限されてい
るなど、寸法上の制約が存在する場合に、これに対応し
きれなくなる場合がある。また、コーティング被膜自体
の耐衝撃性等が確保できなくなる場合もある。なお、上
記膜厚は、さらに好ましくは10μm以下、目的によっ
ては1μm未満のサブミクロンサイズの膜厚とすること
もあり得る。このような薄膜を形成するためには、前記
のゾルゲル法を採用すれば、均一かつ薄い膜厚の被膜を
簡便に形成することが可能である。ただし、耐腐食性向
上を主目的とする場合は、少なくとも1μm程度の膜厚
は確保されているのがよい。
【0027】また、磁性素材用処理液を構成する金属ア
ルコキシド含有溶液の粘度は、10 cps以下とする
のがよい。10cpsを超えると、均一なコーティン
グ膜を形成することが困難になる場合がある他、膜厚が
厚くなりすぎることもあり、例えば50μm以下の膜厚
のコーティング膜を形成するのが困難になる場合があ
る。したがって、溶媒を適宜選択する必要があり、例え
ばエタノール、プロパノール、ブタノール等を用いるの
がよい。この場合、溶媒としては磁性素材をなるべく錯
体化させないものを用いるのがよい。また、金属アルコ
キシドの溶媒に対する配合量を0.01〜1.0mol
/l程度にするのがよく、浸漬する場合のゾル液の温度
を室温〜30℃程度の範囲で適宜設定するのがよい。
【0028】上記ゾルゲル法における加水分解触媒は、
酸又はアルカリ系のいずれの触媒を用いることも可能で
あるが、特にアルカリ系触媒を用いるのが好ましい。ま
た、酸系触媒を使用する場合は、特に塩素成分を可及的
に含まないものが好ましく、アルカリ系触媒としてはア
ンモニア水溶液等を用いることができる。酸系触媒とし
て塩素成分を含むものを用いた場合、コーティング被膜
中に含まれる該塩素成分がFeを主体とする磁性素材の
酸化反応を急激に促進する。すなわち、磁性素材に形成
されるコーティング膜中には、塩素成分がなるべく存在
しない、例えば少なくとも0.1wt%以下、好ましく
は限りなくゼロに近い含有量にするのがよい。なお、金
属アルコキシドの例えば50%以上が加水分解されてい
るのが、上記のような耐腐食性等の性質を向上させる上
で好ましい。
【0029】また、安定剤としては、トリエタノールア
ミン、ジエタノールアミン等のアルコールアミン等を用
いることができる。一方、処理剤を塗布した後の乾燥工
程における加熱温度は低温、具体的には40〜400
℃、好ましくは40〜300℃、最も好ましくは100
〜250℃程度にするのがよい。この場合、コーティン
グ膜中にはアルコキシドに由来する有機成分が残存し易
くなり、撥水性を磁性素材に対して一層効果的に付与す
ることが可能となる。
【0030】なお、気孔を有する磁性部材へのコーティ
ングも可能であり、気孔の隙間腐食等に対して耐腐食
性、防錆性を効果的に発揮する。この場合、単純なディ
ップコーティング以外に、超音波振動による気孔への処
理剤浸透や、減圧含浸などを行うことも有効な手法であ
る。他方、加圧により気孔内に磁性素材用処理剤を圧入
する方法も可能であり、一旦減圧含浸処理を行った後、
加圧含浸を行うようにしてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例であるコ
ーティング被膜付きボンド磁石の製造方法について説明
する。まず、所定量の合金成分を配合し、次に不活性ガ
ス雰囲気あるいは真空雰囲気等、所定の雰囲気中でその
合金成分を溶解する。配合される合金成分は、それぞれ
の成分を単独で配合しても、Nd−Fe合金やフェロボ
ロン等の母合金の形で配合してもいずれでもよい。ま
た、溶解は、例えば高周波誘導溶解、アーク溶解等公知
の溶解方法を用いることができる。
【0032】次に、図1(a)に示すように、その溶湯
を急冷凝固させることにより、薄帯状ないしフレーク状
の急冷薄帯が製造される。急冷の雰囲気は例えばアルゴ
ン等の不活性ガス雰囲気が用いられ、急冷の方法として
は、単ロール法(図1(a)に示す方法である)を始
め、双ロール法、スプラットクエンチ法、遠心急冷法、
ガスアトマイズ法等、各種方法が適用できる。これらの
うち、特に単ロール法は、溶湯の冷却効率が高く、また
ロール周速による冷却速度の調整が容易で、均質で高性
能の急冷薄帯を大量生産するのに好適である。この場
合、ロール周速を5〜35m/秒、望ましくは10〜3
0m/秒とすることが、微細で均一な結晶粒を有し、磁
気特性に優れた急冷薄帯を得る上で望ましい。
【0033】得られた急冷薄帯は、スタンプミル、フェ
ザーミル、ディスクミル等を用いる公知の粉砕方法によ
り、前述の平均粒子径となるように粉砕され、ボンド磁
石用粉末とされる。なお、図1(b)に示すように、粗
粉砕した後にさらに微粉砕する二段階(あるいはそれ以
上の多段階)により粉砕を行ってもよい。なお、粉砕後
の粉末は、適宜メッシュ等により整粒して粒度調整する
ことが望ましい。
【0034】ここで、上記急冷凝固により得られる急冷
薄帯は、その粉砕前又は粉砕後に400〜1000℃の
温度範囲において熱処理することができる。急冷直後の
薄帯は、例えば急冷ロールとの接触部付近等、冷却速度
の特に大きくなる部分に非晶質部を生じる場合がある。
この非晶質部は軟磁性であり、保磁力、減磁曲線の角型
性、エネルギー積の低下等を引き起こす場合がある。そ
こで、急冷薄帯に対し上記熱処理を行うことにより、急
冷直後に生じていた上記非晶質部を結晶化することがで
き、エネルギー積の低下等を防止することができる。熱
処理温度が400℃より低い場合は、上記非晶質部の結
晶化が充分進まず、上述の効果が充分得られない。一
方、熱処理温度が1000℃を超えると、結晶粒が成長
して粗大化し、保磁力ないしエネルギー積が却って低下
する。従って、熱処理温度は上述の範囲内で設定され、
望ましくは500〜800℃、さらに望ましくは600
〜700℃の範囲内で設定される。
【0035】図2(a)に示すように、以上の方法によ
り得られるボンド磁石用粉末10を樹脂成分11と混合
し、加圧成形又は射出成形することによりボンド磁石2
0が製造される。加圧成形による場合は、上記磁石用粉
末10に、エポキシ樹脂等の粉末状の熱硬化性樹脂11
を所定量、例えば1〜5重量%程度混合し、例えば図2
(b)に示すように、ダイ14及びパンチ12,13を
有した金型(符号15は、成形体に中空部を形成するた
めのコアである)によるプレス成形等により、例えば5
〜10t/cm程度の加圧力で圧縮成形する。成形
後、得られた成形体19を所定温度、例えば80〜18
0℃程度に加熱することにより樹脂を硬化させ、ボンド
磁石20を得る。なお、樹脂硬化のための加熱は、上記
加圧成形中に行ってもよい。この方法によれば、得られ
るボンド磁石20中の磁石粉末の密度を高くでき、小型
モータ用の高性能リング磁石等を製造するのに適してい
る。
【0036】一方、射出成形による場合は、まず、ナイ
ロン樹脂等の熱可塑性樹脂11を磁石用粉末10に対
し、圧縮成形の場合よりやや多い量、例えば10〜30
重量%程度添加し、これを混練して成形用のコンパウン
ドを作製する。そして、図2(c)に示すように、この
コンパウンドを加熱軟化させ、所定の成形機を用いて金
型25のキャビティ25aにこれを射出成形することに
より、所望の形状のボンド磁石20を得るものである。
この方法により得られるボンド磁石20は、磁石粉末密
度がやや低いため、性能は圧縮成形によるものに及ばな
いが、多様で複雑な形状の磁石を容易に製造できる利点
があり、モータスピンドル等の付属部品を上記コンパウ
ンドとともに一体成形することもできる。なお、図2
(d)は、上記のような各成形方法により得られたリン
グ状ボンド磁石20を示す。このリング状磁石20は、
例えばラジアル着磁されてモータロータあるいはステー
タとして利用されるものである。
【0037】なお、上記のような等方性磁石粉末を熱間
据え込み加工した後これを粉砕する等の方法により、異
方性磁石粉末を得ることもできる。この場合、この異方
性磁石粉末を磁界中にて配向成形するようにすれば、異
方性磁石を得ることができる。
【0038】図3に示すように、上記のようにして得ら
れたボンド磁石20は、磁性素材用処理剤30を塗布す
ることにより、塗膜30aをその表面に形成することが
できる。図5は、ゾルゲル法によるコーティング工程の
一例を示す流れ図である。まず、有機溶媒としてエタノ
ール(本例では50ml)中に、所定量(例えば0.0
5mol)の金属アルコキシド(本例ではテトラエチル
オルソシリケート(Si-(OC)))を所定量
分散混合する。この混合液(金属アルコキシド含有溶
液)を撹拌後、適宜安定剤(例えば、トリエタノールア
ミン)を添加し、さらに加水分解触媒(本例では1%N
OHaq4ml)を徐々に加え、室温にて所定時間
(例えば1時間)撹拌することによりゾル状の処理剤3
0が得られる。
【0039】処理剤30のボンド磁石20への塗布方法
としては、例えば、図3(a)に示すように、ボンド磁
石20を処理剤30中に浸漬して引き上げる方法のほ
か、スプレー噴霧する方法など、各種採用することがで
きる。さらに、多数のボンド磁石20に一度に均一に塗
布を行いたい場合には、図3(b)に示すように、壁部
が液通に構成されたバレル31中にボンド磁石20を入
れ、これをモータ32等により処理液30中にて回転さ
せる方法が便利である。このようにして、図3(c)に
示すように、ボンド磁石20の全面に処理剤30の塗膜
30aが塗布された処理剤塗布ボンド磁石50(被処理
部材)が得られる。
【0040】上記の処理剤塗布ボンド磁石50は、例え
ば室温にて残留溶媒分をある程度蒸発させた後、図4
(a)に示すように、乾燥機F1中で昇温乾燥したり、
図4(b)に示すように、熱風HWの吹き付けにより乾
燥される。その後、処理剤塗布ボンド磁石50は、図4
(c)に示すように加熱室HCで焼成されて、ボンド磁
石20の全面にコーティング被膜30bが形成されたコ
ーティング被膜付きボンド磁石60が得られる(図4
(d)参照)。
【0041】上記のようにして形成されるコーティング
被膜30bは、例えば図6(a)に模式的に示すような
構造を有しているものと推測される(本図において分子
式は模式的に示したものであって、該分子式が示す特定
の構造を限定的に有していることを意味するものではな
い)。すなわち、金属アルコキシドの金属系成分に由来
する金属酸化物的な無機原子団3(本例の場合、SiO
、あるいはZrO)や、アルコキシド成分に由来す
る有機原子団2(炭素含有成分:CnHm等)が混在した
ハイブリッドな構造を有しているものと考えられる。ま
た、完全に加水分解されずに金属アルコキシドの状態で
残存しているものも含まれていることもありうる。この
ような被膜をX線光電子分光法(XPS)で分析すれ
ば、金属系成分は、主に正の価数を示す側にケミカルシ
フトが観察されるカチオン成分として検出され、酸素は
逆に負の価数を示す側にケミカルシフトが観察されるア
ニオン成分として検出される。また、炭素成分は、有機
分子的な残留形態に対応して、CH−あるいは−CH
−などの有機結合状態を形成したものであることが、
XPS分析により確認できる。さらに、被膜に対してX
線ディフラクトメータ法にて分析すれば、ハローパター
ンが観察され、かつ特定の結晶構造を反映した回折ピー
クが観察されない、非晶質状の状態になっていることが
確認できる。
【0042】上記のようなコーティング被膜30bを形
成することにより、無機原子団3はボンド磁石20に対
して耐腐食性や防錆性(あるいは耐衝撃性や耐摩耗性)
を付与する役割を果たす。また、有機原子団2はボンド
磁石20中の樹脂成分との親和性が高く、被膜の密着力
を高める役割を果たす。さらに、有機原子団2の構成に
よっては撥水性、ひいては防塵性や防汚性を付与するこ
ともできる。なお、有機成分2をコーティング被膜30
b中に残存させるためには、ゾルゲル法によりコーティ
ングする際の加熱処理温度を、例えば150〜250℃
程度の低温にて行うことが望ましい。該温度範囲は、N
d−Fe−B系磁石の磁気特性の低下を生じにくい、と
いう点でも好都合である。
【0043】次に、コーティング被膜30b中には、樹
脂成分を分散・複合化させることも可能である。この場
合の処理剤30は、例えば以下のように調製できる。す
なわち、有機溶媒としてエタノール(本例では20m
l)中に、所定量(例えば0.05mol)の金属アル
コキシド(本例ではテトラエチルオルソシリケート(S
i-(OC)))を所定量を分散混合する。この
混合液(金属アルコキシド含有溶液)を撹拌後、適宜安
定剤(例えば、トリエタノールアミン)を添加し、さら
に加水分解触媒(本例では1%NHOHaq4ml)
を徐々に加える。続いての所定量の溶媒(本例ではエチ
ルベンゼン30ml)に、所定量の液状(未硬化)樹脂
(本例では、粘度1000cpsのシリコーン樹脂1.
0g)を配合した液を、上記金属アルコキシド含有溶液
に混合した後、室温にて所定時間(例えば1時間)撹拌
することによりゾル状の処理剤30が得られる。
【0044】これにより、図6(b)に示すように、樹
脂成分5が均一に分散・混入されたコーティング被膜3
0bが得られる。このような樹脂の添加によって、例え
ばコーティング被膜30bの表面エネルギーを低下させ
ることができ、高い撥水性を付与することが可能であ
る。したがって、被処理金属4に対して防塵性、防汚性
を付与することができ、また、腐食反応の核となり得る
結露による水分や汚れの付着を極力低下させることが可
能となり、結果として、コーティング被膜付きボンド磁
石60の耐腐食性、防錆性がさらに向上する。
【0045】以上、本発明の実施例をNd−Fe−B系
ボンド磁石を例にとって説明したが、本発明の適用対象
となる金属部材はこれに限られるものではなく、例えば
Nd−Fe−B系焼結磁石、Sm−Fe−N系ボンド磁
石等の磁性材料を始めとする金属部材にも同様に適用で
きる。これにより、金属部材の耐腐食性をさらに向上さ
せることが可能である。
【0046】ここで、再び図4に戻り、図4(a)
(b)の乾燥工程あるいは図4(c)の焼成工程で使用
される保持体100について説明する。既述の通り、乾
燥工程あるいは焼成工程においては、処理剤塗布ボンド
磁石50は、その端面や周縁面等において処理剤30の
塗膜30aの厚さが薄くなる傾向があり、乾燥工程ある
いは焼成工程においてこれらの部分に他物が接触する
と、接触の際の衝撃やこすれによってコーティング被膜
付きボンド磁石60のコーティング被膜30bに剥離や
亀裂を生じ易い。
【0047】コーティング被膜付きボンド磁石60にお
いて、コーティング被膜30bにこのような剥離や亀裂
を生じ易い部位は、図7及び図8に示すように処理剤塗
布ボンド磁石50の形状によってほぼ定まっている。処
理剤塗布ボンド磁石50がリング状(筒状)の処理剤塗
布ボンド磁石51の場合に上記剥離や亀裂を生じ易いの
は、塗膜30aのうち両側の端面(図7(a)において
網目を施した部分;以下同様)であり、乾燥及び/又は
焼成工程における非接触面Zは両端面となる。ただし、
非接触面Zには外周面及び内周面の縁E1,E2の部分を
含んでいる。一方、矩形状(平板状)の処理剤塗布ボン
ド磁石52の場合に剥離や亀裂を生じ易いのは、板厚方
向の幅を有する4つの周端面(図7(b)参照)であ
り、乾燥及び/又は焼成工程における非接触面Zは4つ
の周端面となる。ただし、非接触面Zには表面及び裏面
の縁E3,E4の部分を含んでいる。
【0048】その他の形状において、コーティング被膜
30bに剥離や亀裂を生じ易い部位の例を図8に示す。
湾曲した板状の処理剤塗布ボンド磁石53や穴あきの矩
形平板状の処理剤塗布ボンド磁石54,55では、板厚
方向の幅を有する4つの周端面(図8(a)〜(c)参
照)が、乾燥及び/又は焼成工程における非接触面Zと
なる。また、棒状の処理剤塗布ボンド磁石56では、両
側の端面(図8(d)参照)が、乾燥及び/又は焼成工
程における非接触面Zとなる。
【0049】したがって、本実施例の乾燥工程あるいは
焼成工程において、完成品となるコーティング被膜付き
ボンド磁石60のコーティング被膜30bに剥離や亀裂
を生じないように、処理剤塗布ボンド磁石50を保持す
る保持体100が用いられている。以下、本発明方法に
用いることのできる保持体の例について説明する。
【0050】まず、リング状の処理剤塗布ボンド磁石5
1に適した保持体100の具体例を図9〜図12に示
す。図9に示す第一保持体110(保持体)は、リング
状の処理剤塗布ボンド磁石51の孔部51aに挿通可能
な軸部材111の外周面に周方向部材112を備えてい
る。そして、この周方向部材112の外周縁が、被保持
面Hとしての孔部51aの内周面51bに点状(又はエ
ッジ状)に当接し、これによって第一保持体110が被
処理部材としての処理剤塗布ボンド磁石51を保持して
いる。このとき第一保持体110は、処理剤塗布ボンド
磁石51の両側の端面(非接触面Z)には接触せず、内
周面51bとの接点において、処理剤塗布ボンド磁石5
1の重力を周方向部材112で支える形態となる。周方
向部材112の形状として、おねじ112a、スクリュ
ー翼112b、円板翼112c等を用いることができ
る。第一保持体110は長手方向に連続して、また複数
並べて設ければ、同時に多数の処理剤塗布ボンド磁石5
1を保持できる。処理剤塗布ボンド磁石51の孔径に合
わせて軸部材111や周方向部材112の径を調整し、
またその厚さに合わせて周方向部材112を大ピッチP
1の部分と小ピッチP2の部分とに分けて設けることもで
きる。なお、軸部材111や周方向部材112の材質
は、変形しにくく、錆びにくいステンレス製、セラミッ
ク製等が用いられる。
【0051】図10に示す第二保持体120(保持体)
において、リング状の処理剤塗布ボンド磁石51の孔部
51aに挿通可能な軸部材121の外周に内面保持部1
22を備えている。内面保持部122は、軸部材121
の外側を囲む環状体122aと、環状体122aから周
方向にほぼ等間隔で径方向外側に突出する複数(図では
3個)の突出部122bと、軸部材121と環状体12
2aとの間に設けられた弾性体122c(図では3個の
ばね)とから構成されている。そして、この突出部12
2bが、孔部51aの内周面51b(被保持面H)に点
状(又はエッジ状)に当接し、これによって第二保持体
120が処理剤塗布ボンド磁石51を保持している。孔
部51aの変化には、弾性体122cの伸縮で対応でき
る。なお、環状体122aの径が軸方向に対して連続的
又は段階的に変化するように設定されているときには、
処理剤塗布ボンド磁石51の着脱に便利である。
【0052】図11に示す第三保持体130(保持体)
は、リング状の処理剤塗布ボンド磁石51の下方に、処
理剤塗布ボンド磁石51の軸線とほぼ平行な軸線を有す
る2本の軸部材131を配置し、各軸部材131の外周
面には周方向部材132を備えている。そして、この周
方向部材132の外周縁が、処理剤塗布ボンド磁石51
の外周面51c(被保持面H)に点状(又はエッジ状)
に当接し、これによって第三保持体130が処理剤塗布
ボンド磁石51を保持している。なお、図11(c)
(d)に示す第三保持体130’(保持体)は、周方向
にほぼ等間隔で配置した3本の軸部材131が、それぞ
れ単独で又は同時に接近離間可能に設けられている。処
理剤塗布ボンド磁石51の保持がより確実になされると
ともに、乾燥工程から焼成工程への処理剤塗布ボンド磁
石51の移動等が3本の軸部材131を同時に接近させ
た状態で行えるので製造コストの低減に寄与できる。ま
た、図11の周方向部材132は図9の周方向部材11
2と同様におねじ、スクリュー翼、円板翼等で形成する
ことができる。
【0053】図12に示す第四保持体140(保持体)
は、リング状の処理剤塗布ボンド磁石51をその外方か
ら保持するタイプのものである。第四保持体140は、
処理剤塗布ボンド磁石51の外側を囲む環状部140a
と、この環状部140aから周方向にほぼ等間隔で径方
向内側に突出する複数(図では3個)の突出部140b
を有している。そして、この突出部140bが、外周面
51c(被保持面H)に点状(又はエッジ状)に当接
し、これによって第四保持体140が処理剤塗布ボンド
磁石51を保持している。なお、環状部140aの端面
同士を連結部材140c(図では連結軸)等を介して連
結することで、複数の処理剤塗布ボンド磁石51を同時
に扱うことができる。
【0054】次に、平板状の処理剤塗布ボンド磁石52
に適した保持体100の具体例を図13〜図16に示
す。図13に示す第五保持体150(保持体)には、そ
の少なくとも1面に、所定の方向に連続した山151a
と谷151bとが交互に出現する波状部151を形成し
ている。そして、この波状部151の山151aの先端
が、被保持面Hとしての処理剤塗布ボンド磁石52の表
面又は裏面52aにエッジ状に当接し、これによって第
五保持体150が被処理部材としての処理剤塗布ボンド
磁石51を保持している。このとき第五保持体150
は、処理剤塗布ボンド磁石52の4個の周縁面Zには接
触せず、表面又は裏面52aとの接点において、処理剤
塗布ボンド磁石52の重力を波状部151で支える形態
となる。第五保持体150は長手方向又は幅方向に連続
して、また複数並べて設ければ、同時に多数の処理剤塗
布ボンド磁石52を保持できる。処理剤塗布ボンド磁石
52の大きさに合わせて波状部151を大ピッチP1の
部分と小ピッチP2の部分とに分けて設けることがで
き、山151aの高さも適宜変更できる。なお、第五保
持体150の材質は、変形しにくく、錆びにくいステン
レス製、セラミック製等が用いられる。
【0055】図14に示す第六保持体160(保持体)
には、その少なくとも1面に、表面から突出する突起1
61が所定の間隔で又はランダムな間隔で多数形成され
ている。そして、この突起161の先端が、処理剤塗布
ボンド磁石52の表面又は裏面52a(被保持面H)に
点状(又はエッジ状)に当接し、これによって第六保持
体160が処理剤塗布ボンド磁石52を保持している。
なお、突起161の先端の形状は、図14(c)に示す
如く針状161a、曲面状161b、針金折曲げ状16
1c等を用いることが可能であり、突起161を大ピッ
チP1の部分と小ピッチP2の部分とに分けて設けること
もできる。
【0056】図15に示す第七保持体170(保持体)
には、その少なくとも1面に、表面から所定の山形形状
で突出する突部171が所定の間隔で又はランダムな間
隔で多数形成されている。そして、この突部171の先
端が、処理剤塗布ボンド磁石52の表面又は裏面52a
(被保持面H)にエッジ状に当接し、これによって第七
保持体170が処理剤塗布ボンド磁石52を保持してい
る。なお、突出部171の形状は、図に示される三角状
以外に適宜変更可能であり、突部171を大ピッチP1
の部分と小ピッチP2の部分とに分けて設けることもで
きる。図15(b)に直交する方向において、エッジ長
さ(処理剤塗布ボンド磁石52との接触長さ)a、山同
士の間隔b、山の高さh等も適宜変更できる。
【0057】図16に示す第八保持体180(保持体)
には、その少なくとも1面に、所定形状(図ではほぼ半
球状)の窪み181が所定の間隔で又はランダムな間隔
で多数形成されている。そして、この窪み181の中に
所定形状(図ではほぼ球状)の回転体182が配置され
ている。そして、この回転体182の外周面が、処理剤
塗布ボンド磁石52の表面又は裏面52a(被保持面
H)に点状(又はエッジ状)に当接し、これによって第
八保持体180が処理剤塗布ボンド磁石52を保持して
いる。なお、窪み181と回転体182の形状は、適宜
変更できる。
【0058】なお、湾曲した板状の処理剤塗布ボンド磁
石53の場合には、山151aの高さ、突起161の先
端高さ、突部171の高さ、回転体182の径等を湾曲
に対応させて変化させることにより、平板状の場合と同
様に保持することができる。
【0059】さらに、棒状の処理剤塗布ボンド磁石56
に適した保持体100の具体例を図17に示す。図17
に示す第九保持体190(保持体)は、棒状の処理剤塗
布ボンド磁石56よりも大径の螺旋状体191(図では
コイルばね)により形成されている。そして、この螺旋
状体191の内縁が、被保持面Hとしての処理剤塗布ボ
ンド磁石56の外周面56aに点状(又はエッジ状)に
当接し、これによって第九保持体190が被処理部材と
しての処理剤塗布ボンド磁石56を保持している。この
とき第九保持体190は、処理剤塗布ボンド磁石56の
両側の端面(非接触面Z)には接触せず、外周面56a
との接点において、処理剤塗布ボンド磁石56の重力を
螺旋状体191で支える形態となる。螺旋状体191が
コイルばねで形成されるときは、処理剤塗布ボンド磁石
56の長さが長いとき(図17(b))と短いとき(図
17(a))とでコイルばねを伸縮させていずれにも対
応させることができる。なお、螺旋状体191として、
筒状部材の内側に設けるめねじ、スクリュー翼等を用い
ることもできる。
【0060】(実施例1)直径30mm、厚さ1mmの
鉄製リング状部材を、金属アルコキシド分散溶液を主成
分としたポリスチレン樹脂混合溶液からなる防錆剤に所
定時間浸漬して、塗膜厚さ10μmの防錆剤塗布鉄製部
材を作成した。この防錆剤塗布鉄製部材を室温で30分
間乾燥させ、加水分解反応を促進させた後、図9(a)
に示す第一保持体110にて防錆剤塗布鉄製部材を保持
しつつ、150℃で30分間の焼成を行い、コーティン
グ被膜付き鉄製部材(試験品No.1)を得た。なお、試
験品No.1に対して、第一保持体110の代わりにステ
ンレス製の網上にて防錆剤塗布鉄製部材を保持して焼成
を行い、これを比較例のコーティング被膜付き鉄製部材
(試験品No.2)とした。
【0061】(実施例2)直径30mm、厚さ1mmの
Nb−Fe−B系リング状ボンド磁石を、金属アルコキ
シド分散溶液を主成分としたポリスチレン樹脂混合溶液
からなる防錆剤に所定時間浸漬して、塗膜厚さ10μm
の防錆剤塗布ボンド磁石を作成した。この防錆剤塗布ボ
ンド磁石を室温で30分間乾燥させ、加水分解反応を促
進させた後、図9(a)に示す第一保持体110にて防
錆剤塗布鉄製部材を保持しつつ、150℃で30分間の
焼成を行い、コーティング被膜付きボンド磁石(試験品
No.3)を得た。なお、試験品No.3に対して、第一保持
体110の代わりにステンレス製の網上にて防錆剤塗布
ボンド磁石を保持して焼成を行い、これを比較例のコー
ティング被膜付きボンド磁石(試験品No.4)とした。
【0062】(実施例3)50mm×50mm、厚さ1
mmの鉄製板状部材(SS41)を、金属アルコキシド
分散溶液を主成分としたポリスチレン樹脂混合溶液から
なる防錆剤に所定時間浸漬して、塗膜厚さ10μmの防
錆剤塗布鉄製部材を作成した。この防錆剤塗布鉄製部材
を室温で30分間乾燥させ、加水分解反応を促進させた
後、図13(a)に示す第五保持体150にて防錆剤塗
布鉄製部材を保持しつつ、150℃で30分間の焼成を
行い、コーティング被膜付き鉄製部材(試験品No.5)
を得た。なお、試験品No.5に対して、第五保持体15
0の代わりにステンレス製の網上にて防錆剤塗布鉄製部
材を保持して焼成を行い、これを比較例のコーティング
被膜付き鉄製部材(試験品No.6)とした。
【0063】(実施例4)50mm×50mm、厚さ1
mmのNb−Fe−B系板状ボンド磁石を、金属アルコ
キシド分散溶液を主成分としたポリスチレン樹脂混合溶
液からなる防錆剤に所定時間浸漬して、塗膜厚さ10μ
mの防錆剤塗布ボンド磁石を作成した。この防錆剤塗布
ボンド磁石を室温で30分間乾燥させ、加水分解反応を
促進させた後、図13(a)に示す第五保持体150に
て防錆剤塗布鉄製部材を保持しつつ、150℃で30分
間の焼成を行い、コーティング被膜付きボンド磁石(試
験品No.7)を得た。なお、試験品No.7に対して、第五
保持体150の代わりにステンレス製の網上にて防錆剤
塗布ボンド磁石を保持して焼成を行い、これを比較例の
コーティング被膜付きボンド磁石(試験品No.8)とし
た。
【0064】(試験例)実施例1〜4で作成した各試験
品について、恒温恒湿試験を実施して侵食進行度を比較
した。恒温恒湿試験は、恒温恒湿槽において、試験品N
o.1〜8をステンレス製の網上に静置し、80℃×95
%RHの条件にて200時間保持して行った。その間目
視にて錆の発生を観察した。恒温恒湿試験の結果を表1
に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1において、ステンレス製の網上にて保
持して焼成を行った比較例(試験品No.2,4,6,
8)では、いずれも24時間以内に錆が発生した。一
方、本発明に係る保持体で保持して焼成を行った実施例
(試験品No.1,3,5,7)では、いずれも錆が発生
しなかった。これによって、保持体を用いた本発明方法
によれば錆の発生が充分に抑制されることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボンド磁石の製造方法の一例を示す工程説明
図。
【図2】図1に続く工程説明図。
【図3】得られたボンド磁石に処理剤を塗布して処理剤
塗布ボンド磁石を製造する工程及びその変形例と、処理
剤塗布ボンド磁石の断面構造を示す模式図。
【図4】得られた処理剤塗布ボンド磁石を乾燥・焼成し
てコーティング被膜付きボンド磁石を製造する工程及び
その変形例と、コーティング被膜付きボンド磁石の断面
構造を示す模式図。
【図5】処理剤を永久磁石部材にコーティングする方法
を模式的に示した図。
【図6】コーティング被膜の分子レベルの構造を、その
変形例とともに模式的に示した図。
【図7】コーティング被膜に剥離や亀裂を生じ易い部位
を示した説明図。
【図8】図7と同様の説明図。
【図9】保持体の第一の具体例を示す説明図。
【図10】保持体の第二の具体例を示す説明図。
【図11】保持体の第三の具体例を示す説明図。
【図12】保持体の第四の具体例を示す説明図。
【図13】保持体の第五の具体例を示す説明図。
【図14】保持体の第六の具体例を示す説明図。
【図15】保持体の第七の具体例を示す説明図。
【図16】保持体の第八の具体例を示す説明図。
【図17】保持体の第九の具体例を示す説明図。
【符号の説明】
10 ボンド磁石用粉末 20 ボンド磁石(金属部材) 30 磁性素材用処理剤(金属用処理剤) 30a 塗膜 30b コーティング被膜 50 処理剤塗布ボンド磁石(被処理部材) 60 コーティング被膜付きボンド磁石(コーティン
グ被膜付き金属部材) 100 保持体 110 第一保持体(保持体) 120 第二保持体(保持体) 130,130’ 第三保持体(保持体) 140 第四保持体(保持体) 150 第五保持体(保持体) 160 第六保持体(保持体) 170 第七保持体(保持体) 180 第八保持体(保持体) 190 第九保持体(保持体) H 被保持面 Z 非接触面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属系元素のアルコキシドを含む成分を
    有機溶媒に分散させた金属アルコキシド含有溶液からな
    る金属用処理剤が全面に塗布された被処理部材に対し
    て、該被処理部材が筒状形態をなすときはその端面、該
    被処理部材が板状形態をなすときはその周縁面、該被処
    理部材が軸状形態をなすときはその端面の如く、前記被
    処理部材の形態に応じて保持の際に非接触とする面(以
    下、非接触面という)を定めるとともに、 前記被処理部材の前記非接触面を除く面のうちいずれか
    の面(以下、被保持面という)を保持体にて保持しつつ
    乾燥及び/又は焼成することを特徴とするコーティング
    被膜付き金属部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記保持体は、前記被保持面に対し点状
    又はエッジ状にて当接する請求項1記載のコーティング
    被膜付き金属部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記保持体は、少なくとも一部のものが
    前記被処理部材に作用する重力によって前記被保持面と
    当接する請求項1又は2記載のコーティング被膜付き金
    属部材の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005187929A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Tdk Corp 希土類磁石及びその製造方法
US9903009B2 (en) 2004-03-31 2018-02-27 Tdk Corporation Rare earth magnet and method for manufacturing same
CN114011671A (zh) * 2021-11-08 2022-02-08 贵州航天精工制造有限公司 一种超声波辅助浸涂干膜润滑剂方法

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