JPH113811A - 希土類ボンド磁石およびその製造方法 - Google Patents
希土類ボンド磁石およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH113811A JPH113811A JP9169606A JP16960697A JPH113811A JP H113811 A JPH113811 A JP H113811A JP 9169606 A JP9169606 A JP 9169606A JP 16960697 A JP16960697 A JP 16960697A JP H113811 A JPH113811 A JP H113811A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnet
- powder
- rare earth
- main body
- metal powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F41/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
- H01F41/02—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
- H01F41/0253—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets
- H01F41/026—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets protecting methods against environmental influences, e.g. oxygen, by surface treatment
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Environmental & Geological Engineering (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い耐食性が得られ、かつ機械的強度を向上
させる。 【解決手段】 希土類ボンド磁石１０の磁石本体１２
は、希土類元素を含む磁性材料の粉末に樹脂バインダー
を添加して混練したものを、所要形状に射出または圧縮
成形することにより得られる。磁石本体１２の表面に連
通する空孔や溝等の空隙部１４は、アルミニウムやニッ
ケル等の金属粉末１６で充填・被覆される。金属粉末１
６による充填・被覆部を含む磁石本体１２の表面全体
は、ニッケル等の金属メッキ層１８で被覆される。
させる。 【解決手段】 希土類ボンド磁石１０の磁石本体１２
は、希土類元素を含む磁性材料の粉末に樹脂バインダー
を添加して混練したものを、所要形状に射出または圧縮
成形することにより得られる。磁石本体１２の表面に連
通する空孔や溝等の空隙部１４は、アルミニウムやニッ
ケル等の金属粉末１６で充填・被覆される。金属粉末１
６による充填・被覆部を含む磁石本体１２の表面全体
は、ニッケル等の金属メッキ層１８で被覆される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、希土類ボンド磁
石およびその製造方法に関し、更に詳細には、空隙部に
金属粉末が充填・被覆された磁石本体の表面全体を、更
に金属メッキ層で被覆した希土類ボンド磁石およびその
製造方法に関するものである。
石およびその製造方法に関し、更に詳細には、空隙部に
金属粉末が充填・被覆された磁石本体の表面全体を、更
に金属メッキ層で被覆した希土類ボンド磁石およびその
製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】Ｓｍ、Ｎｄ、Ｐｒ等の希土類元素の１種
または２種以上を含む磁性材料の粉末と樹脂バインダー
とを所要の割合で混合した混合物を射出成形または圧縮
成形して得られる希土類ボンド磁石が、例えばモータの
ロータ等に好適に使用されている。しかるに、希土類ボ
ンド磁石は、酸化し易い原料成分を含んでいるため、そ
の表面が素地のままでは経時的に錆が発生し易く、モー
タ部品等にそのまま使用すると、耐久性の低下や故障の
原因を招くことになる。そこで、錆止めのために希土類
ボンド磁石の表面を、スプレー塗装、電着塗装または浸
漬塗装等によって樹脂被膜で被覆する対策が一般に採ら
れている。
または２種以上を含む磁性材料の粉末と樹脂バインダー
とを所要の割合で混合した混合物を射出成形または圧縮
成形して得られる希土類ボンド磁石が、例えばモータの
ロータ等に好適に使用されている。しかるに、希土類ボ
ンド磁石は、酸化し易い原料成分を含んでいるため、そ
の表面が素地のままでは経時的に錆が発生し易く、モー
タ部品等にそのまま使用すると、耐久性の低下や故障の
原因を招くことになる。そこで、錆止めのために希土類
ボンド磁石の表面を、スプレー塗装、電着塗装または浸
漬塗装等によって樹脂被膜で被覆する対策が一般に採ら
れている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂被
膜で表面を被覆した希土類ボンド磁石を用いた製品にお
いては、その機械的強度が低く、組立工程中に樹脂被膜
が損傷したり、運搬時に誤って落したときに簡単に破損
してしまう等の難点が指摘される。そこで、機械的強度
を向上させるべく、樹脂被膜に代えて金属メッキ層を希
土類ボンド磁石の表面に被覆することが提案される。し
かし、表面に連通する空孔や溝等の空隙部の多いポーラ
スな希土類ボンド磁石に金属メッキ層を被覆する場合
は、表面洗浄剤やメッキ液が空隙部に侵入して残留し、
これによって溶損もしくは発錆を招くおそれがあり、直
に金属メッキ層を施すことは極めて困難であった。
膜で表面を被覆した希土類ボンド磁石を用いた製品にお
いては、その機械的強度が低く、組立工程中に樹脂被膜
が損傷したり、運搬時に誤って落したときに簡単に破損
してしまう等の難点が指摘される。そこで、機械的強度
を向上させるべく、樹脂被膜に代えて金属メッキ層を希
土類ボンド磁石の表面に被覆することが提案される。し
かし、表面に連通する空孔や溝等の空隙部の多いポーラ
スな希土類ボンド磁石に金属メッキ層を被覆する場合
は、表面洗浄剤やメッキ液が空隙部に侵入して残留し、
これによって溶損もしくは発錆を招くおそれがあり、直
に金属メッキ層を施すことは極めて困難であった。
【０００４】なお、ポーラスな希土類ボンド磁石の空隙
部に侵入、残留しても無害なメッキ液を選定したり、下
地コーティングを施した後にメッキする方法が提案され
る。しかし、メッキ液のｐＨ調整や完全な無害化は困難
であり、また下地コーティングを施すことにより成膜効
率が低下する難点がある。しかも、下地の厚みのばらつ
きがメッキ層の不安定要素となるため、充分な厚みの下
地コーティングを施せば、更にメッキ層を被覆する必要
はなくなるという矛盾も指摘される。
部に侵入、残留しても無害なメッキ液を選定したり、下
地コーティングを施した後にメッキする方法が提案され
る。しかし、メッキ液のｐＨ調整や完全な無害化は困難
であり、また下地コーティングを施すことにより成膜効
率が低下する難点がある。しかも、下地の厚みのばらつ
きがメッキ層の不安定要素となるため、充分な厚みの下
地コーティングを施せば、更にメッキ層を被覆する必要
はなくなるという矛盾も指摘される。
【０００５】
【発明の目的】本発明は、前述した従来の技術に内在し
ている前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案
されたものであって、高い耐食性が得られ、かつ機械的
強度を向上し得る新規な希土類ボンド磁石およびその製
造方法を提供することを目的とする。
ている前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案
されたものであって、高い耐食性が得られ、かつ機械的
強度を向上し得る新規な希土類ボンド磁石およびその製
造方法を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため、本発明に係る希土類ボンド磁石
は、希土類磁石粉末と樹脂バインダーとを所要の割合で
混合した混合物の成形体からなる多孔質な磁石本体の空
隙部が金属粉末で充填・被覆されると共に、前記金属粉
末の充填・被覆部を含む磁石本体の表面全体が金属メッ
キ層で被覆されていることを特徴とする。
の目的を達成するため、本発明に係る希土類ボンド磁石
は、希土類磁石粉末と樹脂バインダーとを所要の割合で
混合した混合物の成形体からなる多孔質な磁石本体の空
隙部が金属粉末で充填・被覆されると共に、前記金属粉
末の充填・被覆部を含む磁石本体の表面全体が金属メッ
キ層で被覆されていることを特徴とする。
【０００７】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため、本願の別の発明に係る希土類ボンド磁石の製造方
法は、希土類磁石粉末と樹脂バインダーとを所要の割合
で混合した混合物の成形体からなる多孔質な磁石本体の
空隙部に金属粉末を充填・被覆する工程を行なった後、
前記金属粉末の充填・被覆部を含む磁石本体の表面全体
を金属メッキ層で被覆する工程を行なうことを特徴とす
る。
ため、本願の別の発明に係る希土類ボンド磁石の製造方
法は、希土類磁石粉末と樹脂バインダーとを所要の割合
で混合した混合物の成形体からなる多孔質な磁石本体の
空隙部に金属粉末を充填・被覆する工程を行なった後、
前記金属粉末の充填・被覆部を含む磁石本体の表面全体
を金属メッキ層で被覆する工程を行なうことを特徴とす
る。
【０００８】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため、本願の更に別の発明に係る希土類ボンド磁石の製
造方法は、希土類磁石粉末と樹脂バインダーとを所要の
割合で混合した混合物の成形体からなる多孔質な磁石本
体を、金属粉末を添加したカップリング剤の溶液中に浸
漬することで該磁石本体の空隙部や表面に金属粉末を付
着させる工程を行なった後、前記磁石本体の空隙部や表
面に、ブラストメディアの打撃力によって更に金属粉末
を充填・被覆する工程を行ない、次いで前記金属粉末の
充填・被覆部を含む磁石本体の表面全体を金属メッキ層
で被覆する工程を行なうことを特徴とする。
ため、本願の更に別の発明に係る希土類ボンド磁石の製
造方法は、希土類磁石粉末と樹脂バインダーとを所要の
割合で混合した混合物の成形体からなる多孔質な磁石本
体を、金属粉末を添加したカップリング剤の溶液中に浸
漬することで該磁石本体の空隙部や表面に金属粉末を付
着させる工程を行なった後、前記磁石本体の空隙部や表
面に、ブラストメディアの打撃力によって更に金属粉末
を充填・被覆する工程を行ない、次いで前記金属粉末の
充填・被覆部を含む磁石本体の表面全体を金属メッキ層
で被覆する工程を行なうことを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る希土類ボンド
磁石およびその製造方法につき、添付図面を参照しなが
ら以下説明する。図１は、実施例に係る希土類ボンド磁
石を示すものであって、該希土類ボンド磁石１０の磁石
本体１２は、Ｓｍ、Ｎｄ、Ｐｒ等の希土類元素の１種ま
たは２種以上を含む磁性材料の粉末に樹脂バインダーを
添加して混練したものを、所要形状に射出または圧縮成
形することにより得られる。この磁石本体１２の表面に
連通する空孔や溝等の空隙部１４は、図２に示すよう
に、アルミニウムやニッケル等の金属粉末１６で充填・
被覆されている。更に、金属粉末１６による充填・被覆
部を含む磁石本体１２の表面全体は、ニッケルやクロム
等の金属メッキ層１８で被覆されている。
磁石およびその製造方法につき、添付図面を参照しなが
ら以下説明する。図１は、実施例に係る希土類ボンド磁
石を示すものであって、該希土類ボンド磁石１０の磁石
本体１２は、Ｓｍ、Ｎｄ、Ｐｒ等の希土類元素の１種ま
たは２種以上を含む磁性材料の粉末に樹脂バインダーを
添加して混練したものを、所要形状に射出または圧縮成
形することにより得られる。この磁石本体１２の表面に
連通する空孔や溝等の空隙部１４は、図２に示すよう
に、アルミニウムやニッケル等の金属粉末１６で充填・
被覆されている。更に、金属粉末１６による充填・被覆
部を含む磁石本体１２の表面全体は、ニッケルやクロム
等の金属メッキ層１８で被覆されている。
【００１０】図３は、実施例に係る希土類ボンド磁石の
製造方法の工程を示すフローチャートであって、先ず金
属粉末１６として鱗片状のアルミニウム粉末を添加した
カップリング溶液中に磁石本体１２を浸漬し、カップリ
ング剤の作用によって磁石本体１２の空隙部１４や表面
全体にアルミニウム粉末を付着させる。この磁石本体１
２をドライヤーで乾燥させたり、または自然乾燥するこ
とで溶液の液切りを行なった後に、バレル処理に回され
る。カップリング溶液の配合例としては、キシレン：７
０.０ｗｔ％、ＭＥＫ(メチルエチルケトン)：２７.５ｗ
ｔ％、オレイン酸：１.５ｗｔ％、シラン系のカップリ
ング剤：１.０ｗｔ％、アルミニウム粉末：０.２〜２.
５ｗｔ％のものが好適に用いられる。なお、カップリン
グ剤としては、シラン系の他に、チタネート系やアルミ
ニウム系等が適宜に使用される。
製造方法の工程を示すフローチャートであって、先ず金
属粉末１６として鱗片状のアルミニウム粉末を添加した
カップリング溶液中に磁石本体１２を浸漬し、カップリ
ング剤の作用によって磁石本体１２の空隙部１４や表面
全体にアルミニウム粉末を付着させる。この磁石本体１
２をドライヤーで乾燥させたり、または自然乾燥するこ
とで溶液の液切りを行なった後に、バレル処理に回され
る。カップリング溶液の配合例としては、キシレン：７
０.０ｗｔ％、ＭＥＫ(メチルエチルケトン)：２７.５ｗ
ｔ％、オレイン酸：１.５ｗｔ％、シラン系のカップリ
ング剤：１.０ｗｔ％、アルミニウム粉末：０.２〜２.
５ｗｔ％のものが好適に用いられる。なお、カップリン
グ剤としては、シラン系の他に、チタネート系やアルミ
ニウム系等が適宜に使用される。
【００１１】次に、アルミニウム粉末が付着された磁石
本体１２を、ブラストメディアとしての多数のステンレ
ス球と、前述した工程で使用した金属粉末１６と同じ鱗
片状のアルミニウム粉末を所定量(例えば５００個の磁
石に対して０.５ｇ)を入れたバレルタンクの内部に装入
し、このタンクを回転させたり振動することにより生ず
るステンレス球の打撃力によって、アルミニウム粉末を
磁石本体１２の空隙部１４や表面全体に充填・被覆させ
る。このバレル処理を行なうに際し、前述したように磁
石本体１２の空隙部１４や表面全体には予めアルミニウ
ム粉末が付着しているので、当該バレル処理によるアル
ミニウム粉末の充填・被覆工程と相俟って、磁石本体１
２の空孔、溝等の空隙部１４は確実にアルミニウム粉末
で充填・被覆される。また、バレル処理のみでアルミニ
ウム粉末を空隙部１４に充填・被覆する場合に比べて時
間を短縮することができる。なお、前述したカップリン
グ溶液浸漬およびバレル処理工程で使用される金属粉末
１６として、アルミニウム粉末に代えてニッケル粉末や
銅粉末等を用いてもよい。
本体１２を、ブラストメディアとしての多数のステンレ
ス球と、前述した工程で使用した金属粉末１６と同じ鱗
片状のアルミニウム粉末を所定量(例えば５００個の磁
石に対して０.５ｇ)を入れたバレルタンクの内部に装入
し、このタンクを回転させたり振動することにより生ず
るステンレス球の打撃力によって、アルミニウム粉末を
磁石本体１２の空隙部１４や表面全体に充填・被覆させ
る。このバレル処理を行なうに際し、前述したように磁
石本体１２の空隙部１４や表面全体には予めアルミニウ
ム粉末が付着しているので、当該バレル処理によるアル
ミニウム粉末の充填・被覆工程と相俟って、磁石本体１
２の空孔、溝等の空隙部１４は確実にアルミニウム粉末
で充填・被覆される。また、バレル処理のみでアルミニ
ウム粉末を空隙部１４に充填・被覆する場合に比べて時
間を短縮することができる。なお、前述したカップリン
グ溶液浸漬およびバレル処理工程で使用される金属粉末
１６として、アルミニウム粉末に代えてニッケル粉末や
銅粉末等を用いてもよい。
【００１２】前記バレル処理により金属被膜が施された
磁石本体１２をステンレス球と分離し、これを水道水を
用いて揺動洗浄(洗浄処理)することで、不完全に付着し
ている過剰のアルミニウム粉末を除去する。また、洗浄
処理が完了した磁石本体１２を、ドライヤーを用いて乾
燥させたり、自然乾燥させる。
磁石本体１２をステンレス球と分離し、これを水道水を
用いて揺動洗浄(洗浄処理)することで、不完全に付着し
ている過剰のアルミニウム粉末を除去する。また、洗浄
処理が完了した磁石本体１２を、ドライヤーを用いて乾
燥させたり、自然乾燥させる。
【００１３】そして、得られた磁石本体１２を、メッキ
用金属としてニッケルを用いて電気金属メッキする。こ
れにより、磁石本体１２における表面の空孔、溝等の空
隙部１４がアルミニウム粉末(金属粉末１６)で充填・被
覆され、更にその表面全体がニッケルメッキ層(金属メ
ッキ層１８)で被覆された高い耐食性を有し、かつ機械
的強度が向上した希土類ボンド磁石１０が得られる。な
お、電気金属メッキに用いられるニッケルとしては、例
えば半光沢ニッケル５〜１０μｍと光沢ニッケル５μｍ
とを混合したものが使用される。また電気金属メッキと
しては、メッキ液が貯留されたバレルタンク内に磁石本
体１２を装入し、このタンクを回転させると共に該タン
ク内に配設した電極に電流を流すことによりメッキを行
なうバレル法が好適に用いられる。メッキ液としては、
公知のワット浴が好適である。なお、ニッケルメッキ層
で被覆された希土類ボンド磁石１０は、洗浄された後に
乾燥される。
用金属としてニッケルを用いて電気金属メッキする。こ
れにより、磁石本体１２における表面の空孔、溝等の空
隙部１４がアルミニウム粉末(金属粉末１６)で充填・被
覆され、更にその表面全体がニッケルメッキ層(金属メ
ッキ層１８)で被覆された高い耐食性を有し、かつ機械
的強度が向上した希土類ボンド磁石１０が得られる。な
お、電気金属メッキに用いられるニッケルとしては、例
えば半光沢ニッケル５〜１０μｍと光沢ニッケル５μｍ
とを混合したものが使用される。また電気金属メッキと
しては、メッキ液が貯留されたバレルタンク内に磁石本
体１２を装入し、このタンクを回転させると共に該タン
ク内に配設した電極に電流を流すことによりメッキを行
なうバレル法が好適に用いられる。メッキ液としては、
公知のワット浴が好適である。なお、ニッケルメッキ層
で被覆された希土類ボンド磁石１０は、洗浄された後に
乾燥される。
【００１４】
【実施例の試験例について】前述した実施例に係る製造
方法により得られた希土類ボンド磁石および従来の電着
塗装により樹脂被膜が被覆された希土類ボンド磁石の各
２０個について、８０℃×９５％の雰囲気中に置いて、
錆の発生の有無を検査した結果を以下の表１に示す。な
お試験結果は、夫々２０個の希土類ボンド磁石に対する
錆の発生個数の割合(錆の発生個数／２０)で示す。ま
た、実施例１の希土類ボンド磁石は、金属粉末がアルミ
ニウム粉末で金属メッキ層がニッケルメッキ層であり、
実施例２の希土類ボンド磁石は、金属粉末がニッケル粉
末で金属メッキ層がニッケルメッキ層である。
方法により得られた希土類ボンド磁石および従来の電着
塗装により樹脂被膜が被覆された希土類ボンド磁石の各
２０個について、８０℃×９５％の雰囲気中に置いて、
錆の発生の有無を検査した結果を以下の表１に示す。な
お試験結果は、夫々２０個の希土類ボンド磁石に対する
錆の発生個数の割合(錆の発生個数／２０)で示す。ま
た、実施例１の希土類ボンド磁石は、金属粉末がアルミ
ニウム粉末で金属メッキ層がニッケルメッキ層であり、
実施例２の希土類ボンド磁石は、金属粉末がニッケル粉
末で金属メッキ層がニッケルメッキ層である。
【００１５】
【００１６】また、実施例１,２の希土類ボンド磁石お
よび従来例の希土類ボンド磁石の各２０個について、ロ
ードセルによって応力荷重を加え、破壊強度を測定した
結果を表２に示す。
よび従来例の希土類ボンド磁石の各２０個について、ロ
ードセルによって応力荷重を加え、破壊強度を測定した
結果を表２に示す。
【００１７】
【００１８】すなわち、この試験結果から、磁石本体１
２の空隙部１４を金属粉末１６で充填・被覆し、更にそ
の表面全体を金属メッキ層１８で被覆した実施例の希土
類ボンド磁石１０は、樹脂被膜を施した従来例の希土類
ボンド磁石に比較して、耐食性(防錆効果)および破壊強
度が共に向上することが明らかとなった。
２の空隙部１４を金属粉末１６で充填・被覆し、更にそ
の表面全体を金属メッキ層１８で被覆した実施例の希土
類ボンド磁石１０は、樹脂被膜を施した従来例の希土類
ボンド磁石に比較して、耐食性(防錆効果)および破壊強
度が共に向上することが明らかとなった。
【００１９】なお、実施例のバレル処理は、バレルタン
クを回転させたり振動することによりブラストメディア
の打撃力を得るようにしたが、本願はこれに限定される
ものでなく、タンクに設けたノズルからブラストメディ
アと金属粉末とを混合したブラスト媒体を空気圧により
磁石本体に吹付けることにより、該磁石の空隙部や表面
に所定厚みで金属粉末を付着させるものであってもよ
い。またブラストメディアとしては、ステンレス球に限
らず、硬質めっきを施したスチール球、ニッケル球、銅
球等を適宜に使用し得る。
クを回転させたり振動することによりブラストメディア
の打撃力を得るようにしたが、本願はこれに限定される
ものでなく、タンクに設けたノズルからブラストメディ
アと金属粉末とを混合したブラスト媒体を空気圧により
磁石本体に吹付けることにより、該磁石の空隙部や表面
に所定厚みで金属粉末を付着させるものであってもよ
い。またブラストメディアとしては、ステンレス球に限
らず、硬質めっきを施したスチール球、ニッケル球、銅
球等を適宜に使用し得る。
【００２０】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る希土類
ボンド磁石およびその製造方法によれば、磁石本体の空
隙部に金属粉末を充填・被覆し、更に磁石本体の表面全
体を金属メッキ層で被覆したことによって、希土類ボン
ド磁石の耐食性および機械的強度が向上する。従って、
本発明に係る希土類ボンド磁石を用いた製品において
は、その組立工程中に損傷したり、運搬時に誤って破損
するのを抑制することができ、取扱が容易となる利点を
有する。また、樹脂層がないため耐熱性が向上する効果
もある。
ボンド磁石およびその製造方法によれば、磁石本体の空
隙部に金属粉末を充填・被覆し、更に磁石本体の表面全
体を金属メッキ層で被覆したことによって、希土類ボン
ド磁石の耐食性および機械的強度が向上する。従って、
本発明に係る希土類ボンド磁石を用いた製品において
は、その組立工程中に損傷したり、運搬時に誤って破損
するのを抑制することができ、取扱が容易となる利点を
有する。また、樹脂層がないため耐熱性が向上する効果
もある。
【００２１】前記磁石本体の表面全体を金属メッキ層で
被覆する前に、予め磁石本体の空隙部に金属粉末を充填
・被覆するので、有害なメッキ液、洗浄液の侵入が防止
され、内部より発錆してメッキ層が剥離する等の耐食性
の劣化がなく、メッキ層の密着度が向上する。また、磁
石本体の表面に予め金属粉末をカップリング剤により付
着させた後、ブラストメディアによる金属粉末の充填・
被覆工程を行なうことにより、空隙部への金属粉末の充
填・被覆が確実かつ均一になされる。従って、磁石本体
の表面全体に均一な金属メッキ層を施すことができる。
被覆する前に、予め磁石本体の空隙部に金属粉末を充填
・被覆するので、有害なメッキ液、洗浄液の侵入が防止
され、内部より発錆してメッキ層が剥離する等の耐食性
の劣化がなく、メッキ層の密着度が向上する。また、磁
石本体の表面に予め金属粉末をカップリング剤により付
着させた後、ブラストメディアによる金属粉末の充填・
被覆工程を行なうことにより、空隙部への金属粉末の充
填・被覆が確実かつ均一になされる。従って、磁石本体
の表面全体に均一な金属メッキ層を施すことができる。
【図１】本発明の実施例に係る希土類ボンド磁石を示す
断面図である。
断面図である。
【図２】実施例に係る希土類ボンド磁石の要部を拡大し
て示す説明図である。
て示す説明図である。
【図３】実施例に係る希土類ボンド磁石の製造方法の工
程を示すフローチャート図である。
程を示すフローチャート図である。
１２ 磁石本体 １４ 空隙部 １６ 金属粉末 １８ 金属メッキ層
Claims (6)
- 【請求項１】 希土類磁石粉末と樹脂バインダーとを所
要の割合で混合した混合物の成形体からなる多孔質な磁
石本体の空隙部が金属粉末で充填・被覆されると共に、
前記金属粉末の充填・被覆部を含む磁石本体の表面全体
が金属メッキ層で被覆されていることを特徴とする希土
類ボンド磁石。 - 【請求項２】 前記金属粉末はニッケル粉末である請求
項１記載の希土類ボンド磁石。 - 【請求項３】 前記金属粉末はアルミニウム粉末である
請求項１記載の希土類ボンド磁石。 - 【請求項４】 前記金属メッキ層はニッケルメッキ層で
ある請求項１〜３の何れかに記載の希土類ボンド磁石。 - 【請求項５】 希土類磁石粉末と樹脂バインダーとを所
要の割合で混合した混合物の成形体からなる多孔質な磁
石本体の空隙部に金属粉末を充填・被覆する工程を行な
った後、前記金属粉末の充填・被覆部を含む磁石本体の
表面全体を金属メッキ層で被覆する工程を行なうことを
特徴とする希土類ボンド磁石の製造方法。 - 【請求項６】 希土類磁石粉末と樹脂バインダーとを所
要の割合で混合した混合物の成形体からなる多孔質な磁
石本体を、金属粉末を添加したカップリング剤の溶液中
に浸漬することで該磁石本体の空隙部や表面に金属粉末
を付着させる工程を行なった後、前記磁石本体の空隙部
や表面に、ブラストメディアの打撃力によって更に金属
粉末を充填・被覆する工程を行ない、次いで前記金属粉
末の充填・被覆部を含む磁石本体の表面全体を金属メッ
キ層で被覆する工程を行なうことを特徴とする希土類ボ
ンド磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9169606A JPH113811A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 希土類ボンド磁石およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9169606A JPH113811A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 希土類ボンド磁石およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH113811A true JPH113811A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15889623
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9169606A Pending JPH113811A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 希土類ボンド磁石およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH113811A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1024506A1 (en) * | 1999-01-27 | 2000-08-02 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Rare earth metal-based permanent magnet, and process for producing the same |
| US6171360B1 (en) | 1998-04-09 | 2001-01-09 | Yamaha Corporation | Binder for injection molding of metal powder or ceramic powder and molding composition and molding method wherein the same is used |
| US6777097B2 (en) * | 2001-06-14 | 2004-08-17 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Corrosion resistant rare earth magnet and its preparation |
| US6819211B2 (en) * | 1999-02-26 | 2004-11-16 | Neomax Co. Ltd | Process for surface-treatment of hollow work having hole communicating with outside, and ring-shaped bonded magnet produced by the process |
| US7045923B2 (en) | 2003-07-01 | 2006-05-16 | Nidec Corporation | Magnetizing method and permanent magnet magnetized thereby |
| JP2012164964A (ja) * | 2011-01-17 | 2012-08-30 | Shinano Kenshi Co Ltd | 磁石及び磁石の製造方法 |
-
1997
- 1997-06-10 JP JP9169606A patent/JPH113811A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6171360B1 (en) | 1998-04-09 | 2001-01-09 | Yamaha Corporation | Binder for injection molding of metal powder or ceramic powder and molding composition and molding method wherein the same is used |
| EP1024506A1 (en) * | 1999-01-27 | 2000-08-02 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Rare earth metal-based permanent magnet, and process for producing the same |
| US6399150B1 (en) | 1999-01-27 | 2002-06-04 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Rare earth metal-based permanent magnet, and process for producing the same |
| US7053745B2 (en) | 1999-01-27 | 2006-05-30 | Neomax Co., Ltd. | Rare earth metal-based permanent magnet, and process for producing the same |
| US6819211B2 (en) * | 1999-02-26 | 2004-11-16 | Neomax Co. Ltd | Process for surface-treatment of hollow work having hole communicating with outside, and ring-shaped bonded magnet produced by the process |
| US6777097B2 (en) * | 2001-06-14 | 2004-08-17 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Corrosion resistant rare earth magnet and its preparation |
| US7045923B2 (en) | 2003-07-01 | 2006-05-16 | Nidec Corporation | Magnetizing method and permanent magnet magnetized thereby |
| JP2012164964A (ja) * | 2011-01-17 | 2012-08-30 | Shinano Kenshi Co Ltd | 磁石及び磁石の製造方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP0502475B1 (en) | Method of plating a bonded magnet and a bonded magnet carrying a metal coating | |
| US7221068B2 (en) | Insulated motor core and method for producing same | |
| JPH113811A (ja) | 希土類ボンド磁石およびその製造方法 | |
| KR100374398B1 (ko) | 고내식성을 갖는 R-Fe-B계 본드 자석과 그 제조 방법 | |
| JPH09205013A (ja) | 防錆被覆層を有するボンド磁石とその防錆被覆処理方法 | |
| CN106696172A (zh) | 一种金属和塑料复合产品的制作方法 | |
| JPH10226890A (ja) | 希土類磁石の防錆処理方法 | |
| JP2692834B2 (ja) | 圧粉磁心 | |
| JP2000091112A (ja) | 希土類ボンド磁石およびその製造方法 | |
| JPH08186016A (ja) | めっき被膜を有するボンド磁石とその製造方法 | |
| CN1148764C (zh) | 制造高耐蚀性的R-Fe-B粘结磁体的方法 | |
| JPH11204320A (ja) | ボンド磁石およびその製造方法 | |
| JPH11224811A (ja) | 希土類ボンド磁石とその製造方法 | |
| JP2000133541A (ja) | 高耐食性Ｒ−Ｆｅ−Ｂ系ボンド磁石の製造方法 | |
| JP2001210505A (ja) | 耐食性に優れた希土類ボンド磁石及びその製造方法 | |
| JPS59209853A (ja) | 表面に耐摩耗層を有し耐アルカリ処理をしたアルミニウム鋳造品およびその製造方法 | |
| JPH1126221A (ja) | 希土類ボンド磁石 | |
| JP2719658B2 (ja) | ボンド磁石のめっき法 | |
| JP2006148157A (ja) | 希土類ボンド磁石 | |
| JPH0437004A (ja) | 耐防錆性に優れた磁石 | |
| JP4239081B2 (ja) | マグネシウム系部材およびその製造方法 | |
| JPS60174802A (ja) | 焼結部材の封孔処理方法 | |
| JPH01245880A (ja) | 希土類磁石のコーティング方法 | |
| JPH06314607A (ja) | 高防錆性希土類ボンド磁石およびその製造方法 | |
| US20030035900A1 (en) | Rust-protective treating method for iron core of vibrating motor |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050705 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050712 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051108 |