JP2719658B2 - ボンド磁石のめっき法 - Google Patents

ボンド磁石のめっき法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はボンド磁石のめっき法に
関し、更に詳しくは、ピンホールの少ない金属被膜を形
成し、かつ耐食性を付与し得るボンド磁石のめっき法に
関する。
【0002】
【従来の技術】希土類金属と遷移金属とを主成分とする
合金磁石(以下希土類磁石という)は、従来のフェライ
ト系、アルニコ系磁石と比べて優れた磁気特性を有して
いるため、近年多方面に利用されているが、酸化され易
い欠点を有しており、特にNd−Fe−B系磁石ではそ
の傾向が著しい。かかる希土類磁性粉体を合成樹脂結合
剤で固着せしめた樹脂結合型磁石は、使用環境が高湿雰
囲気である場合には酸化による磁気特性の劣化が生じる
問題をはらんでいる。
【0003】一方、表面に導電性を有する材料に、割
れ、欠けの防止や美観の付与を目的とした金属被膜処理
を施す方法の一つとして電気めっき法が多用されている
ことは周知の事実である。更に耐酸化性、耐腐食性を付
与することを目的としためっきを施すことも一般的に行
われている。ここで電気めっき法とは、被処理物を陰極
(カソード)とし、この上で還元反応が起こって金属が
被処理物上に析出し、その際陽極においては陰極の被処
理物上に析出した金属を補うための金属溶解が発生する
機構に基づいている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記電気
めっき法をボンド磁石に施すことを試み、ある程度の耐
食性付与効果を確認している。(特願平1−14738
0号公報)。しかしながらその耐食性は未だ充分なもの
とはいえず、例えば使用環境の厳しい自動車用モータ用
磁石などとしては適用し得ないのが実状である。
【0005】本発明者らはかかる実状に鑑み、鋭意研究
の結果、従来技術では充分な耐食性をボンド磁石に付与
し得ない原因を推定するに至った。
【0006】すなわち、本発明者らは、従来技術を用い
て電気めっきを施したボンド磁石表面を詳細に観察した
結果、以下の事実を見出したのである。 (1)巨視的外観から想像する以上に微視的ピンホール
が金属被膜上に存在する。 (2)腐食の多くはピンホール及びピンホールの近傍よ
り開始している。
【0007】さらに、本発明者らは上記ピンホールがボ
ンド磁石表面の金属被膜に多く発生する原因について、
次のように推定している。ボンド磁石とは上述のごとく
磁性粉体と結合剤である合成樹脂から成っており、成形
物表面も同様に磁性粉体か露出している部分と合成樹脂
が露出している部分とから成っている。上述の電気めっ
きをかかるボンド磁石に適用した場合、その初期段階に
おいては露出している磁性粉体に優先的にめっき金属が
析出し、ついで析出した金属が成長することによって電
気的導通のない合成樹脂面上を覆い始め、最終段階で析
出金属が被処理物であるボンド磁石表面を覆いつくす。
しかしながらこの析出過程から明かなように合成樹脂が
露出している部分の析出金属膜厚は、磁性粉体上のそれ
よりも薄いことは想像に難くない。したがって、露出し
ている磁性粉体部分の位置から比較的遠い所に位置する
合成樹脂露出部分上にはピンホールが生成し易い環境と
なる。この現象はボンド磁石特有の現象であり、表面の
電気抵抗のばらつきがピンホール生成を誘発していると
いうことができる。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる問題を解決する為
にはボンド磁石表面の電気抵抗をなるべく均一にするよ
うにすればよく、これを実現する手段として、下記方法
を考案し、本発明を完成したものである。すなわち、 (1)ボンド磁石に無電解めっきを施した後、電気めっ
きに供する。 (2)ボンド磁石に導電性樹脂を塗布した後、電気めっ
きに供する。 (3)ボンド磁石の結合剤に導電性樹脂を使用する。 (4)ボンド磁石の結合剤に金属を使用する。
【0009】よって本発明の第1は、R−T−B(Rは
Nd又はその一部を希土類元素で置換したもの、TはF
e又はその一部を遷移金属元素で置換したもの)で表さ
れる磁性粉体と結合剤とを主たる構成成分としてなるボ
ンド磁石に於いて、無電解めっきを施した後、電気めっ
きを施すことを特徴とするボンド磁石のめっき法をその
内容とする。
【0010】 本発明の第2は、R−T−B(RはNd
又はその一部を希土類元素で置換したもの、TはFe又
はその一部を遷移金属元素で置換したもの)で表される
磁性粉体と結合剤とを主たる構成成分としてなるボンド
磁石に於いて、樹脂と導電性材料粉末との混合物を塗装
した後、電気めっきを施すことを特徴とするボンド磁石
のめっき法をその内容とする。ここで、「樹脂と導電性
材料粉末との混合物を塗装する」とは、前記混合物によ
り構成される被膜を形成させることをいう。被膜形成の
方法は特に限定されず、例えばスプレー塗装、浸漬塗装
法など一般の塗装方法の他に、粉体塗装を含む各種粉体
被覆法を用いてもよい。
【0011】本発明の第3は、R−T−B(RはNd又
はその一部を希土類元素で置換したもの、TはFe又は
その一部を遷移金属元素で置換したもの)で表される磁
性粉体を樹脂と導電性材料粉末樹脂の混合物を結合剤と
して成形せしめた後、電気めっきを施すことを特徴とす
るボンド磁石のめっき法をその内容とする。
【0012】本発明の第4は、R−T−B(RはNd又
はその一部を希土類元素で置換したもの、TはFe又は
その一部を遷移金属元素で置換したもの)で表される磁
性粉体を金属粉末を結合剤として成形せしめた後、電気
めっきを施すことを特徴とするボンド磁石のめっき法を
その内容とするものである。
【0013】
【実施例】本発明に用いられる電気めっきの金属種に
は、Ni、Cu、Cr、Fe、Zn、Cd、Sn、P
b、Al、Au,Ag,Pd,Pt,Rhなどが例示で
きる。
【0014】本発明に用いられる電気めっき用水溶液に
は、金属種、陽極金属種によって適宜選択でき、シアン
化銅浴、ピロりん酸銅浴、硫酸銅浴、無光沢Ni浴、ワ
ット浴、スルファミン酸浴、ウッドストライク浴、イマ
ージョンNi浴、6価Cr低濃度浴、6価Crサージェ
ント浴、6価Crふっ化物含有浴、高シアン化物アルカ
リZnめっき浴、中シアン化物アルカリZnめっき浴、
低シアン化物アルカリZnめっき浴、ジンケート浴、シ
アン化Cdめっき浴、ほうふっ化Cdめっき浴、硫酸酸
性Snめっき浴、ほうふっ酸Snめっき浴、ほうふっ酸
Pbめっき浴、スルファミン酸Pbめっき浴、メタンス
ルホン酸Pbめっき浴、ほうふっ酸はんだめっき浴、フ
ェノールスルホン酸はんだめっき浴、アルカノールスル
ホン酸はんだめっき浴、塩化物Feめっき浴、硫酸塩F
eめっき浴、ほうふっ化物Feめっき浴、スルファミン
酸塩Feめっき浴、Sn−Co合金スタネート浴、Sn
−Co合金ピロりん酸浴、Sn−Co合金ふっ化物浴、
Sn−Ni合金ピロりん酸浴、Sn−Ni合金ふっ化物
浴などが例示でき、さらに光沢剤、レベラー剤、ピット
防止剤、梨地形成剤、アノード溶解剤、PH緩衝剤、安
定剤等の添加剤を加えることもできる。また、前処理と
して洗浄工程、表面活性化処理工程など及び後工程とし
て水洗、湯洗、封孔処理工程等を目的に応じて付加する
こともできる。
【0015】本発明における被処理物である希土類ボン
ド磁石は上述のごとく錆やすい特性を有しているため、
前記電気めっき浴はPHが中性領域に近いほど、また塩
素含有量が少ないほど耐腐食性を付与する目的に対し阻
害要因がないためより好ましいことは明かである。
【0016】本発明に用いられる無電解めっきとは、還
元剤が酸化されることにより放出される電子が、溶液中
の金属イオンを被処理物上に金属として析出させる原理
に基づいている。
【0017】被処理物に金属被覆処理を施す方法として
は、他に電気めっき法、蒸着めっき法などがあるが、無
電解めっき法は次の点で特に有効である。 (1)均一な膜厚を実現できる。 (2)細孔の内部にめっきできる。 (3)装置が簡単で、低価格である。 (4)処理コストが低い。 また、無電解めっきは上述の原理から明らかなように本
質的に磁性粉体上でも合成樹脂上でも均一に金属が析出
するので本発明の目的に合致しており最も好的である。
【0018】本発明で用いられる無電解めっき液にはめ
っきする金属種によって適宜選択でき、硫酸Cuとロッ
シェル塩、ホルムアルデヒド、炭酸Na、水酸化Na、
EDTA、シアン化Na等のうちのいくつかを含有する
Cuめっき浴;硫酸Ni、塩化Niまたはこれらの混合
物と、酢酸Na、乳酸、クエン酸Na、次亜りん酸N
a、ほう酸、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、エ
チレンジアミン、クエン酸アンモニウム、ピロリン酸N
aなどのうちのいくつかを含有するNiめっき浴及びN
i合金めっき浴;硫酸Coと、次亜りん酸Na、クエン
酸Na、酒石酸Na、硫酸アンモニウム、ほう酸などの
うちのいくつかを含有するCoめっき浴及びCo合金め
っき浴;ジシアノ金(I)酸カリウム、テトラシアノ金
(III) 酸カリウム又はこれらの混合物と、シアン化カリ
ウム、水酸化カリウム、塩化鉛、水素化ほう素カリウム
などのうちのいくつかを含有するAuめっき浴;シアン
化銀と、シアン化Na、水酸化Na、ジメチルアミンボ
ラン、チオ尿素などのうちのいくつかを含有するAgめ
っき浴;塩化パラジウムと、水酸化アンモニウム、塩化
アンモニウム、エチレンジアミン4酢酸Na、ホスフィ
ン酸Na、ヒドラジン等のうちのいくつかを含有するパ
ラジウムめっき浴;塩化スズと、クエン酸Na、エチレ
ンジアミン4酢酸Na、ニトロ3酢酸Na、3塩化チタ
ン、酢酸Na、ベンゼンスルホン酸などのうちのいくつ
かを含有するスズめっき浴などが例示でき、さらに光沢
剤、レベラー剤、ピット防止剤、梨地形成剤、PH緩衝
剤、安定剤、錯化剤等の添加剤を加えることもできる。
また、本発明で用いられる無電解めっき法には前処理工
程、後処理工程を設けることもでき、前処理には浸漬脱
脂、電解脱脂、浴剤脱脂、酸処理、アルカリ処理、パラ
ジウム処理、水洗等が例示でき、後処理工程にはクロメ
ート処理、水洗、湯洗などが例示できる。
【0019】本発明で行われる無電解めっき処理によっ
て被処理物に被覆されるめっき金属としては、Cu、N
i、Co、Sn、Ag、Au、Pt及びNi−Co、N
i−Co−B、Ni−Co−P、Ni−Fe−P、Ni
−W−P、Ni−P、Co−Fe−P、Co−W−P、
Co−Ni−Mn−Reなどが例示でき、目的に応じて
適宜選択できる。尚無電解めっきにおいても、上述の電
気めっきと同様の理由で、浴液はPHが中性領域の方が
好ましく、かつ塩素含有量は少ないほど好ましい。
【0020】本発明で用いられる希土類ボンド磁石と
は、R−T−B(RはNd又はその一部を希土類元素で
置換したもの、TはFe又はその一部を遷移金属元素で
置換したもの)で表される磁性粉体と結合剤である合成
樹脂との配合物を成形して得ることができる。上記樹脂
には、汎用される熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂あるいは
ゴムから成形法を考慮し適宜選択して使用される。本発
明で使用する熱可塑性樹脂としてはフェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂等が例示でき、また熱可塑性
樹脂とてはナイロン6、ナイロン12等のポリアミド、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポ
リ塩化ビニル、ポリエステル、ポリフェニレンサルファ
イド等が例示できる。また、紫外線硬化型樹脂なども使
用しうる。また、結合剤として比較的融点の低い金属を
使用することも本発明の範中である。
【0021】本発明に用いられる磁性粉末と樹脂結合剤
配合物の成形方法は、圧縮成形、射出成形、押し出し成
形、カレンダー成形などが例示できる。
【0022】本発明に用いられる樹脂には、上記結合剤
用樹脂などが例示できる。
【0023】 本発明に用いられる導電性材料粉末に
は、Al、Ag、Ni、Cu粉末及びカーボン粉末など
が例示でき、粒形、粒径を分散性などを考慮して調製す
るとともに、適宜選択して使用できる。また、これら導
電性粉末を樹脂中に分散させるために、導電性材料粉末
にカップリング剤処理や表面活性処理を施したり、分散
性を向上させ得る成分を樹脂中に添加することもでき
る。前記樹脂と導電性材料粉末との混合物からなる被膜
を形成させるにあたっては、磁石下地表面ができるだけ
清浄かつ平滑であることが好ましい。磁石表面が水分、
油分などによって汚染されていたり、酸化物被膜によっ
て覆われている場合、前記混合物被膜と磁石下地の密着
力が低下し、前記混合物被膜上にめっき被膜を形成して
も所望の耐食性が得られなくなる。一方、磁石表面の平
滑度が著しく低く、多数の凹凸やピンホール部などが存
在する場合には、磁石表面の均一な被覆が著しく困難と
なる。特にピンホールは被膜のつきまわり性が悪く完全
に封孔されないため、この部分から腐食性物質が侵入し
て、被膜剥がれなどの原因になるばかりでなく、後工程
で行われるめっき処理中にめっき液が内部に侵入、残留
して腐食を誘発する原因となりやすい。表面清浄化の具
体的な方法としては、水や各種溶媒による洗浄、酸やそ
の他の活性化剤による表面処理などの化学的方法、ある
いはグラインダー研磨、ショットプラスト、バレル研磨
などによる物理的研磨法などが例示できる。一方、平滑
化処理としてはグラインダー研磨、バレル研磨などが有
効である。バレル研磨機としては回転バレル、遠心バレ
ル、振動バレル機などを用いることができる。バレル研
磨については研磨液を使用する湿式研磨法及び研磨液を
使用しない乾式研磨法のいずれを用いてもよい。上記の
方法によってもなお導電性材料粉末を含む被膜の密着力
が充分でない場合あるいはピンホールが残留する場合に
は、導電性材料粉末を含む被膜を形成せしめた後、比較
的軟らかい条件下で乾式バレル研磨を行うことが有効で
ある。これは、研磨媒体の打撃力が磁石表面に加わり、
下地表面の凹部に被膜の一部が圧入されるため密着力が
向上するとともに被膜中のピンホールが封止され、均一
で欠陥の少ない被膜が得られることによる。この場合、
バレル容器内に樹脂及び導電性材料粉末を投入し、磁石
の塗装と上記密着力向上及びピンホール封止処理を同時
に行うこともでき、工程削減、耐食性向上に好適であ
る。
【0024】本発明に用いられる結合剤金属粉末にはZ
n、Sn、Pb粉末等が例示できるが、結合剤として金
属を使用する場合の成形法は圧縮成形法に限定される。
圧縮成形法に用いられる結合剤は圧縮成形時に変形する
ことが成形体密度を向上させる上で重要であり、この意
味において上記金属は比較的柔らかいものが好ましく、
総じて低融点金属が好ましい。低融点金属には、ローゼ
合金、ニュートン合金、ウッド合金、ポヴィッツ合金な
どが例示できる。
【0025】本発明に用いられる無電解めっきの金属種
と電気めっきの金属種の主たる構成元素は同一であるこ
とが好ましい。これは、 (1)無電解めっき層と電気めっき層の密着性が良好で
ある。 (2)無電解めっき等と電気めっき層の標準電極電位、
または腐食電位列の差によって生じる犠牲腐食現象を防
止できる。 などの効果を得るためである。
【0026】また本発明に用いられる電気めっきの金属
種はNiであることが好ましい。電気めっきでは一般
に、上述のごとくCu、Ni、Zn、Sn、Ag、A
u、Pt金属及びその合金の金属被覆処理が可能であ
る。構造用材料のように、めっき層が犠牲腐食すること
によって被処理材を保護するような機構を目的とした場
合にはZn、Snめっきなどでも充分な効果を発揮する
が、特に電子部品のようにめっき層、被処理材ともに酸
化、腐食することが許容され得ない場合にはめっき後樹
脂塗装、無機材料コーティング等が必要であり、効率的
とはいえない。この点においてはCuも同様であり、貴
金属であるにもかかわらず表面に黒色の酸化銅や緑青が
発生しやすい欠点を有している。一方Au、Ag、Pt
めっきは防食に極めて有効ではあるが、高価であり、工
業的に有用である場合が少ない。以上の点からNi及び
その合金めっきが最も有効な手段であることは明かであ
り、本発明の好ましい態様の一つとなる。
【0027】本発明で用いられる被処理物はボンド磁石
であり、その磁力を利用する部品である。したがって、
その利用できる磁力は被覆膜の膜厚が増加するにつれて
低下することはまぬがれない。被膜膜厚は薄いほど有効
に磁力を利用できるが、反面本発明の目的である耐食性
が低下するため目的に応じて被覆膜厚を調整しなければ
ならない。この意味において本発明で施される樹脂塗装
膜厚+無電解めっき膜厚+電気めっき膜厚または無電解
めっき膜厚+電気めっき膜厚の総計は5μm以上100
μm以下であることが好ましい。
【0028】以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて
更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限
されない。 (比較例及び実施例)本発明の効果を明確にするため
に、表面がポーラスであり、錆易いNd−Fe−B系ボ
ンド磁石を被処理材料に使用した。表1〜表3にこのサ
ンプルの詳細を示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】上記サンプルに対し、表4に示す条件でめ
っき処理、樹脂塗装を行い、比較例1及び実施例1〜4
を得た。
【0033】
【表4】
【0034】また、表5〜表7に導電性材料含有樹脂の
成分、無電解めっき条件、電気めっき条件を示す。尚、
導電性材料含有樹脂の塗装はスプレー法で行った。
【0035】膜厚は、導電性材料含有樹脂塗装が約5μ
m、無電解めっきが約5μmとし、全サンプルについて
被覆膜厚の総計が30μmになるよう電気めっき膜厚を
調整した。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】上記の条件で作製したサンプルは、80℃
×90%RH×600時間の条件で耐湿試験し、肉眼に
て発錆状況の評価を行った。その結果を表8に示す。
【0040】
【表8】
【0041】
【発明の効果】本発明を用いることによって、従来は不
可能であった希土類ボンド磁石に高耐食性を付与しうる
電気めっきを施すことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 3/12 C25D 3/56 3/56 B22F 3/24 102Z H01F 1/08 H01F 1/08 A

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−T−B(RはNd又はその一部を希
    土類元素で置換したもの、TはFe又はその一部を遷移
    金属元素で置換したもの)で表される磁性粉体と結合剤
    とを主たる構成成分としてなるボンド磁石に於いて、無
    電解めっきを施した後、電気めっきを施すことを特徴と
    するボンド磁石のめっき法。
  2. 【請求項2】 R−T−B(RはNd又はその一部を希
    土類元素で置換したもの、TはFe又はその一部を遷移
    金属元素で置換したもの)で表される磁性粉体と結合剤
    とを主たる構成成分としてなるボンド磁石に於いて、樹
    脂と導電性材料粉末との混合物を塗装した後、電気めっ
    きを施すことを特徴とするボンド磁石のめっき法。
  3. 【請求項3】 R−T−B(RはNd又はその一部を希
    土類元素で置換したもの、TはFe又はその一部を遷移
    金属元素で置換したもの)で表される磁性粉体を樹脂と
    導電性材料粉末樹脂の混合物を結合剤として成形せしめ
    た後、電気めっきを施すことを特徴とするボンド磁石の
    めっき法。
  4. 【請求項4】 R−T−B(RはNd又はその一部を希
    土類元素で置換したもの、TはFe又はその一部を遷移
    金属元素で置換したもの)で表される磁性粉体を金属粉
    末を結合剤として成形せしめた後、電気めっきを施すこ
    とを特徴とするボンド磁石のめっき法。
  5. 【請求項5】 前記無電解めっきの金属種と前記電気め
    っきの金属種の主たる構成元素が同一であることを特徴
    とする請求項1記載のボンド磁石のめっき法。
  6. 【請求項6】 前記電気めっきの金属種がNi及び/又
    はNi合金であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4又は5記載のボンド磁石のめっき法。
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