JP3274868B2 - フロルフェニコールに至る中間体を調製するプロセス - Google Patents

フロルフェニコールに至る中間体を調製するプロセス

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、フロルフェニコールに至る中間体およびそ
れらを調製する新規プロセスに関する。
発明の背景 フロルフェニコールは、[R−(R,S)]−2,2
−ジクロロ−N−[1−(フルオロメチル)−2−ヒド
ロキシ−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]エ
チル]アセトアミドとして公知であるが、米国特許第4,
361,557号(これは、本明細書中で参考として援用され
ている)に開示のように、グラム陽性、グラム陰性およ
びリケッチア性の感染の処置に有用な、広範な範囲の抗
菌剤である。本発明は、フロルフェニコールに至る中間
体およびそれらを調製する新規プロセスに関する。本明
細書中で記述の中間体は、例えば、米国特許第4,876,35
2号(これは、本明細書中で参考として援用されてい
る)で見られ得るように、フロルフェニコールを調製す
るのに使用され得る。
発明の要旨 1つの実施態様では、本発明は、式Iの化合物を調製
するプロセスに関し: ここで、Rは、H、NO2、CH3S、CH3SO2、またはC4〜C6
アルキルであり;そしてR"は、アリール、ハロアリー
ル、ベンジル、置換ベンジル、C1〜C6アルキル、C3〜C7
シクロアルキル、またはハロアルキルであり、そしてこ
のオキサゾリン環の立体配置は、4Rトランスであり: 該プロセスは: a)式IIの化合物: ここで、Rは、上記のものと同じであり、そしてR'は、
H、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、ベンジ
ル、置換ベンジルまたはアリールであり; この化合物を、適当な反応容器にて、還元剤(例え
ば、水素化ホウ素カリウム)と接触させて、式IIIの化
合物を得ること: ここで、Rは、上記のものと同じであり、そしてb)次
いで、同じ反応容器にて、式IIIの化合物を式IVの化合
物と反応させて: ここで、R"は、上記のものと同じであり、式Iの化合物
を得ること、を包含する。
本発明は、フロルフェニコール、そのアナログおよび
それらに至るオキサゾリン中間体を調製する効果的で経
済的なプロセスであるという利点を有する。
発明の詳細な説明 本明細書および添付の請求の範囲で使用するとき、以
下で挙げた用語は、他に指示がなければ、以下のように
定義される: 「プロトン性溶媒」とは、James B.Hendrickson、Cra
m、Donald J.、およびHammond、George S.、Organic Ch
emistry、Mcgraw Hill Book Company、New York、New Y
ork、(1970)、1279pp.で定義されるように、水素結合
性溶媒を意味するように意図される。この溶媒は、好ま
しくは(必須ではないが)、溶液からオキサゾリン
(I)を沈殿し得るべきである。このような溶媒には、
水、C1〜C10アルカン酸(例えば、ギ酸、酢酸など)、C
1〜C10アルコール(例えば、メタノールおよびエタノー
ルおよびそれらの混合物)、C2〜C10ジアルコール(例
えば、エチレングリコール)およびC1〜C10トリアルコ
ール(例えば、グリセリン)が挙げられるが、それらに
限定されない。他方、このプロトン性溶媒は、オキサゾ
リン化合物(I)の沈殿を生じるように、任意の適当な
共溶媒(cosolvent)と混合され得る。このような共溶
媒には、このプロトン性溶媒と混和性の他のプロトン性
溶媒(例えば、C4〜C10アルカン、芳香族溶媒(例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ハロベンゼン(例
えば、クロロベンゼン))、およびエーテル(例えば、
ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、イソ
プロピルエーテルおよびテトラヒドロフラン)、または
上記溶媒または共溶媒の任意の混合物)を含み得る。
「アルキル」との用語は、直鎖または分枝鎖のアルキ
ル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはsec−ブ
チル)を意味する。他方、アルキル中の炭素数は、特定
され得る。例えば、C1〜C6アルキルとは、1個〜6個の
炭素原子を含有する上記アルキルを意味する。「ハロア
ルキル」とは、1個またはそれ以上の水素がハロで置換
された上記「アルキル」を意味する。
「アリール」との用語は、フェニル、またはC1〜C6
ルキルまたはハロで置換されたフェニルを意味する。
置換ベンジルとは、C1〜C6アルキルまたはハロで置換
されたベンジルを意味する。
「ハロ」との用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまた
はヨードを意味する。
「ハロアリール」との用語は、ハロで置換されたフェ
ニルを意味する。
本明細書中では、 (これは、アミノジオールスルホンである)は、ADSと
呼ばれる。
本発明の化合物を調製する手順は、以下のように表わ
すことができる: ここで、R、R'およびR"は、本明細書中で記述のものと
同じである。
上記式スキームを参照すると、式Iの化合物は、以下
のようにして調製できる。式IIの化合物: ここで、RおよびR'は、上記のものと同じであり、この
化合物は、プロトン性溶媒(例えば、エタノール、エチ
レングリコール、またはさらに好ましくは、メタノー
ル)中にて、約0℃〜約30℃の範囲の温度(さらに好ま
しくは、室温)で、約2時間〜約8時間(さらに好まし
くは、約4時間)にわたって、還元剤(例えば、NaB
H4、Ca(BH4、LiBH4、またはさらに好ましくは、KB
H4)で処理されて、式IIIの化合物を得る: ここで、Rは、上記のものと同じである。
例えば、すぐ上で記述した反応において、この還元で
の溶媒として、メタノールが使用される場合、それは、
引き続く反応にて、再使用のために、蒸留により回収さ
れ得る。メタノールの除去によっても、式Iの化合物の
収率を改良され得る。
同じ反応容器にて、式IIIの化合物は、式IVの化合物
と接触され: ここで、R"は、上記のものと同じであり、式IIIの化合
物と比較して約1.1当量〜約2.5当量の量、好ましくは、
約1.7当量の量で接触される。
式IVの化合物は、例えば、ベンゾニトリルまたはジク
ロロアセトニトリルであり得る。この反応は、使用する
ニトリルおよび溶媒に依存して、25℃と115℃との間の
温度で進行する。この反応は、約6時間〜約30時間、好
ましくは、18時間進行する。次いで、この反応混合物
は、例えば、冷水の添加により冷却され、そして通常の
手段(例えば、濾過および洗浄)によりワークアップさ
れ、式Iの化合物が得られる。好ましくは、この反応の
この工程は、約6〜約7の範囲のpHで進行する。
本発明の利点は、両方の反応工程が同じ容器内で進行
するので、ADSを単離する必要性がなくなることにあ
る。
ジクロロメチルオキサゾリンの形成が好ましく、フェ
ニルオキサゾリンの形成は、最も好ましい。
以下で示すように、セリンエチルエステルは、式IIの
好ましい出発物質である。
以下の実施例は、本発明が実施され得る様式で本発明
を例示するが、それ自体、本発明の範囲の限定として解
釈されるべきではない。
実施例1 KBH4(1g)を、約40mLのメタノールに入れる。撹拌し
ながら、D−スレオ−p−メチルスルホニルフェニルセ
リンエチルエステル(5g)を添加する。ADSへの還元は
数時間で完結し、HPLCによりモニターされ得る。この反
応が完結したとき、20mLのグリセリンを添加して、任意
の過剰の還元剤を破壊し、そしてメタノールを蒸留によ
り除去する。このメタノールを除去した後、得られた混
合物を105℃まで加熱し、加熱を約18時間継続しつつ、
ベンゾニトリル(3.1mL)を添加する。所望のオキサゾ
リンの形成は、HPLCによりモニターされ得る。この反応
を冷水の添加、得られた固体の濾過、この固体のメタノ
ールでの洗浄、次いで真空下での乾燥によって室温まで
冷却し、そしてワークアップする。その収量は、約4.7g
(81%)の物質であり、この物質は、このフェニルオキ
サゾリンの標準品として同定される。
実施例2 KBH4(1g)を、約40mLのメタノールに入れる。撹拌し
ながら、D−スレオ−p−メチルスルホニルフェニルセ
リンエチルエステル(5g)を添加する。ADSへの還元は
数時間で完結し、HPLCによりモニターされ得る。この反
応が完結したとき、20mLのグリセリンを添加して、任意
の過剰の還元剤を破壊し、メタノールは、蒸留により除
去する。このメタノールを除去した後、得られた混合物
を、H2SO4でpH約6〜7まで酸性化し、そしてジクロロ
アセトニトリル(2.4g)を添加する。この反応を、50℃
で約18時間撹拌する。所望のオキサゾリンの形成は、HP
LCによりモニターされ得る。この反応を、その固体の濾
過、この固体のイソプロパノールおよび2%NaHCO3での
洗浄、次いで真空下での乾燥により、室温まで冷却し、
そしてワークアップする。その収量は、約3.8g(65%)
の物質であり、この物質は、このジクロロオキサゾリン
の標準品として、同定される。
出発物質 式(II)および(IV)の出発物質は、当業者に公知で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭49−40222(JP,B1) 特表 平3−502695(JP,A) 米国特許2759001(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 263/14 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)の化合物を調製するプロセスであ
    って: ここで、Rは、H、NO2、CH3S、CH3SO2、またはC4〜C6
    アルキルであり;そしてR"は、アリール、ハロアリー
    ル、ベンジル、置換ベンジル、C1〜C6アルキル、C3〜C7
    シクロアルキル、またはハロアルキルであり、そしてオ
    キサゾリン環の立体配置は、4Rトランスであり: 該プロセスは: a)式IIの化合物: ここで、Rは、上記のものと同じであり、そしてR'は、
    H、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、ベンジ
    ル、置換ベンジルまたはアリールであり; 該化合物を、適当な反応容器にて、還元剤と接触させ
    て、式IIIの化合物を得ること: ここで、Rは上記のものと同じであり、そしてb)次い
    で、同じ反応容器にて、式IIIの化合物を式IVの化合物
    と反応させて: 式Iの化合物を得ること、を包含する。
  2. 【請求項2】前記還元剤が、水素化ホウ素カリウムであ
    る、請求項1に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】形成される式Iの化合物が、以下のもので
    ある、請求項1に記載のプロセス:
  4. 【請求項4】形成される式Iの化合物が、以下である、
    請求項1に記載のプロセス:
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