JP3267095B2 - 被写体搬送機付き画像読み取り装置 - Google Patents

被写体搬送機付き画像読み取り装置

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JP3267095B2
JP3267095B2 JP06699695A JP6699695A JP3267095B2 JP 3267095 B2 JP3267095 B2 JP 3267095B2 JP 06699695 A JP06699695 A JP 06699695A JP 6699695 A JP6699695 A JP 6699695A JP 3267095 B2 JP3267095 B2 JP 3267095B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被写体に記録された画
像を照明することで得られる画像情報を拡大投影するこ
とで目視可能にするだけでなく、他の記録媒体上に拡大
投影された該画像情報を記録可能にする画像読み取り装
置と、該画像読み取り装置に装着された状態で被写体を
保持するだけでなく搬送することで、該画像の位置調整
を可能にし、また該画像の流し読みや検索を可能にする
被写体搬送機で構成される、被写体搬送機付き画像読み
取り装置に関する。
【0002】より具体的には、被写体にマイクロフィル
ムを使用するキャリア付きリーダプリンタに関する。
【0003】
【従来の技術】被写体搬送機付き画像読み取り装置とし
て、被写体にロールマイクロフィルムを使用するキャリ
ア付きリーダプリンタの例を説明する。
【0004】該リーダプリンタは、被写体搬送機(ロー
ルフィルムキャリア)、被写体照明手段、画像表示部
(リーダスクリーン)、アナログ式あるいはデジタル式
の画像読み取り部(プリント機構や光電読み取り機構な
ど)、照明された被写体画像情報を前記画像表示部に拡
大投影する拡大投影光学系(リーダ光学系)、照明され
た被写体画像情報を前記画像読み取り部の記録媒体(感
光体や光電変換素子など)上に拡大投影する拡大投影光
学系(プリント光学系)等からなる。
【0005】被写体搬送機としてのロールフィルムキャ
リアは、被写体としての、ロール巻きにした長尺のマイ
クロフィルムを保持し、該フィルムを巻取り部−巻戻し
部間で正逆搬送させて被写体照明手段のフィルム照明部
を走行させる機能を有し、フィルムを搬送させてフィル
ム長手に沿って撮影記録されている数多の画像情報コマ
の内の目的の画像情報コマ部を自動検索手段或は手動手
段でフィルム照明部に検索してフィルム搬送を停止させ
ることで、フィルム照明部に検索され停止位置した目的
コマ部の画像情報が拡大投影光学系(リーダ光学系)に
より画像表示部としてのリーダスクリーン面に拡大投影
されて目視閲読可能となる(リーダモード)。
【0006】また、その目的コマ部の画像情報の拡大画
像コピーを得たい場合は(プリントモード)、切り替え
手段でリーダ光学系をプリント光学系に切り替えさせる
ことで、画像読み取り部としてのプリント機構が作動し
て記録媒体にプリント光学系で目的コマ部の画像情報が
拡大投影されて画像情報の拡大画像コピーが出力され
る。あるいは画像読み取り部が光電読み取り機構であれ
ば光電変換素子に目的コマ部の画像情報が拡大投影され
て画像情報の光電読み取り、記憶手段への記録や、他の
装置への送信等の処理がなされる。
【0007】上記のように画像読み取り装置本体は、被
写体上の画像情報部を照射することで得られる画像情報
を拡大投影して使用する。画像読み取り装置は、一般的
に被写体上に縮小撮影記録された画像を拡大投影するこ
とで、撮影に使用された原稿を再現するために使用され
る。一例では、原稿を1/24倍に縮小して被写体上の
画像として撮影した場合、該画像を24倍に拡大投影す
ることで画像表示部上に原稿を再現表示し、必要に応じ
て記録媒体に原稿を再現する。
【0008】従って原稿がA4サイズの場合、画像表示
部上に投影される画像の投影像のサイズも、また記録媒
体に再現される画像のサイズもA4サイズであることが
極めて多い。なお原稿を被写体上に撮影する倍率は、被
写体がマイクロフィルムの場合、1/10倍前後から1
/50倍前後の範囲内のある倍率であり、本画像読み取
り装置の使用者は撮影時の縮率に合わせて、投影手段を
交換、或いは投影手段が投影倍率を連続可変できる場合
は所定の倍率を選択することで、画像表示部上或いは記
録媒体上に原稿と同サイズの画像を再現することができ
る。
【0009】上記のような従来の被写体搬送機付き画像
読み取り装置において、被写体搬送機は被写体搬送速度
設定手段での設定値に基づき被写体を搬送する様に構成
されている。
【0010】図30はその被写体搬送速度設定手段によ
る搬送速度設定値と被写体搬送速度との関係の一例を示
す図面である。
【0011】この図において、「低速度搬送領域」と
は、主に、被写体搬送機付き画像読み取り装置の使用者
が画像表示部上に拡大投影された被写体画像を流し読み
するとき、或いは画像表示部上での拡大投影被写体像の
位置調整を行うときに使用する領域であり、被写体搬送
機の駆動手段を低速回転させている。
【0012】一方、「高速度搬送領域」とは、主に、被
写体を巻戻し或いは早送りする際に使用する領域であ
り、被写体搬送機の駆動手段を高速回転させている。
【0013】この様に「低速度搬送領域」と「高速度搬
送領域」とでは使用目的が異なるため、図30に示すよ
うに、両者の領域境界で速度変化に段差を設けているこ
とが多い。図30に示すように従来の構成では、投影倍
率によらず常に被写体搬送速度設定値と被写体搬送速度
との関係は一定である。
【0014】なお、図30の「低速度搬送領域」と「高
速度搬送領域」との被写体搬送速度の比率は説明用に設
定したものであり、実際の被写体搬送機の設定と一致す
るとは限らない。
【0015】
【発明が解決しようとしている課題】ところで、被写体
搬送機付き画像読み取り装置では被写体の画像情報を拡
大投影しているので、図31に示すように、投影(拡
大)倍率をMとするとき、被写体2203上のある長さ
lは、画像表示部2209上に拡大投影された画像では
M*1という長さになる。
【0016】同様に、被写体2203がある搬送速度v
で搬送されるとき、画像表示部2203に拡大投影され
た画像はM*vという速度で移動することになる。また
投影倍率Mは、主に、元原稿を被写体2203に縮小撮
影記録した際の縮小率に応じて変更される。
【0017】従って、図32に示す様に、ある被写体搬
送速度設定値に対して、画像表示部2209上の投影画
像移動速度は投影倍率Mによって異なる。これに伴い以
下の様な問題が生じる。
【0018】a)問題1;投影倍率Mを選択することに
より、画像表示部2209上に、被写体2203に縮小
撮影記録されている原稿画像情報を再現できるにも関わ
らず、画像表示部2209上に拡大投影された被写体画
像を流し読みするとき、或いは画像表示部2209上で
の拡大投影被写体像の位置調整を行う際には、投影倍率
Mを考慮して被写体搬送速度設定値を加減する必要があ
り、操作性を著しく悪化させている。
【0019】b)問題2;投影倍率Mが20倍程度など
比較的低倍の時、図32に示す様に、搬送速度設定値に
対する画像表示部2209上の投影画像の移動速度の比
は低くなる。このため、被写体位置調整は容易になるも
のの、流し読みなどを行う際には設定値を高くする必要
が生じ、ともすれば「低速度搬送領域」を越えて、「高
速度搬送領域」に入る可能性がある。
【0020】この結果、被写体搬送速度が急激に上昇
し、流し読みを行うには不適当な状態になる。このとき
被写体2203が高速で搬送されるので、所定の位置に
被写体2203を戻すためには逆方向に搬送する必要が
あるが、「高速度搬送領域」を用いて逆搬送を行うと巻
戻し過ぎなどの事態を招き、また「低速度搬送領域」を
用いて逆搬送を行うと所定の位置に到達するまで時間が
かかる。これも問題1と同様に、操作性を著しく悪化さ
せる。
【0021】c)問題3;投影倍率Mが40倍程度など
比較的高倍の時、図32に示す様に、搬送速度設定値に
対する画像表示部2209上の投影画像の移動速度の比
は高くなる。このため画像表示部2209上で被写体2
203の拡大投影画像を目視できる被写体搬送速度の設
定値は、極めて低速の狭い範囲に限られる。
【0022】従って、被写体位置調整等、画像表示部2
209上の画像を極低速で移動させる必要がある場合で
も、設定値がわずかに大きくなるだけで、画像表示部2
209上の画像は高速で動いてしまうため、被写体位置
調整等は極めて困難である。また流し読みを行う際も目
視できる設定値の範囲が極めて狭いため、適当な速度に
設定することは極めて困難である。これも問題1や問題
2と同様に、操作性を著しく悪化させる。
【0023】そこで本発明は、この種の被写体搬送機付
き画像読み取り装置における上記のような問題点を解消
して、操作性の向上を図ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする被写体搬送機付き画像読み取り装置である。 (1)倍率検知手段と、被写体搬送速度設定手段と、該
倍率検知手段の検知結果と該被写体搬送速度設定手段の
設定値を基に、被写体の搬送速度制御に関する演算を行
う演算手段を有し、該演算手段の演算結果に応じて被写
体の搬送速度制御を行う画像読み取り装置において、該
被写体搬送速度設定手段による設定値が所定値を越える
場合には、倍率検知手段の検知結果を被写体搬送制御に
反映しない速度で被写体を搬送することを特徴とする被
写体搬送機付き画像読み取り装置。
【0025】
【0026】(2)倍率検知手段の検知結果を被写体搬
送制御に反映するときは、被写体搬送速度設定手段によ
る被写体搬送速度設定値と、拡大投影された被写体上の
画像の移動速度との関係が一定或いは一定範囲内に保た
れる様に被写体搬送速度制御を行い、倍率検知手段の検
知結果を被写体搬送制御に反映しないときは、投影倍率
によらず被写体が最も早く搬送され、かつ被写体搬送速
度設定値と被写体搬送速度との関係が一定になる様に被
写体搬送速度制御を行うことを特徴とする(1)記載の
被写体搬送機付き画像読み取り装置。
【0027】(3)倍率検知手段の検知結果を被写体搬
送速度制御に反映するために、速度伝達率可変手段を使
用することを特徴とする(2)の被写体搬送機付き画像
読み取り装置。
【0028】(4)倍率検知手段の検知結果を被写体搬
送速度制御に反映するために、被写体を搬送するための
駆動手段に対する駆動信号のレベルを変更することを特
徴とする(2)記載の被写体搬送機付き画像読み取り装
置。
【0029】(5)駆動手段がステッピングモータのと
きに、単位時間あたりのパターン数を変えることにより
被写体搬送速度を制御することを特徴とする(4)記載
の被写体搬送機付き画像読み取り装置。
【0030】(6)駆動手段が印加される電圧値或いは
電流値に応じて回転数が変化する電動機のときに、駆動
手段に印加する電圧値或いは電流値を変えることで被写
体搬送速度を制御することを特徴とする(4)記載の被
写体搬送機付き画像読み取り装置。
【0031】(7)駆動手段が印加される駆動信号の周
波数に応じて回転数を変化する電動機のときに、駆動手
段に印加する駆動信号の周波数を変えることで被写体搬
送速度を制御することを特徴とする(4)記載の被写体
搬送機付き画像読み取り装置。
【0032】(8)被写体搬送機の駆動手段がステッピ
ングモータのとき、倍率検知手段の検知結果を被写体搬
送速度制御に反映するために、駆動手段の励磁方式を変
更することを特徴とする(2)記載の被写体搬送機付き
画像読み取り装置。
【0033】(9)倍率検知手段の検知結果を被写体搬
送速度制御に反映するために、特性の異なる複数の被写
体搬送用駆動手段と該駆動手段を選択使用する選択手段
を有し、前記検知結果に応じて使用する駆動手段を該選
択手段が選択することで、被写体の搬送速度を変更する
ことを特徴とする(2)記載の被写体搬送機付き画像読
み取り装置。
【0034】(10)倍率検知手段の検知結果を被写体
搬送速度制御に反映するために、演算手段内で該検知結
果に応じて被写体搬送速度設定値を変換し、被写体搬送
機制御手段に伝える構成を用いて、該検知結果に応じて
被写体の搬送速度を変更することを特徴とする(2)記
載の被写体搬送機付き画像読み取り装置。
【0035】
【作用】すなわち本発明は前述の問題を解決するため、
画像読み取り装置本体に、使用する投影手段の投影倍率
を検知する倍率検知手段を設ける。更に、該検知手段の
検知結果が被写体搬送機制御手段に伝わるように構成す
る。また、該検知結果と被写体搬送速度設定手段による
被写体搬送速度設定値をもとに、被写体搬送に関する演
算を行う演算手段を設け、該演算手段の演算結果が被写
体搬送機制御手段の出力される様に構成する。該被写体
搬送機制御手段は該演算手段の演算結果に応じて被写体
搬送速度設定手段による設定値と被写体搬送速度との関
係を変える様に動作する。
【0036】前記演算手段内に、被写体搬送速度設定手
段の被写体搬送速度設定値を予め設定された閾値と比較
する手段或いは機能を設ける。該演算手段の比較結果は
被写体搬送機制御手段に送られ、該被写体搬送機制御手
段は比較結果に応じて上記倍率検知手段の検知結果を被
写体搬送速度設定値に反映するか否かを決める。
【0037】被写体搬送機制御手段は比較結果により、
被写体搬送速度設定値が閾値以下であることを認識した
場合、倍率検知手段による検知結果を用いることで、設
定された投影倍率によらず被写体搬送速度設定値と拡大
投影された画像の移動速度との関係が、一定或いは一定
範囲内になるように被写体搬送機を制御する。一方、被
写体搬送速度設定値が閾値以上のとき、該被写体搬送機
制御手段は倍率検知手段の検知結果を参照せず、被写体
搬送速度設定値と被写体搬送速度との関係が設定された
投影倍率によらず一定となるように被写体搬送機を制御
する。
【0038】被写体搬送機の駆動手段と被写体巻取り及
び巻戻し軸との間に速度伝達率可変手段を設け、該速度
伝達率可変手段が被写体搬送機制御手段からの信号に応
じて速度伝達率を変化する構成にすることで、投影倍率
によって被写体の搬送速度を変えることを可能とする。
【0039】上記演算手段の演算結果に応じて、被写体
搬送機制御手段が被写体搬送機の駆動手段に対して出力
する駆動信号のレベルを変えることで、投影倍率によっ
て被写体の搬送速度を変えることを可能とする。
【0040】.前記駆動手段がステッピングモータの
場合には、駆動信号の単位時間あたりのパターン数を変
更する。
【0041】.前記駆動手段が印加される電圧値或い
は電流値に応じて回転数が変化する電動機の場合には、
駆動手段に印加する電圧値或いは電流値を変える。
【0042】.前記駆動手段が駆動信号の周波数に応
じて回転数を変える電動機の場合には、駆動信号の周波
数を変える。
【0043】前記駆動手段がステッピングモータの場
合、上記演算手段の演算結果に応じて被写体搬送機制御
手段が駆動手段の励磁方法を変えることで、投影倍率に
よって被写体の搬送速度を変えることを可能にする。
【0044】被写体搬送機の駆動手段として特性の異な
る複数の駆動手段を設け、更に被写体搬送機制御手段が
駆動手段を選択できる様に選択手段を設ける。複数の駆
動手段の中から被写体搬送機制御手段が、上記演算手段
の出力に応じた駆動手段を選択使用することで、投影倍
率によって被写体の搬送速度を変えることを可能にす
る。
【0045】演算手段内で被写体搬送速度設定値に関す
る比較結果をもとに、上記倍率検知手段の検知結果を被
写体搬送速度設定値に反映するか否かを決め、被写体搬
送速度設定値を変換して被写体搬送機制御手段に伝える
様に構成する事で、投影倍率によって被写体の搬送速度
を変えることを可能にする。
【0046】1)画像読み取り装置に倍率検知手段を設
けることで、使用する投影手段の投影倍率を検知して、
該検知結果を被写体搬送速度に反映することにより、被
写体搬送速度設定値と画像表示部上に投影された画像の
移動速度との関係を一定或いは一定範囲内に納めること
が可能になる。
【0047】従って、画像表示部上に再現された画像を
見て様々な操作を行う被写体搬送機付き画像読み取り装
置の使用者は、画像の位置調整或いは流し読みを行うた
めに画像を目視しながら被写体を搬送する必要がある場
合に、被写体に応じて変更される画像読み取り装置の投
影倍率を考慮せずに、被写体搬送速度を設定することが
出来る為、操作性を大幅に改善することが出来る。
【0048】更に、以下の点でも大幅に操作性を改善す
ることが出来る。
【0049】イ.使用する投影手段の投影倍率が低倍の
時、被写体の搬送速度及び搬送量に対する、画像表示部
上に投影された画像の移動速度及び移動量の比が小さい
ため、従来の構成では大きい被写体搬送速度設定値で使
用する傾向にあった。一般に被写体搬送速度を大きく設
定するには、被写体搬送速度設定手段の操作量を増やす
必要があるため、特に「停止」と「搬送」を繰り返す場
合には、使用者に大きな負担を強いていた。また被写体
搬送速度設定値がある閾値以上になると急激に被写体搬
送速度が上昇する様に構成されている場合には、主に使
用する領域が該閾値に近い部分になるので、設定値が該
閾値を越えて予想以上の速度で被写体を搬送してしま
い、所望の画像を見失う可能性もあった。本発明では被
写体に応じて変更される画像読み取り装置の投影倍率を
考慮せずに、被写体搬送速度を設定することが出来る
為、このような問題を解決できる。
【0050】ロ.使用する投影手段の投影倍率が高倍の
時、被写体の搬送速度及び搬送量に対する、画像表示部
上に投影された画像の移動速度及び移動量の比が大きい
ため、従来の構成では小さい被写体搬送速度設定値で使
用する傾向にあった。しかし画像の位置調整など微少量
の搬送が要求される場面では、被写体搬送速度の設定値
を小さくしても被写体の搬送速度が十分には遅くなら
ず、極めて操作性が悪かった。また被写体搬送速度設定
値の変化に対する画像表示部上の画像移動速度の変化が
大きいため、特に流し読みを行う時等には、使用者が所
望する画像移動速度を設定することが困難であった。本
発明では被写体に応じて変更される画像読み取り装置の
投影倍率を考慮せずに、被写体搬送速度を設定すること
が出来る為、このような問題を解決できる。
【0051】ハ.従来の構成で投影手段の投影倍率によ
らず、使用者が所望する被写体搬送速度を設定できるよ
うにするには、被写体搬送速度設定手段の設定値可変範
囲を広げる以外に方法が無かった。この様に可変範囲を
広げることは、特に投影倍率が低倍の時には設定のため
の操作量が増え、操作性は向上しない。本発明によれば
被写体搬送速度設定手段の設定値可変範囲を広げること
無しに、投影手段の投影倍率によらず、使用者が所望す
る被写体搬送速度を設定できるので、操作性が向上す
る。
【0052】2)本発明は被写体搬送速度設定値に応じ
て、倍率検知手段の検知結果を被写体搬送速度に反映す
るか否かを選択している。倍率検知の検知結果を被写体
搬送速度に反映することで、上記のように投影倍率によ
らず被写体搬送速度設定値と画像表示部上の画像移動速
度との関係を一定或いは一定範囲内に保つことが可能に
なるが、画像表示部上の画像が目視不能な搬送速度領域
ではメリットが無いだけでなく、特に投影倍率が高倍時
の被写体搬送速度が低下するデメリットが生じる。そこ
で、被写体を高速で搬送するときには、倍率検知手段の
検知結果を被写体搬送速度に反映せず、更に被写体を最
も高速で送ることが出来るようにすることで、上記デメ
リットの発生を防いでいる。
【0053】
【実施例】
〈第1の実施例〉(図1〜図15) (A)被写体搬送機付き画像読み取り装置例の概略構成
(図1・図2) 図1は本例装置(ロールマイクロフィルムリーダプリン
タ)の外観斜視図、図2は該装置の縦断側面図である。
【0054】図1において、2101は画像読み取り装
置本体(リーダプリンタ本体)である。2102は被写
体搬送機(ロールフィルムキャリア)であり、該画像読
み取り装置本体に対して、作り付け、または所定の位置
に着脱自在に構成されて所定に装着セットして使用され
る。2103は本装置の使用者が画像読み取り装置本体
に対して動作指示を与えるための画像読み取り装置操作
部、2104は本装置の使用者が被写体搬送機本体に対
して動作指示を与えるための被写体搬送機操作部であ
る。2209は画像読み取り装置本体の前面に配設した
画像表示部(リーダスクリーン)である。
【0055】2204は投影手段としての投影レンズ鏡
筒であり、該画像読み取り装置本体の所定の位置に着脱
自在で、所定に装着セットして使用される。ここでの投
影手段2204は連続可変倍率投影手段(ズームレン
ズ)であり、倍率リング200の回転操作により投影倍
率を所望に変えることができる。
【0056】1は画像読み取り装置本体2101側に配
設した倍率検知手段であり、後述するように、画像読み
取り装置本体2101に装着セットされた投影手段22
04の倍率リング200の操作回転角を検知して投影手
段2204の設定倍率を検知する。
【0057】画像読み取り装置本体2101と被写体搬
送機2102は電気的に接続されており、画像読み取り
装置操作部2103から画像読み取り装置本体2101
を通じて、被写体搬送機本体2102の一部の機能に対
して動作指示を与えることができる。同様に被写体搬送
機操作部2104から被写体搬送機本体2102を通じ
て画像読み取り装置本体2101の一部の機能に対して
動作指示を与えることもできる。
【0058】図2において、2201は発光源(フィル
ム照明ランプ)、2202は集光手段(コンデンサレン
ズ)、2203は被写体(ロールマイクロフィルム)、
2204は投影手段(本例はズームレンズ)、2205
は画像回転装置、2206は第一反射部材、2207は
第二反射部材、2208は第三反射部材群、2209は
画像表示部、2210は画像形成部(プリント機構)、
2211はスリット板、2212は記録媒体としての感
光部材である。画像形成部2210は、例えば転写式電
子写真プリント機構であり、該プリント機構は公知に属
するからその詳細説明は省略する。
【0059】一般に、発光源2201にはハロゲンラン
プや蛍光灯等のランプが使用される。また集光手段22
02と投影手段2204は透光性部材であるレンズで構
成され、画像回転装置2205には透光性部材であるプ
リズムを使用している。2206〜2208の反射部材
には金属鏡やガラス鏡が使用される。被写体2203は
透光性があるフィルム等であり、画像読み取り装置本体
2101がリーダプリンタの場合は後述するマイクロフ
ィルムを使用することが多い。画像表示部2209は拡
散板で構成され、一般にスクリーンと呼ばれる。
【0060】a)コマ検索 被写体搬送機2102は被写体としてのロールマイクロ
フィルム2203を保持し、巻取り部−巻戻し部間で正
逆搬送させて被写体照明手段のフィルム照明部である集
光手段2202の上面上を走行させる機能を有し、被写
体2203を搬送させて被写体2203の長手に沿って
撮影記録されている数多の画像情報コマの内の目的の画
像情報コマ部を自動検索手段或は手動手段でフィルム照
明部に検索位置させて被写体搬送を停止させることで、
フィルム照明部2202に検索され停止位置した目的コ
マ部が照明される。
【0061】発光源2201から放出された光は、集光
手段2202で集光され、被写体2203を照射する。
被写体2203を透過した光は、投影手段2204によ
って拡大投影される。投影手段2204の倍率リング2
00を回転操作することで投影倍率を所望に変えること
ができる。また投影手段2204を通過した光は画像回
転装置2205の回転操作によって、光軸回りに所望の
角度だけ回転される。画像回転装置2205を通過した
光は第一反射部材2206に到達し、第一反射部材22
06によって光軸の方向が変えられる。また第一反射部
材2206は自らが揺動する事によって、入射光に対す
る反射光の角度を変えられる構成になっている。
【0062】b)リーダモード 第一反射部材2206が図中実線で示される位置にある
とき、画像回転装置2205から入射した光は、第二反
射部材2207に送られる。第二反射部材2207で光
は更に光軸の方向を変えられて、画像表示部2209に
達する。被写体2203と投影手段2204の位置関係
を図示しない調整機構によって調整することにより、被
写体2203の画像情報が画像表示部2209上に拡大
されて結像する。画像表示部2209に透光性をもつ材
質を使用することによって、本装置の使用者は被写体2
203の画像情報を拡大した状態で目視・閲読すること
ができる。
【0063】c)プリントモード 一方、第一反射部材206が図中破線で示す位置近傍を
揺動するとき、画像回転装置2205から入射した光
は、第三反射部材群2208に送られ、光軸の方向を変
えられた後、画像形成部2210に送られる。ここで、
第一反射部材2206から画像表示部2209までの距
離と、第一反射部材2206から画像形成部2210内
部に設けられた感光部材2212の表面までの距離はほ
ぼ等しくなっているので、第一反射部材2206が揺動
した結果、被写体2203の画像情報の一部が感光部材
2212の表面に拡大されて結像する。更に第一反射部
材2206が揺動する事で、見かけ上、スリット部材2
211のスリットが走査する事になる。感光部材221
2が感光ドラムであるとき、第一反射部材2206の揺
動に同期して感光ドラムが回転することにより、スリッ
ト露光の原理で被写体2203の画像情報の全てが拡大
投影されて、感光ドラムの表面に電気潜像の形で形成さ
れる。感光ドラム上に形成された電気潜像はトナー現像
によって可視化され、第2の記録媒体(転写材)221
3上に目視可能な状態で画像形成される。
【0064】一般に上記の構成を持つ画像読み取り装置
をアナログ式画像読み取り装置と呼ぶ。
【0065】一方、感光部材2212にCCD等の光電
変換素子を用いて被写体2203の画像情報を読み取
り、該素子の出力をデジタル信号化して画像処理を行っ
た後、出力手段から様々な形式で、被写体2203の拡
大投影像の出力を得られるように構成された画像読み取
り装置も存在する。一般にこの様な画像読み取り装置を
デジタル式画像読み取り装置と呼ぶ。
【0066】(B)倍率検知手段1(図3〜図7) 図3は倍率検知手段1の一構成例を示す図である。20
0は前述した連続可変倍率投影手段2204の投影倍率
を変えるための倍率リング、201は後述する角度検知
手段205の構成の一部であり、ここでは抵抗体であ
る。202は倍率リング200上に設けられた、角度検
知手段205の構成の一部であり、ここでは摺動子であ
る。203はマーカー、204はマーカー判別手段であ
る。
【0067】抵抗体201と摺動子202は、投影手段
2204が画像読み取り装置本体2101に装着された
時、該投影手段2204の倍率リング200の回転角を
検知する角度検知手段205を構成する。一般に、画像
読み取り装置の投影手段2204が連続可変倍率手段の
場合、該倍率リング200を回転することによって投影
倍率を変えるように構成されている。従って、該投影リ
ング200の回転角を検知することで、投影リング20
0の回転操作により投影手段2204に設定された投影
倍率を検知することが出来る。
【0068】抵抗体201の両端には所定の電圧が印加
されており、摺動子202が倍率リング200の回転に
伴い抵抗体201を摺動するので、投影手段2204に
設定された投影倍率(即ち、倍率リング200の回転
角)に応じた電圧が、摺動子202に印加される。摺動
子202に印加された電圧は画像読み取り装置本体制御
手段2401(図12)に伝えられるので、該画像読み
取り装置本体制御手段2401は投影手段2204に設
定された投影倍率を検知することが出来る。
【0069】角度検知手段205としては上述した構成
の他に、例えば図4や図5の構成のように、基準位置か
らの変位量に関する値を電気的に出力する手段、基準位
置検出と回転方向検出が可能なエンコーダの原理を用い
た構成204aが使用可能である。また、図6の構成の
ように、倍率リング200の周囲をなだらかに反射率が
変わるように構成しておき、倍率リング200の回転角
に応じて異なる反射率をマーカー判別手段204で読み
取ることで設定された倍率を検知する構成も使用可能で
ある。
【0070】一方、図3において、マーカー203とマ
ーカー判別手段204とは、投影手段2204が画像読
み取り装置本体2101に装着された時に対を成し、使
用する投影手段2204を判別する判別手段206を構
成する。一例として、マーカー203に反射部材を使用
し、マーカー判別手段204を反射型フォトインタラプ
タ等の非接触型センサで構成する。使用する投影手段2
204毎にマーカー203の反射率を変えておくこと
で、マーカー判別手段204は使用する投影手段220
4を検出する事が出来る。また一対の判別手段206で
2種類の投影手段2204を判別するように構成した場
合は、判別手段206を投影手段2204をカバーでき
る数用意し、投影手段2204毎にマーカー203の組
み合わせを変えることで、全ての投影手段2204を区
別する様に構成することも出来る。
【0071】判別手段206としては上述した構成の他
に、例えば図7のように、投影手段2204が画像読み
取り装置本体2101側の装着支持部2101aに挿入
装着されたときに選択的に相互接触する端子対a・bを
投影手段2204側と装着支持部2101a側とに相対
的に設けて、更に投影手段2204の種類毎に接続する
端子対a・bの組み合わせを変えておくことで、投影手
段2204を画像読み取り装置本体2101に接着した
時に電位レベルが変化する端子対a・bが異なるので、
使用する投影手段2204を判別する構成も使用可能で
ある。
【0072】上記の様に、倍率検知手段1として、投影
手段2204の倍率リング200の角度を検知する角度
検知手段205と、使用する投影手段2204を判別す
るための判別手段206を使用することにより、使用す
る全ての投影手段2204の倍率を検知することが出来
る。
【0073】なお、使用する投影手段2204が単焦点
投影手段だけの場合、上述した角度検知手段205は不
要であり、また使用する投影手段2204が1種類の連
続可変倍率投影手段の場合は上述した判別手段206は
不要である。
【0074】(C)被写体搬送機2102(図8〜図1
2) 図8は被写体搬送機2102の内部構造のうち、被写体
2203としてのロールマイクロフィルムの搬送系を主
に表した斜視図である。
【0075】2301は被写体2203としてのロール
マイクロフィルムの巻取り側駆動手段、2303は巻取
り軸であり、駆動手段2301の回転力が速度伝達率可
変手段301を介して巻取り軸2303に伝達される。
2302は巻戻し側駆動手段、2304は巻戻し軸であ
り、駆動手段2302の回転力が速度伝達率可変手段3
02を介して巻戻し軸2304に伝達される。2305
は巻取り側リール、2306はフィルムカートリッジ、
2307は巻取り側ローラー、2308は巻戻し側ロー
ラー、2309は被写体速度検知手段、2310はマー
ク検知手段(画像情報コマ検索手段)、2311は被写
体手動搬送手段(手動ノブ)である。
【0076】本図に示すような被写体2203を一般に
ロールフィルムと呼び、該ロールフィルムに対して使用
する被写体画像搬送機2102のことを一般にロールフ
ィルムキャリアと呼ぶ。
【0077】巻取り軸2303が駆動されることで巻取
り側リール2305が回転して、フィルムカートリッジ
2306内の巻戻しリールに巻込まれている被写体22
03としてのフィルムが巻取り側リール2305に巻取
られて、巻戻し側ローラー2308→集光手段2202
の上面側(フィルム照明部)→巻取り側ローラー230
7の経路を正搬送走行する。
【0078】また逆に、巻戻し軸2304が駆動される
ことでフィルムカートリッジ2306内のリールが回転
して、巻取り側リール2305に巻込まれている被写体
2203としてのフィルムがフィルムカートリッジ23
06内のリールに巻取られて、巻取り側ローラー230
7→集光手段2202の上面側(フィルム照明部)→巻
戻し側ローラー2308の経路を逆搬送走行する。
【0079】上記の被写体2203としてのフィルム正
逆搬送・搬送速度は、被写体搬送機操作部2104(図
1)に配設した被写体速度設定手段2404の操作によ
って制御される。
【0080】a)被写体速度設定手段2404(図9) 図9は、被写体搬送速度設定手段2404の構成の一例
を示す図面である。3301は入力ノブ、3302はノ
ブ角度検知手段、3307はノブ回転方向検知手段であ
る。
【0081】ノブ角度検知手段3302としては、電圧
を印加された抵抗体3303と、入力ノブ3301の回
転に合わせて該抵抗体3303を摺動する摺動子330
4からなる摺動可変抵抗器を使用することができる。
【0082】またノブ回転方向検知手段3307には、
入力ノブ3301と共に回転する遮光板3305と、遮
光板3305の状態を検知するセンサ3306の組み合
わせを用いることがが可能であり、入力ノブ3301が
停止位置よりも正転方向に設定されているか或いは逆転
方向に設定されているかを判断することが可能である。
【0083】ノブ角度検知手段3302については、入
力ノブ3301を回転して角度を変えると、摺動子33
04に印加される電圧が変化する。即ち摺動子3304
の電圧はそのまま入力ノブ3301の角度を表す。
【0084】被写体搬送機制御手段2402(図12)
は摺動子3304の電圧を検出すると同時に、センサ3
306からの信号を検知する様に構成することで、入力
ノブ3301の角度と方向、即ち本装置使用者が所望す
る被写体搬送速度設定値を被写体搬送機制御手段240
2が把握できる。
【0085】そして被写体搬送機制御手段2402は被
写体搬送速度設定手段2404での設定値に基づき被写
体を搬送する様に被写体搬送機2102を駆動制御す
る。
【0086】b)被写体速度検知手段2309(図8) 被写体速度検知手段2309は実際に搬送中の被写体の
搬送速度・搬送方向を検知する手段である。本例では図
8のように巻取り側ローラー2307に付設したフォト
エンコーダである。巻取り側ローラー2307・巻戻し
側ローラー2308は被写体2203の移動速度と等速
度で回転する。そこで本例では被写体2203の正逆搬
送走行に伴う巻取り側ローラー2307の回転速度・回
転方向を速度検知手段2309で検出して、被写体搬送
機制御手段2402(図12)で被写体2203の搬送
速度・搬送方向を検知させている。
【0087】c)速度伝達率可変手段301・302
(図10) 速度伝達率可変手段301・302(図8)は被写体搬
送速度設定手段2404で設定の被写体搬送速度で被写
体の搬送がなされるように被写体搬送機2102を駆動
する変速手段である。
【0088】図10はその速度伝達率可変手段301
(302)の一構成例の斜視図である。401は入力
軸、402は出力軸、403は変速手段、404は変速
機構駆動手段、405は伝達手段である。図に示す様
に、入力軸401及び出力軸402はテーパーのついた
形状をしていると同時に、変速手段403によって保持
される伝達手段405によって、常時入力軸401の回
転が出力軸402に伝わる様に構成されている。変速手
段403は変速機構駆動手段404によって位置決めさ
れると同時に、該変速機構駆動手段404の作用によっ
て、図のA方向もしくはB方向に移動可能な構成になっ
ている。変速機構駆動手段404の作用によって変速手
段403がA方向に移動すると、伝達手段405が入力
軸401に接する部分の半径が増加する一方で、伝達手
段405が出力軸402に接する部分の半径が減少する
ので、入力軸401の回転数に対する出力軸402の回
転数は増加する。
【0089】反対に、伝達手段405がB方向に移動す
ると、入力軸401に対する出力軸402の回転数は低
下する。
【0090】変速機構駆動手段404は、被写体搬送速
度設定手段2404での設定値に基づき被写体搬送機制
御手段2402(図12)にて制御される。
【0091】この様に、変速機構駆動手段404を制御
することで、連続かつ事実上無段階に入出力回転数伝達
比を変更することが出来、したがって被写体2203と
してのフィルムの前記正逆搬送走行速度を無段階に変更
することできる。
【0092】一般に変速手段405はアイドラと呼ば
れ、入力軸401及び出力軸402に接触する部分は滑
りによる伝達ロスを防ぐために、ゴム等の摩擦計数の大
きな部材で出来ている。また変速機構駆動手段404
は、ステッピングモータなどの電動機とギア機構等で構
成されている。
【0093】また、被写体手動搬送手段2311(図
8)の回転操作により被写体を手動で搬送移動させて、
被写体2203の目的の画像情報コマ部と投影手段22
04の位置関係を調整する等できる。
【0094】d)マーク検知手段2310(図8・図1
1) 被写体としてのロールマイクロフィルム2203は、そ
の長手に沿って原稿画像を縮小撮影記録した数多の画像
情報コマ部を有し、その個々の画像情報コマ部に対応さ
せて検索用マークを付与してある。
【0095】図11はその態様例を示したものである。
2502は原稿の画像が縮小撮影された画像コマ部、2
503は検索用に画像コマ部2502に対応して付され
た検索用マークである。マーク検知手段2310(図
8)は一般に光量センサで構成されており、集光手段2
202の上面側(フィルム照明部)に位置させて配設し
てある。該マーク検知手段2310は被写体2203の
搬送過程で、被写体2203上の上記検索用マーク25
03部と非検索用マーク部との透過率の違いによる光量
変化を電気信号に変換して被写体搬送機制御手段240
2(図12)に送る。
【0096】被写体搬送機制御手段2402はマーク検
知手段2310から送られてくる信号と、速度検知手段
2309から送られてくる信号を基に、検索用マーク2
503の種類毎にカウントする。被写体搬送機制御手段
2402は、該カウント値と、被写体搬送機操作部21
04(図1)上の図示しない入力手段によって予め入力
した検索用入力値が等しくなるように被写体2203を
搬送することにより、所望する画像情報コマ部をフィル
ム照明部2202の位置に検索することが可能になる。
この様にマーク検知手段2310を備え、検索動作を可
能にした被写体搬送機を一般に「検索機」と呼ぶ。
【0097】(D)制御系(図12〜図15) 図12は装置制御系のブロック図である。
【0098】2401は画像読み取り装置本体2101
の制御を司る画像読み取り装置制御手段、2402は被
写体搬送機本体2102の制御を司る被写体搬送機制御
手段、2403は画像読み取り装置制御手段2401と
被写体搬送機制御手段2402を接続し、両者間の通信
を可能にする信号線、2404は被写体搬送機操作部2
104(図1)に設けられた被写体搬送速度設定手段
(図9)である。
【0099】501は演算処理手段である。演算処理手
段501は、被写体搬送速度設定手段2404と被写体
搬送機制御手段2402に直接接続されている。被写体
搬送機制御手段2402には速度伝達率可変手段301
および302(図8)も接続されている。
【0100】画像読み取り装置制御手段2401には倍
率検知手段1(図3)が接続されている。倍率検知手段
1による投影手段2204の投影倍率に関する検知結果
は画像読み取り装置制御手段2401に送られ、投影倍
率が判定される。該判定結果は信号線2403を介して
被写体搬送機制御手段2402に送られた後、演算処理
手段501に送られる。
【0101】更に演算手段501には被写体搬送速度設
定手段2404から被写体搬送速度に関する設定値が入
力される。演算処理手段501では上記倍率情報と被写
体搬送速度設定値を基に演算を行う。該演算結果は被写
体搬送機制御手段2402に対して出力される。被写体
搬送機制御手段2402は演算手段501からの出力値
に従い、巻取り側駆動手段2301・巻戻し側駆動手段
2302を制御すると同時に、速度伝達可変手段301
および302を制御する。
【0102】被写体搬送機制御部2402に対して被写
体搬送速度設定手段2404によって設定される被写体
搬送速度設定値に基づき、被写体搬送機制御手段240
2は巻取り側駆動手段2301及び巻戻し側駆動手段2
302に駆動信号を出力する。巻取り側駆動手段230
1及び巻戻し駆動手段2302は該駆動信号に従って動
作する。
【0103】被写体搬送制御手段2402が巻取り側駆
動手段2301に駆動信号を送るとき、巻取り側駆動手
段2301は被写体2203を巻取る方向に回転する。
巻取り側駆動手段2301の回転は巻取り軸2303を
伝わり、巻取り側リール2305が回転する。この結
果、被写体2203は巻取り側リール2305に巻取ら
れて行く。この時、巻戻し駆動手段2302を動作する
ことによって、被写体2203に一定の張力を与え、巻
乱れを防ぐ様に制御することもある。
【0104】一方、被写体搬送制御手段2402が巻戻
し側駆動手段2302に駆動信号を送るとき、巻戻し側
駆動手段2302は被写体2203を巻戻す方向に回転
する。巻戻し側駆動手段2302の回転は巻戻し軸23
04を伝わり、フィルムカートリッジ2306内の図示
しない巻戻し側リールを回転する。この結果、被写体2
203はフィルムカートリッジ2306内に巻戻されて
行く。この時、巻取り駆動手段2301を動作すること
によって、被写体2203に一定の張力を与え、巻乱れ
を防ぐ様に制御することもある。
【0105】この様に巻取り側駆動手段2301や巻戻
し側駆動手段2302を動作することによって被写体2
203が搬送される時、被写体2203の移動によっ
て、巻取り側ローラー2307及び巻戻し側ローラー2
308が被写体2203の移動速度と等速度で回転す
る。前述したように巻取り側ローラー2307には速度
検知手段2309が連結されており、また速度検知手段
2309は被写体搬送機制御手段2402に接続されて
いるので、被写体搬送機制御手段2402は実際に被写
体2203が搬送される速度を検知することができる。
この検知結果を基にフィードバック制御を行うことで、
被写体搬送速度設定手段2404で設定された値に合わ
せて、被写体2203を搬送することができる。
【0106】図13に被写体搬送に関する制御の一例を
示す。図において横軸は被写体搬送速度の設定値、縦軸
は被写体搬送速度を表す。ここで第一に特徴的なのは、
被写体搬送速度の設定値の「低速度搬送領域」と「高速
度搬送領域」とで、制御方法を変えていることである。
【0107】即ち、「低速度搬送領域」内のある被写体
搬送速度の設定値に対しては、投影倍率により被写体搬
送速度設定値と被写体搬送速度との関係を変えているの
に対し、「高速度搬送領域」内のある被写体搬送速度の
設定値に対しては、投影倍率によらず被写体搬送速度設
定値と被写体搬送速度との関係は一定となるようにして
いる。
【0108】図14は「低速度搬送領域」における、投
影倍率と速度伝達率可変手段301および302の入出
力速度伝達比との関係の一例を示す図面である。この図
14では、投影倍率が20倍の時を基準(速度伝達比=
1)として、投影倍率が40倍(即ち、投影倍率が20
倍時の2倍)の時は、速度伝達比=1/2となるように
変速機構駆動手段404(図10)を制御する。
【0109】投影倍率が10倍の時(即ち、投影倍率が
20倍時の1/2倍)の時は、速度伝達比=2となるよ
うに変速機構駆動手段404を制御する。
【0110】即ち、投影倍率と速度伝達比との積が一定
値となるようにしている。投影倍率をM、速度伝達比を
Vrとすると、図14の関係は(式1)の様になる。
【0111】 Vr=20/M ・・・・・・・・(式1) この結果、従来例の装置と同様に被写体搬送速度設定手
段2404による被写体搬送速度の設定値に従い、被写
体搬送機制御手段2402が巻取り側駆動手段2301
・巻戻し側駆動手段2302を制御しても、本実施例の
場合は被写体搬送速度の設定値と実際の被写体搬送速度
との関係は図13の「低速度搬送領域」の様になる。
【0112】また、前述のように画像表示部2209上
の画像の移動速度は、被写体2203の搬送速度と投影
倍率との積に等しいので、搬送速度設定値と画像表示部
2209上の画像移動速度の関係は図15の「低速度搬
送領域」の様になる。
【0113】従って基準とした投影倍率が20倍の時
に、「低速度搬送領域」内の高速側で流し読みを行うの
に充分な高速度になり、低速側では画像位置の調整など
に充分な低速度になる様に、被写体搬送速度設定値と被
写体搬送速度の関係を設定しておくことで、他の投影倍
率でも20倍時と同様の関係を保つことが出来るので、
操作性を大幅に改善することが出来る。
【0114】一方、被写体搬送速度設定手段2204に
よる被写体搬送速度の設定値が「高速度搬送領域」に達
すると、演算処理手段501は投影倍率によらず、速度
伝達率可変手段301および302の速度伝達比が最大
になるように、被写体搬送機制御手段2402に対して
信号を送る。該信号を受けた被写体搬送機制御手段24
02は、速度伝達率可変手段301および302の速度
伝達比が最大となる様に、変速機構駆動手段404を制
御する。
【0115】この結果、画像表示部2209上の画像移
動速度は投影倍率によって変化する。しかし前述のよう
に「高速度搬送領域」での動作目的は被写体を高速に早
送り・巻戻しすることなので、元来画像表示部2209
に投影された画像を目視することは不可能である。
【0116】従って、投影倍率によって画像表示部22
09上の画像移動速度が変化することが本装置の使用者
にデメリットを生むことはなく、被写体の搬送を高速で
行える点がメリットになる。
【0117】なお、図13・図15において、「低速度
搬送領域」と「高速度搬送領域」の速度比率は説明用に
設定したものであり、実際の速度比率とは必ずしも一致
しない。
【0118】この様に本実施例の被写体搬送機付き画像
読み取り装置は、画像の位置調整や画像を流し読みする
ときなど、被写体を低速で搬送しながら目視する必要が
あるときには、投影手段2204の投影倍率Mによらず
画像表示部2209上の画像の移動速度と被写体搬送速
度設定値との関係が常に一定なので、本装置の使用者は
投影倍率を意識して操作する必要がなくなるので、前述
した従来例の各問題を解決し、操作性を向上することが
可能である。
【0119】更に、被写体の早送り・巻戻しを行う際に
は、投影手段2204の投影倍率Mによらず被写体22
03の搬送速度が最高になる様に制御するので、投影倍
率Mによって被写体搬送速度が低下することがなく、早
送り・巻戻しに要する時間の短縮が望めるので操作性を
向上させることが可能である。
【0120】なお、本実施例で説明した速度伝達率可変
手段301および302(図10)の構成の他にも、V
ベルトを使用した速度伝達率可変手段等、外部からの制
御に従い速度伝達比を連続して変化できる手段であれ
ば、全て使用可能である。またギヤ機構を用いた段階的
に変速可能な変速手段なども、変速段数や変速比を調整
することにより、本実施例の速度伝達率可変手段として
使用可能である。特に画像読み取り装置で使用する投影
手段2204が単焦点投影手段だけの場合は、各投影手
段に合わせて変速比を調整することで、画像表示部22
09上の画像移動速度と被写体搬送速度設定値との関係
を一定に保つことが可能である。また投影手段2204
に連続可変倍率手段を使用する画像読み取り装置でも、
変速段数を多くし変速比を調整することによって、画像
表示部2209上の画像移動速度と被写体搬送速度設定
値との関係を、本装置の使用者に違和感を覚えさせない
範囲で一定範囲に保つことが可能である。
【0121】また、被写体搬送機2102としてのロー
ルフィルムキャリアは、被写体2203を搬送するだけ
でなく、画像表示部2209に投影される被写体220
3上の画像を、被写体搬送方向とは直角を成す方向への
調整が出来るように、被写体搬送機2102自体を被写
体搬送方向とは直角方向に移動する被写体搬送機移動手
段(図示せず)を備えている。該被写体搬送機移動手段
にも本実施例で述べた構成を用いる事で、画像表示部2
209上の画像の移動速度と、被写体搬送速度の設定値
及び、該被写体搬送機移動手段に対する速度設定値との
関係を、投影倍率によらず一定或いは一定範囲内に保つ
事が可能である。
【0122】本実施例のように、速度伝達率可変手段3
01・302を用いて画像表示部2209上の画像移動
速度と被写体搬送速度設定値との関係を投影倍率によら
ず一定に保つ構成では被写体手動搬送手段2311(図
1・図8)を用いて手動で被写体搬送する場合にも、速
度伝達率可変手段301によって投影倍率に応じた変速
をされてから被写体2203を搬送する様に構成されて
いるので、巻取り側・巻戻し側駆動手段2301・23
02を用いて被写体搬送するときと同様に、被写体手動
搬送手段2311に対する入力量と画像表示部2209
上の画像の移動量との関係は、投影倍率によらず一定に
することが可能である。
【0123】図12において、本実施例では説明を容易
にするために演算処理手段501を設けたが、被写体搬
送機制御手段2402に演算処理手段機能を持たせるこ
とで、演算処理手段501を省くことも可能である。
【0124】〈第2の実施例〉(図16〜図18) 上述した第1の本実施例では、被写体搬送機2102が
ロールフィルムキャリアである場合の構成を説明した
が、被写体搬送機2102がフィッシュキャリアでも同
様に構成することは可能である。
【0125】すなわち、被写体2203には一般にフィ
ッシュフィルムと呼ばれる、複数の画像コマ部が縦・横
に並んだ状態で記録されたシート状の被写体もある。図
16はフィッシュフィルム2601の一形態例である。
【0126】図17は、被写体がフィッシュフィルム等
のようにシート状の時に使用する被写体搬送機の一例の
斜視図であり、一般にフィッシュキャリアと呼ぶ。27
00はフィッシュキャリアシャシー、2701は圧板ガ
ラス、2702はX方向移動手段、2703はY方向移
動手段、2704はX方向駆動手段、2705はY方向
駆動手段、2706はX方向移動機構、2707はY方
向移動機構である。
【0127】図18は本フィッシュキャリアの制御系の
ブロック図である。2801はX方向被写体搬送速度設
定手段、2802はY方向被写体搬送速度設定手段であ
る。被写体搬送機制御手段2402は、X方向被写体搬
送速度設定手段2801からの設定値に基づきX方向駆
動手段2704を制御し、同様にY方向被写体搬送設定
手段2802からの設定値に基づきY方向駆動手段27
05を制御する。
【0128】X方向駆動手段2704の動力はX方向移
動手段2702を介してX方向移動機構2706に伝わ
る。この結果、X方向移動機構2706自体がフィッシ
ュキャリアシャシー2700上をX方向に移動する。
【0129】一方、Y方向駆動手段2705の動力はY
方向移動手段2703を介してY方向移動機構2707
に伝わる。この結果、Y方向移動機構2707自体がX
方向移動機構2706上をY方向に移動する。
【0130】また圧板ガラス2701はY方向移動機構
2707上に設けられ、被写体であるフィッシュフィル
ム2601(図16)を保持するように構成されている
ので、フィッシュキャリアは、被写体を保持した状態で
図17中のX方向とY方向に独立して動かすことが可能
である。この結果、被写体2601内の所望の画像情報
コマ部を、画像読み取り装置2101の所定の位置、す
なわち集光手段2202の上面側(フィルム照明部)に
検索位置させることができる。なお、X方向駆動手段2
704及びY方向駆動手段2705に併設された不図示
のX及びY方向用手動駆動手段を備えることで、本装置
の使用者が直接被写体を移動させることを可能にした構
成を持つものもある。
【0131】而して、前述の第1の実施例において、被
写体搬送機がロールマイクロフィルムキャリアでなく、
上記のようなフィッシュキャリアでも第1の実施例の装
置と同様に構成することは可能である。
【0132】即ち、X方向駆動手段2704及びY方向
駆動手段2705と、X方向移動機構2706及びY方
向移動機構2707との間に、第1の本実施例で用いた
速度伝達率可変手段301・302をそれぞれ設け、投
影手段2204の投影倍率に応じて速度伝達比を制御す
る様に構成することで、被写体搬送機がロールマイクロ
フィルムキャリアである場合と同様に、画像表示部22
09上の画像の移動速度とX・Y方向それぞれの被写体
搬送速度設定値との関係を、投影倍率によらず一定或い
は一定範囲内に保つことが可能である。
【0133】〈第3の実施例〉(図19〜図23) 本実施例で用いる被写体搬送機付き画像読み取り装置
は、第1の実施例で述べた、倍率検知手段1(図3)を
備えた画像読み取り装置本体2101と、被写体搬送機
本体2102として図19のロールフィルムキャリア2
102を用いる。図19のロールフィルムキャリア21
02は第1の実施例のキャリア2102(図8)から速
度伝達率可変手段301・302を除去したもので、そ
れ以外の構成は同じである。
【0134】本実施例では、画像読み取り装置本体21
01に設けられた倍率検知手段1を用いて投影手段22
04の投影倍率を検知して、該検知結果に基づき、被写
体搬送機本体2102の巻取り側・巻戻し側駆動手段2
301・2302に対する被写体搬送機制御手段240
2からの駆動信号を変えることで、被写体搬送速度設定
値と画像読み取り装置本体2101の画像表示部220
9上の画像の移動速度との関係が、投影倍率によらず一
定となるように制御するものである。
【0135】図20は本実施例の被写体搬送機付き画像
読み取り装置の制御に関する部分のブロック図である。
該制御系の構成の特徴は画像読み取り装置本体2101
に投影倍率検知手段1が設けられており、倍率検知手段
1の検知結果が画像読み取り装置制御手段2401と通
信線2403を介して被写体搬送機制御手段2402に
伝わる様に構成されていると同時に、上記検知結果と被
写体搬送速度設定手段2404による被写体搬送速度設
定値を基に、搬送速度に関する演算を行う演算手段50
1が設けられている点である。
【0136】ところで、被写体搬送機2102の巻取り
側駆動手段2301及び巻戻し側駆動手段2302にス
テッピングモータを使用している場合、該駆動手段23
02の回転数は被写体搬送機制御手段2402から送ら
れてくる駆動信号の単位時間あたりのパターン数に比例
する。本実施例では、倍率検知手段1による投影倍率の
検知結果と被写体搬送速度設定手段2404による被写
体搬送速度設定値を基に被写体搬送に関する演算を行う
演算手段501の演算結果に従い、被写体搬送機制御手
段2402が巻取り側駆動手段2301及び巻戻し側駆
動手段2302に送る駆動信号の単位時間あたりのパタ
ーン数を変えることにより、第1の実施例と同様に「低
速度搬送領域」で、被写体搬送速度設定値と画像表示部
2209上の画像移動速度が投影倍率によらず一定とな
るように制御する。
【0137】図21は、「低速度搬送領域」内のある被
写体搬送速度設定値における、投影倍率と駆動信号の単
位時間あたりのパターン数を、投影倍率が20倍のとき
の単位時間あたりのパターン数で正規化したグラフであ
る。投影倍率をM、駆動信号の単位時間あたりのパター
ン数をPM 、投影倍率が20倍時の駆動信号のパターン
数をP20とすると、図22に示す関係は(式2)の様に
なる。
【0138】 PM =20/M*P20 ・・・・・・・・(式2) 図21から明らかなように、投影倍率が40倍時の単位
時間あたりのパターン数は、投影倍率が20倍時の単位
時間あたりのパターン数の1/2になっている。従っ
て、被写体搬送速度も1/2になるが、投影倍率が20
倍時の2倍なので、画像表示部2209上の画像移動速
度は等しくなる。
【0139】一方、「高速度搬送領域」に含まれる被写
体搬送速度設定値が設定されると、被写体搬送機制御手
段2402は倍率検知手段1の検知結果を参照せず、被
写体搬送速度設定値のみを参照して巻取り側駆動手段2
301及び巻取り側駆動手段2302を制御する。
【0140】上述した制御を行うことにより、第1の実
施例と同様に、「低速度搬送領域」では被写体搬送速度
設定値と画像表示部2209上の画像移動速度との関係
が、投影倍率によらず一定になり、一方「高速度搬送領
域」では、投影倍率によらず被写体搬送速度設定値と被
写体移動速度との関係が一定になり、投影倍率を高倍に
設定したときに生じる被写体搬送速度の低下を防ぐこと
が可能である。
【0141】なお、巻取り側駆動手段2301及び巻戻
し側駆動手段2302が直流モータ等、印加される電圧
値もしくは電流値に比例して回転数が増減する電動機の
場合は、「低速度搬送領域」内のある被写体搬送速度設
定値に対して、投影倍率と電動機に印加する電圧値(或
いは電流値)との関係を図22に示す関係、即ち投影倍
率をM、印加する電圧値(或いは電流値)をVIM、投影
倍率が20倍時に印加する電圧値(或いは電流値)をV
I20 とするとき、 VIM=20/M*VI20 ・・・・・・・・(式3) となる様に制御することで、巻取り側駆動手段2301
及び巻戻し側駆動手段2302がステッピングモータで
構成されている時と同様に、「低速度搬送領域」で投影
倍率によらず被写体搬送速度と画像表示部2209上の
画像移動速度を一定の関係に保つことが出来る。
【0142】また「高速度搬送領域」に含まれる被写体
搬送速度設定値が設定された場合、被写体搬送機制御手
段2402が倍率検知手段1の検知結果を参照せず、被
写体搬送速度設定のみを参照して巻取り側駆動手段23
01及び巻取り側駆動手段2302を制御することで、
巻取り側駆動手段2301及び巻戻し側駆動手段230
2がステッピングモータで構成されている時と同様の結
果を得ることが出来る。
【0143】なお上述した電動機は、一定の電圧或いは
電流を印加した状態でも負荷が変動すると回転数が変化
するので、被写体搬送速度検知手段2309を用いてフ
ィードバック制御を行うことが望ましい。
【0144】また、巻取り側駆動手段及び2301巻戻
し側駆動手段2302がACモータ等、印加される駆動
信号の周波数に比例して回転数が増減する同期型電動機
の場合は、ステッピングモータの時と同様に、「低速度
搬送領域」のある被写体搬送速度設定値に対しては投影
倍率と同期型電動機に印加する駆動信号の周波数を図2
3に示す関係、即ち投影倍率をM、駆動信号の周波数を
FM 、投影倍率が20倍時の周波数をF20とするとき、 FM =20/M*F20 ・・・・・・・・ (式4) となる様に制御することで、巻取り側駆動手段2301
及び巻戻し側駆動手段2302がステッピングモータで
構成されている時と同様に、投影倍率によらず被写体搬
送速度と画像表示部2209上の画像移動速度を一定の
関係に保つことが出来る。
【0145】また「高速度搬送領域」についてはステッ
ピングモータの時と同様に、投影倍率検知結果を参照せ
ず、被写体搬送速度の被写体搬送速度設定値のみを参照
して巻取り側駆動手段2301及び巻戻し側駆動手段2
302を制御する。
【0146】以上の方法により、巻取り側駆動手段23
01及び巻戻し側駆動手段2302がステッピングモー
タで構成されている時と同様に制御することが出来る。
【0147】なお、被写体搬送機2102としてのロー
ルフィルムキャリアは、被写体2203を搬送するだけ
でなく、画像表示部2209に投影される被写体220
3上の画像を、被写体搬送方向とは直角を成す方向への
調整が出来るように、被写体搬送機2102自体を被写
体搬送方向とは直角方向に移動する被写体搬送機移動手
段(図示せず)を備えている。該被写体搬送機移動手段
にも本実施例で述べた構成を用いる事で、画像表示部2
209上の画像の移動速度と、被写体搬送速度の設定値
及び、該被写体搬送機移動手段に対する速度設定値との
関係を、投影倍率によらず一定或いは一定範囲内に保つ
事が可能である。
【0148】また、本実施例も被写体搬送機2102が
ロールフィルムキャリアの場合について説明したが、被
写体搬送機が第2の実施例のようにフィッシュフィルム
キャリアの場合も同様に制御することが出来る。即ち、
X方向搬送駆動手段とY方向搬送駆動手段に対して、ロ
ールフィルムキャリアの巻取り側駆動手段及び巻戻し側
駆動手段に対する制御と同様の制御を行うことで、「低
速度搬送領域」では投影倍率によらず被写体搬送速度設
定値と画像表示部上の画像移動速度との関係を一定に保
つことができ、「高速度搬送領域」では投影倍率によら
ず被写体搬送速度設定値と被写体搬送速度との関係を一
定に保つことが可能になる。
【0149】上記の結果、従来例における各問題を解決
できることは、ロールフィルムキャリアの場合と同様で
ある。
【0150】本実施例は必要に応じて他の実施例と併用
して使用すること可能である。
【0151】〈第4の実施例〉(図24) 本実施例は上記第3の実施例装置において、被写体搬送
機2102の巻取り側駆動手段2301及び巻戻し側駆
動手段2302にステッピングモータを使用している場
合、該ステッピングモータの励磁方法を変えることで、
「低速度搬送領域」内のある被写体搬送速度設定値に対
する被写体搬送速度を変更する方法について述べる。
【0152】図24は2相式ステッピングモータの励磁
方法による動作の違いを端的に示す図面である。(a)
は1相励磁の場合の動作状態を示し、(b)は1−2相
励磁の場合の動作状態を示す。図24から明らかなよう
に、1−2相励磁の場合のステップ角は1相励磁の場合
のステップ角の1/2倍になる。従って単位時間あたり
同一パターン数をステッピングモータに与えるとき、1
−2相励磁方式の場合は2相励磁方式の場合の、1/2
倍の回転数になる。なお、2相励磁の場合のステップ角
は1相励磁の場合と同様になる。
【0153】上記原理を用いて、投影倍率によって被写
体搬送速度を変えることが可能である。
【0154】本実施例の被写体搬送機付き画像読み取り
装置の制御系に関するブロック図は第3の実施例装置の
図20の構成と同じである。
【0155】「低速度搬送領域」内のある被写体搬送速
度設定値に対し、投影倍率が閾値となるある倍率、例え
ば20倍未満の時は、被写体搬送機制御手段2402が
巻取り側駆動手段2301及び巻戻し側駆動手段230
2に対して出力する駆動信号を、1相励磁或いは2相励
磁方式となるパターンにする。一方、投影倍率が閾値以
上の場合には1−2相励磁方式のパターンを出力するよ
うにする。この結果、20倍未満の投影倍率時と20倍
以上の投影倍率時の、被写体搬送速度設定値と画像表示
部2209上の画像移動速度との関係は等しくなる。即
ち、投影倍率が10倍の時と20倍の時を比較すると、
等しい被写体搬送速度設定値に対する画像表示部220
9上の画像移動速度は等しくなる。
【0156】「高速度搬送領域」内の被写体搬送速度設
定値に対しては、常に被写体搬送機制御手段2402か
ら巻取り側駆動手段2301及び巻戻し側駆動手段23
02に対して出力される駆動信号を、1相励磁或いは2
相励磁方式となるパターンにする。この結果、投影倍率
によらず被写体を高速で搬送することが出来る。
【0157】上記のように制御することで、「低速度搬
送領域」内の被写体搬送速度設定値に対しては、投影倍
率によらず被写体搬送速度設定値と画像表示部2209
上の画像移動速度との関係をある範囲内に納めること
で、投影倍率による被写体搬送速度設定値の調整を少な
くすることが可能になる。また「高速度搬送領域」で
は、投影倍率によらず被写体を高速搬送することが可能
になる。
【0158】なお、被写体搬送機2102としてのロー
ルフィルムキャリアは、被写体2203を搬送するだけ
でなく、画像表示部2209に投影される被写体220
3上の画像を、被写体搬送方向とは直角を成す方向への
調整が出来るように、被写体搬送機2102自体を被写
体搬送方向とは直角方向に移動する被写体搬送機移動手
段(図示せず)を備えている。該被写体搬送機移動手段
にも本実施例で述べた構成を用いる事で、画像表示部2
209上の画像の移動速度と、被写体搬送速度の設定値
及び、該被写体搬送機移動手段に対する速度設定値との
関係を、投影倍率によらず一定或いは一定範囲内に保つ
事が可能である。
【0159】本実施例も被写体搬送機2102がロール
フィルムキャリアの場合であるが、被写体搬送機が第2
の実施例のようにフィッシュフィルムキャリアの場合も
同様の構成を用いて制御することが可能である。
【0160】本実施例は必要に応じて他の実施例と併用
して使用することが可能である。
【0161】〈第5の実施例〉(図25・図26) 図25は本実施例で使用する被写体搬送機2102の構
造の一例を示す図面である。1701は巻取り側高速用
駆動手段、1702は巻取り側低速用駆動手段である。
1703は巻戻し側高速用駆動手段、1704は巻戻し
側低速用駆動手段である。他の構成は図8や図19の被
写体搬送機2102と同じである。
【0162】ここで高速用駆動手段1701・1703
は低速用駆動手段1702・1704に比べて、同一の
駆動信号を与えた時の回転数が高い特性を持つタイプに
する。例えば各駆動手段がステッピングモータの時、高
速用駆動手段1701・1703に用いるステッピング
モータには低速用駆動手段1702・1704に用いる
ステッピングモータよりもステップ角の大きいタイプを
使用する。この結果、高速用駆動手段1701・170
3を用いる場合、同一の駆動信号を与えた時にも低速用
駆動手段1702・1704よりも高速で被写体220
3を搬送することが出来る。
【0163】図26は、本実施例で用いる被写体搬送機
付き画像読み取り装置の制御系に関する部分のブロック
図である。図において、1801は被写体搬送機制御手
段2402からの指示に従い、使用する駆動信号を選択
する選択手段である。被写体搬送機制御手段から送られ
てくる巻取り側駆動手段1701・1702及び巻戻し
側駆動手段用1703・1704に送られてくる駆動信
号は、被写体搬送機制御手段2402の指示に従い、高
速用駆動手段1701・1703或いは低速用駆動手段
1702・1704のうち選択された一方に対して出力
される。
【0164】前述の第4の実施例と同様に、「低速度搬
送領域」内のある被写体搬送速度設定値が設定された
時、投影倍率がある閾値以下の場合、例えば20倍未満
の時は、被写体搬送制御手段2402は選択手段180
1に対して、高速用駆動手段1701・1703を選択
するように選択信号を出力する。
【0165】一方、投影倍率が閾値以下の場合は、低速
用駆動手段1702・1704を選択するように選択信
号を出力する。また「高速度搬送領域」内の被写体搬送
速度設定値が設定された場合には、投影倍率によらず常
に高速用駆動手段1701・1703を選択されるよう
に選択信号を出力する。この結果、「低速度搬送領域」
内の被写体搬送速度設定値と画像表示部上の画像移動速
度との関係を投影倍率によらず一定範囲内に納めること
が可能であり、投影倍率の違いによる被写体搬送速度設
定値の調整を少なくすることが可能になる。また「高速
度搬送領域」内の被写体搬送速度設定値に対しては、投
影倍率によらず常に高速の被写体搬送が可能になる。
【0166】また本実施例では、各駆動手段1701・
1702、1703・1704に「高速用」「低速用」
の駆動手段を設け、二段階に切り替えを行ったが、更に
特性の異なる複数の駆動手段を併設し、選択手段180
1がこれら複数の特性の異なる駆動手段を切り替えて選
択できるように構成することで、投影倍率に応じて更に
細かく多段階に切り替えることもできる。
【0167】なお、被写体搬送機2102としてのロー
ルフィルムキャリアは、被写体2203を搬送するだけ
でなく、画像表示部2209に投影される被写体220
3上の画像を、被写体搬送方向とは直角を成す方向への
調整が出来るように、被写体搬送機2102自体を被写
体搬送方向とは直角方向に移動する被写体搬送機移動手
段(図示せず)を備えている。該被写体搬送機移動手段
にも本実施例で述べた構成を用いる事で、画像表示部2
209上の画像の移動速度と、被写体搬送速度の設定値
及び、該被写体搬送機移動手段に対する速度設定値との
関係を、投影倍率によらず一定或いは一定範囲内に保つ
事が可能である。
【0168】本実施例も被写体搬送機2102がロール
フィルムキャリアの場合であるが、被写体搬送機が第2
の実施例のようにフィッシュフィルムキャリアの場合も
同様の構成を用いて制御することが可能である。
【0169】本実施例は必要に応じて他の実施例と併用
して使用することが可能である。
【0170】〈第6の実施例〉(図27〜図29) 本実施例では、画像読み取り装置の投影倍率に応じて、
被写体搬送速度設定手段による被写体搬送速度設定値を
補正した後、被写体搬送機制御手段に伝えることで、前
述の各実施例と同様に、「低速度搬送領域」内の被写体
搬送速度設定値に対しては、投影倍率によらず画像表示
部上の画像移動速度との関係を一定或いは一定範囲に納
めることを可能にする構成及び方法である。
【0171】図27は、本実施例の被写体搬送機付き画
像読み取り装置の制御系に関する部分のブロック図であ
る。図において、1901は演算手段である。演算手段
1901は被写体搬送機制御手段2402及び被写体搬
送速度設定手段2404に接続され、画像読み取り装置
制御手段2401、通信線2403、被写体搬送機制御
手段2402を通じて得られる投影倍率検知手段1の検
知結果と、被写体搬送速度設定手段2404による被写
体搬送速度設定値を基に、該設定値を変換して被写体搬
送機制御手段2402に伝達する。
【0172】図28は演算手段1901の構成の一例を
示す図面である。図において、2001は増幅器、20
02は投影倍率情報に応じて増幅器2001の増幅率を
変更する増幅率可変手段、2003は被写体搬送速度の
設定値が「低速度搬送領域」に含まれるか「高速度搬送
領域」に含まれるか判定する為の比較器、2004は比
較器2003の判定結果に応じて、演算手段1901の
出力として増幅器2001の出力を選択するか、或いは
被写体搬送速度設定手段2404による設定値をそのま
ま出力とするか選択する選択手段である。
【0173】図29は演算手段1901の入出力関係
を、投影倍率が10倍の時の値で正規化したグラフであ
る。即ち、投影倍率をM、演算手段1901の入出力比
をRM、投影倍率が10倍時の入出力比をR10とすると
き、 RM =10/M*R10 ・・・・・・・・(式5) なる関係が成立する様にする。
【0174】図29の様に「低速度搬送領域」投影倍率
が2倍になると入出力比は1/2倍になるので、被写体
側制御手段に伝えられる設定値は、投影倍率が10倍時
の1/2になり、被写体搬送速度も1/2倍になる。し
かし他の実施例で述べたように、被写体搬送速度設定手
段2404での被写体搬送速度設定値と画像表示部22
09上の画像移動速度との関係は、投影倍率によらず一
定に保たれる。従って基準とした投影倍率が10倍の時
に、充分な「低速度搬送領域」が確保されれば、他の倍
率でも同様の操作性を得ることが出来る。
【0175】また「高速度搬送領域」内の被写体搬送速
度設定値が被写体搬送速度設定手段2404で設定され
た場合には、比較器2003(図28)で判定されて選
択手段2004が該設定値をそのまま出力するように動
作するので、投影倍率によらず被写体搬送速度設定値と
被写体搬送速度との関係は一定に保たれる。
【0176】他の実施例でも述べたように、上記の構成
と方法により従来例が持つ問題を解決することが出来
る。
【0177】なお、被写体搬送機2102としてのロー
ルフィルムキャリアは、被写体2203を搬送するだけ
でなく、画像表示部2209に投影される被写体220
3上の画像を、被写体搬送方向とは直角を成す方向への
調整が出来るように、被写体搬送機2102自体を被写
体搬送方向とは直角方向に移動する被写体搬送機移動手
段(図示せず)を備えている。該被写体搬送機移動手段
にも本実施例で述べた構成を用いる事で、画像表示部2
209上の画像の移動速度と、被写体搬送速度の設定値
及び、該被写体搬送機移動手段に対する速度設定値との
関係を、投影倍率によらず一定或いは一定範囲内に保つ
事が可能である。
【0178】本実施例も被写体搬送機2102がロール
フィルムキャリアの場合であるが、被写体搬送機が第2
の実施例のようにフィッシュフィルムキャリアの場合も
同様の構成を用いて制御することが可能である。
【0179】また本実施例では説明のために演算手段1
901を設けたが、被写体搬送機制御手段2402内な
どに設けることも可能である。
【0180】本実施例は他の実施例と併用することも可
能である。
【0181】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の被写体搬
送機付き画像読み取り装置は下記のような効果がある。
【0182】すなわち、画像読み取り装置に倍率検知手
段を設けることで、使用する投影手段の投影倍率を検知
して、該検知結果を被写体搬送速度に反映することによ
り、被写体搬送速度設定値と画像表示部上に投影された
画像の移動速度との関係を一定或いは一定範囲内に納め
ることが可能になる。従って、画像表示部上に再現され
た画像を見て様々な操作を行う本被写体搬送機付き画像
読み取り装置の使用者は、画像の位置調整或いは流し読
みを行うために画像を目視しながら被写体を搬送する必
要がある場合に、被写体に応じて変更される画像読み取
り装置の投影倍率を考慮せずに、被写体搬送速度を設定
することが出来る為、操作性を大幅に改善することが出
来る。
【0183】使用する投影手段の投影倍率が低倍の時、
被写体の搬送速度及び搬送量に対する、画像表示部上に
投影された画像の移動速度及び移動量の比が小さいた
め、従来の構成では大きい被写体搬送速度設定値で使用
する傾向にあった。一般に被写体搬送速度を大きく設定
するには、被写体搬送速度設定手段の操作量を増やす必
要があるため、特に「停止」と「搬送」を繰り返す場合
には、使用者に大きな負担を強いていた。また被写体搬
送速度設定値がある閾値以上になると急激に被写体搬送
速度が上昇する様に構成されている場合には、主に使用
する領域が該閾値に近い部分になるので、設定値が該閾
値を越えて予想以上の速度で被写体を搬送してしまい、
所望の画像を見失う可能性もあった。本発明はこの問題
を解決している。
【0184】使用する投影手段の投影倍率が高倍の時、
被写体の搬送速度及び搬送量に対する、画像表示部上に
投影された画像の移動速度及び移動量の比が大きいた
め、従来の構成では小さい被写体搬送速度設定値で使用
する傾向にあった。しかし画像の位置調整など微少量の
搬送が要求される場面では、被写体搬送速度の設定値を
小さくしても被写体の搬送速度が十分には遅くならず、
極めて操作性が悪かった。また被写体搬送速度設定値の
変化に対する画像表示部上の画像移動速度の変化が大き
いため、特に流し読みを行う時等には、使用者が所望す
る画像移動速度を設定することが困難であった。本発明
はこの問題を解決している。
【0185】従来の構成で投影手段の投影倍率によら
ず、使用者が所望する被写体搬送速度を設定できるよう
にするには、被写体搬送速度設定手段の設定値可変範囲
を広げる以外に方法が無かった。この様に可変範囲を広
げることは、特に投影倍率が低倍の時には設定のための
操作量が増え、操作性は向上しない。本発明では被写体
搬送速度設定手段の設定値可変範囲を広げること無し
に、投影手段の投影倍率によらず、使用者が所望する被
写体搬送速度を設定できるので、操作性が向上する。
【0186】被写体搬送速度設定値に応じて、倍率検知
手段の検知結果を被写体搬送速度に反映するか否かを選
択している。倍率検知の検知結果を被写体搬送速度に反
映することで、上記のように投影倍率によらず被写体搬
送速度設定値と画像表示部上の画像移動速度との関係を
一定或いは一定範囲内に保つことが可能になるが、画像
表示部上の画像が目視不能な搬送速度領域ではメリット
が無いだけでなく、特に投影倍率が高倍時の被写体搬送
速度が低下するデメリットが生じる。そこで、被写体を
高速で搬送するときには、倍率検知手段の検知結果を被
写体搬送速度に反映せず、更に被写体を最も高速で送る
ことが出来るようにすることで、上記デメリットの発生
を防いでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の被写体搬送機付き画像読み取り
装置(ロールマイクロフィルムリーダプリンタ)の外観
【図2】該装置の縦断側面図
【図3】倍率検知手段例(その1)の構成説明図
【図4】倍率検知手段例(その2)の構成説明図
【図5】倍率検知手段例(その3)の構成説明図
【図6】倍率検知手段例(その4)の構成説明図
【図7】投影手段の種類判別手段例の斜視図
【図8】被写体搬送機(ロールフィルムキャリア)のフ
ィルム搬送系の斜視図
【図9】被写体搬送速度設定手段の構成説明図
【図10】速度伝達率可変手段の構成説明図
【図11】被写体としてのロールマイクロフィルムの一
態様例の一部の拡大平面図
【図12】装置制御系のブロック図
【図13】被写体搬送速度設定値と被写体搬送速度との
関係の一例を示すグラフ
【図14】速度伝達率可変手段の、投影倍率と速度伝達
比との関係を示すグラフ
【図15】被写体搬送速度設定値とスクリーン上の画像
移動速度との関係の一例を示すグラフ
【図16】第2の実施例の被写体搬送機付き画像読み取
り装置に使用する、被写体としてのフィッシュフィルム
の一態様例の平面図
【図17】フィッシュキャリア例の斜視図
【図18】装置制御系のブロック図
【図19】第3の実施例の被写体搬送機付き画像読み取
り装置における被写体搬送機(ロールフィルムキャリ
ア)のフィルム搬送系の斜視図
【図20】装置制御系のブロック図
【図21】投影倍率と駆動信号の単位時間パターン数比
との関係を示すグラフ
【図22】投影倍率と駆動信号の電圧値(電流値)比と
の関係を示すグラフ
【図23】投影倍率と駆動信号の周波数比との関係を示
すグラフ
【図24】第4の実施例の被写体搬送機付き画像読み取
り装置における被写体搬送機(ロールフィルムキャリ
ア)の駆動手段としてのステッピングモータの励磁方法
とロータ回転角度との関係の一例を示す図面
【図25】第5の実施例の被写体搬送機付き画像読み取
り装置における被写体搬送機(ロールフィルムキャリ
ア)のフィルム搬送系の斜視図
【図26】装置制御系のブロック図
【図27】第6の実施例の被写体搬送機付き画像読み取
り装置の装置制御系のブロック図
【図28】演算手段の一構成例の図
【図29】演算手段の、投影倍率と入出力比との関係を
示すグラフ
【図30】従来の被写体搬送機付き画像読み取り装置
の、被写体搬送速度設定値と被写体搬送速度との関係を
示すグラフ
【図31】被写体部の長さ或いは移動速度とスクリーン
上の長さ或いは移動速度との関係説明図
【図32】従来の被写体搬送機付き画像読み取り装置
の、被写体搬送速度設定値と画像表示部上の画像移動速
度との関係を示すグラフ
【符号の説明】
1 投影倍率検知手段 200 倍率リング 201 抵抗体 202 摺動子 203 マーカー 204 マーカー判別手段 301 巻取り側速度伝達率可変手段 302 巻戻し側速度伝達率可変手段 401 入力軸 402 出力軸 403 変速手段 404 変速機構駆動手段 405 伝達手段 501 演算手段 1701 巻取り側高速用駆動手段 1702 巻取り側低速用駆動手段 1703 巻戻し側高速用駆動手段 1704 巻戻し側低速用駆動手段 1801 選択手段 1901 演算手段 2001 増幅器 2002 増幅率可変手段 2003 比較器 2004 選択手段 2101 画像読み取り装置本体 2102 被写体搬送機本体 2103 画像読み取り装置操作部 2104 被写体搬送機操作部 2201 発光源 2202 集光手段 2203 被写体 2204 投影手段 2205 画像回転装置 2206 第一反射部材 2207 第二反射部材 2208 第三反射部材群 2209 画像表示部 2210 画像形成部 2211 スリット板 2212 感光部材 2301 巻取り側駆動手段 2302 巻戻し側駆動手段 2303 巻取り軸 2304 巻戻し軸 2305 巻取り側リール 2306 フィルムカートリッジ 2307 巻取り側ローラ 2308 巻戻し側ローラ 2309 速度検知手段 2310 マーク検知手段 2401 画像読み取り装置制御手段 2402 被写体搬送機制御手段 2403 信号線 2404 被写体搬送速度設定手段 2502 画像コマ部 2503 検索用マーク 2601 フィッシュフィルム 2700 フィッシュキャリアシャシー 2701 圧板ガラス 2702 X方向移動手段 2703 Y方向移動手段 2704 X方向駆動手段 2705 Y方向駆動手段 2706 X方向移動機構 2707 Y方向移動機構 2801 X方向被写体搬送速度設定手段 2802 Y方向被写体搬送速度設定手段 3301 入力ノブ 3302 ノブ角度検知手段 3303 抵抗体 3304 摺動子 3305 遮光板 3306 センサ 3307 ノブ回転方向検知手段

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 倍率検知手段と、被写体搬送速度設定手
    段と、該倍率検知手段の検知結果と該被写体搬送速度設
    定手段の設定値を基に、被写体の搬送速度制御に関する
    演算を行う演算手段を有し、該演算手段の演算結果に応
    じて被写体の搬送速度制御を行う画像読み取り装置にお
    いて、該被写体搬送速度設定手段による設定値が所定値
    を越える場合には、倍率検知手段の検知結果を被写体搬
    送制御に反映しない速度で被写体を搬送することを特徴
    とする被写体搬送機付き画像読み取り装置。
  2. 【請求項2】 倍率検知手段の検知結果を被写体搬送制
    御に反映するときは、被写体搬送速度設定手段による被
    写体搬送速度設定値と、拡大投影された被写体上の画像
    の移動速度との関係が一定或いは一定範囲内に保たれる
    様に被写体搬送速度制御を行い、倍率検知手段の検知結
    果を被写体搬送制御に反映しないときは、投影倍率によ
    らず被写体が最も早く搬送され、かつ被写体搬送速度設
    定値と被写体搬送速度との関係が一定になる様に被写体
    搬送速度制御を行うことを特徴とする請求項1記載の被
    写体搬送機付き画像読み取り装置。
  3. 【請求項3】 倍率検知手段の検知結果を被写体搬送速
    度制御に反映するために、速度伝達率可変手段を使用す
    ることを特徴とする請求項2記載の被写体搬送機付き画
    像読み取り装置。
  4. 【請求項4】 倍率検知手段の検知結果を被写体搬送速
    度制御に反映するために、被写体を搬送するための駆動
    手段に対する駆動信号のレベルを変更することを特徴と
    する請求項2記載の被写体搬送機付き画像読み取り装
    置。
  5. 【請求項5】 駆動手段がステッピングモータのとき
    に、単位時間あたりのパターン数を変えることにより被
    写体搬送速度を制御することを特徴とする請求項4記載
    の被写体搬送機付き画像読み取り装置。
  6. 【請求項6】 駆動手段が印加される電圧値或いは電流
    値に応じて回転数が変化する電動機のときに、駆動手段
    に印加する電圧値或いは電流値を変えることで被写体搬
    送速度を制御することを特徴とする請求項4記載の被写
    体搬送機付き画像読み取り装置。
  7. 【請求項7】 駆動手段が印加される駆動信号の周波数
    に応じて回転数を変化する電動機のときに、駆動手段に
    印加する駆動信号の周波数を変えることで被写体搬送速
    度を制御することを特徴とする請求項4記載の被写体搬
    送機付き画像読み取り装置。
  8. 【請求項8】 被写体搬送機の駆動手段がステッピング
    モータのとき、倍率検知手段の検知結果を被写体搬送速
    度制御に反映するために、駆動手段の励磁方式を変更す
    ることを特徴とする請求項2記載の被写体搬送機付き画
    像読み取り装置。
  9. 【請求項9】 倍率検知手段の検知結果を被写体搬送速
    度制御に反映するために、特性の異なる複数の被写体搬
    送用駆動手段と該駆動手段を選択使用する選択手段を有
    し、前記検知結果に応じて使用する駆動手段を該選択手
    段が選択することで、被写体の搬送速度を変更すること
    を特徴とする請求項2記載の被写体搬送機付き画像読み
    取り装置。
  10. 【請求項10】 倍率検知手段の検知結果を被写体搬送
    速度制御に反映するために、演算手段内で該検知結果に
    応じて被写体搬送速度設定値を変換し、被写体搬送機制
    御手段に伝える構成を用いて、該検知結果に応じて被写
    体の搬送速度を変更することを特徴とする請求項2記載
    の被写体搬送機付き画像読み取り装置。
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