JP3234386B2 - 新規芳香族ポリカーボネート樹脂 - Google Patents
新規芳香族ポリカーボネート樹脂Info
- Publication number
- JP3234386B2 JP3234386B2 JP34559893A JP34559893A JP3234386B2 JP 3234386 B2 JP3234386 B2 JP 3234386B2 JP 34559893 A JP34559893 A JP 34559893A JP 34559893 A JP34559893 A JP 34559893A JP 3234386 B2 JP3234386 B2 JP 3234386B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydroxyphenyl
- bis
- aromatic polycarbonate
- polycarbonate resin
- nitrophenyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
ボネート樹脂に関する。更に詳しくは、高い耐熱性と良
好な光学特性を有し且つ金属密着性に優れた新規な芳香
族ポリカーボネート樹脂に関する。
樹脂としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(通称ビスフェノールA)にホスゲンやジ
フェニルカーボネート等のカーボネート前駆物質を反応
させて得られるものが知られている。かかるビスフェノ
ールAからのポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、
寸法精度等多くの優れた性質を有することから多くの分
野に用いられている。しかしながら、近年軽薄短少化を
反映してより過酷な条件での使用が増え、光線透過率等
光学特性に加えて更に高い耐熱性が求められている。ま
た、近年樹脂にアルミニウム等の金属を蒸着する用途が
増え、その密着性が問題になっている。ビスフェノール
Aからのポリカーボネート樹脂よりも耐熱性の優れた芳
香族ポリカーボネート樹脂を提供するために、ビスフェ
ノールAよりも更に剛直な二価フェノールを使用する種
々の芳香族ポリカーボネート樹脂が提案されているが、
未だ満足できるものはなく、優れた光学特性や耐熱性を
有し且つ優れた金属密着性を有する新しい素材の開発が
望まれている。
パネル、 OPCバインダー、光カード、光ディスク、各種
蒸着フィルム、蒸着プラスチック反射鏡、レンズ等に有
用な耐熱性や光学特性に優れ且つ金属密着性の優れた芳
香族ポリカーボネート樹脂を提供するにある。
新規な芳香族ポリカーボネートについて鋭意研究を重ね
た結果、ニトロ基を有する特定の構造の二価フェノール
類とカーボネート前駆物質とを反応させることによっ
て、従来の芳香族ポリカーボネート樹脂の優れた透明性
を保持しつつ耐熱性と金属密着性が著しく向上した芳香
族ポリカーボネート樹脂が得られることを見出した。本
発明はこの知見に基づいて完成したものである。
[1]
5の炭化水素基を表し、R1 、R2 及びR3 は夫々独立
して炭素原子数1〜5の炭化水素基又はハロゲン原子を
表し、m、n及びpは夫々独立して0〜4の整数を表
す。]で表されるニトロ基を有する構造単位を主たる構
造単位とする新規芳香族ポリカーボネート樹脂に係るも
のである。
は、下記一般式[2]
5の炭化水素基を表し、R1 、R2 及びR3 は夫々独立
して炭素原子数1〜5の炭化水素基又はハロゲン原子を
表し、m、n及びpは夫々独立して0〜4の整数を表
す。]で表されるニトロ基を有する二価フェノールとカ
ーボネート前駆物質とを反応させて製造される。ここで
使用するニトロ基を有する二価フェノールの好ましい具
体例としては1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−(2−ニトロフェニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ニトロフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−(4−ニトロフェニル)エタン、1,1−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−
ニトロフェニル)エタン、1,1−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ニトロフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−1−(4−ニトロフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−
ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−(3−ニトロフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−
ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−ニトロフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−1−(3−ニトロフェニル)メタン、
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
−1−(4−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−
ニトロフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ニトロフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)−1−(4−ニトロフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−
ニトロフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−(3−ニトロフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−
(4−ニトロフェニル)プロパン等が挙げられる。ま
た、カーボネート前駆物質としては例えばホスゲン、ジ
フェニルカーボネート、上記二価フェノール類のビスク
ロロホーメート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニ
ル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニル
カーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられ、
なかでもホスゲンとジフェニルカーボネートが好まし
い。
する二価フェノールとカーボネート前駆物質の反応とし
ては、従来の芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する際
に用いる反応、例えば二価フェノールとホスゲンとの反
応、又は二価フェノールとビスアリールカーボネートと
のエステル交換反応が好ましく用いられる。
常酸結合剤及び溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤と
しては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のア
ルカリ金属水酸化物、ピリジン等が用いられる。溶媒と
しては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例
えば第三級アミン、第四級アンモニウム塩等の触媒を用
いることができ、分子量調節剤として例えばフェノー
ル、 p−tert−ブチルフェノール等の末端停止剤を用い
ることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時
間は数分〜5時間であり、反応中の pH は通常10以上
に保つのが好ましい。
に二価フェノールとビスアリールカーボネートを混合
し、通常減圧下120〜350℃で反応させる。減圧度
は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成
するフェノール類を系外に留去させる。反応時間は通常
1〜4時間程度である。また、必要に応じて分子量調節
剤や酸化防止剤を加えてもよい。
する二価フェノールとカーボネート前駆物質を反応させ
て本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する際
に、得られる芳香族ポリカーボネート樹脂の要求特性が
損なわれない範囲、通常20モル%未満の量で他の二価
フェノールを用いることができる。ここで使用する他の
二価フェノールとしては、下記一般式[3]
原子数1〜5の炭化水素基又はハロゲン原子を表し、q
及びrは0〜4の整数を表し、Wは単結合又は炭素数1
〜12の直鎖状、枝分かれ状若しくは環状の炭化水素基
であってベンゼン環を含んでいてもよい基を表す。]で
表される二価フェノールが好ましい。かかる二価フェノ
ールの具体例としてはハイドロキノン、レゾルシン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、ビスフェノ−ルA、2,
2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
キシド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
オキシド等が挙げられ、なかでもビスフェノ−ルAが好
ましく使用される。また、少量の三官能化合物を分岐剤
として使用することもでき、一部をジカルボン酸で置換
えることもできる。
ート樹脂は成形品や他の芳香族ポリカーボネート樹脂の
耐熱性や金属密着性改善のための改質剤として有用であ
り、溶媒として塩化メチレンを使用して0.7 g/10
0ml濃度で測定した溶液の比粘度が0.165以上のも
のは成形品や改質剤として好ましい。0.165未満の
ものは脆くて成形品としては実用性がないが、改質剤と
しては好ましく使用される。
成形するには例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形
法、溶液キャスティング法等任意の方法で成形すること
ができるが、特にキャスティング法が好ましい。
脂には、必要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、光安定
剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤等の添加剤を加
えることができる。
る。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重量%であ
り、比粘度は塩化メチレンを溶媒として0.7 g/10
0mlの濃度で測定し、ガラス転移温度はデュポンDSC 9
10にて測定した。また、金属密着性はJIS H 4001
に準じた碁盤目試験によって測定した。
付き反応器にイオン交換水313部及び48%水酸化ナ
トリウム水溶液40.1部を入れ、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1−(4−ニトロフェニル)エ
タン54.2部及びハイドロサルファイト0.07部を
溶解した後、塩化メチレン166部を加えて撹拌下15
〜20℃でホスゲン20.8部を45分を要して吹込ん
だ。ホスゲン吹込み終了後、 p−tert−ブチルフェノー
ル0.29部を添加し、48%水酸化ナトリウム水溶液
7.2部を加えて乳化した後、トリエチルアミン0.0
8部を添加して28〜33℃で約2時間撹拌して反応を
終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して
水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイ
オン交換水と殆ど同じになったところで塩化メチレンを
蒸発して無色のポリマー57部を得た(収率98%)。
ス転移温度が228℃であった。このポリマーの塩化メ
チレン溶液からの0.2mm厚みのキャスティングフィル
ムの全光線透過率は92%、屈折率は1.625であっ
た。また、このフィルムに2×10-5Torrの真空度で約
1000オングストロームのアルミニウム層を真空蒸着
し、更に紫外線硬化樹脂からなる保護膜を形成させた後
アルミニウム密着性試験したところ100/100と全
く剥離しなかった。
シフェニル)−1−(4−ニトロフェニル)エタン5
4.2部の代わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−(4−ニトロフェニル)エタン46.1部
及びビスフェノールA5.5部を使用する以外は実施例
1と同様にしてポリマー54.1部(収率97%)を得
た。このポリマーの比粘度は0.604、ガラス転移温
度は218℃であった。また実施例1と同様にして評価
した全光線透過率は91%、屈折率は1.620、アル
ミニウム密着性試験は100/100と全く剥離しなか
った。
シフェニル)−1−(4−ニトロフェニル)エタン5
4.2部の代わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−(3−ニトロフェニル)エタン54.2部
を使用する以外は実施例1と同様にしてポリマー54.
6部(収率98%)を得た。このポリマーの比粘度は
0.591、ガラス転移温度は217℃であった。また
実施例1と同様にして評価した全光線透過率は91%、
屈折率は1.624、アルミニウム密着性試験は100
/100と全く剥離しなかった。
から常法によって得た比粘度0.561の芳香族ポリカ
ーボネート樹脂のガラス転移温度は150℃、屈折率は
1.585、アルミニウム密着性試験は5/100であ
った。
透明性、耐熱性、光学特性及び金属密着性に優れてお
り、液晶パネル、 OPCバインダー、光カード、光ディス
ク、各種蒸着フィルム、蒸着プラスチック反射鏡、レン
ズ等に極めて有用であり、その奏する効果は格別なもの
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式[1] 【化1】 [式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5の炭化水素
基を表し、R1 、R2 及びR3 は夫々独立して炭素原子
数1〜5の炭化水素基又はハロゲン原子を表し、m、n
及びpは夫々独立して0〜4の整数を表す。]で表され
るニトロ基を有する構造単位を主たる構造単位とする新
規芳香族ポリカーボネート樹脂。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34559893A JP3234386B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 新規芳香族ポリカーボネート樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34559893A JP3234386B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 新規芳香族ポリカーボネート樹脂 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07179591A JPH07179591A (ja) | 1995-07-18 |
JP3234386B2 true JP3234386B2 (ja) | 2001-12-04 |
Family
ID=18377679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34559893A Expired - Fee Related JP3234386B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 新規芳香族ポリカーボネート樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3234386B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-22 JP JP34559893A patent/JP3234386B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07179591A (ja) | 1995-07-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3157316B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネート共重合体 | |
JP3187142B2 (ja) | 高屈折率低複屈折性ポリカーボネート樹脂 | |
JP2774229B2 (ja) | 光学用成形品 | |
JPH0827370A (ja) | 芳香族ポリカーボネート組成物 | |
JPH0662752B2 (ja) | 光情報材料 | |
JPH1087800A (ja) | ポリエステルカーボネート樹脂 | |
JP3234386B2 (ja) | 新規芳香族ポリカーボネート樹脂 | |
JP2001253960A (ja) | 高屈折率低複屈折性ポリカーボネート樹脂から形成された位相差フィルム用フィルムおよびその利用 | |
TW201934606A (zh) | 共聚碳酸酯及其製備方法 | |
JPH06248063A (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂の改質法 | |
JP2003040995A (ja) | 新規ポリカーボネート樹脂とその製造方法 | |
JPH07179594A (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂の改質法 | |
JP2558285B2 (ja) | 光学材料 | |
JP2002030140A (ja) | ポリカーボネート樹脂及びその製造方法 | |
JP2003212986A (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂とその製造法 | |
JPH0625399A (ja) | 光カード用基材 | |
JPH07258399A (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂 | |
JPH0578467A (ja) | 新規芳香族ポリカーボネート樹脂 | |
JPH0593057A (ja) | 芳香族ポリカーボネート共重合体 | |
JPH06228296A (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂の改質法 | |
JP2603647B2 (ja) | ポリカーボネート系樹脂組成物 | |
JP4071145B2 (ja) | ポリカーボネート共重合体及びその製造方法 | |
JPH07102166A (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH0665362A (ja) | ランプカバー | |
JPH08253574A (ja) | 芳香族ポリカーボネート共重合体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080921 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080921 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090921 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090921 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |