JP2603647B2 - ポリカーボネート系樹脂組成物 - Google Patents
ポリカーボネート系樹脂組成物Info
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- JP2603647B2 JP2603647B2 JP62200029A JP20002987A JP2603647B2 JP 2603647 B2 JP2603647 B2 JP 2603647B2 JP 62200029 A JP62200029 A JP 62200029A JP 20002987 A JP20002987 A JP 20002987A JP 2603647 B2 JP2603647 B2 JP 2603647B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規なポリカーボネート系樹脂組成物に関す
るものである。さらに詳しくいえば、本発明は、例えば
レンズ、プリズム、オーディオディスク、光メモリーデ
ィスク、光ファイバーなどの光学素子用材料として好適
な、透明性、耐熱性、機械的強度、耐湿性などに優れる
上に、光弾性係数が小さく、成形時における複屈折の発
生を低く押えることのできるポリカーボネート系樹脂組
成物に関するものである。
るものである。さらに詳しくいえば、本発明は、例えば
レンズ、プリズム、オーディオディスク、光メモリーデ
ィスク、光ファイバーなどの光学素子用材料として好適
な、透明性、耐熱性、機械的強度、耐湿性などに優れる
上に、光弾性係数が小さく、成形時における複屈折の発
生を低く押えることのできるポリカーボネート系樹脂組
成物に関するものである。
[従来の技術] 従来、ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、機械
的強度などに優れていることから、エンジニアリングプ
ラスチックスとして多くの分野において幅広く用いられ
ており、また、近年、これらの性質を利用して、例えば
レンズ、プリズム、オーディオディスク、光メモリディ
スク、光ファイバーなどの光学素子用の材料として用い
られるようになってきた。
的強度などに優れていることから、エンジニアリングプ
ラスチックスとして多くの分野において幅広く用いられ
ており、また、近年、これらの性質を利用して、例えば
レンズ、プリズム、オーディオディスク、光メモリディ
スク、光ファイバーなどの光学素子用の材料として用い
られるようになってきた。
ところで、光学材料には、優れた光学特性が要求さ
れ、このため、従来は、アクリル系樹脂、特にポリメチ
ルメタクリレート樹脂が主として用いられてきた。しか
しながら、このアクリル系樹脂においては、耐熱性が必
ずしも十分ではない上に、耐湿性に劣り、そのため、こ
のものを素材とする光学材料は、保存時に吸湿による機
械低下を免れず、さらに、耐熱性が要求される用途には
使用が困難であるなどの欠点を有していた。
れ、このため、従来は、アクリル系樹脂、特にポリメチ
ルメタクリレート樹脂が主として用いられてきた。しか
しながら、このアクリル系樹脂においては、耐熱性が必
ずしも十分ではない上に、耐湿性に劣り、そのため、こ
のものを素材とする光学材料は、保存時に吸湿による機
械低下を免れず、さらに、耐熱性が要求される用途には
使用が困難であるなどの欠点を有していた。
他方、ポリカーボネートは耐熱性や耐湿性に優れ、か
つ良好な透明性を有するので、最近これが光学材料とし
て着目されるようになった。しかしながら、従来のポリ
カーボネート樹脂は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(通称ビスフェノールA)を出発原料と
するものであって、射出成形や圧縮成形などの成形加工
時に、分子鎖の配向や残留応力によって光学的異方性が
生じやすく、これに起因して複屈折が発生しやすいとい
う欠点を有している。したがって、精密度が要求される
光学材料として用いる場合に、用途の制限を免れない。
例えば、レーザービームを利用した光による情報の読み
取りや書き込みなどに用いられる光ディスクにおいて
は、コンピュータなどのメモリーとしては使用できず、
オーディオ用のいわゆるコンパクトディスクとして使用
されている。したがって、透明性、耐熱性、耐湿性、機
械的強度などに優れる上に、成形加工時などにおいて複
屈折の発生を低く押えることのできる光学材料の開発が
強く望まれていた。
つ良好な透明性を有するので、最近これが光学材料とし
て着目されるようになった。しかしながら、従来のポリ
カーボネート樹脂は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(通称ビスフェノールA)を出発原料と
するものであって、射出成形や圧縮成形などの成形加工
時に、分子鎖の配向や残留応力によって光学的異方性が
生じやすく、これに起因して複屈折が発生しやすいとい
う欠点を有している。したがって、精密度が要求される
光学材料として用いる場合に、用途の制限を免れない。
例えば、レーザービームを利用した光による情報の読み
取りや書き込みなどに用いられる光ディスクにおいて
は、コンピュータなどのメモリーとしては使用できず、
オーディオ用のいわゆるコンパクトディスクとして使用
されている。したがって、透明性、耐熱性、耐湿性、機
械的強度などに優れる上に、成形加工時などにおいて複
屈折の発生を低く押えることのできる光学材料の開発が
強く望まれていた。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、このような要望にこたえ、ポリカーボネー
ト樹脂が本体有する透明性、耐熱性、耐湿性、機械的強
度などをそこなわずに、成形加工時などにおける複屈折
の発生を低く押さえうる、光弾性係数の小さなポリカー
ボネート系樹脂組成物を提供することを目的としてなさ
れたものである。
ト樹脂が本体有する透明性、耐熱性、耐湿性、機械的強
度などをそこなわずに、成形加工時などにおける複屈折
の発生を低く押さえうる、光弾性係数の小さなポリカー
ボネート系樹脂組成物を提供することを目的としてなさ
れたものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、前記の優れた特徴を有するポリカーボ
ネート系樹脂組成物を開発するために鋭意研究を重ねた
結果、特定の構造を有する2種類のポリカーボネートを
混合することにより、その目的を達成しうることを見い
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
ネート系樹脂組成物を開発するために鋭意研究を重ねた
結果、特定の構造を有する2種類のポリカーボネートを
混合することにより、その目的を達成しうることを見い
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)一般式 (式中のXはアリール基で置換されていてもよい直鎖状
又は枝分れ状アルキレン基、シクロアルキレン基、−O
−、−S−、−SO−又は−SO2−、R1とR2はハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基、lとm
は0又は1〜3の整数であって、2個以上のR1又は2個
以上のR2を含む場合これらは同一でもまた異なっていて
もよい) で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート5〜
95重量%と、(B)一般式 (式中のX′はアリール基で置換されていてもよい直鎖
状又は枝分れ状アルキレン基、シクロアルキレン基、−
O−、−S−、−SO−又は−SO2−、R3とR4はハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基、l′
とm′は0又は1〜4の整数であって、2個以上のR3又
は2個以上のR4を含む場合これらは同一でもまた異なっ
ていてもよい) で表わされる繰り返し単位を有するポリカーボネート95
〜5重量%とを含有して成るポリカーボネート系樹脂組
成物を提供するものである。
又は枝分れ状アルキレン基、シクロアルキレン基、−O
−、−S−、−SO−又は−SO2−、R1とR2はハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基、lとm
は0又は1〜3の整数であって、2個以上のR1又は2個
以上のR2を含む場合これらは同一でもまた異なっていて
もよい) で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート5〜
95重量%と、(B)一般式 (式中のX′はアリール基で置換されていてもよい直鎖
状又は枝分れ状アルキレン基、シクロアルキレン基、−
O−、−S−、−SO−又は−SO2−、R3とR4はハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基、l′
とm′は0又は1〜4の整数であって、2個以上のR3又
は2個以上のR4を含む場合これらは同一でもまた異なっ
ていてもよい) で表わされる繰り返し単位を有するポリカーボネート95
〜5重量%とを含有して成るポリカーボネート系樹脂組
成物を提供するものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明組成物に用いられる(A)成分、すなわち前記
一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカー
ボネートは、一般式 (式中の′X、R1、R2、l及びmは前記と同じ意味をも
つ) で表わされるビスフェノール類を原料として製造するこ
とができる。このビスフェノール類としては、入手の容
易さなどの点から、通常前記一般式(III)における(R
1)lと(R2)mが同一であるものが用いられる。
一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカー
ボネートは、一般式 (式中の′X、R1、R2、l及びmは前記と同じ意味をも
つ) で表わされるビスフェノール類を原料として製造するこ
とができる。このビスフェノール類としては、入手の容
易さなどの点から、通常前記一般式(III)における(R
1)lと(R2)mが同一であるものが用いられる。
前記一般式(III)で表わされるビスフェノール類の
代表例としては、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−シ
クロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘ
キシルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジメチル
−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)プロパン、1−フェニル−
1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシルフ
ェニル)エタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4
−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、3,3
−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、1,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−シクロ
ヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒド
ロキシ−6−クロロフェニル)プロパン、ビス(3−シ
クロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロ
キシフェニル)チオエーテルなどが挙げられる。一方
(B)成分、すなわち、前記一般式(II)で表わされる
繰り返し単位を有するポリカーボネートは、一般式 (式中のX′、R3、R4、l′及びm′は前記と同じ意味
をもつ) で表わされるビスフェノール類を挙げることができる。
このビスフェノール類としては、入手の容易さなどの点
から、通常前記一般式(IV)における(R3)l′と
(R4)m′が同一であるものを用いるのが有利である。
代表例としては、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−シ
クロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘ
キシルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジメチル
−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)プロパン、1−フェニル−
1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシルフ
ェニル)エタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4
−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、3,3
−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、1,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−シクロ
ヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒド
ロキシ−6−クロロフェニル)プロパン、ビス(3−シ
クロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロ
キシフェニル)チオエーテルなどが挙げられる。一方
(B)成分、すなわち、前記一般式(II)で表わされる
繰り返し単位を有するポリカーボネートは、一般式 (式中のX′、R3、R4、l′及びm′は前記と同じ意味
をもつ) で表わされるビスフェノール類を挙げることができる。
このビスフェノール類としては、入手の容易さなどの点
から、通常前記一般式(IV)における(R3)l′と
(R4)m′が同一であるものを用いるのが有利である。
前記一般式(IV)で表されるビスフェノール類の代表
例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1−フェニル−1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタ
ン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2
−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル,4.4′−ジヒド
ロキシビフェニルなどが挙げられる。
例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1−フェニル−1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタ
ン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2
−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル,4.4′−ジヒド
ロキシビフェニルなどが挙げられる。
前記ビスフェノール類を用いてポリカーボネートを製
造する方法については特に制限はなく、従来公知の方
法、例えばビスフェノール類とホスゲンとの界面重縮合
法、ビスフェノール類と、例えばジフェニルカーボネー
ト、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリ
ルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネートなどのジアリールカーボネ
ートとのエステル交換反応による方法、ビスフェノール
類と、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートな
どのジアルキルカーボネートとのエステル交換反応によ
る方法、ビスフェノール類の脂肪酸エステルと前記ジア
ルキルカーボネートとのエステル交換反応による方法、
ビスフェノール類をパラジウムなどの貴金属触媒の存在
下、一酸化炭素及び塩素と反応させてポリカーボネート
を製造する直接法などいずれの方法も用いることができ
る。
造する方法については特に制限はなく、従来公知の方
法、例えばビスフェノール類とホスゲンとの界面重縮合
法、ビスフェノール類と、例えばジフェニルカーボネー
ト、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリ
ルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネートなどのジアリールカーボネ
ートとのエステル交換反応による方法、ビスフェノール
類と、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートな
どのジアルキルカーボネートとのエステル交換反応によ
る方法、ビスフェノール類の脂肪酸エステルと前記ジア
ルキルカーボネートとのエステル交換反応による方法、
ビスフェノール類をパラジウムなどの貴金属触媒の存在
下、一酸化炭素及び塩素と反応させてポリカーボネート
を製造する直接法などいずれの方法も用いることができ
る。
次に、本発明組成物に用いられるポリカーボネートの
好適な製造方法について、ホスゲンを用いる界面重縮合
法を例に挙げて説明すると、まず適当な溶媒、例えば塩
化メチレン、クロロベンゼン、キシレンなどの中に、所
要量のビスフェノール類、酸結合剤、触媒及び末端停止
剤などを添加し、これに、ホスゲンガスを吹き込み、縮
合させることにより、ポリカーボネートが得られる。
好適な製造方法について、ホスゲンを用いる界面重縮合
法を例に挙げて説明すると、まず適当な溶媒、例えば塩
化メチレン、クロロベンゼン、キシレンなどの中に、所
要量のビスフェノール類、酸結合剤、触媒及び末端停止
剤などを添加し、これに、ホスゲンガスを吹き込み、縮
合させることにより、ポリカーボネートが得られる。
この反応においては、通常0〜40℃の範囲の温度で反
応が行われる。ホズゲンガスを吹き込むに従って、溶媒
中にまず−OCOClのような末端基を有するオリゴマーが
生成し、このものは、さらに酸結合剤と接触して、高分
子量のポリカーボネートとなる。
応が行われる。ホズゲンガスを吹き込むに従って、溶媒
中にまず−OCOClのような末端基を有するオリゴマーが
生成し、このものは、さらに酸結合剤と接触して、高分
子量のポリカーボネートとなる。
この際使用する酸結合剤としては、例えば水酸化ナト
リウムや水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化
物、ピリジンのような有機塩基などが挙げられる。また
は、触媒は、縮重合反応を促進するために所望に応じて
添加され、例えばトリエチルアミンのような第三級アミ
ンや、第四級アンモニウム塩などが用いられる。さら
に、末端停止剤は分子量を調節するために用いられ、こ
のようなものとしては、例えばp−t−ブチルフェノー
ル、フェニルフェノールなどが挙げられる。
リウムや水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化
物、ピリジンのような有機塩基などが挙げられる。また
は、触媒は、縮重合反応を促進するために所望に応じて
添加され、例えばトリエチルアミンのような第三級アミ
ンや、第四級アンモニウム塩などが用いられる。さら
に、末端停止剤は分子量を調節するために用いられ、こ
のようなものとしては、例えばp−t−ブチルフェノー
ル、フェニルフェノールなどが挙げられる。
本発明の組成物に用いられるポリカーボネートの分子
量については、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度
溶液の温度20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.2dl/g
以上のものが好ましい。この還元粘度が0.2dl/g未満の
ものでは、機械的強度が不十分であり、好ましくない。
量については、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度
溶液の温度20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.2dl/g
以上のものが好ましい。この還元粘度が0.2dl/g未満の
ものでは、機械的強度が不十分であり、好ましくない。
本発明組成物における(A)成分のポリカーボネート
と、(B)成分のポリカーボネートとの配合割合につい
ては、(A)成分が5〜95重量%、好ましくは50〜90重
量%、(B)成分が95〜5重量%、好ましくは50〜10重
量%になるような割合で配合することが必要である。こ
の配合割合が前記範囲を逸脱すると本発明の目的を十分
に達成することができない。
と、(B)成分のポリカーボネートとの配合割合につい
ては、(A)成分が5〜95重量%、好ましくは50〜90重
量%、(B)成分が95〜5重量%、好ましくは50〜10重
量%になるような割合で配合することが必要である。こ
の配合割合が前記範囲を逸脱すると本発明の目的を十分
に達成することができない。
また、該(A)成分のポリカーボネートは、前記一般
式(I)で表される繰り返し単位のみを有するホモポリ
マーであってもよいし、一般式(I)で表される繰り返
し単位と、一般式(II)で表される繰り返し単位とを有
するコポリマーであってもよい。
式(I)で表される繰り返し単位のみを有するホモポリ
マーであってもよいし、一般式(I)で表される繰り返
し単位と、一般式(II)で表される繰り返し単位とを有
するコポリマーであってもよい。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物を成形する方
法については特に制限はなく、従来ポリカーボネートの
成形に慣用されている方法、例えば射出成形法、圧縮成
形法、あるいは射出成形と圧縮成形の折衷法であるロー
リンクス法やマイクロモールディング法などの中から任
意の方法を選択して用いることができる。
法については特に制限はなく、従来ポリカーボネートの
成形に慣用されている方法、例えば射出成形法、圧縮成
形法、あるいは射出成形と圧縮成形の折衷法であるロー
リンクス法やマイクロモールディング法などの中から任
意の方法を選択して用いることができる。
これらの成形法の中で、通常のポリカーボネートの成
形の際に生じる複屈折の程度が比較的大きい成形法ほ
ど、本発明の効果は大きく、例えば射出成形法が最も有
利である。
形の際に生じる複屈折の程度が比較的大きい成形法ほ
ど、本発明の効果は大きく、例えば射出成形法が最も有
利である。
さらに、流動性の悪いポリカーボネート系樹脂組成物
を成形する場合には、例えば架橋性モノマーを少量添加
して流動性を向上させた状態で成形したのち、これにγ
線、電子線、X線、紫外線などを照射して、架橋硬化さ
せる方法を用いることができる。
を成形する場合には、例えば架橋性モノマーを少量添加
して流動性を向上させた状態で成形したのち、これにγ
線、電子線、X線、紫外線などを照射して、架橋硬化さ
せる方法を用いることができる。
本発明組成物を成形して得られる光学用素子として
は、例えば、スチールカメラ用、ビデオカメラ用、望遠
鏡用、眼鏡用、コンタクトレンズ用、太陽光集光用など
のいわゆるレンズ類、ペンタプリズムなどのプリズム
類、凹面鏡、ポリゴンなどの鏡類、オプティカルファイ
バー、光導波路などの光導性素子類、ビデオディスク、
オーディオディスク、メモリ−ディスクなどのディスク
類など、光を透過又は反射することによって機能を発揮
しうる素子を挙げることができる。
は、例えば、スチールカメラ用、ビデオカメラ用、望遠
鏡用、眼鏡用、コンタクトレンズ用、太陽光集光用など
のいわゆるレンズ類、ペンタプリズムなどのプリズム
類、凹面鏡、ポリゴンなどの鏡類、オプティカルファイ
バー、光導波路などの光導性素子類、ビデオディスク、
オーディオディスク、メモリ−ディスクなどのディスク
類など、光を透過又は反射することによって機能を発揮
しうる素子を挙げることができる。
また、本発明組成物は、前記の光学用素子材料以外に
機械や電子材料などとしても好適である。
機械や電子材料などとしても好適である。
[発明の効果] 本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、透明性、
耐熱性、機械的強度、耐湿性などに優れる上に、光弾性
係数が小さくて、成形時における複屈折の発生を低く押
さえることができるなど、優れた特徴を有し、特に各種
光学機器用素子に好適に用いられる。
耐熱性、機械的強度、耐湿性などに優れる上に、光弾性
係数が小さくて、成形時における複屈折の発生を低く押
さえることができるなど、優れた特徴を有し、特に各種
光学機器用素子に好適に用いられる。
[実施例] 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
なお、各例中の還元粘度は、塩化メチレンを溶媒とす
る0.5g/dl濃度溶液の20℃における値を求めた。
る0.5g/dl濃度溶液の20℃における値を求めた。
製造例1 モノマーとして、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパンを用い、この100g
(0.255モル)と8重量%NaOH水溶液550mlと塩化メチレ
ン400mlと分子量調節剤としてのp−t−ブチルフェノ
ール1gと触媒としてのトリエチルアミンの10重量%水溶
液3mlとを、じゃま板付反応器に仕込み、激しくかきま
ぜながら、これにホスゲンガスを10分間10℃で吹き込ん
で縮重合を行った。
4−ヒドロキシフェニル)プロパンを用い、この100g
(0.255モル)と8重量%NaOH水溶液550mlと塩化メチレ
ン400mlと分子量調節剤としてのp−t−ブチルフェノ
ール1gと触媒としてのトリエチルアミンの10重量%水溶
液3mlとを、じゃま板付反応器に仕込み、激しくかきま
ぜながら、これにホスゲンガスを10分間10℃で吹き込ん
で縮重合を行った。
次いで、反応混合物を塩化メチレン1で希釈したの
ち、水1、0.01規定NaOH水溶液500ml、水500ml、0.01
規定HCl水溶液500ml、水500mlの順で洗浄した。得られ
た重合体の塩化メチレン溶液をメタノール3中に注
ぎ、再沈精製して白色粉末状の高分子量ポリカーボネー
トを得た。
ち、水1、0.01規定NaOH水溶液500ml、水500ml、0.01
規定HCl水溶液500ml、水500mlの順で洗浄した。得られ
た重合体の塩化メチレン溶液をメタノール3中に注
ぎ、再沈精製して白色粉末状の高分子量ポリカーボネー
トを得た。
このポリカーボネートの還元粘度は0.48dl/g、ガラス
転移温度Tgは131℃であった。
転移温度Tgは131℃であった。
製造例2〜17 第1表に示す量のモノマーを用いた以外は、製造例1
と同様にしてポリカーボネートを製造し、その還元粘度
及びガラス転移温度を求めた。その結果を第1表に示
す。
と同様にしてポリカーボネートを製造し、その還元粘度
及びガラス転移温度を求めた。その結果を第1表に示
す。
実施例1〜16 製造例1〜17で得られたポリマーを定量の塩化メチレ
ンに溶解して得られた溶液2種を混合してポリカーボネ
ート系樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物の光弾性
係数を測定し、その結果を第2表に示した。
ンに溶解して得られた溶液2種を混合してポリカーボネ
ート系樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物の光弾性
係数を測定し、その結果を第2表に示した。
比較例1〜3 製造例で得られたポリカーボネート単独の光弾性係数
を求め、その結果を第2表に示した。
を求め、その結果を第2表に示した。
Claims (1)
- 【請求項1】(A)一般式 (式中のXはアリール基で置換されていてもよい直鎖状
又は枝分れ状アルキレン基、シクロアルキレン基、−O
−、−S−、−SO−又は−SO2−、R1及びR2はハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基、lと
mは0又は1〜3の整数であって、2個以上のR1又は2
個以上のR2を含む場合これらは同一でもまた異なってい
てもよい) で表わされる繰り返し単位を有するポリカーボネート5
〜95重量%と、 (B)一般式 (式中のX′はアリール基で置換されていてもよい直鎖
状又は枝分れ状アルキレン基、シクロアルキレン基、−
O−、−S−、−SO−又は−SO2−、R3及びR4はハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基、
l′とm′は0又は1〜4の整数であって、2個以上の
R3又は2個以上のR4を含む場合これらは同一でもまた異
なっていてもよい) で表わされる繰り返し単位を有するポリカーボネート95
〜5重量%とを含有して成るポリカーボネート系樹脂組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62200029A JP2603647B2 (ja) | 1987-08-12 | 1987-08-12 | ポリカーボネート系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62200029A JP2603647B2 (ja) | 1987-08-12 | 1987-08-12 | ポリカーボネート系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6443559A JPS6443559A (en) | 1989-02-15 |
JP2603647B2 true JP2603647B2 (ja) | 1997-04-23 |
Family
ID=16417634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62200029A Expired - Fee Related JP2603647B2 (ja) | 1987-08-12 | 1987-08-12 | ポリカーボネート系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2603647B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3918406A1 (de) * | 1989-06-06 | 1990-12-13 | Bayer Ag | Verwendung von polycarbonatmischungen in der optik |
JP4220652B2 (ja) * | 2000-05-02 | 2009-02-04 | 山本光学株式会社 | サングラス、ゴーグルまたは矯正レンズの製造方法 |
JP3795727B2 (ja) * | 2000-05-02 | 2006-07-12 | 山本光学株式会社 | サングラス、ゴーグル、または矯正レンズの製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5653631A (en) * | 1979-10-08 | 1981-05-13 | Sumitomo Chem Co Ltd | Preparation of diphenol |
JPS6210160A (ja) * | 1985-07-08 | 1987-01-19 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 光学機器用素材 |
-
1987
- 1987-08-12 JP JP62200029A patent/JP2603647B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6443559A (en) | 1989-02-15 |
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