JP3225616B2 - プリント配線板およびプリント配線板の精度確認方法 - Google Patents

プリント配線板およびプリント配線板の精度確認方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラジオ、テレビやビデオ
テープレコーダなどに数多く使用されているプリント配
線板とプリント配線板の精度確認方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、プリント配線板は電子機器の小型
・軽量・多機能化や電子部品の自動表面実装化などに伴
い、高密度・高精度化などの厳しい要求がされている。
【0003】以下に従来のプリント配線板の精度確認方
法について説明する。
【0004】図5〜図7は従来のプリント配線板の精
度、特に導体パターンと部品実装基準穴および部品挿入
穴の相対位置精度の確認方法を示すものである。図5〜
図7において11は絶縁基板、12は導体パターン、1
3は基準穴または部品挿入穴、14はランド残り幅、1
5はランド切れ部である。
【0005】以上のように構成されたプリント配線板の
導体パターンと部品実装基準穴および部品挿入穴の相対
位置精度の確認方法について、以下に説明をする。
【0006】まず、紙基材フェノール樹脂積層板の片面
に銅はくをラミネートした銅張積層板の銅はく表面にス
クリーン印刷法などの手段を用いてエッチングレジスト
を形成し、塩化第2銅などの溶液を用いて露出した銅は
くをエッチングし、エッチングレジストを剥離し、図5
に示すように絶縁基板11上に導体パターン12を形成
する。
【0007】その後、ソルダレジストやロードマップ
(図示せず)などを周知の方法にて形成し、次いで図6
に示すように金型により外形および基準穴および部品挿
入穴13を加工し、導体パターン12の導通チェックを
へて、プリント配線板を得ている。導体パターン12と
基準穴および部品挿入穴13との相対位置関係は、ラン
ド残り幅14の測定などにより保証されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の方法では、導体パターン12形成用のエッチングレジ
スト形成に使用するスクリーン印刷版の画像の伸びなど
の歪の発生、プリント配線板製造工程における加熱や吸
湿などによる絶縁基板の収縮や伸びの発生や特に絶縁基
板材質が紙基材フェノール樹脂積層板の場合の外形、基
準穴や部品挿入穴13加工に際しての加熱による絶縁基
板11や導体パターン12の伸び、金型製作の精度や打
抜きに用いるプレス機の機械的精度などの導体パターン
12と基準穴および部品挿入穴13との相対位置関係の
精度を損なう要因が多く存在するので、プリント配線板
メーカーにおいては、歪の少ないスクリーン印刷版の採
用、印刷条件の設定、低温打抜き用絶縁材料の検討など
種々の工夫を行っているが、図7に示すようなランド切
れ部15が発生する危険性を常に有している。
【0009】これは、電子部品自動実装機における実装
の基準となるプリント配線板の基準穴13と導体パター
ン12の相対位置関係が悪化していることを示すもので
表面実装部品が正規の位置に装着されず、はんだ付け不
具合や電子機器の信頼性に多大の影響を及ぼし、またラ
ンド切れ部15ではリード付き電子部品のリード線には
んだがうまく回らず、はんだ付け不良となるなど、検査
・修正に多くの労力を要するものである。
【0010】このためプリント配線板メーカーでは、導
体パターン12と基準穴や部品挿入穴13の相対位置関
係の外観検査に神経をとがらせ、外形加工されたプリン
ト配線板は全数目視検査を実施、良否の判定をするとい
う多大の人員、費用、時間を費やさなければならないと
いう問題点を有していた。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、導体パターンと基準穴や部品挿入穴の相対位置関係
の検査を外観目視検査によらず、容易に電気的に検出す
プリント配線板とその精度確認方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のプリント配線板およびプリント配線板の精度
確認方法は、まず紙基材フェノール樹脂積層板を絶縁基
板として用い、前記絶縁基板上に導体パターンと、中心
部分のみ前記絶縁基板が露出した基準穴または部品挿入
穴用のランドと、U字状スリットを介して両端に接続さ
れる検査ランドからなる精度確認用のパターンを備えた
プリント配線板を提供するものである。
【0013】そして、そのプリント配線板を加熱する工
程、前記部品挿入穴用のランドと精度確認用のパターン
の略中心部と基準穴位置部分および外形を金型のポンチ
にて打ち抜き形成する工程、前記精度確認用のパターン
の検査ランドの導通を確認する工程を備えたプリント配
線板の精度確認方法を用いるものであり、前記金型のポ
ンチは、許容される導体パターンと基準穴および部品挿
入穴とのずれ量の2倍 の値より小さい寸法径のポンチで
あるという構成を有している。
【0014】
【作用】この構成によって、導体パターンと基準穴や部
品挿入穴との相対位置関係が許容されるずれ量より悪化
した場合において、U字状のスリットを有するランドが
加工される穴によりスリット部を含め除去され、ランド
に分割接続され両端に設けられた検査ランドにテスター
治具などによる電気導通チェックを施した際、導通不良
との判定をすることができる。
【0015】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。図1は本発明の第1の実施例におけ
るプリント配線板を示す図であり、図2、図3は本発明
の第1の実施例におけるプリント配線板の精度確認方法
を示すものである。
【0016】図1〜図3において21は紙基材フェノー
ル樹脂積層板を用いた絶縁基板、22は導体パターン、
23は基準穴または部品挿入穴、23bは中心部分の
み絶縁基板が露出した基準穴または部品挿入穴用のラン
ド、24はランド残り幅、25はランド切れ部、26は
制度確認用パターン、26aはU字状のスリット、26
bはランド、26cは検査ランド、27は検査穴、28
は欠落部分である。
【0017】以上のように構成されたプリント配線板の
精度確認方法について説明する。
【0018】まず、電子回路図よりプリント配線板用に
部品位置や外形寸法など必要な情報などから導体パター
ン22を作画する。同時に、図1に示すように導体パタ
ーン22と独立し、U字状のスリット26aを有するラ
ンド26bとそのスリット26aにより分割された両端
に接続される検査ランド26cからなる精度確認用パタ
ーン26をプリント配線板の、特に寸法精度の要求され
る半導体実装部分などに任意に作画する。さらに、プリ
ント配線板の最終工程部分で使用する外形および穴加工
用の金型には、精度確認用パターン26のU字状のスリ
ット26aを有するランド26bの位置の中心に径が許
容されるずれ量の2倍の値より小径の寸法のポンチを同
一位置に設けておき、また導通チェック用テスター治具
には精度確認用パターン26の検査ランド26cに対応
する位置にテストプローブを配設・準備しておく。
【0019】次に、紙基材フェノール樹脂積層板の片面
に銅はくをラミネートした銅張積層板の銅はく表面にス
クリーン印刷法などの手段を用いてエッチングレジスト
を形成し、塩化第2銅などの溶液を用いて露出した銅は
くをエッチングし、エッチングレジストを剥離し、図1
(a),(b)に示すように絶縁基板21上に導体パタ
ーン22、中心部分のみ絶縁基板が露出した基準穴また
は部品挿入穴用のランド23b、および精度確認用パタ
ーン26を形成する。その後、ソルダレジストやロード
マップなどを形成し、次いで図2(a),(b)に示す
ように金型により外形および基準穴や部品挿入穴23を
加工する。加工に際しては、絶縁基板21を加熱してお
く。この打ち抜き加工の際、許容される導体パターン2
2と基準穴や部品挿入穴23とのずれ量以上の加工精度
であった場合には、図3(a),(b)に示すように、
精度確認用パターン26のU字状スリット26aを有す
るランド26b部分には、ポンチで加工された検査穴2
7により、検査ランド26c間にランド26bの欠落部
分28が生じる。その後、精度確認用パターン26の検
査ランド26cに対応する位置にテストプローブを配設
した電気的導通チェック用テスター治具による導通チェ
ックを行うが、上記のようにずれ量が許容以上の場合、
導通チェック時に断線の判定となり、プリント配線板は
不良品として除外することができる。
【0020】なお、本実施例において、U字状スリット
26aを有するランド26bは円形、金型に設けるポン
チは円筒状のものを用いたが、ランド径とポンチ径の相
対寸法関係を保持すればランド26bは四角形、三角
形、その他の形状としてもよいことは言うまでもない。
また、検査ランド26cのどちらかの一端は、図4に示
すように他の導体パターン22と接続することにより省
略することも可能である。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明は、低温打抜き用絶
縁材料を用いることなく、紙基材フェノール樹脂積層板
を用いた絶縁基板上に導体パターンを形成すると同時
に、導体パターンと独立しU字状のスリットを有するラ
ンドとそのスリットにより分割された両端に接続される
検査ランドからなる精度確認用のパターンを形成し、金
型による外形および穴加工時に径が許容される導体パタ
ーンと基準穴や部品挿入穴とのずれ量の2倍の値より小
径の寸法のポンチによりU字状スリットを有するランド
に穴を形成することにより、導体パターンと基準穴や部
品挿入穴の相対位置関係の検査を外観目視検査によら
ず、容易に電気的に検出することができる優れたプリン
ト配線板の精度確認方法を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は本発明の一実施例における
リント配線板を示す図
【図2】(a),(b)は同じく穴加工後の精度確認方
法を示す平面図
【図3】(a),(b)は同じく精度確認方法を示す平
面図
【図4】本発明の他の実施例による精度確認用パターン
を示す平面図
【図5】従来のプリント配線板の精度確認方法を示す平
面図
【図6】同じく穴加工後の状態を示す平面図
【図7】同じくランド切れの状態を示す平面図
【符号の説明】
21 絶縁基板 22 導体パターン 23 基準穴または部品挿入穴23b 基準穴または部品挿入穴用のランド 26 精度確認用パターン 26a U字状のスリット 26b ランド 26c 検査ランド 27 検査穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/00 - 7/34 102 G01R 31/02 - 31/06 H05K 3/00 H05K 3/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基材フェノール樹脂積層板を絶縁基板
    として用い、前記絶縁基板上に導体パターンと、中心部
    分のみ前記絶縁基板が露出した基準穴または部品挿入穴
    用のランドと、U字状スリットを介して両端に接続され
    る検査ランドからなる精度確認用のパターンを備えたプ
    リント配線板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプリント配線板を加熱
    する工程、 前記部品挿入穴用のランドと精度確認用のパターンの略
    中心部と基準穴位置部分および外形を金型のポンチにて
    打ち抜き形成する工程、 前記精度確認用のパターンの検査ランドの導通を確認す
    る工程を備えたプリント配線板の精度確認方法。
  3. 【請求項3】 許容される導体パターンと基準穴および
    部品挿入穴とのずれ量の2倍の値より小さい寸法径のポ
    ンチにより、前記精度確認用のパターンを打ち抜くこと
    を特徴とする請求項2に記載のプリント配線板の精度確
    認方法。
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