JP3207408U - レジスト層の薄膜化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】解像性と追従性の問題を解決することができるレジストパターン形成用のレジスト層の薄膜化装置において、緩慢で不均一な液流が原因で発生する、基板面内において、レジスト層の薄膜化量が不均一になる問題を解決することができる、レジスト層の薄膜化装置を提供する。【解決手段】薄膜化処理液によってレジスト層中の光架橋性樹脂成分をミセル化させる薄膜化処理ユニットと、ミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12とを備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去処理ユニットが12が、ミセル除去液を供給するためのミセル除去液スプレー22を有し、ミセル除去液スプレー22が単一方向を向いていることを特徴とする。【選択図】図9

Description

本考案は、レジスト層の薄膜化装置に関する。
電気及び電子部品の小型化、軽量化、多機能化に伴い、回路形成用のドライフィルムレジスト、ソルダーレジストをはじめとする感光性樹脂(感光性材料)には、プリント配線板の高密度化に対応するために、高解像度が要求されている。これらの感光性樹脂による画像形成は、感光性樹脂を露光後、現像することによって行われる。
プリント配線板の小型化、高機能化に対応するため、感光性樹脂が薄膜化される傾向がある。感光性樹脂には、液を塗布して使用するタイプのもの(液状レジスト)とドライフィルムタイプのもの(ドライフィルムレジスト)がある。最近では15μm以下の厚みのドライフィルムレジストが開発され、製品化も進んでいる。しかし、このような薄いドライフィルムレジストでは、従来の厚さのレジストに比べて、密着性及び凹凸への追従性が不十分となり、剥がれやボイドなどが発生する問題があった。
また、ドライフィルムにて高解像度化を達成する方法としては、露光前に、感光性樹脂に備えられた支持フィルムを剥離し、支持フィルムを介さずに露光する方法がある。この場合、感光性樹脂にフォトツール(フォトマスク)を直接密着させる場合もある。しかしながら、感光性樹脂は、通常、ある程度の粘着性を有しているため、フォトツールを感光性樹脂に直接密着させて露光を行う場合、密着させたフォトツールの除去が困難となる。また、感光性樹脂によりフォトツールが汚染されたり、支持フィルムを剥離することにより感光性樹脂が大気中の酸素に曝されたりして、光感度が低下しやすくなる。
上述の点を改善するために、厚い感光性樹脂を使用しながら、高解像度が達成できる種々の手段が提案されている。例えば、サブトラクティブ法によって導電パターンを作製する方法において、絶縁層の片面又は両面に金属層が設けられてなる積層基板上にドライフィルムレジストを貼り付けてレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次に、回路パターンの露光工程、現像工程、エッチング工程を行うことを特徴とする導電パターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、ソルダーレジストパターンを形成する方法において、導電性パターンを有する回路基板上にソルダーレジストからなるレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次にパターン露光工程を行い、再度レジスト層の薄膜化工程を行うことを特徴とするソルダーレジストパターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
また、特許文献4には、レジスト層が形成された基板を高濃度のアルカリ水溶液(薄膜化処理液)に浸漬(ディップ、dip)してレジスト層の成分のミセルを一旦不溶化し、処理液中に溶解拡散しにくくする薄膜化処理ユニット、ミセル除去液スプレーによって一挙にミセルを溶解除去するミセル除去処理ユニット、表面を水で洗浄する水洗処理ユニット、水洗水を除去する乾燥処理ユニットの四つの処理ユニットを少なくとも含むレジスト層の薄膜化装置が開示されている。
レジスト層の薄膜化装置の一部について、図1に示した概略断面図を用いて説明する。薄膜化処理ユニット11では、投入口7からレジスト層が形成された基板3が投入される。基板3は、搬送ロール4対によって、ディップ槽2中の薄膜化処理液1に浸漬した状態で搬送され、レジスト層の薄膜化処理が行われる。その後に、基板3は、ミセル除去処理ユニット12に搬送される。ミセル除去処理ユニット12では、搬送ロール4対によって搬送されてきた基板3に対し、ミセル除去液供給管20を通じてミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22が供給される。基板3上のレジスト層は、薄膜化処理ユニット11内部のディップ槽2において、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1によって、レジスト層の成分のミセルが薄膜化処理液1に対して一旦不溶化されている。その後、ミセル除去液スプレー22によってミセルが除去されることで、レジスト層が薄膜化される。特許文献4には、「ミセル除去は、ミセル除去液スプレー22によって一挙に行うことが重要であり、一定以上の水圧と流量の条件で速やかに行うことが好ましい」との記述がある。
従来の各種の液処理方法及び装置において、スプレーを使用した液供給方法としては、固定式又は揺動式のスプレーノズルから基板表面に対して垂直に液を噴射する方法、首振り式のスプレーノズルによって基板表面に液の到達角度を絶えず変化させながら、液を噴射する方法等が一般的である。これら従来の液供給方法では、基板上の液流が緩慢で不均一になりやすい。そのため、これらの液供給方法でレジスト層の薄膜化工程におけるミセル除去処理を行った場合には、ミセル除去が不均一となり、レジスト層の薄膜化処理量が不均一になる場合があった。
このような問題を解決するために、特許文献5には、スプレーノズルを基板搬送方向に対して直角の幅方向に傾斜させ、その傾斜角度が30〜70度の範囲であることで、基板上のミセル除去液の液流を改善した薄膜化方法が開示されている。しかしながら、特許文献5には、スプレーノズルの傾斜角度は記載されているものの、スプレーノズルの向きに関する記載はない。そのため、角度を調整しただけでは、基板搬送方向に対して直交する右向きと左向きのミセル除去液の流れが発生する場合があり、依然として基板上のミセル除去液の液流が緩慢で不均一であり、レジスト層の薄膜化量が不均一になる場合があった。
また、図1に示したレジスト層の薄膜化装置では、薄膜化処理ユニット11内部のディップ槽2の出口ロール5対を通過した地点から、ミセル除去処理ユニット12のミセル除去液スプレー22によるミセル除去処理が開始されるまでの間に、1対の境界部の搬送ロール6対だけが存在する。図2は、レジスト層の薄膜化装置において、境界部の搬送ロール6対の拡大概略断面図である。境界部の搬送ロール6対を基板3が通過する際、基板3の厚み分だけ境界部の搬送ロール6対の上側ロールが持ち上げられて、下側ロールとの間に隙間24ができる。ここで、境界部の搬送ロール6対を通過した地点から、ミセル除去液スプレー22が基板3上のレジスト層表面に供給されると、ミセル除去液スプレー22の液流は、レジスト層表面全体に広がり、境界部の搬送ロール6対の上側ロールと下側ロールの間にできた隙間24を通じて薄膜化処理ユニット11内に逆流する場合がある。基板3の厚みが大きい場合には、隙間24も大きくなるため、逆流するミセル除去液の量が増える傾向がある。ミセル除去液10が薄膜化処理ユニット11内に逆流して、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1とミセル除去液10が混合されると、薄膜化処理液1の濃度が低下し、薄膜化処理の処理ムラが発生しやすくなる場合があった。
このように、薄膜化されたレジスト層の厚みが不均一になって、薄膜化後のレジスト層に厚みの薄い部分があると、サブトラクティブ法における導電パターン形成では回路の断線の原因となり、ソルダーレジストのパターン形成では耐候性低下の原因となり、どちらも生産における歩留まりの低下につながるという問題があった。
さらに、図1に示したレジスト層の薄膜化装置では、ミセル除去処理ユニット12内部の出口ロール30対を通過した地点から、水洗処理ユニット31の水洗液スプレー37による水洗処理が開始されるまでの間に、1対の境界部の搬送ロール33対だけが存在する。薄膜化処理ユニット11とミセル除去処理ユニット12の境界部の搬送ロール6対と同様に、境界部の搬送ロール33対を基板3が通過する際、基板3の厚み分だけ境界部の搬送ロール33対の上側ロールが持ち上げられて、下側ロールとの間に隙間ができる。この隙間を通じてミセル除去液スプレー22が水洗処理ユニット31内に流れ込むと、レジスト層の成分が溶解分散したミセル除去液10によって水洗処理液32が汚染され、薄膜化処理後の洗浄効率が低下する場合があった。
国際公開第2009/096438号パンフレット 特開2011−192692号公報 国際公開第2012/043201号パンフレット 特開2012−27299号公報 特開2012−59755号公報
本考案の課題は、解像性と追従性の問題を解決することができるレジストパターン形成用のレジスト層の薄膜化装置において、緩慢で不均一な液流が原因で発生する、基板面内において、レジスト層の薄膜化量が不均一になる問題を解決することができる、レジスト層の薄膜化装置を提供することである。
また、ミセル除去液が薄膜化処理ユニットに逆流し、薄膜化処理液と混ざって薄膜化処理液の濃度が低下することを防止し、レジスト層の薄膜化量が不均一になる問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することである。
さらに、ミセル除去液が水洗処理ユニットに流れ込み、レジスト層の成分が溶解分散したミセル除去液によって水洗処理液が汚染され、薄膜化処理後の洗浄効率が低下する問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することである。
本考案者らは、下記考案によって、これらの課題を解決できることを見出した。
(1)薄膜化処理液によってレジスト層中の光架橋性樹脂成分をミセル化させる薄膜化処理ユニットと、ミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理ユニットとを備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、
ミセル除去処理ユニットが、ミセル除去液を供給するためのミセル除去液供給スプレーを有し、
ミセル除去液スプレーが単一方向を向いていることを特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
(2)ミセル除去液スプレーの噴射方向の下流側にミセル除去液回収用のドレンポケットが設置されている上記(1)記載のレジスト層の薄膜化装置。
(3)ミセル除去液回収用のドレンポケットが、ミセル除去処理ユニットにおける搬送方向に対して最前列と最後列のミセル除去液スプレーの噴射方向の下流側に設置されている上記(2)記載のレジスト層の薄膜化装置。
本考案によれば、解像性と追従性の問題を解決することができるレジストパターン形成用のレジスト層の薄膜化装置において、緩慢で不均一な液流が原因で発生する、基板面内において、レジスト層の薄膜化量が不均一になる問題を解決することができる、レジスト層の薄膜化装置を提供することができる。
また、ミセル除去液が薄膜化処理ユニットに逆流し、薄膜化処理液と混ざって薄膜化処理液の濃度が低下することを防止し、レジスト層の薄膜化量が不均一になる問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することができる。
さらに、ミセル除去液が水洗処理ユニットに流れ込み、レジスト層の成分が溶解分散したミセル除去液によって水洗処理液が汚染され、薄膜化処理後の洗浄効率が低下する問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することができる。
レジスト層の薄膜化装置の一部を示す概略断面図である。 レジスト層の薄膜化装置において、境界部の搬送ロール対の拡大概略断面図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去液の液流の一例を示す概略図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去液スプレーの配置例を示す概略図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置において、ドレンポケットの配置例を示す概略図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置において、ドレンポケットの一例を示す概略図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置において、ドレンポケットの一例を示す概略図である。 本考案外のレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去液スプレーの配置例を示す概略図である。 本考案外のレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去液スプレーの配置例を示す概略図である。 本考案外のレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去液スプレーの配置例を示す概略図である。
<薄膜化工程>
本考案に係わる薄膜化処理液によるレジスト層の薄膜化工程とは、薄膜化処理液によってレジスト層中の成分のミセルを一旦不溶化し、処理液中に溶解拡散しにくくする薄膜化処理、ミセル除去液スプレーによって一挙にミセルを溶解除去するミセル除去処理を含む工程である。さらに、除去しきれなかったレジスト層表面や残存付着した薄膜化処理液及びミセル除去液を水洗によって洗い流す水洗処理、水洗水を除去する乾燥処理を含むこともできる。
<薄膜化処理>
薄膜化処理液による薄膜化処理は、パドル処理、スプレー処理、ブラッシング、スクレーピング等の方法を用いることもできるが、浸漬処理によって行われることが好ましい。浸漬処理では、レジスト層が形成された基板を薄膜化処理液に浸漬(ディップ、dip)する。浸漬処理以外の処理方法は、アルカリ水溶液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡が薄膜化処理中にレジスト層表面に付着して、膜厚が不均一となる場合がある。スプレー処理等を使用する場合には、気泡が発生しないように、スプレー圧をできるだけ小さくしなければならない。
本考案において、レジスト層形成後の厚みとレジスト層が薄膜化された量で、薄膜化された後のレジスト層の厚みが決定される。また、本考案では、0.01〜500μmの範囲でレジスト層の薄膜化量を自由に調整することができる。
<レジスト>
レジストとしては、アルカリ現像型のレジストが使用できる。また、液状レジストであってもよく、ドライフィルムレジストであってもよく、高濃度のアルカリ水溶液(薄膜化処理液)によって薄膜化でき、かつ、薄膜化処理液よりも低濃度のアルカリ水溶液である現像液によって現像できるレジストであればいかなるものでも使用できる。アルカリ現像型レジストは光架橋性樹脂成分を含む。光架橋性樹脂成分は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物から選ばれる少なくとも1種を含有し、さらに、光重合開始剤等を含有してなる。また、エポキシ化合物、エポキシ樹脂、熱硬化剤、無機フィラー等を含有させてもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂の有機高分子が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有した単量体(重合性単量体)を重合(ラジカル重合等)して得られたものであることが好ましい。これらのアルカリ水溶液に可溶な重合体は、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレン性不飽和二重結合を有した単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン等のスチレン誘導体;ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;アクリロニトリル;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸モノエステル;マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸系単量体;フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。
光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー;ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO、PO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、EO及びPOは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを示し、EO変性された化合物は、エチレンオキサイド基のブロック構造を有するものであり、PO変性された化合物は、プロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。これらの光重合性化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン、Michler ketone)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル;オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、オキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル等のオキシフェニル酢酸エステル;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン化合物;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、等が挙げられる。上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一であって対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物やエポキシ樹脂は、硬化剤として用いられる場合がある。アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸と反応させることで架橋させ、耐熱性や耐薬品性の特性の向上を図っているが、カルボン酸とエポキシは常温でも反応が進むために、保存安定性が悪く、アルカリ現像型ソルダーレジストは一般的に使用前に混合する2液性の形態をとっている場合が多い。無機フィラーを使用する場合もあり、例えば、タルク、硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
基板の表面にレジスト層を形成する方法は、いかなる方法でもよいが、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法が挙げられる。ドライフィルムレジストの場合は、ラミネート法が好適に用いられる。
<基板>
基板としては、プリント配線板、リードフレーム用基板;プリント配線板やリードフレーム用基板を加工して得られる回路基板が挙げられる。
プリント配線板用基板としては、例えば、フレキシブル基板、リジッド基板が挙げられる。
フレキシブル基板の絶縁層の厚さは5〜125μmで、その両面もしくは片面に1〜35μmの金属層が設けられて積層基板となっており、可撓性が大きい。絶縁層の材料には、通常、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー等が用いられる。絶縁層上に金属層を有する材料は、接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上に樹脂液を塗布するキャスト法、スパッタリングや蒸着法で樹脂フィルム上に形成した厚さ数nmの薄い導電層(シード層)の上に電解メッキで金属層を形成するスパッタ/メッキ法、熱プレスで貼り付けるラミネート法等のいかなる方法で製造したものを用いてもよい。金属層の金属としては、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、あるいはそれらの合金等のいかなる金属を用いることができるが、銅が一般的である。
リジッド基板は、紙基材又はガラス基材にエポキシ樹脂又はフェノール樹脂等を浸漬させた絶縁性基板を重ねて絶縁層とし、その片面もしくは両面に金属箔を載置し、加熱及び加圧により積層し、金属層が設けられた積層基板が挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、貫通孔や非貫通孔を有する多層板も挙げられる。厚みは60μm〜3.2mmであり、プリント配線板としての最終使用形態により、その材質と厚みが選定される。金属層の材料としては、銅、アルミニウム、銀、金等が挙げられるが、銅が最も一般的である。これらプリント配線板用基板の例は、「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)プリント回路学会編、1987年刊、日刊工業新聞社発刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット(Scarlett)編、1992年刊、(株)近代化学社発刊)に記載されている。
リードフレーム用基板としては、鉄ニッケル合金、銅系合金等の基板が挙げられる。
回路基板とは、絶縁性基板上に半導体チップ等の電子部品を接続するための接続パッドが形成された基板である。接続パッドは銅等の金属からなる。また、回路基板には、導体配線が形成されていてもよい。回路基板を作製する方法は、例えばサブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法が挙げられる。サブトラクティブ法では、例えば、上記のプリント配線板用基板にエッチングレジストパターンを形成し、露光工程、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程を実施して回路基板が作製される。
<薄膜化装置>
図3〜図7は、本考案の薄膜化装置の一例を示す概略図であり、薄膜化装置を上方向から見た図である。本考案の薄膜化装置は、薄膜化処理液1によってレジスト層中の成分をミセル化させる薄膜化処理ユニット11と、ミセル除去液スプレー22によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12と水洗処理液スプレー37によってレジスト層表面を洗浄する水洗処理ユニット31とを備えてなるレジスト層の薄膜化装置である。
まず、従来技術における薄膜化装置と本考案の薄膜化装置において、共通する構造部分を図1を用いて説明する。薄膜化処理ユニット11では、投入口7から投入されたレジスト層が形成された基板3が、搬送ロール4対によって、ディップ槽2中の薄膜化処理液1に浸漬された状態で搬送され、ディップ槽2の出口ロール5対を通過する。これらの処理によって、基板3上のレジスト層中の成分は薄膜化処理液1によってミセル化され、このミセルが薄膜化処理液1に対して不溶化される。
薄膜化処理液1は、薄膜化処理液貯蔵タンク13中の薄膜化処理液吸込口14から薄膜化処理液供給用ポンプ(図示せず)によって吸い込まれ、薄膜化処理液供給管15を経てディップ槽2に供給される。ディップ槽2に供給された薄膜化処理液1は、オーバーフローし、薄膜化処理液回収管16を通って薄膜化処理液貯蔵タンク13に回収される。このようにして、薄膜化処理液1は、ディップ槽2と薄膜化処理貯蔵タンク13との間を循環する。薄膜化処理液ドレン管17からは、余剰分の薄膜化処理液1が排出される。
薄膜化処理液1として使用されるアルカリ水溶液に用いられるアルカリ性化合物としては、例えばリチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン、Choline)等の有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、単独で用いてもよいし、混合物としても使用できる。薄膜化処理液1の媒体である水には、水道水、工業用水、純水等を用いることができるが、特に純水を使用することが好ましい。
アルカリ性化合物の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下で使用できる。また、レジスト層表面をより均一に薄膜化するために、薄膜化処理液1に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩又は亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属硫酸塩又は亜硫酸塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩又は亜硫酸塩が挙げられる。
薄膜化処理液1のアルカリ性化合物としては、これらの中でも特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物;TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物を好ましく使用することができる。これらのアルカリ性化合物は、単独で用いてもよいし、混合物としても使用できる。また、アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%であるアルカリ水溶液が、表面をより均一に薄膜化できるため、好適に使用できる。アルカリ性化合物の含有量が5質量%未満では、薄膜化する処理でムラが発生しやすくなる場合がある。また、25質量%を超えると、アルカリ性化合物の析出が起こりやすくなる場合があり、液の経時安定性、作業性に劣る場合がある。アルカリ性化合物の含有量は7〜17質量%がより好ましく、8〜13質量%がさらに好ましい。薄膜化処理液1として使用されるアルカリ水溶液のpHは10以上とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
薄膜化処理液1として使用されるアルカリ水溶液の温度は、15〜35℃が好ましく、さらに好ましくは20〜30℃である。温度が低すぎると、レジスト層へのアルカリ性化合物の浸透速度が遅くなる場合があり、所望の厚みを薄膜化するのに長時間を要する。一方、温度が高すぎると、レジスト層へのアルカリ性化合物の浸透と同時に溶解拡散が進行することにより、面内で膜厚ムラが発生しやすくなる場合がある。
ミセル除去処理ユニット12では、薄膜化処理ユニット11においてレジスト層が薄膜化処理液1に対して不溶化された基板3が搬送ロール4対によって搬送される。搬送されている基板3に対して、ミセル除去液スプレー22によってミセル除去液10が供給され、レジスト層の成分のミセルを一挙に溶解除去される。
ミセル除去液10は、ミセル除去液貯蔵タンク18中のミセル除去液吸込口19からミセル除去液10をミセル除去液供給用ポンプ(図示せず)で吸い込み、ミセル除去液供給管20を経てミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22として噴射される。ミセル除去液スプレー22は、基板3から流下した後、ミセル除去液貯蔵タンク18に回収される。このようにして、ミセル除去液10はミセル除去処理ユニット12内を循環する。ミセル除去液ドレン管23からは、余剰分のミセル除去液10が排出される。
ミセル除去液10としては、水を用いることもできるが、薄膜化処理液1よりも希薄なアルカリ性化合物を含有するpH5〜10の水溶液を用いることが好ましい。ミセル除去液10によって、薄膜化処理液で不溶化されたレジスト層の成分のミセルが再分散されて除去される。ミセル除去液10に使用される水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができるが、特に純水を使用することが好ましい。ミセル除去液10のpHが5未満の場合、レジスト層の成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化後のレジスト層表面に付着する場合がある。一方、ミセル除去液10のpHが10を超えた場合、レジスト層が過度に溶解拡散し、面内で薄膜化されたレジスト層の厚みが不均一になり、処理ムラができる場合がある。また、ミセル除去液10は、硫酸、リン酸、塩酸などを用いて、pHを調整することができる。
ミセル除去処理におけるミセル除去液スプレー22の条件(温度、スプレー圧、供給流量)は、薄膜化処理されるレジスト層の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3MPaである。ミセル除去液10の供給流量は、レジスト層1cmあたり0.030〜1.0L/minが好ましく、0.050〜1.0L/minがより好ましく、0.10〜1.0L/minがさらに好ましい。供給流量がこの範囲であると、薄膜化後のレジスト層表面に不溶解成分を残すことなく、面内略均一に不溶化したレジスト層の成分のミセルを除去しやすい。レジスト層1cmあたりの供給流量が0.030L/min未満では、不溶化したレジスト層の成分の溶解不良が起こる場合がある。一方、供給流量が1.0L/minを超えると、供給のために必要なポンプ等の部品が巨大になり、大掛かりな装置が必要となる場合がある。さらに、1.0L/minを超えた供給量では、レジスト層の成分の溶解拡散に与える効果が変わらなくなることがある。
水洗処理ユニット31では、ミセル除去処理ユニット12において、レジスト層の成分のミセルが溶解除去された基板3が搬送ロール4対によって搬送される。搬送されている基板3に対して、水洗処理液スプレー37によって水洗処理液32が供給され、基板3が水洗処理される。
水洗処理ユニット31では、ミセル除去処理後、さらに、除去しきれなかったレジスト層やレジスト層の表面に残存付着した薄膜化処理液及びミセル除去液を水洗処理によって洗い流す。水洗処理の方法としては、拡散速度と液供給の均一性の点からスプレー方式が好ましい。水洗水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。このうち純水を使用することが好ましい。純水は、一般的に工業用に用いられるものを使用することができる。
本考案の薄膜化装置の特徴について、図面を用いて詳細に説明する。図3のレジスト層の薄膜化装置では、表面にレジスト層が形成された基板3を搬送する搬送ロール4対を有し、ミセル除去処理ユニット12において、ミセル除去液10を供給するためのミセル除去液供給スプレー22が単一方向に傾斜された状態で設置されていることを特徴としている。図中の矢印40は、ミセル除去液の流れ方向を示している。ミセル除去液スプレー22の噴射位置を分かりやすくするために、本来設置されているべき上側のミセル除去液供給管20及びミセル除去液用ノズル21は図示していない。
本考案の特徴である「ミセル除去液スプレーが単一方向を向いている」ことによって、単一方向のミセル除去液の液流をレジスト層表面にスプレーしながらミセル除去処理を行うことについて説明する。図9は、本考案の薄膜化装置において、ミセル除去液スプレー22の配置例を示した概略図である。図9−1は、ミセル除去処理ユニット12内部のミセル除去液スプレー22の流れを薄膜化装置の上方向から見たときの状態図である。図9−2は、薄膜化装置の基板搬送方向の投入側から見たときのミセル除去液用ノズル21の設置状態とミセル除去液スプレー22の噴射状態を図示したものである。図中の矢印44は、基板の搬送方向を示し、矢印43はミセル除去液スプレーの噴射方向を示している。「単一方向のミセル除去液の液流によるミセル除去処理」とは、「基板3上を流れるミセル除去液10がすべて単一の方向に流れている状態で行われるミセル除去処理」を指す。また、基板3上を流れるミセル除去液10がすべて単一の方向に流れている状態を実現するためには、すべてのミセル除去液スプレー22を同じ向きに傾ければよい。この状態は、搬送中の基板3を上方向から見た際に、すべてのミセル除去液スプレーの噴射方向43が同じ方向を向くことになる(図9−1)。このように、すべてのミセル除去液スプレー22を単一方向に傾けた状態でミセル除去処理を行うことにより、単一方向のミセル除去液10の液流を基板3のレジスト層表面にスプレーすることができる(図9−2)。また、ミセル除去液スプレーの噴射方向43は、ミセル除去処理を行うミセル除去処理ユニット12の上流の設備(薄膜化処理ユニット11)や下流の設備(水洗処理ユニット31)にミセル除去液10が流れ込むのを防ぐために、基板の搬送方向44に直交する右向き又は左向きに統一して傾けるのが好ましい。これによって、ミセル除去液10は、ミセル除去液スプレーの噴射方向43の上流側から下流側(ミセル除去液の流れ方向40)へ、単一方向に流れるため、緩慢で不均一な液流が原因で発生する基板3面内でレジスト層の薄膜化量が不均一になる問題を解決することができる。
ここで、ミセル除去処理ユニット12において、より効率的に、ミセル除去液スプレーの噴射方向43の上流側から下流側への単一方向の液流を作るため、基板3を搬送する搬送ロール4としてストレートタイプのロールを使用することが好ましい。ストレートタイプのロールは、表面に凹凸がなく、レジスト層表面に密着することが重要となる。レジスト層表面とストレートタイプのロールが密着しているため、ミセル除去液スプレー22は、前後列の搬送ロール4間において無秩序に乱流となることなく、搬送ロール4に沿いながら、下流側まで多流量の直線的な液流を作ることができる。ストレートタイプのロールの種類としては、ゴムロール、スポンジロール、金属ロール、樹脂ロール等が挙げられる。その中でも、優れたゴム弾性(シール性、回復性)を有し、比重が小さく、軽量であり、低硬度から中硬度であり、レジスト層への接触による衝撃が少なく、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1への耐薬品性にも優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーのロールが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、サーモラン(THERMORUN、登録商標)が挙げられる。
ミセル除去液スプレー22を噴射するミセル除去液用ノズル21のスプレーパターンは、充円錐タイプ、扇形タイプ、直線状タイプ、層状タイプ等から選ばれ、そのパターンに応じたスプレーノズルを使用することができる。スプレーパターンの流量分布の均一性の点では、均等分布の充円錐タイプや扇形タイプのスプレーノズルが好ましい。本考案におけるミセル除去スプレー22は、単一方向の液流となることが重要であるため、ミセル除去液用ノズル21が揺動式や首振り式ではなく、固定式のスプレーノズルであることが好ましい。そして、この固定式のスプレーノズルを単一方向に傾斜させて噴射させるのが好ましい。一方、揺動式や首振り式に対し、固定式のスプレーノズルでは、スプレーを万遍なく均一に噴射することが難しく、スプレーパターンが重ならない部分や緩衝する部分でスプレー圧力の強弱の分布ができやすい。このような点から、固定式のスプレーノズルを用いる場合には、広範囲に噴射できる均等分布の充円錐タイプのノズルを使用することが好ましく、スプレーパターンに応じて、ノズル間の距離及びレジスト層表面からの距離を適切に決めることが重要になる。また、固定式のスプレーノズルを用いる場合、スプレーパターンが常に均等になるように、スプレーノズルの傾斜角度は固定されていることが好ましい。固定する方法として、ミセル除去液用ノズル21を所望の傾斜角度でミセル除去液供給管20に直接取り付ければ、ミセル除去液用ノズル21交換時に傾斜角度を調整する必要がなくなる。その他、ミセル除去液供給管20に傾斜角度の調整が可能なアダプター(例えば、いけうち社製、商品名:UTボールジョイント)を取り付けて、ミセル除去液用ノズル21の傾斜角度を調整した後、固定する方法でもよい。
図4のレジスト層の薄膜化装置では、ミセル除去処理ユニット12において、基板3の搬送方向に対して、ミセル除去液供給管20のミセル除去液用ノズル21の配置が、ミセル除去液供給管20の前後列で千鳥位置になっていることを特徴としている。これによって、基板3の搬送方向の垂直方向におけるミセル除去液スプレー22の噴射位置を均等化することができる。また、水洗処理ユニット31においても同様に、基板3の搬送方向に対して、水洗処理液供給管35の水洗処理液用ノズル36の配置が、水洗処理液供給管35の前後列で千鳥位置になっており、基板3の搬送方向の垂直方向における水洗処理液スプレー37の噴射位置を均等化することができる。
図5のレジスト層の薄膜化装置では、ミセル除去処理ユニット12において、基板3を搬送する搬送ロール対がリングタイプの搬送ロール41対であることを特徴としている。リングタイプの搬送ロール41を使用した場合、ミセル除去液スプレー22が、前後列の搬送ロール41間において、基板3の搬送方向にも多く拡散するようになる。そのため、図3及び図4に示したストレートタイプの搬送ロール4に比べて、多流量の直線的な液流が作りにくくなる。この欠点は、リングタイプの搬送ロール41として、リングローラーの強度や耐久性を損なわない範囲で、ローラー断面がスポーク(spoke)やメッシュ(mesh)になっているもの、あるいは、貫通穴が開いているものを使用することによって、上流側から下流側への液流を一定量通過させることで解消することができる。そして、リングタイプの搬送ロール41を使用した場合、基板3の搬送方向の垂直方向にリングローラーを一定の間隔で配置し、前後列の搬送ロール41で、リングローラーの配置を千鳥位置にすれば、基板3の搬送方向に対して搬送ロール41の間隔をリングローラーの直径以下にすることが可能となる。これによって、搬送中に基板3が落下するのを防止し、より板厚の薄い基板3の搬送が可能となるという利点がある。リングタイプのロールの種類としては、ゴムロール、スポンジロール、金属ロール、樹脂ロール等が挙げられる。その中でも、比重が小さく、軽量であり、レジスト層への接触による衝撃が少なく、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1への耐薬品性にも優れたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、硬質ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、フッ素樹脂(例えば、テフロン(TEFLON、登録商標))等の他、オレフィン系熱可塑性エラストマーのロールを用いることができる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、サーモラン(THERMORUN、登録商標)が挙げられる。
図6のレジスト層の薄膜化装置では、ミセル除去処理ユニット12において、ミセル除去液の流れ方向40の下流側における搬送ロールシャフトの軸受け側板38の手前に、ミセル除去液10を強制回収するためのドレンポケット39が設置されていることを特徴としている。基板3の搬送方向に直交する向きに噴射されたミセル除去液スプレー22は、図中の矢印で示されるミセル除去液の流れ方向40に、液流となって流れ、下流側で基板3から流下し、下流側の搬送ロールシャフトの軸受け側板38に衝突して四方八方に飛散する。ミセル除去液10が飛散する程度は、液流の流量と流速に依存するが、薄膜化処理後のミセル除去処理では、液流の流量は多いほどよく、流速は速いほどよい。上述のような多流量の直線的なミセル除去液の流れ方向40への液流が搬送ロールシャフトの軸受け側板38に衝突し続けると、図8に示したように、飛散したミセル除去液10は搬送ロールシャフトの軸受け側板38に沿って液流となって流れる。図8において、矢印42は、飛散したミセル除去液の流れ方向である。本考案に係わるドレンポケット39は、矢印40の液流だけでなく、このような搬送ロールシャフトの軸受け側板38に沿って流れる矢印42の液流も強制的に回収するためのものであり、これによって、ミセル除去処理ユニット12の外部へミセル除去液10が流れ込むことなく、ミセル除去液貯蔵タンク18に回収され、ミセル除去液10はミセル除去処理ユニット12内を循環する。
図7のレジスト層の薄膜化装置では、ミセル除去処理ユニット12において、ドレンポケット39が、最前列と最後列のミセル除去液スプレー22の噴射によるミセル除去液の流れ方向40の下流側における搬送ロールシャフトの軸受け側板38の手前に設置されていることを特徴としている。最前列のミセル除去液スプレー22が薄膜化処理ユニット11内に流れ込むと、薄膜化処理液1と混ざって、薄膜化処理液1のアルカリ性化合物濃度が低下し、レジスト層の成分のミセル化と同時に溶解拡散が起こり、面内において薄膜化処理量にばらつきが発生する場合がある。また、最後列のミセル除去液スプレー22が水洗処理ユニット31内に流れ込むと、レジスト層の成分が溶解分散したミセル除去液10によって水洗処理液32が汚染され、薄膜化処理後の洗浄効率が低下する場合がある。最前列と最後列のミセル除去液スプレー22の噴射によるミセル除去液の流れ方向40の下流側に設置されたドレンポケット39によって、ミセル除去液10がミセル除去処理ユニット12の外部へ流れ込むのを防止することができる。
また、ミセル除去処理は、基板の搬送方向に対して、前列のミセル除去液スプレーからレジスト層表面にミセル除去液が供給され、レジスト層成分のミセルの溶解除去が一挙に進行する。つまり、前列と後列のミセル除去液スプレーによって溶解除去されるレジスト層成分の量は異なり、より前列のミセル除去液スプレーにおいて、溶解除去されたレジスト層の濃度がより高いミセル除去液となる。ここで、最前列のミセル除去液スプレーの噴射によるミセル除去液の流れ方向の下流側に設置されたドレンポケットで高濃度のミセル除去液を強制回収し、ミセル除去液貯蔵タンクに戻さずに、廃液として装置外に排出することによって、ミセル除去処理ユニット内で循環されるミセル除去液中のレジスト層成分濃度を低く維持することができる。
ドレンポケット39の形状は、搬送ロールシャフトの軸受け側板38に沿って液流となって流れる飛散したミセル除去液10を強制回収できる形状であれば自由に決めることができる。例えば、図11に示したように、搬送ロールシャフトの軸受け側板38にミセル除去液スプレー22の液流が衝突する位置において、その液流を受け止めて閉じ込めるボックス型構造であってもよい。または、図12に示したように、ミセル除去液22の液流を飛散させたくない方向だけに受け流すことができるコの字型構造であってもよい。さらに、L字型構造であってもよい。
ドレンポケット39の材質としては、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1への耐薬品性のある各種材料を使用することができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂(PMMA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、テフロン(登録商標)等の合成樹脂、ガラス繊維強化ポリプロピレン、ガラス繊維強化エポキシ樹脂等の繊維強化プラスチック、チタン、ハステロイ(HASTELLOY、登録商標)等の耐食性金属材料等を用いることができる。これらのうちでも、加工が容易であることから硬質ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)が好ましく用いられる。
以下、実施例によって本考案をさらに詳しく説明するが、本考案はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積510mm×340mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.2mm、三菱ガス化学社(MITSUBISHI GAS CHEMICAL COMPANY, INC.)製、商品名:CCL−E170)にドライフィルムレジスト用ラミネータを用いて、ドライフィルムレジスト(日立化成社(Hitachi Chemical Co., Ltd.)製、商品名:RY3625、厚み25μm)を熱圧着し、レジスト層を形成した。
次に、ドライフィルムレジストのキャリアフィルムを剥離した後、ディップ槽2を備えた薄膜化処理ユニット11とミセル除去液10によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12とを備えてなるレジスト層の薄膜化装置により、レジスト層を薄膜化した。
図9−1(ミセル除去処理ユニット12内部のミセル除去液スプレー22を装置の上方向から見た場合の設置状態)及び図9−2(装置の基板搬送方向の上流側から見たときの設置状態)に示したように、ミセル除去処理ユニット12において、すべてのミセル除去液スプレー22が基板の搬送方向44に対して右側に40度傾けて設置されている。すなわち、ミセル除去液スプレー22はすべて単一方向を向いていて、図9−2において、基板に対する垂線45とスプレーノズルの中心線46によって形成される傾斜角度47は40度となる。
薄膜化処理液1(アルカリ水溶液)として10質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)を用いて、薄膜化処理ユニット11のディップ槽2における浸漬処理時間が30秒になるように薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理ユニット12で、ミセル除去液10として、炭酸ナトリウムを含んだpH=8の水溶液(液温度25℃)を用いて、ミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22を基板3に供給し、不溶化したミセルを除去し、レジスト層を薄膜化した。レジスト層1cmあたりのミセル除去液の供給流量は0.2L/minであり、スプレー圧は0.2MPaであった。その後、水洗処理及び乾燥処理を行った。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は13.0μmであり、最小値は11.0μmであり、平均厚みは12.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラのない平滑な薄膜化面であることが確認された。
(実施例2)
図6に示したように、ミセル除去液の流れ方向40の下流側における搬送ロールシャフトの軸受け側板38の手前に、ミセル除去液10を強制回収するためのドレンポケット39(厚さ5mmの透明アクリル樹脂板製)が設置されている以外は、実施例1と同じ方法でレジスト層を薄膜化した。図10は、レジスト層の薄膜化装置を基板搬送方向の上流側から見たときのドレンポケット39の設置状態を示した概略図である。図10に示したように、ミセル除去処理ユニット12において、すべてのミセル除去液スプレー22が基板の搬送方向44に対して右側に40度傾けて設置されており、単一方向を向いている。ミセル除去液スプレー22の下流側に設置されたボックス型構造のドレンポケット39が、ミセル除去液スプレー22からの液流を強制回収する。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は13.0μmであり、最小値は11.0μmであり、平均厚みは12.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラのない平滑な薄膜化面であることが確認された。
(実施例3)
図7に示したように、ミセル除去処理ユニット12において、最前列と最後列のミセル除去液スプレー22の噴射によるミセル除去液の流れ方向40の下流側における搬送ロールシャフトの軸受け側板38の手前に、ミセル除去液10を強制回収するためのドレンポケット39(厚さ5mmの透明アクリル樹脂板製)が設置されている以外は、実施例1と同じ方法でレジスト層を薄膜化した。図10に示したように、ミセル除去処理ユニット12において、すべてのミセル除去液スプレー22が基板の搬送方向44に対して右側に40度傾けて設置されており、単一方向を向いている。ミセル除去液スプレー22の下流側に設置されたボックス型構造のドレンポケット39が、最前列と最後列のミセル除去液スプレー22からの液流を強制回収する。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は13.0μmであり、最小値は11.0μmであり、平均厚みは12.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラのない平滑な薄膜化面であることが確認された。
(実施例4〜6)
ミセル除去処理ユニット12におけるミセル除去液のスプレー処理について、レジスト層1cmあたりのミセル除去液の供給流量を1.0L/min、スプレー圧を0.3MPaとした以外は、実施例1〜3と同じ方法でレジスト層を薄膜化した。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は12.5μmであり、最小値は11.5μmであり、平均厚みは12.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラのない平滑な薄膜化面であることが確認された。
(実施例7)
連続して薄膜化を行った場合の安定性を調べるため、10枚連続で処理を行った以外は、実施例4と同じ方法でレジスト層を薄膜化した。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は15.0μmであり、最小値は11.0μmであり、平均厚みは13.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラのない平滑な薄膜化面であることが確認された。ただし、レジスト層のない基板の銅表面に、薄膜化処理後の水洗不足に起因する銅の酸化(液焼け)が見られた。
(実施例8)
連続して薄膜化を行った場合の安定性を調べるため、10枚連続で処理を行った以外は、実施例5と同じ方法でレジスト層を薄膜化した。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は12.5μmであり、最小値は11.5μmであり、平均厚みは12.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラのない平滑な薄膜化面であることが確認された。また、レジスト層のない基板の銅表面に、銅の酸化(液焼け)は見られなかった。
(実施例9)
連続薄膜化処理の安定性を調べるため、10枚連続で処理を行った以外は実施例6と同じ方法でレジスト層を薄膜化した。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は12.5μmであり、最小値は11.5μmであり、平均厚みは12.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラのない平滑な薄膜化面であることが確認された。また、レジスト層のない基板の銅表面に、銅の酸化(液焼け)は見られなかった。
(比較例1)
ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積510mm×340mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.2mm、三菱ガス化学社(MITSUBISHI GAS CHEMICAL COMPANY, INC.)製、商品名:CCL−E170)にドライフィルムレジスト用ラミネータを用いて、ドライフィルムレジスト(日立化成社(Hitachi Chemical Co., Ltd.)製、商品名:RY3625、厚み25μm)を熱圧着し、レジスト層を形成した。
次に、ドライフィルムレジストのキャリアフィルムを剥離した後、ディップ槽2を備えた薄膜化処理ユニット11とミセル除去液10によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12とを備えてなるレジスト層の薄膜化装置により、レジスト層を薄膜化した。
図13は、レジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去液スプレーの配置例を示す概略図であり、基板の搬送方向の上流側から見たときのミセル除去液スプレー22の設置状態を表している。ミセル除去処理ユニット12において、すべてのミセル除去液スプレー22が基板表面に対して垂直に設置されていて、基板に対する垂線45とスプレーノズルの中心線46が重なっている。
薄膜化処理液1(アルカリ水溶液)として10質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)を用いて、薄膜化処理ユニット11のディップ槽2における浸漬処理時間が30秒になるように薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理ユニット12で、ミセル除去液10として、炭酸ナトリウムを含んだpH=8の水溶液(液温度25℃)を用いて、ミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22を基板3に供給し、不溶化したミセルを除去し、レジスト層を薄膜化した。レジスト層1cmあたりのミセル除去液の供給流量は0.2L/minであり、スプレー圧は0.2MPaであった。その後、水洗処理及び乾燥処理を行った。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は14.0μmであり、最小値は8.0μmであり、平均厚みは11.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、ミセル除去液スプレー22の設置間隔と同じ位置に、ミセル除去液10の液流の悪さが原因となって発生したと見られる処理ムラが発生していた。
(比較例2)
ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積510mm×340mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.2mm、三菱ガス化学社(MITSUBISHI GAS CHEMICAL COMPANY, INC.)製、商品名:CCL−E170)にドライフィルムレジスト用ラミネータを用いて、ドライフィルムレジスト(日立化成社(Hitachi Chemical Co., Ltd.)製、商品名:RY3625、厚み25μm)を熱圧着し、レジスト層を形成した。
次に、ドライフィルムレジストのキャリアフィルムを剥離した後、ディップ槽2を備えた薄膜化処理ユニット11とミセル除去液10によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12とを備えたレジスト層の薄膜化装置により、レジスト層を薄膜化した。
図14は、レジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去液スプレーの配置例を示す概略図である。図14−1は、ミセル除去処理ユニット12内部のミセル除去液スプレー22の流れを薄膜化装置の上方向から見たときの状態図である。図14−2は、薄膜化装置の基板搬送方向の投入側から見たときのミセル除去液用ノズル21の設置状態とミセル除去液スプレー22の噴射状態を図示したものである。ミセル除去処理ユニット12において、ミセル除去液スプレー22のうち、基板の搬送方向44に対して右半分のミセル除去液スプレー22が基板の搬送方向44に対して左側に40度傾けて設置されている。また、基板の搬送方向44に対して左半分のミセル除去液スプレー22が基板の搬送方向44に対して右側に40度傾けて設置されている。すなわち、図14−2において、基板に対する垂線45とスプレーノズルの中心線46によって形成される傾斜角度47は40度であり、ミセル除去液スプレー22は、基板の搬送方向44に対して直交する方向において中心を向くように傾いている。
薄膜化処理液1(アルカリ水溶液)として10質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)を用いて、薄膜化処理ユニット11のディップ槽2における浸漬処理時間が30秒になるように薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理ユニット12で、ミセル除去液10として、炭酸ナトリウムを含んだpH=8の水溶液(液温度25℃)を用いて、ミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22を基板3に供給し、不溶化したミセルを除去し、レジスト層を薄膜化した。レジスト層1cmあたりのミセル除去液の供給流量は0.2L/minであり、スプレー圧は0.2MPaであった。その後、水洗処理及び乾燥処理を行った。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は14.0μmであり、最小値は6.0μmであり、平均厚みは9.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、基板の搬送方向に対して中央部と両端部でミセル除去液10の液流の悪さが原因となって発生したと見られる処理ムラが発生していた。
(比較例3)
ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積510mm×340mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.2mm、三菱ガス化学社(MITSUBISHI GAS CHEMICAL COMPANY, INC.)製、商品名:CCL−E170)にドライフィルムレジスト用ラミネータを用いて、ドライフィルムレジスト(日立化成社(Hitachi Chemical Co., Ltd.)製、商品名:RY3625、厚み25μm)を熱圧着し、レジスト層を形成した。
次に、ドライフィルムレジストのキャリアフィルムを剥離した後、ディップ槽2を備えた薄膜化処理ユニット11とミセル除去液10によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12とを備えたレジスト層の薄膜化装置により、レジスト層を薄膜化した。
図15は、レジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去液スプレーの配置例を示す概略図であり、ミセル除去処理ユニット12内部のミセル除去液スプレー22の流れを薄膜化装置の上方向から見たときの状態図である。ミセル除去処理ユニット12において、ミセル除去液スプレー22のうち基板の搬送方向44の上流側から奇数列のミセル除去液スプレー22が基板の搬送方向44に対して左側に40度傾けて設置され、基板の搬送方向44の上流側から偶数列のミセル除去液スプレー22が基板の搬送方向44に対して右側に40度傾けて設置されている。すなわち、図15において、ミセル除去液スプレー22は、基板の搬送方向44に対して一列ずつ交互に左右方向に傾いている。
薄膜化処理液1(アルカリ水溶液)として10質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)を用いて、薄膜化処理ユニット11のディップ槽2における浸漬処理時間が30秒になるように薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理ユニット12で、ミセル除去液10として、炭酸ナトリウムを含んだpH=8の水溶液(液温度25℃)を用いて、ミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22を基板3に供給し、不溶化したミセルを除去し、レジスト層を薄膜化した。レジスト層1cmあたりのミセル除去液の供給流量は0.2L/minであり、スプレー圧は0.2MPaであった。その後、水洗処理及び乾燥処理を行った。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は14.0μmであり、最小値は8.0μmであり、平均厚みは11.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、ミセル除去液スプレー22の設置間隔と同じ位置に、ミセル除去液10の液流の悪さが原因となって発生したと見られる処理ムラが発生していた。
本考案のレジスト層の薄膜化装置は、プリント配線板やリードフレームにおける回路基板の作製、又はフリップチップ接続用の接続パッドを備えたパッケージ基板の作製において、レジストパターンを形成させる用途に適用できる。
1 薄膜化処理液
2 ディップ槽
3 基板
4 搬送ロール
5 ディップ槽の出口ロール
6 境界部の搬送ロール(ストレートタイプ)
7 投入口
10 ミセル除去液
11 薄膜化処理ユニット
12 ミセル除去処理ユニット
13 薄膜化処理液貯蔵タンク
14 薄膜化処理液吸込口
15 薄膜化処理液供給管
16 薄膜化処理液回収管
17 薄膜化処理液ドレン管
18 ミセル除去液貯蔵タンク
19 ミセル除去液吸込口
20 ミセル除去液供給管
21 ミセル除去液用ノズル
22 ミセル除去液スプレー(充円錐タイプ)
23 ミセル除去液ドレン管
24 隙間
30 ミセル除去処理ユニットの出口ロール(ストレートタイプ)
31 水洗処理ユニット
32 水洗処理液
33 境界部の搬送ロール
34 水洗処理液吸込口
35 水洗処理液供給管
36 水洗処理液用ノズル
37 水洗処理液スプレー(扇形タイプ)
38 搬送ロールシャフトの軸受け側板
39 ドレンポケット
40 ミセル除去液の流れ方向
41 搬送ロール(リングタイプ)
42 飛散したミセル除去液の流れ方向
43 スプレーの噴射方向
44 基板の搬送方向
45 基板に対する垂線
46 スプレーノズルの中心線
47 傾斜角度

Claims (3)

  1. 薄膜化処理液によってレジスト層中の光架橋性樹脂成分をミセル化させる薄膜化処理ユニットと、ミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理ユニットとを備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、
    ミセル除去処理ユニットが、ミセル除去液を供給するためのミセル除去液供給スプレーを有し、
    ミセル除去液スプレーが単一方向を向いていることを特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
  2. ミセル除去液スプレーの噴射方向の下流側にミセル除去液回収用のドレンポケットが設置されている請求項1記載のレジスト層の薄膜化装置。
  3. ミセル除去液回収用のドレンポケットが、ミセル除去処理ユニットにおける搬送方向に対して最前列と最後列のミセル除去液スプレーの噴射方向の下流側に設置されている請求項2記載のレジスト層の薄膜化装置。
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