JP3224844U - レジスト層の薄膜化装置 - Google Patents

レジスト層の薄膜化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3224844U
JP3224844U JP2019004229U JP2019004229U JP3224844U JP 3224844 U JP3224844 U JP 3224844U JP 2019004229 U JP2019004229 U JP 2019004229U JP 2019004229 U JP2019004229 U JP 2019004229U JP 3224844 U JP3224844 U JP 3224844U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thinning
treatment liquid
resist layer
thinning treatment
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019004229U
Other languages
English (en)
Inventor
豊田 裕二
裕二 豊田
昌大 田邉
昌大 田邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2019004229U priority Critical patent/JP3224844U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3224844U publication Critical patent/JP3224844U/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

【課題】気泡による処理ムラの問題を解決することのできるレジスト層の薄膜化装置を提供する。【解決手段】薄膜化処理ユニットを備えたレジスト層の薄膜化装置において、薄膜化処理ユニットが、薄膜化処理液9が入っているディップ槽10と、ディップ槽10からオーバーフローした薄膜化処理液9が貯蔵される薄膜化処理液貯蔵タンク13と、薄膜化処理液貯蔵タンク13内に設けられた薄膜化処理液吸込口と、ディップ槽10内に設けられた薄膜化処理液供給口11と、薄膜化処理液吸込口から吸い込まれた薄膜化処理液9をディップ槽10へと供給するための薄膜化処理液供給ポンプ14とを備え、該薄膜化処理液吸込口に濾過部24が備えられ、該濾過部24の上面側が遮蔽されている。【選択図】図1

Description

本考案はレジスト層の薄膜化装置に関する。
電気及び電子部品の小型化、軽量化、多機能化に伴い、回路形成用のドライフィルムレジスト、ソルダーレジストをはじめとする感光性樹脂(感光性材料)には、プリント配線板の高密度化に対応するために、高解像度が要求されている。これらの感光性樹脂による画像形成は、感光性樹脂を露光後、現像することによって行われる。
プリント配線板の小型化、高機能化に対応するため、感光性樹脂が薄膜化される傾向がある。感光性樹脂には、液を塗布して使用するタイプの液状レジストとフィルムタイプのドライフィルムレジストがある。最近では15μm以下の厚みのドライフィルムレジストが開発され、製品化も進んでいる。しかし、このような薄いドライフィルムレジストでは、従来の厚さのレジストに比べて、密着性及び凹凸への追従性が不十分となり、剥がれやボイドなどが発生する問題があった。
上述の点を改善するために、厚い感光性樹脂を使用しながら、高解像度が達成できる種々の手段が提案されている。例えば、サブトラクティブ法によって導電パターンを作製する方法において、絶縁層の片面又は両面に金属層が設けられてなる積層基板上にドライフィルムレジストを貼り付けてレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次に、回路パターンの露光工程、現像工程、エッチング工程を行うことを特徴とする導電パターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、ソルダーレジストパターンを形成する方法において、導電性パターンを有する回路基板上にソルダーレジストからなるレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次にパターン露光工程を行い、再度レジスト層の薄膜化工程を行うことを特徴とするソルダーレジストパターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
また、特許文献4には、レジスト層の薄膜化工程に使用される薄膜化装置が開示されている。具体的には、レジスト層が形成された基板を高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液に浸漬(ディップ)してレジスト層の成分のミセルを一旦不溶化し、薄膜化処理液中に溶解拡散しにくくする薄膜化処理ユニット、ミセル除去液スプレーによって一挙にミセルを溶解除去するミセル除去処理ユニットを含むレジスト層の薄膜化装置が開示されている。
特許文献4で開示されている薄膜化装置の薄膜化処理ユニットについて、図面を用いて説明する。図6及び図7は、薄膜化処理ユニットの概略断面図である。図6は、基板の搬送方向(MD)と直交する方向(CD)から見た概略断面図であり、図7は、基板の搬送方向(MD)から見た概略断面図である。この薄膜化装置では、レジスト層が形成された基板8を搬送ロール対12によって、ディップ槽10中の薄膜化処理液9に浸漬した状態で搬送し、レジスト層の薄膜化処理が行われる。薄膜化処理液9は、装置下部の薄膜化処理液貯蔵タンク13に設けられた薄膜化処理液吸込口17から薄膜化処理液供給ポンプ14によって薄膜化処理液供給口11を介してディップ槽10に供給される。オーバーフローした薄膜化処理液9は薄膜化処理液回収槽30に回収され、回収管21を通って回収管排出口22より排出され、薄膜化処理液貯蔵タンク13に貯蔵される。この繰り返しによって、薄膜化処理液9はディップ槽10と薄膜化処理液貯蔵タンク13との間を循環する。
図6及び図7に示す薄膜化装置において、薄膜化処理液9を循環する際に、オーバーフローによって薄膜化処理液9がディップ槽10から薄膜化処理液貯蔵タンク13へと落下する際に、薄膜化処理液9中に気泡15が発生し、この気泡15が薄膜化処理液9の循環によって基板8のレジスト層に付着し、薄膜化の進行を阻害してしまい、膜厚がムラ(斑)になる処理ムラが発生する場合があった。
気泡による処理ムラの問題を解決するために、各種気泡抑制装置が備えられた薄膜化装置が開示されている(例えば、特許文献5参照)。気泡抑制装置としては、薄膜化処理液9をディップ槽10に供給する薄膜化処理液供給口11と搬送ロール対12との間に備えられた気泡誘導板16(図8)、薄膜化処理液貯蔵タンク13内に備えられた気泡誘導板18及び19(図8)、薄膜化処理液貯蔵タンク13における薄膜化処理液9の液面よりも下に設置した回収管排出口22(図8)、ディップ槽10内又は薄膜化処理液貯蔵タンク13内に備えられた超音波発生装置、ディップ槽10における薄膜化処理液9の液面より低い位置に備えられた薄膜化処理液噴出口が挙げられている(例えば、特許文献5参照)。特許文献5では、薄膜化処理液貯蔵タンク13から薄膜化処理液供給ポンプ14によって薄膜化処理液供給口11を介してディップ槽10に供給される経路において、気泡を抑制する手段は記載されておらず、更なる改善の余地があった。
また、処理液中に基板を浸漬して基板処理を行う基板処理装置であって、貯留された処理液中に基板を浸漬して処理する浸漬槽と、浸漬槽からオーバーフローした処理液を回収して一時的に貯留する回収槽と、回収槽に貯留された処理液を回収槽の処理液排出口から吸い込んで浸漬槽に供給する循環流路とを備え、処理液排出口は回収槽の底部に設けられ、回収槽に貯留された処理液の処理液排出口への流れを屈曲状に変化させるとともに処理液排出口及びその周辺部に処理液の充溢領域を形成する吸い込み抑制部材が回収槽に付設された基板処理装置が開示されていて、充溢領域によって、処理液排出口及びその近傍部において処理液が渦流となっても、その中心部に空気を巻き込むおそれが無く、気泡が循環流路に流入しないことが記載されている(例えば、特許文献6参照)。吸い込み抑制部材としては、吸い込み抑制板、吸い込み抑制ボール、吸い込み抑制マットが例示されている。
特許文献6に記載されている回収槽及び処理液排出口は、上記薄膜化処理液貯蔵タンク及び薄膜化処理液吸込口に相当する。特許文献6の装置には、回収槽の底部に下方向へと処理液が落下する処理液排出口が設けられていて、処理液排出口から排出された処理液が横方向へと流れて行く装置において、気泡を抑制する手段は引用文献6には記載されていない。
その他に、処理槽内の処理液に基板を浸漬して所定の処理を行う基板処理装置において、処理槽の外側に配置され、かつ前記処理槽から溢れた処理液を回収する外槽と、外槽及び処理槽と連通し、前記処理槽から排出された処理液を再び前記処理槽へ供給する循環路と、前記循環路のうち前記外槽側に位置する端部に、開口部が下向きになるように配設された吸い込み管とを備えた基板処理装置が開示されている(例えば、特許文献7参照)。特許文献7に記載されている外槽及び端部の吸い込み管は上記薄膜化処理液貯蔵タンク及び薄膜化処理液吸込口に相当する。特許文献7では、図9に示したように、薄膜化処理液供給管20の端部である薄膜化処理液吸込口17が下向きであることによって、液面付近の処理液の流速を小さくでき、渦の発生を抑制し、処理液中の気泡が渦に巻き込まれることを抑制している。
しかし、吸い込み管(薄膜化処理液吸込口17)が下向きである場合、処理槽底面近くの薄膜化処理液を多く吸い込むことになり、外槽(薄膜化処理液貯蔵タンク13)内における均一な液循環を妨げることがあった。また、十分な量の薄膜化処理液を吸い込むためには、薄膜化処理液吸込口17が薄膜化処理液貯蔵タンク13の底部と接触しないように、高さを調節及び固定する必要があった。特許文献7では、吸い込み管(薄膜化処理液吸込口17の開口面が外槽(薄膜化処理液貯蔵タンク13)の底部に対して角度を有するように構成され、高さの調整及び固定をする必要が無い変形例も記載されているが、この場合は、吸い込み管の上方〜下方に存在する処理液が吸い込まれるため、渦の発生を抑制する効果が弱まり、気泡による処理ムラが発生する場合があった。
国際公開第2009/096438号パンフレット 特開2011−192692号公報 国際公開第2012/043201号パンフレット 特開2012−27299号公報 実用新案登録第3182371号公報 特開2000−91293号公報 特開平11−176783号公報
本考案の課題は、レジスト層の薄膜化装置において、気泡による処理ムラの問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することである。
上記課題は、下記手段によって、上記課題を解決することができた。
(1)薄膜化処理ユニットを備えたレジスト層の薄膜化装置において、
薄膜化処理ユニットが、薄膜化処理液が入っているディップ槽と、ディップ槽からオーバーフローした薄膜化処理液が貯蔵される薄膜化処理液貯蔵タンクと、薄膜化処理液貯蔵タンク内に設けられた薄膜化処理液吸込口と、ディップ槽内に設けられた薄膜化処理液供給口と、薄膜化処理液吸込口から吸い込まれた薄膜化処理液をディップ槽へと供給するための薄膜化処理液供給ポンプとを備え、
該薄膜化処理液吸込口に濾過部が備えられ、該濾過部の上面側が遮蔽されていることを特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
(2)上部から見た濾過部の面積に対し、遮蔽されている領域の面積が0.25以上1以下である上記(1)記載のレジスト層の薄膜化装置。
レジスト層の薄膜化装置において、気泡による処理ムラの問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することができる。
本考案の薄膜化装置における薄膜化処理ユニットの一例を示した概略断面図である。 本考案の薄膜化装置における薄膜化処理液吸込口の一例を示した拡大斜視図である。 本考案の薄膜化装置における薄膜化処理液吸込口の一例を示した拡大斜視図である。 本考案の薄膜化装置における薄膜化処理液吸込口の一例を示した拡大斜視図である。 本考案の薄膜化装置において、薄膜化処理液吸込口の一例を上方から見た概略平面図である。 従来技術の薄膜化装置における薄膜化処理ユニットを示した概略断面図である。 従来技術の薄膜化装置における薄膜化処理ユニットを示した概略断面図である。 従来技術の薄膜化装置における薄膜化処理ユニットを示した概略断面図である。 従来技術の薄膜化装置における薄膜化処理ユニットを示した概略断面図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置を用いて行われるレジストパターンの形成方法の一例を表す断面工程図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置を用いて行われるレジストパターンの形成方法の一例を表す断面工程図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置を用いて行われるレジストパターンの形成方法の一例を表す断面工程図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置を用いて行われるレジストパターンの形成方法の一例を表す断面工程図である。
以下、本考案のレジスト層の薄膜化装置について詳細に説明する。
本考案のレジスト層の薄膜化装置を用いて行われるレジストパターンの形成方法について、図10〜13を用いて説明する。
図10を用いて、サブトラクティブ法で導電パターンを形成する場合におけるレジストパターンの形成方法(1)について説明する。
[図10a]絶縁層1上に金属層7が設けられた積層基板を準備する。
[図10b]積層基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図10c]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、薄膜化処理液によってレジスト層3を薄膜化する(薄膜化工程)。
[図10d]薄膜化されたレジスト層3に活性光線5によってパターン露光する(露光工程)。
[図10e]現像によって未露光部のレジスト層3を除去する(現像工程)。
これによって、図10eに示すような、気泡による薄膜化の処理ムラの無いレジストパターンを形成できる。図10eの後に、エッチング工程において、レジストパターンで覆われていない金属層7をエッチングすることにより、導電パターンが得られる。
図11を用いて、ソルダーレジストを用いたレジストパターンの形成方法(2)について説明する。
[図11a]絶縁層1上に導体配線2及び接続パッド6が形成された回路基板を準備する。
[図11b]回路基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図11c]薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(露光工程)。
[図11d]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、レジスト層3の厚みが接続パッド6の厚みよりも薄くなるまで、薄膜化処理液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(薄膜化工程)。
これによって、図11dに示すような、気泡による薄膜化の処理ムラの無い、導体配線2はレジスト層3で被覆しつつ、接続パッド6はレジスト層3から露出した多段構造のレジストパターンを形成することができる。
図12を用いて、サブトラクティブ法で導電パターン形成を形成する場合におけるレジストパターンの形成方法(3)について説明する。
[図12a]絶縁層1上に金属層7が設けられた積層基板を準備する。
[図12b]積層基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図12c]薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(一回目の露光工程)。
[図12d]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、薄膜化処理液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(薄膜化工程)。
[図12e]現像される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(二回目の露光工程)。
[図12f]現像によって未露光部のレジスト層3を除去する(現像工程)。
これによって、図12fに示すような、気泡による薄膜化の処理ムラの無い、部分的に薄膜化されたレジスト層3を有する多段構造のレジストパターンを形成できる。次に、エッチング工程において、レジストパターンで覆われていない金属層7をエッチングすることにより、導電パターンが得られる。
図13を用いて、ソルダーレジストを用いたレジストパターンの形成方法(4)について説明する。
[図13a]絶縁層1上に導体配線2及び接続パッド6が形成された回路基板を準備する。
[図13b]回路基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図13c]一回目に薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(一回目の露光工程)。
[図13d]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、レジスト層3の厚みが接続パッド6の厚み以上になるまで薄膜化処理液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(一回目の薄膜化工程)。
[図13e]二回目に薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(二回目の露光工程)。
[図13f]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、レジスト層3の厚みが接続パッド6の厚みよりも薄くなるまで薄膜化処理液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(二回目の薄膜化工程)。
これによって、図13fに示すような、気泡による薄膜化の処理ムラの無い、導体配線2はレジスト層3で被覆しつつ、接続パッド6はレジスト層3から露出した多段構造のレジストパターンを形成できる。
基板としては、プリント配線板用基板、リードフレーム用基板;プリント配線板用基板やリードフレーム用基板を加工して得られる回路基板が挙げられる。
プリント配線板用基板としては、例えば、フレキシブル基板、リジッド基板が挙げられる。フレキシブル基板の絶縁層の厚さは5〜125μmで、その両面もしくは片面に1〜35μmの金属層が設けられて積層基板となっており、可撓性が大きい。絶縁層の材料には、通常、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー等が用いられる。絶縁層上に金属層を有する材料は、接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上に樹脂液を塗布するキャスト法、スパッタリングや蒸着法で樹脂フィルム上に形成した厚さ数nmの薄い導電層(シード層)の上に電解メッキで金属層を形成するスパッタ/メッキ法、熱プレスで貼り付けるラミネート法等のいかなる方法で製造したものを用いてもよい。金属層の金属としては、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、あるいはそれらの合金等のいかなる金属を用いることができるが、銅が一般的である。
リジッド基板は、紙基材又はガラス基材にエポキシ樹脂又はフェノール樹脂等を浸漬させた絶縁性基板を重ねて絶縁層とし、その片面もしくは両面に金属箔を載置し、加熱及び加圧により積層し、金属層が設けられた積層基板が挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、貫通孔や非貫通孔を有する多層板も挙げられる。厚みは60μm〜3.2mmであり、プリント配線板としての最終使用形態により、その材質と厚みが選定される。金属層の材料としては、銅、アルミニウム、銀、金等が挙げられるが、銅が最も一般的である。これらプリント配線板用基板の例は、「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)プリント回路学会編、1987年刊、日刊工業新聞社発刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット編、1992年刊、(株)近代化学社発刊)に記載されている。
リードフレーム用基板としては、鉄ニッケル合金、銅系合金等の基板が挙げられる。
回路基板とは、絶縁性基板上に銅等の金属からなる半導体チップ等の電子部品を接続するための接続パッドが形成された基板である。導体配線が形成されていてもよい。回路基板を作製する方法は、例えばサブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法が挙げられる。サブトラクティブ法では、例えば、上記のプリント配線板用基板にエッチングレジストパターンを形成し、露光工程、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程を実施して回路基板が作製される。
レジストとしては、アルカリ現像型のレジストが使用できる。また、液状レジストであってもよく、ドライフィルムレジストであってもよく、アルカリ水溶液である薄膜化処理液によって薄膜化でき、かつ、薄膜化処理液よりも低濃度のアルカリ水溶液である現像液によって現像できるレジストであればいかなるものでも使用できる。アルカリ現像型のレジストは光架橋性樹脂成分を含む。光架橋性樹脂成分は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤等を含有してなる。また、エポキシ樹脂、熱硬化剤、無機フィラー等を含有させてもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂の有機高分子が挙げられる。このうち、エチレン性不飽和二重結合を有した単量体(重合性単量体)を重合(ラジカル重合等)して得られたものであることが好ましい。これらのアルカリ可溶性樹脂は、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いても良い。エチレン性不飽和二重結合を有した単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン等のスチレン誘導体;ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;アクリロニトリル;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸モノエステル;マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸系単量体;フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。
光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー;ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO、PO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、EO及びPOは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを示し、EO変性された化合物は、エチレンオキサイド基のブロック構造を有するものであり、PO変性された化合物は、プロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。これらの光重合性化合物は単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一であって対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
エポキシ樹脂は、硬化剤として用いられる場合がある。アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸と反応させることで架橋させ、耐熱性や耐薬品性の特性の向上を図っているが、カルボン酸とエポキシは常温でも反応が進むために、保存安定性が悪く、アルカリ現像型のソルダーレジストは一般的に使用前に混合する2液性の形態をとっている場合が多い。無機フィラーを使用する場合もあり、例えば、タルク、硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
基板の表面にレジスト層を形成する方法は、いかなる方法でもよいが、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、ディップ法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法が挙げられる。ドライフィルムレジストの場合は、ラミネート法が好適に用いられる。
露光工程では、レジスト層に対して活性光線を照射する。キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光、フォトマスクを用いた片面、両面密着露光や、プロキシミティ方式、プロジェクション方式やレーザ走査露光等を使用することができる。走査露光を行う場合には、UVレーザ、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンイオンレーザ、ルビーレーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、色素レーザ、エキシマレーザ等のレーザ光源を発光波長に応じてSHG波長変換した走査露光、あるいは、液晶シャッター、マイクロミラーアレイシャッターを利用した走査露光によって露光することができる。
現像工程では、未露光部のレジスト層を現像液で現像する。薄膜化工程と異なり、未露光部のレジスト層を完全に除去する。現像方法としては、使用するレジスト層に見合った現像液を用い、基板表面に向かってスプレーを噴射する方法が一般的である。現像液としては、薄膜化処理に使用される薄膜化処理液よりも低濃度のアルカリ水溶液が使用される。現像液(低濃度アルカリ水溶液)としては、0.3〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的である。
エッチング工程では、「プリント回路技術便覧」((社)日本プリント回路工業会編、1987年刊行、(株)日刊工業新聞社刊)記載の方法等を使用することができる。エッチング液は金属層を溶解除去できるもので、また、少なくともレジスト層が耐性を有しているものであればよい。一般に金属層に銅を使用する場合には、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液等を使用することができる。
レジスト層の薄膜化工程とは、薄膜化処理液によってレジスト層中の光架橋性樹脂成分をミセル化させるミセル化処理(薄膜化処理)、次に、水又はpH5〜9のアルカリ水溶液によってミセルを除去するミセル除去処理を含む工程である。さらに、除去しきれなかったレジスト層表面や残存付着した薄膜化処理液を水洗によって洗い流す水洗処理、水洗水を除去する乾燥処理も含むこともできる。
薄膜化処理液に使用されるアルカリ性化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン)等の有機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ性化合物は単独で使用しても良いし、混合物としても使用できる。
薄膜化処理液のアルカリ性化合物の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下である。また、レジスト層表面をより均一に薄膜化するために、薄膜化処理液に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩又は亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属硫酸塩又は亜硫酸塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩又は亜硫酸塩が挙げられる。
薄膜化処理液としては、これらの中でも特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属ケイ酸塩の群から選ばれる無機アルカリ性化合物、並びに、TMAH及びコリンの群から選ばれる有機アルカリ性化合物のうち、1種以上を含み、アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%であるアルカリ水溶液が、表面をより均一に薄膜化できるため、好適に使用できる。アルカリ性化合物の含有量が5質量%未満では、薄膜化する処理でムラが発生しやすくなる場合がある。また、アルカリ性化合物の含有量が25質量%を超えると、液の経時安定性、作業性に劣る場合がある。アルカリ性化合物の含有量は7〜17質量%がより好ましく、8〜13質量%がさらに好ましい。薄膜化処理液のpHは10以上とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
薄膜化処理液による薄膜化処理は、ディップ槽中の薄膜化処理液にレジスト層が形成された基板を浸漬(ディップ、dip)することによって行われる。ディップ処理以外の処理方法は、薄膜化処理液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡が薄膜化処理中にレジスト層表面に付着して、膜厚が不均一となる場合がある。
本考案のレジスト槽の薄膜化装置を用いたレジストパターンの形成方法では、レジスト層形成後の厚みとレジスト層の薄膜化量で、レジスト層の厚みが決定される。また、0.01〜500μmの範囲で薄膜化量を自由に調整することができる。
図1〜5を用いて、本考案のレジスト層の薄膜化装置を説明する。
本考案のレジスト層の薄膜化装置は、薄膜化処理ユニットを備えている。薄膜化処理ユニットは、薄膜化処理液9が入っているディップ槽10と、ディップ槽10からオーバーフローした薄膜化処理液9が貯蔵される薄膜化処理液貯蔵タンク13と、薄膜化処理液貯蔵タンク13内に設けられた薄膜化処理液吸込口と、ディップ槽10内に設けられた薄膜化処理液供給口11と、薄膜化処理液吸込口から吸い込まれた薄膜化処理液9をディップ槽10へと供給するための薄膜化処理液供給ポンプ14とを備えている。
図1は、本考案の薄膜化装置における薄膜化処理ユニットの一例を示した概略断面図であり、基板の搬送方向から見た概略断面図である。この薄膜化装置では、レジスト層が形成された基板8を搬送ロール対12によって、ディップ槽10中の薄膜化処理液9に浸漬した状態で搬送し、レジスト層の薄膜化処理が行われる。薄膜化処理液9は、装置下部の薄膜化処理液貯蔵タンク13に設けられた薄膜化処理液吸込口から薄膜化処理液供給ポンプ14によって薄膜化処理液供給口11を介してディップ槽10に供給される。オーバーフローした薄膜化処理液9は薄膜化処理液回収槽30に回収され、回収管21を通って回収管排出口22より排出され、薄膜化処理液貯蔵タンク13に貯蔵される。この繰り返しによって、薄膜化処理液9はディップ槽10と薄膜化処理液貯蔵タンク13との間を循環する。
そして、本考案では、基板8のレジスト層に気泡が付着することを抑制するために、薄膜化処理液吸込口に濾過部24が備えられ、該濾過部24の上面側が遮蔽されていることを特徴としている。図2は、本考案の薄膜化装置における薄膜化処理液吸込口の一例を示した拡大斜視図である。薄膜化処理液貯蔵タンク13内の薄膜化処理液供給管20の端部に、直方体である濾過部24が備えられている。濾過部24の上面は遮蔽されている領域(遮蔽領域)25であり、この遮蔽領域25から薄膜化処理液9を吸い込むことはできない。濾過部24の上面以外の面は、多孔板又は網状板で構成され、薄膜化処理液9を通すことができる。遮蔽領域25以外が多孔板又は網状板で構成されることによって、薄膜化処理液9中の異物を除去することができる。薄膜化処理液貯蔵タンク13内において、気泡15は徐々に液面へと浮上するため、薄膜化処理液9の上部に気泡15が多く含まれている。そのため、濾過部24の上面側が遮蔽されていれば、薄膜化処理液吸込口へと吸い込まれてディップ槽へと送り込まれる気泡15の量を減らすことができる。なお、濾過部24の上面以外の面は通液性を有するため、薄膜化処理液貯蔵タンク13の底部に濾過部24が接触していても、十分な量の薄膜化処理液9を吸い込むことができる(図1(A))。また、濾過部24が薄膜化処理液貯蔵タンク13の底部から離れていても構わない(図1(B))。薄膜化処理液貯蔵タンク13内における濾過部24の位置は、端でも良いし、中央付近でも良いが、薄膜化処理液貯蔵タンク13内の薄膜化処理液9が均一に循環されるため、中央付近の方が好ましい。
図3及び4は、本考案の薄膜化装置における薄膜化処理液吸込口の別例を示した拡大斜視図である。図3の濾過部24は六角柱であり、図4の濾過部24は円柱である。濾過部24の形状は、直方体、六角柱、円柱に限定されず、六角柱以外の多角柱、楕円柱、球状、半球状、椀型等の種々の形状を採ることができる。
図5は、図3の薄膜化処理液吸込口を上方から見た概略平面図である。上部から見た濾過部24の面積に対し、遮蔽領域25の面積が0.25以上1以下であることが好ましく、0.35以上1以下であることがより好ましく、0.45以上1以下であることがさらに好ましい。濾過部24の面積に対して遮蔽領域25の面積が0.25未満である場合、気泡抑制効果が低くなり過ぎる場合がある。
濾過部24の材料には、薄膜化処理液9に対して耐性のある各種材料を用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン樹脂等の合成樹脂、ガラス繊維強化ポリプロピレン、ガラス繊維強化エポキシ樹脂等の繊維強化プラスチック、チタン、ハステロイ(登録商標)等の耐食性金属材料等の材料を用いることができる。薄膜化処理液吸込口は一つであっても良いし、複数であっても良い。
本考案では、実用新案登録第3182371号公報に記載されている気泡抑制装置を併用することができる。該気泡抑制装置としては、薄膜化処理液9をディップ槽10に供給する薄膜化処理液供給口11と搬送ロール対12との間に備えられた気泡誘導板16(図8)、薄膜化処理液貯蔵タンク13内に備えられた気泡誘導板18及び19(図8)、薄膜化処理液貯蔵タンク13における薄膜化処理液9の液面よりも下に設置した回収管排出口22(図8)、ディップ槽10内又は薄膜化処理液貯蔵タンク13内に備えられた超音波発生装置、ディップ槽10における薄膜化処理液9の液面より低い位置に備えられた薄膜化処理液噴出口等が挙げられる。
薄膜化処理液9の温度は、薄膜化処理液貯蔵タンク13内に設置された加温用ヒーター、冷却水を循環させた冷却管等によって制御することができる。温度制御用の温度計は、薄膜化処理液貯蔵タンク13内だけでなくディップ槽10にも設置することが好ましく、これによって循環経路内の薄膜化処理液9の温度はより一定に保たれる。ディップ槽10の大きさは、搬送ロール対12によってレジスト層が形成された基板8が搬送されて薄膜化処理される際、レジスト層に薄膜化処理液が接触する大きさであれば特に制限は無く、自由に決めることができる。また、薄膜化処理液回収槽30の形状や大きさは、ディップ槽10から薄膜化処理液9のオーバーフローを回収できるようになっていればよく、自由に決めることができる。
搬送ロール対12の形状及び材質は、レジスト層が形成された基板を搬送することができるものであれば特に制限は無く、例えば、ポリオレフィン(ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー(サーモラン(THERMORUN、登録商標)等)、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂(テフロン(登録商標)等)等が利用できる。また、搬送ロール対12の設置位置及び本数は、レジスト層が形成された基板8を搬送することができれば、図示された設置位置及び本数に限定されるものではない。
レジスト層の薄膜化装置に使用される材料は、特に限定されない。薄膜化処理液9に接する部品においては、薄膜化処理液9に対して耐性のある各種材料を用いることができる。
レジスト層の薄膜化工程のミセル化処理(薄膜化処理)において、薄膜化処理液9によってレジスト層中の光架橋性樹脂成分がミセル化された後、ミセル除去処理において、該薄膜化処理液9よりも希薄なアルカリ性化合物を含有するpH5〜9の水溶液又は水によってミセルが除去され、レジスト層の薄膜化が進行する。水溶液のpHが5未満では、水溶液中に溶け込んだレジスト層成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって薄膜化後のレジスト層表面に付着する恐れがある。一方、水溶液のpHが9を超えると、レジスト層の溶解拡散が促進され、面内で処理ムラが発生しやすくなることがあるため好ましくない。また、水溶液のpHは、硫酸、リン酸、塩酸等を用いて調整することができる。また、pH5〜9の水溶液の供給方法としては、レジスト層の溶解拡散速度と液供給の均一性の点からスプレー方式が最も好ましい。スプレー圧は、0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.3MPaである。さらに、スプレーの方法は、レジスト層表面に効率よく液流れを作るために、レジスト層表面に垂直な方向に対して傾いた方向から噴射するのがよい。
pH5〜9の水溶液によってミセルを除去した後、さらに、除去しきれなかったレジスト層表面や残存付着したアルカリ水溶液を水洗処理によって洗い流す。水洗処理の方法としては、拡散速度と液供給の均一性の点からスプレー方式が好ましい。
乾燥処理では、熱風乾燥、室温送風乾燥のいずれも用いることができるが、エアブロワを用いて大量の空気を送気し、エアスリットノズルから高圧の空気をレジスト層表面に吹き付けて、表面上の水を除去する方法が好ましい。
以下、実施例によって本考案をさらに詳しく説明するが、本考案はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
プリント配線板用基板(絶縁層1:ガラス基材エポキシ樹脂、金属層7:銅箔、面積510mm×340mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.2mm、三菱ガス化学社(MITSUBISHI GAS CHEMICAL COMPANY, INC.)製、商品名:CCL−E170)にドライフィルムレジスト用ラミネータを用いて、ドライフィルムレジスト(日立化成工業社(Hitachi Chemical Co., Ltd.)製、商品名:RY3625、厚み25μm)を熱圧着し、レジスト層3を形成した。
次に、ドライフィルムレジストのキャリアフィルムを剥離した後、薄膜化処理液9として12質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)を用いて、搬送方向の長さが500mm、幅750mm、深さ200mmのディップ槽10、ディップ槽10からオーバーフローした薄膜化処理液9を薄膜化処理液回収槽30から薄膜化処理液貯蔵タンク13内部に導く回収管21、搬送方向の長さが700mm、幅950mm、深さ600mmの薄膜化処理液貯蔵タンク13、薄膜化処理液貯蔵タンク13底部から350mmの高さ位置に設置された回収管排出口22、薄膜化処理液貯蔵タンク13側面から薄膜化処理液貯蔵タンク13の底部に沿って導入された薄膜化処理液供給管20、薄膜化処理液供給管20の端部に備えられた薄膜化処理液吸込口である濾過部24が設置された薄膜化装置(図1(B))を使用し、薄膜化処理液供給ポンプ14によって薄膜化処理液9を薄膜化処理液貯蔵タンク13からディップ槽10へと供給し、オーバーフローさせることで薄膜化処理液9を循環させながら、レジスト層3の薄膜化処理を行った。薄膜化処理液供給ポンプ14を運転している時の薄膜化処理液貯蔵タンク13における薄膜化処理液の液面23の高さは、薄膜化処理液貯蔵タンク13の底面から250mmであった。薄膜化処理液供給管20は直径20mmのポリ塩化ビニル管であり、濾過部24は、直径5mmの孔が多数設けられたパンチングメタルで構成された縦20cm、横30cm、高さ10cmの直方体である。濾過部24の上面全体は、縦20cm、横30cmの長方形である無孔のポリ塩化ビニル板で遮蔽されている。上部から見た濾過部24の面積に対する遮蔽領域25の面積は1である。
レジスト層3を基板8の下面にして、薄膜化処理液9に28秒間浸漬したままの状態で搬送ロール対12によって搬送して薄膜化処理を行った後、ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理後にレジスト層3の薄膜化部の厚みを測定したところ12μmであった。
薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラの無い平滑な表面であることを確認することができた。
(比較例1)
濾過部24の代わりに、薄膜化処理液貯蔵タンク13側面から薄膜化処理液貯蔵タンク13の底部から10cmの高さで導入された薄膜化処理液供給管20、薄膜化処理液供給管20の端部5cmを下方に向けた薄膜化処理液吸込口17を備えた薄膜化装置(図9)を使用した以外は、実施例1と同様にして、レジスト層3を薄膜化した。レジスト層3の薄膜化部の厚みを測定したところ12μmであった。薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、気泡の付着が原因と考えられる無数の処理ムラが発生していた。
(実施例2)
濾過部24の上面を遮蔽する無孔のポリ塩化ビニル板を縦5cm、横30cmの長方形とし、上部から見た濾過部24の面積に対する遮蔽領域25の面積が0.25である薄膜化装置を使用した以外は、実施例1と同様にして、レジスト層3を薄膜化した。レジスト層3の薄膜化部の厚みを測定したところ12μmであった。薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、気泡の付着が原因と考えられる処理ムラが2箇所発生していた。
(実施例3)
濾過部24の上面を遮蔽する無孔のポリ塩化ビニル板を縦7cm、横30cmの長方形とし、上部から見た濾過部24の面積に対する遮蔽領域25の面積が0.35である薄膜化装置を使用した以外は、実施例1と同様にして、レジスト層3を薄膜化した。レジスト層3の薄膜化部の厚みを測定したところ12μmであった。薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラは無かった。
(実施例4)
濾過部24の上面を遮蔽する無孔のポリ塩化ビニル板を縦9cm、横30cmの長方形とし、上部から見た濾過部24の面積に対する遮蔽領域25の面積が0.45である薄膜化装置を使用した以外は、実施例1と同様にして、レジスト層3を薄膜化した。レジスト層3の薄膜化部の厚みを測定したところ12μmであった。薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラは無かった。
(実施例5)
濾過部24の上面を遮蔽する無孔のポリ塩化ビニル板を縦16cm、横30cmの長方形とし、上部から見た濾過部24の面積に対する遮蔽領域25の面積が0.80である薄膜化装置を使用した以外は、実施例1と同様にして、レジスト層3を薄膜化した。レジスト層3の薄膜化部の厚みを測定したところ12μmであった。薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラは無かった。
本考案のレジスト層の薄膜化装置は、プリント配線板やリードフレームにおける回路基板の作製、又はフリップチップ接続用の接続パッドを備えたパッケージ基板の作製において、レジストパターンを形成させる用途に適用できる。
1 絶縁層
2 導体配線
3 レジスト層
4 フォトマスク
5 活性光線
6 接続パッド
7 金属層
8 基板
9 薄膜化処理液
10 ディップ槽
11 薄膜化処理液供給口
12 搬送ロール対
13 薄膜化処理液貯蔵タンク
14 薄膜化処理液供給ポンプ
15 気泡
16 気泡誘導板
17 薄膜化処理液吸込口
18 気泡誘導板
19 気泡誘導板
20 薄膜化処理液供給管
21 回収管
22 回収管排出口
23 薄膜化処理液の液面
24 濾過部
25 遮蔽領域
30 薄膜化処理液回収槽

Claims (2)

  1. 薄膜化処理ユニットを備えたレジスト層の薄膜化装置において、
    薄膜化処理ユニットが、薄膜化処理液が入っているディップ槽と、ディップ槽からオーバーフローした薄膜化処理液が貯蔵される薄膜化処理液貯蔵タンクと、薄膜化処理液貯蔵タンク内に設けられた薄膜化処理液吸込口と、ディップ槽内に設けられた薄膜化処理液供給口と、薄膜化処理液吸込口から吸い込まれた薄膜化処理液をディップ槽へと供給するための薄膜化処理液供給ポンプとを備え、
    該薄膜化処理液吸込口に濾過部が備えられ、該濾過部の上面側が遮蔽されていることを特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
  2. 上部から見た濾過部の面積に対し、遮蔽されている領域の面積が0.25以上1以下である請求項1記載のレジスト層の薄膜化装置。
JP2019004229U 2019-11-07 2019-11-07 レジスト層の薄膜化装置 Active JP3224844U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019004229U JP3224844U (ja) 2019-11-07 2019-11-07 レジスト層の薄膜化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019004229U JP3224844U (ja) 2019-11-07 2019-11-07 レジスト層の薄膜化装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017104999A Continuation JP2018200392A (ja) 2017-05-26 2017-05-26 レジスト層の薄膜化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3224844U true JP3224844U (ja) 2020-01-23

Family

ID=69165685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019004229U Active JP3224844U (ja) 2019-11-07 2019-11-07 レジスト層の薄膜化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3224844U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3182371U (ja) レジスト層の薄膜化処理装置
JP3186533U (ja) レジスト層の薄膜化装置
KR200494122Y1 (ko) 레지스트층의 박막화 장치
JP3224844U (ja) レジスト層の薄膜化装置
JP3207408U (ja) レジスト層の薄膜化装置
JP3218349U (ja) レジスト層の薄膜化装置
JP3208034U (ja) レジスト層の薄膜化装置
JP3225660U (ja) レジスト層の薄膜化装置
JP2015046519A (ja) 回路基板の製造方法
KR20210018401A (ko) 레지스트층의 박막화 장치
JP4920777B2 (ja) レジストパターンの形成方法及び回路基板の製造方法
JP3218350U (ja) レジスト層の薄膜化装置
JP2018045116A (ja) レジスト層の薄膜化装置
JP3202621U (ja) レジスト層の薄膜化装置
TWM464705U (zh) 阻層之薄膜化處理裝置
JP6076291B2 (ja) 樹脂層薄膜化処理液の管理方法
JP2007286385A (ja) アルカリ可溶性樹脂層処理液、アルカリ可溶性樹脂層除去方法、レジストパターンの形成方法及び回路基板の製造方法
JP3239541U (ja) ソルダーレジスト層の薄膜化装置
KR200492081Y1 (ko) 레지스트층의 박막화 장치
JP3201110U (ja) レジスト層の薄膜化装置
KR200491908Y1 (ko) 레지스트층의 박막화 장치
JP3202620U (ja) レジスト層の薄膜化装置
JP5161841B2 (ja) 樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法
TWM620419U (zh) 阻焊劑層的薄膜化裝置
JP2022025407A (ja) レジストパターンの形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3224844

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250