JP3218350U - レジスト層の薄膜化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液切りロール対に付着した薄膜化処理液が乾燥し、液中の成分が析出・固着し、レジスト層上の薄膜化処理液の被覆量が不均一となる問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供する。【解決手段】基板3上に形成されたレジスト層に薄膜化処理液1を供給する薄膜化処理ユニット11を備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、薄膜化処理ユニット11が、薄膜化処理液1が入っているディップ槽2と、ディップ槽の出口ロール対5と、薄膜化処理ユニットの出口ロール対6と、ディップ槽の出口ロール対5と薄膜化処理ユニットの出口ロール対6との間に設置された液切りロール対8とを有し、さらに、薄膜化処理ユニット11が、該液切りロール対8に薄膜化処理液1を供給する薄膜化処理液供給機構を有する。【選択図】図2

Description

本考案は、レジスト層の薄膜化装置に関する。
電気及び電子部品の小型化、軽量化、多機能化に伴い、回路形成用のドライフィルムレジスト、ソルダーレジストをはじめとする感光性樹脂(感光性材料)には、プリント配線板の高密度化に対応するために、高解像度が要求されている。これらの感光性樹脂による画像形成は、感光性樹脂を露光後、現像することによって行われる。
プリント配線板の小型化、高機能化に対応するため、感光性樹脂が薄膜化される傾向がある。感光性樹脂には、液を塗布して使用するタイプのもの(液状レジスト)とドライフィルムタイプのもの(ドライフィルムレジスト)がある。最近では15μm以下の厚みのドライフィルムレジストが開発され、製品化も進んでいる。しかし、このような薄いドライフィルムレジストでは、従来の厚さのレジストに比べて、密着性及び凹凸への追従性が不十分となり、剥がれやボイドなどが発生する問題があった。
上述の点を改善するために、厚い感光性樹脂を使用しながら、高解像度が達成できる種々の手段が提案されている。例えば、サブトラクティブ法によって導電パターンを作製する方法において、絶縁層の片面又は両面に金属層が設けられてなる積層基板上にドライフィルムレジストを貼り付けてレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次に、回路パターンの露光工程、現像工程、エッチング工程を行うことを特徴とする導電パターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、ソルダーレジストパターンを形成する方法において、導電性パターンを有する回路基板上にソルダーレジストからなるレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次にパターン露光工程を行い、再度レジスト層の薄膜化工程を行うことを特徴とするソルダーレジストパターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
また、特許文献4には、レジスト層の薄膜化工程に使用される薄膜化装置が開示されている。具体的には、レジスト層が形成された基板を高濃度のアルカリ水溶液(薄膜化処理液)に浸漬(ディップ、dip)してレジスト層の成分のミセルを一旦不溶化し、処理液中に溶解拡散しにくくする薄膜化処理ユニット、ミセル除去液スプレーによって一挙にミセルを溶解除去するミセル除去処理ユニット、表面を水で洗浄する水洗処理ユニット、水洗水を除去する乾燥処理ユニットの四つの処理ユニットを少なくとも含むレジスト層の薄膜化装置が開示されている。
特許文献4で開示されている薄膜化装置の一部について、図1に示した概略断面図を用いて説明する。薄膜化処理ユニット11では、投入口7からレジスト層が形成された基板3が投入される。基板3は、搬送ロール対4によって、ディップ槽2中の薄膜化処理液1に浸漬した状態で搬送され、レジスト層の薄膜化処理が行われる。その後に、基板3は、ミセル除去処理ユニット12に搬送される。ミセル除去処理ユニット12では、搬送ロール対4によって搬送されてきた基板3に対し、ミセル除去液供給管20を通じてミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22が供給される。基板3上のレジスト層は、薄膜化処理ユニット11内部のディップ槽2において、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1によって、レジスト層の成分のミセルが薄膜化処理液1に対して一旦不溶化されている。その後、ミセル除去液スプレー22によってミセルが除去されることで、レジスト層が薄膜化される。
しかし、図1に示したレジスト層の薄膜化装置では、基板3が薄膜化処理ユニット11内部のディップ槽2の出口ロール対5を通過した後、薄膜化処理ユニット11の薄膜化処理ユニットの出口ロール対6を通過するまでの間、基板3上のレジスト層表面はディップ槽2中から持ち出した薄膜化処理液1の液膜によって被覆された状態になっている。ここで、レジスト層表面が疎水性になっている場合、該液膜との親和性が低くなって、レジスト層表面で薄膜化処理液1が流動し、薄膜化処理液1の被覆量が不均一になる場合がある。薄膜化処理液1の被覆量が多いと、レジスト層の成分のミセル化速度は速くなり、反対に、薄膜化処理液1の被覆量が少ないと、ミセル化速度は遅くなる。そのため、薄膜化処理液1の被覆量が不均一であると、薄膜化されたレジスト層の厚みが不均一になる場合があった。
また、薄膜化処理ユニット11におけるディップ槽2から持ち出された薄膜化処理液1が、ミセル除去処理ユニット12中に多量に持ち込まれる場合もある。薄膜化処理液1は高濃度のアルカリ水溶性であるため、一度に多量に持ち込まれると、ミセル除去液10のpHが上がりすぎてコントロールできなくなり、ミセル除去性能にばらつきが発生し、レジスト層の薄膜化処理量が不均一になる場合があった。
このような薄膜化処理液1の被覆量が不均一になることを防止するために、図7に示したように、基板3が、薄膜化処理ユニット11内部のディップ槽2の出口ロール対5を通過した後、ミセル除去処理ユニット12に搬送される間に、液切りロール対8を設置したレジスト層の薄膜化装置が開示されている(例えば、特許文献5参照)。このように、液切りロール対8を設置することで、レジスト層表面における薄膜化処理液1の被覆量は均一になったものの、薄膜化装置を運転している間に、液切りロール対8に付着した薄膜化処理液1が部分的に乾燥し、液中の成分が析出・固着し、レジスト層表面における薄膜化処理液1の被覆量が不均一となることがあった。この現象は、長時間の連続運転を行う場合や、一度、処理を行った後に、時間を空けてから運転を再開するような間欠運転を行う場合に、顕著に見られる現象であった。
このように、薄膜化された後のレジスト層の厚みが不均一になって、薄膜化後のレジスト層に厚みの薄い部分があると、サブトラクティブ法における導電パターン形成では回路の断線の原因となり、ソルダーレジストのパターン形成では耐候性低下の原因となり、どちらも生産における歩留まりの低下につながるという問題があった。
国際公開第2009/096438号パンフレット 特開2011−192692号公報 国際公開第2012/043201号パンフレット 特開2012−27299号公報 実用新案登録第3186533号公報
本考案の課題は、液切りロール対に付着した薄膜化処理液が乾燥し、液中の成分が析出・固着し、レジスト層上の薄膜化処理液の被覆量が不均一となる問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することである。
本考案者らは、下記考案によって、これらの課題を解決できることを見出した。
(1)基板上に形成されたレジスト層に薄膜化処理液を供給する薄膜化処理ユニットを備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、
薄膜化処理ユニットが、薄膜化処理液が入っているディップ槽と、ディップ槽の出口ロール対と、薄膜化処理ユニットの出口ロール対と、ディップ槽の出口ロール対と薄膜化処理ユニットの出口ロール対との間に設置された液切りロール対とを有し、
さらに、薄膜化処理ユニットが、該液切りロール対に薄膜化処理液を供給する薄膜化処理液供給機構を有することを特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
(2)薄膜化処理液供給機構が、液切りロール対の上側ロールに薄膜化処理液を供給するノズルである上記(1)に記載のレジスト層の薄膜化装置。
(3)薄膜化処理液供給機構が、液切りロール対の下側ロールに薄膜化処理液を供給するロール浸漬槽である上記(1)に記載のレジスト層の薄膜化装置。
本考案によれば、液切りロール対に付着した薄膜化処理液が乾燥し、液中の成分が析出・固着し、レジスト層上の薄膜化処理液の被覆量が不均一となる問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することができる。
レジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略断面図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置であり、液切りロール対の上側ロールに薄膜化処理液を供給するノズルを有するレジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略断面図である。 液切りロール対の上側ロールに薄膜化処理液を供給するノズルの一例を示す拡大概略図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置であり、液切りロール対の下側ロールが薄膜化処理液に浸漬されるロール浸漬槽を有するレジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略断面図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置であり、2対の液切りロール対の上側ロールに薄膜化処理液を供給するノズルを有するレジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略断面図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置であり、2対の液切りロール対の下側ロールが薄膜化処理液に浸漬されるロール浸漬槽を有するレジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略断面図である。 従来のレジスト層の薄膜化装置であり、液切りロール対を有するものの、液切りロール対に薄膜化処理液を供給する薄膜化処理液供給機構を有していない薄膜化装置の一例を示す概略断面図である。
<薄膜化工程>
レジスト層の薄膜化工程とは、基板上に形成されたレジスト層に薄膜化処理液を供給し、薄膜化処理液によってレジスト層中の成分をミセル化すると共に、このミセルを一旦不溶化し、薄膜化処理液中に溶解拡散しにくくする薄膜化処理、ミセル除去液スプレーによって、レジスト層表面のミセルを一挙に溶解除去するミセル除去処理を含む工程である。さらに、ミセル除去処理で完全に除去できなかったレジスト層表面のミセル、残存した薄膜化処理液及びミセル除去液を水によって洗浄する水洗処理、水洗処理で使用した水を除去する乾燥処理を含むこともできる。
<薄膜化処理>
薄膜化処理は、パドル処理、スプレー処理、ブラッシング、スクレーピング等の方法を用いることもできるが、浸漬処理によって行われることが好ましい。浸漬処理では、レジスト層が形成された基板を薄膜化処理液に浸漬(ディップ、dip)する。浸漬処理以外の処理方法は、薄膜化処理液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡が薄膜化処理中にレジスト層表面に付着して、薄膜化された後のレジスト層の厚みが不均一になる場合がある。スプレー処理等を使用する場合には、気泡が発生しないように、スプレー圧をできるだけ小さくしなければならない。
本考案において、レジスト層形成後の厚みとレジスト層が薄膜化された量で、薄膜化された後のレジスト層の厚みが決定される。また、本考案では、0.01〜500μmの範囲でレジスト層の薄膜化量を自由に調整することができる。
<レジスト>
レジストとしては、アルカリ現像型のレジストが使用できる。また、液状レジストであってもよく、ドライフィルムレジストであってもよく、高濃度のアルカリ水溶液(薄膜化処理液)によって薄膜化でき、かつ、薄膜化処理液よりも低濃度のアルカリ水溶液である現像液によって現像できるレジストであれば、いかなるレジストでも使用できる。アルカリ現像型レジストは光架橋性樹脂成分を含む。光架橋性樹脂成分は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤等を含有してなる。また、エポキシ樹脂、熱硬化剤、無機フィラー等を含有させてもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂の有機高分子が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有した単量体(重合性単量体)を重合(ラジカル重合等)して得られたものであることが好ましい。これらのアルカリ水溶液に可溶な重合体は、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレン性不飽和二重結合を有した単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン等のスチレン誘導体;ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;アクリロニトリル;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸モノエステル;マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸系単量体;フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。
光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー;ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO、PO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、EO及びPOは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを示し、EO変性された化合物は、エチレンオキサイド基のブロック構造を有するものであり、PO変性された化合物は、プロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。これらの光重合性化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン、Michler ketone)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一であって対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、硬化剤として用いられる場合がある。アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸と反応させることで架橋させ、耐熱性や耐薬品性の特性の向上を図っているが、カルボン酸とエポキシは常温でも反応が進むために、保存安定性が悪く、アルカリ現像型ソルダーレジストは一般的に使用前に混合する2液性の形態をとっている場合が多い。無機フィラーを使用する場合もあり、例えば、タルク、硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
基板の表面にレジスト層を形成する方法は、いかなる方法でもよいが、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法が挙げられる。ドライフィルムレジストの場合は、ラミネート法が好適に用いられる。
<基板>
基板としては、プリント配線板用基板、リードフレーム用基板;プリント配線板用基板やリードフレーム用基板を加工して得られる回路基板が挙げられる。
プリント配線板用基板としては、例えば、フレキシブル基板、リジッド基板が挙げられる。
フレキシブル基板の絶縁層の厚さは5〜125μmで、その両面又は片面に1〜35μmの金属層が設けられて積層基板となっており、可撓性が大きい。絶縁層の材料には、通常、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー等が用いられる。絶縁層上に金属層を有する材料は、接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上に樹脂液を塗布するキャスト法、スパッタリングや蒸着法で樹脂フィルム上に形成した厚さ数nmの薄い導電層(シード層)の上に電解メッキで金属層を形成するスパッタ/メッキ法、熱プレスで貼り付けるラミネート法等のいかなる方法で製造したものを用いてもよい。金属層の金属としては、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、あるいはそれらの合金等のいかなる金属を用いることができるが、銅が一般的である。
リジッド基板は、紙基材又はガラス基材にエポキシ樹脂又はフェノール樹脂等を浸漬させた絶縁性基板を重ねて絶縁層とし、その片面もしくは両面に金属箔を載置し、加熱及び加圧により積層し、金属層が設けられた積層基板が挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、貫通孔や非貫通孔を有する多層板も挙げられる。厚みは60μm〜3.2mmであり、プリント配線板としての最終使用形態により、その材質と厚みが選定される。金属層の材料としては、銅、アルミニウム、銀、金等が挙げられるが、銅が最も一般的である。これらプリント配線板用基板の例は、「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)プリント回路学会編、1987年刊、日刊工業新聞社発刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット(Scarlett)編、1992年刊、(株)近代化学社発刊)に記載されている。
リードフレーム用基板としては、鉄ニッケル合金、銅系合金等の基板が挙げられる。
回路基板とは、絶縁性基板上に半導体チップ等の電子部品を接続するための接続パッドが形成された基板である。接続パッドは銅等の金属からなる。また、回路基板には、導体配線が形成されていてもよい。回路基板を作製する方法は、例えばサブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法が挙げられる。サブトラクティブ法では、例えば、上記のプリント配線板用基板にエッチングレジストパターンを形成し、露光工程、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程を実施して回路基板が作製される。
<薄膜化装置>
図2〜図6は、本考案の薄膜化装置の一例を示す概略図である。本考案の薄膜化装置は、基板上に形成されたレジスト層に薄膜化処理液1を供給し、レジスト層中の成分をミセル化させる薄膜化処理ユニット11を備えてなる。そして、薄膜化処理ユニット11は、薄膜化処理液が入っているディップ槽2と、ディップ槽の出口ロール対5と、薄膜化処理ユニットの出口ロール対6と、ディップ槽の出口ロール対5と薄膜化処理ユニットの出口ロール対6との間に設置された液切りロール対8とを有する。さらに、薄膜化処理ユニット11は、該液切りロール対8に薄膜化処理液1を供給する薄膜化処理液供給機構を有する。
薄膜化処理ユニット11では、レジスト層が形成された基板3が、投入口7からユニットへと投入され、搬送ロール対4によって、ディップ槽2中の薄膜化処理液1に浸漬された状態で搬送され、ディップ槽2の出口ロール対5を通過する。これらの処理によって、基板3上のレジスト層中の成分は薄膜化処理液1によってミセル化され、このミセルが薄膜化処理液1に対して不溶化される。
薄膜化処理液1は、薄膜化処理液貯蔵タンク13中の薄膜化処理液吸込口14から薄膜化処理液供給用ポンプ(図示せず)によって吸い込まれ、薄膜化処理液供給管15を経てディップ槽2に供給される。ディップ槽2に供給された薄膜化処理液1は、オーバーフローし、薄膜化処理液回収管16を通って薄膜化処理液貯蔵タンク13に回収される。このようにして、薄膜化処理液1は、ディップ槽2と薄膜化処理貯蔵タンク13との間を循環する。薄膜化処理液ドレン管17からは、余剰分の薄膜化処理液1が排出される。
薄膜化処理液1として使用されるアルカリ水溶液に用いられるアルカリ性化合物としては、例えばリチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン、Choline)等の有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、単独で用いてもよいし、混合物としても使用できる。薄膜化処理液1の媒体である水には、水道水、工業用水、純水等を用いることができるが、特に純水を使用することが好ましい。
アルカリ性化合物の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下で使用できる。また、レジスト層表面をより均一に薄膜化するために、薄膜化処理液1に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩又は亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属硫酸塩又は亜硫酸塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩又は亜硫酸塩が挙げられる。
薄膜化処理液1のアルカリ性化合物としては、これらの中でも特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物;TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物を好ましく使用することができる。これらのアルカリ性化合物は、単独で用いてもよいし、混合物としても使用できる。また、アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%であるアルカリ水溶液が、表面をより均一に薄膜化できるため、好適に使用できる。アルカリ性化合物の含有量が5質量%未満では、薄膜化された後のレジスト層の厚みが不均一になる場合がある。また、25質量%を超えると、アルカリ性化合物の析出が起こりやすくなる場合があり、液の経時安定性、作業性に劣る場合がある。アルカリ性化合物の含有量は7〜17質量%がより好ましく、8〜13質量%がさらに好ましい。薄膜化処理液1として使用されるアルカリ水溶液のpHは10以上とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
薄膜化処理液1として使用されるアルカリ水溶液の温度は、15〜35℃が好ましく、さらに好ましくは20〜30℃である。温度が低すぎると、レジスト層へのアルカリ性化合物の浸透速度が遅くなる場合があり、所望の厚みを薄膜化するのに長時間を要する。一方、温度が高すぎると、レジスト層へのアルカリ性化合物の浸透と同時に溶解拡散が進行することにより、薄膜化された後のレジスト層の厚みが不均一になる場合がある。
薄膜化処理ユニット11の後に備えられたミセル除去処理ユニット12では、薄膜化処理ユニット11においてレジスト層が薄膜化処理液1に対して不溶化された基板3が搬送ロール対4によって搬送される。搬送されている基板3に対して、ミセル除去液スプレー22によってミセル除去液10が供給され、ミセルが一挙に溶解除去される。
ミセル除去液10は、ミセル除去液貯蔵タンク18中のミセル除去液吸込口19からミセル除去液10をミセル除去液供給用ポンプ(図示せず)で吸い込み、ミセル除去液供給管20を経てミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22として噴射される。ミセル除去液スプレー22は、基板3から流下した後、ミセル除去液貯蔵タンク18に回収される。このようにして、ミセル除去液10はミセル除去処理ユニット12内を循環する。ミセル除去液ドレン管23からは、余剰分のミセル除去液10が排出される。
ミセル除去液10としては、水を用いることもできるが、薄膜化処理液1よりも希薄なアルカリ性化合物を含有するpH5〜10の水溶液を用いることが好ましい。ミセル除去液10によって、薄膜化処理液で不溶化されたレジスト層の成分のミセルが再分散されて除去される。ミセル除去液10に使用される水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができるが、特に純水を使用することが好ましい。ミセル除去液10のpHが5未満の場合、レジスト層の成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化後のレジスト層表面に付着する場合がある。一方、ミセル除去液10のpHが10を超えた場合、レジスト層が過度に溶解拡散し、面内で薄膜化されたレジスト層の厚みが不均一になる場合がある。また、ミセル除去液10は、硫酸、リン酸、塩酸などを用いて、pHを調整することができる。
ミセル除去処理におけるミセル除去液スプレー22の条件(温度、スプレー圧、供給流量)は、薄膜化処理されるレジスト層の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3MPaである。ミセル除去液10の供給流量は、レジスト層1cm当たり0.030〜1.0L/minが好ましく、0.050〜1.0L/minがより好ましく、0.10〜1.0L/minがさらに好ましい。供給流量がこの範囲であると、薄膜化後のレジスト層表面に不溶解成分を残すことなく、面内略均一に不溶化したレジスト層の成分のミセルを除去しやすい。レジスト層1cm当たりの供給流量が0.030L/min未満では、不溶化したレジスト層の成分の溶解不良が起こる場合がある。一方、供給流量が1.0L/minを超えると、供給のために必要なポンプ等の部品が巨大になり、大掛かりな装置が必要となる場合がある。さらに、1.0L/minを超えた供給量では、レジスト層の成分の溶解拡散に与える効果が変わらなくなることがある。スプレーの方向は、レジスト層表面に効率よく液流れを作るために、レジスト層表面に垂直な方向に対して、傾いた方向から噴射するのがよい。
<液切りロール>
薄膜化処理ユニット11内部のディップ槽の出口ロール対5と薄膜化処理ユニットの出口ロール対6との間に設置される液切りロール対8について説明する。ディップ槽2の出口ロール対5を通過した後の基板3では、レジスト層表面がディップ槽2から持ち出された薄膜化処理液1の液膜によって被覆されている。液切りロール対8によって、薄膜化処理液1の液膜は掻き落とされ、かつ、該液膜の厚みが均一に揃えられる。薄膜化処理液1の液膜が均一に揃えられた基板3は、薄膜化処理ユニットの出口ロール対6を通過した後、ミセル除去処理ユニット12へと搬送される。
ここで、薄膜化処理液1によるレジスト層の成分のミセル化速度について説明する。ディップ槽2中の薄膜化処理液1に浸漬された状態と、ディップ槽2の出口ロール対5を通過した後、レジスト層表面が薄膜化処理液1の液膜で被覆された状態とを比較すると、後者の方がミセル化速度は遅くなる。さらに、薄膜化処理液1の液膜の厚みによってミセル化速度は異なり、液膜がより厚い方がミセル化速度は速くなる。つまり、液切りロール対8により、薄膜化処理液1の液膜の厚みを均一に揃えることによって、基板3の面内におけるレジスト層の成分のミセル化速度の速度差が最小限になり、薄膜化処理量が均一になる。また、液切りロール対8により、不要な薄膜化処理液1を掻き落とすことによって、ミセル除去処理ユニット12への薄膜化処理液1の持ち込みが抑制され、ミセル除去性能のばらつきが抑制され、レジスト層の薄膜化処理量が均一になる。
本考案では、薄膜化処理ユニット11が、液切りロール対8に薄膜化処理液1を供給する薄膜化処理液供給機構を有する。薄膜化処理液供給機構によって液切りロール対8に薄膜化処理液1を供給することで、液切りロール対8が常に薄膜化処理液1で湿潤した状態を維持できる。液切りロール対8に薄膜化処理液1を供給しない場合、液切りロール対8に付着した薄膜化処理液1が乾燥し、液中の成分が析出・固着することにより、レジスト層上の薄膜化処理液1の被膜量が不均一となる。連続で運転する場合でも、長時間の運転でこのような現象が発生する場合があり、非連続な作業に伴う間欠運転を行う場合など、このような現象は特に顕著に現れる。
薄膜化処理液供給機構として、液切りロール対8の上側ロールに薄膜化処理液1を供給するノズル25(液切りロール対用ノズル25)が挙げられる。図2は、薄膜化処理液供給機構が、液切りロール対用ノズル25である薄膜化装置の一例である。図2では、薄膜化処理液1が、液切りロール対用薄膜処理液供給管24を通じて、液切りロール対用ノズル25から、液切りロール対8の上側ロールに供給されることにより、液切りロール対8は、常に湿潤した状態を維持することが可能となり、液切りロール対8に付着した薄膜化処理液1が乾燥して液中の成分が析出・固着することがなく、レジスト層上の薄膜化処理液の被膜量は均一となる。
また、図3は、液切りロール対8用ノズル25の一例を示す拡大概略図である。図3では、複数の液切りロール対用ノズル25が幅方向に連続で規則正しく配置され、各々のノズルから均等に、液切りロール対8の上側ロールに薄膜化処理液1を供給する仕組みとなっている。前述したように、液切りロール対8は、レジスト層表面における薄膜化処理液1の液膜を掻き落とし、かつ、該液膜の厚みを均一に揃えるものであり、液切りロール対用ノズル25により供給される薄膜化処理液1の供給量は、液切りロール対8が乾燥しないように調整されれば良い。しかし、供給量が過剰になれば、液切りロール対8によって、薄膜化処理液1の液膜を掻き落とすことができなくなり、該液膜の厚みが不均一となる。また、供給量が不足すれば、液切りロール対8に付着した薄膜化処理液1が乾燥し、液中の成分が析出・固着し、レジスト層上の薄膜化処理液1の被膜量は不均一となる。よって、薄膜化処理液1の供給量としては、液切りロール対8を幅方向に均等に湿潤させることができれば特に制限はないが、各液切りロール対用ノズル25からの供給量として、100ml〜1000ml/minが好ましく、100〜500ml/minの範囲がより好ましい。また、複数の液切りロール対用ノズル25の間隔としては、特に制限はないが、2〜20cmであることが好ましく、5cm〜15cmであることがより好ましい。また、液切りロール対用ノズル25と液切りロール対8との距離としては、特に制限はないが、1〜10cmであることが好ましい。薄膜化処理液1の供給量、液切りロール対用ノズル25の間隔、及び液切りロール対用ノズル25と液切りロール対8との距離は、液切りロール対8が常に湿潤した状態を維持できる最低量を供給できるように、実際の装置に適した値を随時調整して決定する。
液切りロール対用ノズル25として使用される具体的なノズルの種類としては、特に制限はないが、例えば、(株)いけうち製の1流体スプレーノズルの空円錐ノズル、充円錐ノズル、充角錐ノズル、標準扇形ノズル、均等扇形ノズル、広角扇形ノズルなどが挙げられ、好ましく用いられるノズルとしては、標準扇形ノズル(VP/VVPシリーズ)、均等扇形ノズル(VEPシリーズ)が挙げられる。
次に、薄膜化処理液供給機構として、液切りロール対8の下側ロールに薄膜化処理液1を供給するロース浸漬槽26が挙げられる。図4は、薄膜化処理液供給機構が、液切りロール対8の下側ロールに薄膜化処理液1を供給するロール浸漬層26である薄膜化装置の一例である。図4では、薄膜化処理液1が、液切りロール対用薄膜処理液供給管24を通じて、液切りロール対用ロール浸漬槽26に供給されており、液切りロール対8の下側ロールが、薄膜化処理液1に常に浸漬された状態となっている。このため、下側ロールに供給された薄膜化処理液1は、ニップしている液切りロール対8の上側ロールに常に転写・供給されることとなり、液切りロール対8は、常に湿潤した状態を維持することが可能となり、液切りロール対8に付着した薄膜化処理液1が乾燥して液中の成分が析出・固着することがなく、レジスト層上の薄膜化処理液の被膜量は均一となる。
液切りロール対用薄膜処理液供給管24を通じて液切りロール対用ロール浸漬槽26に供給される液量は、特に制限はなく、液切りロール対用ロール浸漬層26の液量が液切りロール対8の下側ロールが常に薄膜化処理液1に浸漬可能となる量になるように調整されれば良い。また、薄膜化処理液1を供給し、液切りロール対用浸漬槽26からオーバーフローした薄膜化処理液1は回収され、薄膜化処理液1として再度使用することができる。
液切りロール対8は、レジスト層表面に密着することが重要である。そのため、液切りロールとしては、表面に凹凸のないストレートタイプのものが好適に用いられる。液切りロールの種類としては、ゴムロール、スポンジロール、金属ロール、樹脂ロール等が挙げられる。その中でも、優れたゴム弾性(シール性、回復性)を有し、比重が小さく、軽量であり、低硬度から中硬度であり、レジスト層への接触による衝撃が少なく、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1への耐薬品性にも優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーのロールが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、サーモラン(THERMORUN、登録商標)が挙げられる。
液切りロール対8は、1対でもその効果はあるが、複数のロール対で連続的に液切りすることでさらに大きな効果が得られる。具体的には、液切りロール対8による液切りの回数が多くなるほど、レジスト層上の薄膜化処理液1の液膜の厚みの均一性が高くなる。図5及び図6は、ディップ槽2の出口ロール対5と薄膜化処理ユニットの出口ロール対6の間に、2対の液切りロール対8を有するレジスト層の薄膜化装置の一例を示す概略断面図であり、図5では薄膜化処理液供給機構が液切りロール対用ノズル25であり、図6では薄膜化処理液供給機構が液切りロール対用ロール浸漬層26であるが、液切りロール対8の数を何対とするかは、薄膜化処理量に応じて適宜調整されるものであり、この数に限定されるものではなく、3対以上であっても良い。
本考案の薄膜化装置に使用される搬送ロール対4は、基板3を搬送することができることに加え、レジスト層表面に密着することが好ましい。搬送ロールは、表面に凹凸のないストレートタイプのものが好適に用いられる。搬送ロールの種類としては、ゴムロール、スポンジロール、金属ロール、樹脂ロール等が挙げられる。その中でも、優れたゴム弾性(シール性、回復性)を有し、比重が小さく、軽量であり、低硬度から中硬度であり、レジスト層への接触による衝撃が少なく、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1への耐薬品性にも優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーのロールが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、サーモラン(THERMORUN、登録商標)が挙げられる。また、搬送ロールの設置位置及び本数は、基板3を搬送することができれば、特に図1、図2、図4〜図6に示される設置位置及び本数に限定されるものではない。
ディップ槽の出口ロール対5、薄膜化処理ユニットの出口ロール対6、ミセル除去処理ユニットの入口ロール対9も、搬送ロール対4と同じ種類、機能、物性のものが好適に用いられる。特に、ディップ槽の出口ロール対5は、ディップ槽2における薄膜化処理液1の液面維持及びレジスト層表面に被覆された薄膜化処理液1の液膜を掻き落とす液切りのために用いられる。また、薄膜化処理ユニットの出口ロール対6は、ミセル除去処理ユニット12への薄膜化処理液1の持ち込みと薄膜化処理ユニット11へのミセル除去液10の逆流を抑制するために用いられる。ミセル除去処理ユニットの入口ロール対9は主に薄膜化処理ユニット内に逆流してくるミセル除去液10を堰き止めるために用いられる。
以下実施例によって本考案をさらに詳しく説明するが、本考案はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積510mm×340mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.2mm、三菱ガス化学社(MITSUBISHI GAS CHEMICAL COMPANY, INC.)製、商品名:CCL−E170)にドライフィルムレジスト用ラミネータを用いて、ドライフィルムレジスト(日立化成社(Hitachi Chemical Co., Ltd.)製、商品名:RY3625、厚み25μm)を熱圧着し、レジスト層を形成した。
次に、ドライフィルムレジストのキャリアフィルムを剥離した後、薄膜化処理ユニット11が、薄膜化処理液が入っているディップ槽2と、ディップ槽の出口ロール対5と、薄膜化処理ユニットの出口ロール対6と、ディップ槽の出口ロール対と薄膜化処理ユニットの出口ロール対との間に設置された液切りロール対8とを有し、さらに、薄膜化処理ユニット11が、該液切りロール対8に薄膜化処理液を供給する薄膜化処理液供給機構を有し、薄膜化処理液供給機構が、液切りロール対8の上側ロールに薄膜化処理液1を供給する液切りロール対用ノズル25であるレジスト層の薄膜化装置(図2)を使用して、レジスト層を薄膜化した。
このレジスト層の薄膜化装置では、基板3が、薄膜化処理ユニット11内部のディップ槽2の出口ロール対5を通過した後、ミセル除去処理ユニット12に搬送される間に、1対の液切りロール対8が設置されていて、該液切りロール対8によってレジスト層表面における薄膜化処理液1の液膜が掻き落とされて、液膜の厚みが均一化される。液切りロール対8の上側ロールには、液切りロール対用薄膜処理液供給管24を通じて、液切りロール対用ノズル25から、薄膜化処理液1が供給される。
薄膜化処理液1(アルカリ水溶液)として10質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)を用いて、ディップ槽2における浸漬処理時間が30秒、ディップ槽の出口ロール対5から薄膜化処理ユニットの出口ロール対6までの距離(90mm)を進む時間が4秒となるように薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理ユニット12において、不溶化したミセルを除去し、レジスト層を薄膜化した。この時、液切りロール対用ノズル25((株)いけうち製:山形分布ノズルVPを使用)は幅方向に10cmの間隔で設置し、各ノズルにおける薄膜化処理液1の供給量は170ml/minとした。また、連続した薄膜化処理を実施し、一枚目の基板3の処理を行った後、1分間の間隔を空け、2枚目の基板3の薄膜化処理を行い、再度1分間の間隔を空けて、3枚目の基板3の薄膜化処理を行うという間欠運転を行い、10枚目の基板3に関して均一性の評価を行った。間欠運転を行う間、薄膜化装置の各種ロールは、回転を維持させておいた。
ミセル除去処理後に、水洗処理及び乾燥処理を実施した。その後、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は13.6μmであり、最小値は10.8μmであり、平均厚みは12.2μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、平滑な面であることが確認された。
(実施例2)
薄膜化処理液供給機構が液切りロール対8の下側ロールに薄膜化処理液1を供給する液切りロール対用ロール浸漬槽26であるレジスト層の薄膜化装置(図4)を使用した以外は、実施例1と同様に、レジスト層を薄膜化した。液切りロール対用ロール浸漬槽26への薄膜化処理液1の供給量は200ml/minとし、オーバーフローした薄膜化処理液1は回収して、薄膜化処理液1として再度使用した。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は13.4μmであり、最小値は11.0μmであり、平均厚みは12.2μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、平滑な面であることが確認された。
(実施例3)
薄膜化処理ユニットの出口ロール対6とディップ槽の出口ロール対と薄膜化処理ユニットの出口ロール対との間に設置された2対の液切りロール対8を有し、薄膜化処理液供給機構が2対の液切りロール対8の上側ロールに薄膜化処理液1を供給する液切りロール対用ノズル25であるレジスト層の薄膜化装置(図5)を使用した以外は、実施例1と同様に、レジスト層を薄膜化した。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は13.1μmであり、最小値は10.9μmであり、平均厚みは12.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、平滑な面であることが確認された。
(実施例4)
薄膜化処理液供給機構が2対の液切りロール対8の下側ロールに薄膜化処理液1を供給する液切りロール対用ロール浸漬槽26であるレジスト層の薄膜化装置(図6)を使用した以外は、実施例3と同様に、レジスト層を薄膜化した。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は12.9μmであり、最小値は11.1μmであり、平均厚みは12.0μmだった。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、平滑な面であることが確認された。
(比較例1)
ディップ槽の出口ロール対5と薄膜化処理ユニットの出口ロール対6との間に設置された1対の液切りロール対8を有しているものの、薄膜化処理液供給機構を有していないレジスト層の薄膜化装置(図7)を使用した以外は、実施例1と同様に、レジスト層を薄膜化した。
水洗処理及び乾燥処理の後に、レジスト層の薄膜化部の厚みを10点測定したところ、最大値は14.4μmであり、最小値は9.2μmであり、平均厚みは11.8μmだった。薄膜化終了後に、薄膜化処理ユニット11内の液切りロール対8を観察したところ、所々に薄膜化処理液1が乾燥し、薄膜化処理液1の成分が析出・固着して白くなっている部分が観察された。また、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、厚みが不均一であり、これは、乾燥・固化した薄膜化処理液1がレジスト層に付着したことが原因と思われる。
以上の結果から、本考案の薄膜化装置は、薄膜化処理ユニット11が、薄膜化処理液が入っているディップ槽2と、ディップ槽の出口ロール対5と、薄膜化処理ユニットの出口ロール対6と、ディップ槽の出口ロール対2と薄膜化処理ユニットの出口ロール対6との間に設置された液切りロール対8とを有し、さらに、薄膜化処理ユニット11が、該液切りロール対8に薄膜化処理液1を供給する薄膜化処理液供給機構を有することを特徴としていることから、液切りロール対8に付着した薄膜化処理液1が乾燥して薄膜化処理液1中の成分が析出・固着することを防止することができ、レジスト層表面の薄膜化処理液1の被膜量を均一にすることができる。液切りロール対8に、薄膜化処理液1を供給しない場合、液切りロール対が乾燥し、液中の成分が析出・固着し、レジスト層の厚みを均一に処理することはできなかった。
本考案のレジスト層の薄膜化装置は、プリント配線板やリードフレームにおける回路基板の作製、又はフリップチップ接続用の接続パッドを備えたパッケージ基板の作製において、レジストパターンを形成させる用途に適用できる。
1 薄膜化処理液
2 ディップ槽
3 基板
4 搬送ロール対
5 ディップ槽の出口ロール対
6 薄膜化処理ユニットの出口ロール対
7 投入口
8 液切りロール対
9 ミセル除去処理ユニットの入口ロール対
10 ミセル除去液
11 薄膜化処理ユニット
12 ミセル除去処理ユニット
13 薄膜化処理液貯蔵タンク
14 薄膜化処理液吸込口
15 薄膜化処理液供給管
16 薄膜化処理液回収管
17 薄膜化処理液ドレン管
18 ミセル除去液貯蔵タンク
19 ミセル除去液吸込口
20 ミセル除去液供給管
21 ミセル除去液用ノズル
22 ミセル除去液スプレー
23 ミセル除去液ドレン管
24 液切りロール対用薄膜化処理液供給管
25 液切りロール対用ノズル
26 液切りロール対用ロール浸漬槽

Claims (3)

  1. 基板上に形成されたレジスト層に薄膜化処理液を供給する薄膜化処理ユニットを備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、
    薄膜化処理ユニットが、薄膜化処理液が入っているディップ槽と、ディップ槽の出口ロール対と、薄膜化処理ユニットの出口ロール対と、ディップ槽の出口ロール対と薄膜化処理ユニットの出口ロール対との間に設置された液切りロール対とを有し、
    さらに、薄膜化処理ユニットが、該液切りロール対に薄膜化処理液を供給する薄膜化処理液供給機構を有することを特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
  2. 薄膜化処理液供給機構が、液切りロール対の上側ロールに薄膜化処理液を供給するノズルである請求項1に記載のレジスト層の薄膜化装置。
  3. 薄膜化処理液供給機構が、液切りロール対の下側ロールに薄膜化処理液を供給するロール浸漬槽である請求項1に記載のレジスト層の薄膜化装置。
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