JP2018045116A - レジスト層の薄膜化装置 - Google Patents
レジスト層の薄膜化装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018045116A JP2018045116A JP2016180250A JP2016180250A JP2018045116A JP 2018045116 A JP2018045116 A JP 2018045116A JP 2016180250 A JP2016180250 A JP 2016180250A JP 2016180250 A JP2016180250 A JP 2016180250A JP 2018045116 A JP2018045116 A JP 2018045116A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aqueous solution
- resist layer
- alkaline aqueous
- thinning
- resist
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
Abstract
【課題】本発明の課題は、レジストパターンの形成における解像性と追従性の問題を解決しながら、レジスト層の薄膜化処理で問題となる気泡による処理ムラの問題を解決することのできるレジスト層の薄膜化装置を提供することである。
【解決手段】アルカリ水溶液によってレジスト層を薄膜化処理するためのディップ槽と、レジスト層が形成された基板をアルカリ水溶液中に浸漬されたままの状態で搬送する搬送ロール対と、アルカリ水溶液をディップ槽に供給するアルカリ水溶液供給口と、アルカリ水溶液供給口と搬送ロール対との間に備えられた気泡誘導板とを備えてなるレジスト層の薄膜化処理装置において、気泡誘導板が凹凸を有することと特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
【選択図】図8
【解決手段】アルカリ水溶液によってレジスト層を薄膜化処理するためのディップ槽と、レジスト層が形成された基板をアルカリ水溶液中に浸漬されたままの状態で搬送する搬送ロール対と、アルカリ水溶液をディップ槽に供給するアルカリ水溶液供給口と、アルカリ水溶液供給口と搬送ロール対との間に備えられた気泡誘導板とを備えてなるレジスト層の薄膜化処理装置において、気泡誘導板が凹凸を有することと特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
【選択図】図8
Description
本発明はレジスト層の薄膜化装置に関する。
電気及び電子部品の小型化、軽量化、多機能化に伴い、回路形成用のドライフィルムレジスト、ソルダーレジストをはじめとする感光性樹脂(感光性材料)には、プリント配線板の高密度化に対応するために、高解像度が要求されている。これらの感光性樹脂による画像形成は、感光性樹脂を露光後、現像することによって行われる。
プリント配線板の小型化、高機能化に対応するため、感光性樹脂が薄膜化される傾向がある。感光性樹脂には、液を塗布して使用するタイプの液状レジストとドライフィルムタイプのドライフィルムレジストがある。最近では15μm以下の厚みのドライフィルムレジストが開発され、製品化も進んでいる。しかし、このような薄いドライフィルムレジストでは、従来の厚さのレジストに比べて、密着性及び凹凸への追従性が不十分となり、剥がれやボイドなどが発生する問題があった。
これらの問題を解決するために、厚い感光性樹脂を使用しながら、高解像度が達成できる手段が提案されている。例えば、サブトラクティブ法によって導電パターンを作製する方法において、絶縁層の片面又は両面に金属層が設けられてなる積層基板上にエッチングレジスト用のドライフィルムレジストを貼り付けてレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次に、回路パターンの露光工程、現像工程、エッチング工程を行うことを特徴とする導電パターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、ソルダーレジストパターンを形成する方法において、導電性パターンを有する回路基板上にソルダーレジストからなるレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次にパターン露光工程を行い、再度レジスト層の薄膜化工程を行うことを特徴とするソルダーレジストパターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
薄膜化工程は、アルカリ水溶液を用いて未露光部のレジスト層の光架橋性樹脂成分をミセル化させるミセル化処理(薄膜化処理)、pH5〜9のアルカリ水溶液によってミセルを除去するミセル除去処理、表面を水で洗浄する水洗処理、水洗水を除去する乾燥処理の四段階の処理を少なくとも含んでいる。そして、アルカリ水溶液での薄膜化処理における処理時間によって薄膜化の進行が制御されることになる。しかし、アルカリ水溶液中に気泡が存在し、その気泡が未露光部のレジスト層の光架橋性樹脂成分に接触した場合、気泡が接触していた部分の薄膜化の進行が妨げられるという問題が発生する。薄膜化の進行が妨げられた部分には、レジスト層が厚く残ってしまうため、サブトラクティブ法における導電パターン形成ではエッチング不良の原因となり、ソルダーレジストのパターン形成においては、接続パッド部の接触不良の原因となり、どちらも生産における歩留まりの低下に繋がるという問題が発生する。
さらに、露光工程後、アルカリ水溶液によるレジスト層の薄膜化処理含む薄膜化工程を経て、再度露光工程を行い、次に、再びアルカリ水溶液によるレジスト層の薄膜化処理を含む薄膜化工程を行う場合、レジスト層への気泡の接触による薄膜化阻害がより深刻になる。露光工程と薄膜化工程を繰り返すことによって、段階的に未露光部のレジスト層を薄膜化する場合には、レジスト層の露光部と未露光部の境界にできた段差部に特に気泡が残りやすく、気泡が接触していた部分におけるレジスト層の薄膜化がその後妨げられてしまう。例えば、露光工程と薄膜化処理を含む薄膜化工程を繰り返し二回行う場合、二回目の薄膜化部が一回目の薄膜化部と同じか又はその内側の領域にある場合には、二回目の薄膜化処理時に、一回目の露光部と一回目の薄膜化部との境界にできた段差内部に気泡が残りやすい傾向がある。
また、特許文献4には、レジスト層が形成された基板を薄膜化処理液(アルカリ水溶液)中に浸漬(ディップ、dip)してレジスト層を薄膜化するための薄膜化装置が開示されている。特許文献4で開示されている薄膜化装置について、図面を用いて説明する。図5及び図6は、特許文献4に記載されている薄膜化装置の概略断面図である。図5は、基板の搬送方向(MD方向)と直交する方向(CD方向)から見た概略断面図であり、図6は、基板の搬送方向(MD方向)から見た概略断面図である。この薄膜化装置では、レジスト層が形成された基板8を搬送ロール対12によって、ディップ槽10中のアルカリ水溶液9に浸漬した状態で搬送し、レジスト層の薄膜化処理が行われる。アルカリ水溶液9は、装置下部のアルカリ水溶液貯蔵タンク13からアルカリ水溶液供給ポンプ14にてアルカリ水溶液供給口11を介してディップ槽10に供給され、オーバーフローさせる。オーバーフローしたアルカリ水溶液9はアルカリ水溶液回収槽30に回収され、回収管21を通って回収管排出口22より排出され、アルカリ水溶液貯蔵タンク13に貯蔵される。この繰り返しによって、アルカリ水溶液9はディップ槽10とアルカリ水溶液貯蔵タンク13との間を循環する。
図5及び図6に示す薄膜化装置において、アルカリ水溶液9を循環する際に、オーバーフローによってアルカリ水溶液9がディップ槽10からアルカリ水溶液貯蔵タンク13へと落下する際に、アルカリ水溶液9中に気泡15が発生し、この気泡15がアルカリ水溶液9の循環によって基板8のレジスト層に付着し、薄膜化の進行を阻害してしまい、膜厚がムラ(斑)になる処理ムラが発生する場合があった。
この気泡15による処理ムラの問題を解決するために、アルカリ水溶液供給口11と搬送ロール対12との間に備えられた気泡誘導板16を備えてなるレジスト層の薄膜化装置が開示されている(例えば、特許文献5参照)。特許文献5で開示されている薄膜化装置について、図面を用いて説明する。図7及び図8は、特許文献5に記載されている薄膜化装置の概略断面図である。CD方向から見た概略断面図であり、図8はMD方向から見た概略断面図である。図7及び図8に示す薄膜化装置には、アルカリ水溶液供給口11と搬送ロール対12との間に気泡誘導板16が設置されている。気泡誘導板16により、薄膜化装置内のアルカリ水溶液循環過程で発生した気泡15が薄膜化処理中のレジスト層が形成された基板8よりも薄膜化装置幅方向の外側の領域に誘導され、搬送中のレジスト層が形成された基板8に付着することを防ぐことができる。
しかしながら、気泡誘導板16により、薄膜化処理中のレジスト層が形成された基板8よりも薄膜化装置幅方向の外側の領域に気泡15が誘導されたとしても、アルカリ水溶液9の液温が低い場合やアルカリ水溶液9の濃度が高く、粘度が高い場合には、極小の気泡15は、空気中にすぐに逃げないで、そのままアルカリ水溶液9中に漂い、ディップ槽10内のアルカリ水溶液9の流れに乗って、基板8へと向かい、処理ムラが発生する可能性があった。
本発明の課題は、解像性と追従性の問題を解決することができるレジストパターンの形成方法で使用されるレジスト層の薄膜化装置において、気泡による処理ムラの問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することである。
上記課題は、下記手段によって解決できる。
アルカリ水溶液によってレジスト層を薄膜化処理するためのディップ槽と、レジスト層が形成された基板をアルカリ水溶液中に浸漬されたままの状態で搬送する搬送ロール対と、アルカリ水溶液をディップ槽に供給するアルカリ水溶液供給口と、アルカリ水溶液供給口と搬送ロール対との間に備えられた気泡誘導板とを備えてなるレジスト層の薄膜化処理装置において、気泡誘導板が凹凸を有することを特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
本発明によれば、気泡による処理ムラの問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することができる。
以下、本発明のレジスト層の薄膜化装置について詳細に説明する。
本発明のレジスト層の薄膜化装置を用いて行われるレジストパターンの形成方法について、図1〜4を用いて説明する。
図1を用いて、サブトラクティブ法で導電パターンを形成する場合におけるレジストパターンの形成方法(1)について説明する。
[図1a]絶縁層1上に金属層7が設けられた積層基板を準備する。
[図1b]積層基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図1c]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、アルカリ水溶液によってレジスト層3を薄膜化する(薄膜化工程)。
[図1d]薄膜化されたレジスト層3に活性光線5によってパターン露光する(露光工程)。
[図1e]現像によって未露光部のレジスト層3を除去する(現像工程)。
[図1b]積層基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図1c]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、アルカリ水溶液によってレジスト層3を薄膜化する(薄膜化工程)。
[図1d]薄膜化されたレジスト層3に活性光線5によってパターン露光する(露光工程)。
[図1e]現像によって未露光部のレジスト層3を除去する(現像工程)。
これによって、図1eに示すような、気泡による薄膜化の処理ムラの無いレジストパターンを形成できる。図1eの後に、エッチング工程において、レジストパターンで覆われていない金属層7をエッチングすることにより、導電パターンが得られる。
図2を用いて、ソルダーレジストを用いたレジストパターンの形成方法(2)について説明する。
[図2a]絶縁層1上に導体配線2及び接続パッド6が形成された回路基板を準備する。[図2b]回路基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図2c]薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(露光工程)。
[図2d]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、レジスト層3の厚みが接続パッド6の厚みよりも薄くなるまで、アルカリ水溶液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(薄膜化工程)。
[図2c]薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(露光工程)。
[図2d]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、レジスト層3の厚みが接続パッド6の厚みよりも薄くなるまで、アルカリ水溶液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(薄膜化工程)。
これによって、図2dに示すような、気泡による薄膜化の処理ムラの無い、導体配線2はレジスト層3で被覆しつつ、接続パッド6はレジスト層3から露出した多段構造のレジストパターンを形成することができる。
図3を用いて、サブトラクティブ法で導電パターン形成を形成する場合におけるレジストパターンの形成方法(3)について説明する。
[図3a]絶縁層1上に金属層7が設けられた積層基板を準備する。
[図3b]積層基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図3c]薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(一回目の露光工程)。
[図3d]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、アルカリ水溶液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(薄膜化工程)。
[図3e]現像される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(二回目の露光工程)。
[図3f]現像によって未露光部のレジスト層3を除去する(現像工程)。
[図3b]積層基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図3c]薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(一回目の露光工程)。
[図3d]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、アルカリ水溶液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(薄膜化工程)。
[図3e]現像される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(二回目の露光工程)。
[図3f]現像によって未露光部のレジスト層3を除去する(現像工程)。
これによって、図3fに示すような、気泡による薄膜化の処理ムラの無い、部分的に薄膜化されたレジスト層3を有する多段構造のレジストパターンを形成できる。次に、エッチング工程において、レジストパターンで覆われていない金属層7をエッチングすることにより、導電パターンが得られる。
図4を用いて、ソルダーレジストを用いたレジストパターンの形成方法(4)について説明する。
[図4a]絶縁層1上に導体配線2及び接続パッド6が形成された回路基板を準備する。
[図4b]回路基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図4c]一回目に薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(一回目の露光工程)。
[図4d]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、レジスト層3の厚みが接続パッド6の厚み以上になるまでアルカリ水溶液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(一回目の薄膜化工程)。
[図4e]二回目に薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(二回目の露光工程)。
[図4f]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、レジスト層3の厚みが接続パッド6の厚みよりも薄くなるまでアルカリ水溶液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(二回目の薄膜化工程)。
[図4b]回路基板上にアルカリ現像型のレジスト層3を形成する。
[図4c]一回目に薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(一回目の露光工程)。
[図4d]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、レジスト層3の厚みが接続パッド6の厚み以上になるまでアルカリ水溶液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(一回目の薄膜化工程)。
[図4e]二回目に薄膜化される領域以外の部分のレジスト層3を活性光線5によって露光する(二回目の露光工程)。
[図4f]レジスト層3に気泡が付着するのを抑制しながら、レジスト層3の厚みが接続パッド6の厚みよりも薄くなるまでアルカリ水溶液によって未露光部のレジスト層3を薄膜化する(二回目の薄膜化工程)。
これによって、図4fに示すような、気泡による薄膜化の処理ムラの無い、導体配線2はレジスト層3で被覆しつつ、接続パッド6はレジスト層3から露出した多段構造のレジストパターンを形成できる。
基板としては、プリント配線板用基板、リードフレーム用基板;プリント配線板用基板やリードフレーム用基板を加工して得られる回路基板が挙げられる。
プリント配線板用基板としては、例えば、フレキシブル基板、リジッド基板が挙げられる。フレキシブル基板の絶縁層の厚さは5〜125μmで、その両面もしくは片面に1〜35μmの金属層が設けられて積層基板となっており、可撓性が大きい。絶縁層の材料には、通常、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー等が用いられる。絶縁層上に金属層を有する材料は、接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上に樹脂液を塗布するキャスト法、スパッタリングや蒸着法で樹脂フィルム上に形成した厚さ数nmの薄い導電層(シード層)の上に電解メッキで金属層を形成するスパッタ/メッキ法、熱プレスで貼り付けるラミネート法等のいかなる方法で製造したものを用いてもよい。金属層の金属としては、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、あるいはそれらの合金等のいかなる金属を用いることができるが、銅が一般的である。
リジッド基板は、紙基材又はガラス基材にエポキシ樹脂又はフェノール樹脂等を浸漬させた絶縁性基板を重ねて絶縁層とし、その片面もしくは両面に金属箔を載置し、加熱及び加圧により積層し、金属層が設けられた積層基板が挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、貫通孔や非貫通孔を有する多層板も挙げられる。厚みは60μm〜3.2mmであり、プリント配線板としての最終使用形態により、その材質と厚みが選定される。金属層の材料としては、銅、アルミニウム、銀、金等が挙げられるが、銅が最も一般的である。これらプリント配線板用基板の例は、「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)プリント回路学会編、1987年刊、日刊工業新聞社発刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット編、1992年刊、(株)近代化学社発刊)に記載されている。
リードフレーム用基板としては、鉄ニッケル合金、銅系合金等の基板が挙げられる。
回路基板とは、絶縁性基板上に銅等の金属からなる半導体チップ等の電子部品を接続するための接続パッドが形成された基板である。導体配線が形成されていてもよい。回路基板を作製する方法は、例えばサブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法が挙げられる。サブトラクティブ法では、例えば、上記のプリント配線板用基板にエッチングレジストパターンを形成し、露光工程、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程を実施して回路基板が作製される。
レジストとしては、アルカリ現像型のレジストが使用できる。また、液状レジストであってもよく、ドライフィルムレジストであってもよく、アルカリ水溶液(薄膜化処理液)によって薄膜化でき、かつ、薄膜化処理液よりも低濃度のアルカリ水溶液である現像液によって現像できるレジストであればいかなるものでも使用できる。アルカリ現像型のレジストは光架橋性樹脂成分を含む。光架橋性樹脂成分は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤等を含有してなる。また、エポキシ樹脂、熱硬化剤、無機フィラー等を含有させてもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂の有機高分子が挙げられる。このうち、エチレン性不飽和二重結合を有した単量体(重合性単量体)を重合(ラジカル重合等)して得られたものであることが好ましい。これらのアルカリ水溶液に可溶な重合体は、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いても良い。このようなエチレン性不飽和二重結合を有した単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン等のスチレン誘導体;ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;アクリロニトリル;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸モノエステル;マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸系単量体;フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。
光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー;ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO、PO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、EO及びPOは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを示し、EO変性された化合物は、エチレンオキサイド基のブロック構造を有するものであり、PO変性された化合物は、プロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。これらの光重合性化合物は単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一であって対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
エポキシ樹脂は、硬化剤として用いられる場合がある。アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸と反応させることで架橋させ、耐熱性や耐薬品性の特性の向上を図っているが、カルボン酸とエポキシは常温でも反応が進むために、保存安定性が悪く、アルカリ現像型のソルダーレジストは一般的に使用前に混合する2液性の形態をとっている場合が多い。無機フィラーを使用する場合もあり、例えば、タルク、硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
基板の表面にレジスト層を形成する方法は、いかなる方法でもよいが、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、ディップ法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法が挙げられる。ドライフィルムレジストの場合は、ラミネート法が好適に用いられる。
露光工程では、レジスト層に対して活性光線を照射する。キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光、フォトマスクを用いた片面、両面密着露光や、プロキシミティ方式、プロジェクション方式やレーザ走査露光等を使用することができる。走査露光を行う場合には、UVレーザ、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンイオンレーザ、ルビーレーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、色素レーザ、エキシマレーザ等のレーザ光源を発光波長に応じてSHG波長変換した走査露光、あるいは、液晶シャッター、マイクロミラーアレイシャッターを利用した走査露光によって露光することができる。
現像工程では、未露光部のレジスト層を現像液で現像する。薄膜化工程と異なり、未露光部のレジスト層を完全に除去する。現像方法としては、使用するレジスト層に見合った現像液を用い、基板表面に向かってスプレーを噴射する方法が一般的である。現像液としては、薄膜化処理に使用される薄膜化処理液(アルカリ水溶液)よりも低濃度のアルカリ水溶液が使用される。現像液(低濃度アルカリ水溶液)としては、0.3〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的である。
エッチング工程では、「プリント回路技術便覧」((社)日本プリント回路工業会編、1987年刊行、(株)日刊工業新聞社刊)記載の方法等を使用することができる。エッチング液は金属層を溶解除去できるもので、また、少なくともレジスト層が耐性を有しているものであればよい。一般に金属層に銅を使用する場合には、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液等を使用することができる。
レジスト層の薄膜化工程とは、アルカリ水溶液によってレジスト層中の光架橋性樹脂成分をミセル化させるミセル化処理(薄膜化処理)、次にpH5〜9のアルカリ水溶液によってミセルを除去するミセル除去処理を含む工程である。さらに、除去しきれなかったレジスト層表面や残存付着したアルカリ水溶液を水洗によって洗い流す水洗処理、水洗水を除去する乾燥処理も含むこともできる。
薄膜化処理液として使用されるアルカリ水溶液とは、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物の水溶液やモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン)等の有機アルカリ性化合物の水溶液が挙げられる。上記無機アルカリ性化合物及び有機アルカリ性化合物は、混合物としても使用できる。
アルカリ性化合物の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下で使用できる。また、レジスト層表面をより均一に薄膜化するために、アルカリ水溶液に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩又は亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属硫酸塩又は亜硫酸塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩又は亜硫酸塩が挙げられる。
アルカリ水溶液としては、これらの中でも特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物、及び、TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含み、該無機アルカリ性化合物及び有機アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%であるアルカリ水溶液が、表面をより均一に薄膜化できるため、好適に使用できる。5質量%未満では、薄膜化する処理でムラが発生しやすくなる場合がある。また、25質量%を超えると、無機アルカリ性化合物の析出が起こりやすく、液の経時安定性、作業性に劣る場合がある。アルカリ性化合物の含有量は7〜17質量%がより好ましく、8〜13質量%がさらに好ましい。アルカリ水溶液のpHは10以上とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
アルカリ水溶液による薄膜化処理は、ディップ槽中のアルカリ水溶液にレジスト層が形成された基板を浸漬(ディップ、dip)することによって行われる。ディップ処理以外の処理方法は、アルカリ水溶液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡が薄膜化処理中にレジスト層表面に付着して、膜厚が不均一となる場合がある。
本発明のレジスト槽の薄膜化装置を用いたレジストパターンの形成方法では、レジスト層形成後の厚みとアルカリ水溶液処理によってレジスト層が薄膜化された量で、レジスト層の厚みが決定される。また、0.01〜500μmの範囲で薄膜化量を自由に調整することができる。
本発明のレジスト層の薄膜化装置は、アルカリ水溶液によってレジスト層を薄膜化処理するためのディップ槽と、レジスト層が形成された基板をアルカリ水溶液中に浸漬されたままの状態で搬送する搬送ロール対とを備えてなる。そして、基板のレジスト層に気泡が付着することを抑制するために、気泡抑制板を備えていることを特徴としている。図7〜図10を用いて、本発明のレジスト層の薄膜化装置を説明する。
気泡誘導板とは、アルカリ水溶液中で発生した気泡が、薄膜化処理の際にレジスト層に付着するのを抑制するための部品であり、本発明では、アルカリ水溶液によるレジスト層の薄膜化処理において、ディップ槽内に設置し、発生した気泡がレジスト層に付着することを抑制する。
図7及び図8は、本発明の薄膜化装置の一例を示す概略断面図である。図7はCD方向から見た概略断面図であり、図8はMD方向から見た概略断面図である。これらの薄膜化装置は、レジスト層が形成された基板8を搬送ロール対12によって、ディップ槽10中のアルカリ水溶液9に浸漬した状態で搬送し、レジスト層の薄膜化処理を行う薄膜化装置である。アルカリ水溶液9は、装置下部のアルカリ水溶液貯蔵タンク13からアルカリ水溶液供給ポンプ14にてアルカリ水溶液供給口11を介してディップ槽10に供給され、オーバーフローさせる。オーバーフローしたアルカリ水溶液9は、アルカリ水溶液回収槽30に回収され、回収管21を通って回収管排出口22よりアルカリ水溶液貯蔵タンク13に貯蔵されることで、ディップ槽10とアルカリ水溶液貯蔵タンク13との間を循環する。
図7及び図8に示す薄膜化装置には、アルカリ水溶液供給口11と搬送ロール対12との間に気泡誘導板16が設置されている。気泡誘導板16により、薄膜化装置内のアルカリ水溶液循環過程で発生した気泡15が薄膜化処理中のレジスト層が形成された基板8よりも薄膜化装置幅方向の外側の領域に誘導され、搬送中のレジスト層が形成された基板8に付着することを防ぐことができる。
ディップ槽10内に設置される気泡誘導板16の設置位置は、ディップ槽10を上から見た際に、アルカリ水溶液供給口11が気泡誘導板16の領域に隠れて見えなくなる位置関係であればよい。また、気泡誘導板16の設置高さは、ディップ槽10内のアルカリ水溶液供給口11と搬送ロール対12の間の高さであれば、いずれの高さであってもよい。
気泡誘導板16の大きさについて、薄膜化装置の搬送方向に対し、長さ方向は、アルカリ水溶液供給口11の直径以上、ディップ槽10の長さ以下の範囲であればよい。薄膜化装置の搬送方向に対し、長さ方向がアルカリ水溶液供給口11の直径未満であると、気泡を誘導する能力が不足してしまう場合がある。薄膜化装置の搬送方向に対し、幅方向は、レジスト層が形成された基板8の幅以上、ディップ槽10の幅未満であればよい。薄膜化装置の搬送方向に対し、幅方向が、レジスト層が形成された基板8の幅未満であると、気泡を誘導する能力が不足してしまう場合がある。
気泡誘導板16の材料にはアルカリ水溶液に対して耐性のある各種材料を用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン樹脂等の合成樹脂、ガラス繊維強化ポリプロピレン、ガラス繊維強化エポキシ樹脂等の繊維強化プラスチック、チタン、ハステロイ(登録商標)等の耐食性金属材料等の材料を用いることができる。これらのうち、加工が容易であることから、硬質ポリ塩化ビニルが好適に用いられる。
気泡誘導板16の形状は、円形、楕円形、正方形や長方形等の四辺形、五角形、六角形等の多角形、直線と弧からなるような任意の形状等にすることができるが、加工と設置のしやすさから正方形か長方形であることが好ましい。また、気泡誘導板16を薄膜化装置の搬送方向に対し、幅方向にV字型に傾斜させることで、幅方向にさらに優先的に気泡を誘導することができる。気泡誘導板16を薄膜化装置の搬送方向に対し、幅方向にV字型に傾斜させた場合の薄膜化装置を正面(MD方向)から見た時の概略断面図を図8に示す。
本発明では、気泡誘導板16が凹凸を有することを特徴としている。図9aは、図7に示した薄膜化装置における気泡誘導板16の一例を示す概略拡大図であり、図9bは、図8に示した薄膜化装置における気泡誘導板16の一例を示す概略拡大図である。図9a及び図9bに示した気泡誘導板16は凹部31を有している。図10aは、図7に示した薄膜化装置における気泡誘導板16の一例を示す概略拡大図であり、図10bは、図8に示した薄膜化装置における気泡誘導板16の一例を示す概略拡大図である。図10a及び図10bに示した気泡誘導板16は凸部32を有している。凹凸を有していない気泡誘導板16を使用した場合、気泡誘導板16により、薄膜化処理中のレジスト層が形成された基板8よりも薄膜化装置幅方向の外側の領域に気泡15が誘導されたとしても、アルカリ水溶液9の液温が低い場合やアルカリ水溶液9の濃度が高く、粘度が高い場合には、極小の気泡15が、空気中にすぐに逃げないで、そのままアルカリ水溶液9中に漂い、ディップ槽10内のアルカリ水溶液9の流れに乗って、基板8へと向かい、処理ムラが発生する可能性があった。しかし、気泡誘導板16が凹部31及び/又は凸部32を有する場合、極小の気泡15は凹部31及び/凸部32に引っ掛かり、滞留する。そして、極小の気泡15が集まって、ある程度の大きさにまで育った後に、薄膜化処理中のレジスト層が形成された基板8よりも薄膜化装置幅方向の外側の領域へと気泡15が誘導されるため、気泡15は速やかに空気中へと移動し、処理ムラの発生が抑制される。なお、気泡誘導板16は、凹部31と凸部32の両方を有していても良い。
凹凸の断面形状は、多角形、椀状等、気泡15を滞留することができる形状であれば、どのような形状であっても良い。溝や畝のように、搬送方向又は幅方向に連続した凹凸であっても良い。また、凹凸の数も、気泡15を滞留することができるのであれば、図9及び図10に示した数に限定されるものではない。
レジスト層の薄膜化装置におけるディップ槽10及びアルカリ水溶液回収槽30について説明する。アルカリ水溶液9の循環について、アルカリ水溶液供給口11からディップ槽10内にアルカリ水溶液9が供給され、ディップ槽10からオーバーフローしたアルカリ水溶液9がアルカリ水溶液回収槽30に回収される。アルカリ水溶液回収槽30に回収されたアルカリ水溶液9は、回収管21を通じてアルカリ水溶液貯蔵タンク13に導かれ、供給ポンプ吸込口17からアルカリ水溶液供給ポンプ14を通じて再びアルカリ水溶液供給口11よりディップ槽10内に送られ、循環される。
アルカリ水溶液9の温度は、アルカリ水溶液貯蔵タンク13内に設置された加温用ヒーター、冷却水を循環させた冷却管等によって制御することができる。温度制御用の温度計は、アルカリ水溶液貯蔵タンク13内だけでなくディップ槽10にも設置することが好ましく、これによって循環経路内のアルカリ水溶液9の温度はより一定に保たれる。ディップ槽10の大きさは、搬送ロール対12によってレジスト層が形成された基板8が搬送されて薄膜化処理される際、レジスト層にアルカリ水溶液が接触する大きさであれば特に制限は無く、自由に決めることができる。また、アルカリ水溶液回収槽30の形状や大きさは、ディップ槽10からアルカリ水溶液9のオーバーフローを回収できるようになっていればよく、自由に決めることができる。
搬送ロール対12の形状及び材質は、レジスト層が形成された基板を搬送することができるものであれば特に制限は無く、例えば、ポリオレフィン(ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂(テフロン(登録商標)等)等が利用できる。また、搬送ロール対12の設置位置及び本数は、レジスト層が形成された基板8を搬送することができれば、図示された設置位置及び本数に限定されるものではない。
回収管21とは、ディップ槽10からオーバーフローしてアルカリ水溶液回収槽30に回収されたアルカリ水溶液9をアルカリ水溶液貯蔵タンク13に導く管のことである。ディップ槽10からオーバーフローしたアルカリ水溶液9をアルカリ水溶液貯蔵タンク13に導くことができれば、回収管21の形状や太さや長さは自由に決めることができる。また、回収管21の本数は一本でも良いし、複数本であってもよい。
アルカリ水溶液供給口11の好ましい直径は、ディップ槽10の容量によって変化するが、通常10〜40mmである。また、アルカリ水溶液供給口11の位置は、ディップ槽10の底部であればどこでも可能である。アルカリ水溶液供給口11が一つの場合はディップ槽10内のアルカリ水溶液9の循環効率から、ディップ槽10底部の中央付近であることが好ましい。また、アルカリ水溶液供給口11をディップ槽10側面に設置すると、アルカリ水溶液9内の気泡15の動きが複雑になるため、気泡抑制装置によって気泡を抑制することが困難になる場合がある。また、アルカリ水溶液供給口11をディップ槽10上部に設置すると、アルカリ水溶液9の供給の際に新たな気泡15を発生させる可能性が高くなる場合がある。
レジスト層の薄膜化装置に使用される材料は、特に限定されない。アルカリ水溶液に接する部品においては、アルカリ水溶液に対して耐性のある各種材料を用いることができる。
レジスト層の薄膜化工程のミセル化処理(薄膜化処理)において、アルカリ水溶液によってレジスト層中の光架橋性樹脂成分がミセル化された後、ミセル除去処理において、該アルカリ水溶液よりも希薄なアルカリ性化合物を含有するpH5〜9の水溶液によってミセルが除去され、レジスト層の薄膜化が進行する。水溶液のpHが5未満では、水溶液中に溶け込んだレジスト層成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって薄膜化後のレジスト層表面に付着する恐れがある。一方、水溶液のpHが9を超えると、レジスト層の溶解拡散が促進され、面内で処理ムラが発生しやすくなることがあるため好ましくない。また、水溶液のpHは、硫酸、リン酸、塩酸等を用いて調整することができる。また、pH5〜9の水溶液の供給方法としては、レジスト層の溶解拡散速度と液供給の均一性の点からスプレー方式が最も好ましい。スプレー圧は、0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.3MPaである。さらに、スプレーの方法は、レジスト層表面に効率よく液流れを作るために、レジスト層表面に垂直な方向に対して傾いた方向から噴射するのがよい。
pH5〜9の水溶液によってミセルを除去した後、さらに、除去しきれなかったレジスト層表面や残存付着したアルカリ水溶液を水洗処理によって洗い流す。水洗処理の方法としては、拡散速度と液供給の均一性の点からスプレー方式が好ましい。
乾燥処理では、熱風乾燥、室温送風乾燥のいずれも用いることができるが、エアブロワを用いて大量の空気を送気し、エアスリットノズルから高圧の空気をレジスト層表面に吹き付けて、表面上の水を除去する方法が好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
プリント配線板用基板8(絶縁層1:ガラス基材エポキシ樹脂、金属層7:銅箔、面積510mm×340mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.2mm、三菱ガス化学社(MITSUBISHI GAS CHEMICAL COMPANY, INC.)製、商品名:CCL−E170)にドライフィルムレジスト用ラミネータを用いて、ドライフィルムレジスト(日立化成工業社(Hitachi Chemical Co., Ltd.)製、商品名:RY3625、厚み25μm)を熱圧着し、レジスト層3を形成した。
プリント配線板用基板8(絶縁層1:ガラス基材エポキシ樹脂、金属層7:銅箔、面積510mm×340mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.2mm、三菱ガス化学社(MITSUBISHI GAS CHEMICAL COMPANY, INC.)製、商品名:CCL−E170)にドライフィルムレジスト用ラミネータを用いて、ドライフィルムレジスト(日立化成工業社(Hitachi Chemical Co., Ltd.)製、商品名:RY3625、厚み25μm)を熱圧着し、レジスト層3を形成した。
次に、ドライフィルムレジストのキャリアフィルムを剥離した後、薄膜化処理液(アルカリ水溶液9)として17質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度20℃)を用いて、搬送方向の長さが500mm、幅750mm、深さ200mmのディップ槽10、ディップ槽10底面の中央部に直径20mmのアルカリ水溶液供給口11を有し、アルカリ水溶液供給口11の直上に搬送方向の長さ500mm、幅400mm、厚さ10mmの気泡誘導板16が設置された薄膜化装置(図7)にて、アルカリ水溶液供給口11からアルカリ水溶液9を供給し、オーバーフローさせることでアルカリ水溶液9を循環させながら、レジスト層3の薄膜化処理を行った。レジスト層3を基板8の下面にして、アルカリ水溶液9に30秒間浸漬したままの状態で搬送ロール対12によって搬送し、ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理後にレジスト層3の薄膜化部の厚みを測定したところ12μmであった。なお、気泡誘導板16には、凹部31として、搬送方向の中心線と、該中心線から上流側に200mmの位置と下流側に200mmの位置の合計3箇所に、幅5mm、深さ2mm、断面が三角形状の溝が幅方向全体に設けられている。
レジスト層3の薄膜化を、連続して200枚実施し、薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、全ての基板8において、処理ムラが無いことが確認された。
(実施例2)
搬送方向の長さが500mm、幅750mm、深さ200mmのディップ槽10、ディップ槽10底面の中央部に直径20mmのアルカリ水溶液供給口11を有し、アルカリ水溶液供給口11の直上に搬送方向の長さ250mm、幅400mm、厚さ10mmであり、幅方向の中央部と端部の高低差が30mmのV字型形状の気泡誘導板16が設置された薄膜化装置(図9)を用いた以外は、実施例1と同様にして、レジスト層3の薄膜化を実施した。なお、気泡誘導板16には、凸部32として、幅方向の両端から40mmの位置と、幅方向の中央部から40mmの位置の合計4箇所に、幅5mm、高さ2.5mm、断面形状が長方形の畝が搬送方向全体に設けられている。
搬送方向の長さが500mm、幅750mm、深さ200mmのディップ槽10、ディップ槽10底面の中央部に直径20mmのアルカリ水溶液供給口11を有し、アルカリ水溶液供給口11の直上に搬送方向の長さ250mm、幅400mm、厚さ10mmであり、幅方向の中央部と端部の高低差が30mmのV字型形状の気泡誘導板16が設置された薄膜化装置(図9)を用いた以外は、実施例1と同様にして、レジスト層3の薄膜化を実施した。なお、気泡誘導板16には、凸部32として、幅方向の両端から40mmの位置と、幅方向の中央部から40mmの位置の合計4箇所に、幅5mm、高さ2.5mm、断面形状が長方形の畝が搬送方向全体に設けられている。
レジスト層3の薄膜化を、連続して200枚実施し、薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、全ての基板8において、処理ムラが無いことが確認された。
(比較例1)
気泡誘導板が凹部31を有していない以外は、実施例1と同様にして、レジスト層3の薄膜化を実施した。レジスト層3の薄膜化を、連続して200枚実施し、薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、150枚までは処理ムラが無いことが確認された。151〜200枚の間で、処理ムラがある基板8が4枚確認された。
気泡誘導板が凹部31を有していない以外は、実施例1と同様にして、レジスト層3の薄膜化を実施した。レジスト層3の薄膜化を、連続して200枚実施し、薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、150枚までは処理ムラが無いことが確認された。151〜200枚の間で、処理ムラがある基板8が4枚確認された。
(比較例2)
気泡誘導板が凸部32を有していない以外、実施例2と同様にして、レジスト層3の薄膜化を実施した。レジスト層3の薄膜化を、連続して200枚実施し、薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、173枚までは処理ムラが無いことが確認された。174〜200枚の間で、処理ムラがある基板8が2枚確認された。
気泡誘導板が凸部32を有していない以外、実施例2と同様にして、レジスト層3の薄膜化を実施した。レジスト層3の薄膜化を、連続して200枚実施し、薄膜化されたレジスト層3の表面を光学顕微鏡で観察したところ、173枚までは処理ムラが無いことが確認された。174〜200枚の間で、処理ムラがある基板8が2枚確認された。
本発明のレジスト層の薄膜化装置は、プリント配線板やリードフレームにおける回路基板の作製、又はフリップチップ接続用の接続パッドを備えたパッケージ基板の作製において、レジストパターンを形成させる用途に適用できる。
1 絶縁層
2 導体配線
3 レジスト層
4 フォトマスク
5 活性光線
6 接続パッド
7 金属層
8 基板
9 アルカリ水溶液
10 ディップ槽
11 アルカリ水溶液供給口
12 搬送ロール対
13 アルカリ水溶液貯蔵タンク
14 アルカリ水溶液供給ポンプ
15 気泡
16 気泡誘導板
17 供給ポンプ吸込口
21 回収管
22 回収管排出口
30 アルカリ水溶液回収槽
31 凹部
32 凸部
2 導体配線
3 レジスト層
4 フォトマスク
5 活性光線
6 接続パッド
7 金属層
8 基板
9 アルカリ水溶液
10 ディップ槽
11 アルカリ水溶液供給口
12 搬送ロール対
13 アルカリ水溶液貯蔵タンク
14 アルカリ水溶液供給ポンプ
15 気泡
16 気泡誘導板
17 供給ポンプ吸込口
21 回収管
22 回収管排出口
30 アルカリ水溶液回収槽
31 凹部
32 凸部
Claims (1)
- アルカリ水溶液によってレジスト層を薄膜化処理するためのディップ槽と、レジスト層が形成された基板をアルカリ水溶液中に浸漬されたままの状態で搬送する搬送ロール対と、アルカリ水溶液をディップ槽に供給するアルカリ水溶液供給口と、アルカリ水溶液供給口と搬送ロール対との間に備えられた気泡誘導板とを備えてなるレジスト層の薄膜化処理装置において、気泡誘導板が凹凸を有することを特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016180250A JP2018045116A (ja) | 2016-09-15 | 2016-09-15 | レジスト層の薄膜化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016180250A JP2018045116A (ja) | 2016-09-15 | 2016-09-15 | レジスト層の薄膜化装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018002889U Continuation JP3218349U (ja) | 2018-07-26 | 2018-07-26 | レジスト層の薄膜化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018045116A true JP2018045116A (ja) | 2018-03-22 |
Family
ID=61693025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016180250A Pending JP2018045116A (ja) | 2016-09-15 | 2016-09-15 | レジスト層の薄膜化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018045116A (ja) |
-
2016
- 2016-09-15 JP JP2016180250A patent/JP2018045116A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5339626B2 (ja) | 導電パターンの作製方法 | |
JP3182371U (ja) | レジスト層の薄膜化処理装置 | |
JP3186533U (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
JP3207408U (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
KR200494122Y1 (ko) | 레지스트층의 박막화 장치 | |
JP3218349U (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
JP3224844U (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
JP5444172B2 (ja) | ドライフィルムレジストの薄膜化処理方法 | |
JP2018045116A (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
JP3225660U (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
JP3208034U (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
KR20210018401A (ko) | 레지스트층의 박막화 장치 | |
JP3218350U (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
JP4920777B2 (ja) | レジストパターンの形成方法及び回路基板の製造方法 | |
TWM464705U (zh) | 阻層之薄膜化處理裝置 | |
JP3202621U (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
JP3201110U (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
KR200492081Y1 (ko) | 레지스트층의 박막화 장치 | |
JP2007286385A (ja) | アルカリ可溶性樹脂層処理液、アルカリ可溶性樹脂層除去方法、レジストパターンの形成方法及び回路基板の製造方法 | |
KR200491908Y1 (ko) | 레지스트층의 박막화 장치 | |
JP6076291B2 (ja) | 樹脂層薄膜化処理液の管理方法 | |
KR20210002849U (ko) | 솔더 레지스트층의 박막화 장치 | |
JP3202620U (ja) | レジスト層の薄膜化装置 | |
JP2010274624A (ja) | 樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法 |