JP3202621U - レジスト層の薄膜化装置 - Google Patents

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豊田 裕二
裕二 豊田
寛彦 後閑
寛彦 後閑
中川 邦弘
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Abstract

【課題】薄膜化処理ユニットからミセル除去処理ユニットへ持ち込まれる薄膜化処理液量が多くなっても、ミセル除去液のpHが上がり過ぎることを防止することができ、レジスト層の薄膜化処理量が不均一になる問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することである。【解決手段】薄膜化処理液によって、基板上に形成されたレジスト層中の成分をミセル化させる薄膜化処理ユニットと、ミセル除去液10によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12とを備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去処理ユニット12がミセル除去液スプレーポンプ24及びpHセンサー28を有し、ミセル除去液スプレーポンプ24によって、基板上のレジスト層にミセル除去液10が供給され、pHセンサー28は、基板から流下した後のミセル除去液10のpHをモニターすることができる位置に設置されている。【選択図】図6

Description

本考案は、レジスト層の薄膜化装置に関する。
電気及び電子部品の小型化、軽量化、多機能化に伴い、回路形成用のドライフィルムレジスト(dry film resist)、ソルダーレジスト(solder resist)をはじめとする感光性樹脂(感光性材料)には、プリント配線板(printed wiring board、PWB)の高密度化に対応するために、高解像度が要求されている。これらの感光性樹脂による画像形成は、感光性樹脂を露光後、現像することによって行われる。
プリント配線板の小型化、高機能化に対応するため、感光性樹脂が薄膜化される傾向がある。感光性樹脂には、液を塗布して使用するタイプのもの(液状レジスト、liquid resist)とドライフィルムタイプのもの(ドライフィルムレジスト)がある。最近では15μm以下の厚みのドライフィルムレジストが開発され、製品化も進んでいる。しかし、このような薄いドライフィルムレジストでは、従来の厚さのレジストに比べて、密着性及び凹凸への追従性が不十分となり、剥がれやボイド(void)などが発生する問題があった。
これらの問題を解決するために、厚い感光性樹脂を使用しながら、高解像度が達成できる手段が提案されている。例えば、サブトラクティブ(subtractive)法によって導電パターンを作製する方法において、絶縁層の片面又は両面に金属層が設けられてなる積層基板上にエッチングレジスト用のドライフィルムレジストを貼り付けてレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次に、回路パターンの露光工程、現像工程、エッチング工程を行うことを特徴とする導電パターンの形成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ソルダーレジストパターンを形成する方法において、導電性パターンを有する回路基板上にソルダーレジストからなるレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次にパターン露光工程を行い、再度レジスト層の薄膜化工程を行うことを特徴とするソルダーレジストパターンの形成方法が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
また、特許文献4には、レジスト層が形成された基板を高濃度のアルカリ水溶液(薄膜化処理液)に浸漬(ディップ、dip)してレジスト層の成分のミセルを一旦不溶化し、処理液中に溶解拡散しにくくする薄膜化処理ユニット、ミセル除去液スプレーによって一挙にミセルを溶解除去するミセル除去処理ユニットを少なくとも含むレジスト層の薄膜化装置が開示されている。
特許文献4で開示されている薄膜化装置の一部である薄膜化処理ユニット11とミセル除去処理ユニット12について、図7に示した概略断面図を用いて説明する。薄膜化処理ユニット11では、投入口7から基板3が投入される。基板3表面にはレジスト層が形成されている。基板3は、ディップ槽の入口ロール対4からディップ槽2中へと搬送される。そして、ディップ槽の搬送ロール8によって、薄膜化処理液1に浸漬した状態でディップ槽2中へと搬送され、レジスト層の薄膜化処理が行われる。その後に、基板3は、ミセル除去処理ユニット12に搬送される。ミセル除去処理ユニット12では、ミセル除去処理ユニットの搬送ロール9によって搬送されてきた基板3に対し、ミセル除去液供給管20を通じてミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22が供給される。薄膜化処理ユニット11内部のディップ槽2において、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1によって、基板3のレジスト層中の成分がミセル化されていて、このミセルは薄膜化処理液1に対して一旦不溶化されている。その後、ミセル除去液スプレー22によってミセルが除去されることで、レジスト層が薄膜化される。
図7に示したレジスト層の薄膜化装置では、ディップ槽の出口ロール対5から境界部の搬送ロール対6までの間、基板3上のレジスト層表面はディップ槽2から持ち出した薄膜化処理液1の液膜によって被覆された状態になっている。薄膜化処理液1は高濃度のアルカリ水溶液であるため、被覆された状態のままの基板3がミセル除去処理ユニット12中に搬送されると、ミセル除去液のpHが上昇する。
ミセル除去液のpHが5.0〜10.0の範囲に維持されることによって、レジスト層のミセル除去液への溶解拡散性を一定に保つことができ、安定した連続薄膜化が可能になる(例えば、特許文献3参照)。しかし、基板3上のレジスト層表面が平坦でない場合や基板3の厚みが大きい場合には、レジスト層表面における薄膜化処理液1の被覆量及び基板3表面の薄膜化処理液1の付着量が多くなり、ミセル除去液のpHがより上がりやすい傾向がある。さらに、速い搬送速度で連続処理を行った場合、単位時間当たりにミセル除去処理ユニット12に持ち込まれる薄膜化処理液量が多くなる。これによって、ミセル除去液のpHが上がり過ぎて、pHのコントロールが難しくなり、ミセル除去性能にばらつきが発生し、レジスト層の薄膜化処理量が不均一になる場合があった。
このように、薄膜化処理量が不均一になって、薄膜化後のレジスト層により薄い部分が存在すると、サブトラクティブ法における導電パターン形成では回路の断線の原因となり、ソルダーレジストのパターン形成では耐候性低下の原因となり、どちらも生産における歩留まりの低下につながるという問題があった。
国際公開第2009/096438号パンフレット 特開2011−192692号公報 国際公開第2012/043201号パンフレット 特開2012−27299号公報
本考案の課題は、レジスト層の薄膜化装置において、薄膜化処理ユニットからミセル除去処理ユニットへ持ち込まれる薄膜化処理液量が多くなっても、ミセル除去液のpHが上がり過ぎることを防止することができ、レジスト層の薄膜化処理量が不均一になる問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することである。
本考案者らは、下記考案によって、これらの課題を解決できることを見出した。
(1)薄膜化処理液によって、基板上に形成されたレジスト層中の成分をミセル化させる薄膜化処理ユニットと、ミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理ユニットとを備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、
ミセル除去処理ユニットがミセル除去液スプレーポンプ及びpHセンサーを有し、
該ミセル除去液スプレーポンプによって、基板上のレジスト層にミセル除去液が供給され、
該pHセンサーは、基板から流下した後のミセル除去液のpHをモニターすることができる位置に設置されていることを特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
(2)ミセル除去処理ユニットが、酸性溶液供給機構を有し、
該酸性溶液供給機構によって、ミセル除去液スプレーポンプにミセル除去液が吸い込まれる前に、pH調整用酸性溶液がミセル除去液に添加される(1)記載のレジスト層の薄膜化装置。
(3)ミセル除去処理ユニットが、ミセル除去液循環機構及び酸性溶液供給機構を有し、
該酸性溶液供給機構によって、ミセル除去液循環機構によって発生した循環液流に、pH調整用酸性溶液が添加される(1)記載のレジスト層の薄膜化装置。
本考案によれば、レジスト層の薄膜化装置において、薄膜化処理ユニットからミセル除去処理ユニットへ持ち込まれる薄膜化処理液量が多くなっても、ミセル除去液のpHが上がり過ぎることを防止することができ、レジスト層の薄膜化処理量が不均一になる問題を解決することができるレジスト層の薄膜化装置を提供することができる。
従来技術によるレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去処理ユニット12におけるミセル除去液10の循環経路及び酸性溶液30の供給経路の一例を示す模式図である。 従来技術によるレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去処理ユニット12におけるミセル除去液10の循環経路及び酸性溶液30の供給経路の一例を示す模式図である。 従来技術によるレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去処理ユニット12におけるミセル除去液10の循環経路及び酸性溶液30の供給経路の一例を示す模式図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去処理ユニット12におけるミセル除去液10の循環経路及び酸性溶液30の供給経路の一例を示す模式図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去処理ユニット12におけるミセル除去液10の循環経路及び酸性溶液30の供給経路の一例を示す模式図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去処理ユニット12におけるミセル除去液10の循環経路及び酸性溶液30の供給経路の一例を示す模式図である。 レジスト層の薄膜化装置の一部を示す概略断面図である。
<薄膜化工程>
レジスト層を薄膜化する薄膜化工程とは、薄膜化処理、ミセル除去処理を含む工程である。薄膜化処理とは、薄膜化処理液によってレジスト層中の成分をミセル化させ、このミセルを一旦薄膜化処理液に対して不溶化し、薄膜化処理液中に溶解拡散し難くする処理である。薄膜化処理は、レジスト層が形成された基板を薄膜化処理液に浸漬させることによって行われる処理である。浸漬処理以外の処理方法(例えば、パドル(paddle)処理、スプレー(spray)処理、ブラッシング(brushing)、スクレーピング(scraping)等)は、薄膜化処理液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡がレジスト層表面に付着して、膜厚が不均一となる場合があるため、浸漬処理が好ましい。ミセル除去処理とは、ミセル除去液によってミセルを除去する処理である。より具体的には、ミセル除去液スプレーによって、一挙にミセルを溶解除去する処理である。ミセル除去処理の後に、水洗処理、乾燥処理を行っても良い。水洗処理は、基板表面を水で洗浄する処理であり、ミセル除去処理で除去しきれなかったレジスト層表面のミセルや残存している薄膜化処理液及びミセル除去液を水によって洗い流す処理である。また、乾燥処理は、基板を乾燥して、水洗水を除去する処理である。
本考案において、基板に形成されたレジスト層の厚みとレジスト層の薄膜化される厚み(薄膜化量)により、薄膜化された後のレジスト層の厚みが決定される。レジスト層の薄膜化量は、0.01〜500μmの範囲で自由に調整することができる。
<レジスト>
レジストとしては、アルカリ現像型レジストが使用できる。レジストは、液状レジストであってもよく、ドライフィルムレジストであってもよい。また、液状レジストは、1液性であってもよく、2液性であってもよい。レジストとしては、高濃度のアルカリ水溶液(薄膜化処理液)を用いた薄膜化工程によって薄膜化でき、かつ、薄膜化処理液よりも低濃度のアルカリ水溶液である現像液によって現像できるレジストであればいかなるものでも使用できる。アルカリ現像型レジストは、光架橋性樹脂成分を含み、例えば、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物(単官能モノマー、多官能モノマー)、光重合開始剤等を含んでなる。また、エポキシ樹脂、熱硬化剤、無機フィラー等を含んでいてもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル(acrylic)系樹脂、メタクリル(methacrylic)系樹脂、スチレン(styrene)系樹脂、エポキシ(epoxy)系樹脂、ポリアミド(polyamide)系樹脂、ポリアミドエポキシ(polyamide epoxy)系樹脂、アルキド(alkyd)系樹脂、フェノール(phenol)系樹脂の有機高分子が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体(重合性単量体)を重合(ラジカル重合等)して得られたものであることが好ましい。これらのアルカリ水溶液に可溶な重合体は、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、例えば、スチレン誘導体、アクリルアミド(acrylamide)、アクリロニトリル(acrylonitrile)、ビニルアルコール(vinyl alcohol)のエステル類、(メタ)アクリル酸((meth)acrylic acid)、(メタ)アクリル酸エステル((meth)acrylic ester、(meth)acrylate)等の(メタ)アクリル酸系単量体、マレイン酸(maleic acid)系単量体、フマル酸(fumaric acid)、ケイ皮酸(cinnamic acid)、α−シアノケイ皮酸(α−cyanocinnamic acid)、イタコン酸(itaconic acid)、クロトン酸(crotonic acid)、プロピオール酸(propiolic acid)等が挙げられる。
光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ビスフェノールA(bisphenol A)系(メタ)アクリレート((meth)acrylate)化合物;グリシジル(glycidyl)基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;分子内にウレタン(urethane)結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート(γ−chloro−β−hydroxypropyl−β′−(meth)acryloyloxyethyl−o−phthalate)、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート(β−hydroxyalkyl−β′−(meth)acryloyloxyalkyl−o−phthalate)等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル(alkyl (meth)acrylate)、ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート(nonylphenoxy polyethyleneoxy (meth)acrylate)等のEO、PO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、EO及びPOは、エチレンオキサイド(ethylene oxide)及びプロピレンオキサイド(propylene oxide)を示し、EO変性された化合物は、エチレンオキサイド基のブロック構造を有するものであり、PO変性された化合物は、プロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。これらの光重合性化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、キノン(quinone)類、ベンゾイン(benzoin)化合物、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体(2,4,5−triaryl imidazole dimer)、アクリジン(acridine)誘導体、N−フェニルグリシン(N−phenylglycine)誘導体、クマリン(coumarin)系化合物等が挙げられる。上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一であって対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントン(diethylthioxantone)とジメチルアミノ安息香酸(dimethylaminobenzoic acid)の組み合わせのように、チオキサントン(thioxantone)系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、硬化剤として用いられる場合がある。エポキシ樹脂はアルカリ可溶性樹脂のカルボン酸と反応させることで架橋させ、耐熱性や耐薬品性の特性の向上を図っているが、カルボン酸とエポキシ基は常温でも反応が進むために、保存安定性が悪いので、アルカリ現像型ソルダーレジストは一般的に使用前に混合する2液性の形態をとっている場合が多い。また、無機フィラーを使用する場合もあり、例えば、タルク、硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
基板の表面にレジスト層を形成する方法は、いかなる方法でもよい。例えば、スクリーン印刷(screen printing)法、ロールコート(roll coating)法、スプレー(spray coating)法、浸漬(dip)法、カーテンコート(curtain coating)法、バーコート(bar coating)法、エアナイフ(air knife coating)法、ホットメルト(hot−melt coating)法、グラビアコート(gravure coating)法、刷毛塗り(brush coating)法、オフセット印刷(offset printing)法が挙げられる。ドライフィルムレジストの場合は、ラミネート(laminating)法が好適に用いられる。
<基板>
処理基板としては、プリント配線板用基板、リードフレーム(lead frame)用基板;プリント配線板用基板やリードフレーム用基板を加工して得られる回路基板が挙げられる。
プリント配線板用基板としては、例えば、フレキシブル基板、リジッド基板が挙げられる。
フレキシブル基板の絶縁層の厚さは5〜125μmで、その両面又は片面に1〜35μmの金属層が設けられて積層基板となっており、可撓性が大きい。絶縁層の材料には、通常、ポリイミド(polyimide)、ポリアミド(polyamide)、ポリフェニレンサルファイド(polyphenylene sulfide)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)、液晶ポリマー等が用いられる。絶縁層上に金属層を有する材料は、接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上に樹脂液を塗布するキャスト(casting)法、スパッタリング(sputtering)や蒸着(deposition)法で樹脂フィルム上に形成した厚さ数nmの薄い導電層(シード層)の上に電解メッキで金属層を形成するスパッタ/メッキ(sputtering/plating)法、熱プレス(hot pressing)で貼り付けるラミネート法等のいかなる方法で製造したものを用いてもよい。金属層の金属としては、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、あるいはそれらの合金等のいかなる金属を用いることができるが、銅が一般的である。
リジッド基板は、紙基材又はガラス基材にエポキシ樹脂又はフェノール樹脂等を浸漬させた絶縁性基板を重ねて絶縁層とし、その片面もしくは両面に金属箔を載置し、加熱及び加圧により積層し、金属層が設けられた積層基板が挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、貫通孔や非貫通孔を有する多層板も挙げられる。厚みは60μm〜3.2mmであり、プリント配線板としての最終使用形態により、その材質と厚みが選定される。金属層の材料としては、銅、アルミニウム、銀、金等が挙げられるが、銅が最も一般的である。これらプリント配線板用基板の例は、「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)プリント回路学会編、1987年刊、日刊工業新聞社発刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット(Scarlett)編、1992年刊、(株)近代化学社発刊)に記載されている。
リードフレーム用基板としては、鉄ニッケル合金、銅系合金等の基板が挙げられる。
回路基板とは、絶縁性基板上に半導体チップ等の電子部品を接続するための接続パッドが形成された基板である。接続パッドは銅等の金属からなる。また、回路基板には、導体配線が形成されていてもよい。回路基板を作製する方法は、例えばサブトラクティブ(subtractive)法、セミアディティブ(semi−additive)法、アディティブ(additive)法が挙げられる。サブトラクティブ法では、例えば、上記のプリント配線板用基板に、レジスト層形成工程、露光工程、現像工程を行ってエッチングレジストパターンを形成し、エッチング工程、レジスト剥離工程を実施して回路基板が作製される。セミアディティブ法では、絶縁層の表面に無電解銅めっきにより電解銅めっき用の下地金属層を設ける。次に、めっきレジストパターンを形成し、電解銅めっき工程、レジスト剥離工程、フラッシュエッチング工程を実施して回路基板が作製される。
<薄膜化装置>
本考案の薄膜化装置は、図7に示すように、薄膜化処理液1によって、基板3上に形成されたレジスト層成分をミセル化させる薄膜化処理ユニット11と、ミセル除去液10によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12とを備えてなるレジスト層の薄膜化装置である。そして図4〜図6に示すように、ミセル除去処理ユニット12がミセル除去液スプレーポンプ24及びpHセンサー28を有し、ミセル除去液スプレーポンプ24によって、基板3上のレジスト層にミセル除去液10が供給され、pHセンサー28は、基板3から流下した後のミセル除去液10のpHをモニターすることができる位置に設置されていることを特徴とする。
図7に示すように、薄膜化処理ユニット11では、レジスト層が形成された基板3が投入口7から投入され、ディップ槽の入口ロール対4によって、薄膜化処理液1が入ったディップ槽2へと搬送され、ディップ槽の出口ロール対5を通過する。この間に、レジスト層の成分は薄膜化処理液1によってミセル化され、このミセルが薄膜化処理液1に対して不溶化される。
図7に示すように、薄膜化処理液1は、薄膜化処理液貯蔵タンク13中の薄膜化処理液吸込口14から薄膜化処理液供給用ポンプ(図示せず)によって吸い込まれ、薄膜化処理液供給管15を経てディップ槽2に供給される。ディップ槽2に供給された薄膜化処理液1は、オーバーフローし、薄膜化処理液回収管16を通って薄膜化処理液貯蔵タンク13に回収される。このようにして、薄膜化処理液1は、ディップ槽2と薄膜化処理貯蔵タンク13との間を循環する。薄膜化処理液ドレン管17からは、余剰分の薄膜化処理液1が排出される。
本考案に係わる薄膜化処理液には、アルカリ水溶液を使用することができる。薄膜化処理液のアルカリ性化合物としては、アルカリ金属ケイ酸塩(Alkali Metal Silicate)、アルカリ金属水酸化物(Alkali Metal Hydroxide)、アルカリ金属リン酸塩(Alkali Metal Phosphate)、アルカリ金属炭酸塩(Alkali Metal Carbonate)、アンモニウムリン酸塩(Ammonium Phosphate)、アンモニウム炭酸塩(Ammonium Carbonate)等の無機アルカリ性化合物;モノエタノールアミン(monoethanolamin)、ジエタノールアミン(diethanolamin)、トリエタノールアミン(triethanolamin)、メチルアミン(methylamine)、ジメチルアミン(dimethylamine)、エチルアミン(ethylamine)、ジエチルアミン(diethylamine)、トリエチルアミン(triethylamine)、シクロヘキシルアミン(cyclohexylamine)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Tetramethylammonium Hydroxide、TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(tetraethylammonium hydroxide)、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(2−hydroxyethyltrimethylammonium hydroxide、コリン、Choline)等の有機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ金属としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられる。上記無機アルカリ性化合物及び有機アルカリ性化合物は、単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。無機アルカリ性化合物と有機アルカリ性化合物を組み合わせて用いてもよい。薄膜化処理液の媒体である水には、水道水、工業用水、純水等を用いることができるが、特に純水を使用することが好ましい。
また、レジスト層表面をより均一に薄膜化するために、薄膜化処理液に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩又は亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属硫酸塩又は亜硫酸塩、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属硫酸塩又は亜硫酸塩が挙げられる。
薄膜化処理液のアルカリ性化合物としては、これらの中でも特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物;TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物を好ましく使用することができる。これらのアルカリ性化合物は、単独で用いてもよいし、混合物としても使用できる。また、アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%であるアルカリ水溶液が、表面をより均一に薄膜化できるため、好適に使用できる。アルカリ性化合物の含有量が5質量%未満では、薄膜化する処理でムラが発生しやすくなる場合がある。また、25質量%を超えると、アルカリ性化合物の析出が起こりやすくなる場合があり、液の経時安定性、作業性に劣る場合がある。アルカリ性化合物の含有量は7〜17質量%がより好ましく、8〜13質量%が更に好ましい。薄膜化処理液として使用されるアルカリ水溶液のpHは10以上とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
薄膜化処理液の温度は、15〜35℃が好ましく、更に好ましくは20〜30℃である。温度が低すぎると、レジスト層への薄膜化処理液の浸透速度が遅くなる場合があり、所望の厚みを薄膜化するのに長時間を要する。一方、温度が高すぎると、レジスト層への薄膜化処理液の浸透と同時に溶解拡散が進行することにより、膜厚ムラが発生しやすくなる場合がある。
図7に示すように、ミセル除去処理ユニット12では、基板3が、ミセル除去処理ユニットの搬送ロール9によって搬送される。搬送されている基板3に対して、ミセル除去液スプレー22によってミセル除去液10が供給され、レジスト層成分のミセルが一挙に溶解除去される。
ミセル除去液10は、ミセル除去液貯蔵タンク18中のミセル除去液吸込口19からミセル除去液スプレーポンプ24で吸い込まれ、ミセル除去液供給管20を経て、ミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22として噴射される。ミセル除去液スプレー22は、基板3から流下した後、ミセル除去液貯蔵タンク18に回収される。このようにして、ミセル除去液10はミセル除去処理ユニット12内を循環する。ミセル除去液ドレン管23からは、余剰分のミセル除去液10が排出される。
図1〜図6を用いて、ミセル除去処理ユニット12における経路について詳説する。図1〜図6は、レジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去処理ユニット12におけるミセル除去液10の循環経路及び酸性溶液30の供給経路の一例を示す模式図である。
図1は、従来技術の一例を示す模式図である。ミセル除去液10は、ミセル除去液貯蔵タンク18中のミセル除去液吸込口(スプレーポンプ用)19からミセル除去液スプレーポンプ24で吸い込まれ、ミセル除去液供給管20を経て、ミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22として噴射される。ミセル除去液スプレー22は、基板3から流下した後、ミセル除去液貯蔵タンク18に回収される。この際、基板3から流下したミセル除去液10には、基板3表面に付着した薄膜化処理液1、又は、レジスト層表面に被覆された薄膜化処理液1が含まれる。また、ミセル除去処理ユニット12は、ミセル除去液循環機構を有する。このミセル除去液循環機構では、ミセル除去液10は、ミセル除去液貯蔵タンク18中のミセル除去液吸込口(循環ポンプ用)26からミセル除去液循環ポンプ25で吸い込まれ、ミセル除去液供給管(循環用)27を経て、pHセンサー(制御・監視用)28によってミセル除去液10のpHをモニターされ、ミセル除去液貯蔵タンク18に戻される。このように、ミセル除去液10のpHは、ミセル除去液循環ポンプ25を経由する配管経路においてモニターされる。このpHモニターの結果、pHの上昇に応じて、酸性溶液供給機構によって、pH調整用の酸性溶液30がミセル除去液10に添加される。この酸性溶液供給機構では、酸性溶液供給ポンプ29から酸性溶液供給管31を経て、酸性溶液30がミセル除去液貯蔵タンク18中のミセル除去液吸込口(スプレーポンプ用)19に吸い込まれるように添加される。添加された酸性溶液30はミセル除去液スプレーポンプ24によって攪拌され、ミセル除去液供給管20を経てミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22として噴射される。酸性溶液30をミセル除去液吸込口(スプレーポンプ用)19に吸い込まれるように添加することで、高pHのミセル除去液スプレー22によってレジスト層が薄膜化処理されるのを防止することができる。しかしながら、基板3からミセル除去液10が流下してからpHをモニターするまでの経路が長く、pHセンサー(制御・監視用)28がpHの上昇を感知してから酸性溶液30が添加されるまでのタイムラグが大きくなり、ミセル除去液10のpHが上がり過ぎてコントロールできなくなる場合がある。
図2も、従来技術の一例を示す模式図である。図2では、ミセル除去液循環機構において、ミセル除去液10のpHをモニターした後、ミセル除去液貯蔵タンク18に回収されるまでの間におけるミセル除去液供給管(循環用)27で、酸性溶液30が添加される点が図1と異なる。添加された酸性溶液30は、ミセル除去液循環ポンプ25の液流によって攪拌され、ミセル除去液貯蔵タンク18に入るため、酸性溶液30の添加によるpHの低下を感知するまでの時間は短縮されるが、図1と同様に、基板3からミセル除去液10が流下してからpHをモニターするまでの経路が長く、pHセンサー(制御・監視用)28がpHの上昇を感知してから酸性溶液30が添加されるまでのタイムラグが大きい。
図3も、従来技術の一例を示す模式図である。図3では、ミセル除去液10が、ミセル除去液吸込口(スプレーポンプ用)19からミセル除去液スプレーポンプ24で吸い込まれた後、ミセル除去液供給管32からミセル除去液供給管27を経て、pHセンサー(制御・監視用)28にてミセル除去液のpHがモニターされ、ミセル除去液貯蔵タンク18に回収される点が図2と異なる。ミセル除去液スプレーポンプ24は、ミセル除去液循環ポンプ25に比べ、単位時間当たりの吐出量が大きく、基板3から流下したミセル除去液10のpHをモニターするまでの時間を短縮できる。これによって、ミセル除去液10のpH上昇に応じて酸性溶液30を添加するまでの時間が短縮されるが、基板3による薄膜化処理液1の持ち込み量が多い条件においては、ミセル除去液10のpHが上がり過ぎてコントロールできなくなる場合がある。
図4は、本考案の一例を示す模式図である。図4では、まず、ミセル除去液スプレー22として噴射されたミセル除去液10が基板3から流下した後、ミセル除去液貯蔵タンク18に回収され、ミセル除去液貯蔵タンク18内で、pHセンサー(制御・監視用)28によって回収されたミセル除去液10のpHがモニターされる点が図1と異なる。基板3から流下した後、ミセル除去液10は配管内を循環することなく、ミセル除去液貯蔵タンク18内でミセル除去液10のpHをモニターすることによって、更に迅速にミセル除去液10のpH上昇を感知することができ、酸性溶液30を添加するまでの時間を大幅に短縮することができる。これによって、基板3による薄膜化処理液1の持ち込み量が多い条件においても、ミセル除去液10のpHが上がり過ぎるのを防止することができる。また、ミセル除去液貯蔵タンク18内のミセル除去液10のpHを監視するために、図1及び図2と同じように、ミセル除去液循環ポンプ25を経由するミセル除去液循環機構の配管経路にpHセンサー(監視用)33が設置されている。pHセンサー(監視用)33によって、ミセル除去液貯蔵タンク18内を循環するミセル除去液10全体のpHを監視することができ、所望のpH範囲から外れたミセル除去液10によってレジスト層が薄膜化されることを防止することができる。
図5も、本考案の一例を示す模式図である。図5では、ミセル除去液循環機構の配管経路上でpHセンサー(監視用)33によってミセル除去液10のpHをモニターした後、ミセル除去液貯蔵タンク18にミセル除去液が戻るまでの間に、酸性溶液供給機構から酸性溶液30が添加される点が図4と異なる。循環液流に酸性溶液30が添加されることによって、pHセンサー(監視用)33においてpHの低下を感知するまでの時間が短縮され、より精度の高いpHコントロールが可能になる。
図6も、本考案の一例を示す模式図である。図6では、基板3から流下したミセル除去液10はミセル除去液回収ポケット37で、その一部又は全部が回収される。ミセル除去液回収ポケット37からミセル除去液供給管38を通って、pHセンサー(制御・監視用)28によって、pHがモニターされたミセル除去液10は、ミセル除去液バッファータンク34に流入する。これにより、基板3から流下したミセル除去液10のpHを直接モニターすることができ、pHセンサー(制御・監視用)28がミセル除去液10のpHの上昇を感知してから酸性溶液30が添加されるまでのタイムラグは大幅に短縮される。また、ミセル除去液バッファータンク34内において、攪拌機36でバッファータンク内のミセル除去液35を攪拌しながら、酸性溶液供給機構によって酸性溶液30を添加することによって、上昇したpHを速やかに下げることができる。pH調整されたバッファータンク内のミセル除去液35は、ミセル除去液供給管39を経てミセル除去液貯蔵タンク18に回収される。図4及び図5と同様に、ミセル除去液循環ポンプ25を経由するミセル除去液循環機構の配管経路にpHセンサー(監視用)33を設置することによって、ミセル除去液貯蔵タンク18内を循環するミセル除去液10全体のpHを監視することができる。
ミセル除去液10としては、水を用いることもできるが、薄膜化処理液よりも希薄なアルカリ性化合物を含有するpH5〜10の水溶液を用いることが好ましい。薄膜化処理液1で不溶化されたレジスト層の成分のミセルがミセル除去液10によって再分散されて溶解除去される。ミセル除去液10に使用される水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができるが、特に純水を使用することが好ましい。ミセル除去液10のpHが5未満の場合、レジスト層の成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化後のレジスト層表面に付着する場合がある。一方、ミセル除去液10のpHが10を超えた場合、レジスト層が過度に溶解拡散し、薄膜化されるレジスト層の厚みが不均一になり、処理ムラができる場合がある。
ミセル除去液10のpHをモニターするためのpHセンサー28及び33としては、pHガラス電極を用いることができる。pHガラス電極の温度特性に対応した温度補償機能(pHガラス電極の温度による性質の変化を補正する機能)と水溶液の温度特性に対応した温度換算機能(一定の温度でのpHに換算する機能)を備えたpHセンサーを用いて測定を行うことにより、所定の温度における水溶液のpHを調べることができる。
ミセル除去液10のpHを調整するために添加される酸性溶液30は、硫酸、リン酸、塩酸などを、含有量0.01〜1.0質量%に希釈したものが好適に用いられる。
ミセル除去液スプレー22の条件(温度、スプレー圧、供給流量)は、薄膜化処理されるレジスト層の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3MPaである。ミセル除去液10の供給流量は、レジスト層1cm当たり0.030〜1.0L/minが好ましく、0.050〜1.0L/minがより好ましく、0.10〜1.0L/minが更に好ましい。供給流量がこの範囲であると、薄膜化後のレジスト層表面にミセル成分を残すことなく、略均一にミセルを溶解除去しやすい。レジスト層1cm当たりの供給流量が0.030L/min未満では、ミセルの溶解不良が起こる場合がある。一方、供給流量が1.0L/minを超えると、供給のために必要なポンプ等の部品が巨大になり、大掛かりな装置が必要となる場合がある。さらに、1.0L/minを超えた供給量では、ミセルの溶解除去に与える効果が変わらなくなることがある。スプレーの方向は、レジスト層表面に効率よく液流れを作るために、レジスト層表面に垂直な方向に対して、傾いた方向から噴射するのがよい。
搬送ロール(図7に示すディップ槽の搬送ロール8、ディップ槽の入口ロール対4のロール、ディップ槽の出口ロール対5のロール、薄膜化処理ユニット11とミセル除去処理ユニット12との間の境界部の搬送ロール対6における搬送ロール、ミセル除去処理ユニットの搬送ロール9)は、基板3を搬送することができることに加え、レジスト層表面に密着することが好ましい。搬送ロールとしては、表面に凹凸のないストレートタイプのものが好適に用いられる。搬送ロールの種類としては、ゴムロール、スポンジロール、金属ロール、樹脂ロール等が挙げられる。その中でも、優れたゴム弾性(シール性、回復性)を有し、比重が小さく、軽量であり、低硬度から中硬度であり、レジスト層への接触による衝撃が少なく、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液への耐薬品性にも優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーのロールが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、サーモラン(THERMORUN、登録商標)が挙げられる。ディップ槽の出口ロール対5は、ディップ槽2における薄膜化処理液の液面維持及びレジスト層表面に被覆された薄膜化処理液の液膜を掻き落とす液切りのために用いられる。また、境界部の搬送ロール対6は、ミセル除去処理ユニット12への薄膜化処理液の持ち込みと薄膜化処理ユニット11へのミセル除去液10の逆流を抑制するために用いられる。搬送ロールの設置位置及び本数は、基板3を搬送することができればよく、設置位置及び本数は適宜設定することができる。
以下実施例によって本考案を更に詳しく説明するが、本考案はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
銅張積層板(面積340mm×400mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.8mm)にサブトラクティブ法を用いて、配線幅50μm、配線幅間隔50μmの接続パッドを有する回路基板を作製した。次に、真空ラミネータを用いて、厚さ30μmのソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造(株)(TAIYO INK MFG. CO., LTD.)製、商品名:PFR−800 AUS−410)を上記回路基板上に真空熱圧着させた(ラミネート温度75℃、吸引時間30秒、加圧時間10秒)。これにより絶縁性基板表面からレジスト層表面までの膜厚が38μmのレジスト層を形成し、基板3を得た。
次に、ソルダーレジストのキャリアフィルムを剥離した後、ディップ槽2を備えた薄膜化処理ユニット11とミセル除去液10によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12(図6)とを備えてなるレジスト層の薄膜化装置により、レジスト層を薄膜化した。
薄膜化処理液1として10質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)を用いて、基板3を、搬送速度3.0m/min、基板3同士の間隔50mmで20枚連続処理した。基板3は、薄膜化処理ユニット11のディップ槽の出口ロール対5から境界部の搬送ロール対6を通過し、ミセル除去処理ユニット12において、不溶化したミセルが除去され、水洗処理、乾燥処理の後、薄膜化されたレジスト層が得られた。
20枚目の基板3におけるレジスト層の薄膜化処理表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラのない平滑な薄膜化処理面であることが確認された。
(実施例2)
ミセル除去処理ユニット12(図4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、レジスト層を薄膜化した。
20枚目の基板3におけるレジスト層の薄膜化処理表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラのない平滑な薄膜化処理面であることが確認された。
(実施例3)
ミセル除去処理ユニット12(図5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、レジスト層を薄膜化した。
20枚目の基板3におけるレジスト層の薄膜化処理表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラのない平滑な薄膜化処理面であることが確認された。
(比較例1)
ミセル除去処理ユニット12(図1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、レジスト層を薄膜化した。
20枚目の基板3におけるレジスト層の薄膜化処理表面を光学顕微鏡で観察したところ、高pHのミセル除去液によって薄膜化処理されたことが原因と思われる処理ムラが発生していた。
(比較例2)
ミセル除去処理ユニット12(図2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、レジスト層を薄膜化した。
20枚目の基板3におけるレジスト層の薄膜化処理表面を光学顕微鏡で観察したところ、高pHのミセル除去液によって薄膜化処理されたことが原因と思われる処理ムラが発生していた。
(比較例3)
ミセル除去処理ユニット12(図3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、レジスト層を薄膜化した。
20枚目の基板3におけるレジスト層の薄膜化処理表面を光学顕微鏡で観察したところ、高pHのミセル除去液によって薄膜化処理されたことが原因と思われる処理ムラが発生していた。
各実施例及び比較例において、pHセンサー(制御・監視用)28で測定した、1枚目の基板3の薄膜化処理を開始したときの初期pH、20枚目の基板3の薄膜化処理が終了したときの終了pHと、連続処理中の最大pHの値を表1に示した。また、1枚目の基板3の先端が境界部の搬送ロール対6を通過してからpHセンサー(制御・監視用)28においてpHの上昇が確認されるまでの時間(タイムラグ)を表1に示す。
比較例1〜3では、基板3からミセル除去液10が流下してから、pHをモニターするまでの経路が長くタイムラグが大きいため、pH調整用の0.5質量%硫酸溶液の添加が遅くなり、連続処理中の最大pHの値が高くなった。また、硫酸溶液が添加された後、pHの低下を感知するまでの時間が長く、過剰に硫酸溶液が添加されるために、20枚目の基板3の薄膜化処理が終了したときの終了pHが低くなった。
これに対し、実施例1〜3では、基板3からミセル除去液10が流下してから、pHをモニターするまでのタイムラグが小さく、連続処理中の最大pHの値が上がり過ぎなかった。さらに、pHの上昇に伴って速やかに0.5質量%硫酸溶液が添加され、上昇したpHを下げることができ、硫酸溶液の過剰な添加がなくなり、リアルタイムに近いpH制御が可能となった。これによって、20枚目の基板3の薄膜化処理が終了したときの終了pHが下がり過ぎなかった。
本考案のレジスト層の薄膜化装置は、プリント配線板やリードフレームにおける回路基板の作製、フリップチップ(flip chip)接続用の接続パッドを備えたパッケージ基板の作製において、レジストパターンを形成させる用途に適用できる。
1 薄膜化処理液(ディップ槽)
2 ディップ槽
3 基板
4 ディップ槽の入口ロール対
5 ディップ槽の出口ロール対
6 境界部の搬送ロール対
7 投入口
8 ディップ槽の搬送ロール
9 ミセル除去処理ユニットの搬送ロール
10 ミセル除去液
11 薄膜化処理ユニット
12 ミセル除去処理ユニット
13 薄膜化処理液貯蔵タンク
14 薄膜化処理液吸込口
15 薄膜化処理液供給管(ディップ槽)
16 薄膜化処理液回収管
17 薄膜化処理液ドレン管
18 ミセル除去液貯蔵タンク
19 ミセル除去液吸込口(スプレーポンプ用)
20 ミセル除去液供給管(スプレー用)
21 ミセル除去液用ノズル
22 ミセル除去液スプレー
23 ミセル除去液ドレン管
24 ミセル除去液スプレーポンプ
25 ミセル除去液循環ポンプ
26 ミセル除去液吸込口(循環ポンプ用)
27 ミセル除去液供給管(循環用)
28 pHセンサー(制御・監視用)
29 酸性溶液供給ポンプ
30 酸性溶液
31 酸性溶液供給管
32 ミセル除去液供給管(スプレーポンプ→pHセンサー)
33 pHセンサー(監視用)
34 ミセル除去液バッファータンク
35 バッファータンクのミセル除去液
36 攪拌機
37 ミセル除去液回収ポケット
38 ミセル除去液供給管(ミセル除去液スプレー→バッファータンク)
39 ミセル除去液供給管(バッファータンク→貯蔵タンク)

Claims (3)

  1. 薄膜化処理液によって、基板上に形成されたレジスト層中の成分をミセル化させる薄膜化処理ユニットと、ミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理ユニットとを備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、
    ミセル除去処理ユニットがミセル除去液スプレーポンプ及びpHセンサーを有し、
    該ミセル除去液スプレーポンプによって、基板上のレジスト層にミセル除去液が供給され、
    該pHセンサーは、基板から流下した後のミセル除去液のpHをモニターすることができる位置に設置されていることを特徴とするレジスト層の薄膜化装置。
  2. ミセル除去処理ユニットが、酸性溶液供給機構を有し、
    該酸性溶液供給機構によって、ミセル除去液スプレーポンプにミセル除去液が吸い込まれる前に、pH調整用酸性溶液がミセル除去液に添加される請求項1記載のレジスト層の薄膜化装置。
  3. ミセル除去処理ユニットが、ミセル除去液循環機構及び酸性溶液供給機構を有し、
    該酸性溶液供給機構によって、ミセル除去液循環機構によって発生した循環液流に、pH調整用酸性溶液が添加される請求項1記載のレジスト層の薄膜化装置。
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