JP3208034U - レジスト層の薄膜化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミセル除去液のpHを所望の範囲に維持することができるレジスト層の薄膜化装置を提供する。【解決手段】ミセル除去処理ユニット12が、ミセル除去液の実際のpH値pH−Mをモニターすることができる位置に設置されているpHセンサー28と、pH−MがpH−A以上の場合に酸性溶液をミセル除去液に添加することができる位置に設置されている酸性溶液添加用ポンプ29と、pH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mを、pH−Aにおける酸性溶液添加用ポンプの出力OP−Aと、ミセル除去液のpHの制御目標値pH−Bにおける酸性溶液添加用ポンプの出力OP−Bとの間における比例制御によって決定し、且つ、酸性溶液添加用ポンプの最大出力OP−Xに対して、OP−Mを10%以上50%以下の範囲内とする出力制御手段とを、備えてなる(ただし、pH−A<pH−Bであり、OP−A≦OP−M≦OP−Bである)。【選択図】図14

Description

本考案は、レジスト層の薄膜化装置に関する。
電気及び電子部品の小型化、軽量化、多機能化に伴い、回路形成用のドライフィルムレジスト、ソルダーレジストをはじめとする感光性樹脂(感光性材料)には、プリント配線板の高密度化に対応するために、高解像度が要求されている。これらの感光性樹脂による画像形成は、感光性樹脂を露光後、現像することによって行われる。
プリント配線板の小型化、高機能化に対応するため、感光性樹脂が薄膜化される傾向がある。感光性樹脂には、液を塗布して使用するタイプの液状レジストとドライフィルムタイプのドライフィルムレジストがある。最近では15μm以下の厚みのドライフィルムレジストが開発され、製品化も進んでいる。しかし、このような薄いドライフィルムレジストでは、従来の厚さのレジストに比べて、密着性及び凹凸への追従性が不十分となり、剥がれやボイドなどが発生する問題があった。
これらの問題を解決するために、厚い感光性樹脂を使用しながら、高解像度が達成できる手段が提案されている。例えば、サブトラクティブ法によって導電パターンを作製する方法において、絶縁層の片面又は両面に金属層が設けられてなる積層基板上にエッチングレジスト用のドライフィルムレジストを貼り付けてレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次に、回路パターンの露光工程、現像工程、エッチング工程を行うことを特徴とする導電パターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、ソルダーレジストパターンを形成する方法において、導電性パターンを有する回路基板上にソルダーレジストからなるレジスト層を形成した後、レジスト層の薄膜化工程を行い、次にパターン露光工程を行い、再度レジスト層の薄膜化工程を行うことを特徴とするソルダーレジストパターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
また、特許文献4には、レジスト層が形成された基板を高濃度のアルカリ水溶液(薄膜化処理液)に浸漬(ディップ、dip)してレジスト層の成分のミセル(micelle)を一旦不溶化し、処理液中に溶解拡散しにくくする薄膜化処理ユニット、ミセル除去液スプレーによって一挙にミセルを溶解除去するミセル除去処理ユニット、表面を水で洗浄する水洗処理ユニット、水洗水を除去する乾燥処理ユニットの四つの処理ユニットを少なくとも含むレジスト層の薄膜化装置が開示されている。
特許文献4で開示されている薄膜化装置の一部について、図13に示した概略断面図を用いて説明する。薄膜化処理ユニット11では、投入口7からレジスト層が形成された基板3が投入される。基板3は、ディップ槽の入口ロール対(「入口ロール対」と略記する場合がある)4からディップ槽2中へと搬送され、薄膜化処理液1に浸漬した状態でディップ槽2内を搬送され、レジスト層の薄膜化処理が行われる。その後に、基板3は、ミセル除去処理ユニット12に搬送される。ミセル除去処理ユニット12では、ミセル除去処理ユニットの搬送ロール29によって搬送されてきた基板3に対し、ミセル除去液供給管20を通じてミセル除去液用ノズル21からミセル除去液スプレー22が供給される。基板3のレジスト層は、薄膜化処理ユニット11内部のディップ槽2において、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1によって、レジスト層成分のミセルが薄膜化処理液1に対して一旦不溶化されている。その後、ミセル除去液スプレー22によってミセルが除去されることで、レジスト層が薄膜化される。
ミセル除去液のpHは、薄膜化処理液のpHよりも低い。そして、ミセル除去液のpHが5.0〜10.0の範囲に維持されることによって、レジスト層のミセル除去液への溶解拡散性を一定に保つことができ、安定した連続薄膜化が可能になる(例えば、特許文献3参照)。しかし、薄膜化処理液は高濃度のアルカリ水溶液であるため、レジスト層表面が薄膜化処理液の液膜に被覆された状態の基板に対して、ミセル除去液スプレーが供給されると、薄膜化処理液とミセル除去液とが混合するため、ミセル除去液のpHが上昇してしまう。
上昇したミセル除去液のpHを下げるために、酸性溶液がミセル除去液に添加される。ミセル除去液への単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量は、レジスト層表面における薄膜化処理液の被覆量及び基板表面における薄膜化処理液の付着量、薄膜化処理の頻度(投入数、投入間隔等)等によって異なり、単純な方法で酸性溶液を添加するだけでは、ミセル除去液のpHを所望の範囲に維持することは難しい。特に、ミセル除去液が緩衝作用を有する場合には、単にミセル除去液のpHに応じて酸性溶液を添加するだけでは、ミセル除去液のpHを制御できない。通常、ミセル除去液のpHの上昇に応じて酸性溶液が添加され、pHの下降に応じて酸性溶液の添加が停止されるが、薄膜化処理液の混入に対しミセル除去液のpHが一定に保たれるような緩衝作用がある場合、pHの上昇が無くても、酸性溶液が添加され続ける。さらに、緩衝作用が働いている状態では、薄膜化処理が終了して薄膜化処理液の混入が無くなった場合でも、すぐにミセル除去液のpHが下降せず、このpH変動のタイムラグの間、余計に酸性溶液が添加される。ミセル除去液の緩衝作用の程度は、混合される薄膜化処理液の成分によって異なるが、通常、ミセル除去液は、弱酸と共役塩基を混合したアルカリ性化合物を含有する水溶液であり、著しい緩衝作用が得られる。このように、必要量以上に酸性溶液が添加されると、pHが下がり過ぎてしまい、ミセル除去性能にばらつきが発生し、レジスト層の薄膜化処理量が不均一になる場合があった。そして、薄膜化後のレジスト層により薄い部分が存在すると、サブトラクティブ法における導電パターン形成では回路の断線の原因となり、ソルダーレジストのパターン形成では耐候性低下の原因となり、どちらも生産における歩留まりの低下につながるという問題があった。また、ミセル除去液のpHが下がり過ぎると、レジスト層の成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化後のレジスト層表面に付着するという問題があった。
特許第5339626号 特許第5444050号 国際公開第2012/043201号パンフレット 特開2012−27299号公報
本考案の課題は、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液によってレジスト層中の成分をミセル化させると同時に一旦不溶化させた後、ミセル除去液スプレーによってミセルを除去することによって行われるレジスト層の薄膜化処理方法に使用されるレジスト層の薄膜化装置において、ミセル除去液への単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が変わった場合や、ミセル除去液が緩衝作用を有し、薄膜化処理終了時におけるミセル除去液のpH変動のタイムラグがあった場合においても、ミセル除去液のpHを所望の範囲に維持することができ、レジスト層の薄膜化処理量が不均一になる問題や、レジスト層の成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化後のレジスト層表面に付着する問題を解決することができる、レジスト層の薄膜化装置を提供することである。
本考案者らは、下記考案によって、これらの課題を解決できることを見出した。
薄膜化処理液によって、基板上に形成されたレジスト層中の成分をミセル化させる薄膜化処理ユニットと、ミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理ユニットとを備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、
ミセル除去処理ユニットが、ミセル除去液の実際のpH値pH−Mをモニターすることができる位置に設置されているpHセンサーと、
pH−MがpH−A以上の場合に酸性溶液をミセル除去液に添加することができる位置に設置されている酸性溶液添加用ポンプと、
pH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mを、pH−Aにおける酸性溶液添加用ポンプの出力OP−Aと、ミセル除去液のpHの制御目標値pH−Bにおける酸性溶液添加用ポンプの出力OP−Bとの間における比例制御によって決定し、且つ、酸性溶液添加用ポンプの最大出力OP−Xに対して、OP−Mを10%以上50%以下の範囲内とする出力制御手段とを、
備えてなることを特徴とするレジスト層の薄膜化装置(ただし、pH−A<pH−Bであり、OP−A≦OP−M≦OP−Bである)。
本考案のレジスト層の薄膜化装置によれば、ミセル除去液への単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が変わった場合や、ミセル除去液が緩衝作用を有し、薄膜化処理終了時におけるミセル除去液のpH変動のタイムラグがあった場合においても、ミセル除去液のpHを所望の範囲に維持することができ、レジスト層の薄膜化処理量が不均一になる問題や、レジスト層の成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化後のレジスト層表面に付着する問題を解決することができる、レジスト層の薄膜化装置を提供することである。
従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 本考案におけるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 本考案におけるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 本考案におけるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 本考案におけるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 本考案におけるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。 レジスト層の薄膜化装置の一部を示す概略断面図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置の一部を示す概略断面図である。 本考案のレジスト層の薄膜化装置におけるpHセンサー28、酸性溶液添加用ポンプ29及び出力制御手段32の関係を示した概略図である。
<薄膜化工程>
レジスト層を薄膜化する薄膜化工程とは、薄膜化処理、ミセル除去処理を含む工程である。薄膜化処理とは、薄膜化処理液によってレジスト層中の成分をミセル化させ、このミセルを一旦薄膜化処理液に対して不溶化し、薄膜化処理液中に溶解拡散し難くする処理である。ミセル除去処理とは、ミセル除去液によってミセルを除去する処理である。ミセル除去処理の後に、水洗処理、乾燥処理を行っても良い。水洗処理は、基板表面を水で洗浄する処理であり、ミセル除去処理で除去しきれなかったレジスト層表面のミセルや残存している薄膜化処理液及びミセル除去液を水によって洗い流す処理である。また、乾燥処理は、基板を乾燥して、水洗水を除去する処理である。
本考案において、基板に形成されたレジスト層の厚みとレジスト層の薄膜化される厚み(薄膜化量)で、薄膜化された後のレジスト層の厚みが決定される。レジスト層の薄膜化量は、0.01〜500μmの範囲で自由に調整することができる。
<薄膜化処理>
薄膜化処理は、レジスト層が形成された基板を薄膜化処理液に浸漬(ディップ、dip)させることによって行われる処理である。浸漬処理以外の処理方法(例えば、パドル処理、スプレー処理、ブラッシング、スクレーピング等)は、薄膜化処理液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡がレジスト層表面に付着して、膜厚が不均一となる場合があるため、浸漬処理が好ましい。基板上面にレジスト層が形成されている場合、ロール塗工によって、薄膜化処理液を供給することもできる。
<ミセル除去処理>
ミセル除去処理は、薄膜化処理によってミセル化されたレジスト層中の成分を、ミセル除去液によって、一挙に溶解除去する処理である。一挙に溶解除去するために、スプレー処理を用いることが好ましい。
<レジスト>
レジストとしては、アルカリ現像型レジストが使用できる。レジストは、液状レジストであってもよく、ドライフィルムレジストであってもよい。また、液状レジストは、1液性であってもよく、2液性であってもよい。レジストとしては、高濃度のアルカリ水溶液(薄膜化処理液)を用いた薄膜化工程によって薄膜化でき、かつ、薄膜化処理液よりも低濃度のアルカリ水溶液である現像液によって現像できるレジストであればいかなるものでも使用できる。アルカリ現像型レジストは、光架橋性樹脂成分を含み、例えば、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物(単官能モノマー、多官能モノマー)、光重合開始剤等を含んでなる。また、エポキシ(epoxy)樹脂、熱硬化剤、無機フィラー等を含んでいてもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル(acrylic)系樹脂、メタクリル(methacrylic)系樹脂、スチレン(styrene)系樹脂、エポキシ(epoxy)系樹脂、ポリアミド(polyamide)系樹脂、ポリアミドエポキシ(polyamide epoxy)系樹脂、アルキド(alkyd)系樹脂、フェノール(phenol)系樹脂の有機高分子が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有した単量体(重合性単量体)を重合(ラジカル重合等)して得られたものであることが好ましい。これらのアルカリ水溶液に可溶な重合体は、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレン性不飽和二重結合を有した単量体としては、例えば、スチレン誘導体、アクリルアミド(acrylamide)、アクリロニトリル(acrylonitrile)、ビニルアルコール(vinyl alcohol)のエステル類、(メタ)アクリル酸((meth)acrylic acid)、(メタ)アクリル酸エステル((meth)acrylic ester、(meth)acrylate)等の(メタ)アクリル酸系単量体、マレイン酸(maleic acid)系単量体、フマル酸(fumaric acid)、ケイ皮酸(cinnamic acid)、α−シアノケイ皮酸(α−cyanocinnamic acid)、イタコン酸(itaconic acid)、クロトン酸(crotonic acid)、プロピオール酸(propiolic acid)等が挙げられる。
光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ビスフェノールA(bisphenol A)系(メタ)アクリレート((meth)acrylate)化合物;グリシジル(glycidyl)基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;分子内にウレタン(urethane)結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート(γ−chloro−β−hydroxypropyl−β′−(meth)acryloyloxyethyl−o−phthalate)、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート(β−hydroxyalkyl−β′−(meth)acryloyloxyalkyl−o−phthalate)等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル(alkyl (meth)acrylate)、ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート(nonylphenoxy polyethyleneoxy (meth)acrylate)等のEO、PO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、EO及びPOは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを示し、EO変性された化合物は、エチレンオキサイド基のブロック構造を有するものであり、PO変性された化合物は、プロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。これらの光重合性化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン(benzoin)化合物、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体(2,4,5−triaryl imidazole dimer)、アクリジン(acridine)誘導体、N−フェニルグリシン(N−phenylglycine)誘導体、クマリン(coumarin)系化合物等が挙げられる。上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一であって対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントン(diethylthioxantone)とジメチルアミノ安息香酸(dimethylaminobenzoic acid)の組み合わせのように、チオキサントン(thioxantone)系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、硬化剤として用いられる場合がある。アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸とエポキシを反応させることで架橋させ、耐熱性や耐薬品性の特性の向上を図っているが、カルボン酸とエポキシは常温でも反応が進むために、保存安定性が悪く、アルカリ現像型ソルダーレジストは一般的に使用前に混合する2液性の形態をとっている場合が多い。また、無機フィラーを使用する場合もあり、例えば、タルク、硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
基板の表面にレジスト層を形成する方法は、いかなる方法でもよいが、例えば、スクリーン印刷(screen printing)法、ロールコート(roll coating)法、スプレー(spray coating)法、浸漬(dip)法、カーテンコート(curtain coating)法、バーコート(bar coating)法、エアナイフ(air knife coating)法、ホットメルト(hot−melt coating)法、グラビアコート(gravure coating)法、刷毛塗り(brush coating)法、オフセット印刷(offset printing)法が挙げられる。ドライフィルムレジストの場合は、ラミネート(laminating)法が好適に用いられる。
<基板>
基板としては、プリント配線板用基板、リードフレーム(lead frame)用基板;プリント配線板用基板やリードフレーム用基板を加工して得られる回路基板が挙げられる。
プリント配線板用基板としては、例えば、フレキシブル基板、リジッド基板が挙げられる。
フレキシブル基板の絶縁層の厚さは5〜125μmで、その両面又は片面に1〜35μmの金属層が設けられて積層基板となっており、可撓性が大きい。絶縁層の材料には、通常、ポリイミド、ポリアミド(polyamide)、ポリフェニレンサルファイド(polyphenylene sulfide)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)、液晶ポリマー等が用いられる。絶縁層上に金属層を有する材料は、接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上に樹脂液を塗布するキャスト(casting)法、スパッタリング(sputtering)や蒸着(deposition)法で樹脂フィルム上に形成した厚さ数nmの薄い導電層(シード層)の上に電解メッキで金属層を形成するスパッタ/メッキ(plating)法、熱プレス(hot pressing)で貼り付けるラミネート法等のいかなる方法で製造したものを用いてもよい。金属層の金属としては、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、あるいはそれらの合金等のいかなる金属を用いることができるが、銅が一般的である。
リジッド基板としては、紙基材又はガラス基材にエポキシ樹脂又はフェノール樹脂等を浸漬させた絶縁性基板を重ねて絶縁層とし、その片面もしくは両面に金属箔を載置し、加熱及び加圧により積層し、金属層が設けられた積層基板が挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、貫通孔や非貫通孔を有する多層板も挙げられる。厚みは60μm〜3.2mmであり、プリント配線板としての最終使用形態により、その材質と厚みが選定される。金属層の材料としては、銅、アルミニウム、銀、金等が挙げられるが、銅が最も一般的である。これらプリント配線板用基板の例は、「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)プリント回路学会編、1987年刊、日刊工業新聞社発刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット(Scarlett)編、1992年刊、(株)近代化学社発刊)に記載されている。
リードフレーム用基板としては、鉄ニッケル合金、銅系合金等の基板が挙げられる。
回路基板とは、絶縁性基板上に半導体チップ等の電子部品を接続するための接続パッドが形成された基板である。接続パッドは銅等の金属からなる。また、回路基板には、導体配線が形成されていてもよい。回路基板を作製する方法は、例えばサブトラクティブ(subtractive)法、セミアディティブ(semi−additive)法、アディティブ(additive)法が挙げられる。サブトラクティブ法では、例えば、上記のプリント配線板用基板にエッチングレジストパターンを形成し、エッチング工程、レジスト剥離工程を実施して回路基板が作製される。セミアディティブ法では、絶縁層の表面に無電解銅めっきにより電解銅めっき用の下地金属層を設ける。次に、めっきレジストパターンを形成し、電解銅めっき工程、レジスト剥離工程、フラッシュエッチング(flush etching)工程を実施して回路基板が作製される。
<薄膜化処理液>
薄膜化処理液として使用されるアルカリ水溶液に用いられるアルカリ性化合物としては、アルカリ金属ケイ酸塩(Alkali Metal Silicate)、アルカリ金属水酸化物(Alkali Metal Hydroxide)、アルカリ金属リン酸塩(Alkali Metal Phosphate)、アルカリ金属炭酸塩(Alkali Metal Carbonate)、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物;モノエタノールアミン(monoethanolamin)、ジエタノールアミン(diethanolamin)、トリエタノールアミン(triethanolamin)、メチルアミン(methylamine)、ジメチルアミン(dimethylamine)、エチルアミン(ethylamine)、ジエチルアミン(diethylamine)、トリエチルアミン(triethylamine)、シクロヘキシルアミン(cyclohexylamine)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Tetramethylammonium Hydroxide、TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(tetraethylammonium hydroxide)、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(2−hydroxyethyltrimethylammonium hydroxide、コリン、Choline)等の有機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ金属としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられる。上記無機アルカリ性化合物及び有機アルカリ性化合物は、単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。無機アルカリ性化合物と有機アルカリ性化合物を組み合わせて用いてもよい。薄膜化処理液の媒体である水には、水道水、工業用水、純水等を用いることができるが、特に純水を使用することが好ましい。
また、レジスト層表面をより均一に薄膜化するために、薄膜化処理液に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩又は亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属硫酸塩又は亜硫酸塩、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属硫酸塩又は亜硫酸塩が挙げられる。
薄膜化処理液のアルカリ性化合物としては、これらの中でも特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物;TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物を好ましく使用することができる。これらのアルカリ性化合物は、単独で用いてもよいし、混合物としても使用できる。また、アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%であるアルカリ水溶液が、表面をより均一に薄膜化できるため、好適に使用できる。アルカリ性化合物の含有量が5質量%未満では、薄膜化する処理でムラが発生しやすくなる場合がある。また、25質量%を超えると、アルカリ性化合物の析出が起こりやすくなる場合があり、液の経時安定性、作業性に劣る場合がある。アルカリ性化合物の含有量は7〜17質量%がより好ましく、8〜13質量%が更に好ましい。薄膜化処理液として使用されるアルカリ水溶液のpHは10以上とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
薄膜化処理液の温度は、15〜35℃が好ましく、更に好ましくは20〜30℃である。温度が低すぎると、レジスト層への薄膜化処理液の浸透速度が遅くなる場合があり、所望の厚みを薄膜化するのに長時間を要する。一方、温度が高すぎると、レジスト層への薄膜化処理液の浸透と同時に、レジスト層の薄膜化処理液への溶解拡散が進行することにより、膜厚ムラが発生しやすくなる場合がある。
ミセル除去液としては、水を用いることもできるが、薄膜化処理液よりも希薄なアルカリ性化合物を含有するpH5〜10の水溶液を用いることが好ましい。ミセル除去液によって、薄膜化処理液で不溶化されたレジスト層の成分のミセルが再分散されて溶解除去される。ミセル除去液に使用される水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができるが、特に純水を使用することが好ましい。ミセル除去液のpHが5未満の場合、レジスト層の成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化後のレジスト層表面に付着する場合がある。一方、ミセル除去液のpHが10を超えた場合、レジスト層が過度に溶解拡散し、薄膜化されるレジスト層の厚みが不均一になり、処理ムラができる場合がある。また、ミセル除去液のpHは、硫酸、リン酸、塩酸などを用いて調整する。
通常、薄膜化処理とミセル除去処理の工程は連続的に行われ、薄膜化処理ユニットからミセル除去処理ユニットへ基板が搬送される際に、薄膜化処理液に含まれるアルカリ性化合物がミセル除去液に混入することを考えると、ミセル除去液に含まれるアルカリ性化合物は、薄膜化処理液に含まれるアルカリ性化合物と同一であることが一般的である。ミセル除去液が弱酸と共役塩基を混合したアルカリ性化合物を含有する水溶液である場合、特定のpH領域に緩衝作用があり、急激なpH上昇又はpH下降を防止することができ、膜厚ムラが発生しにくく、優れた面内均一性を維持するのに役立つ。
<薄膜化装置>
図14は、本考案のレジスト層の薄膜化装置の一例を示した概略断面図である。薄膜化装置は、薄膜化処理液1によって、基板上に形成されたレジスト層中の成分をミセル化させる薄膜化処理ユニット11と、ミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12とを備えてなる装置である。図示していないが、ミセル除去処理ユニット12の後に、基板表面を水で洗浄する水洗処理ユニット、水洗水を除去する乾燥処理ユニットを設けることができる。
薄膜化処理ユニット11は、基板3のレジスト層に薄膜化処理液1を付与するためのディップ槽2を有する。薄膜化処理ユニット11では、投入口7から投入されたレジスト層が形成された基板3が、ディップ槽の入口ロール対4によって、薄膜化処理液1が入ったディップ槽2中に搬送され、ディップ槽2の出口ロール対5を通過する。この間に、基板3上のレジスト層成分は薄膜化処理液1によってミセル化され、このミセルが薄膜化処理液1に対して不溶化される。基板3上面のレジスト層に対しては、薄膜化処理液1をロール塗工で付与することもでき、そのための塗工ロールが薄膜化処理ユニット11に設置されていても良い。
ミセル除去処理ユニット12では、薄膜化処理ユニット11においてレジスト層が薄膜化処理液に対して不溶化された基板3が、搬送ロール9によって搬送される。搬送されている基板3に対して、ミセル除去液スプレー22によってミセル除去液10が供給され、レジスト層成分のミセルが一挙に溶解除去される。
ミセル除去液スプレー22の条件(温度、スプレー圧、供給流量)は、薄膜化処理されるレジスト層の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3MPaである。ミセル除去液10の供給流量は、レジスト層1cm当たり0.030〜1.0L/minが好ましく、0.050〜1.0L/minがより好ましく、0.10〜1.0L/minが更に好ましい。供給流量がこの範囲であると、薄膜化後のレジスト層表面にミセル成分を残すことなく、略均一にミセルを溶解除去しやすい。レジスト層1cm当たりの供給流量が0.030L/min未満では、ミセルの溶解不良が起こる場合がある。一方、供給流量が1.0L/minを超えると、供給のために必要なポンプ等の部品が巨大になり、大掛かりな装置が必要となる場合がある。さらに、1.0L/minを超えた供給量では、ミセルの溶解除去に与える効果が変わらなくなることがある。スプレーの噴射方向は、レジスト層表面に効率良く液流れを作るために、レジスト層表面に垂直な方向に対して、傾いた方向から噴射するのがよい。
薄膜化処理ユニット11からミセル除去処理ユニット12へ基板3が搬送される際に、高濃度のアルカリ水溶液である薄膜化処理液1の液膜によって、レジスト層表面が被覆されているため、ミセル除去処理ユニット12において、ミセル除去液スプレー22が供給されると、薄膜化処理液1とミセル除去液10とが混合するため、ミセル除去液10のpHが上昇する。
上昇したミセル除去液10のpHを下げるために、酸性溶液30がミセル除去液10に添加される。本考案において、ミセル除去処理ユニット12は、pHセンサー28及び酸性溶液添加用ポンプ29を備えている。
pHセンサー28は、ミセル除去液の実際のpH値pH−Mをモニターすることができる位置に設置されている。pHセンサー28は、例えば、ミセル除去液貯蔵タンク18の内部、ミセル除去液吸込口26からミセル除去液供給管(図示せず)を経てミセル除去液循環ポンプ(図示せず)に通じるミセル除去液10の循環経路の途中等に設置することができる。図14におけるpHセンサー28は、ミセル除去液貯蔵タンク18の内部に設置されている。
酸性溶液添加用ポンプ29は、ミセル除去液10のpHが上昇した場合に、酸性溶液供給用タンク(図示せず)から酸性溶液30を、酸性溶液供給管31を通じてミセル除去液10に添加することができる位置に設置されている。例えば、酸性溶液添加用ポンプ29は、ミセル除去液貯蔵タンク18の内部に直接酸性溶液供給管31を通じて添加できる位置、ミセル除去液吸込口26からミセル除去液供給管(図示せず)を経てミセル除去液循環ポンプ(図示せず)に通じるミセル除去液10の循環経路の途中に酸性溶液供給管31を通じて添加できる位置等に設置することができる。図14における酸性溶液添加用ポンプ29はミセル除去液貯蔵タンク18内のミセル除去液10に直接酸性溶液供給管31を通じて添加できる位置に設置されている。
ミセル除去液10に薄膜化処理液1が混入すると、ミセル除去液の実際のpH値pH−Mが上昇し始める。pH−MがpH−A以上の場合に、pH−Mを下げることを目的として、酸性溶液添加用ポンプ29は酸性溶液30をミセル除去液10に添加する。
本考案では、pH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mを、pH−Aにおける酸性溶液添加用ポンプの出力OP−Aと、ミセル除去液のpHの制御目標値pH−Bにおける酸性溶液添加用ポンプの出力OP−Bとの間における比例制御によって決定し、且つ、酸性溶液添加用ポンプの最大出力OP−Xに対して、OP−Mを10%以上50%以下の範囲内とする出力制御手段32を、ミセル除去処理ユニット12が備えている。ただし、pH−A<pH−Bであり、OP−A≦OP−M≦OP−Bである。図15に示したように、出力制御手段32は、pHセンサー28及び酸性溶液添加用ポンプ29と電気的に接続している。pHセンサー28、酸性溶液添加用ポンプ29、出力制御手段32は、各々が独立した機器であっても良い。また、pHセンサー28と出力制御手段32とが一体化された機器を使用しても良い(図15のA)。また、酸性溶液添加用ポンプ29と出力制御手段32とが一体化された機器を使用しても良い(図15のB)。このように、OP−Mを制御することによって、酸性溶液30がミセル除去液10に過剰添加されることを防止することができる。なお、酸性溶液30の過剰添加をより高い精度で防止するためには、ミセル除去液のpHがpH5〜10である場合に、7.0≦pH−A<pH−B≦9.0であることが好ましい。
図1〜12は、ミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。
図1は、従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。図1では、pH−Aが6.5であり、pH−Bは8.5である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは100%である。酸性溶液30は、pH7未満の酸性領域から添加が開始され、pH−A≦pH−M≦pH−Bの領域では、(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間における比例制御によって、OP−Mが決定される。pH−B<pH−Mの領域では、OP−Mは100%である。図1の場合、pH7未満の酸性領域でも酸性溶液30がミセル除去液10に添加されるため、必要量以上に酸性溶液30が添加され、pH−Mが下がり過ぎる。また、pH−B<pH−Mの領域では、OP−Mが100%で維持されるため、単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が異なる場合であっても、pH−MがpH−B以下にならない限り、過剰な酸性溶液が添加され続け、薄膜化処理終了時において、pH−Mが下がり過ぎる。
図2及び図3も、従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。図2では、pH−Aが7.5であり、pH−Bは9.5である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは100%である。図3では、pH−Aが7.5であり、pH−Bは8.5である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは100%である。酸性溶液30は、pH7超の領域から添加が開始され、pH−A≦pH−M≦pH−Bの領域では、(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間における比例制御によって、OP−Mが決定される。pH−B<pH−Mの領域では、OP−Mは100%である。図1の場合と異なり、図2及び図3の場合では、pH7未満の酸性領域で酸性溶液が添加されることはない。しかし、pH−B<pH−Mの領域では、図1の場合と同様に、OP−Mが100%で維持されるため、単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が異なる場合であっても、pH−MがpH−B未満にならない限り、過剰な酸性溶液が添加され続け、薄膜化処理終了時において、pH−Mが下がり過ぎる。
図4〜図6も、従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。図4では、pH−Aが7.5であり、pH−Bは8.5である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは75%である。図5では、pH−Aが7.5であり、pH−Bは8.5である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは50%である。図6では、pH−Aが7.5であり、pH−Bは8.5である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは25%である。酸性溶液30は、pH7超の領域から添加が開始され、pH−A≦pH−M≦pH−Bの領域では、(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間における比例制御によって、OP−Mが決定される。そして、OP−Mの上限値が設定されていないため、pH−B<pH−Mの領域でも、OP−Mは(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間における比例制御によって決定され、OP−MはOP−Bより大きくなり続け、酸性溶液の添加量が増加し続ける。そのため、図1〜図3の場合と同様に、単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が異なる場合であっても、過剰な酸性溶液が添加され続け、薄膜化処理終了時において、pH−Mが下がり過ぎる。
図7も、従来技術によるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。図7では、pH−Aが7.5であり、pH−Bは8.5である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは75%である。酸性溶液30は、pH7超の領域から添加が開始され、pH−A≦pH−M≦pH−Bの領域では、(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間における比例制御によって、OP−Mが決定される。そして、OP−Mの上限値が75%に設定されているため、pH−B<pH−Mの領域では、OP−Mがこの上限値で維持される。上限値を設定することによって、単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が異なる場合に、過剰な酸性溶液の添加が抑えられ、薄膜化処理終了時において、pH−Mが下がり過ぎることを防止できるが、その上限値が酸性溶液添加用ポンプの最大出力OP−Xに対して75%である図7の場合では、pH−Mが下がり過ぎることを完全に防止することが難しい。
図8は、本考案におけるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。図8では、pH−Aが7.5であり、pH−Bは8.5である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは50%である。酸性溶液30は、pH7超の領域から添加が開始され、pH−A≦pH−M≦pH−Bの領域では、(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間における比例制御によって、OP−Mが決定される。そして、OP−Mの上限値が50%に設定されているため、pH−B<pH−Mの領域では、OP−Mがこの上限値で維持される。上限値を設定することによって、単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が異なる場合に、過剰な酸性溶液の添加が抑えられ、薄膜化処理終了時において、pH−Mが下がり過ぎることを防止できる。その上限値が酸性溶液添加用ポンプの最大出力OP−Xに対して50%である図8の場合では、pH−Mが下がり過ぎることを防止することができる。
図9は、本考案におけるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。図9では、pH−Aが7.5であり、pH−Bは8.5である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは25%である。酸性溶液30は、pH7超の領域から添加が開始され、pH−A≦pH−M≦pH−Bの領域では、(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間における比例制御によって、OP−Mが決定される。そして、OP−Mの上限値が25%に設定されているため、pH−B<pH−Mの領域では、OP−Mがこの上限値で維持される。上限値を設定することによって、単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が異なる場合に、過剰な酸性溶液の添加が抑えられ、薄膜化処理終了時において、pH−Mが下がり過ぎることを防止できる。その上限値が酸性溶液添加用ポンプの最大出力OP−Xに対して25%である図9の場合では、pH−Mが下がり過ぎることを防止することができる。
図10は、本考案におけるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。図10では、pH−Aが7.0であり、pH−Bは7.5である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは50%である。酸性溶液30は、pH7の領域から添加が開始され、pH−A≦pH−M≦pH−Bの領域では、(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間における比例制御によって、OP−Mが決定される。そして、OP−Mの上限値が50%に設定されているため、pH−B<pH−Mの領域では、OP−Mがこの上限値で維持される。上限値を設定することによって、単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が異なる場合に、過剰な酸性溶液の添加が抑えられ、薄膜化処理終了時において、pH−Mが下がり過ぎることを防止できる。その上限値が酸性溶液添加用ポンプの最大出力OP−Xに対して50%である図10の場合では、pH−Mが下がり過ぎることを防止することができる。
図11は、本考案におけるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。図11では、pH−Aが8.5であり、pH−Bは9.0である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは25%である。酸性溶液30は、pH7超の領域から添加が開始され、pH−A≦pH−M≦pH−Bの領域では、(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間における比例制御によって、OP−Mが決定される。そして、OP−Mの上限値が25%に設定されているため、pH−B<pH−Mの領域では、OP−Mがこの上限値で維持される。上限値を設定することによって、単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が異なる場合に、過剰な酸性溶液の添加が抑えられ、薄膜化処理終了時において、pH−Mが下がり過ぎることを防止できる。その上限値が酸性溶液添加用ポンプの最大出力OP−Xに対して25%である図11の場合では、pH−Mが下がり過ぎることを防止することができる。
図12は、本考案におけるミセル除去液のpH−MとpH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mとの関係を示すグラフである。図12では、pH−Aが8.5であり、pH−Bは9.0である。そして、OP−Aは0%であり、OP−Bは100%である。酸性溶液30は、pH7超の領域から添加が開始され、pH−A≦pH−M≦pH−Bの領域では、(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間における比例制御によって、OP−Mが決定される。そして、OP−Mの上限値が25%に設定されているため、(pH−A,OP−A)と(pH−B,OP−B)との間であっても、OP−Mは上限値である25%よりも大きくはならない。また、pH−B<pH−Mの領域では、OP−Mがこの上限値で維持される。上限値を設定することによって、単位時間当たりの薄膜化処理液の混入量が異なる場合に、過剰な酸性溶液の添加が抑えられ、薄膜化処理終了時において、pH−Mが下がり過ぎることを防止できる。その上限値が酸性溶液添加用ポンプの最大出力OP−Xに対して25%である図12の場合では、pH−Mが下がり過ぎることを防止することができる。
ミセル除去液のpHをモニターするためのpHセンサー29としては、pHガラス電極を用いることができる。pHガラス電極の温度特性に対応した温度補償機能(pHガラス電極の温度による性質の変化を補正する機能)と水溶液の温度特性に対応した温度換算機能(一定の温度でのpHに換算する機能)を備えたpHセンサーを用いて測定を行うことにより、所定の温度における水溶液のpHを調べることができる。
ミセル除去液のpHを調整するために添加される酸性溶液は、硫酸、リン酸、塩酸などを含み、濃度0.01〜1.0質量%である水溶液が好適に用いられる。酸性溶液の濃度が低い方が急激なpH下降を防止することができるが、多量のアルカリ性化合物が混入し、急激なpH上昇が起こった場合には、そのpH変動に追従できない場合がある。一方、酸性溶液の濃度が高い場合、pHが下がり過ぎてミセル除去液中に溶解分散したレジスト層成分がスラッジ化するリスクがある。
以下、実施例によって、本考案を更に詳しく説明するが、本考案はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
銅張積層板(面積340mm×400mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.8mm)にサブトラクティブ法を用いて、配線幅50μm、配線幅間隔50μmの接続パッドを有する回路基板を作製した。次に、真空ラミネータを用いて、厚さ30μmのソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造(株)製、商品名:PFR−800 AUS−410)を上記回路基板上に真空熱圧着させた(ラミネート温度75℃、吸引時間30秒、加圧時間10秒)。これにより絶縁性基板表面からレジスト層表面までの膜厚が38μmのレジスト層を形成した基板3を得た。
次に、ソルダーレジストのキャリアフィルムを剥離した後、ディップ槽2を備えた薄膜化処理ユニット11とミセル除去液10によってミセルを除去するミセル除去処理ユニット12とを備えてなるレジスト層の薄膜化装置(図14)により、レジスト層を薄膜化した。
薄膜化処理液1として10質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)を用いて、基板3を、搬送速度3.0m/min、基板3同士の間隔50mmで20枚連続処理した。基板3は、薄膜化処理ユニット11のディップ槽の出口ロール対5から境界部の搬送ロール対6を通過し、ミセル除去処理ユニット12において、不溶化したミセルが除去され、水洗処理、乾燥処理の後、薄膜化されたレジスト層が得られた。
ミセル除去液10として0.01質量%のメタケイ酸ナトリウムを含有するpH7.0の水溶液(液温度25℃)を用いた。また、ミセル除去液のpHを調整するために添加される酸性溶液として、0.5質量%の硫酸溶液を用いた。ミセル除去処理ユニット12のミセル除去液貯蔵タンク18の内部に設置されているpHセンサー28によって、ミセル除去液10のpHをモニターし、ミセル除去液の実際のpH値pH−MがpH−A以上になった場合に、酸性溶液添加用ポンプ29及び出力制御手段32によって、酸性溶液30が、直接、酸性溶液供給管31を通じてミセル除去液貯蔵タンク18内のミセル除去液10に添加された。実施例1では、図8に示したpH−MとOP−Mとの関係で、酸性溶液添加用ポンプ32を稼働し、酸性溶液30を添加した。
ミセル除去液について、薄膜化開始前の初期pH値、20枚連続処理後の終了pH値、20枚連続処理中における最小pH値を表1に示した。
20枚目の基板3における、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラはなく、平滑な面であることが確認された。
(実施例2〜4)
図9〜11に示したpH−MとOP−Mとの関係で、酸性溶液添加用ポンプ32を稼働し、酸性溶液30を添加した以外は、実施例1と同様にして、レジスト層を薄膜化した。
ミセル除去液について、薄膜化開始前の初期pH値、20枚連続処理後の終了pH値、20枚連続処理中における最小pH値を表1に示した。
20枚目の基板3における、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、処理ムラはなく、平滑な面であることが確認された。
(比較例1〜7)
図1〜7に示したpH−MとOP−Mとの関係で、酸性溶液添加用ポンプ32を稼働し、酸性溶液30を添加した以外は、実施例1と同様にして、レジスト層を薄膜化した。
ミセル除去液について、薄膜化開始前の初期pH値、20枚連続処理後の終了pH値、20枚連続処理中における最小pH値を表1に示した。なお、連続処理途中に最小pH値が5.0未満となった場合は、連続処理を中止した(終了pH値の結果なし)。
比較例1〜7では、いずれの場合も、連続処理途中に最小pHが5.0未満となった。最後に処理した基板3における、薄膜化されたレジスト層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、低pHのミセル除去液10によってミセル除去されたことが原因と思われるレジスト層成分のスラッジ(凝集物)の付着が確認された。
本考案のレジスト層の薄膜化装置は、プリント配線板やリードフレームにおける回路基板の作製、フリップチップ接続用の接続パッドを備えたパッケージ基板の作製において、レジストパターンを形成させる用途に適用できる。
1 薄膜化処理液
2 ディップ槽
3 基板
4 ディップ槽の入口ロール対
5 ディップ槽の出口ロール対
6 境界部の搬送ロール対
7 投入口
8 ディップ槽の搬送ロール
9 ミセル除去処理ユニットの搬送ロール
10 ミセル除去液
11 薄膜化処理ユニット
12 ミセル除去処理ユニット
13 薄膜化処理液貯蔵タンク
14 薄膜化処理液吸込口
15 薄膜化処理液供給管
16 薄膜化処理液回収管
17 薄膜化処理液ドレン管
18 ミセル除去液貯蔵タンク
19 ミセル除去液吸込口(スプレーポンプ用)
20 ミセル除去液供給管(スプレー用)
21 ミセル除去液用ノズル
22 ミセル除去液スプレー
23 ミセル除去液ドレン管
26 ミセル除去液吸込口(循環ポンプ用)
28 pHセンサー(制御・監視用)
29 酸性溶液供給ポンプ
30 酸性溶液
31 酸性溶液供給管
32 出力制御手段

Claims (1)

  1. 薄膜化処理液によって、基板上に形成されたレジスト層中の成分をミセル化させる薄膜化処理ユニットと、ミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理ユニットとを備えてなるレジスト層の薄膜化装置において、
    ミセル除去処理ユニットが、ミセル除去液の実際のpH値pH−Mをモニターすることができる位置に設置されているpHセンサーと、
    pH−MがpH−A以上の場合に酸性溶液をミセル除去液に添加することができる位置に設置されている酸性溶液添加用ポンプと、
    pH−Mにおける酸性溶液添加用ポンプの実際の出力OP−Mを、pH−Aにおける酸性溶液添加用ポンプの出力OP−Aと、ミセル除去液のpHの制御目標値pH−Bにおける酸性溶液添加用ポンプの出力OP−Bとの間における比例制御によって決定し、且つ、酸性溶液添加用ポンプの最大出力OP−Xに対して、OP−Mを10%以上50%以下の範囲内とする出力制御手段とを、
    備えてなることを特徴とするレジスト層の薄膜化装置(ただし、pH−A<pH−Bであり、OP−A≦OP−M≦OP−Bである)。
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