JP3198865B2 - エバポパージシステムの故障診断装置 - Google Patents

エバポパージシステムの故障診断装置

Info

Publication number
JP3198865B2
JP3198865B2 JP06085895A JP6085895A JP3198865B2 JP 3198865 B2 JP3198865 B2 JP 3198865B2 JP 06085895 A JP06085895 A JP 06085895A JP 6085895 A JP6085895 A JP 6085895A JP 3198865 B2 JP3198865 B2 JP 3198865B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
canister
pressure
purge
control valve
failure diagnosis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP06085895A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08261073A (ja
Inventor
進 篠原
伸介 清宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP06085895A priority Critical patent/JP3198865B2/ja
Priority to US08/617,252 priority patent/US5669362A/en
Priority to EP00119659A priority patent/EP1054151B1/en
Priority to DE69624597T priority patent/DE69624597T2/de
Priority to EP96104346A priority patent/EP0733794B1/en
Priority to DE69619414T priority patent/DE69619414T2/de
Publication of JPH08261073A publication Critical patent/JPH08261073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3198865B2 publication Critical patent/JP3198865B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M25/00Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
    • F02M25/08Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture adding fuel vapours drawn from engine fuel reservoir
    • F02M25/0809Judging failure of purge control system

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンクからの蒸発
燃料の大気への放出を防止する蒸発燃料排出抑制装置
(以下「エバポパージシステム」と称する)に関し、詳
細にはエバポパージシステムの故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンクからの蒸発燃料が大気に放出
されることを防止する目的で、タンクからの蒸発燃料を
キャニスタに導いてキャニスタ内の吸着剤に吸着させる
とともに、機関の所定運転条件下でキャニスタ内にパー
ジ空気を通過させ、吸収した蒸発燃料を吸着剤から放出
させ、パージ空気と蒸発燃料との混合気(パージガス)
を機関吸気通路に供給して機関で燃焼させるエバポパー
ジシステムが知られている。
【0003】上記のエバポパージシステムでは、装置の
故障が生じると蒸発燃料が機関に供給されずに大気に放
出されてしまい、大気汚染の原因となる場合が生じる。
例えば、キャニスタに洩れを生じた場合やキャニスタと
機関吸気通路とを接続する配管に洩れを生じたような場
合にはこれらの部分から蒸発燃料が大気に放出されるこ
とになる。
【0004】また、このようなエバポパージシステムの
故障が生じた場合でも機関の運転には何ら支障がないた
め、運転者は異常の発生に気づかずにそのまま機関運転
を継続する場合がある。上記問題を解決するため、エバ
ポパージシステムに故障が発生したことを検出し、運転
者に故障発生を報知するようにした故障検出装置が種々
考案されている。
【0005】この種の装置の例としては、例えば特開平
4−362264号公報に記載されたものがある。同公
報の装置は、機関始動直後で、且つ機関温度が所定値以
下のときに、キャニスタと機関吸気通路とを接続するパ
ージ通路に設けたパージ制御弁を開弁して吸気通路の負
圧をキャニスタ内に導入した後、再度パージ制御弁を閉
弁してその後一定時間内にキャニスタ圧力が上昇した場
合には、キャニスタに洩れ等の異常が生じたと判定して
いる。
【0006】パージ制御弁を開弁してキャニスタ内に負
圧を導入した後に、パージ制御弁を閉弁してキャニスタ
内に負圧を保持した場合、キャニスタに洩れ等の異常が
生じている場合には、洩れ部分からキャニスタ内に外部
から空気が流入するため、キャニスタ内圧力は上昇す
る。このため、パージ制御弁閉弁後にキャニスタ内圧力
が上昇する場合にはキャニスタに異常が生じていると判
断することができる。
【0007】ところが、燃料温度が高い場合に上記方法
でキャニスタの異常を診断すると、パージ制御弁閉弁後
に燃料タンクから燃料蒸気がキャニスタ内に流入するた
めキャニスタに洩れ等の異常が生じていなくてもキャニ
スタ内圧力が上昇し、異常が生じたと誤診断されてしま
う場合がある。上記公報の装置は、燃料温度が低く、パ
ージ制御弁閉弁後に燃料蒸気がキャニスタ内に流入する
可能性がない場合に限り故障診断を実施するようにした
ことにより、上記の誤診断が生じることを防止してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−362
264号公報の装置では、機関始動直後であり、かつ燃
料温度が低い場合にのみ故障診断を行うことにより、誤
診断が生じることを防止しているため、例えば機関高温
始動時などで燃料温度が高い場合には故障診断を行うこ
とができない。このため、故障診断実行頻度が少なくな
り、エバポパージシステムの故障を検出する機会が少な
くなる問題がある。
【0009】さらに、機関始動直後で、かつ燃料温度が
低い場合であっても、後述するように、キャニスタから
パージ制御弁を通過して機関吸気通路に流入するパージ
ガス流量が多い場合や、逆にパージガス流量が少ない場
合には、パージ制御弁閉弁後のキャニスタ内圧の変化
は、キャニスタの洩れの有無に対応していない場合があ
り、上記公報の装置では誤診断が生じる可能性がある。
【0010】本発明は上記問題に鑑み、燃料温度が高い
場合でも正確な故障診断を行うことが可能なエバポパー
ジシステムの故障診断装置を提供すること、及び誤診断
が生じる可能性がある条件下で故障診断が行われること
を防止して正確な故障診断を行うことが可能なエバポパ
ージシステムの故障診断装置を提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、内燃機関燃料タンクからの蒸発燃料を吸着する
キャニスタと、前記燃料タンク内の燃料液面上部空間を
前記キャニスタに接続するベーパ通路と、前記キャニス
タと機関吸気通路とを接続するパージ通路と、該パージ
通路を開閉するパージ制御弁と、前記キャニスタ内の圧
力を検出する圧力検出手段と、前記パージ制御弁が閉弁
中であって前記キャニスタ内圧力の変化がない状態で、
前記圧力検出手段により検出されたキャニスタ内圧の大
気圧からの偏差が所定値以上である場合に前記キャニス
タが正常であると判定する判定手段と、を備えたエバポ
パージシステムの故障診断装置が提供される。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、内燃機関
燃料タンクからの蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前
記燃料タンク内の燃料液面上部空間を前記キャニスタに
接続するベーパ通路と、前記キャニスタと機関吸気通路
とを接続するパージ通路と、該パージ通路を通って前記
キャニスタから前記吸気通路へのパージガスの流量を制
御するパージ制御弁と、前記キャニスタに設けられ、キ
ャニスタ内圧が大気圧より低い所定の圧力以下になった
ときに開弁し、キャニスタ内に大気を導入する大気弁
と、キャニスタ内の圧力を検出する圧力検出手段と、機
関運転中の前記パージ制御弁開弁中に該パージ制御弁を
閉弁するとともに、パージ制御弁閉弁時から所定の時間
が経過するまでのキャニスタ内圧力上昇幅が予め定めた
判定値以上のときに前記キャニスタに異常が生じたと判
定する判定手段と、前記パージ制御弁開弁時の前記パー
ジガス流量を検出する検出手段と、前記パージガス流量
が予め定めた所定量以上の場合に、前記判定手段による
異常判定を禁止する禁止手段と、を備えたエバポパージ
システムの故障診断装置が提供される。
【0013】
【0014】請求項に記載の発明によれば、内燃機関
燃料タンクからの蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前
記燃料タンク内の燃料液面上部空間を前記キャニスタに
接続するベーパ通路と、前記キャニスタと機関吸気通路
とを接続するパージ通路と、該パージ通路を通って前記
キャニスタから前記吸気通路へのパージガスの流量を制
御するパージ制御弁と、キャニスタ内の圧力を検出する
圧力検出手段と、機関運転中の前記パージ制御弁開弁中
に該パージ制御弁を閉弁するとともに、パージ制御弁閉
弁時から所定の時間が経過するまでのキャニスタ内圧力
上昇幅が予め定めた第1の判定値以上のときに前記キャ
ニスタに異常が生じたと判定する第1の判定手段と、前
記第1の判定手段によりキャニスタに異常が生じたと判
定された場合に、第1の判定手段による判定終了後の所
定の時期に、所定期間内のキャニスタ内圧力上昇幅が予
め定めた第2の判定値以上のときに、前記キャニスタが
正常であると判定する第2の判定手段と、を備えたエバ
ポパージシステムの故障診断装置が提供される。
【0015】
【作用】請求項1の故障診断装置では、判定手段はパー
ジ制御弁閉弁中のキャニスタ内圧力が安定した状態で、
キャニスタ内圧の大気圧からの偏差が所定値以上である
場合に、キャニスタに洩れがなく正常であると判定す
る。キャニスタに洩れがなく正常な場合には、キャニス
タ閉弁後キャニスタ内圧力は負圧に保持されるか、ある
いは燃料タンクから流入する燃料蒸気により大気圧より
高い状態に維持される。一方、キャニスタに洩れ等の異
常が発生していると、パージ制御弁閉弁後ある程度の時
間が経過するとキャニスタ内圧力は大気圧になる。
【0016】このため、パージ制御弁閉弁後キャニスタ
内圧力が安定した状態でキャニスタ内圧力が所定値以上
の圧力、または所定以上の負圧になっていれば、キャニ
スタに洩れ等の異常が生じていないと判断することがで
きる。請求項2の故障診断装置では、判定手段はパージ
弁閉弁に伴うキャニスタ内圧力上昇幅が所定の判定値以
上の場合に、キャニスタに異常が生じたと判定する。ま
た、禁止手段はパージ制御弁開弁時中のパージガス流量
が所定量より大きい時には判定手段によるキャニスタ異
常有無の判定を禁止する。パージガス流量が大きい場合
には、大気弁からキャニスタ内に流入する空気流量も増
大し、大気弁の開度が大きくなっている。このため、パ
ージ制御弁が全閉した後に大気弁が全閉になるまでに時
間がかかり、パージ制御弁全閉後もキャニスタ内に空気
が流入してキャニスタ圧力上昇幅が大きくなる。禁止手
段は、キャニスタがこのような状態にある時にエバポパ
ージシステムの異常判定を禁止することにより誤診断が
生じることを防止する。
【0017】
【0018】請求項の故障診断装置では、第1の判定
手段はパージ制御弁閉弁に伴うキャニスタ内圧力上昇幅
が第1の判定値より大きい場合にキャニスタに異常が生
じたと判定する。また、第2の判定手段は、第1の判定
手段によりキャニスタに異常が生じたと判定された場合
に、第1の判定手段による判定終了後の所定の時期に再
度異常の有無の判定を行う。この第2の判定手段は、第
1の判定手段とは逆に、所定期間内のキャニスタ内圧力
上昇幅が第2の判定値以上であれば第1の判定手段の判
定結果にかかわらずキャニスタが正常であると判定す
る。第1の判定手段による異常有無の判定はパージ制御
弁閉弁直後のキャニスタ内圧力の過渡的な変化中に行わ
れるため、タンク内燃料温度等の種々の要因により影響
を受け、実際にはキャニスタは正常であるにもかわらず
異常診断がなされる場合がある。一方、パージ制御弁閉
弁後ある程度の時間が経過してキャニスタ内圧力が安定
した状態では、キャニスタに洩れ等の異常がある場合に
はキャニスタ内圧力は大気圧近傍になり変化しなくなる
が、洩れがない場合にはキャニスタ内圧力は燃料タンク
からの燃料蒸気の流入により上昇を続ける。第2の判定
手段は、この燃料蒸気の流入によるキャニスタ内圧力上
昇が続いている場合には第1の判定手段の判定結果にか
かわらずキャニスタが正常であると判定し、第1の判定
手段による誤診断が生じることを防止する。
【0019】
【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明を適用する車両用内燃機関の
実施例の概略構成を示す図である。図1において、1は
内燃機関本体、2は機関1の吸気通路、3は吸気通路に
配置されたエアクリーナを示す。吸気通路2には運転者
のアクセルペダル(図示せず)の操作に応じた開度をと
るスロットル弁6が設けられている。図1に11で示す
のは、機関1の燃料タンクである。燃料タンク11内の
燃料は図示しないフュエルポンプで吸気通路2に設けら
れた燃料噴射弁7に圧送され、後述する制御回路20か
らの燃料噴射信号に応じて機関1の各気筒の吸気ポート
に噴射される。
【0020】図1に20で示すのは、機関1の制御回路
である。制御回路20は、ROM(リードオンリメモ
リ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、C
PU(マイクロプロセッサ)24及び入出力ポート2
5、26を互いに双方向性バス21で接続した公知の構
成のディジタルコンピュータからなり、機関1の燃料噴
射制御等の基本制御を行う他、本実施例では後述するエ
バポパージシステムの故障診断を行っている。
【0021】上記制御のため、制御回路20の出力ポー
ト26は図示しない駆動回路を介して機関1の燃料噴射
弁7に接続され、燃料噴射弁7の開弁時間(燃料噴射
量)を制御している他、後述するパージ制御弁15に接
続され、制御弁15の開度を制御している。また、制御
回路20の入力ポート25には、機関1のクランク軸に
設けられた回転数センサから機関回転数が入力されてい
る他、機関吸気通路2に設けられたエアフローメータ
と、スロットル弁6に設けられたスロットル開度センサ
とから、吸入空気量とスロットル弁開度を表す信号が、
それぞれ図示しないADコンバータを介して入力されて
いる。また、この他入力ポート25には後述する圧力セ
ンサ30からの信号が図示しないA/D変換器を経由し
て入力されている。
【0022】図1に10で示すのは燃料タンク内の蒸発
燃料を吸着するキャニスタである。キャニスタ10はベ
ーパ配管12により燃料タンク11の燃料液面上部空間
と、また、パージ配管14により吸気通路2のスロット
ル弁6下流側部分と、それぞれ接続されている。図1に
15で示すのは、パージ通路14をを通るパージガス流
量を制御するパージ制御弁15である。パージ制御弁1
5は、例えばソレノイドアクチュエータを備えており、
制御回路20により、このソレノイドアクチュエータを
駆動するパルス電圧信号のデューティ比(駆動パルスの
オン時間とパルスのオンオフ1サイクルの時間との比)
を変えることによりパージ制御弁15の開度調節を行
う。なお、パージ制御弁15はこの形式に限定されるも
のではなく、例えばパージ制御弁15をダイヤフラム形
式の負圧アクチュエータで駆動し、この負圧アクチュエ
ータに供給する負圧をパルス電圧で駆動する負圧制御弁
で制御する形式として、負圧制御の駆動パルスデュー
ティ比を変えることによりパージ制御弁15の開度を制
御するようにしても良い。
【0023】図2は本実施例のキャニスタ10の構造を
示している。キャニスタ10はハウジング10aと、該
ハウジング内に充填された活性炭などの蒸発燃料吸着剤
13とを備えている。ハウジング10aには内圧制御弁
16と大気弁18とが設けられ、後述するようにタンク
11からの蒸発燃料の吸着剤13への吸着と、吸着剤か
らの放出とを制御している。
【0024】ハウジング10a内部には内圧制御弁16
と大気弁18との間の位置に仕切り板10bが設けら
れ、ハウジング内の吸着剤13を内圧制御弁16側の区
画13aと大気弁18側の区画13bとの2つの区画に
分割している。また、仕切り板10bには内圧制御弁1
6と大気弁18とから遠い側に連通孔10cが設けられ
ており、上記吸着剤の2つの区画13a、13bとを互
いに連通している。
【0025】内圧制御弁16はハウジング10a内部に
連通するポート16aと、スプリング16cによりポー
ト16aを閉鎖する方向に押圧付勢されたダイヤフラム
16bとを備えており、ダイヤフラム16bのスプリン
グ16c側に形成された圧力室16dはポート16eを
介して大気に連通している。また、ダイヤフラム16b
のスプリング16cと反対側に形成された圧力室16f
はベーパ配管12を介して燃料タンク11内の上部空間
に接続されている。
【0026】圧力室16fはチェックボール17aとス
プリング17bとからなる均圧弁17を介してキャニス
タのハウジング10a内に連通している。一方、大気弁
18も内圧制御弁16と略同様な構成とされ、ハウジン
グ10a内に連通するポート18a、ダイヤフラム18
b、スプリング18cとを備えている。しかし大気弁1
8では、ダイヤフラム18bのスプリング18c側に形
成された圧力室18dは配管18gを介してハウジング
10aの内圧制御弁16側の区画13aに接続され、ダ
イヤフラム18bのハウジング10a側に形成された圧
力室18fは配管18eを介してエアクリーナ3に接続
されている。
【0027】また、キャニスタハウジング10a内の大
気弁18側の区画はチェックボール19aとスプリング
19bとから成る大気放出弁19を介して大気に連通し
ている。さらに、ハウジング10aの内圧制御弁16側
の区画には、前述のパージ配管14が接続されている。
【0028】次に、キャニスタ10の蒸発燃料の吸着と
パージ作用について説明する。図2においてパージ配管
14のパージ制御弁15が閉弁した状態で燃料油温度が
上昇すると、燃料油の蒸発によりタンク11内部の圧力
が上昇する。内圧制御弁16の圧力室16fにはベーパ
配管12を介してタンク11内の圧力が導入され、圧力
室16dにはポート16eを介して大気圧が導入されて
いる。このため、タンク11の内圧が大気圧より所定値
以上高くなるとダイヤフラム16bが圧力室16f内の
圧力に押圧され、スプリング16cの付勢力に抗してポ
ート16aを開放する。これにより、タンク11内の蒸
発燃料はポート16aからキャニスタハウジング10a
内に流入する。ポート16aの開放によりキャニスタハ
ウジング10a内の圧力が上昇すると、区画13bに設
けられた大気放出弁19のチェックボール19aはハウ
ジング10a内圧によりスプリング19bの付勢力に抗
して移動するため区画13bは大気に連通する。これに
より、タンク11内の蒸発燃料を含む空気はポート16
aからキャニスタハウジング10a内に流入し、吸着剤
13a、13bを通過して流れ、蒸発燃料が吸着剤13
に吸着されて空気のみが大気放出弁19から放出され
る。大気放出弁19の開弁圧は大気圧より僅かに高く設
定されている。このため、燃料タンク11内の圧力が大
気圧より所定値以上(例えば約1KPa(100mmA
q)以上)高くなると内圧制御弁16のポート16が開
放され、蒸発燃料がタンク11からキャニスタ10内に
流入し、空気のみが大気放出弁19から放出される。
【0029】一方、機関運転中所定の運転条件になると
パージ制御弁15が開弁され、キャニスタハウジング1
0aの区画13aはパージ配管14を介して吸気通路2
のスロットル弁6下流側に連通する。このため、ハウジ
ング10a内にはスロットル弁6下流側の吸気負圧が作
用する。大気弁18の圧力室18dは配管18gを介し
てハウジング10aの区画13aに接続されており、こ
れにより圧力室18d内の圧力は大気圧より低くなる。
また、大気弁18の圧力室18fには配管18eを介し
てエアクリーナ3内の大気圧が導入されているため、大
気弁18のダイヤフラム18bはスプリング18cの付
勢力に抗して移動し、ポート18aを開放する。このた
め、エアクリーナ3からの清浄な空気が配管18e、ポ
ート18aを通ってハウジング10aの区画13bに流
入する。この空気は吸着剤13内を区画13bから13
aに向かって流れ、吸着剤13から吸着した蒸発燃料を
放出させ、蒸発燃料を含むパージガスとなってパージ配
管14から吸気通路2に流入する。これにより、吸着剤
13の燃料吸着による飽和が防止されるとともに、吸着
剤から放出された燃料は機関で燃焼し、蒸発燃料の大気
放出が防止される。なお、大気弁18は、例えばキャニ
スタハウジング10a内圧が大気圧より約1.5KPa
(150mmAq)程度低くなると開弁し、ハウジング
10a内に大気を導入するように開弁圧が設定されてい
る。
【0030】また、機関停止後の冷却によりタンク11
内圧が低下してキャニスタハウジング10a内圧より低
くなると、均圧弁17が開弁してハウジング10aはベ
ーパ配管12を介してタンクに接続される。更に、タン
ク11内圧が大気圧以下になると、キャニスタハウジン
グ10a内の圧力も大気圧以下になり大気弁18が開弁
するため、エアクリーナ3からの空気が吸着剤13を通
って均圧弁17及びベーパ配管12からタンク11内に
流入する。これにより、タンク11内の過度の圧力低下
が防止される。なお、均圧弁17は、例えばキャニスタ
ハウジング10a内圧とタンク11内圧との差が約0.
5KPa(50mmAq)になると開弁するように設定
されている。
【0031】上記のように、キャニスタ10や配管1
2、14、、パージ制御弁15等から成るエバポパージ
システムが正常に作動していれば、キャニスタ10内の
吸着剤はパージ制御弁15の開閉に応じて燃料タンク1
1内の蒸発燃料の吸着とパージとを繰り返すため、蒸発
燃料の大気への放出が防止される。しかし、エバポパー
ジシステムに異常が生じると蒸発燃料が大気に放出され
る場合が生じる。
【0032】例えば、キャニスタハウジング10aの気
密が破れて洩れを生じたような場合にはタンクやキャニ
スタ内の燃料が大気にリークする場合がある。本実施例
では、上記のエバポパージシステムの異常を検出するた
めに、圧力センサ30(図1参照)が設けられている。
圧力センサ30は検出圧力と大気圧との差圧に比例した
電圧信号を出力するものであり、センサ30の出力信号
は図示しないA/D変換器を通して制御回路20の入力
ポート25に供給されている。
【0033】また、圧力センサ30の圧力検出部は三方
弁31を介してベーパ配管12と、パージ配管14のキ
ャニスタ10とパージ制御弁15との間の部分に接続さ
れており、三方弁31を切り換えることによりベーパ配
管12の圧力(燃料タンク11内圧)とパージ配管14
の圧力(キャニスタハウジング10a内圧)との両方を
検出することが可能となっている。図1に31aで示す
のは、ソレノイド、負圧アクチュエータなどの適宜な形
式の、三方弁31のアクチュエータである。アクチュエ
ータ31aは図示しない駆動回路を介して制御回路20
の出力ポート26に接続され、制御回路20からの信号
に応じて三方弁31の切換動作を行い、圧力センサ30
の検出端をベーパ配管12またはパージ配管14に接続
する。
【0034】次に、本実施例のエバポパージシステムの
故障診断装置の異常検出方法ついて説明する。本実施例
では、パージ制御弁15が閉弁しており、キャニスタ1
0内の圧力が変動しない安定状態に到達した状態でキャ
ニスタの異常診断を行う。この状態ではキャニスタ10
に洩れ等の異常がある場合には、キャニスタ10内圧力
は、前回パージ制御弁15が閉弁された時のキャニスタ
圧力や燃料タンク11内の燃料温度にかかわらず、大気
圧になっている。
【0035】例えば、前回パージ制御弁15が閉弁され
たときにキャニスタ10内圧力が負圧になっていた場合
には、キャニスタ10に洩れがあれば、この洩れ部分を
通じて外部から空気が流入しキャニスタ内圧力は上昇す
るため、ある程度の時間が経過するとキャニスタ10内
外の圧力は均衡し、キャニスタ10内は大気圧となる。
【0036】一方、燃料タンク11内の燃料温度が高
く、タンク内の燃料蒸気圧が高い場合には内圧制御弁1
6を通じてタンク11から燃料蒸気が流入するが、キャ
ニスタ10に洩れがあれば、洩れ部を通じてキャニスタ
10内から外部に燃料蒸気(または吸着剤13で蒸気が
吸着された後の空気)が外部に流出するため、同様にキ
ャニスタ10内部は大気圧に維持される。
【0037】ところが、キャニスタ10に洩れがなく、
正常な状態では燃料温度が低い場合には前回パージ制御
弁15閉弁時のキャニスタ10内の負圧はそのまま維持
されるため、キャニスタ10内の圧力は必ず負圧になっ
ている。また、燃料油温度が高く燃料タンク内圧力が内
圧制御弁16の設定圧力以上の圧力になっている場合に
は、タンク11から燃料蒸気が流入するため、キャニス
タ内圧力は上昇する。前述のように、内圧制御弁16は
タンク内圧が大気圧より例えば1KPa程度高くなると
開弁するように設定されているので、この場合にはキャ
ニスタ10内の圧力は大気圧よりも必ず高くなる。
【0038】すなわち、キャニスタ10に洩れ等の異常
がない場合には、パージ制御弁15閉弁後のキャニスタ
内圧力が安定した状態では、キャニスタ10内圧力は負
圧になっているか正圧になっているかのいずれかであり
大気圧になっていることはない。そこで、本実施例では
パージ制御弁15が閉弁しておりキャニスタ10内の圧
力変化がない状態での、キャニスタ10内圧力の大気圧
からの偏差が所定値以上である場合には、キャニスタ1
0が正常であると判定するようにしている。
【0039】図3は上記の故障診断操作を示すフローチ
ャートである。本ルーチンは制御回路20により一定時
間毎に実行される。図3においてルーチンがスタートす
ると、ステップ301では故障診断実行条件が成立して
いるか否かが判定される。前述のように、本実施例の故
障診断はパージ制御弁15が閉弁してからある程度の時
間が経過し、キャニスタ内圧力の変化がなくなった状態
で行う必要がある。このため、ステップ301の故障診
断実行条件は、機関始動直前であること、または機
関始動後一度もパージ制御弁15が開弁されていないこ
と、とされる。上記条件は、機関停止時にはパージ制
御弁15が閉弁されるため、機関始動直前ではパージ制
御弁15が閉弁状態で比較的長い時間保持された状態に
なっており、キャニスタ内圧力が安定していると考えら
れるためである。また、上記条件は機関始動後であっ
ても、まだ一度もパージ制御弁15が開弁されていなけ
れば、同様にキャニスタ内圧力は安定した状態に維持さ
れていると考えられるからである。なお、機関始動後吸
入空気量負圧が大きくなると、パージ制御弁15に極め
て小さい洩れがあったような場合でもキャニスタ10内
に負圧が生じるおそれがあるため、上記の条件に加え
て、機関始動後に故障診断を行う場合には、始動後吸気
通路負圧が予め定めた値より大きく(吸気通路絶対圧力
が予め定めた値より低く)なっていない場合にのみ故障
診断を行うこととしてもよい。
【0040】ステップ301で故障診断条件が成立した
場合には、ステップ303で、圧力センサ30の出力を
AD変換して取り込む。圧力センサ30は大気圧との差
圧(ゲージ圧)を検出するものであるため、圧力センサ
30の検出圧力Pは、すなわちキャニスタ10内圧力の
大気圧からの偏差を表している。次いで、ステップ30
5では圧力センサの検出した圧力Pの絶対値|P|が正
の値の所定値P0 以上か否かを判断する。
【0041】ステップ305で|P|≧P0 であった場
合にはステップ309に進み、フラグFXの値を0に設
定してルーチンを終了する。また、|P|<P0 であっ
た場合にはステップ309で上記フラグFXの値を1に
設定してルーチンを終了する。フラグFXはキャニスタ
異常の有無を表すフラグであり、FX=0はキャニスタ
が正常と判定されたことを意味している。また、FX=
1は、この故障診断ルーチンではキャニスタ10が正常
であると判定できなかったことを意味する。
【0042】本故障診断ルーチンで、キャニスタ10が
正常であると判定できなかった場合には、そのままキャ
ニスタ10が異常であると判断して、アラーム(図示せ
ず)を点灯するようにしてもよいが、後述する故障診断
を更に実行して、真にキャニスタ10に異常が生じてい
るか否かを再診断するようにすれば、故障診断の精度を
向上させることができる。
【0043】なお、ステップ305における所定値P0
の値は、検出すべきキャニスタの洩れ部の大きさに応じ
て決定される。すなわち、検出すべき洩れの大きさが大
きい場合にはP0 の値を小さく設定することができ、小
さい洩れまで検出する必要がある場合にはP0 の値はそ
れに応じて大きな値とする必要がある。本実施例では、
比較的大きな洩れの検出を対象としているため、本来キ
ャニスタ10内圧力Pが少しでも大気圧から偏差を生じ
た場合にはキャニスタが正常と判定することができる
が、本実施例では圧力センサの検出値の公差による誤診
断の可能性を考慮して、所定値P0 の値は圧力センサ3
0の公差以上の値(例えば0.2〜0.3KPa程度の
値)に設定される。上述のように、本実施例ではパージ
制御弁15が閉弁中に故障診断を行うため、パージ実行
中に故障診断を行う場合のように故障診断のためにパー
ジカットを行う必要がない。パージ実行中にパージカッ
トを行うと、機関に供給される合計の燃料の量が急変す
るため機関空燃比が一時的に目標空燃比から外れた状態
になり排気エミッションの悪化や機関出力の変動等が生
じる場合があるが、本実施例の故障診断装置では、故障
診断のためにパージカットを行う必要がないため、この
ような問題を生じることなくエバポパージシステムの故
障診断が可能となる。
【0044】また、本実施例によれば、機関始動直前
等、キャニスタ10内圧力の変化がない状態であれば燃
料温度が高くても故障診断を実行できるため、故障診断
の実行頻度が増加し、早期にキャニスタ10の異常を発
見できる利点がある。次に、本発明の故障診断の別の実
施例について説明する。本実施例では、パージ実行中に
パージ制御弁15を閉弁してパージカットを行い、パー
ジ制御弁15閉弁後所定時間内のキャニスタ10内圧力
の上昇幅が所定値以上であった場合にキャニスタ10に
洩れなどの異常が生じたと判定するが、この故障診断を
行う際に、パージ実行中のパージガス流量が所定量より
大きい場合には故障診断の実行を禁止するようにしてい
る。
【0045】前述のように、パージ実行中はパージ制御
弁15が所定の開度に開弁されているため、キャニスタ
10内圧力はパージ制御弁15開度に応じた負圧になっ
ている。この状態では、キャニスタ10の大気弁18は
キャニスタ10内の負圧に応じた開度に開弁しており、
大気弁18からキャニスタ10内に空気が流入し、キャ
ニスタ10の吸着剤13から燃料を離脱させ、パージガ
スとなってパージ制御弁15を通って吸気通路2に流入
している。
【0046】一方、パージ実行中にパージ制御弁15が
閉弁すると、大気弁18から流入する空気によりキャニ
スタ10圧力が上昇し、大気弁18の設定圧力を越える
と大気弁18が閉弁し、キャニスタ10への空気の流入
は停止する。このため、キャニスタ10に洩れがない状
態ではキャニスタ10内圧力は大気弁18の開弁設定圧
(例えば、大気圧マイナス1.5KPa)の負圧に維持
される。このため、パージ制御弁15閉弁後にキャニス
タ10内圧力が大幅に上昇する場合にはキャニスタ10
に洩れ等の異常が生じたと判定することができる。
【0047】ところが、パージ実行中のパージガス流量
が大きい場合にパージ制御弁15を閉弁すると、キャニ
スタ10に洩れが生じていなくても閉弁後のキャニスタ
10内圧力が大幅に上昇する場合がある。パージガス流
量が大きい場合、すなわち大気弁18からキャニスタ1
0内に流入する空気流量が大きい場合には、キャニスタ
10内負圧も大きく(キャニスタ内圧力が低く)なって
おり、大気弁18のダイヤフラム18cはスプリング1
8cに抗して大きく変形し、大気弁18は大量のパージ
ガスを流すために大きく開弁している。
【0048】この状態でパージ制御弁15が閉弁される
と、キャニスタ10内の圧力上昇により大気弁18も閉
弁するが、大気弁18は大きく開弁した状態になってい
るためパージ制御弁15の閉弁から大気弁18が完全に
閉弁するまでに多少の時間遅れが生じる。ところが、大
気弁18の閉弁開始時の空気流量が大きいと、上記閉弁
までの時間遅れの間にキャニスタ10内には多量の空気
が流入してしまうためキャニスタ10内圧力は大気弁の
設定開弁圧力より大幅に上昇してしまい、大気圧に近い
状態になる。このため、キャニスタ10に洩れが生じて
いない場合でもパージ制御弁15閉弁後のキャニスタ1
0内圧力の上昇が大きくなり、異常が生じたと判定され
る場合が生じる。
【0049】そこで、本実施例では、キャニスタ10か
ら吸気通路2に流入するパージガス流量を検出し、この
流量が所定値以上になった場合にはパージカットによる
故障診断を禁止するようにして、誤診断を防止するよう
にしている。図4、図5は、本実施例の故障診断ルーチ
ンを示すフローチャートであり、図4は上述の故障診断
可否の判定ルーチンを、図5は故障診断ルーチンを示
す。
【0050】図4、図5のルーチンはそれぞれ制御回路
20により一定時間毎に実行される。先ず、図4のルー
チンについて説明する。図4のルーチンでは、まず故障
診断実行条件が成立しているか否かを判定し(ステップ
401)、この診断条件が成立している場合には、ステ
ップ403、405でパージガス流量が所定量以下か否
かを判定する。そして、ステップ401の診断条件とス
テップ405のパージガス流量条件がともに成立した状
態が所定の時間継続した場合には(ステップ407、4
09)、故障診断許可フラグKFの値を1にセットする
操作を行う(ステップ411)。
【0051】なお、ステップ407、409、415の
各ステップのCTは、上記条件成立した状態の継続時
間を計時するためのカウンタである。カウンタCTの値
は、ステップ401、403のいずれか1つでも条件が
成立しない場合にはステップ415でクリアされ、両方
の条件が成立した場合にはルーチン実行毎にプラス1カ
ウントアップされる。これにより、カウンタCTの値は
条件が成立した状態の継続時間を表すことになる。ま
た、ステップ409における所定値CT0 の値は、例え
ば3秒程度の時間に相当する値とされる。すなわち、本
実施例では、ステップ401と403の条件が成立した
状態が3秒程度継続している場合(すなわち、条件成立
後キャニスタ10内圧力が安定するのに十分な時間が経
過した後)に故障診断実行を許可する。
【0052】また、ステップ400と413のフラグK
Gは故障診断を機関始動後1回だけ実行するために用い
るフラグである。フラグKGの値は機関始動時には0に
初期設定され、フラグKFが1にセットされるとKGも
1にセットされる。また、一旦KGの値が1にセットさ
れると図4のルーチンはステップ400からステップ4
15、417に進むので、以後故障診断は実行されな
い。
【0053】ステップ401における、故障診断実行条
件は、例えば、機関冷却水温度が十分に高いこと(例
えば80度C)以上であること、パージガス濃度が余
り高くないこと、とされ、これらの両方が成立した場合
にのみ診断条件が成立する。上記条件は、故障診断の
ためのパージカットにより、機関に供給される燃料量が
一時的に変動することになるため、機関運転状態が安定
している場合にのみ故障診断を行うようにするためであ
り、上記条件はパージカットによる燃料量の変動が大
きくなり、機関空燃比が大きく変動することを防止する
ためである。
【0054】次に、ステップ403、405のパージガ
ス流量の判定について説明する。パージガス流量は、例
えばパージ通路14に流量計を設け、直接検出するよう
にすることも可能であるが、本実施例ではパージ制御弁
15の開度(パージ制御弁15の駆動パルス信号のデュ
ーティ比)に基づいて間接的にパージガス流量を検出し
ている。すなわち、パージ制御弁15の開度が大きい場
合には、パージガス流量は大きくなっており、パージ制
御弁15の開度が小さい場合にはパージガス流量も小さ
くなっていると考えられる。そこで、本実施例ではパー
ジ制御弁15の開度(駆動パルスのデューティ比)が所
定値以下の場合にのみ故障診断を許可するようにしてい
る。
【0055】なお、実際にはパージガス流量はパージ制
御弁15の開度が同一であっても吸気通路の負圧により
変化する。そこで、本実施例ではパージガス流量判定の
ためのパージ制御弁15の駆動パルスデューティ比判定
値は、吸気通路負圧が最大となる場合(すなわち、同じ
パージ制御弁開度でもパージガス流量が大きくなる場
合)を基準として設定してあり、比較的小さな値(例え
ばデューティ比で50%程度)とされている。すなわ
ち、パージ制御弁15開度がこの判定値(50%)以下
であれば、吸気通路の負圧にかかわらず、大気弁18か
らキャニスタ10に流入する空気流量は所定値以下にな
っている。
【0056】なお、上記ではパージ制御弁15の開度判
定値を一定値に設定しているが、予め実験等により機関
吸気通路圧力、機関回転数とパージ制御弁15の開度と
を変えた場合のパージガス流量を求めて、制御回路20
のROM22に格納しておき、故障診断開始時の吸気通
路圧力、回転数とパージ制御弁15開度とからROM2
2に格納してある関係に基づいて算出したパージガス流
量が所定値以下(例えば30リットル/分以下)の場合
にのみ故障診断を許可するようにしても良い。
【0057】次に、図5の故障診断ルーチンについて説
明する。図5のルーチンでは、図4で故障診断許可フラ
グKFの値が1に設定された場合(ステップ501)の
みにステップ503以下の故障診断を実行する。すなわ
ち、ステップ501でフラグKFの値が1にセットされ
ていた場合には、ステップ503でパージ制御弁15を
閉弁し、パージカットを行う。次いで、ステップ505
で圧力センサ30の出力PをAD変換して取り込み、ス
テップ507では経過時間カウンタKTの値をプラス1
カウントアップする。カウンタKTは、ステップ501
でKFの値が1にセットされていない場合にはステップ
525でクリアされ、フラグKFの値が1にセットされ
た後はステップ507でルーチン実行毎に1ずつ増大す
るため、フラグKFの値が1にセットされてからの時
間、すなわち故障診断開始後の経過時間を表すことにな
る。本実施例では、故障診断開始後カウンタの値が所定
値KT1 になったときのキャニスタ10圧力をP1 とし
て記憶し、カウンタの値がKT1 より大きい所定の値K
2 になったときのキャニスタ10内圧力をP2 として
記憶する(ステップ509から515)。そして、KT
1 の時点からKT2 の時点までのキャニスタ10内圧力
上昇幅(P2 −P1 )が所定の判定値P10以上か否かを
判定し(ステップ517)、(P 2 −P1 )≧P10であ
った場合にはキャニスタ10に異常が生じたと判定し、
異常発生フラグFXの値を1にセットする(ステップ5
19)。また、(P2 −P 1 )<P10であった場合に
は、キャニスタ10は正常であると判定して、フラグF
Xの値を0にセットする(ステップ521)。
【0058】上記によりステップ519、521でフラ
グFXの値をいずれかにセットした後、ステップ523
ではパージ制御弁15が開弁され、パージが再開され
る。なお、上記KT1 はパージ制御弁15閉弁に伴うキ
ャニスタ10内の圧力の瞬間的な変動が納まるのに十分
な時間(例えば0.5秒程度)に相当するカウンタ値に
設定される。また、上記KT2 は、キャニスタ10に洩
れがあった場合の圧力上昇を検出するのに十分な時間
(例えば1.5秒程度)に相当するカウンタ値に設定さ
れる。
【0059】また、異常判定値P10は、故障診断時間
(すなわちKT2 の値)に応じて設定され、本実施例で
は、例えばP10=0.3KPa(30mmAq程度)に
設定される。本実施例によれば、パージガス流量が大き
くなっており、誤診断を生じる可能性がある場合には故
障診断が禁止されるため、故障診断の結果の信頼性が向
上する利点がある。
【0060】次に、本発明の故障診断の別の実施例につ
いて説明する。本実施例では、図5で説明した方法を用
いて故障診断を行う場合に故障判定値P10(図5ステッ
プ517)をパージガス流量に応じて変更するようにし
ている。前述の実施例では、パージガス流量が大きい場
合にキャニスタ10に洩れがない場合でも圧力上昇幅が
大きくなる場合があることから、パージガス流量が所定
値以上の場合には故障診断を禁止して誤診断が生じるこ
とを防止している。しかし、厳密にはパージ制御弁15
閉弁後のキャニスタ10圧力上昇幅は、制御弁15閉弁
直前のパージガス流量によって異なってくるため、パー
ジガス流量が上記所定値以下の場合でも誤診断が生じる
可能性が生じる場合がある。
【0061】例えば、パージガス流量が極めて少ないよ
うな場合には、大気弁18から空気が流入しておらず、
燃料タンク11からの燃料ベーパのみがパージ制御弁1
5を通過して吸気通路に流入しているような場合が生じ
るが、このような場合はキャニスタ10内圧力は大気弁
18の開弁設定圧力より高くなっており、キャニスタ1
0内圧と大気圧との差圧は小さくなっている。
【0062】キャニスタ10に洩れが生じていた場合で
も、パージ制御弁15閉弁後のキャニスタ10内圧力の
上昇幅は大気圧との差圧以上にはならないため、このよ
うな場合にはキャニスタ10に洩れが生じていても圧力
上昇幅は小さくなる。このため、このように大気圧とキ
ャニスタ10内圧力との差圧が小さい状態で、差圧が大
きい状態と同じ判定値を用いて故障診断を行うと実際に
は洩れが生じているにも係わらずキャニスタ10が正常
であると判定されてしまう場合が生じる。
【0063】そこで、本実施例ではパージガス流量が大
きく、洩れによる圧力上昇幅が大きい場合にはキャニス
タ10内圧力上昇幅の判定値P10として比較的大きな値
を用い、パージガス流量が小さく、洩れによる圧力上昇
幅が小さい場合には判定値P 10として比較的小さな値を
用いて故障診断を行うことにより、パージガス流量に応
じた正確な故障診断を行うようにしている。
【0064】図6は、上記パージガス流量に応じた判定
値P10の設定操作を示すフローチャートである。図6の
ルーチンでは、ステップ601で故障診断実行条件が成
立すると、ステップ603でパージ制御弁15を通過す
るパージガス流量を検出し、このパージガス流量が予め
定めた所定の流量以上か否かを判断し(ステップ60
5)、所定流量以上の場合には判定値P10として比較的
大きな値PH を設定し(ステップ607)、所定流量よ
り小さい場合にはP10として比較的小さな値PL を設定
するようにしている。
【0065】ステップ603、605のパージガス流量
の判断は、図4のルーチンと同様パージ制御弁15の開
度に基づいて行う。すなわち、パージ制御弁15開度が
小さくなりキャニスタ10内圧と大気圧との差圧が小さ
くなるパージ制御弁15開度を予め実験等により求めて
おき、ステップ605では、現在のパージ制御弁15開
度が上記開度以上か否かを判定するようにしている。
【0066】なお、本実施例においても、パージ通路を
通って吸気通路に流入するパージガス量を直接測定する
ようにすることも可能であり、また、図4の実施例と同
様、吸気通路圧力、機関回転数、パージ制御弁開度に基
づいてパージガス流量を算出するようにしても良い。ま
た、図6におけるフラグKG、KFの機能は図4の場合
と同様である。本実施例においても、図6のルーチンが
実行されると、次に図5の故障診断ルーチンが実行さ
れ、上記により設定された判定値P10の値を用いて異常
の有無の診断が行われる。
【0067】なお、図6のルーチンでは判定値P10をパ
ージガス流量に応じて変更しているが、キャニスタ10
内圧力と大気圧との差圧が小さい場合には洩れがある場
合のキャニスタ10内圧力の上昇速度が遅くなるため、
判定値P10のみでなく、診断実行時間(図5ステップ5
13のKT2 )をもパージガス流量に応じて変更するよ
うにしても良い。この場合、図6ステップ607でP10
を比較的大きな値PHに設定すると同時にKT2 を比較
的短い時間KT2Sに設定し、ステップ609ではP10
比較的小さい値PL に設定すると同時にKT2 を比較的
長い時間KT2Lに設定するようにすれば良い。
【0068】次に本発明の故障診断の上記とは別の実施
例について説明する。前述の実施例では、パージガス流
量が所定値より小さい場合にのみ故障診断を許可した
り、或いはパージガス流量に応じて異常判定値を変更す
ることにより、誤診断を防止していたが、本実施例では
図5の故障診断でキャニスタ10に異常が生じたと判定
された場合には、更にもう一度別の方法で故障診断を行
い、再度の故障診断の結果キャニスタ10が正常と判定
された場合には最初の診断結果にかかわらずキャニスタ
10が正常であると判定するようにしている。
【0069】前述のように、パージ制御弁15閉弁直後
の圧力上昇幅に基づく故障判定は、パージ流量やタンク
内燃料温度の影響を受け、正常なキャニスタ10が異常
と判定される場合がある。本実施例では、パージ制御弁
15閉弁直後の圧力上昇幅に基づく故障診断でキャニス
タ10に異常が生じたと判定された場合に別の方法で再
度故障診断を行い、真に異常が生じているか否かを判定
することにより正常なキャニスタが異常と判定されるこ
とを防止するものである。
【0070】図7は、本実施例の故障診断原理を説明す
る図である。図7はパージ制御弁15閉弁後のキャニス
タ内圧力変化を示しており、図7のカーブAはキャニス
タ10に洩れがなく正常な場合の圧力変化を、カーブB
は洩れ等の異常が生じた場合の典型的な圧力変化を示し
ている。カーブBに示すように、通常キャニスタ10に
洩れ等の異常がある場合には、パージ制御弁15閉弁後
キャニスタ10内圧力は比較的大きな速度で大気圧近傍
まで上昇し、その後大気圧近傍に留まる。
【0071】キャニスタ10内の圧力が上記カーブBの
ように明瞭な変化をする場合には、図5の故障診断のみ
で正確にキャニスタ10の異常有無を判別することがで
きるが、例えばパージガス流量が大きい場合やタンク内
の燃料温度が高い場合等はキャニスタ10に洩れ等が生
じていない場合でもパージ制御弁15閉弁後のキャニス
タ10内圧力は図7にカーブCで示したような変化をす
る場合がある。カーブCでは、キャニスタ10内圧力は
パージ制御弁15閉弁後、大気弁18の閉弁遅れや燃料
タンク11からの蒸発燃料の流入により比較的大きな速
度で上昇を続け、ある時間が経過すると大気圧より高い
圧力に到達する。正常なキャニスタ10の圧力がカーブ
Cのような変化をすると、図5の故障診断方法では、圧
力上昇の判定値(図7、P10)や診断時間(図7、KT
2 )の設定によっては、キャニスタ10に異常が生じた
と判定されてしまう場合がある。
【0072】そこで、本実施例では、図5の方法で先ず
故障診断を行い、この方法で異常が生じたと診断された
場合には、最初の故障診断終了後の予め定めた期間内
(例えば最初の診断が終了してから10秒経過時点から
5秒間)のキャニスタ10内圧力変化を測定し、この圧
力変化が所定値以上であれば、最初の診断結果にかかわ
らずキャニスタ10は正常であると判定するようにして
いる。
【0073】図7、カーブBに示すように、キャニスタ
10に洩れが生じている場合にはキャニスタ10内圧力
は上昇後大気圧近傍になり、その後変化しなくなる。こ
れに対して、キャニスタ10が正常であるにもかかわら
ずパージ制御弁15閉弁後の圧力上昇幅が大きくなった
ような場合には、カーブCに示すようにキャニスタ10
内圧力はタンクから流入する燃料蒸気のために上昇を続
けて大気圧以上になる。このため、最初の故障診断終了
後ある程度の時間が経過した時点で再度キャニスタ10
内圧力上昇幅を計測することにより、カーブCのような
圧力変化の場合にも正確に以上の有無を判定することが
できる。
【0074】なお、カーブBに示すように、キャニスタ
10に洩れがある場合にはキャニスタ10内圧力は大気
圧近傍に収束するので、パージ制御弁閉弁後のある時間
が経過した時点(例えば図7にQで示す点)でのキャニ
スタ10内圧力を測定し、この圧力が大気圧より高くな
っていればキャニスタ10は正常であると判定すること
も考えられる。しかし、蒸発燃料の流量によっては、キ
ャニスタ10内圧力が図7にカーブDで示すような変化
をする場合もあり、Q点の圧力のみで故障診断を行う
と、カーブDのような場合には正常なキャニスタ10が
異常と判定されてしまう場合がある。一方、カーブDの
ような圧力変化の場合であっても、キャニスタ10内圧
力は大気圧近傍に留まらず、その後上昇を続ける。そこ
で、本実施例ではQ点における圧力のみでなく、一定期
間内の圧力上昇に基づいて異常の有無を判定することに
より、上記誤診断をも防止するようにしたものである。
【0075】図8は、本実施例の故障診断ルーチンを示
すフローチャートである。本ルーチンは制御回路20に
より一定時間毎に実行される。図8においてルーチンが
スタートするとステップ801では先ず図5の方法を用
いて故障診断が実行される。ステップ801は図5と同
一であるためここでは詳細な説明は省略する。ついで、
ステップ803では、ステップ801でセットされる故
障フラグFXの値が1にセットされているか否か(異常
判定がなされたか否か)が判断される。
【0076】ステップ801で正常判定がなされた場合
には、ステップ805以下は実行せずにステップ821
でカウンタTCの値をクリアしてから本ルーチンは終了
する。この場合、図5ステップ523でパージ制御弁が
開弁されたままの状態で本ルーチンは終了することにな
る。一方、ステップ801で異常診断がなされている場
合には(FX=1)、ステップ804以下を実行し、再
度の故障診断を行う。すなわち、ステップ804ではパ
ージカットを継続するとともに、ステップ805ではカ
ウンタTCの値をプラス1増大する。TCはステップ8
01でフラグFXの値が1にセットされた時点からの経
過時間を計時するためのカウンタである。
【0077】更に、ステップ807、809ではカウン
タTCの値が所定値TC3 に到達したときの圧力センサ
30で検出したキャニスタ10内圧力PをP3 として記
憶し、ステップ811、813ではカウンタTCの値が
TC3 より大きい所定値TC 4 に到達したときの圧力セ
ンサ30出力PをP4 として記憶する。次いでステップ
815では、上記により記憶したP4 とP3 との差、す
なわちTC=TC3 の時点からTC=TC4 の時点まで
の期間のキャニスタ10内圧力上昇幅が所定値P30以上
か否かを判断する。ステップ815において、P4 −P
3 ≧P30であった場合にはステップ801での判断にか
かわらずキャニスタ10は正常であると考えられるた
め、ステップ817で故障フラグFXの値を1にセット
し直した後、あらためてステップ819でパージ制御弁
15を開弁し、パージを再開してからルーチンを終了す
る。また、ステップ815でP4 −P3 <P30であった
場合にはフラグFXの値は変更せずにそのまま(すなわ
ちFX=1のままで)ルーチンを終了する。
【0078】ここで、上記カウンタTCの値TC3 、T
4 の値はキャニスタ10に洩れがあった場合にキャニ
スタ10内圧力が大気圧に到達してその後変化しなくな
るのに十分な時間とされ、検出すべき洩れ部の大きさに
応じて設定される。本実施例では、比較的大きな洩れの
検出を対象としており、例えばTC3 は10秒程度、T
4 は15秒程度に相当するカウンタの値に設定され
る。また、圧力上昇幅の判定値は、例えば0.3KPa
程度に設定される。
【0079】図8から判るように、本実施例では先ずパ
ージカットを実行して図5の方法により故障診断を行
い、図5の方法でキャニスタ10に異常が生じていると
判定された場合にのみパージカットを継続(図8ステッ
プ804)してステップ805以下の再診断を実行し、
図5の方法でキャニスタ10が正常判定された場合には
パージカットは直ちに終了する(図5ステップ52
3)。通常であれば、キャニスタ10が正常の場合には
図5の方法で正常判定がなされるため、特殊な場合を除
き図8のステップ804以下が実行されることはない。
このため、本実施例によれば、故障診断の精度を高く維
持しながら故障診断のためのパージカット実行期間を短
くすることが可能となり、機関運転に対するパージカッ
トの影響を最小にすることができる利点がある。
【0080】なお、図3、図5、図8に示した故障診断
は単独で用いても良いし、図9に示すように組み合わせ
て用いてもよい。すなわち、機関始動後パージ開始前に
まず図3の故障診断を行い(図9ステップ901)、診
断終了後パージを開始する(ステップ903)。そし
て、ステップ901で故障フラグFXが1にセットされ
ているか否かを判定し(ステップ905)、FX=1
(異常)の場合にのみパージカットによる故障診断(ス
テップ907)を実行し、FX=0(正常)の場合には
パージカットによる故障診断を行わないようにしても良
い。
【0081】図9のようにそれぞれの方法を組み合わせ
て故障診断を行うようにすれば、キャニスタ10が正常
な場合には通常、ステップ901の段階で正常判定がな
されるため、故障診断のためにパージカットを行う必要
がなくなり、機関運転に対するパージカットの悪影響を
更に小さくすることができる。
【0082】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、エバポ
パージシステムの故障診断を行う際に、誤診断が生じる
ことを防止して正確な故障診断を行うことを可能とする
共通の効果が得られる。また、請求項1に記載の発明に
よれば、上記共通の効果に加えて、燃料タンク内の燃料
温度にかかわらず正確な故障診断を行うことができ、し
かも故障診断のためにパージカットを実行する必要がな
いため、パージカットによる空燃比の乱れなどが生じる
ことを防止することが可能となる効果が得られる。
【0083】請求項2に記載の発明によれば、誤診断が
生じやすい領域での故障診断を禁止することにより、正
確な故障診断を行うことが可能となる効果が得られる。
【0084】また、請求項に記載の発明によれば、パ
ージカット実行直後に最初の故障診断を行い、この故障
診断で異常判定がなされた場合にのみパージカットを継
続して精度の高い方法で再度故障診断を実行するように
したことにより、上記共通の効果に加えて故障診断の精
度を向上させながら、必要とされる場合以外のパージカ
ット継続時間を短くすることが可能となる効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエバポパージシステムの故障診断装置
を適用する内燃機関の構成を示す概略図である。
【図2】キャニスタの構造を説明する図である。
【図3】本発明の故障診断装置による故障診断動作の1
実施例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の故障診断装置による故障診断動作の1
実施例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の故障診断装置による故障診断動作の1
実施例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の故障診断装置による故障診断動作の1
実施例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の故障診断装置による故障診断原理の一
例を説明する図である。
【図8】本発明の故障診断装置による故障診断動作の1
実施例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の故障診断装置による故障診断動作の1
実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体 2…吸気通路 6…スロットル弁 10…キャニスタ 11…燃料タンク 12…ベーパ配管 14…パージ配管 15…パージ制御弁 20…制御回路 30…圧力センサ 31…三方弁
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/08 F02M 25/08 301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関燃料タンクからの蒸発燃料を吸
    着するキャニスタと、前記燃料タンク内の燃料液面上部
    空間を前記キャニスタに接続するベーパ通路と、前記キ
    ャニスタと機関吸気通路とを接続するパージ通路と、該
    パージ通路を開閉するパージ制御弁と、 前記キャニスタ内の圧力を検出する圧力検出手段と、 前記パージ制御弁が閉弁中であって前記キャニスタ内圧
    力の変化がない状態で、前記圧力検出手段により検出さ
    れたキャニスタ内圧の大気圧からの偏差が所定値以上で
    ある場合に前記キャニスタが正常であると判定する判定
    手段と、を備えたエバポパージシステムの故障診断装
    置。
  2. 【請求項2】 内燃機関燃料タンクからの蒸発燃料を吸
    着するキャニスタと、前記燃料タンク内の燃料液面上部
    空間を前記キャニスタに接続するベーパ通路と、前記キ
    ャニスタと機関吸気通路とを接続するパージ通路と、 該パージ通路を通って前記キャニスタから前記吸気通路
    へのパージガスの流量を制御するパージ制御弁と、 前記キャニスタに設けられ、キャニスタ内圧が大気圧よ
    り低い所定の圧力以下になったときに開弁し、キャニス
    タ内に大気を導入する大気弁と、 キャニスタ内の圧力を検出する圧力検出手段と、 機関運転中の前記パージ制御弁開弁中に該パージ制御弁
    を閉弁するとともに、パージ制御弁閉弁時から所定の時
    間が経過するまでのキャニスタ内圧力上昇幅が予め定め
    た判定値以上のときに前記キャニスタに異常が生じたと
    判定する判定手段と、 前記パージ制御弁開弁時の前記パージガス流量を検出す
    る検出手段と、 前記パージガス流量が予め定めた所定量以上の場合に、
    前記判定手段による異常判定を禁止する禁止手段と、 を備えたエバポパージシステムの故障診断装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関燃料タンクからの蒸発燃料を吸
    着するキャニスタと、前記燃料タンク内の燃料液面上部
    空間を前記キャニスタに接続するベーパ通路と、前記キ
    ャニスタと機関吸気通路とを接続するパージ通路と、 該パージ通路を通って前記キャニスタから前記吸気通路
    へのパージガスの流量を制御するパージ制御弁と、 キャニスタ内の圧力を検出する圧力検出手段と、 機関運転中の前記パージ制御弁開弁中に該パージ制御弁
    を閉弁するとともに、パージ制御弁閉弁時から所定の時
    間が経過するまでのキャニスタ内圧力上昇幅が予め定め
    た第1の判定値以上のときに前記キャニスタに異常が生
    じたと判定する第1の判定手段と、 前記第1の判定手段によりキャニスタに異常が生じたと
    判定された場合に、第1の判定手段による判定終了後の
    所定の時期に、所定期間内のキャニスタ内圧力上昇幅が
    予め定めた第2の判定値以上のときに、前記キャニスタ
    が正常であると判定する第2の判定手段と、 を備えたエバポパージシステムの故障診断装置。
JP06085895A 1995-03-20 1995-03-20 エバポパージシステムの故障診断装置 Expired - Lifetime JP3198865B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06085895A JP3198865B2 (ja) 1995-03-20 1995-03-20 エバポパージシステムの故障診断装置
US08/617,252 US5669362A (en) 1995-03-20 1996-03-18 Diagnostic device for an evaporative emission control system
EP00119659A EP1054151B1 (en) 1995-03-20 1996-03-19 A diagnostic device for an evaporative emission control system
DE69624597T DE69624597T2 (de) 1995-03-20 1996-03-19 Eine Diagnostikvorrichtung für ein Verdampfungsemissionssteuersystem
EP96104346A EP0733794B1 (en) 1995-03-20 1996-03-19 A diagnostic device for an evaporative emission control system
DE69619414T DE69619414T2 (de) 1995-03-20 1996-03-19 Diagnostikvorrichtung für ein Verdampfungsemissionssteuersystem

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06085895A JP3198865B2 (ja) 1995-03-20 1995-03-20 エバポパージシステムの故障診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08261073A JPH08261073A (ja) 1996-10-08
JP3198865B2 true JP3198865B2 (ja) 2001-08-13

Family

ID=13154508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06085895A Expired - Lifetime JP3198865B2 (ja) 1995-03-20 1995-03-20 エバポパージシステムの故障診断装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5669362A (ja)
EP (2) EP1054151B1 (ja)
JP (1) JP3198865B2 (ja)
DE (2) DE69619414T2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5996400A (en) * 1996-03-29 1999-12-07 Mazda Motor Corporation Diagnostic system for detecting leakage of fuel vapor from purge system
US5816223A (en) * 1997-12-29 1998-10-06 Ford Global Technologies, Inc. Evaporative emission control system for providing fuel to vapor to automotive engine
DE19818697A1 (de) * 1998-04-25 1999-10-28 Opel Adam Ag Verfahren zur Bestimmung von Leckagen im Kraftstoffversorgungssystem eines Kraftfahrzeuges
US5878729A (en) * 1998-05-06 1999-03-09 General Motors Corporation Air control valve assembly for fuel evaporative emission storage canister
JP3729683B2 (ja) * 1998-12-04 2005-12-21 トヨタ自動車株式会社 エバポパージシステムの故障診断装置
JP3561649B2 (ja) * 1999-02-05 2004-09-02 本田技研工業株式会社 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JP3501020B2 (ja) * 1999-04-01 2004-02-23 トヨタ自動車株式会社 蒸発燃料パージシステムの故障診断装置
JP3621297B2 (ja) * 1999-06-30 2005-02-16 株式会社日立ユニシアオートモティブ 蒸発燃料処理装置の故障診断装置
JP3681595B2 (ja) * 1999-12-20 2005-08-10 本田技研工業株式会社 蒸発燃料処理装置
US6557401B2 (en) 2000-04-11 2003-05-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method and apparatus for detecting abnormalities in fuel systems
JP3844706B2 (ja) * 2001-07-30 2006-11-15 日産自動車株式会社 燃料蒸気ガス処理装置
US8631783B2 (en) * 2009-11-18 2014-01-21 GM Global Technology Operations LLC Method and apparatus for controlling engine torque during intrusive testing
KR101261945B1 (ko) * 2010-11-12 2013-05-09 기아자동차주식회사 차량용 캐니스터 및 이를 구비한 연료 증발계 장치
JP5725376B2 (ja) * 2012-09-06 2015-05-27 株式会社デンソー 電磁弁制御装置、および、電磁弁制御方法
US9316558B2 (en) * 2013-06-04 2016-04-19 GM Global Technology Operations LLC System and method to diagnose fuel system pressure sensor
US20150085894A1 (en) * 2013-09-24 2015-03-26 Ford Global Technologies, Llc. Method for diagnosing fault within a fuel vapor system
US9562499B2 (en) * 2014-08-29 2017-02-07 GM Global Technology Operations LLC Purge valve detachment diagnostic systems and methods
US9797344B2 (en) 2014-08-29 2017-10-24 GM Global Technology Operations LLC System and method for diagnosing a dual path purge system using a hydrocarbon sensor and for diagnosing a hydrocarbon sensor in a single path purge system or a dual path purge system
JP7027942B2 (ja) * 2018-02-22 2022-03-02 トヨタ自動車株式会社 蒸発燃料処理装置
CN113915031B (zh) * 2021-10-18 2022-06-17 苏州恩都法汽车系统有限公司 油箱隔离阀控制系统

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0623736Y2 (ja) * 1988-08-10 1994-06-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関のエバポパージ異常検出装置
JP2748723B2 (ja) * 1991-06-10 1998-05-13 トヨタ自動車株式会社 エバポパージシステムの故障診断装置
US5299544A (en) * 1991-06-17 1994-04-05 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Evaporative fuel-purging control system for internal combustion engines
JPH0539754A (ja) * 1991-07-31 1993-02-19 Suzuki Motor Corp エバポシステム
DE4132055A1 (de) * 1991-09-26 1993-04-01 Bosch Gmbh Robert Verfahren und vorrichtung zum pruefen der funktionsfaehigkeit einer tankentlueftungsanlage
US5295472A (en) * 1992-01-06 1994-03-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Apparatus for detecting malfunction in evaporated fuel purge system used in internal combustion engine
JPH0642414A (ja) * 1992-07-23 1994-02-15 Toyota Motor Corp エバポパージシステムの故障診断装置
JP2688674B2 (ja) * 1992-01-20 1997-12-10 本田技研工業株式会社 燃料タンク内圧センサの故障検出装置及び故障補償装置
JP2746016B2 (ja) * 1992-11-05 1998-04-28 トヨタ自動車株式会社 エバポパージシステムの故障診断装置
JP2825399B2 (ja) * 1992-08-21 1998-11-18 三菱電機株式会社 蒸発燃料制御装置
DE4227698C2 (de) * 1992-08-21 1996-08-01 Daimler Benz Ag Verfahren zur Ermittlung von Undichtheiten in einer Kraftfahrzeug-Tankentlüftungsanlage
JP2741702B2 (ja) * 1992-12-02 1998-04-22 本田技研工業株式会社 内燃エンジンの蒸発燃料処理装置
JP3630711B2 (ja) * 1994-01-31 2005-03-23 富士重工業株式会社 車両用燃料タンクの内圧調整装置
US5494021A (en) * 1994-09-15 1996-02-27 Nissan Motor Co., Ltd. Evaporative purge monitoring method and system

Also Published As

Publication number Publication date
DE69619414T2 (de) 2002-07-18
US5669362A (en) 1997-09-23
JPH08261073A (ja) 1996-10-08
EP1054151A2 (en) 2000-11-22
EP0733794A2 (en) 1996-09-25
EP1054151B1 (en) 2002-10-30
DE69624597T2 (de) 2003-03-27
EP0733794A3 (en) 1997-10-01
EP1054151A3 (en) 2000-11-29
DE69624597D1 (de) 2002-12-05
EP0733794B1 (en) 2002-02-27
DE69619414D1 (de) 2002-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3198865B2 (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
US5245973A (en) Failure detection device for evaporative fuel purge system
JP4607770B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
JP3516599B2 (ja) 蒸発燃料処理装置のリーク診断装置
JP4361889B2 (ja) リーク検査装置及び燃料蒸気処理装置
JP4614355B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
JP3139318B2 (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JP4182650B2 (ja) パージシステムの故障診断装置
JP3412678B2 (ja) 蒸発燃料処理装置のリーク診断装置
JP3334277B2 (ja) 内燃機関の蒸発燃料蒸散防止装置の故障診断装置
JP3252503B2 (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JPH06147032A (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JP3948002B2 (ja) エバポガスパージシステムの異常診断装置
JPH06159157A (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JP2751763B2 (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JP3044995B2 (ja) 燃料蒸発ガス抑止装置の診断装置
JP3250351B2 (ja) 蒸発燃料処理装置の故障診断装置
JP4554107B2 (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JPH0626408A (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JPH0681728A (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JPH0783124A (ja) 燃料蒸発ガス抑止装置の診断装置
JP3139188B2 (ja) 蒸発燃料制御装置の故障診断装置
JP2003222057A (ja) 蒸発燃料処理装置の故障診断装置
JP3219021B2 (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JP2745984B2 (ja) エバポパージシステムの故障診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080615

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130615

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term