JP3139318B2 - エバポパージシステムの故障診断装置 - Google Patents

エバポパージシステムの故障診断装置

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JP3139318B2
JP3139318B2 JP07038467A JP3846795A JP3139318B2 JP 3139318 B2 JP3139318 B2 JP 3139318B2 JP 07038467 A JP07038467 A JP 07038467A JP 3846795 A JP3846795 A JP 3846795A JP 3139318 B2 JP3139318 B2 JP 3139318B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M25/00Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
    • F02M25/08Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture adding fuel vapours drawn from engine fuel reservoir
    • F02M25/0809Judging failure of purge control system

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンクからの蒸発
燃料の大気への放出を防止する蒸発燃料排出抑制装置
(以下「エバポパージシステム」と称する)に関し、詳
細にはエバポパージシステムの故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンクからの蒸発燃料が大気に放出
されることを防止する目的で、タンクからの蒸発燃料を
キャニスタに導いてキャニスタ内の吸着剤に吸着させる
とともに、機関の所定運転条件下でキャニスタ内にパー
ジ空気を通過させ、吸収した蒸発燃料を吸着剤から放出
させ、パージ空気と蒸発燃料との混合気(パージガス)
を機関吸気通路に供給して機関で燃焼させるエバポパー
ジシステムが知られている。
【0003】上記のエバポパージシステムでは、装置の
故障が生じると蒸発燃料が機関に供給されずに大気に放
出されてしまい、大気汚染の原因となる場合が生じる。
例えば、キャニスタや燃料タンクの気密が破壊され、洩
れを生じた場合やキャニスタと燃料タンクや機関吸気通
路とを接続する配管に洩れを生じたような場合にはこれ
らの部分から蒸発燃料が大気に放出されることになる。
【0004】また、このようなエバポパージシステムの
故障が生じた場合でも機関の運転には何ら支障がないた
め、運転者は異常の発生に気づかずにそのまま機関運転
を継続する場合がある。上記問題を解決するため、エバ
ポパージシステムに故障が発生したことを検出し、運転
者に故障発生を報知するようにした故障検出装置が種々
考案されている。
【0005】この種の装置の例としては、例えば特開平
6−108930公報に記載されたものがある。同公
報の装置は、キャニスタと燃料タンクとを接続するベー
パ通路に設けられた、タンクからキャニスタに流入する
蒸発燃料の流入制御を行う内圧制御弁と、この内圧制御
弁を境として燃料タンク側の通路内圧力とキャニスタ側
の通路内圧力とを別個に検出可能な圧力検出手段とを備
え、圧力検出手段の検出した燃料タンク側通路内圧力に
基づいて燃料タンク側の異常を、またキャニスタ側通路
内圧力に基づいてキャニスタ側の異常を、それぞれ別個
に判定するようにした故障検出装置が記載されている。
【0006】同公報の装置は圧力検出手段として単一の
圧力センサを用い、三方切換弁によりこの圧力センサを
キャニスタ側通路と燃料タンク側通路とに切り換えて接
続することにより、単一の圧力センサでキャニスタ側と
燃料タンク側との両方の圧力を別個に検出することによ
り、それぞれの故障の有無を別個に判定することを可能
としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平6−108
930号公報のように、圧力センサにより検出した圧力
値に基づいてシステムの故障の有無を診断する場合に
は、通常、誤診断を防止するために検出した生の圧力は
使用せず、検出した圧力値をなまし処理したものを用い
て故障診断を行う。
【0008】機関運転中は通常、キャニスタや燃料タン
ク内の圧力の検出値は、機関振動や燃料タンクの液面の
揺れ等のために大きく変動している。一方、後述するよ
うに、エバポパージシステムの故障診断では故障有無の
判定のための圧力判定値は比較的小さいため、圧力セン
サで検出した圧力値をそのまま使用して故障診断を行う
と、検出圧力の変動(ノイズ)のために誤診断を生じる
おそれがある。そこで、故障診断に際しては圧力センサ
で検出した圧力値のなまし処理を行い、変動成分を除去
して平滑化した圧力値を用いて故障診断を行っている。
【0009】ところが、検出したキャニスタと燃料タン
クの圧力値のなまし処理を行う場合、同一のなまし処理
を行うと逆に誤診断を生じる問題がある。すなわち、キ
ャニスタ内の圧力変動と燃料タンク内の圧力変動とは変
動周期や変動幅が大きく異なっており、両方の圧力検出
値に同一のなまし処理を行ったのでは本来検出すべき圧
力の変化までがなまし処理により平滑化されてしまう場
合や、逆に圧力変動の平滑化が不十分なため、本来検出
すべきでない圧力変動(ノイズ)を検出してしまう場合
が生じる。
【0010】すなわち、圧力センサで検出したキャニス
タ内圧力と燃料タンク内圧力とに基づいてシステムの故
障診断を行う場合には、それぞれの圧力検出値の変動
(ノイズ)特性に応じてなまし処理を行い、平滑化の程
度を変える必要がある。ところが、上記特開平6−10
8930号公報の故障診断装置では、このなまし処理の
程度による誤診断の可能性については全く考慮が払われ
ていない。特に同公報の装置のように単一の圧力センサ
でキャニスタと燃料タンクの両方の圧力を検出する場合
には同一のなまし処理を行うのが一般的であり、誤診断
が生じる可能性が高い。
【0011】本発明は上記問題に鑑み、キャニスタと燃
料タンクとの圧力を検出し、この圧力に基づいてシステ
ムの故障診断を行う場合に、それぞれの圧力変動の特性
に応じた圧力値のなまし処理を行い、正確な故障診断を
可能とするエバポパージシステムの故障診断装置を提供
することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、内燃機関燃料タンクからの蒸発燃料を吸着する
キャニスタと、前記燃料タンク内の燃料液面上部空間を
前記キャニスタに接続するベーパ通路と、前記機関の所
定の運転条件において、前記キャニスタが吸着した蒸発
燃料を所定の機関吸気通路に導くパージ通路と、前記キ
ャニスタの圧力と前記燃料タンクの圧力とを、それぞれ
別個に検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段によ
り検出された圧力値を所定のなまし率でなまし処理する
ことにより、圧力値の変動を平滑化するなまし手段と、
前記キャニスタ圧力と燃料タンク圧力との前記なまし処
理後の値に基づいて、前記キャニスタの異常の有無と前
記燃料タンクの異常の有無とをそれぞれ別個に判定する
異常判定手段とを備え、前記なまし手段の、前記燃料タ
ンク圧力値のなまし処理におけるなまし率は、前記キャ
ニスタ圧力値のなまし処理におけるなまし率より大きく
設定されているエバポパージシステムの故障診断装置が
提供される。
【0013】また、請求項2に記載の発明によれば、内
燃機関燃料タンクからの蒸発燃料を吸着するキャニスタ
と、前記燃料タンク内の燃料液面上部空間を前記キャニ
スタに接続するベーパ通路と、前記機関の所定の運転条
件において、前記キャニスタが吸着した蒸発燃料を所定
の機関吸気通路に導くパージ通路と、前記キャニスタの
圧力と前記燃料タンクの圧力とを、それぞれ別個に検出
する圧力検出手段と、前記圧力検出手段により検出され
た圧力値を所定のなまし率でなまし処理することによ
り、圧力値の変動を平滑化するなまし手段と、前記キャ
ニスタ圧力と燃料タンク圧力との前記なまし処理後の値
に基づいて、前記キャニスタの異常の有無と前記燃料タ
ンクの異常の有無とをそれぞれ別個に判定する異常判定
手段と、前記なまし手段の、前記燃料タンク圧力値のな
まし処理におけるなまし率を、前記燃料タンク内の燃料
残量が多い程大きく設定するなまし率可変手段と、を備
えたエバポパージパージシステムの故障診断装置が提供
される。
【0014】
【作用】請求項1の発明では、なまし手段は圧力検出手
段により検出された圧力値のなまし処理を行う際に、燃
料タンク圧力値のなまし処理においては、キャニスタ圧
力値のなまし処理におけるよりも大きななまし率を用い
てなまし処理を行う。キャニスタ内の圧力の変動は機関
の振動等によるものが主であるため、検出したい圧力変
化に対して圧力変動は比較的小さい。一方、燃料タンク
内の圧力変動は燃料タンク内の液面の揺れや燃料の飛沫
による圧力検出ポートの閉塞等が主体となるため、検出
したい圧力変化に対する圧力変動は比較的大きい。なま
し手段はキャニスタ圧力検出値に対しては比較的小さな
なまし率で、燃料タンク圧力検出値に対しては比較的大
きななまし率でそれぞれなまし処理を行い、それぞれの
圧力変動の特性に応じた圧力変動の平滑化を行う。
【0015】また、請求項2に記載の発明では、なまし
率可変手段は、燃料タンクの圧力検出値のなまし処理を
行う際のなまし率を、燃料タンク内の燃料残量が多い程
大きく設定する。燃料タンク内圧力の変動はタンク内燃
料残量が多いほど大きくなるため燃料タンク内圧力の変
動特性は燃料残量に応じて変化するが、燃料残量に応じ
てなまし率を可変とすることにより、燃料タンク内圧に
は常に圧力変動特性に応じた圧力変動の平滑化が行われ
る。
【0016】
【実施例】以下添付図面を用いて本発明の一実施例につ
いて説明する。図1は本発明を適用する車両用内燃機関
の実施例の概略構成を示す図である。図1において、1
は内燃機関本体、2は機関1の吸気通路、3は吸気通路
に配置されたエアクリーナを示す。吸気通路2には運転
者のアクセルペダル(図示せず)の操作に応じた開度を
とるスロットル弁6が設けられている。また、吸気通路
2には、機関1の各気筒燃料ポートに後述するフュエル
ポンプ70から供給される加圧燃料を噴射する燃料噴射
弁7が設けられている。
【0017】図1に11で示すのは機関1の燃料タンク
である。タンク11内の燃料油はフュエルポンプ70に
より昇圧され、フィード配管71を介して燃料噴射弁7
に圧送される。また、図1に72で示すのは燃料噴射弁
7に供給される燃料油圧力を一定に制御するプレッシャ
レギュレータである。燃料ポンプ70から圧送された燃
料のうち、燃料噴射弁7から機関に噴射されなかった燃
料はリターン配管73を通じて燃料タンク11に還流さ
れる。
【0018】図1に20で示すのは、機関1の制御回路
である。制御回路20は、ROM(リードオンリメモ
リ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、C
PU(マイクロプロセッサ)24及び入出力ポート2
5、26を互いに双方向性バス21で接続した公知の構
成のディジタルコンピュータからなり、機関1の燃料噴
射制御等の基本制御を行う他、本実施例では後述するエ
バポパージシステムの故障診断を行っている。
【0019】上記制御のため、制御回路20の出力ポー
ト26は図示しない駆動回路を介して機関1の燃料噴射
弁7に接続され、燃料噴射弁7の開弁時間(燃料噴射
量)を制御している他、後述するパージ制御弁15のア
クチュエータ15aに接続され、制御弁15の作動を制
御している。また、制御回路20の入力ポート25に
は、機関1の回転数、吸入空気量、機関冷却水温度等を
表す信号が、それぞれ図示しないセンサから入力されて
いる他、後述する圧力センサ30からの信号が図示しな
いA/D変換器を経由して入力されている。
【0020】図1に10で示すのは燃料タンク内の蒸発
燃料を吸着するキャニスタである。キャニスタ10はベ
ーパ配管12により燃料タンク11の燃料液面上部空間
と、また、パージ配管14により吸気通路2のスロット
ル弁6下流側部分と、それぞれ接続されている。図1に
15で示すのは、パージ通路14を開閉するパージ制御
弁15である。パージ制御弁15は制御回路20からの
信号により機関の所定運転条件下で開弁し、キャニスタ
10と吸気通路2のスロットル弁6下流側部分とを連通
し、キャニスタ10のパージを行う。図1に15aで示
すのは、パージ制御弁15を駆動する、ソレノイド、負
圧アクチュエータなどの適宜な形式のアクチュエータで
ある。
【0021】図2は本実施例のキャニスタ10の構造を
示している。キャニスタ10はハウジング10aと、該
ハウジング内に充填された活性炭などの蒸発燃料吸着剤
13とを備えている。ハウジング10aには内圧制御弁
16と大気弁18とが設けられ、後述するようにタンク
11からの蒸発燃料の吸着剤13への吸着と、吸着剤か
らの放出とを制御している。
【0022】ハウジング10a内部には内圧制御弁16
と大気弁18との間の位置に仕切り板10bが設けら
れ、ハウジング内の吸着剤13を内圧制御弁16側の区
画13aと大気弁18側の区画13bとの2つの区画に
分割している。また、仕切り板10bには内圧制御弁1
6と大気弁18とから遠い側に連通孔10cが設けられ
ており、上記吸着剤の2つの区画13a、13bとを互
いに連通している。
【0023】内圧制御弁16はハウジング10a内部に
連通するポート16aと、スプリング16cによりポー
ト16aを閉鎖する方向に押圧付勢されたダイヤフラム
16bとを備えており、ダイヤフラム16bのスプリン
グ16c側に形成された圧力室16dはポート16eを
介して大気に連通している。また、ダイヤフラム16b
のスプリング16cと反対側に形成された圧力室16f
はベーパ配管12を介して燃料タンク11内の上部空間
に接続されている。
【0024】圧力室16fはチェックボール17aとス
プリング17bとからなる均圧弁17を介してキャニス
タのハウジング10a内に連通している。一方、大気弁
18も内圧制御弁16と略同様な構成とされ、ハウジン
グ10a内に連通するポート18a、ダイヤフラム18
b、スプリング18cとを備えている。しかし大気弁1
8では、ダイヤフラム18bのスプリング18c側に形
成された圧力室18dは配管18gを介してハウジング
10aの内圧制御弁16側の区画13aに接続され、ダ
イヤフラム18bのハウジング10a側に形成された圧
力室18fは配管18eを介してエアクリーナ3に接続
されている。
【0025】また、キャニスタハウジング10a内の大
気弁18側の区画はチェックボール19aとスプリング
19bとから成る大気放出弁19を介して大気に連通し
ている。さらに、ハウジング10aの内圧制御弁16側
の区画には、前述のパージ配管14が接続されている。
【0026】次に、キャニスタ10の蒸発燃料の吸着と
パージ作用について説明する。図2においてパージ配管
14のパージ制御弁15が閉弁した状態で燃料油温度が
上昇すると、燃料油の蒸発によりタンク11内部の圧力
が上昇する。内圧制御弁16の圧力室16fにはベーパ
配管12を介してタンク11内の圧力が導入され、圧力
室16dにはポート16eを介して大気圧が導入されて
いる。このため、タンク11の内圧が大気圧より所定値
以上高くなるとダイヤフラム16bが圧力室16f内の
圧力に押圧され、スプリング16cの付勢力に抗してポ
ート16aを開放する。これにより、タンク11内の蒸
発燃料はポート16aからキャニスタハウジング10a
内に流入する。ポート16aの開放によりキャニスタハ
ウジング10a内の圧力が上昇すると、区画13bに設
けられた大気放出弁19のチェックボール19aはハウ
ジング10a内圧によりスプリング19bの付勢力に抗
して移動するため区画13bは大気に連通する。これに
より、タンク11内の蒸発燃料を含む空気はポート16
aからキャニスタハウジング10a内に流入し、吸着剤
13a、13bを通過して流れ、蒸発燃料が吸着剤13
に吸着されて空気のみが大気放出弁19から放出され
る。大気放出弁19の開弁圧は大気圧より僅かに高く設
定されており、キャニスタハウジング10a内圧が僅か
でも上昇すると開弁するようになっている。このため、
内圧制御弁16の作用により燃料タンク11内の圧力が
大気圧より所定値以上(例えば約1KPa(100mm
Aq)以上)高くなるとポート16aが開放され、蒸発
燃料がキャニスタ10内に流入し、空気のみが大気放出
弁19から放出され、燃料タンク11の内圧は常に上記
所定値以下に維持される。
【0027】一方、機関運転中所定の運転条件になると
パージ制御弁15が開弁され、キャニスタハウジング1
0aの区画13aはパージ配管14を介して吸気通路2
のスロットル弁6下流側に連通する。このため、ハウジ
ング10a内にはスロットル弁6下流側の吸気負圧が作
用する。大気弁18の圧力室18dは配管18gを介し
てハウジング10aの区画13aに接続されており、こ
れにより圧力室18d内の圧力は大気圧より低くなる。
また、大気弁18の圧力室18fには配管18eを介し
てエアクリーナ3内の大気圧が導入されているため、大
気弁18のダイヤフラム18bはスプリング18cの付
勢力に抗して移動し、ポート18aを開放する。このた
め、エアクリーナ3からの清浄な空気が配管18e、ポ
ート18aを通ってハウジング10aの区画13bに流
入する。この空気は吸着剤13内を区画13bから13
aに向かって流れ、吸着剤13から吸着した蒸発燃料を
放出させ、蒸発燃料を含むパージガスとなってパージ配
管14から吸気通路2に流入する。これにより、吸着剤
13の燃料吸着による飽和が防止されるとともに、吸着
剤から放出された燃料は機関で燃焼し、蒸発燃料の大気
放出が防止される。なお、大気弁18は、例えばキャニ
スタハウジング10a内圧が大気圧より約1.5KPa
(150mmAq)程度低くなると開弁し、ハウジング
10a内に大気を導入するように開弁圧が設定されてい
る。
【0028】また、機関停止後の冷却によりタンク11
内圧が低下してキャニスタハウジング10a内圧より低
くなると、均圧弁17が開弁してハウジング10aはベ
ーパ配管12を介してタンクに接続される。また、タン
ク11内圧が大気圧以下になると、キャニスタハウジン
グ10a内の圧力も大気圧以下になり大気弁18が開弁
するため、エアクリーナ3からの空気が吸着剤13を通
って均圧弁17及びベーパ配管12からタンク11内に
流入する。これにより、タンク11内の過度の圧力低下
が防止される。なお、均圧弁17は、例えばキャニスタ
ハウジング10a内圧とタンク11内圧との差が約0.
5KPa(50mmAq)になると開弁するように設定
されている。
【0029】上記のように、キャニスタ10や配管1
2、14、、パージ制御弁15等から成るエバポパージ
システムが正常に作動していれば、キャニスタ10内の
吸着剤はパージ制御弁15の開閉に応じて燃料タンク1
1内の蒸発燃料の吸着とパージとを繰り返すため、蒸発
燃料の大気への放出が防止される。しかし、エバポパー
ジシステムに異常が生じると蒸発燃料が大気に放出され
る場合が生じる。
【0030】例えば、燃料タンク11やキャニスタハウ
ジング10aの気密が破れて洩れを生じたような場合に
はタンクやキャニスタ内の燃料が大気にリークする場合
がある。本実施例では、上記のエバポパージシステムの
異常を検出するために、圧力センサ30(図1参照)が
設けられている。圧力センサ30は検出圧力と大気圧と
の差圧に比例した電圧信号を出力するものであり、セン
サ30の出力信号は図示しないA/D変換器を通して制
御回路20の入力ポート25に供給されている。
【0031】また、圧力センサ30の圧力検出部は三方
弁31を介してベーパ配管12と、パージ配管14のキ
ャニスタ10とパージ制御弁15との間の部分に接続さ
れており、三方弁31を切り換えることによりベーパ配
管12の圧力(燃料タンク11内圧)とパージ配管14
の圧力(キャニスタハウジング10a内圧)との両方を
検出することが可能となっている。図1に31aで示す
のは、ソレノイド、負圧アクチュエータなどの適宜な形
式の、三方弁31のアクチュエータである。アクチュエ
ータ31aは図示しない駆動回路を介して制御回路20
の出力ポート26に接続され、制御回路20からの信号
に応じて三方弁31の切換動作を行い、圧力センサ30
の検出端をベーパ配管12またはパージ配管14に接続
する。
【0032】次に、本実施例の圧力センサ30を用いた
エバポパージシステムの異常検出について説明する。本
実施例では、タンク洩れ、キャニスタ洩れ、の2つ
のエバポパージシステム異常について検出を行う。な
お、検出するエバポパージシステムの異常は上記2つに
限定されるわけではなく、例えばパージ制御弁の作動不
良等、他の異常検出をも行うようにしても良い。
【0033】以下、本実施例の上記2つのエバポパージ
システム異常の検出方法について簡単に説明する。
【0034】 タンク洩れの検出 本実施例では、機関始動後の燃料タンク11内圧力の変
化により燃料タンク洩れ等の異常を検出する。すなわ
ち、機関の冷間始動時等で燃料タンク11内の燃料温度
が低下している場合には燃料油蒸気圧の低下によりタン
ク11内圧力は低下している。この場合、外気温によっ
てはタンク11内圧力は負圧になることがあるが、タン
ク11内圧が低下するとキャニスタ10の大気弁18、
均圧弁17を経由してタンク内に大気が導入されるた
め、タンク11内の圧力はこれらの弁の作動圧力設定値
に応じた負圧(例えば1.5+0.5=2KPa(20
0mmAq))より下がることはない。また、機関高温
始動時でタンク11内燃料油温度が高い場合には、燃料
蒸気圧のため、タンク11内の圧力は高くなっている
が、この場合も内圧制御弁16の設定圧力(例えば大気
圧+1KPa(100mmAq))以上になると内圧制
御弁16が開弁してタンク内の燃料油蒸気がキャニスタ
10に流入するため、タンク11内圧力は内圧制御弁1
6の設定値以下に維持される。
【0035】一方、機関始動後はフュエルポンプ70の
作動によりタンク内燃料油のレベルが低下するため、機
関始動後ある程度の時間が経過すると燃料タンク内圧力
は始動時の圧力より低下する。また、機関始動後は、燃
料噴射弁7からの高温の余剰燃料がリターン配管73を
介してタンク11に還流されるためタンク11内の燃料
油温度は徐々に上昇し、タンク11内圧力は上昇するよ
うになる。
【0036】図3は機関冷間始動時と高温始動時の機関
始動後の燃料タンク11内圧力の時間的変化を示してい
る。図3の実線は燃料タンクに洩れがない場合の機関冷
間始動後のタンク11内圧力の変化を、破線は同じく洩
れがない場合の機関高温始動後のタンク11内圧力の変
化を示しており、一点鎖線はタンクに洩れが生じた場合
の機関始動後のタンク内圧力変化を示している。図3に
示すように、機関冷間始動時には始動後にタンク内圧力
は油面低下により一時的に低下して負圧になり通常、始
動後5分程度で最も低圧になる。また、時間が経過する
と燃料タンク内圧力は徐々に増大して通常、始動後20
分程度で内圧制御弁16の設定値近傍まで上昇すること
になる。
【0037】一方、機関停止後短時間で再始動したよう
な場合で始動時のタンク内燃料油温度が高い場合には、
タンク内圧は機関始動時から大気圧より高くなってお
り、始動後短時間で内圧制御弁の設定圧力に到達する。
ところが、タンク11に洩れを生じていると、洩れ部分
を通してタンク11内と大気とが直接連通するようにな
るため、タンク11内圧は燃料油温度にかかわらず大気
圧付近に保たれる(図3、一点鎖線)。
【0038】このため、機関始動後に燃料タンク11内
圧力が大気圧近傍から変化しない場合にはタンク11に
洩れが生じていると判定することができる。本実施例で
は、以下の方法で機関始動後の燃料タンク11内圧の変
化からタンク洩れの有無を検出する。制御回路20は機
関始動後三方弁31を切り換えて圧力センサ30の検出
端をベーパ配管12に接続する。ベーパ配管12内圧は
燃料タンク11内圧と等しいため、これにより圧力セン
サ30はタンク11の内圧を検出するようになる。
【0039】次いで、制御回路20は圧力センサ30で
検出したタンク11内圧Pを、機関始動時から所定時間
(例えば5分から20分程度の時間)が経過するまで監
視し、この所定時間の間にタンク11内圧が第1の所定
値P1 以上、または第2の所定値P2 以下になったか否
かを判定する。ここで、第1と第2の所定値は、検出す
べき洩れの大きさに応じて設定され、本実施例ではP1
は大気圧プラス約0.3KPa(30mmAq)程度の
正圧に、P2 は大気圧マイナス約0.3KPa(30m
mAq)程度の負圧に設定されている(図3参照)。
【0040】制御回路20は、上記所定時間内にタンク
内圧Pが一度も第1の所定値P1 以上または第2の所定
値P2 以下のいずれにもならない場合にはタンク11に
洩れが生じていると判定する。前述のようにタンク11
に洩れが生じていない場合には、タンク内圧は冷間始動
時であれば一旦負圧になってから内圧制御弁16の設定
値付近まで上昇し、機関の高温始動時であれば始動後短
時間で内圧制御弁16設定値付近まで上昇する。従っ
て、機関始動後所定の時間が経過してもタンク内圧が一
度もP1 以上またはP2 以下になっていない場合にはタ
ンクに洩れが生じていると判断することができる。
【0041】また、上記の検出を行うことによりタンク
11のみならずタンク11とキャニスタ10とを接続す
るベーパ配管の洩れの有無をも同時に検出することがで
きる。
【0042】キャニスタ洩れの検出 キャニスタ洩れはパージ制御弁15開閉動作に伴うキャ
ニスタ内圧力の変化により検出する。機関始動後パージ
制御弁15が開弁されパージが実行されると、キャニス
タハウジング10a内にはパージ通路14を介してスロ
ットル弁6下流側の吸気負圧が作用するため、ハウジン
グ10a内は負圧になる。
【0043】この状態で、一旦パージ制御弁15が閉弁
され、パージカットが行われるとキャニスタ10内圧は
大気弁18の作用により負圧に維持される。なお、始動
後しばらくの間は、燃料タンク11内圧力は燃料油液面
の低下により下降するため、均圧弁16は閉弁したまま
になり、タンク11からキャニスタ10への燃料蒸気の
流入は生じず、燃料蒸気流入によるキャニスタ10内圧
の上昇は生じない。
【0044】ところが、この状態でキャニスタハウジン
グ10aに洩れがあると、洩れ部分を通じてハウジング
10a内に大気が流入するため、パージ制御弁15閉弁
後にキャニスタ内圧力は上昇する。図4は、実線はキャ
ニスタハウジング10に洩れが生じた場合のパージ制御
弁15閉弁後のキャニスタ10内の圧力変化を、また破
線は洩れが生じていない場合のキャニスタ10内圧力変
化を、それぞれ模式的に示している。キャニスタ10の
内容積は比較的小さいため、洩れが生じた場合には上記
内圧の上昇速度は、図4に示すように比較的大きくなる
(図4参照)。
【0045】本実施例では、機関始動後最初にパージ実
行条件が成立してパージが実行されると、制御回路20
はパージ実行中に一旦パージ制御弁15を閉弁し、閉弁
後所定の時間内のキャニスタ圧力変化を監視する。この
所定時間内にキャニスタ内圧が一定値以上上昇した場合
には、制御回路20は、キャニスタ10に洩れが生じて
いると判定する。
【0046】すなわち、制御回路20は始動後、機関が
所定の運転条件になってパージ実行条件が成立するとパ
ージ制御弁15のアクチュエータ15aを駆動してパー
ジ制御弁15を開弁させる。ここで、パージ実行条件は
例えば、機関冷却水温度が所定値以上であること(機関
暖機が完了していること)、機関空燃比が目標空燃比に
フィードバック制御されていること(パージによる機関
空燃比の乱れが生じないこと)、機関吸入空気量が所定
値以上であること、フュエルカット実行中でないこと、
等であり上記条件が全て成立した場合にのみパージが実
行される。
【0047】制御回路20は、機関始動後最初に上記パ
ージ実行条件が成立してパージを実行中に三方弁31を
切り換えて圧力センサ30の検出端をパージ配管14に
接続する。パージ配管14内の圧力はキャニスタハウジ
ング10a内の圧力と等しいので、これによりキャニス
タハウジング10a内圧力が検出される。次いで、制御
回路20はパージ制御弁15を閉弁しパージカットを行
うとともに、圧力センサ30によりパージ制御弁15閉
弁時のキャニスタ10内圧力P3と、制御弁15閉弁後
所定時間T経過後のキャニスタ10内圧P4 を検出し、
この間の圧力上昇幅P4 −P3 が所定値ΔP0 より大き
い場合にはキャニスタ洩れが生じたと判定する。ここ
で、上記所定時間Tと判定値ΔP0 の値は検出すべき洩
れの大きさにより定まるが、本実施例では、Tは1秒程
度、ΔP0 は約0.3KPa(30mmAq)程度に設
定される。
【0048】なお、上記検出を行うことによりキャニス
タハウジング10aの洩れのみならず、パージ配管14
の洩れをも検出することができる。上述のように、本実
施例ではキャニスタ10と燃料タンク11の故障診断
は、いずれも所定期間内の圧力変動を検出することによ
り行っているが、故障診断のための圧力判定値はいずれ
も比較的小さい。一方、圧力センサ30で検出した圧力
値は機関振動や燃料タンク内の液面の揺れなどにより変
動するため、センサで検出した生の圧力値を使用して故
障診断を行うと誤診断を生じる可能性がある。
【0049】そこで、本実施例では以下に圧力センサ3
0で検出した生の圧力値に以下に説明するなまし処理を
行い、なまし処理後の値を用いて上記故障診断を行うよ
うにしている。図5は、制御回路20により実行される
圧力検出値のなまし処理を示すフローチャートである。
本ルーチンは一定時間毎(例えば0.1秒毎)に実行さ
れる。
【0050】図5においてルーチンがスタートすると、
ステップ501では圧力センサ30で検出した生の圧力
値PがAD変換して読み込まれる。次いで、ステップ5
03では、生の圧力値Pに基づいて圧力のなまし値PN
が、PN =((K−1)・PN(i-1) +P)/Kとして計
算される。ここで、PN(i-1)は前回ルーチン実行時に算
出したなまし値PN の値、Kはなまし率である。
【0051】上記により算出したなまし値 N を算出
後、本ルーチンはステップ505では今回算出したなま
し値PN を制御回路20のRAM23に格納し、ステッ
プ507で次回のなまし処理に備えてPN(i-1)の値を更
新した後終了する。すなわち、本実施例ではなまし値P
N 圧力センサ30の検出値Pの重み付け時間平均値と
して算出される。上記のなまし処理により、なまし値P
N は圧力センサ30で検出された生の圧力値Pが変動し
た場合にも、変動成分が平滑化されるため、なまし値P
N を用いて故障診断を行うことにより圧力変動成分によ
る誤診断が防止される。また、なまし率(重み付け平均
における重み付け係数)Kの値を変えることにより圧力
変動成分の平滑化の度合いを変えることができる。
【0052】例えば、なまし率Kの値を大きくすると、
生の圧力値Pの変化のなまし値PNに対する影響が少な
くなり、なまし値PN の生の圧力値Pの変動に対する応
答は遅くなり、変動成分の平滑化の程度が大きくなる。
【0053】ところが、上記のようにキャニスタ10と
燃料タンク11の内圧変化に基づいて故障診断を行う場
合には、上記なまし処理におけるなまし率Kの値を同一
にすると逆に誤診断が生じる場合がある。前述のよう
に、圧力センサ30によるキャニスタ10内圧力の検出
値と燃料タンク11内圧力はどちらも変動しているが、
変動の程度は相違している。
【0054】例えば、キャニスタ10内の圧力変動は、
機関の振動によるノイズ等が主となるため変動周期は比
較的短く、変動幅も比較的小さい。また、キャニスタ1
0の故障診断においては、比較的短時間(例えば1秒程
度)の時間内の圧力変化を監視する必要がある。このた
め、上記なまし処理におけるなまし率Kの値を大きく設
定すると、上記診断期間内になまし値PN が実際のキャ
ニスタ内圧力変化に追従できなくなり、実際には期間内
に所定値以上の圧力上昇があったにもかかわらず、なま
し値PN の変化が所定値に到達しなくなる場合がある。
すなわち、キャニスタの故障診断においては、なまし率
Kを大きく設定すると、実際には異常が生じているにも
かかわらず、正常と判定されてしまう場合が生じる。
【0055】一方、燃料タンク内の圧力は大きく変動す
る。この圧力変動は後述するように、液面の揺れやロー
ルオーババルブによるベーパ通路12入口の閉塞等のた
めに生じるため変動幅が大きく、かつ変動周期は比較的
長い。また、燃料タンク11の故障診断においては、圧
力変化の測定期間はキャニスタの場合に較べてかなり長
く設定されている(例えば、5分から20分程度)。こ
のため、キャニスタの場合とは逆に、なまし率Kを小さ
く設定すると、なまし値PN のタンク内圧力変動成分に
対する感度が大きくなり過ぎてしまい、タンク内圧力は
実際には大気圧付近から変化していないにも係わらず、
なまし値が圧力変動成分に追従して、前述の判定値P1
またはP2 を越えて変化してしまうため、実際には異常
が生じているにもかかわらず正常と判定されてしまう場
合が生じる。このため、キャニスタと燃料タンクとの両
方の故障診断を正確に行うためには、燃料タンク内の圧
力のなまし率は、キャニスタ内の圧力のなまし率より大
きく設定する必要がある。
【0056】本実施例では、キャニスタ10の故障診断
時と燃料タンク11の故障診断時とでなまし処理におけ
るなまし率Kの値を変えることにより、上記のような誤
診断が生じることを防止している。図6は、なまし率K
の設定操作を示すフローチャートである。本ルーチン
は、制御回路20により一定時間毎に実行される。
【0057】図6においてルーチンがスタートすると、
ステップ601では、現在三方弁31が燃料タンク側の
圧力検出位置に切換えられているか否かが判断される。
三方弁31が燃料タンク11側に切り換えられている場
合には、すなわち、現在燃料タンク11内の圧力を検出
中であるため、ステップ603でなまし処理におけるな
まし率Kの値を比較的大きな値(例えばK=10)に設
定する。一方、ステップ601で三方弁31が燃料タン
ク11側に切り換えられていない場合には、すなわち現
在キャニスタ10内の圧力を検出中であるため、ステッ
プ605に進み、なまし率Kの値を燃料タンクのなまし
処理における値より小さな値(例えば、K=5)に設定
する。
【0058】上記ルーチンの実行により、燃料タンク1
1内圧力のなまし処理におけるなまし率の値は、キャニ
スタ10内圧力のなまし処理におけるなまし率の値より
常に大きく設定されるため、それぞれの圧力変動特性に
応じたなまし処理が行われることになり、上述の誤診断
が防止される。次に、本発明の別の実施例について説明
する。上述の実施例では、燃料タンク内圧のなまし処理
におけるなまし率Kの値は、キャニスタ内圧力のなまし
処理におけるなまし率より大きく設定されるものの、タ
ンク内燃料残量にかかわらず一定値(上述の例ではK=
10)に設定されていた。ところが、実際には燃料タン
ク11内の圧力変動は燃料残量(燃料液面レベル)に応
じて変化する。
【0059】すなわち、タンク内液面がレベルが高い場
合には、タンク内液面上部空間が小さくなるため、液面
の揺れが小さくても大きな圧力変動が生じる場合があ
る。また、タンク11とベーパ配管12との接続部に、
タンク転倒時の燃料流出防止用のロールオーババルブが
設けられている場合には、タンク内液面レベルが上昇す
るとさらに圧力変動が大きくなる。
【0060】図7は、燃料タンク11内に設けられたロ
ールオーババルブの構成を示す概略図である。図7にお
いて、71はベーパ配管12の燃料タンク11内への開
口部を、70は開口部11に設けられたロールオーババ
ルブを示している。ロールオーババルブ70は、タンク
11上面に開口部11を囲むように設けられたケージ7
2とケージ内に配置されたフロート弁73とから構成さ
れる。ケージ72側面には多数の連通孔72aが穿設さ
れており、この連通孔72aを通じてタンク11内部と
ベーパ配管12とが連通している。フロート弁73は、
転倒時に開口部71を閉鎖してタンク内燃料がベーパ配
管12から外部に流出することを防止するために設けら
れている。すなわち、通常の状態においてはフロート弁
73は重力によりケージ底部に位置しており、開口部7
1はタンク内に開放されているが、転倒などによりタン
ク11内燃料が開口部71に到達すると、フロート弁7
3は燃料油に押圧されて開口部71を閉塞し、燃料油の
開口部71からの流出を防止するようになっている。
【0061】ところが、実際には通常運転時において
も、液面揺れなどにより燃料油がフロート弁73に到達
するとフロート弁73は液面揺れに応じて開口部71を
開閉することになり、開口部71の開閉により圧力セン
サ30の検出圧力は大きく変動する。また、液面がフロ
ート弁73に到達しない場合でも、液面揺れにともなう
飛沫がケージ72の連通孔72aにかかり、連通孔72
aが閉塞すると同様なタンク内圧力変動が生じる。
【0062】このような圧力変動はタンク内の燃料油液
面が高い程、すなわち燃料残量が多い程生じやすくな
る。このため、燃料油残量が少ない場合と同じなまし率
でなまし処理を行っていると、燃料残量が多い場合には
なましが不十分になり誤診断を生じる可能性がある。一
方、なまし率を燃料残量が多い場合に合わせて一律に大
きく設定すると、タンク内燃料残量が少ない場合にはな
まし値の圧力変化に対する感度が小さくなり過ぎる可能
性がある。
【0063】そこで、本実施例では燃料タンク11内の
燃料油残量を検出し、燃料油残量に応じて燃料タンク内
圧力のなまし処理におけるなまし率を変更することによ
り、燃料油残量に応じた正確な故障診断を実施するよう
にしている。図8は本実施例のなまし率設定操作を示す
フローチャートである。本ルーチンは制御回路20によ
り一定時間毎に実行される。
【0064】図8においてルーチンがスタートすると、
ステップ801では、三方弁31の切換え位置が判定さ
れ、タンク内燃料圧力検出時にはステップ803でタン
ク内の燃料残量が判定される。この燃料残量の判定は、
例えばタンク上面に音波を利用した液面センサを設け、
センサから照射した音波の反射により、直接液面レベル
を検出するようにしても良いし、運転中のタンク内圧力
変動が大きい状態が所定時間継続した場合にはタンクに
燃料が給油された直後の状態と判断し、この状態から燃
料給油後の機関運転状態(例えば、機関負荷と運転時間
との積算値)に基づいて燃料消費量を算出し、タンクの
容量から燃料消費量を差し引くことにより燃料残量を算
出するようにしてもよい。
【0065】次いで、ステップ805では上記により算
出した燃料残量が予め定めた所定量より大きいか否かが
判断される。燃料残量が所定量より少ない場合には、ス
テップ807に進み、なまし率Kは中程度の値(例えば
K=10程度)に設定され、燃料残量が所定量より多い
場合には、ステップ809でなまし率Kが大きな値(例
えばK=120程度)に設定される。また、ステップ8
01でキャニスタ内圧力検出中であった場合には、ステ
ップ811で図7の実施例と同様になまし率Kは小さな
値(例えばK=5程度)に設定される。
【0066】上記ステップ805における燃料残量の判
定のための所定量は、予めタンク内燃料残量と圧力変動
との関係を実験により求めておき、この実験結果に基づ
いて決定される。なお、上記の実施例ではなまし率Kの
値は燃料残量に応じて2つの値の一方に設定されること
になるが、予めタンク内の燃料残量の各値に応じて最適
ななまし率の値を実験等により決定しておき、タンク内
燃料残量に応じて最適ななまし率を設定するようにし
て、燃料残量に応じて連続的になまし率Kを変更するよ
うにしても良い。
【0067】上述の実施例ではいずれも、1つの圧力セ
ンサでキャニスタ10と燃料タンク11との圧力の両方
を検出する例を説明したが、本発明はこれに限定される
わけではなく、キャニスタ10とタンク11との圧力を
それぞれ専用の圧力センサで検出する場合にも適用でき
ることはいうまでもない。また、1つの圧力センサでキ
ャニスタ10と燃料タンク11との両方の圧力を検出す
る場合には、三方弁31切換直後には、切換前の圧力な
まし値の影響が切換後のなまし処理に現れるため、切換
後所定時間なまし処理実行後から故障診断を実行する
か、あるいは切換後なまし値の値を標準値(あるいは検
出した生の圧力値)に置き換えてなまし処理を実行する
ようにして、切換前の圧力なまし値の影響を排除するよ
うにすることが好ましい。
【0068】
【発明の効果】本発明のエバポパージシステム故障診断
装置は、キャニスタと燃料タンク内圧力をそれぞれの変
動特性に応じたなまし処理を行い、なまし後の圧力に基
づいて故障の有無を診断するようにしたことにより正確
な故障診断を行うことができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する車両用内燃機関の実施例の概
略構成を示す図である。
【図2】キャニスタの構造を説明する図である。
【図3】機関始動後の燃料タンク内圧力の時間的変化を
説明する図である。
【図4】パージカット後のキャニスタ内圧力の時間的変
化を説明する図である。
【図5】圧力検出値のなまし処理を説明するフローチャ
ートである。
【図6】なまし率の設定操作の一例を説明するフローチ
ャートである。
【図7】燃料タンクのロールオーババルブの概略構成を
説明する図である。
【図8】なまし率の設定操作の他の例を説明するフロー
チャートである。
【符号の説明】
1…機関本体 2…吸気通路 6…スロットル弁 10…キャニスタ 11…燃料タンク 12…ベーパ配管 14…パージ配管 15…パージ制御弁 20…制御回路 30…圧力センサ 31…三方弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/08 F02M 25/08 301 F02B 77/08 F02M 37/00 301

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関燃料タンクからの蒸発燃料を吸
    着するキャニスタと、前記燃料タンク内の燃料液面上部
    空間を前記キャニスタに接続するベーパ通路と、前記機
    関の所定の運転条件において、前記キャニスタが吸着し
    た蒸発燃料を所定の機関吸気通路に導くパージ通路と、 前記キャニスタの圧力と前記燃料タンクの圧力とを、そ
    れぞれ別個に検出する圧力検出手段と、 前記圧力検出手段により検出された圧力値を所定のなま
    し率でなまし処理することにより、圧力値の変動を平滑
    化するなまし手段と、 前記キャニスタ圧力と燃料タンク圧力との前記なまし処
    理後の値に基づいて、前記キャニスタの異常の有無と前
    記燃料タンクの異常の有無とをそれぞれ別個に判定する
    異常判定手段とを備え、 前記なまし手段の、前記燃料タンク圧力値のなまし処理
    におけるなまし率は、前記キャニスタ圧力値のなまし処
    理におけるなまし率より大きく設定されているエバポパ
    ージシステムの故障診断装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関燃料タンクからの蒸発燃料を吸
    着するキャニスタと、前記燃料タンク内の燃料液面上部
    空間を前記キャニスタに接続するベーパ通路と、前記機
    関の所定の運転条件において、前記キャニスタが吸着し
    た蒸発燃料を所定の機関吸気通路に導くパージ通路と、 前記キャニスタの圧力と前記燃料タンクの圧力とを、そ
    れぞれ別個に検出する圧力検出手段と、 前記圧力検出手段により検出された圧力値を所定のなま
    し率でなまし処理することにより、圧力値の変動を平滑
    化するなまし手段と、 前記キャニスタ圧力と燃料タンク圧力との前記なまし処
    理後の値に基づいて、前記キャニスタの異常の有無と前
    記燃料タンクの異常の有無とをそれぞれ別個に判定する
    異常判定手段と、 前記なまし手段の、前記燃料タンク圧力値のなまし処理
    におけるなまし率を、前記燃料タンク内の燃料残量が多
    い程大きく設定するなまし率可変手段と、 を備えたエバポパージパージシステムの故障診断装置。
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