JP6015935B2 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、内燃機関の他に電動機を備え、主に電動機の駆動力により走行するプラグインハイブリッド車等の車両では、燃費向上のために内燃機関が作動されることが非常に少なく、内燃機関の作動時に燃料蒸発ガス排出抑止装置の漏れ検出を行おうとすると漏れ検出の機会が少なくなる。
このような負圧ポンプユニットは、負圧ポンプユニットに可動部品があり、隙間を有しているため、大気側とキャニスタ側とを完全に封鎖することができない。
したがって、例えば、内燃機関の作動時に燃料タンク内の燃料蒸発ガス或いはキャニスタに吸着された燃料蒸発ガスを内燃機関の吸気通路に排出するパージ処理を実施しつつ、内燃機関の吸気通路の負圧を利用して、蒸発燃料処理装置のパージ通路の漏れや閉塞等の異常の検出を行うと、負圧ポンプユニットの大気側よりキャニスタ内に大気が流入するので、パージ通路の漏れや閉塞等を正確に検出することが困難となる。また、負圧ポンプユニットの大気側よりキャニスタ内に大気が流入することで、パージ通路内やキャニスタ内を漏れや閉塞等の異常検出を行うために必要な負圧とするまでに時間を要することとなり好ましいことではない。
また、請求項3の燃料蒸発ガス排出抑止装置では、請求項1又は2において、前記連通孔に配設され、前記負圧発生手段と前記キャニスタとの連通と、前記キャニスタの大気開放とを切り換える切換手段を備え、前記制御手段は、前記基準圧力の設定前に前記切換手段の作動を制御して前記キャニスタを大気開放させ、前記所定のパージ処理の開始時に前記切換手段の作動を制御して前記負圧発生手段と前記キャニスタとを連通させることを特徴とする。
したがって、負圧発生手段を作動させ、空気が負圧発生手段の構成部品の隙間を通って、大気側からキャニスタ側に流入することを防止することで、早期に燃料蒸発ガス処理部内を所定の負圧とすることができるので短期間に燃料蒸発ガス処理部の異常を検出することができる。
したがって、これらのことより、短期間に燃料蒸発ガス処理部の漏れや閉塞等の異常を検出することができる。
したがって、例えば、第1閾値をキャニスタの内圧が吸気通路の負圧及び負圧発生手段による負圧で達成することのできる圧力偏差となるような数値に設定し、第2閾値をキャニスタの内圧が負圧発生手段による負圧のみで達成することのできる圧力偏差となるような数値に設定すると、圧力偏差が第2閾値に達しない場合には、燃料蒸発ガス処理部内の圧力が吸気通路の負圧及び負圧発生手段の負圧にて発生することのできる負圧となっておらず、燃料蒸発ガス処理部内で大気を吸入している。即ち燃料蒸発ガス処理部にて漏れが発生していると判定することができる。また、圧力偏差が第1閾値未満であって第2閾値以上である場合には、燃料蒸発ガス処理部内の圧力が負圧発生手段にて発生することのできる負圧となっており、吸気通路の負圧の影響を受けておらず、燃料蒸発ガス処理部の圧力検出手段から吸気通路の間で閉塞していると判定することができる。
また、請求項2の発明によれば、第2閾値を負圧発生手段の稼働能力に基づいて変更している。
通常、燃料蒸発ガス排出抑止装置に用いられる負圧発生手段にて発生することのできる負圧は、内燃機関の吸気通路の負圧よりも小さくなっている。
したがって、基準圧力の設定前にキャニスタを大気開放することで基準圧力を大気圧相当とすることができるので、正確に圧力偏差を算出することができる。
図1は、本発明に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置の概略構成図である。また、図2は、エバポレーティブリークチェックモジュールの切替弁の非作動時における内部構成部品の作動を示す図であり、図3は、エバポレーティブリークチェックモジュールの切替弁の作動時における内部構成部品の作動を示す図である。図2及び図3中の矢印は、図の状態で後述する負圧ポンプを作動させた場合の空気の流れ方向を示す。なお、切替弁は、図2の非作動時が開弁状態であり、図3の作動時が閉弁状態である。以下、燃料蒸発ガス排出抑止装置の構成を説明する。
図1に示すように、本発明に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置は、大きく車両に搭載されるエンジン10と、燃料を貯留する燃料貯留部20と、燃料貯留部20で蒸発した燃料の蒸発ガスを処理する燃料蒸発ガス処理部30と、車両の総合的な制御を行うための制御装置である電子コントロールユニット40とで構成されている。
燃料貯留部20は、燃料タンク21と、燃料タンク21への燃料注入口である燃料給油口22と、燃料を燃料タンク21から燃料配管13を介して燃料噴射弁12に供給する燃料ポンプ23と、燃料タンク21から燃料蒸発ガス処理部30への燃料の流出を防止する燃料カットオフバルブ24及び給油時に燃料タンク21内の液面を制御するレベリングバルブ25とで構成されている。また、燃料タンク21内で発生した燃料の蒸発ガスは、燃料カットオフバルブ24よりレベリングバルブ25を経由して、燃料蒸発ガス処理部30に排出される。
パージ配管31は、エンジン10の吸気通路11とキャニスタ33とを連通するように設けられている。
キャニスタ33は、内部に活性炭を有している。また、キャニスタ33には、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガス或いは活性炭に吸着した燃料蒸発ガスが流通可能なようにパージ配管31が接続されている。また、キャニスタ33には、活性炭に吸着した燃料蒸発ガスをエンジン10の吸気通路11に放出するときに外気を吸入する大気孔(連通孔)33aが設けられている。
電子コントロールユニット40は、車両の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)及びタイマ等を含んで構成される。
一方、電子コントロールユニット40の出力側には、上記燃料噴射弁12、燃料ポンプ23、負圧ポンプ34c、切替弁34e、密閉弁35、パージソレノイドバルブ36及びバイパスソレノイドバルブ37が接続されている。
ステップS16では、パージ処理制御を開始する。詳しくは、パージソレノイドバルブ36の電磁ソレノイドに外部から駆動信号を供給し、通電の状態(ON)として、パージソレノイドバルブ36を開弁状態として、燃料タンク21、パージ配管31、ベーパ配管32及びキャニスタ33をエンジン10の吸気通路11と連通させ、キャニスタ33内や燃料タンク21内の燃料蒸発ガスを、吸気通路11内の負圧によって吸気通路11に排出する(図5、図6及び図7の(a))。そして、ステップS18に進む。
ステップS20では、負圧ポンプ34cを作動させる(図5、図6及び図7の(a))。そして、ステップS22に進む。
ステップS24では、キャニスタ内圧(作動後圧力)Pcを検出する。詳しくは、圧力センサ34hにてキャニスタ33の内圧であるキャニスタ内圧Pcを検出する。そして、ステップS26に進む。
ステップS28では、圧力偏差ΔPcが第1閾値ΔP1以上か、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で圧力偏差ΔPcが第1閾値ΔP1以上であれば、ステップS30に進む(図5(b))。また、判別結果が否(No)で圧力偏差ΔPcが第1閾値ΔP1未満であれば、ステップS32に進む。
ステップS36では、燃料蒸発ガス処理部30に漏れありと判定する。詳しくは、モニタ実行タイマtのカウント開始から所定時間t1を経過しても、キャニスタ33内の圧力は、エンジン10の作動時の吸気通路11に発生する負圧や負圧ポンプ34cの作動によって、圧力偏差ΔPcが第2閾値ΔP2以上となるような負圧にはなっておらず、圧力偏差ΔPcが第2閾値ΔP2未満となるような負圧となっている。したがって、キャニスタ33と連通する燃料蒸発ガス処理部30内の圧力は、エンジン10の作動時の吸気通路11に発生する負圧や負圧ポンプ34cの作動によって、圧力偏差ΔPcが第2閾値ΔP2以上となるような負圧にはなっておらず、圧力偏差ΔPcが第2閾値ΔP未満となるような負圧となっている。よって、燃料蒸発ガス処理部30内に圧力偏差ΔPcが第2閾値ΔP2以上となるような負圧の印加が不可能であるので、燃料蒸発ガス処理部30に漏れありと判定し、故障判定フラグ(漏れ)をONにする。そして、パージ処理を終了し、負圧ポンプ34cを停止し、切替弁34eの電磁ソレノイドに外部から駆動信号の供給を停止し非通電の状態(OFF)として、切替弁34eを開弁状態とする(図6(b))。そして、本ルーチンをリターンする。
また、燃料蒸発ガス処理部30の異常判定におけるパージ処理時に負圧ポンプ34cを作動させているので、空気が負圧ポンプ34cの構成部品の隙間を通って、大気側からキャニスタ33側に流入することを防止することで、早期に燃料蒸発ガス処理部30内を負圧とすることができるので短期間に燃料蒸発ガス処理部30の異常を検出することができる。
よって、圧力偏差ΔPを正確に算出することができるので、燃料蒸発ガス処理部30の漏れや閉塞を正確に判別することができる。
21 燃料タンク
31 パージ配管(連通路)
32 ベーパ配管(連通路)
33 キャニスタ
33a 大気孔(連通孔)
34 エバポレータリークチェックモデュール
34c 負圧ポンプ(負圧発生手段)
34e 切替弁
34h 圧力センサ(圧力検出手段)
36 パージソレノイドバルブ(連通路開閉手段)
40 電子コントロールユニット(制御手段)
Claims (3)
- 内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを連通する連通路と、前記連通路に連通するように配設されるキャニスタと、前記連通路と前記吸気通路との連通を開閉する連通路開閉手段とを含んで構成される燃料蒸発ガス処理部と、
前記キャニスタの内部と外部とを連通する連通孔を介して前記キャニスタに負圧を発生させる負圧発生手段と、
前記キャニスタの内圧を検出する圧力検出手段と、
前記内燃機関の作動時に前記連通路開閉手段を開にして、前記燃料タンク及び前記キャニスタの燃料蒸発ガスを前記吸気通路にパージする所定のパージ処理と、前記所定のパージ処理中に、前記負圧発生手段を作動させた後に、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて前記燃料蒸発ガス処理部の異常検出とを行う制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記所定のパージ処理前の前記キャニスタの内圧を基準圧力とし、
前記負圧発生手段の作動後の前記キャニスタの内圧を作動後圧力とし、
前記基準圧力と前記作動後圧力とから圧力偏差を算出して、
前記圧力偏差が、第1閾値未満であって、前記第1閾値よりも低い第2閾値以上であると、前記燃料蒸発ガス処理部に閉塞ありと判定し、
前記圧力偏差が前記第2閾値未満であると、前記燃料蒸発ガス処理部に漏れありと判定することを特徴とする燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記第2閾値は、前記負圧発生手段の稼働能力に基づいて変更されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
- 前記連通孔に配設され、前記負圧発生手段と前記キャニスタとの連通と、前記キャニスタの大気開放とを切り換える切換手段を備え、
前記制御手段は、
前記基準圧力の設定前に前記切換手段の作動を制御して前記キャニスタを大気開放させ、前記所定のパージ処理の開始時に前記切換手段の作動を制御して前記負圧発生手段と前記キャニスタとを連通させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料蒸発ガスガス排出抑止装置。
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