JP6260771B2 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置 - Google Patents
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Description
例えば、内燃機関の作動時にパージ弁を開放してキャニスタ内の圧力が所定以上低下することをもって、パージ処理が可能であることを判定するパージフローモニタを可能としている(特許文献1)。
当該燃料蒸発ガス排出抑止装置では、キャニスタ開閉弁を閉止することで、燃料タンクからの燃料蒸発ガスがキャニスタに流入することなく、連通路を介して内燃機関の吸気通路に排出することができ、キャニスタに燃料蒸発ガスが吸着することを抑制することが可能となっている。
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、バイパス弁の開固着の検出が可能な燃料蒸発ガス排出抑止装置を提供することにある。
また、請求項3の燃料蒸発ガス排出抑止装置では請求項1または2に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置において、前記キャニスタ開閉弁異常検出部は、前記パージ機能判定部により前記パージ機能が正常であると判定された際に前記キャニスタ開閉弁を閉弁した後の前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧の変化に基づいて前記キャニスタ開閉弁異常検出を行うことを特徴とする。
特に、パージ機能判定部によりキャニスタのパージ機能が正常であると判定され、キャニスタ及び連通路内が負圧になっている状態で、キャニスタ開閉弁を閉作動制御し、キャニスタを一時的に大気開放すると、連通路とキャニスタとで差圧が設けられる。そして、その後キャニスタの内圧が所定値以上低下した場合には、実際にキャニスタ開閉弁が開弁状態であると判定され、よってキャニスタ開閉弁が開固着状態であると判定することができる。
請求項2の発明によれば、キャニスタのパージ機能が正常であることが判定されたときには、キャニスタ開閉弁の故障が確実に判定できる。
請求項3の発明によれば、キャニスタのパージ機能が正常であることが判定されたときには、キャニスタとともに連通路内が負圧になっている。そして、この連通路内が負圧になっている状態で、キャニスタ開閉弁を閉作動制御し、連通路とキャニスタとで差圧を設けると、実際にキャニスタ開閉弁が開弁状態である場合にはキャニスタと連通路との圧力差が減少し、実際にキャニスタ開閉弁が閉弁状態である場合にはキャニスタと連通路との圧力差はほとんど変化しない。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置1の概略構成図である。また、図2は、エバポレーティブリークチェックモジュール34の切替弁34eの非作動時における内部構成部品の作動を示す図であり、図3は、エバポレーティブリークチェックモジュール34の切替弁34eの作動時における内部構成部品の作動を示す図である。図2及び図3中の矢印は、図の状態でエバポレーティブリークチェックモジュール34内の負圧ポンプ34cを作動させた場合の空気の流れ方向を示す。なお、切替弁34eは、図2の非作動時が開弁状態であり、図3の作動時が閉弁状態である。以下、燃料蒸発ガス排出抑止装置の構成を説明する。
図1に示すように、燃料蒸発ガス排出抑止装置1は、大きく車両に搭載されるエンジン10と、燃料を貯留する燃料貯留部20と、燃料貯留部20で蒸発した燃料の蒸発ガスを処理する燃料蒸発ガス処理部30と、車両の総合的な制御を行うための制御装置である電子コントロールユニット40(パージ機能判定部、キャニスタ開閉弁異常検出部)とで構成されている。
燃料貯留部20は、燃料タンク21と、燃料タンク21への燃料注入口である燃料給油口22と、燃料を燃料タンク21から燃料配管13を介して燃料噴射弁12に供給する燃料ポンプ23と、燃料タンク21から燃料蒸発ガス処理部30への燃料の流出を防止する燃料カットオフバルブ24及び給油時に燃料タンク21内の液面を制御するレベリングバルブ25とで構成されている。また、燃料タンク21内で発生した燃料の蒸発ガスは、燃料カットオフバルブ24よりレベリングバルブ25を経由して、燃料蒸発ガス処理部30に排出される。
パージ配管31は、エンジン10の吸気通路11とキャニスタ33とを連通するように設けられている。
キャニスタ33は、内部に活性炭を有している。また、キャニスタ33には、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガス或いは活性炭に吸着した燃料蒸発ガスが流通可能なようにパージ配管31が接続されている。また、キャニスタ33には、活性炭に吸着した燃料蒸発ガスをエンジン10の吸気通路11に放出するときに外気を吸入する大気孔33aが設けられている。
密閉弁35は、燃料タンク21とパージ配管31との間のベーパ配管32に介装されている。密閉弁35は、電磁ソレノイドを備え、当該電磁ソレノイドで駆動される。密閉弁35は、電磁ソレノイドが無通電の状態(OFF)で閉弁状態となり、電磁ソレノイドに外部から駆動信号が供給され通電の状態(ON)となると開弁状態となる常時閉タイプの電磁弁である。密閉弁35は、電磁ソレノイドが無通電の状態(OFF)で閉弁状態であるとベーパ配管32を封鎖し、電磁ソレノイドに外部から駆動信号が供給され通電の状態(ON)で開弁状態であるとベーパ配管32を開放する。即ち、密閉弁35は、閉弁状態であれば燃料タンク21を密閉状態に封鎖し、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガスのキャニスタ33或いはエンジン10の吸気通路11への流出を不可とし、開弁状態であれば燃料蒸発ガスのキャニスタ33或いはエンジン10の吸気通路11への流出を可能とする。
電子コントロールユニット40は、車両の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)及びタイマ等を含んで構成される。
一方、電子コントロールユニット40の出力側には、上記燃料噴射弁12、燃料ポンプ23、負圧ポンプ34c、切替弁34e、密閉弁35、パージバルブ36及びバイパス弁37が接続されている。
図4、5に示すように、始めにステップS10では、パージフローモニタが行われる。パージフローモニタは、例えば特許文献1(特許第4352945号公報)に記載されたパージフロー検出部のように、エンジンの運転中に切替弁34eを閉弁させるとともにパージバルブ36を開弁して、圧力センサ34hにより検出したキャニスタ内圧Pの変化に基づいて、パージ機能の故障を判別する。パージフローモニタ時には、バイパス弁37は開作動制御される。パージフローモニタは、切替弁34eの閉弁によって開始される。この切替弁34eの閉弁時に、圧力センサ34hによってキャニスタ内圧を検出して基準圧Pbとして記憶しておくとともに、パージ機能モニタタイマを0からスタートさせる。
ステップS20では、ステップS10でパージ機能が正常であると判定した場合には、ステップS30に進む。パージ機能が異常であると判定した場合には、本ルーチンを終了する。
ステップS40では、切替弁34eを閉作動制御する。そして、ステップS50に進む。
ステップS60では、圧力センサ34hによりキャニスタ内圧Pを検出する。そして、ステップS70に進む。
ステップS80では、ステップS70で演算した圧力偏差ΔPが、第1の所定圧P1以上であるか否かを判別する。なお、第1の所定圧P1は、バイパス弁37が開弁状態である場合にパージフローモニタ後のパージ配管31内の負圧によってキャニスタ内圧が低下して、適宜設定した所定時間T1の間に生じる圧力偏差をあらかじめ実験等で計測しておき、その下限値付近に設定すればよい。圧力偏差ΔPが、第2の所定圧P2以上である場合には、ステップS70に進む。圧力偏差ΔPが、第1の所定圧P1以上である場合には、図5のステップS120に進む。圧力偏差ΔPが、第1の所定圧P1未満である場合には、ステップS90に進む。
ステップS100では、ステップS90で読み込んだ経過時間Tbが第2の所定時間T2以上であるか否かを判別する。経過時間Tbが第2の所定時間T2以上である場合には、ステップS110に進む。経過時間Tbが第2の所定時間T2未満である場合には、ステップS60に戻る。
図5のステップS120では、バイパス弁故障確認タイマを0からスタートする。そしてステップS130に進む。
ステップS130では、圧力センサ34hによりキャニスタ内圧Pを検出する。そして、ステップS140に進む。
ステップS150では、ステップS140で演算した圧力偏差ΔPが、第2の所定圧P2以上であるか否かを判別する。第2の所定圧P2は、第1の所定圧P1より若干低い値に設定すればよい。圧力偏差ΔPが、第2の所定圧P2以上である場合には、ステップS160に進む。圧力偏差ΔPが、第2の所定圧P2未満である場合には、図4のステップS60に戻る。
ステップS170では、ステップS160で読み込んだ経過時間Tcが第3の所定時間T3以上であるか否かを判別する。経過時間Tcが第3の所定時間T3以上である場合には、ステップS180に進む。経過時間Tcが第3の所定時間T3未満である場合には、ステップS130に戻る。
なお、上記ステップS10の制御が本発明のパージ機能判定部に該当し、ステップS20〜ステップS180までの制御が本発明のキャニスタ開閉弁異常検出部に該当する。
以下、上記のように構成された本発明に係る電子コントロールユニット40でのバイパス弁37の開固着判定制御について説明する。当該バイパス弁37の開固着判定制御は、エンジン運転中におけるパージフローモニタ(ステップS10)後に続けて実施される。
このとき、パージフローモニタによってパージ配管31内は負圧状態となっている。そして、バイパス弁37が実際に閉弁状態であれば、キャニスタ33内の圧力は大気圧のまま維持される。バイパス弁37が実際に開弁状態であれば、パージ配管31や吸気通路11の負圧が作用して、キャニスタ33内の圧力が大気圧から低下する。
圧力偏差ΔPが上昇して、圧力偏差ΔPが第2の所定値P2以上となった状態が所定時間T3継続した場合には、バイパス弁37を閉作動制御したにも拘わらず、パージ配管31や吸気通路11の負圧がキャニスタ33内に作用して低下したものと推定されるので、バイパス弁37が開固着状態であると判定することができる。
このように、パージフローモニタによりパージ機能が正常であると判定されたことにより、パージ配管31内が負圧である状態を利用して、バイパス弁37を閉作動制御し、キャニスタ内の圧力の変化に基づいて、バイパス弁37の開固着を判定することができる。
また、バイパス弁37の開固着の判定を、圧力センサ34hのみの検出結果に基づいて行っているので、複数の圧力センサの検出結果に基づいてバイパス弁37の開固着及び閉固着の判定を行うよりも、圧力センサの故障により判定が不能となる可能性を減少させることができる。
例えば、上記実施形態では、車両をハイブリッド車両としているが、これに限定されるものではなく、バイパス弁37を有するとともにパージフローモニタが可能な燃料蒸発ガス排出抑止装置において広く、当該バイパス弁37の開固着を検出することが可能である。
11 吸気通路
21 燃料タンク
31 パージ配管(連通路)
32 ベーパ配管(連通路)
33 キャニスタ
34c 負圧ポンプ(負圧発生部)
34e 切替弁(開閉切替弁)
34h 圧力センサ(圧力検出部)
36 パージバルブ(パージ弁)
37 バイパス弁(キャニスタ開閉弁)
40 電子コントロールユニット(パージ機能判定部、キャニスタ開閉弁異常検出部)
Claims (4)
- 内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを連通する連通路と、
前記連通路に接続され前記連通路内の燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、
前記連通路と前記キャニスタとの連通を開閉するキャニスタ開閉弁と、
前記吸気通路と前記キャニスタとの間の前記連通路を開閉するパージ弁と、
前記キャニスタの内圧を検出する圧力検出部と、
前記内燃機関の運転中に前記パージ弁及び前記キャニスタ開閉弁を開弁して、前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧の変化に基づいて前記キャニスタのパージ機能が正常であることを判定するパージ機能判定部と、
前記パージ機能の判定に基づいて前記キャニスタ開閉弁の異常検出を行うキャニスタ開閉弁異常検出部と、
を備え、
前記キャニスタ開閉弁異常検出部は、
前記パージ機能が正常であると判定されて前記連通路内が負圧となっている状態で、前記キャニスタ開閉弁を閉作動制御し、前記キャニスタを一時的に大気開放してから、前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧が所定値以上低下した場合には、前記キャニスタ開閉弁が開固着状態であると判定することを特徴とする燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記キャニスタ開閉弁異常検出部は、
前記パージ機能判定部により前記パージ機能が正常であると判定された際に前記キャニスタ開閉弁異常検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記キャニスタ開閉弁異常検出部は、
前記パージ機能判定部により前記パージ機能が正常であると判定された際に前記キャニスタ開閉弁を閉弁した後の前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧の変化に基づいて前記キャニスタ開閉弁異常検出を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記キャニスタと外気との連通を開閉する開閉切替弁を備え、
前記キャニスタ開閉弁異常検出部は、前記開閉切替弁を一時的に開作動することで、前記キャニスタ内を一時的に大気開放することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
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