JP6308266B2 - 蒸発燃料処理システムの異常診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、このキャニスタに吸着した蒸発燃料をパージ通路を介してエンジン側の吸気通路へパージ(放出)する蒸発燃料処理システムにおけるリークの発生やデバイスの故障等の異常診断装置に関する。
従来からエンジンの蒸発燃料処理システムでは、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに一時的に吸着させ、このキャニスタに吸着した蒸発燃料を該キャニスタに備えた大気導入通路から導入した空気によりキャニスタから離脱させてパージ弁で流量制御しながらエンジンの吸気通路へパージすることにより、蒸発燃料が大気中へ放出されるのを防止するようにしている。
蒸発燃料処理システムの通路に穴が開いたり各種弁体等のデバイス等の故障により万一システム内にリーク(漏れ)が発生すると、蒸発燃料が大気中へ放出され、蒸発燃料処理システムの本来の機能を奏することができないため、好ましくない。
そこで、従来から蒸発燃料が大気中へ放出されることを防ぐために蒸発燃料処理システムの異常診断装置が開発されており、その診断精度の向上が求められている。
特許文献1の内燃エンジンの蒸発燃料処理装置も異常診断精度の向上を目的としたものであって、加圧処理時に加圧装置の作動により蒸発燃料排出抑止系を正圧状態に設定し、その正圧状態の下で蒸発燃料排出抑止系からのリーク発生を診断するものである。
特許文献1の蒸発燃料処理装置においては、上記の加圧処理時には、ジェットパージ弁(29)およびパージ制御弁(30)を閉弁し、さらにパフロス弁(22)およびドレンシャット弁(26)は閉弁して蒸発燃料排出抑止系を外部に対して閉じた状態とするが、バイパス弁(24)を開弁して燃料タンク(9)側とパージ通路(27)側とを連通した状態とし、このような連通状態で加圧装置をオンにする。
すなわち、特許文献1の蒸発燃料処理装置においては、加圧処理時には、ジェットパージ弁(29)およびパージ制御弁(30)よりも燃料タンク側の箇所に相当する蒸発燃料排出抑止系の略全体をまとめて加圧してリーク診断するようにしている。
しかし、このような構成においては、燃料タンク内の蒸発燃料量の多少に関わらず、加圧処理時には蒸発燃料排出抑止系の略全体を加圧するための加圧時間を要し、迅速なリーク診断に支障をきたすおそれがあった。また、上記構成によれば、燃料タンク(9)側とパージ通路(27)側とを連通した状態で蒸発燃料排出抑止系の略全体を加圧するため、例えば燃料タンク(9)内の蒸発燃料発生量が多い場合には、燃料タンク内からの蒸発燃料の影響を受けて蒸発燃料排出抑止系の通路に圧力変動等が生じるおそれがあり、リーク診断精度に影響を及ぼすおそれもあった。
特開平6−346801号公報
そこでこの発明は、異常診断の精度を高めることができるとともに、素早く異常診断することができる蒸発燃料処理システムの異常診断装置の提供を目的とする。
この発明の蒸発燃料処理システムの異常診断装置は、燃料タンクと、該燃料タンク内に発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタとの間に配設される第1遮断弁と、前記キャニスタとエンジン側の吸気通路を連通するパージ通路に配設されるパージ弁と、前記キャニスタと前記パージ弁の間の圧力を検出する第1圧力検出手段と、前記燃料タンクと前記第1遮断弁の間の圧力を検出する第2圧力検出手段と、前記燃料タンクと前記パージ弁の間の異常を判定する判定手段とを備え、前記判定手段は、前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が多い条件下では、前記第1遮断弁を閉状態とし前記第2圧力検出手段による検出圧力に基づいて前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の異常を判定するとともに、さらに前記第1遮断弁を閉状態に維持したまま前記第1遮断弁と前記パージ弁との間を減圧した減圧状態の下でこの間の異常を前記第1圧力検出手段による検出圧力に基づいて判定する構成としたものである。
上記構成によれば、前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が多い条件下では、前記第1遮断弁を閉状態として前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の異常を前記第2圧力検出手段による検出圧力に基づいて正確かつ素早く判定することができる。
すなわち、前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が多い条件下では、燃料タンク内の圧力が高まっていることに着目してその燃料タンク内の圧力に基づいて前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の異常判定を先に済ませておくことができる。
さらにその後で、第1遮断弁より下流側の前記第1遮断弁と前記パージ弁との間の異常の判定を、前記第1遮断弁を閉状態に維持した状態でパージ弁の上流側(キャニスタ側)を減圧した状態の下で行うことで、前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間を含めて減圧するよりも燃料タンク内からの蒸発燃料の影響を受けることなくしっかりと減圧状態に維持することができ、この間の異常を正確かつ素早く判定することができる。
従って、前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が多い条件下において、前記燃料タンクから前記パージ弁までの間の異常を正確かつ素早く判定することができる。
ここで前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の異常とは、この間の通路(配管)の穴の発生の有無に限らず、穴の大きさ、すなわちリーク程度、および弁体や加圧手段等の各種デバイスの故障を含む。
この発明の態様として、前記判定手段は、前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が少ない条件下では、前記第1遮断弁を開くとともに前記燃料タンクと前記パージ弁との間を減圧した減圧状態の下で前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の異常を、前記第2圧力検出手段による検出圧力に基づいて判定するとともに、前記第1遮断弁を閉じて前記第1遮断弁と前記パージ弁との間を減圧した減圧状態の下でこの間の異常を前記第1圧力検出手段による検出圧力に基づいて判定する構成としたものである。
上記構成によれば、前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が少ない条件下では、前記第1遮断弁を開いた状態として前記燃料タンクと前記パージ弁との間の全体を減圧した減圧状態の下で前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の異常判定を行うことで、蒸発燃料等の影響を受けることなくより高精度な判定を行うことができる。
さらに、前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の異常判定を済ませた後は、前記燃料タンクと前記パージ弁との間を減圧状態に維持しつつ第1遮断弁を閉じた状態で、第1遮断弁より下流側の前記第1遮断弁と前記パージ弁との間の異常判定を行うため、上述と同様に、前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間を含めて減圧するよりも減圧状態を維持することができ、既に判定が済んだ第1遮断弁よりも上流側、すなわち燃料タンクと前記第1遮断弁との間の蒸発燃料発生量等による影響を受けずに、正確かつ素早く判定することができる。
従って、前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が少ない条件下においても、前記燃料タンクから前記パージ弁までの間の異常を正確かつ素早く判定することができる。
またこの発明の態様として、前記パージ通路に配設されるポンプと、前記キャニスタの大気導入通路に配設される第2遮断弁と、前記判定手段による減圧状態の下での前記異常判定に際して、前記パージ弁を開き、且つ前記第2遮断弁を閉じた状態で前記ポンプを駆動する制御手段とを備えたものである。
上記構成によれば、前記パージ弁を開き、且つ前記ポンプを駆動することで該ポンプよりも上流側(キャニスタ側)の空気を蒸発燃料とともに下流側(エンジン側の吸気通路側)へと吐出することができ、これを第2遮断弁を閉じた状態の下で行うことで、前記蒸発燃料発生量が少ない条件下で行う前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間、および前記第1遮断弁と前記パージ弁との間をしっかりと且つ素早く減圧状態とすることができ、これらの間の異常判定を正確かつ素早く行うことができる。
またこの発明の態様として、前記制御手段は、前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が少ない条件下で行う前記第1遮断弁と前記パージ弁との間の前記異常判定時は、前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が少ない条件下で行う前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の前記異常判定時に対して、前記ポンプの吐出圧を高めるものである。
上記構成によれば、燃料タンクの耐圧性を考慮しつつ、前記第1遮断弁と前記パージ弁との間の判定を素早く行うことができる。
またこの発明の態様として、前記蒸発燃料発生量は、前記第2圧力検出手段による検出圧力に基づいて検出するものである。
上記構成によれば、蒸発燃料の発生に起因して変動し易い燃料タンク内の圧力に基づいて蒸発燃料発生量を検出する構成を採用することにより、燃料タンク内の蒸発燃料発生量を正確に把握することができる。
なお、前記蒸発燃料発生量は、蒸発燃料の発生に起因して変動する変動量であれば上記の検出圧力に特に限定せず、例えば、一般に大気圧が低くなる程蒸発燃料発生量が増加する傾向にあるため、大気圧を採用してもよく、その他にも前記燃料タンク内の温度等を採用してもよい。
この発明によれば、異常診断の精度を高めることができるとともに、素早く異常診断することができる蒸発燃料処理システムの異常診断装置を提供することができる。
エンジン、および本実施形態の異常診断装置を備えた蒸発燃料処理システムの概略図 蒸発燃料処理システムの異常診断ルーチンを示すフローチャート 蒸発燃料処理システムの異常診断ルーチンの一部を示すフローチャート 本実施形態の異常診断装置の作動状態の推移を示すタイムチャート 本実施形態の異常診断装置の他の作動状態の推移を示すタイムチャート
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図1はエンジン21および蒸発燃料処理システム10の概略を示している。
図1に示すように、車両に搭載され、車両の駆動源として利用されるエンジン21(内燃機関)には、気筒22を有し、該気筒22内には、吸気通路23を介して空気が吸入される。吸気通路23の途中には不図示のアクセルペダルと連動するスロットル弁24が配置されている。気筒22を構成するシリンダブロック28における吸気通路23と気筒22内とを連通する吸気口23aの直下には、気筒22ごとに電磁式の燃料噴射弁25が気筒22内に臨むように設けられている。この燃料噴射弁25は燃料供給管26を介して燃料タンク7に接続されており、燃料供給管26の末端部には燃料タンク7内に設けられた燃料ポンプ27に接続され、該燃料ポンプ27から圧送され、所定の圧力に制御される燃料を気筒22内に噴射供給する。燃料噴射弁25は後述するECU5に電気的に接続され、該ECU5からの信号により燃料噴射の開弁時期が制御される。
また、その他図示省略するがエンジン21には、該エンジン21の回転数を検出する回転数センサ、シリンダブロック28の周壁に設けた不図示のウォータジャケットに収容された冷却水の水温を検出する水温センサ、排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出する空燃比センサ等が設けられている。
さらに車両には、エンジン21の蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理システム10が搭載され、該蒸発燃料処理システム10には、燃料タンク7、キャニスタ8、パージポンプ9、各種バルブおよび各種センサ等を備えている。さらに蒸発燃料処理システム10には、通路(配管)にリークを有する等の異常を診断する異常診断装置1(異常検出装置1)が組み込まれており、異常診断機能を有している。
燃料タンク7は、燃料タンク7内の圧力を検出するタンク内圧力センサ11が設けられている。このタンク内圧力センサ11の検出信号はECU5へ出力される。なお、図1中の符号7aは燃料タンク7の側壁から斜め上に延び、先端の開口を閉塞するフィラキャップ7bを備えた給油管である。燃料タンク7は蒸発燃料導入通路12を介してキャニスタ8に接続されている。
蒸発燃料導入通路12の途中には、フューエルベントバルブ16(以下「FVV16」)という。)が設けられている。FVV16は、閉状態で燃料タンク7内の蒸発燃料が蒸発燃料導入通路12を介してキャニスタ8へ流れるのを遮断し、パージ実行中には通常、開状態に保持される一方でパージ実行前の異常診断中には通常、閉状態に保持されるが異常判定時に一時的に開弁される電磁弁であり、ECU5によって制御される。
キャニスタ8には、燃料タンク7内で発生した蒸発燃料を吸着捕集(トラップ)させる活性炭などの吸着材が内蔵され、先端に大気開放口13aを有して外部と連通する大気導入通路13が設けられている。キャニスタ8は、該キャニスタ8内に大気導入通路13を介して導入された空気と、キャニスタ8に吸着された蒸発燃料とを混合してパージ混合気とし、該パージ混合気は後述するパージ通路14へ供給される。
大気導入通路13の途中には、キャニスタベントバルブ3(以下「CVV3」)という。)が設けられている。CVV3は、閉状態で空気が大気導入通路13を介してエンジン21側の吸気通路23へ流れるのを遮断し、FVV16と同様に通常は開状態に保持され、後述する異常診断時の途中から閉弁される電磁弁であり、ECU5によって制御される。
キャニスタ8は、パージ通路14を介して吸気通路23のスロットル弁24の気筒22側(下流側)に接続されており、パージ通路14の途中には、そのキャニスタ8側(上流側)から吸気通路23側(下流側)の順にパージポンプ9、圧力センサ4、パージ弁6が設けられている。
パージポンプ9は、パージ通路14におけるキャニスタ8とパージ弁4との間に配置され、該パージ弁6のキャニスタ8側の空気を吸気してパージ弁6の側へ吐出する電動ポンプであり、ECU5によって制御される。さらにパージポンプ9は、パージ実行中においてパージ弁6が開状態に作動することにより、パージ実行時にパージ混合気をパージ通路14を介して吸気通路23に供給するパージ用として用いるとともに、後述する異常診断時におい該パージポンプ9よりも上流側を減圧する減圧装置としても兼用する。
また、パージポンプ9には、該パージポンプ9を駆動する不図示の電動モータと、該電動モータの実回転数を検出するホール素子等の回転数センサ15とが内蔵されており、この回転数センサ15の検出信号はECU5へ出力される。
圧力センサ4は、パージ通路14におけるパージポンプ9とパージ弁6との間に設けられ、この間の圧力、すなわちパージポンプ9の吐出圧を検出する。圧力センサ4の検出信号はECU5へ出力される。
パージ弁6は、閉状態でパージ混合気がパージ通路14を介して吸気通路23へ流れるのを遮断し、パージ実行前においては、通常は閉状態に保持されており、後述する異常診断時に一時的に開弁される一方で、パージ実行条件を満たした状態においては、通常は開状態に保持される電磁弁であり、ECU5によって制御される。
ECU5(Electronic Control Unit)は、双方向性バスによって相互に接続した中央処理装置(CPU)、プログラムメモリ(ROM)、データメモリ(RAM)、バックアップメモリ(不揮発性RAM)等から構成されたコントローラである。
ECU5は、各種センサからの信号に基づいて燃料噴射弁25による燃料噴射量を制御することによる空燃比フィードバック制御手段、本実施例における蒸発燃料処理システム10の異常診断手段、パージ弁6を制御することにより蒸発燃料を吸気系にパージするパージ実行手段等を備えている。本実施例においては、これら各種手段の夫々に対応する実行プログラムがプログラムメモリに記憶されており、これら各種手段に対応する処理は、各種実行プログラムに基づいてCPUにより実行される。
上記の異常診断手段は、後述する図2に示す蒸発燃料処理システム10の異常診断ルーチンの各処理に対応し、異常診断時に、上述した各種デバイスの中でもCVV3およびパージ弁6の開閉やパージポンプ9の駆動等を制御する制御手段(制御プログラム)と、パージ弁6とキャニスタ8との間が正常か否かを判定する判定手段(判定プログラム)を備えている。
判定手段は、圧力センサ4の検出圧力に基づいて、パージ弁6とパージポンプ9との間のパージ通路14のリークの発生状態(穴の発生の有無、穴の大きさ等)、並びにCVV3およびパージ弁6の開閉制御(主に閉弁制御)が正常か否かを判定するとともに、パージポンプ9の回転数センサ15に基づいてパージポンプ9の実回転数が正常か否かを判定する。
さらにECU5に備えたプログラムメモリには、上述した実行プログラム以外にもECU5の処理に基づいて、圧力センサ4により検出した検出圧力を時間で微分することにより単位時間当たりの圧力変化量、すなわち圧力勾配を演算する演算プログラム等を備えている。この演算処理は演算プログラムに基づいてCPUにより実行される。
またECU5に備えたデータメモリには、パージポンプ9に内蔵した電動モータの印加電流と回転数との関係を示す特性データが記憶されている。
さらにECU5に備えたデータメモリには、燃料タンク7内の基準圧力、パージポンプ9の基準吐出圧、パージ通路14からの空気リーク時の基準圧力勾配等の閾値パラメータが記憶されている。
基準圧力勾配は、パージ通路14におけるリークの発生の有無の判定に用いる第1基準圧力勾配(基準ΔP/Δt)の閾値パラメータと、リークが発生している場合にそのリークの程度の判定に用いる第2基準圧力勾配(基準ΔP’/Δt’)の閾値パラメータとの2種類を備え、第2基準圧力勾配は、第1基準圧力勾配よりも急峻に低下する圧力勾配に設定している。
ここで本実施形態では、上記のECU5、パージポンプ9、FVV16、パージ弁6、圧力センサ4およびタンク内圧力センサ11等が異常診断装置1を構成している。
また図1に示すように、車両には、運転者が鍵を不図示の鍵シリンダーに差し込んで鍵を回転させるなどの動作を行うことにより、不図示のイグニッションスイッチが「オン」の位置とされたことを検出するエンジン始動検出部30を備えており、エンジン始動検出部30の検出信号はECU5へ出力される。ECU5は、この検出信号に基づいて車両の始動が開始されたと判断する。
上記のECU5による蒸発燃料処理システム10の異常診断ルーチンを図2、図3のフローチャートおよび図4、図5のタイムチャートを参照しながら説明する。
図2、図3は本実施形態の異常診断ルーチンを示すフローチャートであり、図4、図5は、いずれも異常診断装置1に備えた各種デバイスの作動状態、検出信号の推移を示すタイムチャートであって、図4は図2中の主にステップ1〜23に対応する各処理に対応するタイムチャートであり、図5は図2中の主にステップ1,2,27〜34,15〜23に対応する各処理に対応するタイムチャートである。
また、蒸発燃料処理システム10の異常診断開始時には、パージポンプ9がオフ状態、パージ弁6が閉状態、CVV3が開状態およびFVV16が閉状態であるものとする。さらにまた図4、図5中のP0は大気圧を示す。
まずステップ1(S1と略記する場合もあるとする。以下同様)では、イグニッションスイッチがONにされ、エンジン始動検出部30によりエンジン21の始動が検出されると、エンジン21側では、ECU5の制御に基づいて、空燃比が理論空燃比(14.7)になる、燃料噴射弁25のアイドリングやエンジン21の回転数が安定する、およびウォータジャケットの水温が所定温度まで温まる等のパージ実行条件を満足するための処理が行われる。
このエンジン側の処理と並行してECU5は、蒸発燃料処理システム10の異常診断のルーチンを実行する。すなわち、この蒸発燃料処理システム10の異常診断のルーチンは、エンジン21側でパージ実行条件を満たしていなくても、イグニッションスイッチがオンにされ、エンジン21が始動したことをエンジン始動検出部30により検出した信号に基づいて実行される。
まず始めに図2に示すように、FVV16が閉状態における燃料タンク7内の圧力(タンク内圧力(TankP))をタンク内圧力センサ11により検出し、ECU5は、タンク内圧力センサ11により検出したタンク内圧力の信号を取得する(S1)。
ECU5は、検出したタンク内圧力(TankP)が基準圧力よりも大きいか否かに基づいて蒸発燃料発生量(エバポ発生量)が多いか少ないかを判定する(S2)。具体的にECU5は、検出したタンク内圧力が基準圧力(図4のP1参照)よりも小さい場合には(S2:Yes)、蒸発燃料発生量が少ないと判定する(S3)。
一方、ECU5は、検出したタンク内圧力が基準圧力以上である場合には(S2:No)、ステップ27以降の処理を実行する。
なお、ここでは大気圧よりも高い2kpa〜3kpa程度の圧力を基準圧力に設定している。
続くステップ4では、図2に示すように、ECU5は、ステップ2の判定で蒸発燃料発生量が少ないと判定される限り(S2:Yes,S3)、エンジン21側のパージ実行条件が満足するまで所定時間の間待機し(S4:No)、エンジン21側のパージ実行条件が整い次第、パージ実行が可能であると判定する(S4:Yes)。
ステップ4でECU5がパージ実行可能であると判定すると(S4:Yes)、図2、図4に示すように、ECU5は、それまで開状態であったCVV3を閉弁するとともに(S5)、それまで閉状態であったFVV16を開弁する(S6)。
このFVV16の開弁により、燃料タンク7内とパージ通路14とが蒸発燃料導入通路12等を介して連通するとともに、CVV3の開弁により、燃料タンク7内とパージ弁6までの間の通路、すなわち蒸発燃料処理システム10内(以下、単に「システム10内」ともいう。)が密閉される。
そしてステップ7ではECU5はパージポンプ9をオン状態とし、所定回転数(ここでは2万rpm)の設定の下で駆動する(S7)。
ここで、パージポンプ9を駆動してもCVV3は閉状態であるため大気導入通路13を介して空気がシステム10内に導入されないが、パージポンプ9よりも上流側に存在する空気(パージ混合気)がパージポンプ9によって吸引され下流側へ吐出されるため、パージ弁6が閉状態であれば、パージ通路14におけるパージ弁6とパージポンプ9との間は大気圧の状態から正圧状態に加圧されるはずである。
このため、ステップ8においてECU5は、圧力センサ4により検出された検出圧力(吐出圧(PumpP))が基準吐出圧(図4のP2参照)よりも昇圧されている場合には(S8:Yes)、パージ弁6が正常に閉じたとする正常閉弁判定をする(S9)。
一方、圧力センサ4により検出された吐出圧(吐出圧(PumpP))が基準吐出圧よりも小さい場合には(S8:No)、ECU5は、システム10内に異常が有るとしてその原因を判定(特定)するための後述するステップT1〜T7以降の処理(図3参照)を実行する。
続くステップ10では、ECU5は、CVV3が閉状態、且つパージポンプ9が駆動継続の下でパージ弁6を開成する(図2、図4参照)。これにより、実際にパージが実行されるとともに、パージポンプ9が駆動継続するに伴って、該パージポンプ9よりも上流側のシステム10内は燃料タンク7内を含めて徐々に減圧され、負圧状態となるはずである(図4参照)。
そこで続くステップ11では、ECU5は、タンク内圧力センサ11により検出したタンク内圧が負圧であるか否かに基づいてFVV16が正常か否かを判定する(S11)。
具体的にステップ11では、ECU5は、タンク内圧力センサ11により検出したタンク内圧が負圧である場合には(S11:Yes)、タンク内の蒸発燃料は空気とともにパージポンプ9によって吸引されているといえるため(図4参照)、FVV16が正常に開弁されているとしてFVV16の正常開弁判定をする(S12)。
一方、ステップ11では、ECU5は、タンク内圧力センサ11により検出したタンク内圧が負圧になっていない場合には(S11:No)、FVV16が正常に開弁されていないとしてFVV16の開弁故障判定をし(S24)、パージポンプ9をオフの状態として(S26)蒸発燃料処理システム10の異常診断ルーチンを終了する。
続いて図2、図4に示すように、ECU5はFVV16を閉弁し(S13)、パージポンプ9の回転数を増加する(S14)。本実施形態ではそれまで2万〜3万rpmに抑えていたパージポンプ9の回転数を4万〜5万rpmにまで増加する。
このステップ13のように、FVV16を閉弁することで異常診断が終了した燃料タンク7側を、これから異常診断を行うパージ通路14側に対して遮断するとともに、ステップ14のように、燃料タンク7の耐圧特性を考慮してそれまで抑えていたパージポンプ9の回転数をFVV16の閉弁(S13)に伴って高めることで、パージポンプ9とFVV16との間を減圧するに要する時間を短縮することができる。
そして、ステップ15では、ECU5は、圧力センサ4の検出圧力に基づいてパージポンプ9の吐出圧(下流圧)が所定圧力(図4のP3参照)以下か否かを判定する。具体的には、一般にパージポンプ9駆動時の吐出圧は、吸引する圧力場が低い程、吐出圧は下がる。このため、CVV3が正常に閉弁されているならば、パージポンプ9の駆動に伴ってパージポンプ9がその上流側から吸引した空気(パージ混合気)を下流側へ吐出し続けることによって、パージポンプ9とFVV16との間、すなわちパージポンプ9よりも上流側は負圧化していくとともに、パージポンプ9の吐出圧も低下していく(図4参照)。
このようにパージ実行し続けると、やがてパージポンプ9の吐出圧は、吐出先(吸気通路23)の圧力場(略大気圧)と同一となり、吐出圧はサーチレートする(飽和状態となる)。
この状態でECU5は、圧力センサ4により検出される検出圧力(パージポンプ9の吐出圧(下流圧))が所定圧力(図4のP3参照)以下であるとき(S15:Yes)、CVV3が正常に閉じたとするCVV3の正常閉弁判定をする(S16)。
一方、ECU5は、圧力センサ4の検出圧力が所定圧力より大きいとき(S15:No)、CVV3が正常に閉じていなかったとするCVV3の閉弁故障判定をし(S25)、パージポンプ9をオフの状態として(S26)蒸発燃料処理システム10の異常診断ルーチンを終了する。
続いてECU5は、図2、図4に示すように、パージ弁6の閉弁を実行するとともに(S17)、パージポンプ9の駆動を停止しオフ状態とする(S18)。このように、パージ弁6の閉弁実行により(S17)、パージ弁6とFVV16との間、すなわちシステム10内が密閉されるとともに、パージポンプ9の駆動停止により(S18)、パージポンプ9の不図示の吸気口と吐出口とは内部で連通しているため、パージポンプ9の下流圧と上流圧とは平衡化する。
ここで、パージポンプ9の下流側は、パージポンプ9の駆動を停止する前はパージポンプ9の駆動によって負圧化されているため、上述したパージポンプ9の下流圧と上流圧との平衡化に伴って密閉されたパージ弁6とFVV16との間、すなわちシステム10内全体は一定の負圧状態に保持される(図4参照)。
この状態でECU5は、圧力センサ4の検出圧力の勾配に基づいてシステム10内通路(配管)の穴の有無を判定する(S19)。具体的には、ECU5は、圧力センサ4により検出した検出圧力に基づいて検出圧力勾配を算出し、この検出圧力勾配と第1基準圧力勾配(基準ΔP/Δt)とを比較する。
その結果、検出圧力勾配が、例えば0である(すなわちフラットな勾配となり一定の負圧状態を保持する)等、第1基準圧力勾配(図4中のP4参照)よりも小さい値場合(S19:Yes)、システム10内通路が密閉状態(一定の負圧状態)に維持されていると判断されるため(図4参照)、ECU5はシステム10内通路(パージ弁6から燃料タンク7の間)には穴が無いと判定し(S20)、ECU5による蒸発燃料処理システム10の異常診断ルーチンを終了する。
また、上述したステップ19においてECU5は、システム10内を密閉し、負圧状態を維持しているにもかかわらず、検出圧力勾配が第1基準圧力勾配(基準ΔP/Δt)よりも大きい場合には(S19:No)、さらに検出圧力勾配と第2基準圧力勾(基準ΔP’/Δt’)とを比較する(S21)。
その結果、検出圧力勾配が、第2基準圧力勾配(基準ΔP’/Δt’)よりも小さい場合(S21:Yes)、図4に示すように、ECU5は、パージ通路14(パージ配管)等システム10内通路にφ0.02inch(φ0.5mm)相当の小さな穴が有ると判定し(S22)、この異常診断ルーチンを終了する。
一方、検出圧力勾配が第2基準圧力勾配よりも大きい場合(S21:No)、第2基準圧力勾配よりも(すなわちφ0.02inch相当の穴が有るときよりも)急峻な圧力勾配となることからパージ通路14(パージ配管)等システム10内通路にφ0.04inch(φ1.0mm)相当の大きな穴が有ると判定し(S23)、この異常診断ルーチンを終了する。
ここで、パージポンプ9の下流側に相当する、パージ通路14におけるパージポンプ9とパージ弁6との間のリーク診断を行う場合には、パージ弁6を開状態としつつ、パージポンプ9を駆動しながら圧力センサ4の検出圧力(パージポンプ9の吐出圧)に基づいてこの間のパージ通路14のリーク診断を行うことができる。これに対して本実施形態のように、パージポンプ9の上流側を含めたパージ弁6とFVV16との間のパージ通路14のリーク診断を行う場合には、図2中のステップ17〜19のように、ECU5は、パージ弁6の閉弁を実行し、パージポンプ9の駆動を停止しオフ状態としてシステム10内を一定の負圧状態に保持し、この状態で圧力センサ4の検出圧力の勾配に基づいてシステム10内通路(配管)の穴の有無の判定を行うことができる。すなわち本実施形態におけるパージポンプ9は、リーク診断の際にはシステム10内を一定の負圧状態にするために用いるものである。
また、図2、図5に示すように、上述したステップ27においてECU5は、検出したタンク内圧力が基準圧(図5のP1参照)以上である場合には(S2:No)、エバポ発生量多と判定する(S27)。そしてECU5は、閉状態にあるFVV16を一時的に開弁した後、閉状態に戻すようにして図5に示すような矩形状の波形となる開閉駆動を実行し、これに伴って、タンク内圧力センサ11により検出したタンク内圧力の挙動に基づいてFVV16の閉弁および開弁が正常か否かを判定する(S28)。具体的にECU5は、基準圧以上に昇圧された(S2:No)タンク内圧力(TankP)が、FVV16の開閉駆動に連動するようにして減少する場合には(S28:Yes)、FVV16の正常閉弁、開弁判定をするとともに(S29)、燃料タンク7内の穴無し判定をする(S30)。
一方、ECU5は、FVV16を開閉駆動させるに伴ってタンク内圧力が減少しない場合には(S28:No)、タンク内圧力の挙動に基づいて、FVV16が正常に閉弁又は開弁しないとしてFVV16の閉弁、開弁故障判定をし(S35)、(もしくはタンク穴有り判定をし、)この異常診断ルーチンを終了する。
続くステップ31では、ECU5は、エンジン21側のパージ実行条件が満足するまで所定時間の間待機し、エンジン21側のパージ実行条件が整い次第、パージ実行が可能であると判定する(S31:Yes)。
一方、ECU5は、例えば、エンジン21側のパージ実行条件が満足するまで所定時間の間待機するが、所定時間を経過後には、ドライバがイグニションスイッチをオフにしてエンジン21の運転を停止する等何らかの理由によりパージ実行不可能(不要)と判断した場合には(S31:No)、この異常診断ルーチンを終了する。
続くステップ32では、ECU5は、FVV16を閉状態に維持しつつそれまで開状態であったCVV3を閉弁し(図5参照)、システム10内を密閉し、それまでオフ状態であったパージポンプ9を駆動してON状態とする(S33)。ここでは、パージポンプ9の回転数は、FVV16が閉状態であるため燃料タンク7の耐圧性を考慮する必要がないため、システム10内の減圧時間の短縮を優先して4万〜5万rpmに設定している。このようにパージポンプ9を所定回転数の下での駆動を継続するとともにパージ弁6を開弁して(S34)パージポンプ9よりも上流側が負圧状態になるように減圧し、上述したステップ15以降の処理を実行する(図2、図5参照)。
なお上述したステップ28においてECU5は、閉状態にあるFVV16を一時的に開弁した後、閉状態に戻すような開閉駆動を実行し、これに伴うタンク内圧力の挙動に基づいてFVV16の故障診断を行ったが、これと同じ要領でステップ34においてECU5は、パージ弁6を開弁する際に、一時的に閉弁した後、開状態に戻すような開閉駆動を実行する等して、これに伴う圧力センサ4により検出した検出圧力の挙動に基づいて、パージ弁6自体の故障診断を適宜行ってもよい。
また、上述したステップ8において、圧力センサ4により検出された検出圧力(吐出圧)が基準吐出圧よりも小さい場合には(S8:No)、その原因としてパージポンプ9が正常でない、パージ弁6が正常閉弁していない、或いはCVV3が正常閉弁していないという3つの要因のうち少なくとも1つが起因していると考えられる。
そこでECU5は、CVV3を閉状態、且つパージ弁6を閉状態としつつ、パージポンプ9の駆動を継続しているにも関わらず、検出圧力が基準圧力まで上昇しないとき(S8:No)、図3に示すステップT1においてパージポンプ9の状態を示すパージポンプ9の回転数に基づいてパージポンプ9の異常を判定する。
本実施形態においては、ECU5は、パージポンプ9に内蔵された回転数センサ15によって検出された電動モータの実回転数が、電動モータの指令回転数の範囲に含まれる否かに基づいてパージポンプ9の異常を判定する。
ここで電動モータの指令回転数は、パージポンプ9に備えた電動モータの特性データに基づいて定まる印加電流に対応する回転数(指令値)であり、この電動モータの指令回転数の範囲は、この指示回転数に誤差を考慮して適宜設定される。
具体的には、図3に示すように、ステップT1においてECU5は、パージポンプ9に備えた電動モータの実回転数が電動モータへの指示回転数に達している等、指示回転数の範囲に含まれる場合には(T1:Yes)、パージポンプ9の正常判定を行う(T2)。
一方、ステップT1においてECU5は、パージポンプ9に備えた電動モータの実回転数が電動モータへの指示回転数に達していない等、指示回転数の範囲に含まれない場合には(T1:No)、パージポンプ9の故障(異常)判定を行う。
なお、本実施例においては、パージポンプ9を駆動する電動モータの印加電圧(指令値)に対する実際の仕事量を示す実回転数に基づいてパージポンプ9の故障診断を行ったが、このように実回転数を検出する回転数センサ15を採用するに限らず、例えば、電動モータの印加電圧に対して電動モータの消費電流を検出する電流センサを採用する等、パージポンプ9の他の出力信号を検出するセンサを採用してもよい。
例えば、電流センサを採用した実施形態においては、上述したステップT1において、所定の回転数で回転させるための印加電圧に対応する指示電流値の範囲に、電流センサにより検出した実際の消費電流が含まれない場合には(T1:No)、パージポンプ9が本来の仕事をしていないことになるため、ECU5はパージポンプ9が故障していると判定できる(T7)。
続くステップT3では、ECU5は、パージポンプ9を駆動継続状態としつつCVV3を閉状態の下で、圧力センサ4の検出圧力(吐出圧)に基づいてパージ弁6とCVV3とのいずれが故障しているかを判定する。
具体的には、吐出圧が所定圧まで低下した場合には(T3:Yes)、ECU5は、パージ弁6のシール等の不良のためパージ弁6からリークがあるとしてパージ弁6の閉弁不良判定を行う(T4)。
一方、吐出圧が一定圧を維持する等所定圧まで低下しない場合には(T3:No)、ECU5は、大気導入通路13から導入された空気がパージ通路14へ供給されないようにCVV3によって遮断されていないことになるため、CVV3の閉弁不良判定を行う(T6)。
上述したステップT4,T6,T7において異常判定(不良判定、故障判定)した後は、いずれの場合もパージ制御に移行せずにパージポンプ9をオフ状態として(T5)、図2に示すフローチャートに戻り、この異常診断ルーチンを終了する。なお、上述したステップT1,T3の異常判定を行うに際して、本実施形態ではCVV3を閉状態としたが開状態として行ってもよい。また図示省略するが、上述した異常診断時には、ダッシュボード等に異常を示すランプを点灯させたり、音声を発する等してドライバに異常を知らせるように構成してもよい。
上述した本実施形態の蒸発燃料処理システム10の異常診断装置1は、燃料タンク7と、該燃料タンク7内に発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタ8との間に配設されるFVV16(第1遮断弁)と、キャニスタ8とエンジン21側の吸気通路23を連通するパージ通路14に配設されるパージ弁6と、キャニスタ8とパージ弁6の間の圧力を検出する圧力センサ4(第1圧力検出手段)と、燃料タンク7とFVV16の間の圧力を検出するタンク内圧力センサ11(第2圧力検出手段)と、燃料タンク7とパージ弁6の間の異常を判定する判定プログラムを実行するECU5(判定手段)とを備え、ECU5は、FVV16が閉状態において燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が多い条件下では(図2のS2:No,S27)、FVV16を閉状態としタンク内圧力センサ11による検出圧力に基づいて燃料タンク7とFVV16との間の異常を判定するとともに(図2のS28)、さらにFVV16を閉状態に維持したままFVV16とパージ弁6との間を減圧した減圧状態(負圧状態)の下で(図2のS33,S34)、この間の異常を圧力センサ4による検出圧力に基づいて判定する(図2のS15)構成としたものである(図1、図2、図5参照)。
上記構成によれば、燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が多い条件下では、FVV16を閉状態として燃料タンク7とFVV16との間の異常を第2圧力検出手段による検出圧力に基づいて正確かつ素早く判定することができる。
すなわち、燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が多い条件下では、燃料タンク7内の圧力が高まっていることに着目してその燃料タンク7内の圧力に基づいて燃料タンク7とFVV16との間の異常判定を先に済ませておくことができる。
さらにその後で、FVV16より下流側のFVV16とパージ弁6との間の異常の判定を、FVV16を閉状態に維持した状態でパージ弁6の上流側(キャニスタ8側)を減圧した状態の下で行うことで、燃料タンク7とFVV16との間を含めて減圧するよりも燃料タンク7内からの蒸発燃料の影響を受けることなくしっかりと減圧状態(負圧状態)に維持することができ、この間の異常を正確かつ素早く判定することができる。
従って、燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が多い条件下において、燃料タンク7からパージ弁6までの間の異常を正確かつ素早く判定することができる。
この発明の態様として、判定プログラムを実行するECU5(判定手段)は、FVV16が閉状態において燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が少ない条件下では(図2のS2:Yes,S3)、FVV16を開くとともに(図2のS6)燃料タンク7とパージ弁6との間を減圧した減圧状態(負圧状態)の下で(図2のS7,S10)燃料タンク7とFVV16との間の異常を、タンク内圧力センサ11による検出圧力に基づいて判定するとともに(図2のS11)、FVV16を閉じて(図2のS13)FVV16とパージ弁6との間を減圧した減圧状態(負圧状態)の下で(図2のS7(S14)),S17)、FVV16とパージ弁6との間の異常を圧力センサ4による検出圧力に基づいて判定する(図2のS19,S21)構成としたものである(図1、図2、図4参照)。
上記構成によれば、燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が少ない条件下では、FVV16を開いた状態として燃料タンク7とパージ弁6との間の全体を減圧した減圧状態の下で燃料タンク7とFVV16との間の異常判定を行うことで、蒸発燃料等の影響を受けることなくより高精度な判定を行うことができる。
さらに、燃料タンク7とFVV16との間の異常判定を済ませた後は、燃料タンク7とパージ弁6との間を減圧状態に維持しつつFVV16を閉じた状態で、FVV16より下流側のFVV16とパージ弁6との間の異常判定を行うため、上述と同様に、燃料タンク7とFVV16との間を含めて減圧するよりも減圧状態を維持することができ、既に判定が済んだFVV16よりも上流側、すなわち燃料タンク7とFVV16との間の蒸発燃料発生量等による影響を受けずに、正確かつ素早く判定することができる。
従って、燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が少ない条件下においても、燃料タンク7からパージ弁6までの間の異常を正確かつ素早く判定することができる。
またこの発明の態様として、パージ通路14に配設されるパージポンプ9と、キャニスタ8の大気導入通路13に配設されるCVV3(第2遮断弁)と、ECU5による減圧状態の下での異常判定に際して、詳しくはFVV16とパージ弁6との間の異常判定(図2のS15,S19,S21)および燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が少ない条件下で行う燃料タンク7とFVV16との間の異常判定(図2のS11)に際して、パージ弁6を開き(図2のS10又はS34)、且つCVV3を閉じた状態(図2のS5又はS32)でパージポンプ9を駆動する(図2のS7又はS33)制御プログラムを実行するECU5(制御手段)とを備えたものである(図1、図2、図4、図5参照)。
上記構成によれば、FVV16とパージ弁6との間を負圧状態にするためには、吸気通路23における、パージ通路14との連通部分よりも上流側に備えたスロットル弁24の絞りや、エンジン21側の気筒22内のピストン29(図1参照)の上下動により吸気通路23を負圧とするに伴ってパージ通路14も負圧にする等の手段により可能であるが、上記構成によれば、パージ弁6を開き、且つパージポンプ9を駆動することで該パージポンプ9よりも上流側(キャニスタ8側)の空気を蒸発燃料とともに下流側(エンジン21側の吸気通路側)へと吐出することができ、これをCVV3を閉じた状態の下で行うことで、蒸発燃料発生量が少ない条件下で行う燃料タンク7とFVV16との間、およびFVV16とパージ弁6との間をしっかりと且つ素早く減圧状態とすることができ、これらの間の異常判定を正確かつ素早く行うことができる。
またこの発明の態様として、制御プログラムを実行するECU5(制御手段)は、燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が少ない条件下で行うFVV16とパージ弁6との間の判定時(図2のS15,S19,S21)は、燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が少ない条件下で行う燃料タンク7とFVV16との間の判定時(図2のS11)に対して、パージポンプ9の吐出圧(回転数)を高める(図2のS14)ものである(図2、図4参照)。
上記構成によれば、燃料タンク7の耐圧性を考慮しつつ、FVV16とパージ弁6との間の判定を素早く行うことができる。
詳しくは、蒸発燃料処理システム10の異常診断箇所を負圧状態になるまで減圧する際に、パージポンプ9の吐出圧を高めて減圧した方が、その減圧時間を短縮化でき、判定結果を素早く得ることができるため好ましい。その一方で、負圧、正圧に関わらず、燃料タンク7自体に耐圧性を超えた圧力が付与されると、該燃料タンク7が変形するおそれがある。
そこで本実施形態においては、減圧状態の下で行う燃料タンク7とFVV16との間の異常判定時には、燃料タンク7は耐圧性を考慮して減圧状態の下で行うFVV16とパージ弁6との間の異常判定時よりもパージポンプ9の吐出圧を低く設定するとともに、減圧状態の下で行うFVV16とパージ弁6との間の異常判定時は、減圧状態の下で行う燃料タンク7とFVV16との間の異常判定時に対して、減圧時間短縮化のためパージポンプ9の吐出圧を高く設定したものであり、これにより燃料タンク7が変形することなく、FVV16とパージ弁6との間の異常判定を素早く行うことができる。
またこの発明の態様として、蒸発燃料発生量は、タンク内圧力センサ11による検出圧力に基づいて検出する(図2のS1)ものである(図2、図4、図5参照)。
上記構成によれば、蒸発燃料の発生に起因して変動し易い燃料タンク7内の圧力に基づいて蒸発燃料発生量を検出する構成を採用することにより、燃料タンク7内の蒸発燃料発生量を正確に把握することができる。
さらに、燃料タンク7とFVV16との間の異常判定の際(図2のS11,S28)に用いるタンク内圧力センサ11を、蒸発燃料発生量の検出のために兼用できるため、コスト低減を図ることができる。
なお、燃料タンク7からの蒸発燃料発生量が多いか否かの判定は、燃料タンク7の圧力以外にも大気圧(外気の圧力)や燃料タンク7の温度を検出して判定するようにしてもよい。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明のポンプは、本実施例のパージポンプ2に対応し、以下同様に、
第1遮断弁は、FVV16に対応し、
第2遮断弁は、CVV3に対応し、
第1圧力検出手段は、圧力センサ4に対応し、
第2圧力検出手段は、タンク内圧力センサ11に対応し、
判定手段は判定プログラムを実行するECU5に対応する。
この発明の判定手段についてより詳しくは、
請求項1の判定手段は図2のS15,S19,S21を実行するとともにS28を実行するECU5に対応し、
請求項2の判定手段は図2のS11を実行するとともにS15,S19,S21を実行するECU5に対応し、
制御手段は、制御プログラムを実行するECU5に対応し、
この発明の制御手段についてより詳しくは、
請求項3の制御手段は図2のS7,S10を実行するするとともにS33,S34を実行するECU5に対応し、
請求項4の制御手段は図2のS14を実行するECU5に対応する。
ただしこの発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、このキャニスタに吸着した蒸発燃料をパージ通路を介してエンジン側の吸気通路へパージ(放出)する蒸発燃料処理システムのリークの発生やデバイスの故障等の異常診断装置について有用である。
1…異常診断装置
3…CVV(第2遮断弁)
4…圧力センサ(第1圧力検出手段)
5…ECU
6…パージ弁
7…燃料タンク
8…キャニスタ
9…パージポンプ(ポンプ)
10…蒸発燃料処理システム
11…タンク内圧力センサ(第2圧力検出手段)
13…大気導入通路
14…パージ通路
16…FVV(第1遮断弁)
21…エンジン
23…吸気通路

Claims (5)

  1. 燃料タンクと、該燃料タンク内に発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタとの間に配設される第1遮断弁と、
    前記キャニスタとエンジン側の吸気通路を連通するパージ通路に配設されるパージ弁と、
    前記キャニスタと前記パージ弁の間の圧力を検出する第1圧力検出手段と、
    前記燃料タンクと前記第1遮断弁の間の圧力を検出する第2圧力検出手段と、
    前記燃料タンクと前記パージ弁の間の異常を判定する判定手段とを備え、
    前記判定手段は、
    前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が多い条件下では、前記第1遮断弁を閉状態とし前記第2圧力検出手段による検出圧力に基づいて前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の異常を判定するとともに、さらに前記第1遮断弁を閉状態に維持したまま前記第1遮断弁と前記パージ弁との間を減圧した減圧状態の下でこの間の異常を前記第1圧力検出手段による検出圧力に基づいて判定する構成とした
    蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
  2. 前記判定手段は、
    前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が少ない条件下では、前記第1遮断弁を開くとともに前記燃料タンクと前記パージ弁との間を減圧した減圧状態の下で前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の異常を、前記第2圧力検出手段による検出圧力に基づいて判定するとともに、前記第1遮断弁を閉じて前記第1遮断弁と前記パージ弁との間を減圧した減圧状態の下でこの間の異常を前記第1圧力検出手段による検出圧力に基づいて判定する構成とした
    請求項1に記載の蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
  3. 前記パージ通路に配設されるポンプと、
    前記キャニスタの大気導入通路に配設される第2遮断弁と、
    前記判定手段による減圧状態の下での前記異常判定に際して、前記パージ弁を開き、且つ前記第2遮断弁を閉じた状態で前記ポンプを駆動する制御手段とを備えた
    請求項1又は2に記載の蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が少ない条件下で行う前記第1遮断弁と前記パージ弁との間の前記異常判定時は、前記燃料タンクからの蒸発燃料発生量が少ない条件下で行う前記燃料タンクと前記第1遮断弁との間の前記異常判定時に対して、前記ポンプの吐出圧を高めるものである
    請求項3に記載の蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
  5. 前記蒸発燃料発生量は、前記第2圧力検出手段による検出圧力に基づいて検出するものである
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
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