JP6308265B2 - 蒸発燃料処理システムの異常診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、このキャニスタに吸着した蒸発燃料をパージ通路を介してエンジン側の吸気通路へパージ(放出)する蒸発燃料処理システムにおけるリークの発生やデバイスの故障等の異常診断装置に関する。
従来からエンジンの蒸発燃料処理システムでは、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに一時的に吸着させ、このキャニスタに吸着した蒸発燃料を該キャニスタに備えた大気導入通路から導入した空気によりキャニスタから離脱させてパージ弁で流量制御しながらエンジンの吸気通路へパージすることにより、蒸発燃料が大気中へ放出されるのを防止するようにしている。
蒸発燃料処理システムの通路に穴が開いたり各種弁体等のデバイス等の故障により万一システム内にリーク(漏れ)が発生すると、蒸発燃料が大気中へ放出され、蒸発燃料処理システムの本来の機能を奏することができないため、好ましくない。
そこで、従来から蒸発燃料が大気中へ放出されることを防ぐために蒸発燃料処理システムの異常診断装置が開発されており、その診断精度の向上が求められている。
特許文献1の内燃エンジンの蒸発燃料処理装置は異常診断精度の向上を目的としたものであって、加圧装置の駆動により蒸発燃料排出抑止系が正圧状態に設定されると加圧装置をオフの状態とし、その後の所定時間における蒸発燃料排出抑止系の圧力変動量が蒸発燃料量に基づいて求められた基準値よりも大きいとき、蒸発燃料排出抑止系からリークが発生していると判定するものである。
しかし、特許文献1においては、主に、異常診断を行う際に、蒸発燃料排出抑止系が正圧状態になるように設定した後、加圧装置を基本的にオフにした状態で行われるものであるため、異常診断時には蒸発燃料排出抑止系の配管内等の温度や蒸発燃料の密度等の外乱の影響を受け易くなることが懸念される。
具体的には、蒸発燃料排出抑止系の配管等に万一穴が存在しても、その穴が例えば、φ0.5mm程度の小さい場合には、そのような小さな穴からの蒸発燃料の単位時間当たりのリーク量が僅かであるため、加圧装置がオフの状態ではリークによる圧力低下勾配の特性があらわれ難く、高精度なリーク診断に支障をきたすばかりかリーク診断に時間がかかるおそれがあった。
なお、特許文献1には、加圧装置をオン状態とし、その加圧に要する時間が大きいときや、タンク内圧が設定加圧値まで加圧できないときには、リークが発生していると判断する等、上述した加圧装置がオフ状態の下で行うリーク診断に付随して、加圧装置がオン状態の下で行うリーク診断についても補助的に言及されているが、蒸発燃料排出抑止系配管の穴の発生の有無以外にも穴の大きさ等のリークの程度、或いは弁体や加圧装置等の各種デバイスの故障診断を行うことまで言及されておらず、高精度な診断を達成するには改善の余地があった。
特開平6−346801号公報
そこでこの発明は、異常診断の精度を高めることができるとともに、素早く異常診断することができる蒸発燃料処理システムの異常診断装置の提供を目的とする。
この発明の蒸発燃料処理システムの異常診断装置は、蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタとエンジン側の吸気通路を連通するパージ通路に配設されるパージ弁との間に配設される加圧手段と、前記キャニスタの大気導入通路に配設される遮断弁と、前記加圧手段と前記パージ弁の間の圧力を検出する圧力検出手段と、前記パージ弁を閉じ且つ前記遮断弁を開いた状態で前記加圧手段を駆動して該パージ弁と該遮断弁との間を正圧状態とし、さらに前記遮断弁を閉じた状態で前記加圧手段の駆動を維持する制御手段と、前記加圧手段の駆動継続状態の下で前記圧力検出手段による検出圧力に基づいて前記パージ弁と前記キャニスタとの間の異常を判定する判定手段と、を備えたものである。
上記構成によれば、前記パージ弁と前記キャニスタとの間の異常を、前記加圧手段の駆動継続状態の下で判定することにより、前記パージ弁と前記キャニスタとの間の温度や密度といった外乱の影響を受け難く、正確かつ素早く異常診断をすることができる。
ここで前記パージ弁と前記キャニスタとの間の異常とは、この間の通路(配管)の穴の発生の有無に限らず、穴の大きさ(穴径)、すなわちリーク程度、および弁体や加圧手段等の各種デバイスの故障を含む。
この発明の態様として、前記加圧手段の駆動継続状態の下で前記遮断弁を閉じる前に前記検出圧力が設定圧力まで上昇したとき、前記判定手段は、前記パージ弁が正常に閉じたとする正常閉弁判定を行うものである。
上記構成によれば、パージ弁の診断を前記加圧手段の駆動継続状態の下で行うことでその診断を正確かつ素早く行うことができる。
またこの発明の態様として、前記判定手段は、前記パージ弁の前記正常閉弁判定後に、前記加圧手段の駆動継続状態の下で前記検出圧力の低下勾配に基づいて前記加圧手段と前記パージ弁との間のリークの程度を判定するものである。
上記構成によれば、前記加圧手段の駆動継続状態の下で判定を行うことにより、僅かな穴によるリークでも見逃すことなく正確、かつ素早く異常判定することができる。
またこの発明の態様として、前記加圧手段の駆動継続状態で前記遮断弁を閉じる前に前記検出圧力が設定圧力まで上昇しないとき、前記判定手段は、前記加圧手段の状態に基づいて前記加圧手段の異常を判定するものである。
上記構成によれば、前記加圧手段の駆動継続状態で前記遮断弁を閉じる前に前記検出圧力が設定圧力まで上昇しない場合にはその異常の要因が幾つか想定されるが、前記判定手段は、前記加圧手段の状態に基づいて診断することで、その異常が前記加圧手段自体に起因するものであるか否かを正確に判定(特定)することができる。
ここで前記加圧手段の状態とは、該加圧手段の実施の駆動状態であり、例えば、加圧手段の実回転数或いは消費電流等、加圧手段への指令値(入力値)に対しての加圧手段の実際の仕事量を示す出力値を示す。
またこの発明の態様として、前記制御手段は、前記加圧手段の正常が判定されたとき、前記加圧手段の駆動継続状態の下で前記遮断弁を閉じるものであり、前記判定手段は、その時の前記検出圧力に基づいて前記パージ弁と前記遮蔽弁のいずれが故障しているかを判定するものである。
上記構成によれば、前記判定手段は、前記加圧手段の駆動継続状態の下で判定することで前記パージ弁と前記遮蔽弁のいずれが故障しているかを正確かつ素早く判定することができる。
またこの発明の態様として、前記制御手段は、パージ実行の際に前記パージ弁が開状態で前記加圧手段を駆動するものであり、前記判定手段による異常判定時の方がパージ実行時よりも前記加圧手段の吐出圧を高めるものである。
上記構成によれば、パージ実行時においては、該パージ実行に適した前記加圧手段の吐出圧とすることができつつ、前記判定手段による異常判定時(すなわち異常診断時)においては、その判定精度を高めつつ素早く異常判定することができる。
またこの発明の態様として、エンジンの始動を検出するエンジン始動検出部を設け、前記エンジン始動検出部によるエンジンの始動検出時に、前記パージ弁を閉じた状態で前記判定手段および前記制御手段を実行するものである。
上記構成によれば、エンジンの始動検出時に、前記パージ弁を閉じた状態で前記判定手段および前記制御手段を実行することにより、エンジンの運転準備が行われるパージ実行条件が整う前のタイミングを利用して蒸発燃料処理システムの異常診断を済ませておくことができ、その後、エンジンの運転準備が完了してパージ実行可能になると、パージ弁を開状態としてエンジンの運転に直ぐに移行することができる。
この発明によれば、異常診断の精度を高めることができるとともに、素早く異常診断することができる蒸発燃料処理システムの異常診断装置を提供することができる。
エンジン、および本実施形態の異常診断装置を備えた蒸発燃料処理システムの概略図 蒸発燃料処理システムの異常診断ルーチンを示すフローチャート 本実施形態の異常診断装置の作動状態の推移を示すタイムチャート 本実施形態の異常診断装置の他の作動状態の推移を示すタイムチャート
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図1はエンジン21および蒸発燃料処理システム10の概略を示している。
図1に示すように、車両に搭載され、車両の駆動源として利用されるエンジン21(内燃機関)には、気筒22を有し、該気筒22内には、吸気通路23を介して空気が吸入される。吸気通路23の途中には不図示のアクセルペダルと連動するスロットル弁24が配置されている。気筒22を構成するシリンダブロック28における吸気通路23と気筒22内とを連通する吸気口23aの直下には、気筒22ごとに電磁式の燃料噴射弁25が気筒22内に臨むように設けられている。この燃料噴射弁25は燃料供給管26を介して燃料タンク7に接続されており、燃料供給管26の末端部には燃料タンク7内に設けられた燃料ポンプ27に接続され、該燃料ポンプ27から圧送され、所定の圧力に制御される燃料を気筒22内に噴射供給する。燃料噴射弁25は後述するECU5に電気的に接続され、該ECU5からの信号により燃料噴射の開弁時期が制御される。
また、その他図示省略するがエンジン21には、該エンジン21の回転数を検出する回転数センサ、シリンダブロック28の周壁に設けた不図示のウォータジャケットに収容された冷却水の水温を検出する水温センサ、排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出する空燃比センサ等が設けられている。
さらに車両には、エンジン21の蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理システム10が搭載され、該蒸発燃料処理システム10には、燃料タンク7、キャニスタ8、パージポンプ9、各種バルブおよび各種センサ等を備えている。さらに蒸発燃料処理システム10には、通路(配管)にリークを有する等の異常を診断する異常診断装置1(異常検出装置1)が組み込まれており、異常診断機能を有している。
燃料タンク7は、燃料タンク7内の圧力を検出するタンク内圧力センサ11が設けられている。このタンク内圧力センサ11の検出信号はECU5へ出力される。なお、図1中の符号7aは燃料タンク7の側壁から斜め上に延び、先端の開口を閉塞するフィラキャップ7bを備えた給油管である。燃料タンク7は蒸発燃料導入通路12を介してキャニスタ8に接続されている。
蒸発燃料導入通路12の途中には、フューエルベントバルブ16(以下「FVV16」)という。)が設けられている。FVV16は、閉状態で燃料タンク7内の蒸発燃料が蒸発燃料導入通路12を介してキャニスタ8へ流れるのを遮断し、パージ実行中には通常、開状態に保持される一方でパージ実行前の異常診断中には通常、閉状態に保持される電磁弁であり、ECU5によって制御される。
キャニスタ8には、燃料タンク7内で発生した蒸発燃料を吸着捕集(トラップ)させる活性炭などの吸着材が内蔵され、先端に大気開放口13aを有して外部と連通する大気導入通路13が設けられている。キャニスタ8は、該キャニスタ8内に大気導入通路13を介して導入された空気と、キャニスタ8に吸着された蒸発燃料とを混合してパージ混合気とし、該パージ混合気は後述するパージ通路14へ供給される。
大気導入通路13の途中には、キャニスタベントバルブ3(以下「CVV3」)という。)が設けられている。CVV3は、閉状態で空気が大気導入通路13を介してエンジン21側の吸気通路23へ流れるのを遮断し、FVV16と同様に通常は開状態に保持され、後述する異常診断時の途中から閉弁される電磁弁であり、ECU5によって制御される。
キャニスタ8は、パージ通路14を介して吸気通路23のスロットル弁24の気筒22側(下流側)に接続されており、パージ通路14の途中には、そのキャニスタ8側(上流側)から吸気通路23側(下流側)の順にパージポンプ9、圧力センサ4、パージ弁6が設けられている。
パージポンプ9(加圧ポンプ)は、パージ通路14におけるキャニスタ8とパージ弁4との間に配置され、該パージ弁6のキャニスタ8側の空気を吸気してパージ弁6の側へ吐出する電動ポンプであり、ECU5によって制御される。さらにパージポンプ9は、パージ実行中においてパージ弁6が開状態に作動することにより、パージ実行時にパージ混合気をパージ通路14を介して吸気通路23に供給するパージ用として用いるとともに、後述する異常診断時においてパージ弁6が閉状態に作動することにより、該パージ弁6とパージポンプ9との間を加圧する加圧装置としても兼用する。
また、パージポンプ9には、該パージポンプ9を駆動する不図示の電動モータと、該電動モータの実回転数を検出するホール素子等の回転数センサ15とが内蔵されており、この回転数センサ15の検出信号はECU5へ出力される。
圧力センサ4は、パージ通路14におけるパージポンプ9とパージ弁6との間に設けられ、この間の圧力、すなわちパージポンプ9の吐出圧を検出する。圧力センサ4の検出信号はECU5へ出力される。
パージ弁6は、閉状態でパージ混合気がパージ通路14を介して吸気通路23へ流れるのを遮断し、パージ実行前においては、通常は閉状態に保持されており、パージ実行条件を満たした状態においては、通常は開状態に保持される電磁弁であり、ECU5によって制御される。
ECU5(Electronic Control Unit)は、双方向性バスによって相互に接続した中央処理装置(CPU)、プログラムメモリ(ROM)、データメモリ(RAM)、バックアップメモリ(不揮発性RAM)等から構成されたコントローラである。
ECU5は、各種センサからの信号に基づいて燃料噴射弁25による燃料噴射量を制御することによる空燃比フィードバック制御手段、本実施例における蒸発燃料処理システム10の異常診断手段、パージ弁6を制御することにより蒸発燃料を吸気系にパージするパージ実行手段等を備えている。本実施例においては、これら各種手段の夫々に対応する実行プログラムがプログラムメモリに記憶されており、これら各種手段に対応する処理は、各種実行プログラムに基づいてCPUにより実行される。
上記の異常診断手段は、後述する図2に示す蒸発燃料処理システム10の異常診断ルーチンの各処理に対応し、異常診断時に、上述した各種デバイスの中でもCVV3およびパージ弁6の開閉やパージポンプ9の駆動等を制御する制御手段(制御プログラム)と、パージ弁6とキャニスタ8との間が正常か否かを判定する判定手段(判定プログラム)を備えている。
判定手段は、圧力センサ4の検出圧力に基づいて、パージ弁6とパージポンプ9との間のパージ通路14のリークの発生状態(穴の発生の有無、穴の大きさ等)、並びにCVV3およびパージ弁6の開閉制御(主に閉弁制御)が正常か否かを判定するとともに、パージポンプ9の回転数センサ15に基づいてパージポンプ9の実回転数が正常か否かを判定する。
さらにECU5に備えたプログラムメモリには、上述した実行プログラム以外にもECU5の処理に基づいて、圧力センサ4により検出した検出圧力を時間で微分することにより単位時間当たりの圧力変化量、すなわち圧力勾配を演算する演算プログラム等を備えている。この演算処理は演算プログラムに基づいてCPUにより実行される。
またECU5に備えたデータメモリには、パージポンプ9に内蔵した電動モータの印加電流と回転数との関係を示す特性データが記憶されている。
さらにECU5に備えたデータメモリには、パージポンプ9の基準吐出圧、パージ通路14からの空気リーク時の基準圧力勾配等の閾値パラメータが記憶されている。
基準圧力勾配は、パージ通路14におけるリークの発生の有無の判定に用いる第1基準圧力勾配(基準ΔP/Δt)の閾値パラメータと、リークが発生している場合にそのリークの程度の判定に用いる第2基準圧力勾配(基準ΔP’/Δt’)の閾値パラメータとの2種類を備え、これら基準圧力勾配は、いずれも低下勾配であり、第2基準圧力勾配は、第1基準圧力勾配よりも急峻に低下する圧力勾配に設定している。
ここで本実施形態では、上記のECU5、パージポンプ9、CVV3およびパージ弁6等が異常診断装置1を構成している。
また図1に示すように、車両には、運転者が鍵を不図示の鍵シリンダーに差し込んで鍵を回転させるなどの動作を行うことにより、不図示のイグニッションスイッチが「オン」の位置とされたことを検出するエンジン始動検出部30を備えており、エンジン始動検出部30の検出信号はECU5へ出力される。ECU5は、この検出信号に基づいて車両の始動が開始されたと判断する。
上記のECU5による蒸発燃料処理システム10の異常診断ルーチンを図2のフローチャートおよび図3、図4のタイムチャートを参照しながら説明する。
図2は本実施形態の異常診断ルーチンを示すフローチャートであり、図3、図4は、いずれも異常診断装置1に備えた各種デバイスの作動状態、検出信号の推移を示すタイムチャートであって、図3は図2中の主にステップ1〜12に対応する各処理に対応するタイムチャートであり、図4は図2中の主にステップ1,2,13〜20に対応する各処理に対応するタイムチャートである。
また、蒸発燃料処理システム10の異常診断開始時には、パージポンプ9がオフ状態、パージ弁6が閉状態、CVV3が開状態およびFVV16が閉状態であるものとする。さらにまた図3、図4中のP0は大気圧を示す。
まずステップ1(S1と略記する場合もあるとする。以下同様)では、イグニッションスイッチがオンにされ、エンジン始動検出部30によりエンジン21の始動が検出されると、エンジン21側では、ECU5の制御に基づいて、空燃比が理論空燃比(14.7)になる、燃料噴射弁25のアイドリングやエンジン21の回転数が安定する、およびウォータジャケットの水温が所定温度まで温まる等のパージ実行条件を満足するための処理が行われる。
このエンジン側の処理と並行してECU5は、蒸発燃料処理システム10の異常診断のルーチンを実行する。すなわち、この蒸発燃料処理システム10の異常診断のルーチンは、エンジン21側でパージ実行条件を満たしていなくても、イグニッションスイッチがオンにされ、エンジン21が始動したことをエンジン始動検出部30により検出した信号に基づいて実行される。
具体的に、ECU5は、パージ弁6を閉じかつCVV3を開いた状態でパージポンプ9を所定回転数で始動させる(S1)。本実施形態ではパージポンプ9の吐出圧を例えば、5kpaに設定している。ここでCVV3は、通常開状態であるため、パージポンプ9を駆動することで大気導入通路13を介して空気が導入され、さらにパージ弁6はパージ実行前においては閉状態であるため、パージポンプ9を駆動することでパージ弁6とCVV3との間は、大気圧の状態から正圧状態に加圧される。
そして、ステップ2では、ECU5は、圧力センサ4の検出圧力に基づいてパージポンプ9の吐出圧(PumpP)が基準吐出圧(図3中のP1参照)以上か否かを判定する。具体的には、パージ弁6が正常に閉弁されているならば、パージポンプ9の駆動によってパージポンプ9と、該パージポンプ9よりも上流側に位置するパージ弁6との間のパージ通路14は、加圧されるはずであるため(図3参照)、圧力センサ4により検出された検出圧力(吐出圧(PumpP))が基準吐出圧に達した場合には(S2:Yes)、ECU5は、この間が適切に昇圧されたとしてパージ弁6が正常に閉じたとする正常閉弁判定をする(S3)。なお本実施形態では、基準吐出圧を4kpa〜5kpaに設定している。
一方、図2、図4に示すように、圧力センサ4により検出された吐出圧が基準吐出圧よりも小さい場合には(S2:No)、ECU5は、後述するステップ13以降の処理を実行する。
続くステップ4以降の処理では、パージポンプ9とパージ弁6との間のパージ通路14のリークの発生状態の診断を行う。
具体的には、まずステップ4では、ECU5はCVV3を閉弁することで蒸発燃料処理システム10内を密閉する(図3参照)。これにより、パージポンプ9の駆動は継続しているが、該パージポンプ9の駆動によって該パージポンプ9の上流側(吐出側)を加圧するために必要な空気がパージポンプ9の下流側(吸入側)から導入されない状態となる。
この状態でステップ5では、ECU5は、このようなパージポンプ9の駆動継続状態の下で圧力センサ4の検出圧力の低下勾配に基づいてパージポンプ9とパージ弁6との間のリークの程度を判定する。具体的には、ECU5は、圧力センサ4により検出した検出圧力に基づいて検出圧力勾配を算出し、ステップ1において吐出圧が少なくとも基準吐出圧になるまで昇圧した時の回転数と同じ回転数を維持した状態の下で、この検出圧力勾配と第1基準圧力勾配データとの互いの絶対値(大きさ)を比較する。その結果、検出圧力勾配が、例えば0である(すなわちフラットな勾配となり5kpaを維持する)等して、第1基準圧力勾配(基準ΔP/Δt)よりも大きさが小さい場合(S5:Yes)、穴が無い等リークが存在せず加圧状態を維持できていると判断されるため(図3参照)、ECU5はパージ弁6とパージポンプ9との間のパージ通路14には穴が無いと判定する(S6)。
一方、第1基準圧力勾配データと比較して該、第1基準圧力勾配の絶対値が大きい場合(S5:No)、ECU5は、後述するステップ10以降の処理を実行する。
上述したステップ1〜6のルートを辿る判定結果の場合には、パージ弁6とパージポンプ9との間のパージ通路14のリークや、パージ弁6、CVV3及びパージポンプ9の故障がなく正常であるとの診断結果が得られるため、続くステップ7では、ECU5は、エンジン21側のパージ実行条件が整い次第、パージ実行が可能であると判定する(S7:Yes)。
一方、ECU5は、例えば、エンジン21側のパージ実行条件が満足するまで所定時間の間待機するが、所定時間を経過後には、ドライバがイグニションスイッチをオフにしてエンジン21の運転を停止する等何らかの理由によりパージ実行不可能(不要)と判断した場合には(S7:No)、パージポンプ9の駆動を停止して(S20)診断を終了する。
ここで、パージポンプ9は、診断時にパージポンプ9からパージ弁6の間のパージ通路14の加圧用としてのみならずパージ用としても用いるため、続くステップ8では、ECU5は、パージを実行するに際してパージポンプ9の駆動を継続する。但し、ステップ8ではECU5は、パージに適した吐出圧にするためにパージ実行時の方が異常診断時よりもパージポンプ9の吐出圧を下げる(図2、図3のS8参照)。(換言すると、診断時の方がパージ実行時よりもパージポンプ9の吐出圧を高めている。)ここで本実施形態ではパージポンプ9の吐出圧を異常診断時の5kpaからパージ時には3kpaに下げる。
このように本実施形態においては、パージポンプ9の吐出圧をパージに適した吐出圧に下げたが、パージポンプ9の駆動を継続することでパージ実行に際してパージ通路14内を改めて昇圧し直す必要がなく、既に昇圧した圧力を利用して吸気したパージ混合気を吸気通路23へ圧送することができる。
続くステップ9では、ECU5はパージ弁6を開状態とし、パージポンプ9の駆動継続により、パージ混合気をパージ通路14を介して吸気通路23に供給し、パージ制御に移行する(図2、図3のS9参照)。
なお、上述した診断の中でパージに用いるパージポンプ9の診断を済ませているため、該パージポンプ9の駆動によって確実にパージ混合気をパージすることができる。
ここで図示省略するが、ステップ9においてECU5は、パージ弁6の開弁を利用して、CVV3が正常に閉弁するか否かの診断を行うことができる。
具体的には、上記のステップ4おいてCVV3が適切に閉状態されていた場合には、ステップ9においてパージ弁6を開状態としたとき、パージポンプ9の駆動によってパージ通路14の空気が吸気通路23の側へパージされることに伴って圧力センサ4の検出圧力(パージポンプ9の吐出圧)がパージ弁6を開く前よりも低下するはずである。そこでECU5は、パージ弁6を開状態としたとき、圧力センサ4の検出圧力がパージ弁6を開く前よりも低下した場合には(図3中のPa参照)、CVV3の正常閉弁判定を行うことができる。これに対して、ECU5は、パージ弁6を開状態としたとき、圧力センサ4の検出圧力がパージ弁6を開く前と同じである場合には(図3中のPb参照)、CVV3の閉弁異常判定を行うことができる。
このように、エンジン21は始動しているがエンジン21側でパージ実行条件を満たすための運転準備の処理をしている間に蒸発燃料処理システム10の異常診断を済ませておくことができるため、異常診断のためにパージ実行条件が整ったタイミングを逃してしまうことなく、パージ実行条件が整うと直ぐにパージを実行することができる。
またECU5は、ステップ1において吐出圧が少なくとも基準吐出圧になるまで昇圧する時の回転数と同じ回転数を維持しているにも関わらず、上述したステップ5において検出圧力勾配が第1基準圧力勾配(基準ΔP/Δt)よりも絶対値が大きい場合、すなわち圧力降下の度合いが大きい場合には(S5:No)、さらに検出圧力勾配と第2基準圧力勾配(基準ΔP’/Δt’)との互いの絶対値を比較する(S10)。
その結果、図2、図3に示すように、検出圧力勾配が、第2基準圧力勾配よりも絶対値が小さい場合(S10:Yes)、ECU5は、パージ弁6とパージポンプ9との間のパージ通路14(パージ配管)にφ0.02inch(φ0.5mm)相当の穴が有ると判定する(S11)。
一方、圧力勾配が第2基準圧力勾配よりも絶対値が大きい場合(S10:No)、第2基準圧力勾配よりも(換言するとφ0.02inch相当の穴が有るときよりも)急峻な圧力低下勾配となることから(図3参照)パージ弁6とパージポンプ9との間のパージ通路14(パージ配管)にφ0.04inch(φ1.0mm)相当の穴が有ると判定する(S12)。
また、上述したステップ2において、圧力センサ4により検出された検出圧力(吐出圧)が基準吐出圧よりも小さい場合には(S2:No)、その原因としてパージポンプ9が正常でない、パージ弁6が正常閉弁していない、或いはCVV3が正常開弁していないという3つの要因のうち少なくとも1つが起因していると考えられる。
そこで図2、図4に示すように、まずステップ13では、ECU5は、CVV3を開状態、且つパージ弁6を閉状態に維持しつつ、パージポンプ9の駆動を継続しているにも関わらず、検出圧力が基準圧力まで上昇しないとき(S2:No)、パージポンプ9の実際の駆動状態を示す回転数に基づいてパージポンプ9の異常を判定する。
本実施形態においては、ECU5は、パージポンプ9に内蔵された回転数センサ15によって検出された電動モータの実回転数が、電動モータの指令回転数の範囲に含まれる否かに基づいてパージポンプ9の異常を判定する。
ここで電動モータの指令回転数は、パージポンプ9に備えた電動モータの特性データに基づいて定まる印加電流に対応する回転数(指令値)であり、この電動モータの指令回転数の範囲は、この指示回転数に誤差を考慮して適宜設定される。
具体的には、ステップ13においてECU5は、パージポンプ9に備えた電動モータの実回転数(図4のRr参照)が電動モータへの指示回転数(図4のRd参照)に達している等指示回転数の範囲に含まれる場合には(S13:Yes)、パージポンプ9の正常判定を行う(S14)。
一方、ステップ13においてECU5は、パージポンプ9に備えた電動モータの実回転数が電動モータへの指示回転数に達していない等指示回転数の範囲に含まれない場合には(S13:No)、パージポンプ9の故障(異常)判定を行う(S19)。
なお、本実施例においては、パージポンプ9を駆動する電動モータの印加電圧(指令値)に対する実際の仕事量を示す実回転数に基づいてパージポンプ9の故障診断を行ったが、このように実回転数を検出する回転数センサ15を採用するに限らず、例えば、電動モータの印加電圧に対して電動モータの消費電流を検出する電流センサを採用する等、パージポンプ9の他の出力信号を検出するセンサを採用してもよい。
例えば、電流センサを採用した実施形態においては、図示省略するが上述したステップ13において、所定の回転数で回転させるための印加電圧に対応する指示電流値の範囲に、電流センサにより検出した実際の消費電流が含まれない場合には(S13:No)、パージポンプ9が本来の仕事をしていないことになるため、ECU5はパージポンプ9が故障していると判定できる(S19)。
続くステップ15では、ECU5は、CVV3の閉弁制御を開始し、パージポンプ9の駆動継続状態の下で開状態であったCVV3を閉状態とする。
ステップ16では、ECU5は、パージポンプ9を駆動継続状態としつつCVV3が閉状態の下で、圧力センサ4による検出圧力(パージポンプ9の吐出圧)に基づいてパージ弁6とCVV3とのいずれが故障しているかを判定する。
具体的には、仮にCVV3が正常に閉弁されている場合には、パージポンプ9CVV3との間のパージ通路14には、この間に有するパージ混合気がパージポンプ9によって吸気され下流側へ吐出されるに応じて減少していき、これに伴ってパージポンプ9の吐出圧も低下していくはずである。このため、図4に示すように、吐出圧が所定圧まで低下した場合には(S16:Yes)、ECU5は、パージ弁6のシール等の不良のためパージ弁6からリークがあるとしてパージ弁6の閉弁不良判定を行う(S17)。
一方、同図に示すように、吐出圧が一定圧を維持する等所定圧まで低下しない場合には(S16:No)、ECU5は、大気導入通路13から導入された空気がパージ通路14へ供給されないようにCVV3によって遮断されていないことになるため、CVV3の閉弁不良判定を行う(S18)。
上述したステップ17,18,19において異常判定(不良判定、故障判定)した後は、いずれの場合もパージ制御に移行せずに図4に示すように、パージポンプ9をオフ状態として(S20)、この異常診断ルーチンを終了する。なお、図示省略するが、上述した異常診断時には、ダッシュボード等に異常を示すランプを点灯させたり、音声を発する等してドライバに異常を知らせるように構成してもよい。
上述した本実施形態の蒸発燃料処理システム10の異常診断装置1は、蒸発燃料を吸着するキャニスタ8と、該キャニスタ8とエンジン21側の吸気通路23を連通するパージ通路14に配設されるパージ弁6との間に配設されるパージポンプ9(加圧手段)と、キャニスタ8の大気導入通路13に配設されるCVV3(遮断弁)と、パージポンプ9とパージ弁6の間の圧力を検出する圧力センサ4(圧力検出手段)と、パージ弁6を閉じ且つCVV3を開いた状態でパージポンプ9を駆動して(図2のS1)該パージ弁6と該CVV3との間を正圧状態とし、さらにCVV3を閉じた状態で(図2のS4又はS15)パージポンプ9の駆動を維持する制御プログラム(制御手段)および、パージポンプ9の駆動継続状態の下で圧力センサ44による検出圧力に基づいてパージ弁6とキャニスタ8との間の異常を判定する(図2のS5,S10又はS16)判定プログラムを実行するECU5(判定手段)と、を備えたものである(図1〜図3参照)。
すなわち、本実施形態においては、上述したパージ弁6とキャニスタ8との間の異常判定として、パージポンプ9とパージ弁6との間のパージ通路14(パージポンプ9よりも下流側配管)のリーク状態(リーク発生の有無、リーク有りの場合はその穴の大きさ)の診断に加えて、適宜パージ弁6、パージポンプ9、CVV3の故障診断を行うものである。
上記構成によれば、パージ弁6とキャニスタ8との間の異常を、パージポンプ9の駆動継続状態の下で判定することにより、パージ弁6とキャニスタ8との間の温度や密度といった外乱の影響を受け難く、正確かつ素早く異常診断をすることができる。
詳しくは例えば、従来のように、異常診断前にパージポンプ9よりも上流側、すなわちパージポンプ9とパージ弁6との間を加圧しておき、異常診断時にパージポンプ9の駆動を停止した状態としてその間の圧力を圧力センサ44により検出し、その検出圧力に基づいてこの間のリークを判定する場合には、パージポンプ9とパージ弁6との間の圧力が温度や密度といった外乱の影響を受け易くなるため、この間のリークを正確に判定することができないことが懸念される。
これに対して本実施形態によれば、判定プログラムを実行するECU5(判定手段)は、パージ弁6およびCVV3を閉じた状態でパージポンプ9の駆動継続状態の下で圧力センサ44による検出圧力に基づいてパージポンプ9とパージ弁6との間のパージ通路14を含めたパージ弁6とキャニスタ8との間の異常を判定することにより、パージ弁6とキャニスタ8との間の圧力が温度や密度といった外乱の影響を受け難い状況下での異常の判定が可能となり、正確かつ素早く異常診断をすることができる。
より詳しくは、パージポンプ9とパージ弁6との間のパージ通路14の異常診断時にリーク等が無ければしっかりとその間を加圧状態に維持できる一方で、例えば、穴が存在する場合には、加圧状態の下で検出した検出圧力はその穴の大きさに応じた顕著な低下勾配特性を示すため、穴の有無や穴の大きさの程度に応じて検出圧力の違いが明確となり易い。
さらに例えば、キャニスタ8に備えたCVV3の開閉診断時には、パージ弁6とキャニスタ8との間に備えたパージポンプ9を駆動状態の下で行うことで、パージポンプ9よりも上流側に有するCVV3が閉じているか否かによって、パージポンプ9よりも下流側に有する圧力センサ4により検出したパージポンプ9の吐出圧(PumpP)の値に違いが生じ易くなる。
すなわち、パージポンプ9の駆動を継続して該パージポンプ9とパージ弁6との間の加圧状態を保持することにより、パージポンプ9よりも下流側に相当するこの間に備えた圧力センサ4の検出圧力に基づいて、パージポンプ9よりも上流側に有するCVV3の異常判定を正確かつ素早く行うことができる。
従って、パージポンプ9の上流側だけでなく下流側を含めたパージ弁6とキャニスタ8との間の異常診断を正確かつ素早く行うことができる。
この発明の態様として、パージポンプ9の駆動継続状態の下でCVV3を閉じる前に検出圧力(PumpP)が設定圧力としての基準吐出圧(図3のP1参照)まで上昇したとき、判定プログラムを実行するECU5(判定手段)は、パージ弁6が正常に閉じたとする正常閉弁判定を行う(S2:Yes)ものである(図2、図3参照)。
上記構成によれば、パージ弁6の診断をパージポンプ9の駆動継続状態の下で行うことでその診断を正確かつ素早く行うことができる。
しかもパージ弁6の診断を、パージポンプ9の駆動継続状態の下で行うことでこの診断後には、パージポンプ9とパージ弁6との間を加圧状態とすることができる。ここで、このパージ弁6の診断後に行われるパージポンプ9とパージ弁6との間の診断(図2のS5,S10)では、この間を加圧した状態で行われるため、これら診断を行うに際して改めてパージポンプ9を駆動してこの間を大気圧の状態から加圧する必要がなく次の診断をスムーズに行うことができる。
またこの発明の態様として、判定プログラムを実行するECU5(判定手段)は、パージ弁6の正常閉弁判定(図2のS3)の後に、パージポンプ9の駆動継続状態の下で検出圧力の低下勾配に基づいてパージポンプ9とパージ弁6との間のリークの程度を判定する(図2のS5,S10)ものである(図2、図3参照)。
上記構成によれば、パージポンプ9とパージ弁6との間のリークの程度の判定を、パージポンプ9の駆動継続状態の下で行うことにより、パージポンプ9とパージ弁6との間をしっかりと加圧状態として、たとえこの間に僅かな穴が存在しても、急峻な低下勾配特性を得ることができるため、この間に僅かな穴によるリークが存在しても見逃すことなく正確、かつ素早く異常判定することができる。
またこの発明の態様として、パージポンプ9の駆動継続状態でCVV3を閉じる(図2のS15)前に検出圧力(PumpP)が設定圧力としての基準吐出圧(図3のP1参照)まで上昇しないとき(図2のS2:No)、判定プログラムを実行するECU5(判定手段)は、パージポンプ9の状態としての実回転数に基づいてパージポンプ9の異常を判定する(図2のS13)ものである(図2、図4参照)。
上記構成によれば、パージポンプ9の駆動継続状態でCVV3を閉じる前に検出圧力が設定圧力まで上昇しないとき、その異常の要因として、パージポンプ9の回転が正常ではない以外にもパージ弁6が閉状態ではない、或いは、CVV3が意に反して閉じていることが想定されるが、パージポンプ9への指示値に対する出力値をダイレクトに示す実回転数や消費電流等のパージポンプ9の状態に基づいてパージポンプ9を診断することで、他の要因を排除してその異常がパージポンプ9自体に起因するものであるか否かを正確に特定することができる。
またこの発明の態様として、制御プログラムを実行するECU5(制御手段)は、パージポンプ9の正常が判定されたとき(図2のS14)、パージポンプ9の駆動継続状態の下でCVV3を閉じるものであり(図2のS15)、判定プログラムを実行するECU5(判定手段)は、その時の検出圧力に基づいてパージ弁6とCVV3のいずれが故障しているかを判定する(図2のS16〜S18)ものである(図2、図4参照)。
上記構成によれば、ECU5は、パージポンプ9の駆動継続状態の下で判定することでパージ弁6とCVV3のいずれが故障しているかを正確かつ素早く判定することができる。これにより、パージポンプ9の駆動継続状態でCVV3を閉じる前に検出圧力が設定圧力まで上昇しないという異常が生じた場合(図2のS2:No)であって、その異常がパージポンプ9自体に起因するものでない場合(図2のS13:Yes)においても、その異常がパージ弁6とCVV3のいずれが故障していることに起因することまで具体的に判定(特定)することができる。
またこの発明の態様として、制御プログラムを実行するECU5(制御手段)は、パージを実行する際すなわち、ECU5がエンジン21側がパージ実行条件を満たしたことを検知したとき、パージポンプ9の駆動継続状態でパージを実行すべくパージ弁6を開状態とするものであり(図2のS9)、パージ実行条件を満たす前の方(ECU5による異常判定処理時(S5)の方)がパージ実行時よりもパージポンプ9の吐出圧を高める(図2のS8)ものである(図2、図3参照)。
上記構成によれば、パージ実行時においては、ECU5による判定時(すなわち異常診断時)よりもパージポンプ9の吐出圧を例えば、3kpaに設定する等低くしてパージ実行に適したパージポンプ9の吐出圧とすることができつつ、ECU5による判定時においては、パージ実行時よりもパージポンプ9の吐出圧を例えば、5kpaに設定する等高くすることで、パージポンプ9とパージ弁6との間を十分な加圧状態とすることができ、このような十分な加圧状態の下でリーク判定することができるため、リーク判定の精度を高めつつ素早くリーク判定することができる。
さらに上記構成によれば、パージポンプ9を、パージ弁6が開状態において駆動することにより、そのパージポンプ9をパージ実行の際にパージ用のポンプとして用いることができるため、蒸発燃料処理システム10のリーク診断用ポンプとしてだけでなくパージ用ポンプとしても兼用することができる。
また、このように、パージポンプ9をパージ用ポンプとして用いることで、従来のように、吸気通路23を負圧にするに伴ってエンジン21の気筒22内のピストン29(図1参照)が往復運動する際のエネルギ消費量が高まることを抑制しつつ、パージ通路14を負圧にせずとも該吸気通路23の側へパージ混合気をパージすることが可能となる。
詳述すると、従来は、スロットル弁24の絞りを調節する等して吸気通路23を負圧にすることに伴ってパージ通路14を負圧にし、この負圧を利用することでパージ混合気を吸気通路23の側へパージしていた。しかしこのように、吸気通路23を積極的に負圧にすると、負圧状態の下でピストン29が往復運動することになるため、該ピストン29の往復運動の際のエネルギ消費量が高まるおそれがあった。これに対して本実施形態では、パージ通路14を負圧にせずとも吸気通路23の側へパージすることが可能となる。
またこの発明の態様として、エンジン21の始動を検出するエンジン始動検出部30を設け、エンジン始動検出部30によるエンジン21の始動検出時に、パージ弁6を閉じた状態で判定プログラムおよび制御プログラムを実行するECU5(判定手段および制御手段)を備えたものである(図2のS1,S2参照)。
上記構成によれば、ECU5は、エンジン21の始動検出時に、パージ弁6を閉じた状態で判定プログラムおよび制御プログラムを実行することにより、エンジン21の運転準備が行われるエンジン21の始動時のタイミングを利用して蒸発燃料処理システム10の異常診断を済ませておくことができる。そして異常診断が完了し、その結果が正常であれば、エンジン21の運転準備が完了してパージ実行可能になるとパージ弁6を開状態としてエンジン21の運転に直ぐに移行することができる。
従って、エンジン21の始動時におけるエンジン21の運転準備が完了したとき、パージ実行が可能であるにも関わらず、リーク判定を実行するためにパージ実行が制限される事態を防ぐことができるため、エンジン21の運転準備が整ったベストなタイミングを逃すことなく、リーク判定からパージ実行へとスムーズに移行することができる。
すなわち、上述した蒸発燃料処理システム10の異常診断は、例えば、車両が赤信号等で一時停止している間においても実行可能であるが、エンジン21が始動してからパージ実行条件が整うまでの間のタイミングに行うことで、エンジン21側のパージ実行条件を満足するための処理と並行して行うことができるため特に有効である。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明の加圧手段は、本実施例のパージポンプ92に対応し、以下同様に、
遮断弁はCVV33に対応し、
圧力検出手段は圧力センサ44に対応し、
制御手段は、制御プログラムを実行するECU5に対応し、
判定手段は判定プログラムを実行するECU5に対応し、
請求項2の設定圧力は基準吐出圧に対応する。
この発明の制御手段についてより詳しくは、
請求項1の制御手段は図2のS1,S4,S15を実行するECU5に対応し、
請求項5の制御手段は図2のS15を実行するECU5に対応し、
請求項6の制御手段は図2のS8を実行するECU5に対応する。
またこの発明の判定手段についてより詳しくは、
請求項1の判定手段は図2のS5,S10,S16を実行するECU5に対応し、
請求項2の判定手段は図2のS2を実行するECU5に対応し、
請求項3の判定手段は図2のS5,S10を実行するECU5に対応し、
請求項4の判定手段は図2のS13を実行するECU5に対応し、
請求項5の判定手段は図2のS16を実行するECU5に対応する。
ただしこの発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、このキャニスタに吸着した蒸発燃料をパージ通路を介してエンジン側の吸気通路へパージ(放出)する蒸発燃料処理システムのリークの発生やデバイスの故障等の異常診断装置について有用である。
1…蒸発燃料処理システムの異常診断装置
2…パージポンプ(加圧手段)
3…CVV(遮断弁)
4…圧力センサ(圧力検出手段)
5…ECU(制御手段、判定手段)
6…パージ弁
8…キャニスタ
13…大気導入通路
14…パージ通路
21…エンジン
23…吸気通路
30…エンジン始動検出部

Claims (7)

  1. 蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタとエンジン側の吸気通路を連通するパージ通路に配設されるパージ弁との間に配設される加圧手段と、
    前記キャニスタの大気導入通路に配設される遮断弁と、
    前記加圧手段と前記パージ弁の間の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記パージ弁を閉じ且つ前記遮断弁を開いた状態で前記加圧手段を駆動して該パージ弁と該遮断弁との間を正圧状態とし、さらに前記遮断弁を閉じた状態で前記加圧手段の駆動を維持する制御手段と、
    前記加圧手段の駆動継続状態の下で前記圧力検出手段による検出圧力に基づいて前記パージ弁と前記キャニスタとの間の異常を判定する判定手段と、を備えた
    蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
  2. 前記加圧手段の駆動継続状態の下で前記遮断弁を閉じる前に前記検出圧力が設定圧力まで上昇したとき、前記判定手段は、前記パージ弁が正常に閉じたとする正常閉弁判定を行うものである
    請求項1に記載の蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
  3. 前記判定手段は、前記パージ弁の前記正常閉弁判定後に、前記加圧手段の駆動継続状態の下で前記検出圧力の低下勾配に基づいて前記加圧手段と前記パージ弁との間のリークの程度を判定するものである
    請求項2に記載の蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
  4. 前記加圧手段の駆動継続状態で前記遮断弁を閉じる前に前記検出圧力が設定圧力まで上昇しないとき、前記判定手段は、前記加圧手段の状態に基づいて前記加圧手段の異常を判定するものである
    請求項1に記載の蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
  5. 前記制御手段は、前記加圧手段の正常が判定されたとき、前記加圧手段の駆動継続状態の下で前記遮断弁を閉じるものであり、前記判定手段は、その時の前記検出圧力に基づいて前記パージ弁と前記遮蔽弁のいずれが故障しているかを判定するものである
    請求項4に記載の蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
  6. 前記制御手段は、パージ実行の際に前記パージ弁が開状態で前記加圧手段を駆動するものであり、前記判定手段による異常判定時の方がパージ実行時よりも前記加圧手段の吐出圧を高めるものである
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
  7. エンジンの始動を検出するエンジン始動検出部を設け、
    前記エンジン始動検出部によるエンジンの始動検出時に、前記パージ弁を閉じた状態で前記判定手段および前記制御手段を実行する
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の蒸発燃料処理システムの異常診断装置。
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