JP2005098125A - 空気供給装置の診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蒸発燃料処理装置における燃料蒸気管路のリーク診断に用いるエアポンプ及びチェックバルブの機能診断を行う。
【解決手段】 電磁式チェックバルブを閉じた状態でエアポンプを駆動し、そのときのポンプ駆動電流が下限値よりも小さいか又は上限値よりも大きいときに、エアポンプの異常を判定する。一方、前記ポンプ駆動電流が正常であるときには、電磁式チェックバルブを開制御し、該開制御に伴ってポンプ駆動電流が低下せず、燃料蒸気管路内の圧力も変化しない場合には、チェックバルブの固着異常を判定する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、閉鎖空間内への空気の供給又は前記閉鎖空間からの空気の吸出しを行って、前記閉鎖空間内を加圧又は減圧する空気供給装置の診断装置に関し、詳しくは、内燃機関の蒸発燃料処理装置における燃料蒸気管路のリーク診断に好適な空気供給装置において、エアポンプ(空気供給手段)やチェックバルブの異常を診断する技術に関する。
従来から、内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクにて発生する燃料蒸気を捕集して処理する蒸発燃料処理装置において、燃料蒸気管路におけるリークの有無を診断する装置として、特許文献1に開示されるようなものがあった。
このものは、燃料蒸気管路をバルブで閉鎖し、該閉鎖空間内にエアポンプで空気を供給して加圧したときのエアポンプの駆動負荷に基づいて、燃料蒸気管路におけるリークの有無を診断する構成である。
特開2003−013810号公報
ところで、前記リーク診断に用いるエアポンプや、該エアポンプによる加圧経路に介装されるチェックバルブなどに異常が生じると、正しいリーク診断が行えなくなるため、エアポンプやチェックバルブなどの機能診断を行うことが望まれる。
しかし、リーク診断のために加圧している最中にエアポンプ等の機能診断を行おうとしても、フィラーキャップの閉じ忘れ,大きなリーク穴,診断空間を閉鎖するバルブなどの異常と、エアポンプやチェックバルブの異常とをと切り分けることが困難で、エアポンプやチェックバルブの機能診断を精度良く行わせることができないという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、エアポンプ(空気供給手段)やチェックバルブの機能診断を精度良く行える診断装置を提供することを目的とする。
そのため請求項1記載の発明では、閉鎖空間内を加減圧する空気供給手段と、該空気供給手段と前記閉鎖空間との間に介装されるチェックバルブとを備えた空気供給装置において、前記チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつ前記チェックバルブの開弁圧未満の空気供給を行ったときの前記空気供給手段の駆動負荷を検出し、該駆動負荷に基づいて前記空気供給手段の異常診断を行う構成とした。
かかる構成によると、チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつ開弁圧未満の空気供給を行えば、チェックバルブは閉状態に保持されることになるから、このときの空気供給手段(例えばエアポンプ)に基づいて空気供給手段の異常が推定される。
従って、閉鎖空間の異常に影響されることなく、空気供給手段の異常を診断できると共に、例えば異常に大きな駆動負荷を示す場合には、チェックバルブの異常とは無関係に空気供給手段の異常を診断できる。
請求項2記載の発明では、前記チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつチェックバルブの開弁圧未満の空気供給を行ったときの前記空気供給手段と前記チェックバルブとの間の圧力を検出し、該圧力に基づいて前記空気供給手段及び/又は前記チェックバルブの異常診断を行う構成とした。
かかる構成によると、チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつ開弁圧未満の空気供給を行えば、チェックバルブは閉状態に保持され、チェックバルブと空気供給手段との間が加圧又は減圧されることになり、このときのチェックバルブと空気供給手段との間の圧力から空気供給手段及び/又はチェックバルブの異常が推定される。
従って、空気供給の異常及び/又はチェックバルブの漏れにより所期の圧力変化が得られない状態を、精度良く診断させることができる。
請求項3記載の発明では、前記チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつ前記チェックバルブの開弁圧未満の空気供給を行ったときの前記閉鎖空間内の圧力を検出し、該圧力の変化と前記空気供給手段の駆動状態との相関に基づいて前記チェックバルブの異常診断を行う構成とした。
かかる構成によると、チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつ開弁圧未満の空気供給を行えば、チェックバルブは閉状態に保持されるから、チェックバルブが正常であれば、閉鎖空間内の圧力が空気供給手段の駆動状態と連動して変化することはなく、連動する変化が認められれば、チェックバルブの異常を推定できる。
従って、チェックバルブの漏れ・閉じない異常を精度良く診断することができる。
請求項4記載の発明では、任意に開閉可能なチェックバルブを閉じた状態で前記チェックバルブの通気方向と順方向に空気供給を行っている状態から前記チェックバルブを開いたとき、又は、前記チェックバルブを開いた状態で前記チェックバルブの通気方向と順方向に空気供給を行っている状態から前記チェックバルブを閉じたときの、前記空気供給手段の駆動負荷又は前記閉鎖空間内の圧力の変化に基づいて、前記チェックバルブの異常診断を行う構成とした。
かかる構成によると、任意に開閉可能なチェックバルブの通気方向と順方向に空気供給を行っているときに、前記チェックバルブの開閉状態を切り替えれば、前記空気供給手段の駆動負荷又は前記閉鎖空間内の圧力が変化することになるから、実際にチェックバルブの開閉状態が切り替わったか否かを前記駆動負荷又は圧力の変化に基づいて判断できる。
従って、チェックバルブが開閉制御に対して切り替わらない固着異常を精度良く診断できる。
請求項5記載の発明では、前記チェックバルブが、前記空気供給手段の最大発生圧力又はそれ以上の閉弁付勢力を有すると共に、前記閉弁付勢力に抗する開弁駆動力を発生するアクチュエータを有する構成とした。
かかる構成によると、アクチュエータによる開弁駆動力を発生させない限り前記チェックバルブは開弁しないから、空気供給手段を順方向に最大に駆動しても開弁圧未満の空気供給となり、また、アクチュエータによる開弁駆動力の発生を制御することで任意に開閉させることができる。
従って、ポンプを通常に駆動しても、開弁駆動力を発生させない限りチェックバルブを閉状態に保持できるから、開弁圧未満の空気供給を容易に行わせることができ、また、診断時に空気供給手段により大きく加圧又は減圧させることができるから、診断の精度を向上させることができる。
図1は、本発明に係る空気供給装置が適用される内燃機関のシステム構成図である。
この図1において、内燃機関1は、図示省略した車両に搭載されるガソリン機関である。
前記内燃機関1の吸気系には、スロットル弁2が設けられていて、これにより機関1の吸入空気量が制御される。
また、スロットル弁2下流の吸気管3のマニホールド部には、気筒毎に電磁式の燃料噴射弁4が設けられている。
前記燃料噴射弁4は、マイクロコンピュータを内蔵するコントロールユニット20から、機関回転に同期して出力される噴射パルス信号により開弁して燃料噴射を行い、噴射された燃料は機関1の燃焼室内で燃焼する。
また、内燃機関1には、蒸発燃料処理装置が設けられている。
前記蒸発燃料処理装置は、燃料タンク5において発生した蒸発燃料を、蒸発燃料導入通路6を介してキャニスタ7に吸着捕集させ、該キャニスタ7に吸着捕集された蒸発燃料を機関1に供給して燃焼させるものである。
前記キャニスタ7は、容器内に活性炭などの吸着材8を充填したものである。
また、前記キャニスタ7には、新気導入口9が形成されると共に、パージ通路10が導出されている。
前記パージ通路10は、常閉型のパージ制御弁11を介して、スロットル弁2下流の吸気管3に接続されている。
前記パージ制御弁11は、前記コントロールユニット20から出力されるパージ制御信号により開弁するようになっている。
機関1の運転中に所定のパージ許可条件が成立すると、パージ制御弁11が開制御され、機関1の吸入負圧がキャニスタ7に作用する結果、新気導入口9から導入される新気によってキャニスタ7に吸着されていた蒸発燃料が脱離され、この脱離した蒸発燃料を含むパージガスがパージ通路10を通って吸気管3内に吸入され、その後、機関1の燃焼室内で燃焼処理される。
前記コントロールユニット20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサから信号が入力される。
前記各種センサとしては、機関1の回転に同期してクランク角信号を出力するクランク角センサ21、機関1の吸入空気量を計測するエアフローメータ22、車速を検出する車速センサ23、燃料タンク内5の圧力を検出する圧力センサ24、燃料タンク5内の燃料残量を検出するタンク残量センサ(燃料計)25が設けられている。
また、本実施形態では、前記蒸発燃料処理装置における燃料蒸気管路のリーク診断を行うようになっており、そのために、前記新気導入口9を開閉する常開型電磁弁であるドレインカットバルブ12が設けられると共に、蒸発燃料導入通路6内に空気を送り込んで加圧するためのエアポンプ13(空気供給手段)が設けられている。
前記エアポンプ13の吐出口と前記蒸発燃料導入通路6とは、空気供給管14を介して接続され、前記空気供給管14の途中には、電磁式チェックバルブ15が介装される。
前記電磁式チェックバルブ15は、エアポンプ13による空気の供給における逆流(蒸発燃料導入通路6側からエアポンプ13に向かう流れ)を阻止するチェックバルブであって、後述するように、任意に開閉可能に構成される。
また、前記エアポンプ13の吸い込み口側には、エアクリーナ17が設けられている。
前記コントロールユニット20は、所定の診断条件が成立すると、前記パージ制御弁11及びドレインカットバルブ12を閉制御することで、燃料タンク5,蒸発燃料導入通路6,キャニスタ7,パージ制御弁11下流のパージ通路10を閉鎖空間とし、該閉鎖空間に対してエアポンプ13で空気を供給することで加圧し、該加圧時におけるタンク内圧(又はポンプ駆動負荷)の変化に基づいて、前記閉鎖空間におけるリークの有無を診断する。
尚、閉鎖空間を所定圧に加圧した後の圧力漏れからリークの有無を診断する構成であっても良い。
また、空気の供給によって前記閉鎖空間を加圧する代わりに、前記閉鎖空間から空気を吸い出して減圧し、該減圧時における閉鎖空間の圧力(又はポンプ駆動負荷)、及び/又は、減圧停止後の圧力漏れに基づいてリーク診断を行う構成であっても良い。
前記電磁式チェックバルブ15は、図2に示すように構成される。
前記空気供給管14の途中には、下流側(蒸発燃料導入通路6側)に向けて開放される容積室14aが形成され、該容積室14aには、一端がエアポンプ13の吐出口に接続される空気配管14bの他端が、容積室14aの壁を貫通して容積室14a内にまで延設され、容積室14a内に他端開口部14cが位置するようにしてある。
前記開口部14cを閉鎖する板状のバルブ31は、前記開口部14cに対して離接する方向に移動可能に支持されると共に、コイルスプリング32によって前記開口部14cを閉鎖する方向に付勢される。
前記蒸発燃料導入通路6側からエアポンプ13に向かう逆流方向の圧力は、前記バルブ31に対して閉方向の圧力として作用し、逆流が阻止されるようになっている。
また、前記電磁式チェックバルブ15には、通電されることにより前記バルブ31に開弁方向(開口部14cから離れる方向)の電磁力(開弁駆動力)を作用させる電磁ソレノイド33(アクチュエータ)が設けられている。
ここで、前記コイルスプリング32のばね力の設定荷重は、前記エアポンプ13の最大発生圧力又はそれ以上に設定されている。
従って、エアポンプ13を最大限に駆動しても、前記電磁ソレノイド33に対して開弁電流を与えない限り、電磁式チェックバルブ15は閉状態を保持することになり、エアポンプ13による閉鎖空間の加圧(又は減圧)を行わせるときには、前記電磁ソレノイド33に対して開弁電流を与えて電磁式チェックバルブ15を開ける。
このように、電磁式チェックバルブ15は、電磁ソレノイド33への電流供給を制御することで、任意に開閉することが可能となっている。
上記のように、蒸発燃料導入通路6とエアポンプ13との間に電磁式チェックバルブ15を介装してあれば、蒸発燃料導入通路6内の燃料蒸気が通常時(非診断時)にエアポンプ13に到達することが、電磁式チェックバルブ15で阻止される。
燃料蒸気がエアポンプ13のモータ部に侵入すると、電気回路の腐食などを生じさせる可能性があるが、上記のように、電磁式チェックバルブ15によって燃料蒸気の侵入を未然に防止することで、前記腐食の発生を回避できる。
更に、電磁式チェックバルブ15によって燃料蒸気のエアポンプ13に対する侵入を防止できれば、エアポンプ13に複雑で高価なシール構造を適用する必要がなくなる。
また、例えばエアポンプ13が回りっぱなしになる異常が生じても、前記開弁電流を遮断すれば電磁式チェックバルブ15を閉じることができ、閉鎖される診断区間が異常に加圧又は減圧されることを回避できる。
前記コントロールユニット20は、図3のフローチャートに示すようにして、前記電磁式チェックバルブ15及びエアポンプ13の異常診断を行うようになっている。
図3のフローチャートにおいて、まず、ステップS1では、ドレインカットバルブ12を開いてリーク診断の対象区間を大気圧状態にする。
ステップS2では、ドレインカットバルブ12を閉じることで、リーク診断の対象区間を閉鎖する。
尚、診断は、パージが行われていないとき(例えば機関停止直後)に実行されるので、パージ制御弁11は閉状態に保持されており、ドレインカットバルブ12を閉じるだけで、リーク診断の対象区間は閉鎖されることになる。
続いてステップS3では、エアポンプ13を駆動して閉鎖空間に向けた空気の供給、即ち、電磁式チェックバルブ15の順方向への空気供給を開始させる。
ここで、前記電磁式チェックバルブ15の開弁制御が行わないので、前記電磁式チェックバルブ15は閉状態を保持しており、前記電磁式チェックバルブ15の閉状態でエアポンプ13を駆動させることになる。
即ち、前記コイルスプリング32のばね力の設定荷重が、エアポンプ13の最大発生圧力又はそれ以上に設定されているから、エアポンプ13を最大に駆動しても、電磁式チェックバルブ15の開弁圧未満の空気供給を行うことになる。
ステップS4では、ポンプ駆動負荷を示すエアポンプ13のモータ駆動電流が所定値以上になったか否かを判別する。
前記所定値は、エアポンプ13,電磁式チェックバルブ15に異常がない場合に超える値として予め設定される。
モータ駆動電流が所定値以上にならない場合には、ステップS5へ進み、モータ駆動電流が下限値以上であるか否かを判別する。尚、所定値>下限値である。
モータ駆動電流が下限値を下回る場合には、ステップS6へ進み、エアポンプ13の異常(モータ異常)を判定する。
一方、モータ駆動電流が下限値以上である場合、即ち、モータ駆動電流が所定値よりも小さいく、かつ、下限値以上である場合には、ステップS7へ進み、ポンプ能力低下,チェックバルブの漏れ,チェックバルブとエアポンプとの間の漏れのいずれかの異常が発生しているものと判断する。
また、ステップS4で、モータ駆動電流が所定値以上になったことが判別されると、ステップS8へ進む。
ステップS8では、モータ駆動電流が上限値以下であるか否かを判別する。尚、上限値>所定値>下限値である。
モータ駆動電流が上限値を超える場合には、ステップS9へ進み、エアポンプ13の異常(モータ異常・ポンプ固着)を判定する。
また、モータ駆動電流が上限値以下である場合、即ち、モータ駆動電流が所定値以上で、かつ、上限値以下である場合には、エアポンプ13に異常はないものと判断して、ステップS10へ進む。
ステップS10では、タンク内圧がエアポンプ13の駆動と同期して増加しているか否かを判別する。
ここでは、電磁式チェックバルブ15を閉状態に保持したまま、エアポンプ13を駆動しているので、電磁式チェックバルブ15が実際に閉状態を保持していれば、エアポンプ13の駆動にタンク内圧が影響されることはない。
従って、タンク内圧がエアポンプ13の駆動と同期して増加していると判断されたときには、電磁式チェックバルブ15が実際には開状態になっているものと推定され、この場合は、ステップS11へ進んで、電磁式チェックバルブ15が閉じない異常状態が発生しているものと判断する。
尚、上記エアポンプ・チェックバルブの異常診断を、機関の停止直後に行う場合には、燃料蒸気の発生によって閉鎖空間の圧力が徐々に増加するため、タンク内圧がエアポンプ13の駆動と同期して増加しているか否かは、前記燃料蒸気による上昇を超える圧力上昇が発生しているか否かで判断する。
一方、ステップS10において、タンク内圧がエアポンプ13の駆動と同期して増加していないと判断されたときには、ステップS12へ進み、それまで閉状態に保持させていた電磁式チェックバルブ15に対して開弁駆動電流を与えることで開弁させる。
そして、次のステップS13では、前記電磁式チェックバルブ15の開制御に同期して、モータ駆動電流(ポンプ負荷)が低下したか、又は、タンク内圧(閉鎖空間内の圧力)が増大変化したか否かを判別する。
閉状態に保持されていた電磁式チェックバルブ15を開制御すれば、それまで電磁式チェックバルブ15とエアポンプ13との間に閉じ込められていた圧力が開放される結果、エアポンプ13の駆動負荷は低下することになり、また、閉塞空間内への空気の供給が開始される結果、タンク内圧(閉鎖空間内の圧力)が増大変化し始めることになる。
そこで、前記電磁式チェックバルブ15の開制御に同期して、モータ駆動電流が低下せず、タンク内圧(閉鎖空間内の圧力)の増大変化も発生しない場合には、ステップS14へ進み、電磁式チェックバルブ15の閉固着異常を判定する。
一方、電磁式チェックバルブ15の開制御に同期して、モータ駆動電流が低下するか、タンク内圧(閉鎖空間内の圧力)が増大変化した場合には、ステップS15へ進み、エアポンプ13及び電磁式チェックバルブ15の正常判定を行う。
尚、ステップS13〜ステップS15において、モータ駆動電流のみから電磁式チェックバルブ15の閉固着異常を判定する構成、或いは、タンク内圧(閉鎖空間内の圧力)のみから電磁式チェックバルブ15の閉固着異常を判定する構成としても良い。
尚、上記実施形態では、エアポンプ13を電磁式チェックバルブ15の順方向(閉鎖空間に空気を供給する方向)に駆動させて診断を行わせる構成としたが、逆方向に駆動して診断を行わせることができる。
逆方向に駆動させる場合には、ステップS4〜ステップS9の診断は、前記同様に行わせることができ、ステップS10では、タンク内圧がポンプ駆動と同期して低下しているか否かを判断させ、ステップS12では、タンク内圧(閉鎖空間内の圧力)が減少変化したか否かを判断させる構成とすれば良い。
また、上記加圧する構成における逆方向(減圧方向)の駆動による診断は、エアポンプ13が減圧を行う構成の場合であって順方向(減圧方向)にポンプを駆動させて診断を行う場合に適用でき、図3のフローチャートの診断は、エアポンプ13が減圧を行う構成の場合であって逆方向(加圧方向)にポンプを駆動させて診断を行う場合に適用できる。
更に、上記実施形態では、電磁式チェックバルブ15を用いる構成としたが、機械式のチェックバルブを用いる構成において、順方向にポンプを駆動するときに、開弁圧未満の空気供給を行わせるようにすれば、図3のフローチャートのステップS11までの診断をそのまま適用できる。
また、上記実施形態では、電磁式チェックバルブ15を閉じた状態でエアポンプ13を駆動させておいて、ステップS12で電磁式チェックバルブ15を開くようにしたが、電磁式チェックバルブ15を開いた状態でエアポンプ13を駆動させておいて、電磁式チェックバルブ15を閉じ、該閉じ制御に伴うポンプ駆動負荷,タンク内圧(閉鎖空間内圧)の変化に基づいて、電磁式チェックバルブ15の異常診断(固着異常の診断)を行わせることができる。
また、図1に示すように、電磁式チェックバルブ15とエアポンプ13との間の圧力を検出する圧力センサ26を設け、図4のフローチャートに示すようにして、電磁式チェックバルブ15,エアポンプ13の異常診断を行わせることができる。
図4のフローチャートにおいて、ステップS31では、ドレインカットバルブ12を開いてリーク診断の対象区間を大気圧状態にする。
ステップS32では、ドレインカットバルブ12を閉じることで、リーク診断の対象区間を閉鎖する。
尚、診断は、パージが行われていないときに実行されるので、パージ制御弁11は閉状態に保持されており、ドレインカットバルブ12を閉じるだけで、リーク診断の対象区間は閉鎖されることになる。
続いてステップS33では、エアポンプ13を駆動して閉鎖空間に向けた空気の供給、即ち、電磁式チェックバルブ15の順方向への空気供給を開始させる。
ここで、前記電磁式チェックバルブ15の開弁制御が行わないので、前記電磁式チェックバルブ15は閉状態を保持しており、前記電磁式チェックバルブ15の閉状態でエアポンプ13を駆動させることになる。
即ち、前記コイルスプリング32のばね力の設定荷重が、エアポンプ13の最大発生圧力又はそれ以上に設定されているから、エアポンプ13を最大に駆動しても、電磁式チェックバルブ15の開弁圧未満の空気供給を行うことになる。
ステップS34では、圧力センサ26で検出される電磁式チェックバルブ15とエアポンプ13との間の圧力が所定値以上になったか否かを判別する。
電磁式チェックバルブ15とエアポンプ13との間の圧力が所定値以上にならない場合には、ステップS35へ進む。
前記所定値は、電磁式チェックバルブ15及びエアポンプ13が正常であるときに上回る値として予め設定される。
ステップS35では、前記圧力が下限値以上であるか否かを判別する。
そして、前記圧力が下限値以上であるとき、即ち、電磁式チェックバルブ15とエアポンプ13との間の圧力が、所定値未満でかつ下限値以上であるときには、ステップS36へ進む。
ステップS36では、エアポンプ13におけるモータ能力或いはポンプ能力の低下、又は、電磁式チェックバルブ15の漏れ、又は、電磁式チェックバルブ15とエアポンプ13との間における漏れのいずれかの異常が発生しているものと判断する。
一方、前記圧力が下限値未満であるときには、ステップS37へ進む。
ステップS37では、エアポンプ13においてモータ及び/又はポンプが回らない状態、又は、電磁式チェックバルブ15とエアポンプ13との間の配管における大きな漏れの発生、又は、電磁式チェックバルブ15が閉じない状態のいずれかの異常が発生しているものと判断する。
ステップS38では、タンク内圧がエアポンプ13の駆動に同期して増加しているか否かを判別する。
ここで、タンク内圧がエアポンプ13の駆動に同期して増加していると判断される場合には、本来閉じているはずの電磁式チェックバルブ15を介して、エアポンプ13から吐き出された空気が閉鎖空間内に供給されていることになるから、ステップS39へ進んで、電磁式チェックバルブ15が閉じない異常、又は、電磁式チェックバルブ15における漏れ有りの異常が発生しているものと判断する。
一方、タンク内圧がエアポンプ13の駆動に同期して増加していない場合には、少なくとも電磁式チェックバルブ15を介して空気の供給は行われていないことになるので、ステップS40へ進み、エアポンプ13におけるモータ及び/又はポンプの異常を判断する。
一方、前記ステップS34で、圧力センサ26で検出される電磁式チェックバルブ15とエアポンプ13との間の圧力が所定値以上になったと判断されたときには、ステップS41へ進む。
ステップS41では、それまで閉状態に保持させていた電磁式チェックバルブ15に対して開弁駆動電流を与えることで開弁させる。
そして、次のステップS42では、前記電磁式チェックバルブ15の開制御に同期して、モータ駆動電流(ポンプ負荷)が低下したか、又は、タンク内圧(閉鎖空間内の圧力)が増大変化したか否かを判別する。
閉状態に保持されていた電磁式チェックバルブ15を開制御すれば、それまで電磁式チェックバルブ15とエアポンプ13との間に閉じ込められていた圧力が開放される結果、エアポンプ13の駆動負荷は低下することになり、また、閉塞空間内への空気の供給が開始される結果、タンク内圧(閉鎖空間内の圧力)が増大変化し始めることになる。
そこで、前記電磁式チェックバルブ15の開制御に同期して、モータ駆動電流(ポンプ負荷)が低下せず、タンク内圧(閉鎖空間内の圧力)も増大変化しない場合には、ステップS43へ進み、電磁式チェックバルブ15の閉固着異常を判定する。
一方、電磁式チェックバルブ15の開制御に同期して、モータ駆動電流(ポンプ負荷)が低下するか、又は、タンク内圧(閉鎖空間内の圧力)が増大変化した場合には、ステップS44へ進み、エアポンプ13及び電磁式チェックバルブ15の正常判定を行う。
尚、図4のフローチャートでは、エアポンプ13を電磁式チェックバルブ15の順方向(閉鎖空間に空気を供給する方向)に駆動させて診断を行わせる構成としたが、逆方向に駆動して診断を行わせることができる。
逆方向に駆動させる場合には、ステップS34では圧力の低下を判断し、ステップS38,42では、閉鎖空間内の圧力の減少変化を判断し、ステップS35では、圧力が全く減少しないか僅かに減少変化したかを判別させるようにすればよい。
また、上記加圧する構成における逆方向(減圧方向)の駆動による診断は、エアポンプ13が減圧を行う構成の場合であって順方向(減圧方向)にポンプを駆動させて診断を行う場合に適用でき、図4のフローチャートの診断は、エアポンプ13が減圧を行う構成の場合であって逆方向(加圧方向)にポンプを駆動させて診断を行う場合に適用できる。
更に、上記実施形態では、電磁式チェックバルブ15を用いる構成としたが、機械式のチェックバルブを用いる構成において、順方向にポンプを駆動するときに、開弁圧未満の空気供給を行わせるようにすれば、ステップS40までの診断をそのまま適用できる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜5のいずれか1つに記載の空気供給装置の診断装置において、
前記閉鎖空間が、内燃機関の蒸発燃料処理装置における燃料蒸気管路をバルブで閉鎖して形成される閉鎖空間であることを特徴とする空気供給装置の診断装置。
かかる構成によると、燃料蒸気管路を閉鎖し、燃料蒸気管路内を空気供給手段により加圧又は減圧してリーク診断を行う構成において、前記リーク診断に用いる空気供給手段,チェックバルブの異常を精度良く判別できる。
(ロ)請求項1記載の空気供給装置の診断装置において、
前記空気供給手段の駆動負荷が下限値未満又は上限値を超えるときに、前記空気供給手段の異常を判定することを特徴とする空気供給装置の診断装置。
かかる構成によると、チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつ前記チェックバルブの開弁圧未満の空気供給を行うから、チェックバルブは閉じた状態に保持され、この場合に、空気供給手段はチェックバルブの閉じた状態に見合う所定の駆動負荷を示すことになるから、前記所定の駆動負荷を大きく逸脱する下限値未満又は上限値を超える駆動負荷を示すときには、空気供給手段の異常を判定する。
(ハ)請求項2記載の空気供給装置の診断装置において、
前記空気供給手段と前記チェックバルブとの間の圧力が所定値に達しないときに、前記閉鎖空間内の圧力が前記空気供給手段の駆動状態に同期して変化しているか否かを判断し、同期して変化する場合に前記チェックバルブの異常を判定し、同期して変化しない場合に前記空気供給手段の異常を診断することを特徴とする空気供給装置の診断装置。
かかる構成によると、空気供給手段の駆動によって、空気供給手段と前記チェックバルブとの間の圧力が所期の変化を示さない場合には、空気供給手段の異常と、チェックバルブの漏れとのいずれかが発生しているものと判断される。
一方、閉鎖空間内の圧力が前記空気供給手段の駆動状態に同期して変化する場合は、チェックバルブの漏れ(閉じない異常)が発生しているものと判断されるので、空気供給手段の異常と、チェックバルブの漏れとのいずれが発生しているかを区別できる。
(ニ)請求項3記載の空気供給装置の診断装置において、
前記閉鎖空間内の圧力が前記空気供給手段の駆動状態に同期して変化する場合に、前記チェックバルブの異常を判定することを特徴とする空気供給装置の診断装置。
かかる構成によると、チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつチェックバルブの開弁圧未満の空気供給を行った場合には、チェックバルブは閉じた状態に保持されるはずであるから、このときに、閉鎖空間内の圧力が空気供給手段の駆動状態に同期して変化する場合は、チェックバルブの漏れ(閉じない異常)が発生しているものと判断される。
実施形態における内燃機関のシステム構成図。 実施形態における電磁式チェックバルブの構造を示す部分拡大断面図。 エアポンプ・チェックバルブの機能診断の第1実施形態を示すフローチャート。 エアポンプ・チェックバルブの機能診断の第2実施形態を示すフローチャート。
符号の説明
1…内燃機関,2…スロットル弁,3…吸気管,4…燃料噴射弁,5…燃料タンク,6…蒸発燃料導入通路,7…キャニスタ,8…吸着材,9…新気導入口,10…パージ通路,11…パージ制御弁,12…ドレインカットバルブ,13…エアポンプ,14…空気供給管,15…電磁式チェックバルブ,20…コントロールユニット,21…クランク角センサ,22…エアフローメータ,23…車速センサ,24…圧力センサ,25…タンク残量センサ,26…圧力センサ

Claims (5)

  1. 閉鎖空間内を加減圧する空気供給手段と、該空気供給手段と前記閉鎖空間との間に介装されるチェックバルブとを備えた空気供給装置において、
    前記チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつ前記チェックバルブの開弁圧未満の空気供給を行ったときの前記空気供給手段の駆動負荷を検出し、該駆動負荷に基づいて前記空気供給手段の異常診断を行うことを特徴とする空気供給装置の診断装置。
  2. 閉鎖空間内を加減圧する空気供給手段と、該空気供給手段と前記閉鎖空間との間に介装されるチェックバルブとを備えた空気供給装置において、
    前記チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつ前記チェックバルブの開弁圧未満の空気供給を行ったときの前記空気供給手段と前記チェックバルブとの間の圧力を検出し、該圧力に基づいて前記空気供給手段及び/又は前記チェックバルブの異常診断を行うことを特徴とする空気供給装置の診断装置。
  3. 閉鎖空間内を加減圧する空気供給手段と、該空気供給手段と前記閉鎖空間との間に介装されるチェックバルブとを備えた空気供給装置において、
    前記チェックバルブの通気方向と逆方向、又は、順方向でかつ前記チェックバルブの開弁圧未満の空気供給を行ったときの前記閉鎖空間内の圧力を検出し、該圧力の変化と前記空気供給手段の駆動状態との相関に基づいて前記チェックバルブの異常診断を行うことを特徴とする空気供給装置の診断装置。
  4. 閉鎖空間内を加減圧する空気供給手段と、該空気供給手段と前記閉鎖空間との間に介装される任意に開閉可能なチェックバルブとを備えた空気供給装置において、
    前記チェックバルブを閉じた状態で前記チェックバルブの通気方向と順方向に空気供給を行っている状態から前記チェックバルブを開いたとき、又は、前記チェックバルブを開いた状態で前記チェックバルブの通気方向と順方向に空気供給を行っている状態から前記チェックバルブを閉じたときの、前記空気供給手段の駆動負荷又は前記閉鎖空間内の圧力の変化に基づいて、前記チェックバルブの異常診断を行うことを特徴とする空気供給装置の診断装置。
  5. 前記チェックバルブが、前記空気供給手段の最大発生圧力又はそれ以上の閉弁付勢力を有すると共に、前記閉弁付勢力に抗する開弁駆動力を発生するアクチュエータを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の空気供給装置の診断装置。
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