JP3888287B2 - 燃料蒸気パージシステムの故障診断装置及び燃料蒸気パージシステムの故障診断方法 - Google Patents

燃料蒸気パージシステムの故障診断装置及び燃料蒸気パージシステムの故障診断方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内で発生する燃料蒸気をキャニスタに捕集し、キャニスタに捕集された燃料蒸気をパージ通路を介して内燃機関の吸気通路へパージする燃料蒸気パージシステムの故障診断装置及び燃料蒸気パージシステムの故障診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に揮発性液体燃料のタンクを備えた車輌には、いわゆる燃料蒸気パージシステムが採用されている。典型的なパージシステムによれば、燃料タンクで発生する燃料蒸気はベーパ通路を通じてキャニスタ内に導入して捕集され、捕集された燃料蒸気はパージ通路を介して内燃機関の吸気通路にパージ(放出)される。
【0003】
このような燃料蒸気パージシステムの信頼性を確保するために、多くのパージシステムには、エバポ経路(燃料タンク、ベーパ通路、キャニスタ及びパージ通路を含んで構成される。)の穴あきや裂傷等に起因する漏れを発見するための故障診断装置が組み込まれている。このような漏れの診断を行うには、エバポ経路の内部と外部との間に差圧が設けられた後、その内圧の挙動が検出される。そして、エバポ経路の漏れがない状態での内圧判定レベルと、検出した内圧の挙動とを比較することにより、エバポ経路の漏れ故障を診断することができる。
【0004】
一方、近年においては、燃料蒸気パージシステムとして、キャニスタを燃料タンク内に配置するようにしたインタンクキャニスタ式の燃料蒸気パージシステム(以下、インタンクキャニスタシステムという)が提案されている。これは、燃料タンク及びキャニスタ間の距離を短くすることにより配管削減等を行い、コスト低減を図ることができるとともに、配管の多くを燃料タンク内に配置してゴムホース部及び継ぎ手部等からの燃料蒸気の透過という問題を解決できる等のメリットがある。
【0005】
このようなインタンクキャニスタシステムにおいても、エバポ経路の漏れ故障の診断を行う必要があり、特許文献1及び特許文献2に示される故障診断装置が提案されている。これらの故障診断装置は、燃料タンク内のキャニスタにチェック弁を介して燃料蒸気を導入するベーパ通路と、燃料タンク外からキャニスタ内に新気を導入する新気導入通路と、キャニスタ内の燃料蒸気を新気と共にパージ制御弁を介して内燃機関の吸気通路へパージするパージ通路とを備えている。さらに、パージ通路におけるキャニスタとパージ制御弁との間に、三方切換弁と、該三方切換弁から分岐して燃料タンク内の空間に連通する配管を設けている。そして、故障診断時において、三方切換弁を燃料タンク側に切り換えることにより、吸気通路と燃料タンク内の空間とをキャニスタを介することなく連通させ、キャニスタ内を略大気圧に保ったまま、燃料タンク内の空間に負圧を導入することができる。そのため、燃料タンク側に穴あきがある場合は、燃料タンクの負圧が漏れることにより、また、キャニスタ側に穴あきがある場合は、燃料タンクの負圧がキャニスタ側に漏れることにより、いずれの場合も燃料タンク内の圧力から漏れ故障の診断が可能となる。なお、キャニスタ内を略大気圧に保持できるのは、キャニスタ内は、新気導入通路により大気に開放されており、また、ベーパ通路のチェック弁の働きで燃料タンク側からキャニスタ内への負圧の導入が阻止されるからである。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−115915号公報
【特許文献2】
特開2001−317417号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載された故障診断装置は、燃料タンク及びキャニスタ間の配管削減等によりコスト削減を図るようにしたものであるにも関わらず、燃料タンク内へ負圧導入を導入する故障診断専用の通路を設ける必要があり、コストが高くなるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャニスタ及び燃料タンクを含むエバポ経路の漏れ故障の診断を的確に行い、燃料タンク内に故障診断専用の通路を設けずに済み、コスト増加を抑制することができる燃料蒸気パージシステムの故障診断装置及び故障診断方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、燃料タンク内にキャニスタを配置し、燃料タンク及びキャニスタを含んでエバポ経路を形成し、前記燃料タンク内で発生する燃料蒸気を前記キャニスタに捕集し、前記キャニスタに捕集された燃料蒸気をパージ通路を介して内燃機関の吸気通路へパージする燃料蒸気パージシステムにおいて、前記エバポ経路からの燃料蒸気の漏れ故障を診断する燃料蒸気パージシステムの故障診断装置であって、前記エバポ経路の漏れ故障の診断に際して、前記燃料タンク及びキャニスタのいずれか一方に存在する気体を他方に送気する送気手段と、前記送気手段の作動に基づくキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する判定手段とを備え前記判定手段は、前記送気手段を所定時間作動させて送気したときの差圧が予め定められた所定値以上であるかどうかに基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定することを特徴とする。
【0010】
エバポ経路の漏れ故障は、エバポ経路の内部の圧力と外部の圧力との間に差圧を形成し、その差圧形成時における差圧の変化状態や差圧形成後の差圧の変化に基づいて診断することができる。燃料タンク内にキャニスタを配置して形成されたエバポ経路においては、キャニスタ内圧及び燃料タンク内圧を同一とし、外気との間に差圧を形成したとすると、燃料タンク側に穴あきが在れば差圧が減少するように変化し、エバポ経路に漏れ故障ありと診断することができる。しかしながら、キャニスタ側のみに穴あきがあったとしてもキャニスタ内圧及び燃料タンク内圧は同一圧力であるため、前記差圧は変化せず、エバポ経路に漏れ故障なしと判断される。そのため、燃料タンク内にキャニスタを配置して形成されたエバポ経路の漏れ故障を診断する際には、キャニスタ内圧と燃料タンク内圧との間に差圧を形成するとともに、燃料タンク内圧と外気圧との間に差圧を形成する必要がある。
【0011】
この点に関して、上記の構成によれば、送気手段を作動させて燃料タンク及びキャニスタのいずれか一方に存在する気体を他方に送気することによって燃料タンクの内圧とキャニスタの内圧との間に容易に差圧を形成することができ、同時に燃料タンクの内圧と外気圧との間にも差圧が形成される。燃料タンクに穴あきが在れば、燃料タンクの内外で漏れが生じて燃料タンクの内圧と外気圧との差圧が変化し、燃料タンクの内圧とキャニスタの内圧との差圧も変化する。また、キャニスタに穴あきがあれば、キャニスタの内外で漏れが生じて燃料タンクの内圧とキャニスタの内圧との差圧が変化する。よって、キャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧に基づいてエバポ経路の漏れ故障を的確に判定することができる。
【0012】
ちなみに、送気手段の作動による燃料タンクの内圧とキャニスタの内圧との間の差圧形成は、燃料タンク内の気体を吸引してキャニスタ内に送気することによって行われてもよいし、キャニスタ内の気体を吸引して燃料タンク内に送気することによって行われてもよい。
【0013】
また、上記の構成では、キャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧を形成するための故障診断専用の通路を燃料タンク内に設けずに済み、コスト増加を抑制することができる。
【0015】
さらに、上記の構成のように、送気手段を所定時間作動させれば、エバポ経路に漏れがない場合にはキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との間に所定の大きさの差圧を得ることができる。よって、送気手段を所定時間作動させて送気した後の差圧が予め定められた所定値以上であるかどうかに基づいてエバポ経路の漏れ故障を判定することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、燃料タンク内にキャニスタを配置し、燃料タンク及びキャニスタを含んでエバポ経路を形成し、前記燃料タンク内で発生する燃料蒸気を前記キャニスタに捕集し、前記キャニスタに捕集された燃料蒸気をパージ通路を介して内燃機関の吸気通路へパージする燃料蒸気パージシステムにおいて、前記エバポ経路からの燃料蒸気の漏れ故障を診断する燃料蒸気パージシステムの故障診断装置であって、前記エバポ経路の漏れ故障の診断に際して、前記燃料タンク及びキャニスタのいずれか一方に存在する気体を他方に送気する送気手段と、前記送気手段の作動に基づくキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する判定手段とを備え、前記判定手段は、前記差圧が所定値に達した後の前記差圧の変化状態に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前記判定手段は、前記差圧が所定値に達した後の前記差圧の変化状態に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定することを特徴とする。
【0017】
エバポ経路に穴あきが存在していたとしても、漏れ故障の判定値の設定の仕方によっては、送気手段を所定時間作動させることによりキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧は所定値以上になることがあり、この場合には漏れ故障の有無を確実に診断することができない。
【0018】
この点に関して、上記の構成によれば、キャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧が所定値に達した後の差圧の変化状態を監視し、その差圧が変化すればエバポ経路の漏れ故障ありと判定し、その差圧にほとんど変化がなければエバポ経路の漏れ故障なしと判定することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前記送気手段は、前記燃料タンク内で発生する燃料蒸気を前記キャニスタ内に導入するベーパ通路に設けられた電動式エアポンプであることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、電動式エアポンプを作動させればエバポ経路のキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との間に差圧を形成することができるので、内燃機関の停止時においてもエバポ経路の漏れ故障の診断を行うことができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、さらに、前記エバポ経路の漏れ故障の診断に際して前記エバポ経路を外気から遮断して密閉する遮断手段を備えることを特徴とする。
【0022】
特に、請求項6に記載の発明のように、遮断手段は、前記パージ通路を開閉するパージ制御弁と、前記キャニスタに大気を導入する大気導入通路を開閉する大気遮断弁とを含むものとすることができる。
【0023】
この構成によれば、キャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との間の差圧を形成する際、エバポ経路を外気から確実に遮断することができ、一方は送気されることにより加圧され、他方は気体が吸引されることにより減圧され、差圧が効率的に形成される。また、エバポ経路が密閉されることにより、この差圧形成に際して燃料蒸気の大気中への放出が防止される。
【0024】
請求項7に記載の発明は、燃料タンク内にキャニスタを配置し、燃料タンク及びキャニスタを含んでエバポ経路を形成し、前記燃料タンク内で発生する燃料蒸気を前記キャニスタに捕集し、前記キャニスタに捕集された燃料蒸気をパージ通路を介して内燃機関の吸気通路へパージする燃料蒸気パージシステムにおいて、前記エバポ経路からの燃料蒸気の漏れ故障を診断する燃料蒸気パージシステムの故障診断方法であって、前記エバポ経路の漏れ故障の診断に際して、前記燃料タンク及びキャニスタのいずれか一方に存在する気体を他方に所定時間送気する工程と、前記送気に基づくキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧が予め定められた所定値以上であるかどうかに基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する工程と、を備えることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、請求項1の作用及び効果と同様に、燃料タンク及びキャニスタのいずれか一方に存在する気体を他方に送気することによって燃料タンクの内圧とキャニスタの内圧との間に容易に差圧を形成することができ、同時に燃料タンクの内圧と外気圧との間にも差圧が形成される。よって、キャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧に基づいてエバポ経路の漏れ故障を的確に判定することができる。また、この方法を採る場合には、燃料タンクの内圧とキャニスタの内圧との間の差圧形成は、燃料タンク内の気体を吸引してキャニスタ内に送気することによって行われてもよいし、キャニスタ内の気体を吸引して燃料タンク内に送気することによって行われてもよい。
さらに、上記の構成のように、所定時間送気すれば、エバポ経路に漏れがない場合にはキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との間に所定の大きさの差圧を得ることができる。よって、所定時間送気した後の差圧が予め定められた所定値以上であるかどうかに基づいてエバポ経路の漏れ故障を判定することができる。
請求項8に記載の発明は、燃料タンク内にキャニスタを配置し、燃料タンク及びキャニスタを含んでエバポ経路を形成し、前記燃料タンク内で発生する燃料蒸気を前記キャニスタに捕集し、前記キャニスタに捕集された燃料蒸気をパージ通路を介して内燃機関の吸気通路へパージする燃料蒸気パージシステムにおいて、前記エバポ経路からの燃料蒸気の漏れ故障を診断する燃料蒸気パージシステムの故障診断方法であって、前記エバポ経路の漏れ故障の診断に際して、前記燃料タンク及びキャニスタのいずれか一方に存在する気体を他方に送気する工程と、前記送気に基づくキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧が所定値に達した後の前記差圧の変化状態に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する工程と、を備えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断方法において、さらに、前記差圧が所定値に達した後の前記差圧の変化状態に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する工程を備えることを特徴とする。
エバポ経路に穴あきが存在していたとしても、漏れ故障の判定値の設定の仕方によっては、所定時間送気することによりキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧は所定値以上になることがあり、この場合には漏れ故障の有無を確実に診断することができない。
この点に関して、上記の構成によれば、キャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧が所定値に達した後の差圧の変化状態を監視し、その差圧が変化すればエバポ経路の漏れ故障ありと判定し、その差圧にほとんど変化がなければエバポ経路の漏れ故障なしと判定することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した車両等に搭載される燃料蒸気パージシステムの故障診断装置の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る燃料蒸気パージシステム及びその故障診断装置を示す概略構成図である。
図1に示されるように、内燃機関としてのエンジン10に吸入空気を導く吸気通路11のサージタンク12上流には、スロットルバルブ13が設けられている。吸気通路11にはスロットルバルブ13の上流側にエアクリーナ14が設けられている。
【0028】
図1に示す燃料蒸気パージシステム20は、エンジン10の一部を構成しており、燃料タンク21内には、その内部で発生する燃料蒸気を吸着するキャニスタ22が収容配置されている。キャニスタ22は燃料タンク21内で発生する燃料蒸気を導入するためのベーパ通路23を備えるとともに、パージ通路24を介して前記サージタンク12に接続されている。また、キャニスタ22を前記吸気通路11に連通する吸気通路11とを連通するパージ通路24とを備える。また、キャニスタ22は新気を同キャニスタ22内に導入する大気導入通路25が接続されている。
【0029】
燃料タンク21には、給油のための給油管26が取り付けられている。この給油管26の給油口にはキャップ27が装着され、その出口には逆止弁28が設けられている。また、給油管26には、循環路29が分岐して設けられており、同循環路29の開口端は燃料タンク21内の上部空間Sに開口している。
【0030】
キャニスタ22のベーパ通路23の一端側には、フロート弁31、液溜め部32、及び絞り33が同通路の開口端側から順に設けられている。燃料タンク21内に発生する燃料蒸気は、液溜め部32及び絞り33を介してキャニスタ22に送られる。
【0031】
キャニスタ22は、その内部に吸着材を備えており、燃料タンク21からの燃料蒸気を吸着材に吸着させて一時的に蓄えた後、その内部が負圧下におかれると、吸着材に吸着された燃料蒸気が再離脱可能な構成となっている。
【0032】
キャニスタ22の内部は仕切板40によって2つの吸着材室41,42に区画されている。両吸着材室41,42は、吸着材でそれぞれ満たされるとともに、通気性フィルタ43を介して連通している。吸着材室41は、ベーパ通路23を介して燃料タンク21内部の上部空間Sと連通しているとともに、パージ通路24を介して吸気通路11のサージタンク12と連通している。一方、吸着材室42は大気導入通路25と連通している。また、キャニスタ22には、燃料タンク21より流入する燃料蒸気が一旦は吸着材を通過した後にパージ通路24に導入されるように、ガイド部材44が設けられている。
【0033】
さらに、キャニスタ22には通気性フィルタ43側の壁部に相対圧センサよりなる圧力センサ45が設けられている。この圧力センサ45はその両端部をそれぞれキャニスタ22内及び燃料タンク21内に臨ませており、キャニスタ22の内圧と燃料タンク21の内圧との差圧を検出し、検出した差圧に応じた電気信号を出力するように圧力センサ45としては絶対圧センサが用いられている。
【0034】
パージ通路24の通路途中には電磁弁からなるパージ制御弁46が設けられている。パージ制御弁46は常には閉弁されており、同制御弁46が開弁されると、エンジン10の運転中においてサージタンク12内に発生する吸気負圧がパージ通路24を介してキャニスタ22内に導入される。
【0035】
一方、大気導入通路25は、図示しないフューエルリッドで開閉される給油用開口部内に設けられたインレット口元47に連通されている。大気導入通路25の通路途中には遮断手段としての電磁弁からなる大気遮断弁48が設けられている。大気遮断弁48は常には開弁されており、インレット口元47から入る新気が大気導入通路25を介してキャニスタ22に導入される。また、大気遮断弁48が閉弁されると、大気導入通路25を介した新気の導入が遮断され、キャニスタ22は閉鎖される。なお、大気導入通路25の途中には大気遮断弁48の上流側において大気防塵フィルタ49が設けられている。
【0036】
そして、本実施形態においては、前記ベーパ通路23とキャニスタ22との接続部には送気手段としての電動式エアポンプ50が設けられている。電動式エアポンプ50は非作動時においては前記ベーパ通路23とキャニスタ22の新気導入口との間を連通している。電動式エアポンプ50はその作動時において、燃料タンク21内の燃料蒸気を吸引してキャニスタ22内に送気することによって、燃料タンク21の内圧とキャニスタ22の内圧との間に差圧を形成するようになっている。
【0037】
このように構成された燃料蒸気パージシステム20では、燃料タンク21内に発生する燃料蒸気がベーパ通路23を通ってキャニスタ22に送られてキャニスタ22に吸着される。パージ制御弁46が開弁すると、サージタンク12内の負圧がパージ通路24を介してキャニスタ22に供給される。このとき、大気は、大気導入通路25、大気防塵フィルタ49、大気遮断弁48を介してキャニスタ22内に導入される。こうして大気が導入されることにより、吸着された燃料蒸気がキャニスタ22からサージタンク12へパージ(放出)される。
【0038】
また、パージ制御弁46が閉弁された状態で大気遮断弁48も閉弁されると、燃料蒸気パージシステム20内、すなわちエバポ経路内が閉鎖された空間となる。ここで、燃料蒸気パージシステム20の「エバポ経路」とは、燃料タンク21、ベーパ通路23、キャニスタ22、及びパージ通路24のうちの、キャニスタ22とパージ制御弁46の間の通路部を含む経路である。こうして燃料蒸気パージシステム20の「エバポ経路」内を閉鎖空間にした状態で、後述する故障診断処理を行う。
【0039】
このように構成されたエンジン、燃料蒸気パージシステム20及びその故障診断装置において、圧力センサ45等の各種センサの出力は、エンジンの制御系として機能するとともに、故障診断装置として機能する電子制御装置(以下、ECUという)60に対し入力される。ECU60は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサから信号が入力されている。各種センサとしては、前記圧力センサ45のほか、エンジン10の回転に同期してクランク角信号を出力しこれにより機関回転速度を検出可能なクランク角センサ、吸入空気量を計測するエアフローメータ、機関排気系にて空燃比を検出する空燃比センサ(酸素センサ)、車速を検出する車速センサなどが設けられる。
【0040】
このECU60は、取り込まれる各種センサの出力に基づいて、燃料噴射制御等、エンジン10の運転に係る各種制御を実行するほか、パージ制御弁46、大気遮断弁48、電動式エアポンプ50等を駆動制御することによって燃料蒸気パージシステム20のパージ制御及び故障診断の処理を実行する。
【0041】
次に、ECU60が実行する燃料蒸気パージシステム20の故障診断の処理手順を図2に従って説明する。
まず、ステップ100で診断条件が成立したかどうかが判定される。診断条件が成立していないと判定されると(ステップ100;「NO」)、本処理は一旦終了される。一方、診断条件が成立していると判定されると(ステップ100;「YES」)、ステップ105において、パージ制御弁46が閉弁されるとともに、大気遮断弁48が閉弁される。これにより、キャニスタ22及び燃料タンク21を含むエバポ経路は大気から遮断される。
【0042】
キャニスタ22及び燃料タンク21を含むエバポ経路が大気から遮断されると、次のステップ110において、電動式エアポンプ50の駆動が開始され、燃料タンク21内の燃料蒸気が吸い込まれてキャニスタ22に送気される。こうした電動式エアポンプ50の作動によりキャニスタ22の内圧は上昇し、燃料タンク21の内圧は低下することとなり、両者間に差圧が形成される。
【0043】
次に、ステップ115において、電動式エアポンプ50の駆動開始時から所定時間T1経過したかどうかが判定される。電動式エアポンプ50の作動時間が所定時間T1経過していないと判定されると(ステップ115で「NO」)、ステップ110に戻り、引き続き電動式エアポンプ50が駆動される。
【0044】
そして、ステップ115において、電動式エアポンプ50の作動時間が所定時間T1経過したと判定されると(ステップ115で「YES」)、ステップ120で電動式エアポンプ50の駆動が停止される。
【0045】
次にステップ125において、キャニスタ22の内圧と燃料タンク21の内圧との差圧Pctが所定値P1以上であるかどうかが判定される。エバポ経路に漏れがなければ、電動式エアポンプ50を所定時間作動させることにより、キャニスタ22の内圧と燃料タンク21の内圧との間に所定値P1以上の差圧を形成することができる。ここで、差圧Pctが所定値P1未満であると判定されると(ステップ125で「NO」)、ステップ135で漏れ故障ありとの異常判定がなされる。
【0046】
また、差圧Pctが所定値P1以上であると判定されると(ステップ125で「YES」)、ステップ130で漏れ故障なしとの正常判定がなされる。
図3は本実施形態における燃料蒸気パージシステム20の故障診断処理における差圧形成時の差圧の推移を示している。CASE1は、燃料タンク21及びキャニスタ22にともに穴が存在しない場合の差圧Pctの変化を示しており、電動式エアポンプ50を所定時間T1作動させた時刻t1において、差圧Pctは所定値P1以上となる。従って、CASE1の場合にはエバポ経路に漏れ故障なしとの正常判定がなされる。
【0047】
CASE2は、燃料タンク21にΦ0.5mmの穴が存在し、キャニスタ22には穴が存在しない場合の差圧Pctの変化を示している。電動式エアポンプ50を所定時間T1作動させた時刻t1において、燃料タンク21にΦ0.5mmの穴が存在するために燃料タンク21と外気との間において漏れが生じ、燃料タンク21の減圧量は小さくなり、差圧Pctは所定値P1未満となる。従って、CASE2の場合にはエバポ経路に漏れ故障ありの異常判定がなされる。
【0048】
CASE3は、燃料タンク21に穴が存在せず、キャニスタ22にΦ0.5mmの穴が存在する場合の差圧Pctの変化を示している。電動式エアポンプ50を所定時間T1作動させた時刻t1において、キャニスタ22にΦ0.5mmの穴が存在するためにキャニスタ22と燃料タンク21との間において漏れが生じ、差圧Pctは所定値P1と比較して小さい値になる。従って、CASE3の場合においてもエバポ経路に漏れ故障ありの異常判定がなされる。なお、このCASE3の場合には、差圧Pctが形成されるキャニスタ22及び燃料タンク21の間での漏れであるため、形成される差圧PctはCASE2の場合よりも小さくなる。
【0049】
CASE4は、燃料タンク21にΦ0.4mmの穴が存在し、キャニスタ22にΦ0.3mmの穴が存在する場合の差圧Pctの変化を示している。Φ0.4mmの穴の面積とΦ0.3mmの穴の面積との和は、Φ0.5mmの穴の面積と等しくなり、Φ0.4mmの穴とΦ0.3mmの穴とが存在することはΦ0.5mmの穴が存在することと等価である。電動式エアポンプ50を所定時間T1作動させた時刻t1において、燃料タンク21と外気との間において漏れが生じるとともに、キャニスタ22と燃料タンク21との間においても漏れが生じ、差圧Pctは所定値P1と比較して極めて小さい値になる。従って、CASE4の場合においてもエバポ経路に漏れ故障ありの異常判定がなされる。なお、このCASE4の場合には、差圧Pctが形成されるキャニスタ22及び燃料タンク21の間での漏れがあるとともに、燃料タンク21の減圧量が小さくなるため、形成される差圧PctはCASE3の場合よりも小さくなる。
【0050】
さらに、CASE5は、燃料タンク21にΦ0.3mmの穴が存在し、キャニスタ22にΦ0.4mmの穴が存在する場合の差圧Pctの変化を示している。この場合にも、Φ0.4mmの穴とΦ0.3mmの穴とが存在することはΦ0.5mmの穴が存在することと等価である。電動式エアポンプ50を所定時間T1作動させた時刻t1において、燃料タンク21と外気との間において漏れが生じるとともに、キャニスタ22と燃料タンク21との間においても漏れが生じ、差圧Pctは所定値P1と比較して極めて小さい値になる。従って、CASE5の場合においてもエバポ経路に漏れ故障ありの異常判定がなされる。なお、このCASE5の場合には、キャニスタ22の穴がCASE4の場合よりも大きいため、キャニスタ22及び燃料タンク21間での漏れが多くなるとともに、燃料タンク21の減圧量が小さくなるため、形成される差圧PctはCASE4の場合よりも小さくなる。
【0051】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1) 燃料蒸気パージシステム20の故障診断に際して、電動式エアポンプ50を作動させて燃料タンク21内の燃料蒸気をキャニスタ22に送気することで燃料タンク21及びキャニスタ22間に容易に差圧Pctを形成することができ、同時に燃料タンク21の内圧と外気圧との間にも差圧を形成することができる。このとき、燃料タンク21に穴あきが在れば、燃料タンク21の内外で漏れが生じて燃料タンク21の内圧と外気圧との差圧が変化し、燃料タンク21の内圧とキャニスタ22の内圧との差圧Pctも変化する。また、キャニスタ22に穴あきがあれば、キャニスタ22の内外で漏れが生じて燃料タンク21の内圧とキャニスタ22の内圧との差圧Pctが変化する。よって、キャニスタ22の内圧と燃料タンク21の内圧との差圧に基づいてエバポ経路の漏れ故障を的確に判定することができる。
【0052】
(2) また、本実施形態によれば、電動式エアポンプ50を作動させることによりキャニスタ22の内圧と燃料タンク21の内圧との差圧Pctを形成することができ、例えば負圧を導入するための故障診断専用の通路を燃料タンク21内に設けずに済み、コスト増加を抑制することができる。
【0053】
(3) 本実施形態の故障診断装置では、電動式エアポンプ50を所定時間T1作動させれば、エバポ経路に漏れがない場合にはキャニスタ22の内圧と燃料タンク21の内圧との間に所定値P1以上の大きさの差圧Pctを得ることができる。よって、電動式エアポンプ50を所定時間T1作動させて送気した後の差圧Pctが予め定められた所定値P1以上であるかどうかに基づいてエバポ経路の漏れ故障を判定することができる。
【0054】
(4) 本実施形態の故障診断装置では、キャニスタ22の内圧と燃料タンク21の内圧との間の差圧を形成する際、パージ通路24のパージ制御弁46を閉弁するとともに、大気導入通路25の大気遮断弁48を閉弁することによりエバポ経路を外気から確実に遮断することができる。そのため、電動式エアポンプ50の作動に基づいて燃料タンク21は燃料蒸気が吸引されることにより減圧され、キャニスタ22は送気されることにより加圧され、両者間に差圧Pctを効率的に形成することができる。また、故障診断時において、パージ制御弁46及び大気遮断弁48の閉弁によってエバポ経路が密閉されるため、この差圧形成に際して燃料蒸気の大気中への放出を防止することができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図4,図5に従って説明する。
上記第1実施形態においては、電動式エアポンプ50の作動を所定時間T1だけ行うことによって形成される差圧Pctが所定値P1以上になるかどうかに基づいて、エバポ経路の漏れ故障の判定を行うようにした。そのために、判定のための所定値P1を、電動式エアポンプ50の作動に基づく飽和差圧付近の値に設定するとともに、電動式エアポンプ50の作動時間を所定値P1以上の差圧が得られる所定時間T1に設定している。
【0056】
これに対し、本実施形態では、電動式エアポンプ50を前記所定時間T1よりも短い所定時間T2だけ作動させて差圧Pctが前記所定値P1よりも小さい所定値P2に達した後の差圧Pctの変化状態に基づいてエバポ経路の漏れ故障を判定するようにしている。
【0057】
上記のような故障診断を行うために、本実施形態の故障診断装置では、図1に示されるベーパ通路23に対して例えば電動式エアポンプ50の上流側にチェック弁(図示略)が設けられる。このチェック弁は、燃料タンク21の内圧がキャニスタ22の内圧よりも高い場合にはこのチェック弁によりベーパ通路23を連通し、燃料タンク21の内圧がキャニスタ22の内圧よりも低い場合にはこのチェック弁によりベーパ通路23を遮断するようになっている。
【0058】
次に、このように構成された故障診断装置において、ECU60が実行する故障診断の処理手順を図4に従って説明する。
処理が本処理に移行すると、前記ステップ100,105,110と同様のステップ200,205及び210の処理が実行される。すなわち、ステップ200において診断条件が成立していると判定されると(ステップ200;「YES」)、ステップ205において、パージ制御弁46が閉弁されるとともに、大気遮断弁48が閉弁される。これにより、キャニスタ22及び燃料タンク21を含むエバポ経路は大気から遮断される。
【0059】
キャニスタ22及び燃料タンク21を含むエバポ経路が大気から遮断されると、次のステップ210において、電動式エアポンプ50の駆動が開始され、燃料タンク21内の燃料蒸気がベーパ通路23から吸い込まれてチェック弁を開弁してキャニスタ22に送気される。この電動式エアポンプ50の作動によりキャニスタ22の内圧は上昇し、燃料タンク21の内圧は低下することとなり、両者間に差圧が形成される。
【0060】
次に、ステップ215において、電動式エアポンプ50の駆動開始時から所定時間T2(<T1)経過したかどうかが判定される。エバポ経路に漏れがなければ、電動式エアポンプ50を所定時間T2作動させることにより、キャニスタ22の内圧と燃料タンク21の内圧との間に所定値P2(<P1)以上の差圧を形成することができる。この電動式エアポンプ50の作動時間が所定時間T2経過していないと判定されると(ステップ215で「NO」)、ステップ210に戻り、引き続き電動式エアポンプ50が駆動される。
【0061】
そして、ステップ215において、電動式エアポンプ50の作動時間が所定時間T2経過したと判定されると(ステップ215で「YES」)、ステップ220で電動式エアポンプ50の駆動が停止される。
【0062】
次にステップ225において、キャニスタ22の内圧と燃料タンク21の内圧との差圧Pctが所定値P2(<P1)以上であるかどうかが判定される。ここで、差圧Pctが所定値P2未満であると判定されると(ステップ225で「NO」)、ステップ245において漏れ故障ありとの異常判定がなされる。
【0063】
また、差圧Pctが所定値P2以上であると判定されると(ステップ225で「YES」)、ステップ230に進む。ステップ230では、電動式エアポンプ50が駆動停止された後に所定時間T3経過したかどうかが判定される。
【0064】
そして、ステップ230において、電動式エアポンプ50の作動停止後所定時間T3経過したと判定されると(ステップ230で「YES」)、処理はステップ235に進む。
【0065】
ステップ235では、電動式エアポンプ50の停止後の差圧Pctの変化量ΔPctが所定値ΔP0未満であるかどうかが判定される。エバポ経路に漏れがなければ、電動式エアポンプ50の停止後において所定時間T3経過した後の差圧Pctの変化量ΔPctは所定値ΔP0未満となる。この変化量ΔPctが所定値ΔP0以上であると判定されると(ステップ235で「NO」)、ステップ245において漏れ故障ありとの異常判定がなされる。
【0066】
一方、差圧Pctの変化量ΔPctが所定値ΔP0未満であると判定されると(ステップ235で「YES」)、ステップ240において漏れ故障なしとの正常判定がなされる。
【0067】
図5は本実施形態における燃料蒸気パージシステム20の故障診断処理における差圧形成時の差圧の推移を示している。なお、図5において、CASE1〜CASE5は燃料タンク21及びキャニスタ22に第1実施形態と同様の穴がある場合の差圧Pctの推移である。
【0068】
CASE3,CASE4,CASE5の場合には、電動式エアポンプ50を所定時間T2作動させた時刻t2において、差圧Pctは所定値P2未満となる。従って、CASE3,CASE4,CASE5の場合には差圧Pctの変化量ΔPctを検出するまでもなく、時刻t2においてエバポ経路に漏れ故障ありの異常判定がなされる。
【0069】
また、CASE1及びCASE2の場合には、電動式エアポンプ50を所定時間T2作動させた時刻t2において、差圧Pctは所定値P2以上となる。そのため、電動式エアポンプ50の作動停止後の所定時間T3経過した時刻t3における差圧Pctの変化量ΔPctと所定値ΔP0との比較判定が行われる。
【0070】
このとき、CASE1の場合には、燃料タンク21及びキャニスタ22にともに穴が存在しないため、差圧Pctの変化量ΔPctはほとんどなく、ΔPct<ΔP0となってエバポ経路に漏れ故障なしとの正常判定がなされる。
【0071】
また、CASE2の場合には、キャニスタ22には穴が存在しないものの、燃料タンク21にΦ0.5mmの穴が存在している。そのため、燃料タンク21と外気との間において漏れが生じ、差圧Pctの変化量ΔPct≧ΔP0となってエバポ経路に漏れ故障ありとの異常判定がなされる。
【0072】
このように構成された本実施形態によれば、前記第1実施形態の(1)〜(4)の作用及び効果に加えて、以下の効果が得られる。
(5) キャニスタ22の内圧と燃料タンク21の内圧との差圧Pctが所定値P2に達した後の差圧Pctの変化量ΔPctを監視し、変化量ΔPctが所定値ΔP0以上であればエバポ経路の漏れ故障ありと判定し、変化量ΔPctが所定値ΔP0未満であればエバポ経路の漏れ故障なしと判定するようにしている。従って、漏れ故障を判定するための所定値P2を前記所定値P1よりも小さな値に設定するとともに、電動式エアポンプ50を作動させる所定時間T2を前記所定時間T1よりも短く設定しても、漏れ故障の有無を確実に診断することができる。また、電動式エアポンプ50を作動させる所定時間T2を短く設定することができるため、エネルギー消費を低減することができるとともに、電動式エアポンプ50の無駄な作動をなくして長寿命化を図ることもできる。
【0073】
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、次のように変更してもよく、その場合でも上記各実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、電動式エアポンプ50を燃料タンク21内に設けたが、この電動式エアポンプ50は燃料タンク21の外部に設けてベーパ通路23は燃料タンク21内に配設するようにしてもよい。
【0074】
・ 上記各実施形態では、電動式エアポンプ50により燃料タンク21内の燃料蒸気を吸引してキャニスタ22内に送気することにより差圧Pctを形成するようにしたが、キャニスタ22内の気体を吸引して燃料タンク21内に送気することにより差圧Pctを形成するようにしてもよい。
【0075】
・ 上記各実施形態では、燃料タンク21の内圧とキャニスタ22の内圧との間に差圧Pctを形成する際、パージ制御弁46及び大気遮断弁48を閉弁してエバポ経路を密閉するようにした。しかしながら、パージ制御弁46及び大気遮断弁48の少なくとも1つを完全に閉弁しなくても、電動式エアポンプ50を作動させることにより前記差圧Pctを形成することができる。
【0076】
・ 上記各実施形態では、大気導入通路25は、フューエルリッドで開閉される給油用開口部内に設けられたインレット口元47と、キャニスタ22の新気導入口との間を連通し、同口元47から入る大気がキャニスタ22に導入されるようにしているが、こうした構成に本発明は限定されない。キャニスタ22に導入する大気を、前記給油用開口部以外の場所から導入するようにしてもよい。
【0077】
・ 上記各実施形態における燃料蒸気パージシステムの故障診断は、イグニションキーのオフに基づくエンジン10の停止中の車両のソーク中において、ECU60を自動的に起動して大気遮断弁48の作動を制御することにより行うようにしてもよい。このようにすれば、送気手段として電動式エアポンプ50を採用しているので、電動式エアポンプ50を作動させればエバポ経路を構成する燃料タンク21及びキャニスタ22の間に差圧を形成することができ、エンジン10の停止時においてもエバポ経路の漏れ故障の判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る燃料蒸気パージシステムの故障診断装置を示す概略構成図。
【図2】第1実施形態の故障診断装置の動作を示すフローチャート。
【図3】第1実施形態の差圧形成時の差圧の推移を示すタイムチャート。
【図4】第2実施形態の故障診断装置の動作を示すフローチャート。
【図5】第2実施形態の差圧形成時の差圧の推移を示すタイムチャート。
【符号の説明】
P1,P2…所定値、Pct…差圧、ΔPct…変化量、ΔP0…所定値、T1,T2…所定時間、10…エンジン(内燃機関)、11…吸気通路、20…燃料蒸気パージシステム、21…燃料タンク、22…キャニスタ、23…ベーパ通路、24…パージ通路、25…大気導入通路、45…圧力センサ、46…遮断手段としてのパージ制御弁、48…遮断手段としての大気遮断弁、50…送気手段としての電動式エアポンプ、60…判定手段としての電子制御装置(ECU)。

Claims (9)

  1. 燃料タンク内にキャニスタを配置し、燃料タンク及びキャニスタを含んでエバポ経路を形成し、前記燃料タンク内で発生する燃料蒸気を前記キャニスタに捕集し、前記キャニスタに捕集された燃料蒸気をパージ通路を介して内燃機関の吸気通路へパージする燃料蒸気パージシステムにおいて、前記エバポ経路からの燃料蒸気の漏れ故障を診断する燃料蒸気パージシステムの故障診断装置であって、
    前記エバポ経路の漏れ故障の診断に際して、前記燃料タンク及びキャニスタのいずれか一方に存在する気体を他方に送気する送気手段と、
    前記送気手段の作動に基づくキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する判定手段とを備え
    前記判定手段は、前記送気手段を所定時間作動させて送気したときの差圧が予め定められた所定値以上であるかどうかに基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する
    ことを特徴とする燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。
  2. 燃料タンク内にキャニスタを配置し、燃料タンク及びキャニスタを含んでエバポ経路を形成し、前記燃料タンク内で発生する燃料蒸気を前記キャニスタに捕集し、前記キャニスタに捕集された燃料蒸気をパージ通路を介して内燃機関の吸気通路へパージする燃料蒸気パージシステムにおいて、前記エバポ経路からの燃料蒸気の漏れ故障を診断する燃料蒸気パージシステムの故障診断装置であって、
    前記エバポ経路の漏れ故障の診断に際して、前記燃料タンク及びキャニスタのいずれか一方に存在する気体を他方に送気する送気手段と、
    前記送気手段の作動に基づくキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する判定手段とを備え、
    前記判定手段は、前記差圧が所定値に達した後の前記差圧の変化状態に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する
    ことを特徴とする燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。
  3. 請求項1に記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、
    前記判定手段は、前記差圧が所定値に達した後の前記差圧の変化状態に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する
    ことを特徴とする燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、
    前記送気手段は、前記燃料タンク内で発生する燃料蒸気を前記キャニスタ内に導入するベーパ通路に設けられた電動式エアポンプである
    ことを特徴とする燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、
    さらに、前記エバポ経路の漏れ故障の診断に際して前記エバポ経路を外気から遮断して密閉する遮断手段を備える
    ことを特徴とする燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。
  6. 請求項5に記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、
    前記遮断手段は、前記パージ通路を開閉するパージ制御弁と、前記キャニスタに大気を導入する大気導入通路を開閉する大気遮断弁とを含む
    ことを特徴とする燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。
  7. 燃料タンク内にキャニスタを配置し、燃料タンク及びキャニスタを含んでエバポ経路を形成し、前記燃料タンク内で発生する燃料蒸気を前記キャニスタに捕集し、前記キャニスタに捕集された燃料蒸気をパージ通路を介して内燃機関の吸気通路へパージする燃料蒸気パージシステムにおいて、前記エバポ経路からの燃料蒸気の漏れ故障を診断する燃料蒸気パージシステムの故障診断方法であって、
    前記エバポ経路の漏れ故障の診断に際して、前記燃料タンク及びキャニスタのいずれか一方に存在する気体を他方に所定時間送気する工程と、
    前記送気に基づくキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧が予め定められた所定値以上であるかどうかに基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する工程と、
    を備えることを特徴とする燃料蒸気パージシステムの故障診断方法。
  8. 燃料タンク内にキャニスタを配置し、燃料タンク及びキャニスタを含んでエバポ経路を形成し、前記燃料タンク内で発生する燃料蒸気を前記キャニスタに捕集し、前記キャニスタに捕集された燃料蒸気をパージ通路を介して内燃機関の吸気通路へパージする燃料蒸気パージシステムにおいて、前記エバポ経路からの燃料蒸気の漏れ故障を診断する燃料蒸気パージシステムの故障診断方法であって、
    前記エバポ経路の漏れ故障の診断に際して、前記燃料タンク及びキャニスタのいずれか一方に存在する気体を他方に送気する工程と、
    前記送気に基づくキャニスタの内圧と燃料タンクの内圧との差圧が所定値に達した後の前記差圧の変化状態に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する工程と、
    を備えることを特徴とする燃料蒸気パージシステムの故障診断方法。
  9. 請求項7に記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断方法において、
    さらに、前記差圧が所定値に達した後の前記差圧の変化状態に基づいて前記エバポ経路の漏れ故障を判定する工程を備える
    ことを特徴とする燃料蒸気パージシステムの故障診断方法。
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