JP6202267B2 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置 - Google Patents
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Description
例えば、内燃機関の作動時に切替弁、密閉弁及びパージ弁の開閉を制御して、内燃機関の吸気通路に発生する負圧によってパージ通路及び燃料タンク内を負圧にし、当該負圧の保持或いは不保持により漏れやバルブの故障等の異常を検出するようにしている。
そこで、内燃機関の作動機会の少ない車両に設けられる燃料蒸発ガス抑止装置では、燃料蒸発ガス排出抑止装置の通路内を減圧可能な負圧ポンプを備え、内燃機関の停止中に、負圧ポンプの作動と、切替弁、密閉弁及びパージバルブの開閉を制御して、負圧ポンプの吸入圧や燃料タンク内の圧力の変化に基づいて、燃料蒸発ガス排出抑止装置の異常検出を行っているものがある(特許文献1)。
当該燃料蒸発ガス排出抑止装置では、キャニスタ開閉弁を閉止することで、燃料タンクからの燃料蒸発ガスがキャニスタに流入することなく、連通路を介して内燃機関の吸気通路に排出することができ、キャニスタに燃料蒸発ガスが吸着することを抑制することが可能となっている。
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、キャニスタ開閉弁の異常検出が可能な燃料蒸発ガス排出抑止装置を提供することにある。
請求項2の発明によれば、キャニスタ内の圧力が連通路に対して差圧を有しているときに、キャニスタ開閉弁を開制御して、キャニスタの内圧が第2の所定圧以上変化しない場合には、キャニスタ開閉弁が実際に閉弁状態であるので、キャニスタ開閉弁が閉固着状態であると判定することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置1の概略構成図である。また、図2は、エバポレーティブリークチェックモジュール34の切替弁34eの非作動時における内部構成部品の作動を示す図であり、図3は、エバポレーティブリークチェックモジュール34の切替弁34eの作動時における内部構成部品の作動を示す図である。図2及び図3中の矢印は、図の状態でエバポレーティブリークチェックモジュール34内の負圧ポンプ34cを作動させた場合の空気の流れ方向を示す。なお、切替弁34eは、図2の非作動時が開弁状態であり、図3の作動時が閉弁状態である。以下、燃料蒸発ガス排出抑止装置1の構成を説明する。
図1に示すように、燃料蒸発ガス排出抑止装置1は、大きく車両に搭載されるエンジン10と、燃料を貯留する燃料貯留部20と、燃料貯留部20で蒸発した燃料の蒸発ガスを処理する燃料蒸発ガス処理部30と、車両の総合的な制御を行うための制御装置である電子コントロールユニット40(制御部)とで構成されている。
燃料貯留部20は、燃料タンク21と、燃料タンク21への燃料注入口である燃料給油口22と、燃料を燃料タンク21から燃料配管13を介して燃料噴射弁12に供給する燃料ポンプ23と、燃料タンク21から燃料蒸発ガス処理部30への燃料の流出を防止する燃料カットオフバルブ24と、給油時に燃料タンク21内の液面を制御するレベリングバルブ25とで構成されている。また、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガスは、燃料カットオフバルブ24よりレベリングバルブ25を経由して、燃料蒸発ガス処理部30に排出される。
パージ配管31は、エンジン10の吸気通路11とキャニスタ33とを連通するように設けられている。
キャニスタ33は、内部に活性炭を有している。また、キャニスタ33には、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガス或いは活性炭に吸着した燃料蒸発ガスが流通可能なようにパージ配管31が接続されている。また、キャニスタ33には、活性炭に吸着した燃料蒸発ガスをエンジン10の吸気通路11に放出するときに外気を吸入する大気孔(連通孔)33aが設けられている。
密閉弁35は、燃料タンク21とパージ配管31との間のベーパ配管32に介装されている。密閉弁35は、電磁ソレノイドを備え、当該電磁ソレノイドで駆動される。密閉弁35は、電磁ソレノイドが無通電の状態(OFF)で閉弁状態となり、電磁ソレノイドに外部から駆動信号が供給され通電の状態(ON)となると開弁状態となる常時閉タイプの電磁弁である。密閉弁35は、電磁ソレノイドが無通電の状態(OFF)で閉弁状態であるとベーパ配管32を封鎖し、電磁ソレノイドに外部から駆動信号が供給され通電の状態(ON)で開弁状態であるとベーパ配管32を開放する。即ち、密閉弁35は、閉弁状態であれば燃料タンク21を密閉状態に封鎖し、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガスのキャニスタ33或いはエンジン10の吸気通路11への流出を不可とし、開弁状態であれば燃料蒸発ガスのキャニスタ33或いはエンジン10の吸気通路11への流出を可能とする。
電子コントロールユニット40は、車両の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)及びタイマ等を含んで構成される。
一方、電子コントロールユニット40の出力側には、上記燃料噴射弁12、燃料ポンプ23、負圧ポンプ34c、切替弁34e、密閉弁35、パージバルブ36及びバイパス弁37が接続されている。
図4は、電子コントロールユニット40が実行するバイパス弁37の異常検出の制御フローチャートの一部である。図5は、電子コントロールユニット40が実行するバイパス弁37の異常検出の制御フローチャートの残部である。
なお、エンジン10が停止状態のとき、吸気通路11は大気圧となる。これは、吸気通路11の下流は吸気バルブ50、気筒内51、排気バルブ52を介して排気管53に通じており、排気管53は大気に開放されているからである。また、吸気通路11の上流側もスロットルバルブ55、エアクリーナ56を介して大気側に開放されている。このように、エンジン10停止中は、これら吸気排気バルブ50、51の隙間およびスロットルバルブ55の隙間等から吸気通路11の圧力が大気側に開放されるので、吸気通路11は大気圧となる。
ステップS30では、バイパス弁37を閉弁状態にするとともに、開固着判定タイマを0からスタートさせる。そして、ステップS40に進む。
ステップS40では、圧力センサ34hによりキャニスタ内圧Pを検出する。そして、ステップS50に進む。
ステップS60では、ステップS50で演算した圧力偏差ΔPが、第1の所定圧P1以上であるか否かを判別する。第1の所定圧P1は、バイパス弁37を閉弁状態にして負圧ポンプ34cを第1の所定時間T1作動した場合に達する圧力偏差ΔPをあらかじめ確認しておき、その下限値に設定すればよい。なお、第1の所定時間T1は、負圧ポンプ34cの作動により圧力偏差ΔPが十分に大きくなるような値に適宜設定すればよい。圧力偏差ΔPが、第1の所定圧P1以上である場合には、ステップS70に進む。圧力偏差ΔPが、第1の所定圧P1未満である場合には、ステップS80に進む。
ステップS80では、ステップS30で開固着判定タイマがスタートしてからの経過時間Taを読み込む。そして、ステップS90に進む。
ステップS90では、ステップS80で読み込んだ経過時間Taが第1の所定時間T1以上であるか否かを判別する。経過時間Taが第1の所定時間T1以上である場合には、ステップS100に進む。経過時間Taが第1の所定時間T1未満である場合には、ステップS40に戻る。
ステップS110では、閉固着判定タイマを0からスタートさせる。そして、ステップS120に進む。
ステップS120では、圧力センサ34hによりキャニスタ内圧Pを検出する。そして、ステップS130に進む。
ステップS140では、ステップS130で演算した圧力偏差ΔPが、第2の所定圧P2以下であるか否かを判別する。第2の所定圧P2は、圧力偏差が第1の所定圧P1である状態からバイパス弁37が開弁状態になってキャニスタ33内の圧力が吸気通路11に開放され、圧力偏差ΔPが低下し、第2の所定時間T2経過した場合に到達する圧力偏差ΔPをあらかじめ確認しておき、その上限値に設定すればよい。なお、第2の所定時間T2は、バイパス弁37の開弁によりキャニスタ内圧が負圧状態から上昇して圧力偏差ΔPが0に近くなるような値に適宜設定すればよい。圧力偏差ΔPが、第2の所定圧P2以下である場合には、ステップS150に進む。圧力偏差ΔPが、第2の所定圧P2より大きい場合には、ステップS160に進む。
ステップS160では、ステップS30で閉固着判定タイマがスタートしてからの経過時間Tbを読み込む。そして、ステップS170に進む。
ステップS90では、ステップS160で読み込んだ経過時間Tbが第2の所定時間T2以上であるか否かを判別する。経過時間Tbが第2の所定時間T2以上である場合には、ステップS180に進む。経過時間Tbが第2の所定時間T2未満である場合には、ステップS120に戻る。
なお、以上のステップS10からステップS100までの制御が本願発明の開固着判定制御に該当し、ステップS110からステップS180までの制御が本願発明の閉固着判定制御に該当する。
また、上記実施形態では、開固着判定制御を行い、開固着状態でないと判定した場合には、圧力偏差ΔPが第1の所定圧P1まで増加している状態から続けて閉固着判定制御を行っている。これにより、開固着及び閉固着の両方を続けて短時間で判定することができる。
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の形態は上記実施形態に限定されるものではない。
また、キーオフによるエンジン停止時だけでなく、吸気通路11が大気圧に近い状態であれば、開固着判定及び閉固着判定が可能である。
また、上記実施形態では、エバポレーティブリークチェックモジュール34に負圧ポンプ34cを備えているが、正圧を発生させる正圧ポンプを代わりに用いてもよい。
11 吸気通路
21 燃料タンク
31 パージ配管(連通路)
32 ベーパ配管(連通路)
33 キャニスタ
34c 負圧ポンプ(圧力発生部)
34h 圧力センサ(圧力検出部)
35 密閉弁(タンク開閉弁)
36 パージバルブ(パージ弁)
37 バイパス弁(キャニスタ開閉弁)
40 電子コントロールユニット(制御部)
Claims (3)
- 内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを連通する連通路と、
前記連通路に接続され前記連通路内の燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、
前記連通路と前記キャニスタとの連通を開閉するキャニスタ開閉弁と、
前記吸気通路と前記キャニスタとの間の前記連通路を開閉するパージ弁と、
前記キャニスタの内部と外部とを連通する連通孔を介して前記キャニスタに圧力を発生させる圧力発生部と、
前記キャニスタの内圧を検出する圧力検出部と、
前記内燃機関が停止状態であるときに前記パージ弁を開弁状態にするとともに前記圧力発生部を作動させた状態で、前記キャニスタ開閉弁を閉制御して、前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧が第1の所定圧以上変化しない場合には前記キャニスタ開閉弁が開固着状態であると判定する、前記キャニスタ開閉弁の異常検出制御を行う制御部と、
を備えたことを特徴とする燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記制御部は、
前記キャニスタ内の圧力が前記連通路内と差圧を有するときに、前記キャニスタ開閉弁を開制御して、前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧が第2の所定圧以上変化しない場合には前記キャニスタ開閉弁が閉固着状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記燃料タンクと前記キャニスタとの間の前記連通路を開閉するタンク開閉弁を備え、
前記制御部は、前記異常検出制御時に更に前記タンク開閉弁を閉弁状態にすることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
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