JP6202268B2 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置 - Google Patents
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Description
例えば、内燃機関の作動時に切替弁、密閉弁及びパージ弁の開閉を制御して、内燃機関の吸気通路に発生する負圧によってパージ通路及び燃料タンク内を負圧にし、当該負圧の保持或いは不保持により漏れやバルブの故障等の異常を検出するようにしている。
そこで、内燃機関の作動機会の少ない車両に設けられる燃料蒸発ガス抑止装置では、燃料蒸発ガス排出抑止装置の通路内を減圧可能な負圧ポンプを備え、内燃機関の停止中に、負圧ポンプの作動と、切替弁、密閉弁及びパージバルブの開閉を制御して、負圧ポンプの吸入圧や燃料タンク内の圧力の変化に基づいて、燃料蒸発ガス排出抑止装置の異常検出を行っているものがある(特許文献1)。
当該燃料蒸発ガス排出抑止装置では、キャニスタ開閉弁を閉止することで、燃料タンクからの燃料蒸発ガスがキャニスタに流入することなく、連通路を介して内燃機関の吸気通路に排出することができ、キャニスタに燃料蒸発ガスが吸着することを抑制することが可能となっている。
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、キャニスタ開閉弁の異常検出が可能な燃料蒸発ガス排出抑止装置を提供することにある。
したがって、圧力発生部の作動によるキャニスタの内圧の変化速度によって、実際にキャニスタ開閉弁が開弁状態あるいは閉弁状態であるかを判定することができる。そして、キャニスタ開閉弁の開閉制御とキャニスタの内圧の変化速度によって判定される実際のキャニスタ開閉弁の開閉状態とが一致しない場合に、キャニスタ開閉弁の異常を検出することができる。
請求項2の発明によれば、パージ弁を閉弁状態にするとともにキャニスタ開閉弁を開制御した状態で、圧力発生部を作動させてから第2の所定時間経過するまでに、キャニスタの内圧が第2の所定圧以上変化した場合には、キャニスタ開閉弁が実際に閉弁状態であるので、キャニスタ開閉弁が閉固着状態であると判定することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置1の概略構成図である。また、図2は、エバポレーティブリークチェックモジュール34の切替弁34eの非作動時における内部構成部品の作動を示す図であり、図3は、エバポレーティブリークチェックモジュール34の切替弁34eの作動時における内部構成部品の作動を示す図である。図2及び図3中の矢印は、図の状態で後述する負圧ポンプ34cを作動させた場合の空気の流れ方向を示す。なお、切替弁34eは、図2の非作動時が開弁状態であり、図3の作動時が閉弁状態である。以下、燃料蒸発ガス排出抑止装置1の構成を説明する。
図1に示すように、燃料蒸発ガス排出抑止装置1は、大きく車両に搭載されるエンジン10と、燃料を貯留する燃料貯留部20と、燃料貯留部20で蒸発した燃料の蒸発ガスを処理する燃料蒸発ガス処理部30と、車両の総合的な制御を行うための制御装置である電子コントロールユニット40(制御部)とで構成されている。
燃料貯留部20は、燃料タンク21と、燃料タンク21への燃料注入口である燃料給油口22と、燃料を燃料タンク21から燃料配管13を介して燃料噴射弁12に供給する燃料ポンプ23と、燃料タンク21から燃料蒸発ガス処理部30への燃料の流出を防止する燃料カットオフバルブ24と、給油時に燃料タンク21内の液面を制御するレベリングバルブ25とで構成されている。また、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガスは、燃料カットオフバルブ24よりレベリングバルブ25を経由して、燃料蒸発ガス処理部30に排出される。
パージ配管31は、エンジン10の吸気通路11とキャニスタ33とを連通するように設けられている。
キャニスタ33は、内部に活性炭を有している。また、キャニスタ33には、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガス或いは活性炭に吸着した燃料蒸発ガスが流通可能なようにパージ配管31が接続されている。また、キャニスタ33には、活性炭に吸着した燃料蒸発ガスをエンジン10の吸気通路11に放出するときに外気を吸入する大気孔(連通孔)33aが設けられている。
密閉弁35は、燃料タンク21とパージ配管31との間のベーパ配管32に介装されている。密閉弁35は、電磁ソレノイドを備え、当該電磁ソレノイドで駆動される。密閉弁35は、電磁ソレノイドが無通電の状態(OFF)で閉弁状態となり、電磁ソレノイドに外部から駆動信号が供給され通電の状態(ON)となると開弁状態となる常時閉タイプの電磁弁である。密閉弁35は、電磁ソレノイドが無通電の状態(OFF)で閉弁状態であるとベーパ配管32を封鎖し、電磁ソレノイドに外部から駆動信号が供給され通電の状態(ON)で開弁状態であるとベーパ配管32を開放する。即ち、密閉弁35は、閉弁状態であれば燃料タンク21を密閉状態に封鎖し、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガスのキャニスタ33或いはエンジン10の吸気通路11への流出を不可とし、開弁状態であれば燃料蒸発ガスのキャニスタ33或いはエンジン10の吸気通路11への流出を可能とする。
電子コントロールユニット40は、車両の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)及びタイマ等を含んで構成される。
一方、電子コントロールユニット40の出力側には、上記燃料噴射弁12、燃料ポンプ23、負圧ポンプ34c、切替弁34e、密閉弁35、パージバルブ36及びバイパス弁37が接続されている。
図4は、電子コントロールユニット40が実行するバイパス弁37の開固着判定制御の制御フローチャートである。図5は、電子コントロールユニット40が実行するバイパス弁37の閉固着判定制御の制御フローチャートである。
ステップS20では、負圧ポンプ34cを作動開始(ON)させる。そして、ステップS30に進む。
ステップS40では、圧力センサ34hによりキャニスタ内圧Pを検出する。そして、ステップS50に進む。
ステップS50では、ステップS40で検出したキャニスタ内圧Pと、ステップS10で記憶した基準圧力Pbとの差である圧力偏差ΔP(=|P―Pb|)を演算する。そして、ステップS60に進む。
ステップS80では、ステップS30で開固着判定タイマがスタートしてからの経過時間Taを読み込む。そして、ステップS90に進む。
ステップS90では、ステップS80で読み込んだ経過時間Taが第1の所定時間T1以上であるか否かを判別する。経過時間Taが第1の所定時間T1以上である場合には、ステップS100に進む。経過時間Taが第1の所定時間T1未満である場合には、ステップS40に戻る。
ステップS110では、バイパス弁37及び切替弁34eを開弁状態にするとともに、負圧ポンプ34cを停止(OFF)する。そして、本ルーチンを終了する。
バイパス弁37の閉固着判定制御は、図5に示すように、始めにステップS120において、バイパス弁37を開制御するとともに、切替弁34e及びパージバルブ36を夫々閉弁状態にする。更に圧力センサ34hによりキャニスタ内圧を検出し、検出した圧力を基準圧力Pbとして記憶する。そして、ステップS130に進む。
ステップS140では、閉固着判定タイマを0からスタートさせる。そして、ステップS150に進む。
ステップS150では、ステップS140で閉固着判定タイマがスタートしてからの経過時間Tbを読み込む。そして、ステップS160に進む。
ステップS180では、圧力センサ34hによりキャニスタ内圧Pを検出する。そして、ステップS190に進む。
ステップS190では、ステップS180で検出したキャニスタ内圧Pと、ステップS120で記憶した基準圧力Pbとの差である圧力偏差ΔP(=|P―Pb|)を演算する。そして、ステップS200に進む。
ステップS220では、切替弁34eを開弁状態にするとともに、負圧ポンプ34cを停止オフ(OFF)にする。そして、本ルーチンを終了する。
以上のように制御することで、本発明に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置1では、例えば、図6に示すように、バイパス弁37が正常であれば、バイパス弁37を閉制御するとともに切替弁34eを閉弁させることでキャニスタ33は封鎖された状態となり、負圧ポンプ34cを作動させることでキャニスタ内圧Pが低下し、圧力偏差ΔPが増加する。そして、この圧力偏差ΔPが第1の所定時間T1内に第1の所定圧P1に達すれば、バイパス弁37が実際に閉弁状態になっており、開弁状態で固着していないと判定することができる。
このように、バイパス弁37の実際の開閉状態は、負圧ポンプ34cの作動によるキャニスタ内圧Pの低下速度で判別することができる。これは、バイパス弁37が実際に開弁状態であると、キャニスタ33と連通路31とが連通しているため、負圧ポンプ34cと連通する空間の容積がキャニスタ33内だけと比べて大きくなるからであり、負圧ポンプ34cが作動したときの圧力の低下速度が小さくなる。一方、バイパス弁37が実際に閉弁状態であると、負圧ポンプ34cと連通する空間の容積がキャニスタ33内のみとなるので、負圧ポンプ34cが作動したときの圧力の低下速度は大きくなる。したがって、バイパス弁37を閉制御しているにも拘わらず、キャニスタ内圧Pの低下速度によってバイパス弁37が開状態であると判定された場合には、バイパス弁37が開固着していると判定することができるのである。
また、バイパス弁37の開固着及び閉固着の判定を圧力センサ34hのみの検出結果に基づいて行っているので、複数の圧力センサの検出結果に基づいてバイパス弁37の開固着及び閉固着の判定を行うよりも、圧力センサの故障により判定が不能となる可能性を減少させることができる。
例えば、上記開固着判定制御及び閉固着判定制御のうち、開固着判定制御のみ行ってもよい。
また、上記実施形態では、エバポレーティブリークチェックモジュール34に負圧ポンプ34cを備えているが、正圧を発生させる正圧ポンプを代わりに用いてもよい。
11 吸気通路
21 燃料タンク
31 パージ配管(連通路)
32 ベーパ配管(連通路)
33 キャニスタ
34c 負圧ポンプ(圧力発生部)
35 密閉弁(タンク開閉弁)
36 パージバルブ(パージ弁)
34h 圧力センサ(圧力検出部)
37 バイパス弁(キャニスタ開閉弁)
40 電子コントロールユニット(制御部)
Claims (3)
- 内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを連通する連通路と、
前記連通路に接続され前記連通路内の燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、
前記キャニスタと前記連通路との連通を開閉するキャニスタ開閉弁と、
前記吸気通路と前記キャニスタとの間の前記連通路を開閉するパージ弁と、
前記キャニスタの内部と外部とを連通する連通孔を介して前記キャニスタに圧力を発生させる圧力発生部と、
前記キャニスタの内圧を検出する圧力検出部と、
前記パージ弁を閉弁状態にし、前記圧力発生部を作動させるとともに前記キャニスタ開閉弁を閉制御してから第1の所定時間経過するまでに、前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧が第1の所定圧以上変化しない場合には前記キャニスタ開閉弁が開固着状態であると判定する、前記キャニスタ開閉弁の異常検出制御を行う制御部と、
を備えたことを特徴とする燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記制御部は、
前記パージ弁を閉弁状態にするとともに前記キャニスタ開閉弁を開制御した状態で、前記圧力発生部を作動させてから第2の所定時間経過するまでに、前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧が第2の所定圧以上変化した場合には前記キャニスタ開閉弁が閉固着状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記燃料タンクと前記キャニスタとの間の前記連通路を開閉するタンク開閉弁を備え、
前記制御部は、前記異常検出制御時に更に前記タンク開閉弁を閉弁状態にすることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
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