JP6421927B2 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置 - Google Patents
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Description
また別の態様として、リークテスト実行手段が、圧力調整制御手段により制限時間の経過に基づきキャニスタ開閉弁が閉弁された場合に、密閉弁及びキャニスタ開閉弁をそれぞれ開弁操作した上で、パージ弁を開弁したときの燃料タンクの内圧変化を計測し、燃料タンクの内圧が低下した場合にキャニスタ開閉弁の閉固着の判定を下すことが好ましい(請求項3)。
また別の態様として、リークテスト実行手段が、圧力調整制御手段により制限時間の経過に基づきキャニスタ開閉弁が閉弁された場合に、密閉弁及びキャニスタ開閉弁をそれぞれ開弁操作した上で、パージ弁を開弁したときの燃料タンクの内圧変化を計測し、燃料タンクの内圧が低下しない場合に密閉弁の閉固着の判定を下すことが好ましい(請求項4)。
また別の態様として、リークテスト実行手段が、リークテストとして、キャニスタ開閉弁の閉弁後に連通路の内圧変化を計測し、キャニスタ開閉弁の開弁後にキャニスタの内圧変化を計測し、これらの計測結果から連通路及び燃料タンクのリークの有無を判定することが好ましい(請求項5)。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置1の概略構成図である。また、図2は、エバポレーティブリークチェックモジュール34の切替弁34eの非作動時における内部構成部品の作動を示す図であり、図3は、エバポレーティブリークチェックモジュール34の切替弁34eの作動時における内部構成部品の作動を示す図である。図2及び図3中の矢印は、図の状態でエバポレーティブリークチェックモジュール34内の負圧ポンプ34cを作動させた場合の空気の流れ方向を示す。なお、切替弁34eは、図2の非作動時が開弁状態であり、図3の作動時が閉弁状態である。以下、燃料蒸発ガス排出抑止装置の構成を説明する。
図1に示すように、燃料蒸発ガス排出抑止装置1は、大きく車両に搭載されるエンジン10と、燃料を貯留する燃料貯留部20と、燃料貯留部20で蒸発した燃料の蒸発ガスを処理する燃料蒸発ガス処理部30と、車両の総合的な制御を行うための制御装置である電子コントロールユニット(以下、ECUという)40とで構成されている。
燃料貯留部20は、燃料タンク21と、燃料タンク21への燃料注入口である燃料給油口22と、燃料を燃料タンク21から燃料配管13を介して燃料噴射弁12に供給する燃料ポンプ23と、燃料タンク21から燃料蒸発ガス処理部30への燃料の流出を防止する燃料カットオフバルブ24及び給油時に燃料タンク21内の液面を制御するレベリングバルブ25とで構成されている。また、燃料タンク21内で発生した燃料の蒸発ガスは、燃料カットオフバルブ24よりレベリングバルブ25を経由して、燃料蒸発ガス処理部30に排出される。
パージ配管31は、エンジン10の吸気通路11とキャニスタ33とを連通するように設けられている。
キャニスタ33は、内部に活性炭を有している。また、キャニスタ33には、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガス或いは活性炭に吸着した燃料蒸発ガスが流通可能なようにパージ配管31が接続されている。また、キャニスタ33には、活性炭に吸着した燃料蒸発ガスをエンジン10の吸気通路11に放出するときに外気を吸入する大気孔33aが設けられている。
ECU40は、車両の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)及びタイマ等を含んで構成される。
一方、ECU40の出力側には、上記燃料噴射弁12、燃料ポンプ23、負圧ポンプ34c、切替弁34e、密閉弁35、パージ弁36及びバイパス弁37が接続されている。
ECU40は、各種センサ類からの検出情報に基づいて、負圧ポンプ34cの運転と、切替弁34e、密閉弁35、パージ弁36及びバイパス弁37の開閉とを制御し、燃料タンク21にて発生した燃料蒸発ガスのキャニスタ33への吸着や、エンジン10の運転時にキャニスタ33に吸着した燃料蒸発ガスや燃料タンク21にて発生した燃料蒸発ガスをエンジン10の吸気通路11へ排出するパージ処理(キャニスタパージ、タンクパージ)を可能としている。
ECU40は、キャニスタパージでは、エンジン運転中において、パージ弁36及びバイパス弁37を開弁する。なお、このとき、密閉弁35は閉弁状態であり、切替弁34eは開弁状態である。これにより、エンジン10の吸気通路11にパージ配管31及びキャニスタ33が連通するので、エンジン10の作動により負圧となった吸気通路11へ、キャニスタ33の外気吸入口から大気がキャニスタ33、パージ配管31を通過して流入する。したがって、キャニスタ33に吸着されている燃料蒸発ガスが吸気通路11へ排出して処理される。
図4は、ECU40が実行するリークモニタの制御手順を示すフローチャートである。また、図5〜7は、リークモニタにおける各弁(密閉弁35、切替弁34e、バイパス弁37及びパージ弁36)の駆動信号、負圧ポンプ34cの駆動信号、キャニスタ内圧Pcan、及びタンク内圧Ptanの変化状況を示すタイムチャートである。図5は、燃料蒸発ガス排出抑止装置のシステム全体が正常な場合の制御状況(期間1〜6に細分化)を示し、図6は、バイパス弁37が閉固着している場合の制御状況(期間1〜5A)を示し、図7は、密閉弁35が閉固着している場合の制御状況(期間1〜5A)を示しており、各タイムチャート中の期間2でECU40により実行される処理(主に燃料タンク21の内圧の低下処理)が、図4に示したものである。
まず、燃料蒸発ガス排出抑止装置1のシステム全体が正常な場合、即ち、全ての弁(密閉弁35、切替弁34e、バイパス弁37及びパージ弁36)が固着することなく正常に開閉し、燃料タンク21、キャニスタ33、パージ配管31及びベーパ配管32がリーク無しの場合には、図5に示すように制御が進行する。
この負圧ポンプ34cの暖機と並行して、パージ配管31及びベーパ配管32を対象としたリークテスト(本発明のリークテスト実行手段に相当)が実行されるが、それに先だって燃料タンク21の内圧を低下させる操作(本発明の圧力調整制御手段に相当)が行われる。まず、密閉弁35が開弁され(図4のステップS6)、燃料タンク21内の燃料蒸発ガスがキャニスタ33に流入して吸着され、吸着後の空気が切替弁34eから大気に排出されることによりタンク内圧Ptanは次第に低下する。タンク内圧Ptanが開弁保証判定値P0まで低下すると(図4のステップS10がYes)、バイパス弁37が閉弁される(図4のステップS14)。
期間1から期間2に移行して負圧ポンプ34cの作動が開始され、その後に密閉弁35が開弁されるまでは上記したシステム正常時と同様である。そして、この場合にはバイパス弁37の閉固着により、燃料タンク21内の空気がキャニスタ33を経由して大気に排出されないため、タンク内圧Ptanは開弁保証判定値P0まで低下することなく当初の値(ソーク中の高圧値)に保持される。このため、運転継続時間Tが制限時間Tlmt以上になった時点で、タンク内圧Ptanとは関係なくバイパス弁37の閉弁操作が行われる(実際は既に閉固着)。このようにシステムが正常であれば密閉弁35の開弁により低下するはずのタンク内圧Ptanが低下しないことから、この時点で何らかの故障(具体的には、バイパス弁37或いは密閉弁35の閉固着)が発生しているものと推測でき、以降の処理により故障箇所の特定が行われる。
その後、期間2から期間3に移行して、負圧ポンプ34cの停止、切替弁34eの閉弁、バイパス弁37の開弁が順次行われる。バイパス弁37が閉固着しているため、燃料タンク21内の燃料蒸発ガスはキャニスタ33内に流入せず、キャニスタ内圧Pcanが増加しないことからキャニスタ内圧変化量ΔP2として0が計測される。キャニスタ内圧変化量ΔP2が変化量判定値ΔP2ref以下であることから、燃料タンク21、パージ配管31及びベーパ配管32のリークの有無が不明と判定され、リークテストの対象を燃料蒸発ガス排出抑止装置1のシステム全体とした検出方法Aが選択される。
期間2から期間3に移行して、負圧ポンプ34cの停止、切替弁34eの閉弁、バイパス弁37の開弁が順次行われた時点までは上記したバイパス弁37の閉固着時と同様である。この場合には密閉弁35が閉固着しているため、バイパス弁37を開弁しても燃料タンク21内の燃料蒸発ガスはキャニスタ33内に流入しないことから、キャニスタ内圧変化量ΔP2として0が計測される。よって、キャニスタ内圧変化量ΔP2が変化量判定値ΔP2ref以下であるとして、リークテストの対象を燃料蒸発ガス排出抑止装置1のシステム全体とした検出方法Aが選択される。
また上記実施形態では、リークテスト実行手段が実行するリークテストとして、パージ配管31及びベーパ配管32を対象としたリークテストを実行したが、その内容はこれに限定されるものではなく、リークテスト中にキャニスタ開閉弁(バイパス弁37)を閉弁から開弁に切り換えるものであれば任意に変更可能である。
10 エンジン(内燃機関)
11 吸気通路
21 燃料タンク
31 パージ配管(連通路)
32 ベーパ配管(連通路)
33 キャニスタ
34c 負圧ポンプ
35 密閉弁
36 パージ弁
37 バイパス弁(キャニスタ開閉弁)
40 ECU(リークテスト実行手段、圧力調整制御手段)
Claims (6)
- 内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを連通する連通路と、
前記連通路に接続され前記連通路内の燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、
前記連通路と前記キャニスタとの連通を開閉するキャニスタ開閉弁と、
前記吸気通路と前記キャニスタとの間の前記連通路を開閉するパージ弁と、
前記燃料タンクと前記連通路との連通を開閉する密閉弁と、
前記パージ弁を閉弁した状態で、前記密閉弁を開弁させ前記キャニスタ開閉弁を閉弁させ、その後に該キャニスタ開閉弁を開弁させて、前記キャニスタの内圧を検出する検出手段にてリークテストを実行するリークテスト実行手段と、
前記リークテスト実行手段によるリーク判定処理に先立ち、前記キャニスタ開閉弁を開弁状態に保ちつつ閉弁中の前記密閉弁を開弁して前記燃料タンクの内圧を予め設定された開弁保証判定値まで低下させ、その後に前記キャニスタ開閉弁を閉弁する圧力調整制御手段と
を備えることを特徴とする燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記圧力調整制御手段は、前記燃料タンクの内圧が開弁保証判定値まで低下しなくても、予め設定された制限時間が経過した時点で前記キャニスタ開閉弁を閉弁する
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記リークテスト実行手段は、前記圧力調整制御手段により制限時間の経過に基づき前記キャニスタ開閉弁が閉弁された場合に、前記密閉弁及び前記キャニスタ開閉弁をそれぞれ開弁操作した上で、前記パージ弁を開弁したときの前記燃料タンクの内圧変化を計測し、該燃料タンクの内圧が低下した場合に前記キャニスタ開閉弁の閉固着の判定を下す
ことを特徴とする請求項2に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記リークテスト実行手段は、前記圧力調整制御手段により制限時間の経過に基づき前記キャニスタ開閉弁が閉弁された場合に、前記密閉弁及び前記キャニスタ開閉弁をそれぞれ開弁操作した上で、前記パージ弁を開弁したときの前記燃料タンクの内圧変化を計測し、該燃料タンクの内圧が低下しない場合に前記密閉弁の閉固着の判定を下す
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記リークテスト実行手段は、前記リークテストとして、前記キャニスタ開閉弁の閉弁後に前記連通路の内圧変化を計測し、該キャニスタ開閉弁の開弁後に前記キャニスタの内圧変化を計測し、これらの計測結果から前記連通路及び燃料タンクのリークの有無を判定する
ことを特徴とする請求項1から4に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記キャニスタ内を減圧する負圧ポンプをさらに備え、
前記リークテスト実行手段は、前記負圧ポンプの暖機中に並行して前記リークテストを実行する
ことを特徴とする請求項1から5に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
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