JP6512405B2 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置 - Google Patents
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Description
更に、特許文献1に示すように、タンクパージ実行中において、燃料タンク内の燃料蒸発ガスがキャニスタに吸着されないように、燃料タンクと吸気通路とを連通しつつキャニスタを封鎖するキャニスタ開閉弁(ベーパソレノイドバルブ)を備えた装置が開発されている。
しかし、上記のようにキャニスタ開閉弁を備えた燃料蒸発ガス排出抑止装置では、キャニスタ開閉弁の故障判定も要求されるため、故障判定に必要な時間が長くなってしまうといった問題点がある。
本願発明はこのような問題を解決するためになされたもので、キャニスタ開閉弁を備えるとともに、タンクパージが可能な燃料蒸発ガス排出抑止装置において、キャニスタ開閉弁の故障判定機会を増加させ、故障判定時間を短縮させる燃料蒸発ガス排出抑止装置を提供することにある。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置1の概略構成図である。
また、図2〜4は、密閉弁35の構造及び作動を示す説明図であり、図2は非通電時、図3は通電時であって燃料タンク側がバイパス弁側より高圧である場合、図4は通電時であって燃料タンク側とバイパス弁側とが略同一の圧力である場合を示す。図5、6は、エバポレーティブリークチェックモジュールの構造及び作動を示す説明図であり、図5は切替弁の非作動時での状態、図6は切替弁の作動時での状態を示す。図2〜4中の実線の矢印は、燃料蒸発ガスの流れ方向を示す。図5及び図6中の矢印は、エバポレーティブリークチェックモジュール34内の負圧ポンプ34c(圧力発生部)を作動させた場合の空気の流れ方向を示す。
本実施形態の燃料蒸発ガス排出抑止装置1を備えた車両は、エンジン10を作動させずに車両に搭載したバッテリの電力により走行用モータで走行駆動するEVモードと、エンジン10を作動させてエンジン10及び走行用モータの両方で走行駆動するパラレルモードが可能である。
燃料貯留部20は、燃料タンク21と、燃料タンク21への燃料注入口である燃料給油口22と、車両の車体に設けられる燃料給油口22の蓋である給油リッド23と、給油リッド23を閉状態でロックするリッドロック機構65と、燃料を燃料タンク21から燃料配管13を介して燃料噴射弁12に供給する燃料ポンプ24と、燃料タンク21の内圧である燃料タンク内圧Ptを検出する圧力センサ25(タンク圧検出部)と、燃料タンク21から燃料蒸発ガス処理部30への燃料の流出を防止する燃料カットオフバルブ26と、給油時に燃料タンク21内の液面を制御するレベリングバルブ27とで構成されている。また、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガスは、燃料カットオフバルブ26よりレベリングバルブ27を経由して、燃料蒸発ガス処理部30に排出される。
パージ配管31は、一端がエンジン10の吸気通路11に接続され、他端がバイパス弁37に接続されている。ベーパ配管32は、一端が燃料タンク21のレベリングバルブ27に接続され、他端がバイパス弁37に接続されている。
図3に示すように、ソレノイド駆動時(通電時)には、小口径弁体35bが大口径弁体35cから離間する方向(図3中、上方)に移動して、大口径弁体35c中央部の流路35gを開放する。ここで、燃料タンク21側の圧力がバイパス弁37側の圧力より高い場合には、大口径弁体35cの上下の圧力差によりスプリング35dの付勢力に抗して大口径弁体35cがソレノイド35eとは反対側に移動し、大口径弁体35cの周縁部とケース35aの内壁面との間の流路35fを遮断する。したがって、燃料タンク21とバイパス弁37とは、小径の流路35gのみを通じて燃料蒸発ガスが流通可能となる。
図5及び図6に示すように、エバポレーティブリークチェックモジュール34には、キャニスタ33の外気吸入孔33aに通じるキャニスタ側通路34aと、エアフィルタ40を介して大気に通じる大気側通路34bとが設けられている。大気側通路34bには、負圧ポンプ34cを備えるポンプ通路34dが連通している。また、エバポレーティブリークチェックモジュール34には、切替弁34eとバイパス通路34fとが設けられている。切替弁34eは、電磁ソレノイドを備え、当該電磁ソレノイドで駆動される。切替弁34eは、電磁ソレノイドが無通電の状態である時には、図5のように、キャニスタ側通路34aと大気側通路34bとを連通させる(切替弁34eの開弁状態に相当)。また、切替弁34eは、電磁ソレノイドに外部から駆動信号が供給され通電されている時には、図6のように、キャニスタ側通路34aとポンプ通路34dとを連通させる(切替弁34eの閉弁状態に相当)。バイパス通路34fは、常時キャニスタ側通路34aとポンプ通路34dとを導通させる通路である。そして、バイパス通路34fには、小径(例えば、直径0.45mm)の基準オリフィス34gが設けられている。また、ポンプ通路34dの負圧ポンプ34cとバイパス通路34fの基準オリフィス34gとの間には、ポンプ通路34d或いは基準オリフィス34g下流のバイパス通路34f内の圧力を検出する圧力センサ34h(圧力検出部)が設けられている。
電子コントロールユニット50は、車両の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)及びタイマ等を含んで構成されており、給油制御部51、タンクパージ制御部52、キャニスタパージ制御部53、故障判定部54、吸着量推定部55を備えている。
一方、電子コントロールユニット50の出力側には、上記燃料噴射弁12、燃料ポンプ24、負圧ポンプ34c、切替弁34e、密閉弁35、パージバルブ36、バイパス弁37、ディスプレイ63、リッドロック機構65に備えられたドアモータ86が接続されている。
キャニスタパージは、電子コントロールユニット50のキャニスタパージ制御部53によって行なわれる。キャニスタパージは、例えばエンジン10の始動直後に所定時間行われ、エンジン運転中においてパージバルブ36及びバイパス弁37を開弁することで、キャニスタ33に吸着されている燃料蒸発ガスを吸気通路11へ導入して処理する。なお、このとき、密閉弁35は閉弁状態とする。
タンクパージ制御部52は、圧力センサ25が検出した燃料タンク内圧Ptが第1の所定圧P1を超える高圧判定がされた際に、密閉弁35、パージバルブ36及びバイパス弁37を制御してタンクパージを実行し、燃料タンク内圧Ptが第2の所定圧P2以下となれば終了させる。なお、第1の所定圧P1は、燃料タンク内圧Ptの許容値内の上限値付近に設定すればよく。第2の所定圧P2は標準大気圧付近に設定すればよい。
また、故障判定部54は、燃料蒸発ガス排出抑止装置1の故障判定を行なうものであり、エバポレーティブリークチェックモジュール34等を用いて燃料蒸発ガス排出抑止装置1内の洩れや各種バルブの故障判定をする。故障判定としては、例えばタンクパージの故障判定、バイパス弁37が開状態で固着している開固着判定等がある。
図7は、電子コントロールユニット50が実行するバイパス弁故障判定及びタンクパージの制御要領を示すフローチャートである。また、図8は、バイパス弁故障判定及びタンクパージにおける、高圧判定、燃料タンク内圧Pt、パージ作動、密閉弁35、バイパス弁37、切替弁34e、負圧ポンプ34cの作動、キャニスタ圧Pcの推移を示すタイムチャートである。
図7に示すように、始めにステップS10では、圧力センサ25から燃料タンク内圧Ptを入力し、燃料タンク内圧Ptが上記の第1の所定圧P1より大きいか否かを判別する。燃料タンク内圧Ptが第1の所定圧P1より大きい場合には、ステップS20に進む。燃料タンク内圧Ptが第1の所定圧P1以下である場合には、ステップS10を繰り返し実行する。
ステップS30では、キャニスタ圧Pcが低下した否かを判別する。このキャニスタ圧Pcの低下については、例えば第2の所定時間t2経過するまでにキャニスタ圧Pcが第3の所定圧P3以下になったか否かによって、キャニスタ圧Pcが低下した否かを判別すればよい。なお、第2の所定時間t2は、バイパス弁37及び切替弁34eが閉弁状態で負圧ポンプ34cを作動してキャニスタ圧が適宜設定された第3の所定圧P3以下に確実に低下するまでに必要な時間に設定すればよい。あるいは、第2の所定時間t2は、後述する待機時間t3と同一に設定してもよい。
ステップS60では、タンクパージを終了させる。詳しくは、パージバルブ36及び密閉弁35を閉弁させ、バイパス弁37を開弁させる。また、エンジン10の強制運転は解除する。そして、本ルーチンを終了する。
ステップS90では、バイパス弁37が開固着故障であると判定する。そして、ステップS100に進む。
図8は、バイパス弁開故障判定及びタンクパージを実施した際での各種検出値の推移の一例を示すタイムチャートである。
上記のように制御することで、例えば図8に示すように、燃料タンク内圧Ptが第1の所定圧P1より大きくなり高圧判定された際(ON)に、バイパス弁37が閉制御されるが、すぐに密閉弁35を開弁させてタンクパージが行われず、待機時間t3経過後にタンクパージが開始される。そして、本実施形態では、この待機時間t3内でバイパス弁37の開故障判定が行なわれる。
第2の所定時間t2内でキャニスタ内圧Pcが第3の所定圧P3以下に低下して、バイパス弁37の開故障でないと判定されてから、密閉弁35を開弁してエンジン10の吸気通路11に燃料タンク21内の燃料蒸発ガスを排出して燃焼させるタンクパージを作動させる。
電子コントロールユニット50は、高圧判定された際に、吸着量推定部55によってキャニスタ33における燃料蒸発ガス吸着量を推定し、吸着量が0に近い所定量以下の低吸着量である場合には、エンジン10を始動せずにバイパス弁開故障判定を行ない、その後バイパス弁37を開制御する。キャニスタ33は燃料蒸発ガスの吸着量が少ない低吸着量状態であるので、キャニスタ33において燃料タンク21内の燃料蒸発ガスを吸着させることができるので、エンジン10が運転していなくとも燃料タンク21内の圧力を低下させることができる。これにより、タンクパージにおいてエンジン10の始動を抑制することで、燃料消費を抑えることができる。
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の形態は上記実施形態に限定されるものではない。
また、例えば、上記実施形態では、燃料蒸発ガス排出抑止装置1がハイブリット車あるいはプラグインハイブリッド車に採用されているが、これら以外のエンジンを搭載した車両に採用したものでもよい。
11 吸気通路
21 燃料タンク
31 パージ配管(連通路)
32 ベーパ配管(連通路)
33 キャニスタ
34c 負圧ポンプ(圧力発生部)
34h 圧力センサ(圧力検出部)
35 密閉弁
36 パージバルブ(パージ弁)
37 バイパス弁(キャニスタ開閉弁)
50 電子コントロールユニット
52 タンクパージ制御部
53 キャニスタパージ制御部
54 故障判定部
55 吸着量推定部
Claims (4)
- 内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを連通する連通路と、
前記連通路に接続され前記連通路内の燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、
前記連通路と前記キャニスタとの連通を開閉するキャニスタ開閉弁と、
前記燃料タンクと前記キャニスタとの間の前記連通路を開閉する密閉弁と、
前記内燃機関の吸気通路と前記キャニスタ開閉弁との間の前記連通路を開閉するパージ弁と、
前記燃料タンクの内圧を検出するタンク圧検出部と、
前記キャニスタの内部に圧力を付与する圧力発生部と、
前記キャニスタの内圧を検出する圧力検出部と、
前記燃料タンクの内圧が第1の所定圧を超えた際に、前記キャニスタ開閉弁を閉弁し、前記内燃機関が所定の運転状態になった後に前記密閉弁及び前記パージ弁を開弁させ、運転状態にある前記内燃機関の前記吸気通路に前記連通路を介して前記燃料タンク内の燃料蒸発ガスを導入して、当該燃料蒸発ガスを処理するタンクパージを行うタンクパージ制御部と、
前記燃料タンクの内圧が前記第1の所定圧を超えて前記キャニスタ開閉弁を閉弁制御してから、前記密閉弁及び前記パージ弁を開弁させるまでの間に、前記圧力発生部により前記キャニスタの内部に圧力を付与し、前記キャニスタの内圧に基づいて前記キャニスタ開閉弁の故障判定を行なう故障判定部と、
を備えたことを特徴とする燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置は、
前記密閉弁を閉弁した状態で前記キャニスタ開閉弁を開弁させ、前記連通路を介して前記キャニスタ内の燃料蒸発ガスを運転状態にある前記内燃機関の前記吸気通路に導入して当該燃料蒸発ガスを処理するキャニスタパージを行なうキャニスタパージ制御部を備え、
前記タンクパージ制御部は、前記故障判定部により前記キャニスタ開閉弁が開固着状態である故障判定をした際には、前記キャニスタパージを行なってから、前記密閉弁を開弁させることを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置は、
前記キャニスタの燃料蒸発ガス吸着量を推定する吸着量推定部を備え、
前記タンクパージ制御部は、前記燃料タンクの内圧が前記第1の所定圧を超えた際に、前記燃料蒸発ガス吸着量が所定量以下の場合には、前記内燃機関の作動に拘わらず、前記故障判定後に前記密閉弁及び前記キャニスタ開閉弁を開弁させて、前記燃料タンク内の燃料蒸発ガスを前記キャニスタに吸着させることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置は、
前記キャニスタの燃料蒸発ガス吸着量を推定する吸着量推定部を備え、
前記タンクパージ制御部は、前記燃料タンクの内圧が前記第1の所定圧を超えた際に、前記燃料蒸発ガス吸着量が所定量よりも多く、かつ前記内燃機関が停止している場合には、前記内燃機関を始動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
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