JP2015117599A - 燃料蒸発ガス排出抑止装置 - Google Patents
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しかしながら、特許文献1においてキャニスタで漏れがあると判定されても、実際にはパージバルブと密閉弁との間の連通路とキャニスタのいずれかで漏れがあると判定できるに過ぎない。
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、キャニスタ単体の洩れ判定が可能な燃料蒸発ガス排出抑止装置を提供することにある。
また、請求項3の燃料蒸発ガス排出抑止装置は、請求項1または2において、前記吸気通路と前記連通路との連通を開閉するパージ弁と、前記連通路と前記燃料タンクとの連通を開閉する密閉弁と、前記パージ弁及び前記密閉弁を閉弁し、前記キャニスタ開閉弁を開弁させるとともに、前記圧力発生部を作動させ、前記圧力検出部により検出した値に基づいて前記キャニスタ及び前記連通路の少なくともいずれか一方に漏れがあることを判定するする第2の判定部と、前記第1の判定部の判定結果及び前記第2の判定部の判定結果に基づいて前記連通路の漏れを判定する第3の判定部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項5の燃料蒸発ガス排出抑止装置は、請求項4において、前記パージ弁を閉弁し、前記密閉弁及び前記キャニスタ開閉弁を開弁させるとともに、前記圧力発生部を作動させ、前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧が所定値を超えて変化しない場合に、前記キャニスタ、前記連通路及び前記燃料タンクの少なくともいずれか一つに漏れがあることを判定する第4の判定部と、前記第4の判定部の判定結果および第2の判定部の判定結果に基づいて前記燃料タンクの漏れを判定する第5の判定部と、を備えたことを特徴とする。
このように、キャニスタに漏れがあることを特定することができるので、キャニスタに漏れがあることが判定された場合には、キャニスタ単体のみ交換することで修理を完了させることができ、交換部品のコスト及び修理工数の低減を図ることができる。
請求項3の発明によれば、パージ弁及び密閉弁を閉弁し、キャニスタ開閉弁を開弁させることで、キャニスタと連通路が連通した閉鎖空間が形成されるので、圧力発生部を作動させてキャニスタ内に圧力を発生させると、キャニスタと連通路のいずれにも漏れがない場合にはキャニスタの内圧が変化する。したがって、この圧力発生部を作動させた際のキャニスタの内圧に基づいて、キャニスタ及び連通路の少なくともいずれか一方に漏れがあることを判定することができる。
請求項4の発明によれば、第1の判定部によってキャニスタに漏れがないと判定され、第2の判定部によってキャニスタ及び連通路の少なくともいずれか一方に漏れがあると判定された場合には、連通路に漏れがあると判定することができる。
請求項6の発明によれば、第2の判定部によって連通路及びキャニスタに漏れがないと判定され、第4の判定部によってキャニスタ、連通路及び燃料タンクの少なくともいずれか一つに漏れがあることが判定された場合には、燃料タンクに漏れがあると判定することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置1の概略構成図である。また、図2は、エバポレーティブリークチェックモジュール34の切替弁34eの非作動時における内部構成部品の作動を示す図であり、図3は、エバポレーティブリークチェックモジュール34の切替弁34eの作動時における内部構成部品の作動を示す図である。図2及び図3中の矢印は、図の状態でエバポレーティブリークチェックモジュール34内の負圧ポンプ34cを作動させた場合の空気の流れ方向を示す。なお、切替弁34eは、図2の非作動時が開弁状態であり、図3の作動時が閉弁状態である。
図1に示すように、燃料蒸発ガス排出抑止装置1は、大きく車両に搭載されるエンジン10と、燃料を貯留する燃料貯留部20と、燃料貯留部20で蒸発した燃料の蒸発ガスを処理する燃料蒸発ガス処理部30と、車両の総合的な制御を行うための制御装置である電子コントロールユニット40(第1の判定部、第2の判定部、第3の判定部、第4の判定部、第5の判定部)とで構成されている。
燃料貯留部20は、燃料タンク21と、燃料タンク21への燃料注入口である燃料給油口22と、燃料を燃料タンク21から燃料配管13を介して燃料噴射弁12に供給する燃料ポンプ23と、燃料タンク21から燃料蒸発ガス処理部30への燃料の流出を防止する燃料カットオフバルブ24及び給油時に燃料タンク21内の液面を制御するレベリングバルブ25とで構成されている。また、燃料タンク21内で発生した燃料の蒸発ガスは、燃料カットオフバルブ24よりレベリングバルブ25を経由して、燃料蒸発ガス処理部30に排出される。
パージ配管31は、エンジン10の吸気通路11とキャニスタ33とを連通するように設けられている。
キャニスタ33は、内部に活性炭を有している。また、キャニスタ33には、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガス或いは活性炭に吸着した燃料蒸発ガスが流通可能なようにパージ配管31が接続されている。また、キャニスタ33には、活性炭に吸着した燃料蒸発ガスをエンジン10の吸気通路11に放出するときに外気を吸入する大気孔33aが設けられている。
電子コントロールユニット40は、車両の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)及びタイマ等を含んで構成される。
一方、電子コントロールユニット40の出力側には、上記燃料噴射弁12、燃料ポンプ23、負圧ポンプ34c、切替弁34e、密閉弁35、パージバルブ36及びバイパス弁37が接続されている。
図4、5に示すように、各バルブのオフ状態(密閉弁35閉、切替弁34e開、パージバルブ36閉、バイパス弁37開)から、始めにステップS10では、基準圧Pb1の確認を行う(図5中a-b)。
全体リーク判定は、まずステップS10の状態から、切替弁34eを閉弁させる。切替弁34eを閉弁すると、キャニスタ側通路34aとポンプ通路34dとが連通するので、キャニスタ内圧Pは大気圧Paまで一端上昇する(図5中b)、このとき切替弁34e及びパージバルブ36が閉弁しているので、漏れがなければその後負圧ポンプ34cの作動により徐々にキャニスタ内圧Pが低下する。
ステップS40では、キャニスタ33及び配管39の漏れを判定するキャニスタ配管リーク判定を行う。この配管39とは、パージバルブ36と密閉弁35との間のパージ配管31及びベーパ配管32である。まず、負圧ポンプ34cを一端停止させ、ポンプ通路34d内を大気圧Paにリセットする(図5中e-f)。そして、切替弁34eを閉弁するとともに負圧ポンプ34cを作動させて圧力センサ34hによりキャニスタ内圧Pを検出する。このとき、密閉弁35が閉弁しているので、配管39及びキャニスタ33の閉鎖された空間の圧力を圧力センサ34hによって検出することになる。
次に、バイパス弁37を所定時間t3閉弁して、圧力センサ34hによりキャニスタ内圧Pを検出し、このキャニスタ内圧Pをキャニスタ内圧P3として記憶する(図5中hの直前)。ここでは、バイパス弁37を閉弁することで、キャニスタ33とパージ配管31との連通が遮断されるので、圧力センサ34hはキャニスタ33内の閉鎖された空間の圧力を検出することになる。
更に、バイパス弁37の開弁とともに、切替弁34eを開弁し、圧力センサ34hによってキャニスタ内圧Pを検出し、基準圧Pb3(所定値)として記憶する(図5中h-i)。
そして、この基準圧Pb3とキャニスタ内圧P2とを比較してキャニスタ配管リーク判定を行う。詳しくは、キャニスタ内圧P2が基準圧Pb3以上である場合にはキャニスタ配管リークあり、即ちパージ配管31、キャニスタ33、ベーパ配管32の少なくともいずれか1つで漏れがあると判定する。基準圧Pb3に対してキャニスタ内圧P2が低い場合にはキャニスタ配管リークなし、即ちパージ配管31、キャニスタ33、ベーパ配管32のいずれにも漏れなしと判定する。そして、ステップS50に進む。
ステップS60では、キャニスタリーク判定を行う。キャニスタリーク判定は、ステップS40で検出した基準圧Pb3とキャニスタ内圧P3とを比較して行う。詳しくは、キャニスタ内圧P2が基準圧Pb3以上である場合には、キャニスタリークあり、即ちキャニスタ33で漏れがあると判定する。基準圧Pb3に対してキャニスタ内圧P2が低い場合には、キャニスタリークなし、即ちキャニスタ33で漏れがないと判定する。そして、ステップS70に進む。
ステップS80では、キャニスタリークあり、即ちキャニスタ33に漏れがあると判定する。そして、本ルーチンを終了する。
ステップS100では、タンクリークあり、即ち燃料タンク21に漏れがあると判定する。そして、本ルーチンを終了する。
ステップS110では、燃料蒸発ガス排出抑止装置1全体で漏れなしと判定する。そして、本ルーチンを終了する。
また、図7に示すように、燃料蒸発ガス排出抑止装置1全体のどこかで漏れがあると判定された上で(b-c)、図7中f-gに示すように、密閉弁35を閉弁、切替弁34eを閉弁、パージバルブ36を閉弁、バイパス弁37を開弁して負圧ポンプ34cを作動することで、キャニスタ内圧P2が基準圧Pb3を超えて低下した場合には、配管39及びキャニスタ33のいずれも漏れがないと判定できるので、燃料タンク21に漏れがあると判定できる。
以上のように、各バルブ(35、36、37、34e)を制御して圧力センサ34hに面して閉鎖空間を形成し、負圧ポンプ34cを用いて負圧を発生させて、圧力センサ34hの検出値、即ちこの閉鎖空間内の圧力が基準圧Pb2、Pb3より低下すれば、この閉鎖空間のいずれかで漏れがあると判定できる。
更に、本実施形態では、バイパス弁37を有しており、バイパス弁37を閉弁したときには、キャニスタ33のみ閉鎖空間となるので、キャニスタ33単体での漏れを判定することができ、漏れの箇所をより小さく特定することができる。
なお、プラグインハイブリッド車のように、フロア下に大容量のバッテリを搭載する車両では、車両の後方にキャニスタ33が配置され、車両前方に搭載したエンジン10との間のパージ配管31が長くなる場合がある。したがってキャニスタ33及び配管39のいずれかしか漏れた箇所が特定できないと、キャニスタ33と配管39の両方を交換する必要があり、部品コストが増加し、またパージ配管31がバッテリの近辺を取回されていると交換時の工数が大幅に増加する虞がある。
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の形態は上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、エバポレーティブリークチェックモジュール34に負圧ポンプ34cを使用しているが、加圧ポンプを使用して、キャニスタ内圧Pが上昇するか否かによって漏れを判定してもよい。
11 吸気通路
21 燃料タンク
31 パージ配管(連通路)
32 ベーパ配管(連通路)
33 キャニスタ
34c 負圧ポンプ(圧力発生部)
34h 圧力センサ(圧力検出部)
35 密閉弁
36 パージバルブ(パージ弁)
37 バイパス弁(キャニスタ開閉弁)
39 配管(連通路)
40 電子コントロールユニット(第1の判定部、第2の判定部、第3の判定部、第4の判定部、第5の判定部)
Claims (6)
- 内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを連通する連通路と、
前記連通路に接続され前記連通路内の燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、
前記連通路と前記キャニスタとの連通を開閉するキャニスタ開閉弁と、
前記キャニスタの内部と外部とを連通する連通孔を介して前記キャニスタに圧力を発生させる圧力発生部と、
前記キャニスタの内圧を検出する圧力検出部と、
前記キャニスタ開閉弁を閉弁するとともに前記圧力発生部を作動させた際の前記圧力検出部により検出した値に基づいて前記キャニスタの漏れを判定する第1の判定部と、
を備えたことを特徴とする燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記第1の判定部は、
前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧が所定値を超えて変化しない場合に、前記キャニスタに漏れがあると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記吸気通路と前記連通路との連通を開閉するパージ弁と、
前記連通路と前記燃料タンクとの連通を開閉する密閉弁と、
前記パージ弁及び前記密閉弁を閉弁し、前記キャニスタ開閉弁を開弁させるとともに、前記圧力発生部を作動させ、前記圧力検出部により検出した値に基づいて前記キャニスタ及び前記連通路の少なくともいずれか一方に漏れがあることを判定する第2の判定部と、
前記第1の判定部の判定結果及び前記第2の判定部の判定結果に基づいて前記連通路の漏れを判定する第3の判定部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記第3の判定部は、前記第1の判定部により前記キャニスタに漏れがないと判定され、前記第2の判定部により前記キャニスタ及び前記連通路の少なくともいずれか一方に漏れがあると判定された場合に、前記連通路に漏れがあると判定することを特徴とする請求項3に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
- 前記パージ弁を閉弁し、前記密閉弁及び前記キャニスタ開閉弁を開弁させるとともに、前記圧力発生部を作動させ、前記圧力検出部により検出した前記キャニスタの内圧が所定値を超えて変化しない場合に、前記キャニスタ、前記連通路及び前記燃料タンクの少なくともいずれか一つに漏れがあることを判定する第4の判定部と、
前記第4の判定部の判定結果および第2の判定部の判定結果に基づいて前記燃料タンクの漏れを判定する第5の判定部と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記第5の判定部は、前記第2の判定部により前記連通路および前記キャニスタに漏れがないと判定され,前記第4の判定部により前記キャニスタ、前記連通路及び前記燃料タンクの少なくともいずれか一つに漏れがあると判定された場合に、前記燃料タンクに漏れがあると判定することを特徴とする請求項5の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
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