JP2020084849A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パージ弁締め切り力又はパージ弁を閉弁から開弁させる力を小さく設定することを可能とし、パージ弁の製造コストや運転に要するエネルギーを低減すること。【解決手段】蒸発燃料処理装置30は、ベーパを捕集するキャニスタ21、キャニスタ21から吸気通路3へベーパを導くパージ通路23、パージ通路23に設けられるパージポンプ24とパージ弁25、パージポンプ24とパージ弁25を制御する電子制御装置(ECU)50を備える。ECU50は、パージするときはパージ弁25を開弁させ、パージポンプ24を定格回転数に制御し、パージを停止するときはパージ弁25を閉弁させ、パージポンプ24を回転数に制御する。ECU50は、パージを開始するときはパージ弁25を閉弁から開弁させる前に、パージポンプ24を定格回転数より低い回転数から定格回転数へ向けて漸次制御し、その制御過程でパージポンプ24が定格回転数より低い第1閾回転数に達したときにパージ弁25を開弁させる。【選択図】 図1
Description
この明細書に開示される技術は、燃料タンクで発生する蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理装置に関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される「蒸発燃料処理装置」が知られている。この装置は、燃料タンクで発生する蒸発燃料(ベーパ)を捕集するキャニスタと、キャニスタに捕集されたベーパをエンジンの吸気通路へ導くパージ通路と、パージ通路を開閉するパージ弁と、パージ通路に設けられ、キャニスタに捕集されたベーパを吸気通路へ圧送するパージポンプと、パージ弁とパージポンプ等を制御する電子制御装置(ECU)とを備える。ECUは、エンジンの運転中にパージ弁を開くと共に、パージポンプを運転させてパージ処理を実施する所定の条件(パージ条件)と、エンジンの運転中で、かつ、パージ条件が成立する前に成立する所定の条件(直前条件)とを定義(設定)する。そして、ECUは、直前条件の成立時に、パージポンプの運転を開始させ、パージポンプが所定の定格回転数に達し、かつ、パージ条件が成立するときにパージ弁を開弁させるようになっている。これにより、パージ弁を開弁させるパージ条件の成立時に、パージポンプが定格回転数に達するまでの時間を短縮し、かつ、パージの応答遅れによるパージ流量の不足を防ぐようになっている。
この蒸発燃料処理装置は、例えば、シリーズ方式のハイブリッド車に搭載されることがある。シリーズ方式のハイブリッド車は、エンジンを発電のみに使用し、モータを車軸の駆動と回生のみに使用し、電力を回収する蓄電池を有する方式である。この方式のハイブリッド車は、エンジンを発電用動力源として搭載した電気自動車ということができる。ここで、特許文献1には明示はないが、シリーズ方式のハイブリッド車では、蓄電池の充電状態やエンジンの燃料消費量等に基づきエンジンを定常運転させるようになっている。エンジンの定常運転時には、蒸発燃料処理装置において、パージを細かく、また応答性良く制御する必要がなくなっている。
ところで、近時は、パージ流量増加の要請からパージポンプが大型化する傾向があり、また、パージの応答性を高めるためにパージポンプを早めに始動させる必要がある。ここで、特許文献1に記載の技術のように、パージ弁が閉弁した状態からパージポンプの運転を開始させ、パージポンプが定格回転数に達するまでパージ弁を閉弁状態に保つためには(ベーパのパージを締め切るためには)、パージ弁の締め切り力を大きく設定したり、パージ弁を閉弁状態から開弁させる力を大きく設定したりする必要がある。そのためには、パージ弁の弁体を弁座に着座させる方向へ付勢するスプリングの力を増加させたり、弁体を電気的に駆動する手段(例えば、ソレノイド)を大型化したり、ソレノイドへの供給電力を増加させたりする必要があり、パージ弁の製造コストや運転に要するエネルギーが増えるおそれがある。
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、パージ弁の締め切り力又はパージ弁を閉弁状態から開弁させる力を小さく設定することを可能とし、パージ弁の製造コストや運転に要するエネルギーを低減することを可能とした蒸発燃料処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、燃料タンクで発生する蒸発燃料を捕集するためのキャニスタと、キャニスタに捕集された蒸発燃料をエンジンの吸気通路へ導いてパージするためのパージ通路と、パージ通路に設けられ、キャニスタに捕集された蒸発燃料を吸気通路へ圧送するためのパージポンプと、パージポンプは、その回転数に応じて蒸発燃料の吐出圧力が制御されるように構成されることと、パージポンプより下流のパージ通路に設けられ、パージ通路を開閉するためのパージ弁と、パージポンプ及びパージ弁を制御するための制御手段と、制御手段は、キャニスタから吸気通路へ蒸発燃料をパージするときは、パージ弁を開弁させると共にパージポンプを所定の定格回転数に制御し、蒸発燃料のパージを停止するときは、パージ弁を閉弁させると共にパージポンプを0回転数に制御するように構成されることとを備えた蒸発燃料処理装置において、制御手段は、蒸発燃料のパージを開始するときは、パージ弁を閉弁状態から開弁させる前に、パージポンプを定格回転数より低い回転数から定格回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプが定格回転数より低い所定の第1閾回転数に達したときにパージ弁を開弁させることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、制御手段は、キャニスタから吸気通路へ蒸発燃料をパージするときは、パージ弁を開弁させると共にパージポンプを所定の定格回転数に制御し、そのパージを停止するときは、パージ弁を閉弁させると共にパージポンプを0回転数に制御する。ここで、制御手段は、蒸発燃料のパージを開始するときは、パージ弁を閉弁状態から開弁させる前に、パージポンプを定格回転数より低い回転数から定格回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプが定格回転数より低い所定の第1閾回転数に達したときにパージ弁を開弁させる。従って、パージ弁は、パージポンプが定格回転数へ向けて漸次制御される過程で、定格回転数より低い第1閾回転数に達したときに開弁されるので、パージ弁の締め切り力、又は、パージ弁を閉弁状態から開弁させる力を、パージポンプが定格回転数に達したときの吐出圧力より低い圧力に対抗できる程度に抑えることが可能となる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、制御手段は、蒸発燃料のパージを停止するときは、パージ弁を開弁状態から閉弁させる前に、パージポンプを定格回転数から0回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプが定格回転数より低い所定の第2閾回転数に達したときにパージ弁を閉弁させることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、制御手段は、蒸発燃料のパージを停止するときは、パージ弁を開弁状態から閉弁させる前に、パージポンプを定格回転数から0回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプが定格回転数より低い所定の第2閾回転数に達したときにパージ弁を閉弁させる。従って、パージ弁は、パージポンプが定格回転数から0回転数へ向けて漸次制御される過程で、定格回転数より低い第2閾回転数に達したときに閉弁されるので、パージ弁を開弁状態から閉弁させる力を、パージポンプが定格回転数に達したときの吐出圧力より低い圧力に対抗できる程度に抑えることが可能となる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項2に記載の技術において、パージ弁は、蒸発燃料が流れる流路と、流路に設けられる弁座と、弁座より上流にて弁座に着座可能に設けられる弁体と、弁体を弁座に着座する方向へ付勢するためのスプリングと、弁体を駆動するための駆動手段とを含み、第2閾回転数が第1閾回転数よりも高く設定されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項2に記載の技術の作用に加え、パージ弁は、弁座より上流にて弁体が弁座に着座可能に設けられるタイプである。このタイプのパージ弁では、弁体が弁座に着座した閉弁状態では、蒸発燃料の圧力とスプリングの付勢力の両方が、弁体が弁座に着座する方向へ作用する。従って、パージ弁を開弁させるときには、パージポンプが定格回転数より低い第1閾回転数に達したときに弁体が駆動手段により駆動されて弁座から引き離されるので、開弁時に要する駆動手段の駆動力が相対的に小さくなる。また、パージ弁の閉弁に係る第2閾回転数が、開弁に係る第1閾回転数よりも高く設定されるので、パージ弁を閉弁させるときには、その分だけ駆動手段を早めに動作させることが可能となる。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、パージ弁は、蒸発燃料が流れる流路と、流路に設けられる弁座と、弁座より下流にて弁座に着座可能に設けられる弁体と、弁体を弁座に着座する方向へ付勢するためのスプリングと、弁体を駆動するための駆動手段とを含み、第2閾回転数が第1閾回転数と同じに設定されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項2に記載の技術の作用に加え、パージ弁は、弁座より下流にて弁体が弁座に着座可能に設けられるタイプである。このタイプのパージ弁では、弁体が弁座に着座した閉弁状態では、スプリングの付勢力のみが弁体を弁座に着座させる方向へ作用し、蒸発燃料の圧力は弁体を弁座から引き離す方向へ作用する。従って、パージ弁を開弁させるときには、パージポンプが定格回転数より低い第1閾回転数に達したときに弁体が駆動手段により駆動されて弁座から引き離されるので、それまで蒸発燃料の圧力に抗して弁体を弁座に着座させていたスプリングの付勢力を相対的に小さく設定することが可能となる。また、駆動手段の駆動力に対しスプリングの経時変化の影響が少なくなるので、意図しないタイミングでパージ弁が開弁したり、パージ弁が開弁し続けたりしなくなる。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の技術は、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術において、蒸発燃料の濃度を検出するための手段と、蒸発燃料の温度を検出するための手段とを更に備え、制御手段は、検出される蒸発燃料の濃度及び温度に基づき第1閾回転数及び第2閾回転数の少なくとも一方を補正することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術の作用に加え、第1閾回転数及び第2閾回転数の少なくとも一方が、検出される蒸発燃料の濃度及び温度に基づいて補正されるので、蒸発燃料の性状に応じて第1閾回転数及び第2閾回転数の少なくとも一方が好適に補正される。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の技術は、請求項1乃至5のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置において、制御手段は、蒸発燃料のパージを開始するときは、パージ開始要求があるときに、パージ弁を閉弁状態から開弁させる前に、パージポンプを定格回転数より低い回転数から定格回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプが第1閾回転数に達したときに前記パージ弁を開弁させることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至5のいずれかに記載の技術の作用に加え、パージ開始要求があるときにパージポンプが定格回転数へ向けて漸次制御され、その制御の過程でパージポンプが第1閾回転数に達したときにパージ弁が開弁される。従って、何がしかのパージ前提条件の成立にかかわらず、パージポンプが定格回転数に達する頃には、必要十分な蒸発燃料が吸気通路へパージされるようになる。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の技術は、請求項1乃至5のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置において、制御手段は、蒸発燃料のパージを開始するときは、パージ弁を閉弁状態から開弁させる前に、所定のパージ前提条件が成立しているときに、パージポンプを定格回転数より低い回転数から定格回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプが第1閾回転数に達したときであって、かつ、パージ開始要求があるときにパージ弁を開弁させることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至5のいずれかに記載の技術の作用に加え、パージ前提条件が成立するときに、パージポンプが定格回転数へ向けて漸次制御され、その制御の過程でパージポンプが第1閾回転数に達し、かつ、パージ開始要求があるときにパージ弁が開弁される。従って、パージ前提条件が成立していれば、パージ開始要求がなくてもパージポンプの漸次制御が開始されるので、パージ開始要求があるときには、パージ弁が開弁され、早期に蒸発燃料が吸気通路へパージされるようになる。
請求項1に記載の技術によれば、パージ弁の締め切り力又はパージ弁を閉弁状態から開弁させる力を相対的に小さく設定することができ、これによってパージ弁の製造コストや運転に要するエネルギーを低減することができる。
請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術の効果に加え、パージ弁を開弁状態から閉弁させる力を相対的に小さく設定することができ、これによってパージ弁の製造コストや運転に要するエネルギーを低減することができる。
請求項3に記載の技術によれば、請求項2に記載の技術の効果に加え、パージ弁の運転に要するエネルギーを更に低減することができる。
請求項4に記載の技術によれば、請求項2に記載の技術の効果に加え、パージ弁の開弁を精度良く制御することができる。
請求項5に記載の技術によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術の効果に加え、パージ弁が開弁されるタイミング及び閉弁されるタイミングを蒸発燃料の性状に応じて精度よく制御することができる。
請求項6に記載の技術によれば、請求項1乃至5のいずれかに記載の技術の効果に加え、パージ前提条件の成立にかかわらず、蒸発燃料を吸気通路へ適宜パージすることができる。
請求項7に記載の技術によれば、請求項1乃至5のいずれかに記載の技術の効果に加え、パージ開始要求に対するパージの応答性を高めることができる。
<第1実施形態>
以下、蒸発燃料処理装置を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
以下、蒸発燃料処理装置を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[エンジンシステムの概要について]
図1に、ハイブリッド車60に搭載された蒸発燃料処理装置30を含むエンジンシステムを概略図により示す。この実施形態では、シリーズ方式のハイブリッド車60が採用される。シリーズ方式のハイブリッド車60は、周知のように、エンジン1を発電のみに使用し、モータ(図示略)を車軸の駆動と回生のみに使用し、電力を回収するための蓄電池61を有する。エンジン1は、燃焼室2に空気等を吸入させるための吸気通路3と、燃焼室2から排気を排出させるための排気通路4とを備える。燃焼室2には、燃料タンク5に貯留された燃料が供給される。すなわち、燃料タンク5の燃料は、同タンク5に内蔵された燃料ポンプ6により燃料通路7へ吐出され、エンジン1の吸気ポートに設けられたインジェクタ8へ圧送される。圧送された燃料は、インジェクタ8から噴射され、吸気通路3を流れる空気と共に燃焼室2に導入されて可燃混合気を形成し、燃焼に供される。エンジン1には、可燃混合気を点火するための点火装置9が設けられる。
図1に、ハイブリッド車60に搭載された蒸発燃料処理装置30を含むエンジンシステムを概略図により示す。この実施形態では、シリーズ方式のハイブリッド車60が採用される。シリーズ方式のハイブリッド車60は、周知のように、エンジン1を発電のみに使用し、モータ(図示略)を車軸の駆動と回生のみに使用し、電力を回収するための蓄電池61を有する。エンジン1は、燃焼室2に空気等を吸入させるための吸気通路3と、燃焼室2から排気を排出させるための排気通路4とを備える。燃焼室2には、燃料タンク5に貯留された燃料が供給される。すなわち、燃料タンク5の燃料は、同タンク5に内蔵された燃料ポンプ6により燃料通路7へ吐出され、エンジン1の吸気ポートに設けられたインジェクタ8へ圧送される。圧送された燃料は、インジェクタ8から噴射され、吸気通路3を流れる空気と共に燃焼室2に導入されて可燃混合気を形成し、燃焼に供される。エンジン1には、可燃混合気を点火するための点火装置9が設けられる。
吸気通路3には、その入口側からエンジン1にかけて、エアクリーナ10、スロットル装置11及びサージタンク12が設けられる。スロットル装置11は、スロットル弁11aを含み、吸気通路3を流れる吸気流量を調節するために開閉される。スロットル弁11aの開閉は、運転者によるアクセルペダル(図示略)の操作に連動する。サージタンク12は、吸気通路3における吸気脈動を平滑化させる。
[蒸発燃料処理装置の構成について]
図1において、この実施形態の蒸発燃料処理装置30は、燃料タンク5で発生する蒸発燃料(ベーパ)を大気中へ放出させることなく処理するように構成される。この装置30は、燃料タンク5で発生するベーパを捕集するためのキャニスタ21と、燃料タンク5からキャニスタ21へベーパを導入するためのベーパ通路22と、キャニスタ21に捕集されたベーパを吸気通路3へパージするためのパージ通路23と、パージ通路23に設けられ、キャニスタ21に捕集されたベーパを吸気通路3へ圧送するためのパージポンプ24と、パージポンプ24より下流のパージ通路23に設けられ、パージ通路23を開閉するためのパージ弁25とを備える。
図1において、この実施形態の蒸発燃料処理装置30は、燃料タンク5で発生する蒸発燃料(ベーパ)を大気中へ放出させることなく処理するように構成される。この装置30は、燃料タンク5で発生するベーパを捕集するためのキャニスタ21と、燃料タンク5からキャニスタ21へベーパを導入するためのベーパ通路22と、キャニスタ21に捕集されたベーパを吸気通路3へパージするためのパージ通路23と、パージ通路23に設けられ、キャニスタ21に捕集されたベーパを吸気通路3へ圧送するためのパージポンプ24と、パージポンプ24より下流のパージ通路23に設けられ、パージ通路23を開閉するためのパージ弁25とを備える。
キャニスタ21は、活性炭等の吸着材を内蔵する。キャニスタ21は、大気を導入する大気口21aと、ベーパを導入する導入口21bと、ベーパを導出する導出口21cとを含む。キャニスタ21の内部空間は、大気に連通する。すなわち、大気口21aから伸びる大気通路26の先端は、燃料タンク5の給油筒5aの入口に連通する。この大気通路26には、空気中の粉塵等を捕集するためのフィルタ27が設けられる。キャニスタ21の導入口21bから延びるベーパ通路22の先端は、燃料タンク5の内部に連通する。キャニスタ21の導出口21cから延びるパージ通路23の先端は、スロットル装置11とサージタンク12との間の吸気通路3に連通する。
この実施形態で、パージポンプ24は、モータ(図示略)を含む電動式の遠心式ポンプにより構成され、そのモータの回転数に応じてベーパの吐出圧力が制御されるように構成される。
この実施形態で、パージ弁25は、常閉式であって電磁式の開閉弁(遮断弁)により構成され、パージ通路23を開放又は遮断するために開閉可能に構成される。図2に、パージ弁25の一例を断面図により示す。図2に示すように、このパージ弁25は、ハウジング31と、ハウジング31に形成され、ベーパが流れる流路32と、流路32に設けられる弁座33と、弁座33より上流にて弁座33に着座可能に設けられる弁体34と、弁体34を弁座33に着座する方向へ付勢するためのスプリング35と、弁体34を磁力により駆動するためのソレノイド36とを含む。図2に示す状態において、流路32の下側がベーパの流れの上流側を示し、流路32の上側がベーパの流れの下流側を示す。弁体34は、先端部に円錐部34aを有する柱形状をなし、内部にはベーパの流れを許容する孔34bが形成される。
このパージ弁25は、ソレノイド36が非励磁(オフ)のときは、スプリング35により弁体34が弁座33に着座する方向へ付勢され、図2に示すように閉弁する。一方、パージ弁25は、図2に示す閉弁状態からソレノイド36が励磁されることにより、弁体34がスプリング35の付勢力に抗して下方へ移動して開弁する。このパージ弁25は、弁体34に対し流路32の上流側からベーパの圧力が作用することから、パージポンプ24が作動しているときは、弁体34に対しベーパの圧力とスプリング35の付勢力の両方が、弁体34を弁座33に着座(閉弁)させる方向へ作用する。また、パージポンプ24が作動していないときは、スプリング35の付勢力のみが、弁体34を弁座33に着座(閉弁)させる方向へ作用する。従って、パージポンプ24が作動しているときにパージ弁25を開弁させるためには、ベーパの圧力とスプリング35の付勢力との合力に打ち勝つ電磁力をソレノイド36で発生させる必要がある。ソレノイド36は、この開示技術における駆動手段の一例に相当する。
上記のように構成された蒸発燃料処理装置30は、燃料タンク5で発生するベーパをベーパ通路22を介してキャニスタ21に導入し、キャニスタ21にて一旦捕集する。そして、エンジン1の運転時にパージポンプ24が作動し、パージ弁25が作動する。これにより、キャニスタ21に捕集されたベーパが、キャニスタ21からパージ通路23を介して吸気通路3へ圧送されてパージされる。このベーパ流量は、パージポンプ24の回転数を制御することにより調節することができる。
[エンジンシステムの電気的構成について]
この実施形態では、エンジン1の運転状態を検出するために各種センサ等41〜46が設けられる。エアクリーナ10の近くに設けられたエアフローメータ41は、吸気通路3に吸入される空気量を吸気量として検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。スロットル装置11に設けられたスロットルセンサ42は、スロットル弁11aの開度をスロットル開度として検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。サージタンク12に設けられた吸気圧センサ43は、サージタンク12の中の圧力を吸気圧力として検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた水温センサ44は、エンジン1の内部を流れる冷却水の温度を冷却水温度として検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた回転数センサ45は、エンジン1のクランクシャフト(図示略)の回転角速度をエンジン回転数NEとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。排気通路4に設けられた酸素センサ46は、排気中の酸素濃度を検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。加えて、この実施形態の蒸発燃料処理装置30には、パージ通路23から吸気通路3へパージされるベーパの濃度(ベーパ濃度)Cvpを検出するための専用のベーパ濃度センサ47が、パージ通路23に設けられる。ベーパ濃度センサ47は、この開示技術における蒸発燃料の濃度を検出するための手段の一例に相当する。加えて、この実施形態の蒸発燃料処理装置30には、ベーパの温度(ベーパ温度)Tvpを検出するための専用のベーパ温度センサ48が、パージ通路23に設けられる。ベーパ温度センサ48は、この開示技術における蒸発燃料の温度を検出するための手段の一例に相当する。
この実施形態では、エンジン1の運転状態を検出するために各種センサ等41〜46が設けられる。エアクリーナ10の近くに設けられたエアフローメータ41は、吸気通路3に吸入される空気量を吸気量として検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。スロットル装置11に設けられたスロットルセンサ42は、スロットル弁11aの開度をスロットル開度として検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。サージタンク12に設けられた吸気圧センサ43は、サージタンク12の中の圧力を吸気圧力として検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた水温センサ44は、エンジン1の内部を流れる冷却水の温度を冷却水温度として検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた回転数センサ45は、エンジン1のクランクシャフト(図示略)の回転角速度をエンジン回転数NEとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。排気通路4に設けられた酸素センサ46は、排気中の酸素濃度を検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。加えて、この実施形態の蒸発燃料処理装置30には、パージ通路23から吸気通路3へパージされるベーパの濃度(ベーパ濃度)Cvpを検出するための専用のベーパ濃度センサ47が、パージ通路23に設けられる。ベーパ濃度センサ47は、この開示技術における蒸発燃料の濃度を検出するための手段の一例に相当する。加えて、この実施形態の蒸発燃料処理装置30には、ベーパの温度(ベーパ温度)Tvpを検出するための専用のベーパ温度センサ48が、パージ通路23に設けられる。ベーパ温度センサ48は、この開示技術における蒸発燃料の温度を検出するための手段の一例に相当する。
この実施形態の蒸発燃料処理装置30は、各種制御を司る電子制御装置(ECU)50を備える。ECU50は、各種センサ等41〜48から出力される各種信号を入力する。ECU50は、これら入力信号に基づきインジェクタ8、点火装置9、パージポンプ24及びパージ弁25を制御することにより、燃料噴射制御、点火時期制御及びパージ制御を実行するようになっている。
加えて、このハイブリッド車60は、駆動用のモータ(図示略)と、そのモータへ電力を供給するための蓄電池61とを備える。ECU50は、この蓄電池61の状態(電圧及び電流の状態を)を監視するようになっている。
ここで、燃料噴射制御とは、エンジン1の運転状態に応じてインジェクタ8を制御することにより、燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御することである。点火時期制御とは、エンジン1の運転状態に応じて点火装置9を制御することにより、可燃混合気の点火時期を制御することである。パージ制御とは、エンジン1の運転状態等に応じてパージポンプ24及びパージ弁25を制御することにより、キャニスタ21からパージ通路23を介して吸気通路3へパージされるベーパのパージ流量を制御することである。
この実施形態で、ECU50は中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及びバックアップRAM等を含む周知の構成を備える。ROMは、前述した各種制御に係る所定の制御プログラムを予め記憶している。ECU(CPU)50は、これら制御プログラムに従って前述した各種制御を実行するようになっている。ECU50は、この開示技術における制御手段の一例に相当する。
この実施形態で、ECU50は、エンジン1の定常運転時に一定流量のベーパを吸気通路3へパージするために、パージ弁25を開弁すると共に、パージポンプ24を所定の定格回転数に制御するようになっている。この実施形態では、燃料噴射制御、点火時期制御については、周知の内容を採用するものとし、パージ制御のみにつき以下に詳しく説明する。
この実施形態の蒸発燃料処理装置30では、パージ弁25の製造コストや運転に要するエネルギーを低減させるためには、パージ弁25の構成要素を安価なものにしたり、パージ弁25のソレノイド36に必要な供給電力を少なくしたりする必要がある。そこで、この実施形態では、ECU50が次のようなパージ制御を実行するようになっている。
[パージ制御について]
この実施形態のパージ制御について説明する。図3に、その制御内容をフローチャートにより示す。ECU50は、このルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
この実施形態のパージ制御について説明する。図3に、その制御内容をフローチャートにより示す。ECU50は、このルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100で、ECU50は、パージ開始要求が有るか否かを判断する。ECU50は、この判断をエンジン1の運転状態等に基づき判断するようになっている。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、処理をステップ110へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ180へ移行する。
ステップ110では、ECU50は、パージポンプ24の定格回転数SNpを算出する。ECU50は、エンジン1の運転状態等に基づき定格回転数SNpを算出することができる。
次に、ステップ120で、ECU50は、ベーパ濃度センサ47及びベーパ温度センサ48の検出値に基づき、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpをそれぞれ取り込む。
次に、ステップ130で、ECU50は、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpに基づき、パージポンプ24の第1閾回転数TNp1に係る第1補正係数KNp1を算出する。ECU50は、一例として、図4に示すような第1補正係数マップを参照することにより、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpに対する第1補正係数KNp1を算出することができる。
次に、ステップ140で、ECU50は、定格回転数SNpに第1補正係数KNp1を乗算することにより第1閾回転数TNp1を算出する。
次に、ステップ150で、ECU50は、パージポンプ24を定格回転数SNpへ向けて制御する。
次に、ステップ160で、ECU50は、パージポンプ24の実際の回転数RNpが第1閾回転数TNp1にほぼ等しいか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、処理をステップ170へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ180へ移行する。
そして、ステップ170では、ECU50は、閉弁状態のパージ弁25を開弁する。
その後、ステップ100、ステップ160又はステップ170から移行してステップ180では、ECU50は、パージ停止要求が有るか否かを判断する。ECU50は、この判断をエンジン1の運転状態等に基づき判断するようになっている。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、処理をステップ190へ移行し、この判断結果が否定となる場合はその後の処理を一旦終了する。
ステップ190では、ECU50は、ベーパ濃度センサ47及びベーパ温度センサ48の検出値に基づき、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpをそれぞれ取り込む。
次に、ステップ200で、ECU50は、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpに基づき、パージポンプ24の第2閾回転数TNp2に係る第2補正係数KNp2を算出する。ECU50は、一例として、図5に示すような第2補正係数マップを参照することにより、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpに対する第2補正係数KNp2を算出することができる。この第2補正係数マップでは、第2補正係数KNp2が、第1補正係数KNp1に比べ大きい値に設定される。この設定は、パージ弁25を閉弁させるときの第2閾回転数TNp2が、パージ弁25を開弁させるときの第1閾回転数TNp1よりも高くなるように設定するためのものであり、弁座33より上流にて弁体34が弁座33に着座可能に設けられたタイプの上記パージ弁25に合わせたものである。
次に、ステップ210で、ECU50は、定格回転数SNpに第2補正係数KNp2を乗算することにより第2閾回転数TNp2を算出する。
次に、ステップ220で、ECU50は、パージポンプ24を0回転へ向けて制御する。
次に、ステップ230で、ECU50は、パージポンプ24の実際の回転数RNpが第2閾回転数TNp2にほぼ等しいか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、処理をステップ240へ移行し、この判断結果が否定となる場合はその後の処理を一旦終了する。
そして、ステップ240で、ECU50は、開弁状態のパージ弁25を閉弁し、その後の処理を一旦終了する。
上記のパージ制御によれば、ECU50は、キャニスタ21から吸気通路3へベーパをパージするときは、パージ弁25を開弁させると共にパージポンプ24を所定の定格回転数SNpに制御し、ベーパのパージを停止するときは、パージ弁25を閉弁させると共にパージポンプ24を0回転数に制御するように構成される。
上記のパージ制御によれば、ECU50は、ベーパのパージを開始するときは、パージ開始要求があるときに、パージ弁25を閉弁状態から開弁させる前に、パージポンプ24を定格回転数SNpより低い回転数(この実施形態では「0回転数」)から定格回転数SNpへ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプ24が定格回転数SNpより低い所定の第1閾回転数TNp1に達したときにパージ弁25を開弁させるようになっている。
上記のパージ制御によれば、ECU50は、ベーパのパージを停止するときは、パージ弁25を開弁状態から閉弁させる前に、パージポンプ24を定格回転数SNpから0回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプ24が定格回転数SNpより低い所定の第2閾回転数TNp2に達したときにパージ弁25を閉弁させるようになっている。
上記のパージ制御によれば、ECU50は、検出されるベーパ濃度Cvp及びベーパ温度Tvpに基づき第1閾回転数TNp1及び第2閾回転数TNp2を補正するようになっている。
ここで、上記したパージ制御による各種パラメータの挙動の一例を図6にタイムチャートにより示す。図6において、(a)はエンジン回転数の変化を、(b)はパージ開始要求の変化を、(c)はパージ停止要求の変化を、(d)はベーパ濃度Cvpの変化を、(e)はベーパ温度Tvpの変化を、(f)はパージポンプ24の回転数(ポンプ回転数)の変化を、(g)はパージ弁25の開閉の変化をそれぞれ示す。
図6において、時刻t1で(a)のエンジン回転数が増加し、(b)のパージ開始要求が「オン」になり、(c)のパージ停止要求が「オフ」になると、パージポンプ24が0回転数から定格回転数SNpへ向けて漸次制御され始め、(f)のポンプ回転数が「0」から増加し始める。
その後、時刻t2で(f)のポンプ回転数が第1閾回転数TNp1に達すると、(g)のパージ弁25が閉弁状態から開弁される。その後、時刻t3で、(f)のポンプ回転数が定格回転数SNpに達すると、ポンプ回転数はその定格回転数SNpに保たれる。
その後、時刻t4で(b)のパージ開始要求が「オフ」になり、(c)のパージ停止要求が「オン」になると、パージポンプ24が定格回転数SNpから0回転数へ向けて漸次制御され始め、(f)のポンプ回転数が定格回転数SNpから減少し始める。
その後、時刻t5で(f)のポンプ回転数が第1閾回転数TNp1より高い第2閾回転数TNp2に達すると、(g)のパージ弁25が開弁状態から閉弁され、時刻t6で(f)のポンプ回転数が0回転数に達する。
また、図7に、上記パージ制御による各種パラメータ(特にパージ弁25の前後差圧)の挙動の一例をタイムチャートにより示す。図7において、(a)はパージ弁25の開閉の変化を、(b)はポンプ回転数の変化を、(c)はパージ弁25の前後差圧の変化をそれぞれ示す。図7において、(c)のパージ弁25の前後差圧は、時刻t1で(b)のポンプ回転数が第1閾回転数TNp1に達して(a)のパージ弁25が開弁する直前と、時刻t2で(b)のポンプ回転数が第2閾回転数TNp2に達して(a)のパージ弁25が閉弁した直後に一旦増加する。それ以外のパージ弁25が閉弁した状態又は開弁した状態では、前後差圧は「0」に保たれるようになっている。
以上説明したこの実施形態の蒸発燃料処理装置30の構成によれば、ECU50は、キャニスタ21から吸気通路3へベーパをパージするときは、パージ弁25を開弁させると共にパージポンプ24を所定の定格回転数SNpに制御し、そのパージを停止するときは、パージ弁25を閉弁させると共にパージポンプ24を0回転数に制御する。ここで、ECU50は、ベーパのパージを開始するときは、パージ弁25を閉弁状態から開弁させる前に、パージポンプ24を定格回転数SNpより低い0回転数から定格回転数SNpへ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプ24が定格回転数SNpより低い所定の第1閾回転数TNp1に達したときにパージ弁25を開弁させる。従って、パージ弁25は、パージポンプ24が定格回転数SNpへ向けて漸次制御される過程で、定格回転数SNpより低い第1閾回転数TNp1に達したときに開弁されるので、パージ弁25の締め切り力、又は、パージ弁25を閉弁状態から開弁させる力を、パージポンプ24が定格回転数SNpに達したときの吐出圧力より低い圧力に対抗できる程度に抑えることが可能となる。このため、パージ弁25の締め切り力又はパージ弁25を閉弁状態から開弁させる力を相対的に小さく設定することができ、これによってパージ弁25の製造コストや運転に要するエネルギーを低減することができる。
例えば、この実施形態と同じタイプのパージ弁を、パージポンプが定格回転数に達したときに開弁するように制御したとする。この場合、パージ弁の開弁時には、パージポンプから吐出されるベーパの圧力が最大となり、パージ弁の弁体を弁座に着座させる方向に作用する。そのため、この圧力に抗して弁体を弁座から離間させるために、ソレノイドで相対的に大きな吸引力を発生させる必要がある。しかし、この実施形態では、パージポンプ24が定格回転数SNpより低い第1閾回転数TNp1に達したときにパージ弁25を開弁させることから、その時点でのパージ弁25の前後差圧は相対的に小さく、ソレノイド36で相対的に小さな吸引力を発生させればよい。その意味で、ソレノイド36に安価なソレノイド(例えば、コイル線の巻き数が少ないソレノイド)を用いることができ、ソレノイド36に供給すべき電力も少なくすることができる。これによってパージ弁25の製造コストや運転に要するエネルギーを低減することができる。
この実施形態の構成によれば、ECU50は、ベーパのパージを停止するときは、パージ弁25を開弁状態から閉弁させる前に、パージポンプ24を定格回転数SNpから0回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプ24が定格回転数SNpより低い所定の第2閾回転数TNp2に達したときにパージ弁25を閉弁させる。従って、パージ弁25は、パージポンプ24が定格回転数SNpから0回転数へ向けて漸次制御される過程で、定格回転数SNpより低い第2閾回転数TNp2に達したときに閉弁されるので、パージ弁25を開弁状態から閉弁させる力を、パージポンプ24が定格回転数SNpに達したときの吐出圧力より低い圧力に対抗できる程度に抑えることが可能となる。このため、パージ弁25を開弁状態から閉弁させる力を相対的に小さく設定することができ、これによってパージ弁25の製造コストや運転に要するエネルギーを低減することができる。パージ弁25の製造コストや運転に要するエネルギーを低減できるのは、ソレノイド36に安価なソレノイドを用いることができ、ソレノイド36に供給すべき電力も少なくすることができるからである。
この実施形態の構成によれば、パージ弁25は、弁座33より上流にて弁体34が弁座33に着座可能に設けられるタイプである。このタイプのパージ弁では、弁体34が弁座33に着座した閉弁状態では、ベーパの圧力とスプリング35の付勢力の両方が、弁体34が弁座33に着座する方向(閉弁方向)へ作用する。従って、パージ弁25を開弁させるときには、パージポンプ24が定格回転数SNpより低い第1閾回転数TNp1に達したときに、弁体34がソレノイド36により駆動されて弁座33から引き離されるので、開弁時に要するソレノイド36の駆動力が相対的に小さくなる。この意味でも、パージ弁25の締め切り力又はパージ弁25を閉弁状態から開弁させる力を相対的に小さく設定することができ、これによってパージ弁25の製造コストや運転に要するエネルギーを低減することができる。また、パージ弁25の閉弁に係る第2閾回転数TNp2が、開弁に係る第1閾回転数TNp1よりも高く設定されるので、パージ弁25を閉弁させるときには、その分だけソレノイド36を早めに動作させることが可能となる。この意味でも、パージ弁25の運転に要するエネルギーを更に低減することができる。
この実施形態の構成によれば、第1閾回転数TNp1及び第2閾回転数TNp2の両方が、検出されるベーパ濃度Cvp及びベーパ温度Tvpに基づいて補正されるので、ベーパの性状に応じて第1閾回転数TNp1及び第2閾回転数TNp2が好適に補正される。このため、パージ弁25が開弁されるタイミング及び閉弁されるタイミングをベーパの性状に応じて精度よく制御することができる。
この実施形態の構成によれば、パージ開始要求があるときにパージポンプ24が定格回転数SNpへ向けて漸次制御され、その制御の過程でパージポンプ24が第1閾回転数TNp1に達したときにパージ弁25が開弁される。従って、何がしかのパージ前提条件の成立にかかわらずパージポンプ24が定格回転数SNpに達する頃には、必要十分なベーパが吸気通路3へパージされるようになる。このため、パージ前提条件の成立にかかわらず、ベーパを吸気通路3へ適宜パージすることができる。
<第2実施形態>
次に、蒸発燃料処理装置を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
次に、蒸発燃料処理装置を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態において、第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。この実施形態では、パージ制御の内容の点で第1実施形態と構成が異なる。
[パージ制御について]
この実施形態のパージ制御について説明する。図8、図9にその制御内容をフローチャートにより示す。ECU50は、このルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
この実施形態のパージ制御について説明する。図8、図9にその制御内容をフローチャートにより示す。ECU50は、このルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ400で、ECU50は、蓄電池61の充電量が「30%」より少ないか否かを判断する。「30%」は一例であり、満充電(100%)に対する割合を示す。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ410へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ420へ移行する。
ステップ410では、ECU50は、パージ前提条件PCPを「オン」とする。すなわち、パージ前提条件の成立を決定する。その後、ECU50は、処理をステップ470へ移行する。
一方、ステップ420では、ECU50は、エアコンオン要求か否かを判断する。すなわち、ハイブリッド車に搭載されるエアコンをオンする要求が有るか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ430へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ440へ移行する。
ステップ430では、ECU50は、パージ前提条件PCPを「オン」とし、処理をステップ470へ移行する。
一方、ステップ440では、ECU50は、エンジン暖機要求か否かを判断する。すなわち、エンジン1を暖機する要求が有るか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ450へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ460へ移行する。
ステップ450では、ECU50は、パージ前提条件PCPを「オン」とし、処理をステップ470へ移行する。
一方、ステップ460では、ECU50は、パージ前提条件PCPを「オフ」とする。すなわち、パージ前提条件の不成立を決定する。その後、ECU50は、処理をステップ470へ移行する。
ステップ410、430、450又は460から移行してステップ470では、ECU50は、パージ前提条件PCPが「オン」か否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ480へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ580へ移行する。この実施形態で、パージ前提条件PCPが「オン」となるのは、蓄電池充電量が30%未満となること、エアコンオン要求があること、エンジン暖機要求があること、のいずれか一つが成立するときである。
ステップ480では、ECU50は、パージポンプ24の定格回転数SNpを算出する。ECU50は、エンジン1の運転状態等に基づき定格回転数SNpを算出することができる。
次に、ステップ490で、ECU50は、ベーパ濃度センサ47及びベーパ温度センサ48の検出値に基づき、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpをそれぞれ取り込む。
次に、ステップ500で、ECU50は、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpに基づき、パージポンプ24の第1閾回転数TNp1に係る第1補正係数KNp1を算出する。ECU50は、一例として、図4に示すような第1補正係数マップを参照することにより、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpに対する第1補正係数KNp1を算出することができる。
次に、ステップ510で、ECU50は、定格回転数SNpに第1補正係数KNp1を乗算することにより第1閾回転数TNp1を算出する。
次に、ステップ520で、ECU50は、パージポンプ24を定格回転数SNpへ向けて制御する。
次に、ステップ530で、ECU50は、パージ開始要求が有るか否かを判断する。ECU50は、この判断をエンジン1の運転状態等に基づき判断するようになっている。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、処理をステップ540へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ560へ移行する。
ステップ540では、ECU50は、パージポンプ24の実際の回転数RNpが第1閾回転数TNp1より大きいか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、処理をステップ550へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ580へ移行する。
次に、ステップ550で、ECU50は、閉弁状態のパージ弁25を開弁し、処理をステップ580へ移行する。すなわち、この実施形態では、パージ開始要求が有り、かつ、パージポンプ24の実際の回転数RNpが第1閾回転数TNp1より大きくなるときに閉弁状態のパージ弁25が開弁するようになっている。
一方、ステップ560では、ECU50は、パージポンプ24の実際の回転数RNpが第1閾回転数TNp1以下か否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、処理をステップ580へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ570へ移行する。
ステップ570では、ECU50は、パージポンプ24を第1閾回転数TNp1に制御し、処理をステップ580へ移行する。
ステップ540、550、560又は570から移行してステップ580では、ECU50は、パージ停止要求が有るか否かを判断する。ECU50は、この判断をエンジン1の運転状態等に基づき判断するようになっている。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、処理をステップ590へ移行し、この判断結果が否定となる場合はその後の処理を一旦終了する。
ステップ590では、ECU50は、ベーパ濃度センサ47及びベーパ温度センサ48の検出値に基づき、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpをそれぞれ取り込む。
次に、ステップ600で、ECU50は、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpに基づき、パージポンプ24の第2閾回転数TNp2に係る第2補正係数KNp2を算出する。ECU50は、一例として、図5に示すような第2補正係数マップを参照することにより、ベーパ濃度Cvpとベーパ温度Tvpに対する第2補正係数KNp2を算出することができる。
次に、ステップ610で、ECU50は、定格回転数SNpに第2補正係数KNp2を乗算することにより第2閾回転数TNp2を算出する。
次に、ステップ620で、ECU50は、パージポンプ24を0回転数へ向けて制御する。
次に、ステップ630で、ECU50は、パージポンプ24の実際の回転数RNpが第2閾回転数TNp2より小さいか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、処理をステップ640へ移行し、この判断結果が否定となる場合はその後の処理を一旦終了する。
そして、ステップ640で、ECU50は、開弁状態のパージ弁25を閉弁し、その後の処理を一旦終了する。
上記のパージ制御によれば、特に第1実施形態と異なり、ECU50は、ベーパのパージを開始するときは、パージ弁25を閉弁状態から開弁させる前に、所定のパージ前提条件が成立しているときにパージポンプ24を定格回転数SNpより低い回転数(この実施形態では「0回転数」)から定格回転数SNpへ向けて漸次制御し、その制御の過程でパージポンプ24が第1閾回転数TNp1に達したときであって、かつ、パージ開始要求があるときにパージ弁25を開弁させるようになっている。
以上説明したこの実施形態の蒸発燃料処理装置30の構成によれば、所定のパージ前提条件が成立するときにパージポンプ24が定格回転数SNpへ向けて漸次制御され、その制御の過程でパージポンプ24が第1閾回転数TNp1に達し、かつ、パージ開始要求があるときにパージ弁25が開弁される。従ってパージ前提条件が成立していれば、パージ開始要求がなくてもパージポンプ24の漸次制御が開始されるので、パージ開始要求があるときには、パージ弁25が開弁され、早期にベーパが吸気通路3へパージされるようになる。このため、パージ開始要求に対するパージの応答性を高めることができる。
この実施形態の構成によれば、パージ開始要求が有り、かつ、パージポンプ24の実際の回転数RNpが第1閾回転数TNp1より大きくなるときに閉弁状態のパージ弁25が開弁するようになっている。このため、パージ弁25が勝手に開弁すること、又は開弁しなくなることを防止することができる。
<第3実施形態>
次に、蒸発燃料処理装置を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
次に、蒸発燃料処理装置を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、主としてパージ弁25の構成が前記各実施形態のそれと異なり、それに合わせてパージ制御の内容が前記各実施形態と異なる。
[パージ弁の構成について]
この実施形態でも、パージ弁25は、常閉式であって電磁式の開閉弁(遮断弁)により構成され、パージ通路23を開放又は遮断するために開閉可能に構成される。図10に、この実施形態のパージ弁25の一例を断面図により示す。図10に示すように、このパージ弁25は、前記各実施形態と同等の構成要素を備えるが、弁体34とスプリング35の配置と、弁体34が弁座33より下流の流路32にて弁座33に着座可能に設けられる点が前記各実施形態と異なる。
この実施形態でも、パージ弁25は、常閉式であって電磁式の開閉弁(遮断弁)により構成され、パージ通路23を開放又は遮断するために開閉可能に構成される。図10に、この実施形態のパージ弁25の一例を断面図により示す。図10に示すように、このパージ弁25は、前記各実施形態と同等の構成要素を備えるが、弁体34とスプリング35の配置と、弁体34が弁座33より下流の流路32にて弁座33に着座可能に設けられる点が前記各実施形態と異なる。
このパージ弁25は、ソレノイド36が非励磁(オフ)のときは、スプリング35により弁体34が弁座33に着座する方向へ付勢され、図10に示すように閉弁する。一方、パージ弁25は、図10に示す閉弁状態からソレノイド36が励磁されることにより、弁体34がスプリング35の付勢力に抗して上方へ移動して開弁する。このパージ弁25は、弁体34に対し流路32の上流側からベーパの圧力が作用することから、パージポンプ24が作動しているときは、弁体34に対しスプリング35の付勢力に抗してベーパの圧力が、弁体34を弁座33から引き離す(開弁させる)方向へ作用する。また、パージポンプ24が作動していないときは、スプリング35の付勢力が弁体34を弁座33に着座(閉弁)させる方向へ作用する。従って、パージポンプ24が作動しているときにパージ弁25を開弁させるためには、ベーパの圧力とスプリング35の付勢力との差に打ち勝つ電磁力をソレノイド36で発生させる必要がある。
[パージ制御について]
この実施形態では、一部の設定を除いて第1実施形態と同等のパージ制御を実行するようになっている。異なる点は、第1閾回転数TNp1と第2閾回転数TNp2の設定についてであり、この実施形態では、第2閾回転数TNp2が第1閾回転数TNp1と同じに設定される。
この実施形態では、一部の設定を除いて第1実施形態と同等のパージ制御を実行するようになっている。異なる点は、第1閾回転数TNp1と第2閾回転数TNp2の設定についてであり、この実施形態では、第2閾回転数TNp2が第1閾回転数TNp1と同じに設定される。
図11に、上記パージ制御による各種パラメータ(特にパージ弁25の前後差圧)の挙動の一例をタイムチャートにより示す。図11において、(a)はパージ弁25の開閉の変化を、(b)はポンプ回転数の変化を、(c)はパージ弁25の前後差圧の変化をそれぞれ示す。図11において、(c)のパージ弁25の前後差圧は、時刻t2で(b)のポンプ回転数が第1閾回転数TNp1に達して(a)のパージ弁25が閉弁するときと、時刻t5で(b)のポンプ回転数が第1閾回転数TNp1に達して(a)のパージ弁25が開弁するときに一旦増加する。それ以外のパージ弁25が閉弁した状態又は開弁した状態では、前後差圧は「0」に保たれるようになっている。
従って、この実施形態の構成によれば、パージ弁25は、弁座33より下流にて弁体34が弁座33に着座可能に設けられるタイプである。このタイプのパージ弁25では、弁体34が弁座33に着座した閉弁状態では、スプリング35の付勢力のみが弁体34を弁座33に着座させる方向(閉弁方向)へ作用し、ベーパの圧力は弁体34を弁座33から引き離す方向へ作用する。従って、パージ弁25を開弁させるときには、パージポンプ24が定格回転数SNpより低い第1閾回転数TNp1に達したときに弁体34がソレノイド36により駆動されて弁座33から引き離される。そのため、それまでベーパの圧力に抗して弁体34を弁座33に着座させていたスプリング35の付勢力を相対的に小さく設定することが可能となる。この意味でも、スプリング35に安価なスプリングを使用することができ、パージ弁25の製造コストを低減することができる。また、ソレノイド36の駆動力に対しスプリング35の経時変化の影響が少なくなるので、意図しないタイミングでパージ弁25が開弁したり、パージ弁25が開弁し続けたりしなくなる。この意味で、パージ弁25の開弁を精度良く制御することができる。
なお、この開示技術は前記各実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
(1)前記各実施形態では、ベーパのパージを開始するときは、パージ弁25を閉弁状態から開弁させる前に、パージポンプ24を定格回転数SNpより低い「0回転数」から定格回転数SNpへ向けて漸次制御するように構成した。これに対し、エンジン1の運転開始と同時にパージポンプを所定のアイドル回転数に制御するように構成した場合は、パージ弁を閉弁状態から開弁させる前に、パージポンプを定格回転数SNpより低い「アイドル回転数」から定格回転数SNpへ向けて漸次制御するように構成することもできる。
(2)前記各実施形態では、ベーパ濃度Cvpを直接検出するベーパ濃度センサ47を蒸発燃料の濃度を検出する手段として設けた。これに対し、吸気圧センサ、エアフローメータ及びECUを蒸発燃料の濃度を検出する手段として設け、ベーパ濃度を間接的に検出するように構成することもできる。すなわち、ECUが、ベーパを吸気通路へパージしていないときにエアフローメータで検出される吸気量と、ベーパを吸気通路へパージしているときにエアフローメータで検出される吸気量との間の吸気量変化を算出し、パージ弁が開弁しているときの開度と、そのとき吸気圧センサで検出される吸気圧力とに基づきベーパの推定パージ流量を算出する。そして、ECUが、それら吸気量変化と推定パージ流量とに基づきベーパの密度差を算出し、その密度差に基づきベーパ濃度を算出する。
(3)前記各実施形態では、パージ弁25を開弁(全開)と閉弁(全閉)の2位置のみに動作可能な開閉弁(遮断弁)により構成したが、パージ弁を開度可変な電動弁により構成することができる。
(4)前記各実施形態では、この発明を過給機を備えていないエンジンシステムに具体化したが、過給機を備えたエンジンシステムに具体化することもできる。この場合は、パージ通路の出口を、過給機のコンプレッサより上流の吸気通路に接続することができる。
この開示技術は、エンジンのみを搭載した車両、エンジンとモータを搭載したハイブリッド車に利用することができる。
1 エンジン
3 吸気通路
5 燃料タンク
21 キャニスタ
23 パージ通路
24 パージポンプ
25 パージ弁
30 蒸発燃料処理装置
32 流路
33 弁座
34 弁体
35 スプリング
36 ソレノイド(駆動手段)
47 ベーパ濃度センサ(蒸発燃料の濃度を検出する手段)
48 ベーパ温度センサ(蒸発燃料の温度を検出する手段)
50 ECU(制御手段)
3 吸気通路
5 燃料タンク
21 キャニスタ
23 パージ通路
24 パージポンプ
25 パージ弁
30 蒸発燃料処理装置
32 流路
33 弁座
34 弁体
35 スプリング
36 ソレノイド(駆動手段)
47 ベーパ濃度センサ(蒸発燃料の濃度を検出する手段)
48 ベーパ温度センサ(蒸発燃料の温度を検出する手段)
50 ECU(制御手段)
Claims (7)
- 燃料タンクで発生する蒸発燃料を捕集するためのキャニスタと、
前記キャニスタに捕集された前記蒸発燃料をエンジンの吸気通路へ導いてパージするためのパージ通路と、
前記パージ通路に設けられ、前記キャニスタに捕集された前記蒸発燃料を前記吸気通路へ圧送するためのパージポンプと、
前記パージポンプは、その回転数に応じて前記蒸発燃料の吐出圧力が制御されるように構成されることと、
前記パージポンプより下流の前記パージ通路に設けられ、前記パージ通路を開閉するためのパージ弁と、
前記パージポンプ及び前記パージ弁を制御するための制御手段と、
前記制御手段は、前記キャニスタから前記吸気通路へ前記蒸発燃料をパージするときは、前記パージ弁を開弁させると共に前記パージポンプを所定の定格回転数に制御し、前記蒸発燃料のパージを停止するときは、前記パージ弁を閉弁させると共に前記パージポンプを0回転数に制御するように構成されることと
を備えた蒸発燃料処理装置において、
前記制御手段は、前記蒸発燃料のパージを開始するときは、前記パージ弁を閉弁状態から開弁させる前に、前記パージポンプを前記定格回転数より低い回転数から前記定格回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程で前記パージポンプが前記定格回転数より低い所定の第1閾回転数に達したときに前記パージ弁を開弁させる
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。 - 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置において、
前記制御手段は、前記蒸発燃料のパージを停止するときは、前記パージ弁を開弁状態から閉弁させる前に、前記パージポンプを前記定格回転数から0回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程で前記パージポンプが前記定格回転数より低い所定の第2閾回転数に達したときに前記パージ弁を閉弁させる
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。 - 請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、
前記パージ弁は、前記蒸発燃料が流れる流路と、前記流路に設けられる弁座と、前記弁座より上流にて前記弁座に着座可能に設けられる弁体と、前記弁体を前記弁座に着座する方向へ付勢するためのスプリングと、前記弁体を駆動するための駆動手段とを含み、
前記第2閾回転数が前記第1閾回転数よりも高く設定される
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。 - 請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、
前記パージ弁は、前記蒸発燃料が流れる流路と、前記流路に設けられる弁座と、前記弁座より下流にて前記弁座に着座可能に設けられる弁体と、前記弁体を前記弁座に着座する方向へ付勢するためのスプリングと、前記弁体を駆動するための駆動手段とを含み、
前記第2閾回転数が前記第1閾回転数と同じに設定される
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置において、
前記蒸発燃料の濃度を検出するための手段と、前記蒸発燃料の温度を検出するための手段とを更に備え、
前記制御手段は、検出される前記蒸発燃料の濃度及び温度に基づき前記第1閾回転数及び前記第2閾回転数の少なくとも一方を補正する
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置において、
前記制御手段は、前記蒸発燃料のパージを開始するときは、パージ開始要求があるときに、前記パージ弁を閉弁状態から開弁させる前に、前記パージポンプを前記定格回転数より低い回転数から前記定格回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程で前記パージポンプが前記第1閾回転数に達したときに前記パージ弁を開弁させる
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置において、
前記制御手段は、前記蒸発燃料のパージを開始するときは、前記パージ弁を閉弁状態から開弁させる前に、所定のパージ前提条件が成立しているときに、前記パージポンプを前記定格回転数より低い回転数から前記定格回転数へ向けて漸次制御し、その制御の過程で前記パージポンプが前記第1閾回転数に達したときであって、かつ、パージ開始要求があるときに前記パージ弁を開弁させる
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
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- 2019-09-05 WO PCT/JP2019/034983 patent/WO2020105246A1/ja active Application Filing
Patent Citations (3)
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