JP5560140B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンクからの蒸発燃料がベーパ通路を通じてキャニスタに吸着され、キャニスタから放出された蒸発燃料がパージ通路を通じて内燃機関に供給される蒸発燃料処理装置に関する。
蒸発燃料処理装置として、内燃機関に供給される燃料を貯留する燃料タンクと、該燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、燃料タンクとキャニスタとを連通させるベーパ通路を開閉するベーパ弁と、該ベーパ弁を制御する制御装置とを備え、燃料タンク内の圧力であるタンク内圧力が第1所定圧力以下になるときにベーパ弁が閉弁し、第1所定圧力よりも高い第2所定圧力において該ベーパ弁が開弁するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
実開平5−47403号公報
内燃機関においては、排気浄化性能および燃費性能などの観点から、混合気の空燃比は機関運転状態に応じて高精度に制御されている。このため、キャニスタから内燃機関に供給される蒸発燃料(以下、「パージ燃料」という。)が空燃比に与える影響を小さくする必要がある。
ところで、一般に、内燃機関と内燃機関以外の原動機(例えば、電動機)とを併用するハイブリッド車においては、内燃機関のみが搭載された車両に比べて内燃機関による駆動運転時間が短くなることから、燃料タンク内で発生した蒸発燃料が内燃機関に供給される機会が少なくなるので、キャニスタに蓄積される蒸発燃料量が多くなる。
このため、内燃機関の運転時には、内燃機関のみが搭載された車両に比べて、多量のパージ燃料を供給する必要があることから、パージ燃料による空燃比の変動を抑制する要請は一層強い。そして、このことは、ハイブリッド車において、内燃機関による駆動頻度が低くなるほど顕著になる傾向があり、さらにはハイブリッド車に限らず、燃料タンク内の蒸発燃料の発生量(以下、「ベーパ発生量」という。)が多くなる環境で使用される内燃機関にも当て嵌る。
しかしながら、燃料タンク内でのベーパ発生量が多い状態のときに、所定のタンク内圧力が所定圧力になってベーパ弁が開弁する場合、ベーパ発生量が多い状態の下で発生した多量の燃料蒸気がキャニスタに流入して、パージが行われる際のパージ流量(すなわち、パージ燃料の供給流量)が多くなるために、パージ燃料による空燃比の変動を増加させる原因になって、内燃機関の排気浄化性能や燃費性能の低下を招来したり、また機関出力の変動を招来したりすることがある。
一方、ベーパ発生量が少ないときには、ベーパ弁が開弁したとしても、パージをする際のパージ流量の変動は比較的小さく、パージ燃料による空燃比の変動は比較的小さい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、蒸発燃料処理装置において、燃料タンク内でのベーパ発生量を考慮して、ベーパ弁の開弁時期を制御することにより、パージ燃料による空燃比の変動の抑制を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、内燃機関(15)に供給される燃料を貯留する燃料タンク(2)と、前記燃料タンク(2)内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタ(3)と、前記燃料タンク(2)と前記キャニスタ(3)とを連通させるベーパ通路(4)を開閉するベーパ弁(5)と、前記ベーパ弁(5)を制御する制御装置(10)とを備え、前記キャニスタ(3)から放出された前記蒸発燃料を前記内燃機関(15)に供給する蒸発燃料処理装置において、前記ベーパ弁(5)は、前記燃料タンク(2)のタンク内圧力(Pt)が、負圧である第1所定圧力(P1)以下のときに閉弁する一方、前記第1所定圧力(P1)よりも高い第2所定圧力(P2)以上のときに開弁し、前記制御装置(10)は、前記タンク内圧力(Pt)を検出する圧力検出手段(22)と、前記ベーパ弁(5)が閉弁して前記ベーパ通路(4)を閉じているときの前記燃料タンク(2)内でのベーパ発生量の指標となるベーパ量指標(V)を検出するベーパ量指標検出手段(21)と、前記ベーパ量指標(V)に基づいて前記燃料タンク(2)内でのベーパ発生状態を判定するベーパ発生状態判定手段(41)とを備え、前記制御装置(10)は、前記ベーパ発生状態判定手段(41)により前記ベーパ発生状態が前記ベーパ発生量の多い多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、前記第2所定圧力(P2)での開弁時期よりも早期に前記ベーパ弁(5)を開弁する蒸発燃料処理装置である。
これによれば、ベーパ弁の開閉を制御する制御装置は、ベーパ発生状態判定手段により燃料タンク内でのベーパ発生状態が、ベーパ発生量が多い状態である多量ベーパ発生状態である場合には、ベーパ弁が開弁するタンク内圧力である第2所定圧力での開弁時期よりも早期にベーパ弁を開弁する。この結果、第2所定圧力以外に、燃料タンク内のベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態のときにもベーパ弁が開弁するので、燃料タンク内のベーパ発生状態に応じてベーパ弁の開弁を行わない場合に比べて、ベーパ弁が開弁したときにキャニスタに吸着される蒸発燃料量の急増を抑制でき、ひいてはパージ燃料による内燃機関の空燃比の変動を抑制することができて、内燃機関の排気浄化性能や燃費性能の向上が可能になる。
また、ベーパ弁は、燃料タンクのタンク内圧力が負圧である第1所定圧力以下で閉弁するので、タンク内圧力が過度に低下することが防止される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸発燃料処理装置において、前記制御装置(10)は、パージ流量(Qp)を検出するパージ量検出手段(23)を備え、前記ベーパ発生状態判定手段(41)により前記ベーパ発生状態が前記多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、前記パージ流量(Qp)が所定流量(Q1)以下であるときに前記ベーパ弁(5)を開弁するものである。
これによれば、燃料タンク内でのベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態である場合に、パージ流量が所定流量以下であることでパージ流量が少ないときに、ベーパ弁が開弁するので、パージ燃料による内燃機関の空燃比の変動を抑制することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の蒸発燃料処理装置において、前記制御装置(10)は、前記ベーパ発生状態判定手段(41)により前記ベーパ発生状態が前記多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、前記タンク内圧力(Pt)が前記第2所定圧力(P2)未満のときに前記ベーパ弁(5)を開弁するものである。
これによれば、燃料タンク内でのベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態である場合に、タンク内圧力が第2所定圧力に達する前にベーパ弁が開弁するので、ベーパ発生量が多いときには、早期の段階でベーパ弁が開弁することになって、ベーパ弁が開弁したときにキャニスタに吸着される蒸発燃料量の急増を抑制でき、パージ燃料による内燃機関の空燃比の変動を抑制することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の蒸発燃料処理装置において、パージ流量(Qp)を制御するパージ量制御手段(7)を備え、前記制御装置(10)は、前記パージ流量(Qp)を検出するパージ量検出手段(23)を備え、前記ベーパ発生状態判定手段(41)により前記ベーパ発生状態が前記多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、前記パージ流量(Qp)が所定流量(Q1)を超えるときに、前記パージ流量(Qp)が減少するように前記パージ量制御手段(7)を制御した後に、前記ベーパ弁(5)を開弁するものである。
これによれば、燃料タンク内でのベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であり、しかもパージ流量が所定流量を超えていて多いときには、パージ量制御手段によりパージ流量が強制的に減量された後に、ベーパ弁が開弁するので、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の蒸発燃料処理装置において、パージ流量(Qp)を制御するパージ量制御手段(7)を備え、前記制御装置(10)は、前記パージ流量(Qp)を検出するパージ量検出手段(23)を備え、前記ベーパ発生状態判定手段(41)により前記ベーパ発生状態が前記多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、前記パージ流量(Qp)が所定流量(Q1)を超えるときに、前記パージ流量(Qp)が前記所定流量(Q1)以下になった後に前記ベーパ弁(5)を開弁するものである。
これによれば、燃料タンク内でのベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であり、しかもパージ流量が所定流量を超えていて多いときには、パージ流量が所定流量以下になるまで待った後に、パージ流量が少なくなった状態で、ベーパ弁が開弁するので、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の蒸発燃料処理装置において、前記制御装置(10)は、前記パージ流量(Qp)が前記所定流量(Q1)以下になる前に、前記タンク内圧力(Pt)が前記第2所定圧力(P2)よりも高い上限圧力(Pu)に達したときに、または前記パージ量検出手段(23)により前記パージ流量(Qp)が前記所定流量(Q1)を超えることが検出された時点から所定時間が経過したときに、前記パージ流量(Qp)が減少するように前記パージ量制御手段(7)を制御した後、前記ベーパ弁(5)を開弁するものである。
これによれば、燃料タンク内でのベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であり、しかもパージ流量が所定流量を超えていて多いときには、タンク内圧力が上限圧力に達したときに、パージ流量が所定流量以下になるまで待つことなく、パージ量制御手段によりパージ流量が強制的に減量された後に、ベーパ弁が開弁するので、タンク内圧力を確実に上限圧力以下に保ちながら、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
本発明によれば、蒸発燃料処理装置において、燃料タンク内でのベーパ発生量を考慮して、ベーパ弁の開弁時期を制御することにより、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
本発明の実施形態である蒸発燃料処理装置および内燃機関の要部の模式図である。 図1の蒸発燃料処理装置の制御装置の説明図である。 図1の蒸発燃料処理装置の制御装置によるベーパ弁およびパージ弁の制御を説明するフロー図である。 図1の蒸発燃料処理装置の制御装置によるベーパ発生状態の判定に使用されるタンク内圧力と時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態の変形例を示し、図4に対応するタンク内圧力と時間との関係を説明するグラフである。 本発明の実施形態の変形例を示し、図5の変形例に使用されるタンク内圧力と時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態の変形例を示し、図3に相当する図である。 本発明の実施形態の別の変形例を示し、図3に相当する図である。
以下、本発明の実施形態を、図1〜図9を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の実施形態である蒸発燃料処理装置1は、内燃機関15に使用される。内燃機関15は、該内燃機関15とは別の原動機を備える機械としての車両、例えば前記原動機としての電動機が搭載されたハイブリッド車に搭載される。
蒸発燃料処理装置1は、内燃機関15に供給されて燃焼用空気と混合することにより混合気を形成するための液体燃料(例えば、ガソリン)を貯留する燃料タンク2と、内部に収納された活性炭により燃料タンク2内で発生した蒸発燃料を吸着可能であると共に吸着した蒸発燃料を放出可能なキャニスタ3と、燃料タンク2内の液面上部空間2aとキャニスタ3とを連通させるベーパ通路4に配置されて該ベーパ通路4を開閉するベーパ弁5と、キャニスタ3と内燃機関15の吸気系を構成する吸気装置16の吸気通路17とを連通させるパージ通路6に配置されてキャニスタ3から放出された蒸発燃料の流量であるパージ流量Qp(図3参照)を制御するパージ量制御手段としてのパージ弁7と、キャニスタ3と大気とを連通させる大気連通路8に配置されてキャニスタ3への大気の導入およびキャニスタ3を通じての空気の排出を行う大気開放弁9と、これら弁5,7の作動を制御する制御装置10とを備える。
燃料タンク2には、上方に延びて上端部に燃料キャップ11bにより閉塞される給油口11aが設けられた給油管11が接続される。燃料タンク2内の燃料は、燃料タンク2内に配置された燃料ポンプ12により吸入された後に吐出されて、燃料管13を通じて内燃機関15の混合気形成手段である燃料噴射弁14に供給される。燃料噴射弁14から噴射された燃料は、吸気通路17により導かれた吸入空気と混合して混合気を形成し、該混合気が内燃機関15の燃焼室で燃焼する。
制御装置10は、内燃機関15の機関回転速度などの機関運転状態に応じて燃料噴射弁14から吸入空気に対して供給される燃料量を制御して、混合気の空燃比を制御する。
ベーパ弁5およびパージ弁7は、その全閉および全開の開度範囲で、開度が連続的または多段階に変更可能である弁、例えばリニア弁またはデューティ駆動されるオン・オフ弁により構成される。大気開放弁9はオン・オフ弁により構成されるが、リニア弁またはデューティ駆動されるオン・オフ弁により構成されてもよい。別の例として、各弁5,7,9は、開閉切換弁により構成されてもよい。該開閉切換弁は、デューティ駆動制御されることなく、全閉および全開の切換を行うオン・オフ弁である。
ベーパ弁5および大気開放弁9は、非作動時または自然状態で開弁状態になる常開弁であり、パージ弁7は、非作動時または自然状態で閉弁状態になる常閉弁である。
また、弁5,7,9は、この実施形態では、いずれも電磁弁から構成されるが、別の例として、作用する圧力に応動する圧力応動部材(例えば、ダイヤフラム)を備える圧力応動弁であってもよい。
ベーパ弁5は、機関運転状態、後記パージ流量Qpおよびタンク内圧力Ptに応じて、ベーパ通路4の通路面積を制御することにより、タンク内圧力Ptを、したがって燃料タンク2内の蒸発燃料の圧力であるベーパ圧を制御可能である。ベーパ弁5は、タンク内圧力Ptに応じて、開弁状態にあるときは、該タンク内圧力Ptが、予め設定された設定値の負圧である閉弁圧力としての第1所定圧力P1以下になる(すなわち、第1所定圧力P1になる、または絶対圧力で該第1所定圧力よりも低い圧力になる)ときに閉弁する一方、閉弁状態にあるときに、タンク内圧力Ptが、第1所定圧力P1よりも高い圧力であって正圧である第2所定圧力P2以上となる(すなわち、第2所定圧力P2になる、または絶対圧力で該第2所定圧力よりも高い圧力になる)ときに開弁する。
第1所定圧力P1は、タンク内圧力Ptと大気圧との圧力差により燃料タンク2に変形を生じさせる過度の負圧とならない値に設定される。そして、ベーパ弁5はタンク内圧力Ptが第1所定圧力P1以下のときに閉弁するので、大気連通路8が閉じている場合などに、吸気通路17での負圧によりタンク内圧力Ptが過度に低下することが防止される。
そして、ベーパ弁5は、内燃機関15の停止時に開弁して、燃料タンク2とキャニスタ3とを連通状態とする。
パージ通路6は、吸気通路17において、絞り弁18の下流、かつ燃料噴射弁14の上流で、吸気通路17に開口する。
パージ弁7は、機関運転状態およびタンク内圧力Ptに応じて、キャニスタ3から放出されて吸気通路17に供給されるパージ燃料の流量であるパージ流量Qp(図3参照)を制御するために、パージ通路6の通路面積を制御可能とすべく、その開度が制御される。パージ弁7は、内燃機関15の停止時に閉弁して、パージ通路6を通じての吸気通路17とキャニスタ3とを連通を遮断する。
パージ弁7は、1以上である所定数の弁、ここでは1つの弁により構成される。別の例として、パージ弁7がパージ通路6に並列に配置された2以上の弁により構成されてもよい。
大気開放弁9は常時開弁状態にある。これにより、内燃機関15の停止中に燃料タンク2の温度が上昇したとき、燃料タンク2内で発生した蒸発燃料および燃料タンク2内の空気が、ベーパ通路4を通じてキャニスタ3に導かれ、蒸発燃料がキャニスタ3に吸着されて空気だけが大気連通路8を通じて大気に排出されるので、蒸発燃料の大気への流出が防止されて、燃料タンク2内の圧力であるタンク内圧力Ptが過度に上昇することが防止される。一方、燃料タンク2の温度が低下してタンク内圧力Ptが負圧になるまで低下すると、大気開放弁9を通じて導入された空気が燃料タンク2に供給される。
また、内燃機関15の運転中は、パージ弁7が開弁したとき、キャニスタ3に吸着された蒸発燃料が大気連通路8を通じて吸入された大気によりパージされて、パージ燃料(すなわち、パージされた蒸発燃料)が吸気通路17に供給される。
図1,図2を参照すると、制御装置10は、内燃機関15の機関運転状態を検出する運転状態検出手段30およびベーパ発生量(すなわち、燃料タンク2内での蒸発燃料の発生量)の指標となるベーパ量指標Vを検出するベーパ量指標検出手段21などを備える検出部20と、検出部20からの検出信号が入力される制御部40とを備える。制御部40は、コンピュータを備える電子制御ユニットより構成され、前記検出信号に基づいてベーパ弁5、パージ弁7、大気開放弁9、燃料噴射弁14などを制御する。
運転状態検出手段30は、内燃機関15の停止を検出する停止検出手段32と、内燃機関15の機関回転速度を検出する機関回転速度検出手段33と、内燃機関15の吸入空気量を検出する吸気量検出手段34と、内燃機関15の排気ガスの成分から混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段35とを含む。
そして、検出部20は、運転状態検出手段30のほかに、ベーパ量指標検出手段21、タンク内圧力Ptを検出する圧力検出手段22、例えばパージ通路6に配置された熱線流量計により構成されてパージ流量Qpを検出するパージ量検出手段23、ベーパ弁5の開度を検出する弁開度検出手段24と、ベーパ弁5の閉弁開始時期taを検出する閉弁時期検出手段25と、該閉弁開始時期taからのベーパ弁5の閉弁継続時間Taを検出する閉弁時間検出手段26とを含む。
ベーパ弁5が閉弁してベーパ通路4を閉じているときの時間に対するベーパ発生量(すなわち、ベーパ発生速度)の指標となる状態量であるベーパ量指標Vを検出するベーパ量指標検出手段21は、図4に示されるように、ベーパ量指標Vとしての指標タンク内圧力Piを検出する。なお、図4には、ベーパ発生量が異なる場合における2つの指標タンク内圧力Piが例示されている。
指標タンク内圧力Piは、弁開度検出手段24によりベーパ弁5が閉弁したことが検出され、その閉弁開始時期taが閉弁時期検出手段25により検出されてから、閉弁時間検出手段26により検出される閉弁継続時間Taが予め設定された一定の判定用時間Teになるときのタンク内圧力Ptである。
このため、指標タンク内圧力Piは、ベーパ弁5の閉弁時期から判定用時間Teが経過したときの、ベーパ弁5の閉弁時のタンク内圧力Ptである第1所定圧力P1から上昇したタンク内圧力Ptの圧力変化を反映している。したがって、指標タンク内圧力Piは、その値が大きいほど、すなわち第1所定圧力P1との差圧が大きいほど、時間に対するベーパ発生量が多いことを示している。
図1,図2を参照すると、制御部40は、タンク内圧力Ptが第1所定圧力P1(図3参照)を超えるときに、ベーパ量指標検出手段21により検出されるベーパ量指標Vに基づいて燃料タンク2内でのベーパ発生状態を判定するベーパ発生状態判定手段41と、ベーパ量指標V、タンク内圧力Ptおよびパージ流量Qpに基づいてベーパ弁5の開度を制御するベーパ弁制御手段42と、機関回転速度、吸気通路の吸気圧力およびタンク内圧力Ptに基づいてパージ流量Qpを制御すべくパージ弁7の開度を制御するパージ制御手段としてのパージ弁制御手段43と、機関回転速度検出手段33により検出された機関回転速度、吸気量検出手段34により検出された吸入空気量および空燃比検出手段35により検出された空燃比に基づいて燃料噴射量を制御すべく燃料噴射弁14を制御する空燃比制御手段としての燃料噴射弁制御手段45とを備える。
図2,図4を参照すると、ベーパ発生状態判定手段41は、指標タンク内圧力Pi(すなわち、第1所定圧力P1からの圧力の増分)が予め設定された基準値に比べて、該基準値以上に大きい値であるとき(すなわち、ベーパ発生速度が大きいとき)、該指標タンク内圧力Piを、ベーパ発生量が多い状態を示す多量側指標値として、ベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であると判定する。
また、ベーパ発生状態判定手段41は、指標タンク内圧力Piが前記基準値に比べて、該基準値よりも小さい値であるとき(すなわち、ベーパ発生速度が小さいとき)、該指標タンク内圧力Piを、ベーパ発生量が少ない状態を示す少量側指標値として、ベーパ発生状態が少量ベーパ発生状態であると判定する。
図1,図3,図4を参照して、蒸発燃料処理装置1の制御装置10により実行されるベーパ弁5およびパージ弁7の制御による蒸発燃料の処理方法について説明する。
内燃機関15が始動された後に、ステップS1において、圧力検出手段22により検出されたタンク内圧力Ptが第1所定圧力P1以下であるか否かが判定される。内燃機関15の始動直後は、内燃機関15の停止時に開弁状態になっていたベーパ弁5により、タンク内圧力Ptが第1所定圧力P1を超えているため、ベーパ弁5が開弁状態にある。そして、ベーパ弁5が開弁状態にあるとき、ステップS4に進む。
内燃機関15の始動直後にベーパ弁5が開弁状態にあるとき、タンク内圧力Ptは、第1所定圧力P1よりも大きく第2所定圧力P2未満の圧力であることから、ステップS4でタンク内圧力Ptが第2所定圧力P2未満と判定されて、ステップS9に進み、内燃機関15が運転中のときは、ステップS1に戻る。このため、内燃機関15の始動直後からベーパ弁5が閉弁するまでは、ステップS1,S4,S9の処理が繰り返されて、ベーパ弁5の開弁状態が維持される。
そして、ベーパ弁5が開弁状態にある内燃機関15の運転中に、タンク内圧力Ptが第1所定圧力P1以下の負圧になると、燃料タンク2内の過度の圧力低下を防止するために、ステップS1からステップS2に進んで、ベーパ弁5が閉弁され、ベーパ通路4が閉じられる。
続くステップS3では、弁開度検出手段24によりベーパ弁5が閉弁したことが検出され、閉弁時期検出手段25によりベーパ弁5の閉弁開始時期ta(図4参照)が検出されて、閉弁時間検出手段26により閉弁継続時間Taの測定が開始される。
さらに、ステップS3では、ベーパ発生状態判定手段41により、指標タンク内圧力Piに基づいて、ベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態か否かが判定される。そして、ベーパ発生状態が、ベーパ発生量が少ない少量ベーパ発生状態であるとき、ステップS4に進み、ベーパ発生状態が、ベーパ発生量が多い多量ベーパ発生状態であるとき、ステップS5に進む。
ステップS4では、タンク内圧力Ptが第1所定圧力P1よりも高い第2所定圧力P2以上か否かが判定される。ここで、第2所定圧力P2は、ベーパ発生状態判定手段41により判定されるベーパ発生状態が少量ベーパ発生状態であるときの、ベーパ弁5の開弁圧力である。
そして、タンク内圧力Ptが第2所定圧力P2未満であるとき、ステップS9に進み、内燃機関15が運転中のときは、ステップS1に戻る。このとき、タンク内圧力Ptは第1所定圧力P1よりも大きいため、ステップS1からステップS4に進む。このため、ベーパ発生状態判定手段41によりベーパ発生状態が少量ベーパ発生状態と判定されたときは、タンク内圧力Ptが第2所定圧力P2未満の圧力である間、ベーパ弁5が閉弁状態に維持される。
ステップS4で、タンク内圧力Ptが第2所定圧力P以上であるとき、ステップS8に進んでベーパ弁制御手段42によりベーパ弁が開弁されて、ベーパ通路4を通じて燃料タンク2内の蒸発燃料がキャニスタ3に導かれて、吸着されるので、タンク内圧力Ptが低下する。
一方、ステップS3で、ベーパ発生状態判定手段41により多量ベーパ発生状態であると判定された場合は、ステップS5に進んで、パージ量検出手段23により検出されたパージ流量Qpが所定流量Q1以下であるか否かが判定される。
パージ弁7が閉弁していてパージが行われていない場合(すなわち、パージ停止の場合)も含めて、パージ流量Qpが所定流量Q1以下であるとき、ステップS8に進んでベーパ弁制御手段42によりベーパ弁5が開弁されて、ベーパ通路4を通じて燃料タンク2内の蒸発燃料がキャニスタ3に導かれて、吸着される。したがって、この場合、ベーパ弁5は第2所定圧力P2での開弁時期よりも早期に開弁する。
ここで、所定流量Q1は、ベーパ弁5が開弁して吸気通路17に供給されるパージ燃料が増加したとしても、空燃比の変動が許容範囲内に収まる値に設定される。
ステップS5で、パージ流量Qpが所定流量Q1を超えているときは、ベーパ弁5が閉弁状態に維持されて、ステップS6に進み、タンク内圧力Ptが第2所定圧力P2よりも高い圧力の上限圧力Pu以上か否かが判定される。ここで、上限圧力Puは燃料タンク2内の蒸発燃料が大気中に漏洩する現象(いわゆるパフロス現象)を防止する観点から、法律による規制値以下の圧力に設定される。
そして、タンク内圧力Ptが上限圧力Pu未満であるとき、ステップS5に戻って、パージ流量Qpが所定流量Q1以下か否かが判定されて、ベーパ弁5の開弁が遅延される。そして、この遅延中に、タンク内圧力Ptが上限圧力Puに達すると、パージ流量Qpが所定流量Q1に減少するまで待つことなく、ステップS7に進んでパージ弁制御手段43によりパージ弁7の開度を小さくして、パージ流量Qpを減量する。この減量により、パージ流量Qpは、パージ流量Qpが所定流量Q1を超えていることがパージ量検出手段23により検出された時点および上限圧力Puが検出された時点でのパージ流量Qpよりも少ない特定パージ流量になる。この特定パージ流量は、所定流量Q1を超える流量であってもよいが、好ましくは所定流量Q1以下の流量であり、例えばパージ弁7が閉弁されて、パージ流量がゼロにされてもよい。
次いで、ステップS8に進んでベーパ弁5が開弁されて、ベーパ通路4を通じて燃料タンク2内の蒸発燃料がキャニスタ3に導かれて、吸着される。なお、ベーパ発生状態判定手段41により多量ベーパ発生状態であると判定された場合でのベーパ弁5の開弁は、タンク内圧力Ptが、第1所定圧力P1よりも大きく、第2所定圧力P2よりも小さい圧力であるときに行われる。このため、ベーパ弁5は第2所定圧力P2での開弁時期よりも早期に開弁する。
そして、ステップS9での判定により、内燃機関15の運転中は、ステップS1に戻り、さらにタンク内圧力Ptが第1所定圧力P1を超えているときは、ステップS4に進む。このとき、ベーパ弁5が開弁状態にあるので、タンク内圧力Ptは第1所定圧力P1と第2所定圧力P2との間の圧力であることから、ステップS4からステップS9に進んで、ベーパ弁5の開弁状態が維持される。
一方、ステップS1において、タンク内圧力Ptが第1所定圧力P1以下と判定されると、ステップS2でベーパ弁5が閉弁され、次いでステップS3に進んで、ステップS3以降の前記した処理と同様の処理が実行される。
また、内燃機関15が停止されたことが停止検出手段32により検出されて、ステップS9で内燃機関15が停止されたことが判定されると、ステップS9からステップS10に進んで、ベーパ弁5が開弁状態にされる。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
蒸発燃料処理装置1において、制御装置10は、タンク内圧力Ptを検出する圧力検出手段22と、ベーパ弁5が閉弁してベーパ通路4を閉じているときの燃料タンク2内での蒸発燃料の発生量であるベーパ発生量の指標となるベーパ量指標Vを検出するベーパ量指標検出手段21と、パージ流量Qpを検出するパージ量検出手段23と、ベーパ量指標Vに基づいて燃料タンク2内でのベーパ発生状態を判定するベーパ発生状態判定手段41とを備え、ベーパ弁5は、燃料タンク2のタンク内圧力Ptが、負圧である第1所定圧力P1以下のときに閉弁する一方、第1所定圧力P1よりも高い正圧である第2所定圧力P2以上のときに開弁し、制御装置10は、タンク内圧力Ptが第1所定圧力P1を超えており、かつベーパ発生状態判定手段41によりベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、第2所定圧力P2での開弁時期よりも早期にベーパ弁5を開弁する。
この構造により、ベーパ弁5の開閉を制御する制御装置10は、ベーパ発生状態判定手段41により燃料タンク2内でのベーパ発生状態が、ベーパ発生量が多い状態である多量ベーパ発生状態である場合には、ベーパ弁5が開弁するタンク内圧力Ptである第2所定圧力P2での開弁時期よりも早期にベーパ弁5を開弁する。この結果、第2所定圧力P2以外に、燃料タンク2内のベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態のときにもベーパ弁5が開弁するので、燃料タンク2内のベーパ発生状態に応じてベーパ弁5の開弁を行わない場合に比べて、ベーパ弁5が開弁したときにキャニスタ3に吸着される蒸発燃料量の急増を抑制でき、ひいてはパージ燃料による内燃機関15の空燃比の変動を抑制することができて、内燃機関15の排気浄化性能や燃費性能の向上が可能になる。
また、ベーパ弁5は、燃料タンク2のタンク内圧力Ptが負圧である第1所定圧力P1以下で閉弁するので、吸気通路17での負圧によりタンク内圧力Ptが過度に低下することが防止される。
ベーパ発生状態判定手段41は、ベーパ量指標Vが、燃料タンク2内でのベーパ発生量が多い状態を示す多量側指標値であるときに、ベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であると判定し、制御装置10は、ベーパ発生状態判定手段41によりベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、パージ流量Qpが所定流量Q1以下であるときにベーパ弁5を開弁する。
この構造により、燃料タンク2内でのベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態である場合に、パージ流量Qpが所定流量Q1以下であることで、パージ流量Qpが少ないときに、ベーパ弁5が開弁するので、パージ燃料による内燃機関15の空燃比の変動を抑制することができる。また、ベーパ発生状態はベーパ量指標Vに基づいて判定されるので、ベーパ量指標Vに基づいてベーパ発生量を演算する場合に比べて、制御装置10での演算が簡単化される。
前記制御装置10は、ベーパ発生状態判定手段41によりベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、タンク内圧力Ptが第2所定圧力P2未満のときにベーパ弁5を開弁する。
この構造により、燃料タンク2内でのベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態である場合に、タンク内圧力Ptが第2所定圧力P2に達する前にベーパ弁5が開弁するので、ベーパ発生量が多いときには、早期の段階でベーパ弁5が開弁することになって、ベーパ弁5が開弁したときにキャニスタ3に吸着される蒸発燃料量の急増を抑制でき、パージ燃料による内燃機関15の空燃比の変動を抑制することができる。
ベーパ発生状態判定手段41は、ベーパ量指標Vが、ベーパ発生量が多い状態を示す多量側指標値であるときに、ベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であると判定し、制御装置10は、ベーパ発生状態判定手段41によりベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、パージ流量Qpが所定流量Q1を超えるとき、パージ流量Qpが所定流量Q1以下になった後にベーパ弁5を開弁する。
この構造により、燃料タンク2内でのベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であり、しかもパージ流量Qpが所定流量Q1を超えていて多いときには、パージ流量Qpが所定流量Q1以下になるまで待った後に、パージ流量Qpが少なくなった状態で、ベーパ弁5が開弁するので、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
制御装置10は、パージ流量Qpが前記所定流量Q1以下になる前に、タンク内圧力Ptが第2所定圧力P2よりも高い上限圧力Puに達したときに、パージ流量Qpが減少するようにパージ弁7を制御した後、ベーパ弁5を開弁する。
この構造により、燃料タンク2内でのベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であり、しかもパージ流量Qpが所定流量Q1を超えていて多いときには、タンク内圧力Ptが上限圧力Puに達したときに、パージ流量Qpが所定流量Q1以下になるまで待つことなく、パージ弁7によりパージ流量Qpが強制的に減量された後に、ベーパ弁5が開弁するので、タンク内圧力Ptの上昇を防止しながら、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
ベーパ量指標Vは、閉弁継続時間Taが判定用時間Teになるときのタンク内圧力Ptである指標タンク内圧力Piであることにより、ベーパ量指標Vが圧力検出手段22により検出されるタンク内圧力Ptであるので、ベーパ発生状態を判定するための別の検出手段が不要になる。この結果、ベーパ発生状態を判定するためにベーパ量指標Vに基づいてベーパ発生量を演算する場合に比べて、コストを削減しながら、制御装置10での演算が簡単化される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
ステップS3での処理において、図5に示されるように、ベーパ量指標Vは、ベーパ弁5が閉弁した閉弁開始時期taでのタンク内圧力Ptである第1所定圧力P1から、タンク内圧力Ptが予め設定された判定用圧力Peに達するまでの閉弁継続時間Taである指標時間Tiであってもよい。なお、図5には、ベーパ発生量が異なる場合における2つの指標時間Tiが例示されている。指標時間Tiは、その値が短いほど、ベーパ発生量が多いことを示している。また、判定用圧力Peは、第2所定圧力P2よりも低い圧力である。
そして、ベーパ発生状態判定手段41は、指標時間Tiが予め設定された基準時間Tc以下の時間であるとき(すなわち、ベーパ発生速度が大きいとき)、該指標時間Tiを、ベーパ発生量が多い状態を示す多量側指標値として、ベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であると判定する。また、ベーパ発生状態判定手段41は、指標時間Tiが基準時間Tcを超える時間であるとき(すなわち、ベーパ発生速度が小さいとき)、該指標時間Tiを、ベーパ発生量が少ない状態を示す少量側指標値として、ベーパ発生状態が少量ベーパ発生状態であると判定する。したがって、この場合にも、ベーパ弁5は第2所定圧力P2での開弁時期よりも早期に開弁する。
このように、ベーパ量指標Vは、ベーパ弁5が閉弁した閉弁開始時期taから、タンク内圧力Ptが予め設定された判定用圧力Peに達するまでの指標時間Tiであることにより、ベーパ量指標Vがタンク内圧力Ptに基づく指標時間Tiであるので、ベーパ発生状態を判定するためにベーパ量指標Vに基づいてベーパ発生量を演算する場合に比べて、制御装置10での演算が簡単化される。
制御装置10の制御部40は、時間に対するタンク内圧力Ptの変化率を算出する変化率算出手段を備え、図6に示されるように、判定用圧力Peは、該変化率算出手段により算出された前記変化率に応じて変更され、該変化率が大きいときほど低くなるように設定されてもよい。図6には、前記変化率が小さい場合の判定用圧力Peが判定用圧力Pe1として示され、前記変化率が大きい場合の判定用圧力Peが判定用圧力Pe2として示されている。そして、この変化率は、その値が大きいほど、ベーパ発生量の増加割合が大きいことを示す。
このように、ベーパ発生量の増加割合がより大きいことを示す前記変化率であるほど、ベーパ弁5の開弁時期を早めることにより、タンク内圧力Ptの変化率が大きいほど、すなわち蒸発燃料の発生速度が大きく、ベーパ発生量が多いときほど、ベーパ弁5が早期に開弁されるので、タンク内圧力Ptがより低く、ベーパ発生量がより少ない状態のときにベーパ弁5が開弁する。この結果、タンク内圧力Ptの上昇を防止しながら、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
また、前記変化率により、判定用時間Te(図4参照)が、前記変化率算出手段により算出された前記変化率に応じて変更され、該変化率が大きいときほど短くなるように設定されてもよい。この場合も、ベーパ発生量の増加割合がより大きいことを示す変化率であるほど、ベーパ弁5の開弁時期を早めることができるので、タンク内圧力Ptの上昇を防止しながら、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
制御装置10は、ベーパ発生量がより多いことを示すベーパ量指標Vであるときほど、開弁したときのベーパ弁5の開度または開弁速度を小さくしてもよい。これにより、ベーパ発生量がより多いときほど、ベーパ弁5の開度または開弁速度が小さいので、ベーパ弁5が第2所定圧力P2での開弁時期よりも早期に開弁するときに、ベーパ弁5の開弁によりキャニスタ3に吸着される蒸発燃料の急増を抑制できて、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
図7に示されるように、図3におけるステップS6の代わりのステップS6aにおいて、制御装置10が備える時間計測手段により、パージ量検出手段23によりパージ流量Qpが所定流量Q1を超えることが、ステップS3でベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であると判定された後に最初に検出された時点から所定時間Tdが経過したか否かが判定され、該所定時間Tdが経過していないとき、ステップS5に戻って、パージ流量Qpが所定流量Q1以下か否かが判定されて、ベーパ弁5の開弁が遅延される。そして、この遅延中に、所定時間Tdが経過したことが検出されたときには、パージ流量Qpが所定流量Q1に減少するまで待つことなく、ステップS7に進む。所定時間Tdは、該所定時間Td中にタンク内圧力Ptが上限圧力Pu以上にならない時間として、適宜設定される。
これによれば、ベーパ発生状態が多量ベーパ発生状態であり、しかもパージ流量Qpが所定流量Q1を超えていて多いときには、所定時間Tdが経過したときに、パージ流量Qpが所定流量Q1以下になるまで待つことなく、パージ弁7によりパージ流量Qpが強制的に減量された後に、ベーパ弁5が開弁するので、タンク内圧力Ptの上昇を防止しながら、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
図8に示されるように、図3,図7におけるステップS7の処理が省略されて、パージ流量Qpが所定流量Q1以下になる前に、図3におけるステップS6のタンク内圧力Ptが上限圧力Pu以上のとき、または図7におけるステップS6aの前記所定時間Tdが経過したときに、制御装置10がベーパ弁5を開弁してもよい。この場合、開弁するときのベーパ弁5の開度または開弁速度は、ステップS7aにおいて、第2所定圧力P2で開弁するときのベーパ弁5の開度または開弁速度よりも小さく、そしてパージ流量Qpが所定流量Q1以下になったときに開弁するときのベーパ弁5の開度または開弁速度よりも小さく設定される。
この構造により、ベーパ弁5はパージ流量Qpが所定流量Q1よりも多い状態で開弁するにも拘わらず、ベーパ弁5の開度または開弁速度が、第2所定圧力P2で開弁するときのベーパ弁5またはパージ流量Qpが所定流量Q1以下で開弁するベーパ弁5に比べて小さいので、ベーパ弁5の開弁によるパージ燃料の増加を抑制できて、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
図3,図8におけるステップS6の処理、または図7におけるステップS6aの処理は省略されてもよい。この場合、パージ流量Qpが所定流量Q1を超えるときに、ステップS7または7aの処理が実行されて、パージ燃料による空燃比の変動を抑制することができる。
また、図3において、ステップS7の処理と併せて、図8のステップS7aの処理が行われてもよい。
ベーパ弁は、タンク内圧力Ptが直接作用する圧力応動部材(例えば、ダイヤフラム)を備えて該タンク内圧力Ptが第1所定圧力P1以下のときに閉弁する第1圧力応動弁と、タンク内圧力Ptが直接作用する圧力応動部材(例えば、ダイヤフラム)を備えてタンク内圧力Ptが第2所定圧力P2以上のときに開弁する第2圧力応動弁との、少なくとも一方の圧力応動弁、および、ベーパ量発生状態およびパージ流量Qpに基づいて制御装置10により制御される電磁弁の組合せにより構成されてもよい。
パージ流量Qpを制御するパージ量制御手段は、パージ通路6の通路面積を制御するパージ弁以外に、例えば、キャニスタ3に導入される空気量の制御が可能なように開度が連続的制御される大気開放弁9、パージ通路6の圧力を制御するための制御弁、またはポンプであってもよい。
ベーパ発生状態判定手段41は、ベーパ量指標Vに基づいて演算される推定ベーパ発生量に基づいて、燃料タンク2内のベーパ発生状態を判定してもよい。
内燃機関15は、ハイブリッド車以外の車両、例えば該内燃機関15以外の1以上の原動機を備える車両または車両以外の機械、または、該内燃機関15のみを備える車両または車両以外の機械(例えば、船外機等の船舶推進装置、発電装置、ポンプ装置)に備えられてもよい。
1 蒸発燃料処理装置
2 燃料タンク
3 キャニスタ
5 ベーパ弁
7 パージ弁
10 制御装置
15 内燃機関
21 ベーパ量指標検出手段
22 圧力検出手段
23 パージ量検出手段
24 弁開度検出手段
25 閉弁時期検出手段
26 閉弁時間検出手段
41 ベーパ発生状態判定手段
Pt タンク内圧力
V ベーパ量指標
Pi 指標タンク内圧力
Ti 指標時間

Claims (6)

  1. 内燃機関に供給される燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前記燃料タンクと前記キャニスタとを連通させるベーパ通路を開閉するベーパ弁と、前記ベーパ弁を制御する制御装置とを備え、前記キャニスタから放出された前記蒸発燃料を前記内燃機関に供給する蒸発燃料処理装置において、
    前記ベーパ弁は、前記燃料タンクのタンク内圧力が、負圧である第1所定圧力以下のときに閉弁する一方、前記第1所定圧力よりも高い第2所定圧力以上のときに開弁し、
    前記制御装置は、前記タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、前記ベーパ弁が閉弁して前記ベーパ通路を閉じているときの前記燃料タンク内でのベーパ発生量の指標となるベーパ量指標を検出するベーパ量指標検出手段と、前記ベーパ量指標に基づいて前記燃料タンク内でのベーパ発生状態を判定するベーパ発生状態判定手段とを備え、
    前記制御装置は、前記ベーパ発生状態判定手段により前記ベーパ発生状態が前記ベーパ発生量の多い多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、前記第2所定圧力での開弁時期よりも早期に前記ベーパ弁を開弁することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 前記制御装置は、パージ流量を検出するパージ量検出手段を備え、前記ベーパ発生状態判定手段により前記ベーパ発生状態が前記多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、前記パージ流量が所定流量以下であるときに前記ベーパ弁を開弁することを特徴とする請求項1記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記制御装置は、前記ベーパ発生状態判定手段により前記ベーパ発生状態が前記多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、前記タンク内圧力が前記第2所定圧力未満のときに前記ベーパ弁を開弁することを特徴とする請求項1記載の蒸発燃料処理装置。
  4. パージ流量を制御するパージ量制御手段を備え、
    前記制御装置は、前記パージ流量を検出するパージ量検出手段を備え、前記ベーパ発生状態判定手段により前記ベーパ発生状態が前記多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、前記パージ流量が所定流量を超えるときに、前記パージ流量が減少するように前記パージ量制御手段を制御した後に、前記ベーパ弁を開弁することを特徴とする請求項1記載の蒸発燃料処理装置。
  5. パージ流量を制御するパージ量制御手段を備え、
    前記制御装置は、前記パージ流量を検出するパージ量検出手段を備え、前記ベーパ発生状態判定手段により前記ベーパ発生状態が前記多量ベーパ発生状態であると判定された場合に、前記パージ流量が所定流量を超えるときに、前記パージ流量が前記所定流量以下になった後に前記ベーパ弁を開弁することを特徴とする請求項1記載の蒸発燃料処理装置。
  6. 前記制御装置は、前記パージ流量が前記所定流量以下になる前に、前記タンク内圧力が前記第2所定圧力よりも高い上限圧力に達したときに、または前記パージ量検出手段により前記パージ流量が前記所定流量を超えることが検出された時点から所定時間が経過したときに、前記パージ流量が減少するように前記パージ量制御手段を制御した後、前記ベーパ弁を開弁することを特徴とする請求項5記載の蒸発燃料処理装置。
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