JP2013113198A - 燃料タンク圧力抜き制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャニスタから外部への燃料蒸気の吹き抜けを防止しつつ、早期に燃料タンク内の高圧状態を解消することができる燃料タンク圧力抜き制御装置の提供。
【解決手段】燃料タンクを封鎖する封鎖弁の開弁デューティをタンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて設定した開弁時間Toにより調節している(S208,S210,S216)。このことによりキャニスタから大気通路を介して外部へ燃料蒸気が吹き抜けないようにし、かつ迅速に燃料タンク内の高圧状態を解消するようにしている。そして封鎖弁の開弁制御後にタンク内圧Ptfの変動収束判定がなされるまでは開弁時間Toを新たに設定しないように待機する(S214)。このことによりタンク内圧Ptf変動期間中は不適切なタンク内圧Ptfにて開弁時間Toを調節するのを防止できる。変動期間の経過後は適切なタンク内圧Ptfに基づいて封鎖弁の開弁時間Toを高精度に調節できる。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の燃料タンクとキャニスタとの間の燃料蒸気通路を遮断する封鎖弁を周期的に開弁することにより燃料タンク内の圧力抜き制御を実行する燃料タンク圧力抜き制御装置に関する。
内燃機関の燃料タンクで発生する蒸発燃料を処理するための蒸発燃料処理装置として、活性炭等の吸着材を収容したキャニスタを燃料タンクに接続したものが知られている。このような装置においてキャニスタと燃料タンクとの間の燃料蒸気通路に、燃料タンクを密閉するための封鎖弁を設けた構成が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
特許文献1では、燃料タンクが封鎖弁にて密閉状態とされたことで、そのタンク内圧が高圧化した場合には、タンク内圧が所定の目標圧力まで低下するように、かつキャニスタを燃料蒸気が吹き抜けて外部に放出されないように、封鎖弁の開弁制御を実行している。具体的には、タンク内圧が所定圧力以上になると間欠的に封鎖弁を開弁すると共に、その開弁時間を燃料タンク内の燃料性状(揮発性の高さ)に応じて調節している。
特許文献2では、タンク内圧が所定圧力以上となると、パージ率が一定以上の状態で所定時間封鎖弁を開弁してタンク内圧をキャニスタに排出している。
特開2010−281258号公報(第16頁、図8〜10) 特開2004−308484号公報(第7−10頁、図1〜4)
特許文献1では間欠的になされる封鎖弁の開弁制御において、各開弁時間は燃料の揮発性の高さに応じて決定している。すなわち夏燃料と冬燃料とに対応して開弁時間を決定している。しかし封鎖弁の開弁時間は、揮発性よりも、燃料タンクからキャニスタへの気流状態や、キャニスタから内燃機関吸気通路への気流状態の要因が重要である。したがって、揮発性による封鎖弁開弁時間の設定では、キャニスタから外部への燃料蒸気の吹き抜け防止が困難となったり、あるいは早期に燃料タンク内の高圧状態を解消できなかったりする。
特許文献2についてはパージ率は封鎖弁の時間設定には反映されておらず、特許文献1と同様な問題がある。
本発明は、キャニスタから外部への燃料蒸気の吹き抜けを防止しつつ、早期に燃料タンク内の高圧状態を解消することができる燃料タンク圧力抜き制御装置の提供を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、内燃機関の燃料タンクとキャニスタとの間の燃料蒸気通路を遮断する封鎖弁を周期的に開弁することにより燃料タンク内の圧力抜き制御を実行する燃料タンク圧力抜き制御装置であって、前記燃料タンク内の圧力であるタンク内圧を検出するタンク内圧検出手段と、前記キャニスタ内から内燃機関の吸気通路へ放出される気体流量を表すパージ量を検出するパージ量検出手段と、前記タンク内圧検出手段により検出されたタンク内圧と前記パージ量検出手段により検出されたパージ量とに基づいて前記封鎖弁の開弁デューティを調節する封鎖弁開弁調節手段と、を備えたことを特徴とする。
封鎖弁開弁調節手段は、タンク内圧検出手段により検出されたタンク内圧とパージ量検出手段により検出されたパージ量とに基づいて封鎖弁の開弁デューティを調節している。すなわち主としてタンク内圧に起因する燃料タンクからキャニスタへの気流状態要因と、主としてパージ量に起因するキャニスタから内燃機関の吸気通路への気流状態要因とを、封鎖弁の開弁デューティに反映させることができる。
すなわちタンク内圧が高ければ燃料タンクからキャニスタへの気流も高速化する。このことに対応して封鎖弁の開弁デューティを設定して燃料タンクからキャニスタへの流量を調節することで、キャニスタから外部へ燃料蒸気が吹き抜けないように制御できる。
パージ量が大きければ、キャニスタからの燃料蒸気を大量に処理できる。このことに対応して封鎖弁の開弁デューティを設定して燃料タンクからキャニスタへの流量を調節することで、迅速に燃料タンク内の高圧状態を解消するように制御できる。
このように上述した2つの気流状態要因を封鎖弁の開弁デューティに反映させることにより、キャニスタから外部への燃料蒸気の吹き抜けを防止しつつ、早期に燃料タンク内の高圧状態を解消することができる。
請求項2に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項1に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記封鎖弁開弁調節手段は、前記封鎖弁の開弁時間を調節することで前記開弁デューティを調節することを特徴とする。
このように開弁デューティ調節は開弁時間の調節により実行しても良い。
請求項3に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項1に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記封鎖弁開弁調節手段は、前記封鎖弁の開弁周期を調節すること、又は前記封鎖弁の開弁周期と開弁時間との両方を調節することで前記開弁デューティを調節することを特徴とする。
このように開弁デューティ調節は開弁周期の調節により実行しても良い。又は開弁周期と開弁時間との両方を調節することで開弁デューティを調節しても良い。
請求項4に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記封鎖弁開弁調節手段は、前記タンク内圧検出手段により検出されたタンク内圧が高いほど前記開弁デューティを小さくすることを特徴とする。
封鎖弁を開弁すると、タンク内圧が高いほど燃料タンクからキャニスタへの気流は高速化する。したがって封鎖弁開弁調節手段は、タンク内圧が高いほど封鎖弁の開弁デューティを小さくすることで流量を抑制する。
このことによりキャニスタから外部への燃料蒸気の吹き抜けを防止しつつ、早期に燃料タンク内の高圧状態を解消することができる。
請求項5に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記封鎖弁開弁調節手段は、前記パージ量検出手段により検出されたパージ量が大きいほど前記開弁デューティを大きくすることを特徴とする。
パージ量が大きいほど燃料タンクからキャニスタへの気流速度が高速でも外部に吹き抜けることなく燃料蒸気を処理できる。したがって封鎖弁開弁調節手段は、パージ量が大きいほど封鎖弁の開弁デューティを大きくすることで問題なく流量を増加させることができる。
このことによりキャニスタから外部への燃料蒸気の吹き抜けを防止しつつ、早期に燃料タンク内の高圧状態を解消することができる。
請求項6に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記圧力抜き制御は、前記タンク内圧検出手段により検出されたタンク内圧が基準圧力以上の場合に実行されることを特徴とする。
タンク内圧が低ければ圧力抜き制御自体は不要である。したがって、タンク内圧が基準圧力以上の場合に圧力抜き制御が実行されるようにすることで、必要以上に封鎖弁を開弁制御することがない。このことから封鎖弁の耐久性が高くなる。
請求項7に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記封鎖弁の閉弁後に前記タンク内圧の変動が終了する変動終了タイミングを検出するタンク内圧変動終了検出手段と、前記タンク内圧変動終了検出手段により検出される変動終了タイミングまでは前記封鎖弁開弁調節手段による前記開弁デューティの調節を禁止する封鎖弁開弁調節禁止手段と、を備えたことを特徴とする。
封鎖弁を開弁すると燃料タンク内から高圧気体が低圧側であるキャニスタに向けて排出され、封鎖弁の閉弁により燃料タンク内からの気体排出は停止する。このことにより燃料タンクの圧力抜きが行われるのであるが、この気体排出に対応した圧力値に、タンク内圧が直ちに安定するのではなく、圧力変動状態を経過した後に安定化する。このようなタンク内圧変動期間にてタンク内圧検出手段が検出したタンク内圧を、封鎖弁の開弁デューティ調節に用いることは適切ではない。
したがって封鎖弁開弁調節禁止手段は、タンク内圧変動終了検出手段により検出される変動終了タイミングまでは封鎖弁開弁調節手段による開弁デューティの調節を禁止している。このことによりタンク内圧変動期間中は封鎖弁開弁調節手段が不適切なタンク内圧を用いて封鎖弁の開弁デューティを調節するのを防止できる。そしてタンク内圧変動期間の経過後には封鎖弁開弁調節手段は適切なタンク内圧に基づいて封鎖弁の開弁デューティを高精度に調節することができる。
請求項8に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項7に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記タンク内圧変動終了検出手段は、前記タンク内圧検出手段により検出されるタンク内圧の変動幅が基準変動幅以内に収束したタイミングを、前記変動終了タイミングとして検出することを特徴とする。
タンク内圧検出手段の検出値の変動幅が基準変動幅以内に収束したタイミングを変動終了タイミングとして検出することにより、不適切なタンク内圧による開弁デューティ調節は防止され、高精度な封鎖弁の開弁デューティ調節を維持することができる。
請求項9に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記封鎖弁の開弁前に前記タンク内圧検出手段により検出されたタンク内圧の値に基づいて、前記封鎖弁の開弁前のタンク内圧と前記封鎖弁の閉弁後のタンク内圧変動時間との対応関係を設定するマップからタンク内圧変動時間を算出するタンク内圧変動時間算出手段と、前記タンク内圧変動時間算出手段により算出されたタンク内圧変動時間が経過するまでは前記封鎖弁開弁調節手段による前記開弁デューティの調節を禁止する封鎖弁開弁調節禁止手段と、を備えたことを特徴とする。
前述したごとく燃料タンクの圧力抜き後にタンク内圧が直ちに安定するのではなく圧力変動状態を経過した後に安定化する。ここではタンク内圧変動時間を封鎖弁開弁前のタンク内圧に基づいて上記マップから算出する。
このようなタンク内圧変動時間経過前であれば、タンク内圧検出手段が検出するタンク内圧を封鎖弁の開弁デューティ調節に用いることは適切ではない。
したがって封鎖弁開弁調節禁止手段は、タンク内圧変動時間算出手段により算出されたタンク内圧変動時間が経過するまでは封鎖弁開弁調節手段による開弁デューティの調節を禁止している。このことにより封鎖弁開弁調節手段が不適切なタンク内圧を用いて封鎖弁の開弁デューティを調節するのを防止できる。そしてタンク内圧変動時間の経過後には封鎖弁開弁調節手段は適切なタンク内圧に基づいて封鎖弁の開弁デューティを高精度に調節することができる。
請求項10に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記タンク内圧検出手段は、検出値を緩変化フィルタにより処理した後に前記タンク内圧とすることを特徴とする。
タンク内圧の変動終了タイミングまで開弁デューティ調節を禁止するのではなく、このようにタンク内圧検出手段がその検出値を緩変化フィルタにより処理した値をタンク内圧とする構成としても良い。
緩変化フィルタは、検出値の急激な変動を通過させず緩い変動のみ通過させる。すなわち封鎖弁の開閉により生じた急激なタンク内圧変動は除去し、緩慢に変化するタンク内圧のみを出力する。
このことにより封鎖弁開弁調節手段は急激に変動するタンク内圧値を用いずに、変動が緩和された低下状態を示すタンク内圧値を用いて封鎖弁の開弁デューティを調節できるので、安定した封鎖弁の開弁制御が可能となる。
したがってキャニスタから外部への燃料蒸気の吹き抜けを防止しつつ、早期に燃料タンク内の高圧状態を解消することが適切に実行できる。
請求項11に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項10に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記タンク内圧検出手段は、前記緩変化フィルタは加重平均化処理であることを特徴とする。
緩変化フィルタとしては加重平均化処理を挙げることができる。この加重平均化処理を用いることにより、タンク内レベルに対応する適切な開弁デューティに円滑に移行することができる。
請求項12に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置では、請求項7〜11のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記タンク内圧検出手段は、前記燃料タンクと前記封鎖弁との間の燃料蒸気通路からタンク内圧を検出していることを特徴とする。
タンク内圧検出手段によるタンク内圧の検出が、燃料タンクと封鎖弁との間の燃料蒸気通路にてなされている場合には、特に封鎖弁の開弁による圧力変動が検出値に現れ易い。しかし、封鎖弁開弁調節禁止手段により、タンク内圧の変動終了タイミングまでは開弁デューティの調節が禁止されたり、タンク内圧検出手段での検出値を緩変化フィルタにより処理してタンク内圧自体を安定した値に変換したりすることができる。
このことにより、適切でないタンク内圧値による開弁デューティ調節は防止されて、高精度な封鎖弁の開弁デューティ調節を維持することができる。
実施の形態1のハイブリッド車両における駆動系を示すブロック図。 実施の形態1のECUが実行する燃料タンク圧力抜き制御処理のフローチャート。 タンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて開弁時間Toを算出するマップMAPtoの構成説明図。 (A),(B)実施の形態1における制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2のハイブリッド車両における燃料供給系の構成図。 実施の形態2のECUが実行する燃料タンク圧力抜き制御処理のフローチャート。 実施の形態2のECUが実行するタンク内圧Ptf変動収束判定処理のフローチャート。 (A),(B)実施の形態2における制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態3のECUが実行する燃料タンク圧力抜き制御処理のフローチャート。 タンク内圧Ptfに基づいて待機時間Tdを設定するマップMAPtdの構成説明図。 実施の形態4のECUが実行する燃料タンク圧力抜き制御処理のフローチャート。 実施の形態4のECUが実行するタンク内圧Ptf緩変化フィルタ処理のフローチャート。 実施の形態4における緩変化フィルタ処理の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態4における制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態5のECUが実行する燃料タンク圧力抜き制御処理のフローチャート。 タンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて開弁周期Uoを算出するマップMAPuoの構成説明図。 (A),(B)実施の形態5における制御の一例を示すタイミングチャート。
[実施の形態1]
〈実施の形態1の構成〉図1は、上述した発明が適用されたハイブリッド車両における駆動系のブロック図である。この駆動系は、内燃機関2と、電動機(後述するモータジェネレータMG1,MG2)とを備えている。この内燃機関2はガソリンエンジンである。内燃機関2は燃料供給系4及び制御系6を備えている。
このハイブリッド車両はプラグイン型ハイブリッド車両である。したがって外部電源8から充電機構10を介してバッテリ12が充電可能とされている。このバッテリ12の電力が、電力制御ユニット14により、モータジェネレータMG2に供給されることにより、モータジェネレータMG2から回転駆動力が出力される。
内燃機関2及びモータジェネレータMG2からの回転駆動力は減速機構16により減速されて、駆動輪18に伝達される。
内燃機関2と減速機構16との間には、動力分割機構20が配置されており、内燃機関2の回転駆動力を、減速機構16側と、発電機としてのもう一つのモータジェネレータMG1側とに分割して供給可能としている。
尚、2つのモータジェネレータMG1,MG2は、それぞれ発電機としても電動モータとしても機能し、必要に応じてその間の機能を切り替えることができる。
内燃機関2の各気筒に対応する吸気ポート22にはそれぞれ燃料噴射弁24が配置されている。これらの燃料噴射弁24には、燃料タンク26内に貯留されている燃料が、燃料ポンプモジュール28により、燃料経路28bを介して圧送されて来る。そして燃料噴射制御により、燃料噴射弁24からは所定のタイミングで吸気中に燃料が噴射され、各気筒に吸入されて燃焼される。このことにより内燃機関2が運転される。
更に燃料ポンプモジュール28に付属する形で燃料温度センサ28aが配置されている。この燃料温度センサ28aにより燃料供給系4の燃料温度、ここでは特に燃料タンク26内の燃料温度Tfを検出している。
燃料供給系4は、蒸発燃料処理機構としても機能する。この蒸発燃料処理機構は、燃料タンク26、キャニスタ29、そして後述するごとくこれらに付属する各種通路、各種弁及び各種ポンプなどから構成されている。
燃料タンク26内には、フロート30aにより燃料タンク26内の燃料液面レベルSGLを検出するためのフューエルセンダーゲージ30が設けられている。
給油時における燃料タンク26内への燃料導入は、フューエルインレットパイプ32から行われる。燃料タンク26の上部空間26aは燃料蒸気通路34によりキャニスタ29に接続されている。燃料蒸気通路34の途中には、燃料タンク26を封鎖するための電磁弁36aとリリーフ弁36bとを並列に備えた封鎖弁36が設けられている。
電磁弁36aは、通電により開弁制御される電磁弁であり、給油時には、電磁弁36aが開弁状態に制御される。このことで燃料タンク26の上部空間26aとキャニスタ29内とが燃料蒸気通路34により連通する。このため給油時には、燃料タンク26の上部空間26aに発生している燃料蒸気はキャニスタ29側へ排出される。そしてキャニスタ29では内部に収納されている活性炭などの吸着材により、その燃料蒸気を吸着する。このことにより燃料蒸気が外部へ漏出しないようにしている。
電磁弁36aが閉弁状態にされている場合、すなわち燃料蒸気通路34が封鎖されて燃料タンク26が密閉されると、燃料タンク26の上部空間26aに発生している燃料蒸気は、リリーフ弁36bが開弁しない限り、キャニスタ29側へは排出されない。
燃料タンク26には、その上部の外壁部分に圧力センサ37が配置されて上部空間26aからタンク内圧Ptf(実際には大気圧との差圧)を検出している。
キャニスタ29にはフューエルインレットパイプ32に設けられたフューエルインレットボックス32aに連通する大気通路38が接続されている。この大気通路38には途中にエアフィルタ38aが設けられている。更に大気通路38には、エアフィルタ38aよりもキャニスタ29側の位置に、リーク診断用のポンプモジュール40が設けられている。尚、このリーク診断用のポンプモジュール40に付属して、常開型電磁弁として構成されてキャニスタ29内を大気通路38を介して大気開放する大気開放弁40aと、キャニスタ29側の内圧Pcを検出する圧力センサ40bとが設けられている。
キャニスタ29は、パージ通路42により、内燃機関2の吸気通路44に接続されている。特に吸入空気量を調節するスロットルバルブ46よりも下流の位置で接続されている。パージ通路42の途中には常閉型電磁弁としてのパージ制御弁48が配置されている。
このパージ制御弁48と大気開放弁40aとが、内燃機関2の運転時に開弁状態とされることでパージが実行される。すなわち吸気通路44内の吸気負圧がパージ通路42側からキャニスタ29内に導入されることでキャニスタ29内の吸着材から燃料蒸気が離脱して、大気通路38側から導入される空気の気流中に放出される。そして燃料蒸気は、気流に乗ってパージ通路42からパージ制御弁48を通過して吸気通路44内を流れる吸気中に放出される。このとき、吸気中へのパージ率(吸入空気量に対するパージ量の割合)はパージ制御弁48の開度により調節される。そしてサージタンク50内に流れ込んだパージ燃料蒸気を含む吸気は、各気筒の吸気ポート22に分配され、燃料噴射弁24から噴射される燃料と共に、各気筒の燃焼室内に流れ込んで燃焼されることになる。
吸気通路44においては、エアフィルタ52とスロットルバルブ46との間にエアフロメータ54が設けられて、内燃機関2に供給される吸入空気量GA(g/s)を検出している。
内燃機関2から燃焼後の排気を排出する排気通路56には空燃比センサ(あるいは酸素センサ)58が設けられ、空燃比フィードバック制御のために、排気成分から空燃比あるいは酸素濃度を検出している。
この他、車両ドライバーが操作するアクセルペダルに設けられてアクセル開度ACCPを検出するアクセル開度センサ60、内燃機関2のクランク軸の回転数NEを検出する機関回転数センサ62、IGSW(イグニションスイッチ)64、その他のセンサ・スイッチ類が設けられて、それぞれ信号を出力している。他の信号としては、例えば冷却水温、吸気温、車速などが挙げられる。
燃料温度センサ28a、フューエルセンダーゲージ30、スロットル開度センサ46a、エアフロメータ54、空燃比センサ58、アクセル開度センサ60、機関回転数センサ62、IGSW64などの検出信号は、マイクロコンピュータを中心として構成されているECU(電子制御回路)66に入力される。
そして、このような信号データや予め記憶されたり算出されたりするデータに基づいて、ECU66は演算処理を実行して、燃料噴射弁24からの燃料噴射量、スロットルバルブ46の開度TAなどを制御する。
更にECU66は、内燃機関2が運転されている期間においてパージ制御処理を実行する。このパージ制御処理は、給油に伴って封鎖弁36の電磁弁36aが開弁されることにより燃料タンク26側から燃料蒸気通路34を介してキャニスタ29内に流れ込んで吸着された燃料蒸気を、前述したごとく内燃機関運転中にパージ通路42から吸気通路44に放出する処理である。
このパージ制御処理では、パージ制御弁48の開弁をデューティ制御することでパージ率を調節して、キャニスタ29内に吸着されている燃料蒸気を、パージ通路42を介して吸気通路44へ放出する。尚、このときにパージされる燃料蒸気の濃度(パージ燃料濃度)は、ECU66が実行する空燃比フィードバック制御における空燃比の制御ずれ量に基づいて、周期的に行われる演算により学習値として求められる。
更にECU66は、圧力センサ37にて検出されるタンク内圧Ptfが大気圧よりも高い場合には、封鎖弁36の電磁弁36aに対して周期的に開弁処理を実行することで燃料タンク26の上部空間26aにおける圧力抜きを実行している。例えば、2秒周期で短時間、電磁弁36aを開弁する圧力抜き制御を実行することで、上部空間26a内の燃料蒸気を含む気体を、燃料蒸気通路34を介して徐々にキャニスタ29側へ排出する。
〈実施の形態1の作用〉次に本実施の形態の作用について、ECU66が実行する燃料タンク圧力抜き制御処理(図2)に基づいて説明する。燃料タンク圧力抜き制御処理(図2)は後述する処理により、封鎖弁36の開弁を周期的(基本的には2秒間隔)に実行する処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
本処理を開始すると、まずパージ処理中か否かを判定する(S100)。すなわち内燃機関2の運転がなされていて、かつパージ制御弁48の開弁制御によりパージ通路42を介してキャニスタ29側から吸気通路44へ燃料蒸気のパージがなされている状態か否かを判定する。
ここでパージ処理中でなければ(S100でNO)、このまま本処理を出て再度本処理を開始する。この場合には直ちに本処理に戻っても良いし、所定時間、たとえば2秒後に戻っても良い。
パージ制御中であれば(S100でYES)、次にタンク内圧Ptfを検出する(S102)。すなわち圧力センサ37により検出されている値をタンク内圧Ptfとして読み込む。
次にこのタンク内圧Ptfが基準圧(ここでは0kPa)よりも大きいか否かを判定する(S104)。すなわち燃料タンク26の上部空間26aにおける圧力が大気圧よりも大きいか否かを判定する。
ここでタンク内圧Ptf≦0(kPa)であれば(S104でNO)、燃料タンク26の圧力抜きの必要はないことから、このまま本処理を出て再度本処理を開始する。この場合には直ちに本処理に戻っても良いし、所定時間、たとえば2秒後に戻っても良い。
タンク内圧Ptf>0(kPa)であった場合には(S104ではYES)、次にパージ量Vpを検出する(S106)。パージ量Vpは、キャニスタ29内から吸気通路44へ放出される気体流量を表すものである。このパージ量Vpは、前述したパージ率とエアフロメータ54にて検出されている吸入空気量GAとから求めても良く、あるいは前述したパージ燃料濃度とパージ量との関係マップから求めても良い。
次にこのように検出したタンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて封鎖弁36の開弁時間Toを設定する(S108)。
具体的には、開弁時間Toは、図3に示すごとくのマップMAPtoから、タンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて算出される時間である。このマップMAPtoにおける開弁時間Toの設定値は、タンク内圧Ptf及びパージ量Vpのレベルに対して、後述する2秒の周期において、キャニスタ29から大気通路38を介して外部へ燃料蒸気が吹き抜けることがなく、かつ極力多量の気体が燃料タンク26から排出できるように設定したものである。したがって図3に等高状態を破線で示したごとく、タンク内圧Ptfが高いほど燃料蒸気の吹き抜けを防止するために一周期における開弁時間Toは短く設定され、パージ量Vpが大きいほど燃料蒸気を早期に処理できるので開弁時間Toは長く設定される。
このようにマップMAPtoから開弁時間Toが算出されると、次にこの開弁時間Toが経過するまで電磁弁36aに通電することにより実際に封鎖弁36を開弁し、そして開弁時間Toの経過後に電磁弁36aに対する通電を停止することにより封鎖弁36を閉弁する開弁制御を実行する(S110)。
そして、この封鎖弁36の開弁制御が終了すると、今回の封鎖弁36の開弁タイミングから一周期(本実施の形態では2秒)分の時間が経過してから本処理を再開する設定を行う(S112)。そして本処理を出る。このことにより封鎖弁36の開弁から2秒後に燃料タンク圧力抜き制御処理(図2)が再開される。
このように再開された燃料タンク圧力抜き制御処理(図2)においても、ステップS100にてYES、ステップS104にてYESと判定されると、前述したごとく、開弁時間Toがタンク内圧Ptfとパージ量Vpとにより設定される(S108)。そしてこの開弁時間Toに基づく封鎖弁36の開弁制御(S110)と、封鎖弁36の開弁タイミングから2秒後の再開設定(S112)とを実行する。
このことにより図4のタイミングチャートに示すごとく、2秒周期にて封鎖弁36が開弁時間To開弁される状態が繰り返される。このような開弁制御により燃料タンク26の上部空間26aの気体がキャニスタ29に繰り返し排出されることから、燃料タンク圧力抜き制御処理(図2)による封鎖弁36の開弁制御開始以後(t0〜)、次第にタンク内圧Ptfが大気圧、すなわちタンク内圧Ptf=0(kPa)に近づく。
そしてタンク内圧Ptf=0(kPa)と判断されるタイミングteにおいて、燃料タンク圧力抜き制御処理(図2)のステップS104ではNOと判定される。したがって、以後は、再度、ステップS104でYESと判定されるまでは、封鎖弁36の開弁制御は停止する。
図4のタイミングチャートにおいて、封鎖弁36の開弁制御が繰り返されている期間にパージ量が一定状態にてなされているとすると、タンク内圧Ptfの低下に応じてマップMAPto(図3)から設定される開弁時間Toは長くなる。すなわち最初にタンク内圧Ptfが高い状態では、2秒周期において封鎖弁36の開弁デューティは小さかったが、タンク内圧Ptfの低下に対応して封鎖弁36の開弁デューティは大きくなる。
尚、図3から明らかなごとく、パージ量Vpが大きくなるほど開弁時間Toは長くなるので封鎖弁36の開弁デューティは大きくなり、パージ量Vpが小さくなるほど開弁時間Toは短くなるので封鎖弁36の開弁デューティは小さくなる。
〈実施の形態1と請求項との関係〉上述した構成において、圧力センサ37とECU66との組み合わせが燃料タンク圧力抜き制御装置に相当し、圧力センサ37がタンク内圧検出手段に、ECU66がパージ量検出手段及び封鎖弁開弁調節手段に相当する。
ECU66が実行する燃料タンク圧力抜き制御処理(図2)のステップS106がパージ量検出手段としての処理に、ステップS108〜S112が封鎖弁開弁調節手段としての処理に相当する。
〈実施の形態1の効果〉(1)ECU66は、周期的に開弁される封鎖弁36の開弁デューティを、タンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて設定する開弁時間Toにより調節している(S108〜S112)。このため主としてタンク内圧Ptfに起因する燃料タンク26からキャニスタ29への気流状態要因と、主としてパージ量Vpに起因するキャニスタ29から内燃機関2の吸気通路44への気流状態要因とを、封鎖弁36の開弁デューティに反映させることができる。
すなわちタンク内圧Ptfが高ければ燃料タンク26からキャニスタ29への気流も高速化する。このことに対応して封鎖弁36の開弁時間Toを短くして開弁デューティを小さくすることで燃料タンク26からキャニスタ29への気体流量を抑制している。このように調節することで、キャニスタ29から大気通路38を介して外部へ燃料蒸気が吹き抜けないように制御している。
パージ量Vpが大きければ、キャニスタ29からの燃料蒸気をパージにより大量に処理できる。したがってこのことに対応して封鎖弁36の開弁時間Toを長くして開弁デューティを大きくすることで燃料タンク26からキャニスタ29への流量を増加している。このように調節することで、迅速に燃料タンク26内の高圧状態を解消するように制御している。
このように2つの気流状態要因(タンク内圧Ptf及びパージ量Vp)を封鎖弁36の開弁デューティに反映させることにより、キャニスタ29から大気通路38を介して外部への燃料蒸気の吹き抜けを防止しつつ、早期に燃料タンク26内の高圧状態を解消することができる。
(2)タンク内圧Ptfが低い場合は圧力抜き制御自体は不要である。したがってタンク内圧Ptfが基準圧力以上の場合、ここではPtf>0(kPa)の場合に圧力抜き制御(S106〜S112)を実行する。このことにより、ECU66は必要以上に封鎖弁36の開弁制御を実行することがない。このため封鎖弁36の耐久性も高まる。
[実施の形態2]
〈実施の形態2の構成〉本実施の形態の燃料供給系104における構成は図5に示すごとくである。尚、他の構成については前記図1に示したごとくである。
前記実施の形態1(前記図1)では圧力センサ37は燃料タンク26の外壁上部に配置されて燃料タンク26の上部空間26aの圧力を直接検出していた。本実施の形態においては、圧力センサ137は、燃料タンク126に対する配置スペースなどの制約により、燃料タンク126の上部空間126aと封鎖弁136との間の燃料蒸気通路134に配置されて、この燃料蒸気通路134で検出される圧力値をタンク内圧Ptfとして検出している。
そしてECU166は、このような圧力センサ137の配置に関連して、前記図2の代わりに図6に示す燃料タンク圧力抜き制御処理及び図7に示すタンク内圧Ptf変動収束判定処理を実行している。
〈実施の形態2の作用〉次に本実施の形態の作用について、ECU166が実行する燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)及びタンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)に基づいて説明する。燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)は基本的には2秒周期で実行されるがタンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)によりその周期が一時的に延長される場合がある。尚、この燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)のステップS200〜S210までの処理は、前記図2のステップS100〜S110と同じである。したがってステップS200〜S210の詳細は前記ステップS100〜S110に述べたごとくである。
本処理を開始すると、まずパージ処理中か否かを判定する(S200)。ここでパージ処理中でなければ(S200でNO)、このまま本処理を出た後に再度本処理を開始する。
パージ制御中であれば(S200でYES)、次にタンク内圧Ptfを検出し(S202)、このタンク内圧Ptfが基準圧(0kPa)よりも大きいか否かを判定する(S204)。
ここでタンク内圧Ptf≦基準圧であれば(S204でNO)、このまま本処理を出た後に再度本処理を開始する。
タンク内圧Ptf>基準圧であった場合には(S204ではYES)、次にパージ量Vpを検出し(S206)、タンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいてマップMAPto(前記図3)から封鎖弁136の開弁時間Toを設定する(S208)。
次にこの開弁時間Toの間は電磁弁136aに通電して封鎖弁136を開弁する。そして開弁時間To経過後には電磁弁136aに対する通電を停止することにより封鎖弁136を閉弁する開弁制御を実行する(S210)。
この開弁制御の実行後にタンク内圧Ptf変動収束判定処理の開始を設定する(S212)。このことによりタンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)が開始される。
そしてタンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)によりタンク内圧Ptf変動が収束したと判定されるまで待機する処理が実行される(S214)。
ここでタンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)について説明する。この処理は100ms毎に割り込み処理にて実行される処理である。
まず前回の実行周期において検出したタンク内圧Ptfが記憶されている現在タンク内圧値Piを、前回タンク内圧値Poldに設定する(S250)。尚、開始後最初の実行周期であれば前回タンク内圧値Poldには、適当な値、たとえば0が設定される。
次に現在タンク内圧値Piに、現在、圧力センサ137が検出しているタンク内圧Ptfを設定する(S252)。
次に前記ステップS212によるタンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)の開始後の最初の処理ではないか否かが判定される(S254)。最初の処理であれば(S254でNO)、収束継続カウンタCpをクリアして(S256)、本処理を出る。
次の100ms後の実行周期では、最初の処理ではないので、ステップS250,S252の処理の後に、ステップS254ではYESと判定される。次に式1に示すごとく、現在タンク内圧値Piと前回タンク内圧値Poldとの差の絶対値をタンク内圧変動幅dPとして設定する(S258)。
[式1] dP ← |Pi−Pold|
次にタンク内圧変動幅dPが、変動収束を判定するために設けられた基準変動幅(たとえば0.1kPa)以下であるか否かを判定する(S260)。
タンク内圧変動幅dP>0.1kPaであれば(S260でNO)、収束継続カウンタCpをクリアして(S256)、本処理を出る。
以後、実行周期毎に上記処理が実行され、一周期である100ms間に、タンク内圧変動幅dP>0.1kPaであれば(S260でNO)、収束継続カウンタCpをクリアして(S256)、本処理を出る状態が継続する。
タンク内圧変動幅dP≦0.1kPaとなると(S260でYES)、次に収束継続カウンタCpをインクリメントする(S262)。
そして収束継続カウンタCpが基準カウント値に到達したか否かを判定する(S264)。この基準カウント値は、タンク内圧Ptf変動の収束が確実であることを判定するために、基準カウント値がカウントされるまで継続してタンク内圧変動幅dP≦0.1kPaになっているか否かを判定するために設けられている。尚、基準カウント値は「1」を設定しても良く、この場合には、継続してタンク内圧変動幅dP≦0.1kPaとならなくても、一度でもタンク内圧変動幅dP≦0.1kPaとなればステップS264ではYESと判定される。
ここでは、基準カウント値は「2」を設定しているものとすると、今回、収束継続カウンタCp=1となった状態であるので、ステップS264でNOと判定されて、このまま本処理を出る。
次の実行周期にてもタンク内圧変動幅dP≦基準変動幅であると判定されると(S260でYES)、収束継続カウンタCpがインクリメントされて(S262)、収束継続カウンタCp=2となる。このため収束継続カウンタCpは基準カウント値に到達したものと判断され(S264でYES)、タンク内圧Ptf変動収束判定がなされる(S266)。そして本処理を停止して(S268)、終了することになる。
尚、収束継続カウンタCp=1の状態であっても、タンク内圧変動幅dP>基準変動幅となると(S260でNO)、収束継続カウンタCpはクリアされるので、収束継続カウンタCp=0の状態で次の周期が実行されることになる。したがってタンク内圧変動幅dP≦基準変動幅の状態が継続して基準カウント値が示す回数生じていない限り、ステップS264にてYESと判定されることはない。
このように基準カウント値の回数分継続してタンク内圧変動幅dP≦基準変動幅となることにより、タンク内圧Ptf変動収束判定(S266)が実行されると、前述した燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)のステップS214での待機が終了する。
そして封鎖弁136の開弁タイミングから一周期(本実施の形態では2秒)分の時間が経過してから本処理を再開する設定を行って(S216)、本処理を出る。
このことにより燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)が再開されるが、この再開は2秒後とは限らない。すなわちステップS214における待機終了タイミングが、封鎖弁136の開弁タイミングから一周期(本実施の形態では2秒)分の時間が経過した後であれば、その経過分の時間により再開までの時間が2秒よりも延長されることになる。
図8のタイミングチャートに燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)及びタンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)による制御の一例を示す。
燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)においてステップS202以下の処理が開始された場合、最初はタンク内圧Ptfが高いことにより封鎖弁136の開弁制御に伴って生じる燃料蒸気通路134での圧力変動期間が長くなる。図8の例では、圧力センサ137が検出するタンク内圧Ptfの変動が収束したのは封鎖弁136の開弁タイミングt10から2秒を経過している。したがって次の燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)の実行周期は2秒を越えたタイミングt11となる。
しかし次の封鎖弁136の開弁制御では、圧力センサ137が検出するタンク内圧Ptfの変動が収束したのは、その開弁タイミングt11から2秒を経過していない。したがって次の燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)の実行開始はちょうど2秒後のタイミングt12となる。次の封鎖弁136の開弁制御においても同様であり、次の燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)の実行開始はちょうど2秒後のタイミングt13となる。
〈実施の形態2と請求項との関係〉上述した構成において、圧力センサ137及びECU166との組み合わせが燃料タンク圧力抜き制御装置に相当し、圧力センサ137がタンク内圧検出手段に、ECU166がパージ量検出手段、封鎖弁開弁調節手段、タンク内圧変動終了検出手段及び封鎖弁開弁調節禁止手段に相当する。
ECU166が実行する燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)のステップS206がパージ量検出手段としての処理に、ステップS208,S210,S216が封鎖弁開弁調節手段としての処理に相当する。そしてステップS212及びタンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)がタンク内圧変動終了検出手段としての処理に、ステップS214が封鎖弁開弁調節禁止手段としての処理に相当する。
〈実施の形態2の効果〉(1)前記実施の形態1の効果を生じる。
(2)封鎖弁136の開弁制御によりタンク内圧Ptfの値には一時的に圧力変動が生じる。特に本実施の形態では、圧力センサ137は封鎖弁136と燃料タンク126との間の燃料蒸気通路134に配置されているため、特に封鎖弁136の開弁制御による圧力変動が検出値に現れ易い。
本実施の形態では、タンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)にてタンク内圧Ptfの変動収束判定がなされるまでは、燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)のステップS214にて待機することで、直ちに封鎖弁136の開弁時間Toに対して新たな値の設定をしないようにしている。すなわち開弁時間Toの調節を禁止している。
このことによりタンク内圧Ptf変動期間中は、ステップS208,S210にて不適切なタンク内圧Ptfを用いて封鎖弁136の開弁時間Toを調節するのを防止できる。したがって図8のタイミングチャートに示したごとく、タンク内圧Ptf変動期間の経過後には適切なタンク内圧Ptfに基づいて封鎖弁136の開弁時間Toを高精度に調節することができる。
[実施の形態3]
〈実施の形態3の構成〉本実施の形態の構成において、ハード的構成は前記実施の形態2の図5にて説明したごとくであり、他の構成については前記図1に示したごとくである。ECU166はこのような構成において、前記図6の代わりに図9に示す燃料タンク圧力抜き制御処理を実行している。尚、タンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)は実行しない。
〈実施の形態3の作用〉次に本実施の形態の作用について、ECU166が実行する燃料タンク圧力抜き制御処理(図9)に基づいて説明する。この燃料タンク圧力抜き制御処理(図6)は基本的には2秒周期で実行されるが、自身の処理にてその周期が一時的に延長される場合がある。尚、この燃料タンク圧力抜き制御処理(図9)のステップS300〜S310までの処理は、前記図2のステップS100〜S110と同じである。したがってステップS300〜S310の詳細は前記ステップS100〜S110に述べたごとくである。
本処理を開始すると、まずパージ処理中か否かを判定する(S300)。ここでパージ処理中でなければ(S300でNO)、このまま本処理を出て再度本処理を開始する。
パージ制御中であれば(S300でYES)、次にタンク内圧Ptfを検出し(S302)、このタンク内圧Ptfが基準圧(0kPa)よりも大きいか否かを判定する(S304)。
ここでタンク内圧Ptf≦基準圧であれば(S304でNO)、このまま本処理を出て再度本処理を開始する。
タンク内圧Ptf>基準圧であった場合には(S304ではYES)、次にパージ量Vpを検出し(S306)、タンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいてマップMAPto(前記図3)から封鎖弁136の開弁時間Toを設定する(S308)。
そしてこの開弁時間Toの間は電磁弁136aに通電して封鎖弁136を開弁し、開弁時間To経過後に電磁弁136aに対する通電を停止することにより封鎖弁136を閉弁する開弁制御を実行する(S310)。
次にステップS302にて検出されているタンク内圧Ptfに基づいて図10に示すマップMAPtdから待機時間Tdを設定する(S312)。封鎖弁136の開弁制御後に生じるタンク内圧Ptf変動は、開弁制御直前でのタンク内圧Ptfに対応している。すなわちタンク内圧Ptfが高くなるほど封鎖弁136の開弁制御によるタンク内圧Ptfの変動時間が長くなる。したがって図10のマップMAPtdでは開弁制御前のタンク内圧Ptfの値が高くなるほど待機時間Tdを長く設定する関係となっている。すなわちこの待機時間Tdはタンク内圧変動時間に相当するものである。
このように待機時間Tdを設定した後に、この待機時間Tdの間、待機を実行する(S314)。
そして待機時間Tdが経過すると、封鎖弁136の開弁タイミングから一周期(本実施の形態では2秒)分の時間が経過してから本処理を再開する設定を行って(S316)、本処理を出る。
このことにより燃料タンク圧力抜き制御処理(図9)が再開されるが、この再開は2秒後とは限らない。すなわちステップS308にて設定された開弁時間ToとステップS312で設定された待機時間Tdとの合計が2秒を越えていれば、待機時間Td経過後に直ちに燃料タンク圧力抜き制御処理(図9)を再開したとしても再開タイミングは、封鎖弁36の開弁タイミングから一周期(本実施の形態では2秒)分の時間を経過している。このため、封鎖弁136の開弁タイミングから燃料タンク圧力抜き制御処理(図9)の再開までの時間が2秒よりも延長されることになる。
したがって前記図8のタイミングチャートにて説明したごとく、待機時間Td+開弁時間To>2秒であればタイミングt10〜t11のごとく、燃料タンク圧力抜き制御処理(図9)の実行周期が2秒よりも長くなり、待機時間Td+開弁時間To≦2秒であればタイミングt11〜t12,t12〜t13のごとく実行周期が2秒に一定化する。
〈実施の形態3と請求項との関係〉上述した構成において、圧力センサ137及びECU166との組み合わせが燃料タンク圧力抜き制御装置に相当し、圧力センサ137がタンク内圧検出手段に、ECU166がパージ量検出手段、封鎖弁開弁調節手段、タンク内圧変動時間算出手段及び封鎖弁開弁調節禁止手段に相当する。
ECU166が実行する燃料タンク圧力抜き制御処理(図9)のステップS306がパージ量検出手段としての処理に、ステップS308,S310,S316が封鎖弁開弁調節手段としての処理に、ステップS312がタンク内圧変動時間算出手段としての処理に、ステップS314が封鎖弁開弁調節禁止手段としての処理に相当する。
〈実施の形態3の効果〉(1)前記実施の形態1の効果を生じる。
(2)本実施の形態では、封鎖弁136の開弁制御後のタンク内圧Ptfの変動を直接検出せずに、開弁制御前のタンク内圧Ptfに基づいてマップMAPtdから待機時間Tdを求める。このことによってもタンク内圧Ptf変動期間中にステップS308,S310にて、不適切なタンク内圧Ptfの値を用いて封鎖弁136の開弁時間Toを調節することを防止できる。そしてタンク内圧Ptf変動期間の経過後には適切なタンク内圧Ptfに基づいて封鎖弁136の開弁時間Toを高精度に調節することができる。
[実施の形態4]
〈実施の形態4の構成〉本実施の形態の構成において、ハード的構成は前記実施の形態2の図5にて説明したごとくであり、他の構成については前記図1に示したごとくである。ECU166はこのような構成において、前記図6の代わりに図11に示す燃料タンク圧力抜き制御処理及び図12に示すタンク内圧Ptf緩変化フィルタ処理を実行している。尚、タンク内圧Ptf変動収束判定処理(図7)は実行しない。
〈実施の形態4の作用〉次に本実施の形態の作用について、ECU166が実行する燃料タンク圧力抜き制御処理(図11)及びタンク内圧Ptf緩変化フィルタ処理(図12)に基づいて説明する。
ECU166は燃料タンク圧力抜き制御処理(図11)を2秒周期で実行している。この処理では、まずパージ処理中か否かを判定する(S400)。ここでパージ処理中でなければ(S400でNO)、このまま本処理を出て、2秒後に再度本処理を開始する。
パージ制御中であれば(S400でYES)、次にフィルタ処理後タンク内圧Ptfxを読み込む(S402)。
このフィルタ処理後タンク内圧Ptfxは、タンク内圧Ptf緩変化フィルタ処理(図12)により圧力センサ137が検出しているタンク内圧Ptfの値を緩変化フィルタにより処理した後に設定される圧力値である。
タンク内圧Ptf緩変化フィルタ処理(図12)について説明する。この処理は100ms毎に実行される処理である。
まず圧力センサ137が検出しているタンク内圧Ptfが、読み込み圧力Psとして設定される(S450)。次に式2により緩変化フィルタ処理の計算がなされる(S452)。
[式2] Pn ← P[n−1]−(P[n−1]−Ps)/Kx
ここでPnはフィルタ処理後圧力値Pn、P[n−1]は前回の実行周期にて上記式2により算出されている前回フィルタ処理後圧力値、Kxは重み付け係数である。上記式2から分かるように、重み付け係数Kxが大きいほど緩変化の度合いが強くなり、読み込み圧力Psの変化に対して、フィルタ処理後圧力値Pnは、より緩慢に変化することになる。
ここでは重み付け係数Kxを予め調節しておくことにより、図13に示すごとくタンク内圧Ptfの急激な落ち込み変動(一点鎖線:t40〜t42)が緩和されて、フィルタ処理後タンク内圧Ptfxは徐々に次の安定したレベルに変化するようにされている(実線:t40〜t46)。
そして前記式2により算出されたフィルタ処理後圧力値Pnをフィルタ処理後タンク内圧Ptfxに設定して(S454)、本処理を出る。以後、100ms毎に上述したステップS450〜S454の処理を繰り返すことで、図13のタイミングチャートに示したごとくの緩変化フィルタ処理を実行する。
燃料タンク圧力抜き制御処理(図11)のステップS402で上述したフィルタ処理後タンク内圧Ptfxを読み込むと、次にこのフィルタ処理後タンク内圧Ptfxが基準圧(ここでは0kPa)よりも大きいか否かを判定する(S404)。すなわちフィルタ処理後タンク内圧Ptfxが大気圧よりも大きいか否かを判定する。
ここでフィルタ処理後タンク内圧Ptfx≦0(kPa)であれば(S404でNO)、燃料タンク26の圧力抜きの必要はないことから、このまま本処理を出て、2秒後に再度本処理を開始する。
Ptfx>0(kPa)であった場合には(S404ではYES)、次にパージ量Vpを検出する(S406)。このパージ量Vpは前記図2のステップS106で説明したごとくである。
次にフィルタ処理後タンク内圧Ptfxとパージ量Vpとに基づいて封鎖弁136の開弁時間Toを設定する(S408)。開弁時間Toは前記図2のステップS108にて説明したごとくであり、フィルタ処理後タンク内圧Ptfxとパージ量Vpとに基づいてマップMAPto(図3)から設定される。
そして前記図2のステップS110にて説明したごとく開弁時間Toの間は封鎖弁136を閉弁する開弁制御を実行し(S410)、本処理を出て、2秒後に再度本処理を開始する。
このような処理により、図14のタイミングチャートに示すごとく、封鎖弁136の開弁により大きく変動するタンク内圧Ptfを用いずに、変動が抑制されたフィルタ処理後タンク内圧Ptfxを用いることにより、安定した封鎖弁136の開弁時間Toを算出できる。
〈実施の形態4と請求項との関係〉上述した構成において、圧力センサ137とECU166との組み合わせが燃料タンク圧力抜き制御装置に相当し、圧力センサ137及びECU166がタンク内圧検出手段に、ECU166がパージ量検出手段及び封鎖弁開弁調節手段に相当する。
ECU166が実行するタンク内圧Ptf緩変化フィルタ処理(図12)がタンク内圧検出手段としての処理に、燃料タンク圧力抜き制御処理(図11)のステップS406がパージ量検出手段としての処理に、ステップS408,S410が封鎖弁開弁調節手段としての処理に相当する。
〈実施の形態4の効果〉(1)前記実施の形態1の効果を生じる。
(2)本実施の形態では、封鎖弁136の開弁制御後のタンク内圧Ptfを直接検出せずに、タンク内圧Ptf緩変化フィルタ処理(図12)により処理した後のフィルタ処理後タンク内圧Ptfxに基づいて開弁時間Toを求めている。
このように急激に変動するタンク内圧Ptfを用いず、変動が緩和された低下状態を示すフィルタ処理後タンク内圧Ptfxを用いて、封鎖弁136の開弁時間Toを調節できるので、安定した封鎖弁136の開弁制御が可能となる。
[実施の形態5]
〈実施の形態5の構成〉本実施の形態のハード的構成は前記実施の形態1の図1にて説明したごとくである。ECU66は前記図2の処理の代わりに、図15に示す燃料タンク圧力抜き制御処理を実行する。
〈実施の形態5の作用〉次に本実施の形態の作用について、ECU66が実行する燃料タンク圧力抜き制御処理(図15)に基づいて説明する。この燃料タンク圧力抜き制御処理(図15)は、封鎖弁36の開弁を周期的に実行する処理であるが、その周期は後述するごとく調節されて一定ではない。尚、ステップS500〜S506は前記図2のステップS100〜S106と同じである。したがってステップS500〜S506の詳細は前記ステップS100〜S106に述べたごとくである。
本処理を開始すると、まずパージ処理中か否かを判定する(S500)。ここでパージ処理中でなければ(S500でNO)、このまま本処理を出た後に再度本処理を開始する。
パージ制御中であれば(S500でYES)、次にタンク内圧Ptfを検出し(S502)、このタンク内圧Ptfが基準圧(0kPa)よりも大きいか否かを判定する(S504)。
ここでタンク内圧Ptf≦基準圧であれば(S504でNO)、このまま本処理を出た後に再度本処理を開始する。
タンク内圧Ptf>基準圧であった場合には(S504ではYES)、次にパージ量Vpを検出し(S506)、タンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて図16に示すマップMAPuoから封鎖弁36の開弁周期Uoを設定する(S508)。
このマップMAPuoにおける開弁周期Uoの設定値は、タンク内圧Ptf及びパージ量Vpのレベルに対して、一定の開弁時間Taによる封鎖弁36の開弁制御を周期的に行うに際して、キャニスタ29から大気通路38を介して外部へ燃料蒸気が吹き抜けることがなく、かつ極力多量の気体が燃料タンク26から排出できるように設定したものである。したがって図16に等高状態を破線で示したごとく、タンク内圧Ptfが高いほど燃料蒸気の吹き抜けを防止するために開弁周期Uoは長く設定され、パージ量Vpが大きいほど燃料蒸気を早期に処理できるので開弁周期Uoは短く設定される。
このようにマップMAPuoから開弁周期Uoが算出されると、次に一定の開弁時間Taにより封鎖弁36の開弁制御を行う(S510)。
そして、この封鎖弁36の開弁制御が終了すると、今回の封鎖弁36の開弁タイミングから開弁周期Uo分の時間が経過してから本処理を再開する設定を行う(S512)。そして本処理を出る。このことにより封鎖弁36の開弁タイミングから開弁周期Uo後に燃料タンク圧力抜き制御処理(図15)が再開される。
このように再開された燃料タンク圧力抜き制御処理(図15)においても、ステップS500にてYES、ステップS504にてYESと判定されると、前述したごとく、開弁周期Uoをタンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて設定する(S508)。そして、この開弁周期Uoに基づいて燃料タンク圧力抜き制御処理(図15)の再開タイミングを設定する(S512)。
このことにより図17のタイミングチャートに示すごとく、一定の開弁時間Taで封鎖弁36が開弁される状態が、開弁周期Uoで繰り返えされる。このような開弁制御により燃料タンク26の上部空間26aの気体がキャニスタ29へ繰り返し排出されることから、燃料タンク圧力抜き制御処理(図15)による封鎖弁36の開弁制御開始以後(t50〜)、次第にタンク内圧Ptfが大気圧、すなわちタンク内圧Ptf=0(kPa)に近づく。
そしてタンク内圧Ptf=0(kPa)と判断されるタイミングteにおいて、燃料タンク圧力抜き制御処理(図15)のステップS504ではNOと判定される。したがって、以後は、再度、ステップS504でYESと判定されるまでは、封鎖弁36の開弁制御は停止する。
図17のタイミングチャートにおいて、封鎖弁36の開弁制御が繰り返されている期間にパージ量が一定状態にてなされているとすると、タンク内圧Ptfの低下に応じてマップMAPuo(図16)から設定される開弁周期Uoは短くなる。開弁時間Taは一定であるので、最初にタンク内圧Ptfが高い状態では、封鎖弁36の開弁デューティは小さかったが、タンク内圧Ptfの低下に対応して封鎖弁36の開弁デューティは大きくなる。
尚、図16から明らかなごとく、パージ量Vpが大きくなるほど開弁周期Uoは短くなるので封鎖弁36の開弁デューティは大きくなり、パージ量Vpが小さくなるほど開弁周期Uoは長くなるので封鎖弁36の開弁デューティは小さくなる。
〈実施の形態5と請求項との関係〉上述した構成において、圧力センサ37とECU66との組み合わせが燃料タンク圧力抜き制御装置に相当し、圧力センサ37がタンク内圧検出手段に、ECU66がパージ量検出手段及び封鎖弁開弁調節手段に相当する。
ECU66が実行する燃料タンク圧力抜き制御処理(図15)のステップS506がパージ量検出手段としての処理に、ステップS508〜S512が封鎖弁開弁調節手段としての処理に相当する。
〈実施の形態5の効果〉(1)本実施の形態では、開弁時間Toの代わりに開弁周期Uoを、タンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて調節しているが、前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態2〜4においては、図5に示したごとく圧力センサ137は封鎖弁136の開弁制御時の圧力変動を受けやすい位置、すなわち燃料タンク126と封鎖弁136との間の燃料蒸気通路134に配置されていた。この代わりに、前記実施の形態1,5の図1と同様に燃料タンク126に圧力センサ137を配置して燃料タンク126内の圧力を直接検出しても良い。このように燃料タンク126に配置する場合も、その場所により封鎖弁136の開弁制御時に圧力変動を受けやすくなったとしても、前記実施の形態2〜4の処理により、適切な開弁時間Toを設定でき、キャニスタ129から外部への燃料蒸気の吹き抜けを防止しつつ、早期に燃料タンク126内の高圧状態を解消することができる。
・前記実施の形態5では、タンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて開弁周期Uoを算出していたが、タンク内圧Ptfとパージ量Vpとに基づいて開弁周期と開弁時間との両者を算出し、これら開弁周期と開弁時間とを共に用いることで、燃料タンク圧力抜き制御処理における開弁デューティを調節しても良い。
2…内燃機関、4…燃料供給系、6…制御系、8…外部電源、10…充電機構、12…バッテリ、14…電力制御ユニット、16…減速機構、18…駆動輪、20…動力分割機構、22…吸気ポート、24…燃料噴射弁、26…燃料タンク、26a…上部空間、28…燃料ポンプモジュール、28a…燃料温度センサ、28b…燃料経路、29…キャニスタ、30…フューエルセンダーゲージ、30a…フロート、32…フューエルインレットパイプ、32a…フューエルインレットボックス、34…燃料蒸気通路、36…封鎖弁、36a…電磁弁、36b…リリーフ弁、37…圧力センサ、38…大気通路、38a…エアフィルタ、40…ポンプモジュール、40a…大気開放弁、40b…圧力センサ、42…パージ通路、44…吸気通路、46…スロットルバルブ、46a…スロットル開度センサ、48…パージ制御弁、50…サージタンク、52…エアフィルタ、54…エアフロメータ、56…排気通路、58…空燃比センサ、60…アクセル開度センサ、62…機関回転数センサ、64…IGSW、66…ECU、104…燃料供給系、126…燃料タンク、126a…上部空間、129…キャニスタ、134…燃料蒸気通路、136…封鎖弁、136a…電磁弁、137…圧力センサ、166…ECU、MG1,MG2…モータジェネレータ。

Claims (12)

  1. 内燃機関の燃料タンクとキャニスタとの間の燃料蒸気通路を遮断する封鎖弁を周期的に開弁することにより燃料タンク内の圧力抜き制御を実行する燃料タンク圧力抜き制御装置であって、
    前記燃料タンク内の圧力であるタンク内圧を検出するタンク内圧検出手段と、
    前記キャニスタ内から内燃機関の吸気通路へ放出される気体流量を表すパージ量を検出するパージ量検出手段と、
    前記タンク内圧検出手段により検出されたタンク内圧と前記パージ量検出手段により検出されたパージ量とに基づいて前記封鎖弁の開弁デューティを調節する封鎖弁開弁調節手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  2. 請求項1に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記封鎖弁開弁調節手段は、前記封鎖弁の開弁時間を調節することで前記開弁デューティを調節することを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  3. 請求項1に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記封鎖弁開弁調節手段は、前記封鎖弁の開弁周期を調節すること、又は前記封鎖弁の開弁周期と開弁時間との両方を調節することで前記開弁デューティを調節することを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記封鎖弁開弁調節手段は、前記タンク内圧検出手段により検出されたタンク内圧が高いほど前記開弁デューティを小さくすることを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記封鎖弁開弁調節手段は、前記パージ量検出手段により検出されたパージ量が大きいほど前記開弁デューティを大きくすることを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記圧力抜き制御は、前記タンク内圧検出手段により検出されたタンク内圧が基準圧力以上の場合に実行されることを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、
    前記封鎖弁の閉弁後に前記タンク内圧の変動が終了する変動終了タイミングを検出するタンク内圧変動終了検出手段と、
    前記タンク内圧変動終了検出手段により検出される変動終了タイミングまでは前記封鎖弁開弁調節手段による前記開弁デューティの調節を禁止する封鎖弁開弁調節禁止手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  8. 請求項7に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記タンク内圧変動終了検出手段は、前記タンク内圧検出手段により検出されるタンク内圧の変動幅が基準変動幅以内に収束したタイミングを、前記変動終了タイミングとして検出することを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、
    前記封鎖弁の開弁前に前記タンク内圧検出手段により検出されたタンク内圧の値に基づいて、前記封鎖弁の開弁前のタンク内圧と前記封鎖弁の閉弁後のタンク内圧変動時間との対応関係を設定するマップからタンク内圧変動時間を算出するタンク内圧変動時間算出手段と、
    前記タンク内圧変動時間算出手段により算出されたタンク内圧変動時間が経過するまでは前記封鎖弁開弁調節手段による前記開弁デューティの調節を禁止する封鎖弁開弁調節禁止手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、
    前記タンク内圧検出手段は、検出値を緩変化フィルタにより処理した後に前記タンク内圧とすることを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  11. 請求項10に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記タンク内圧検出手段は、前記緩変化フィルタは加重平均化処理であることを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
  12. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の燃料タンク圧力抜き制御装置において、前記タンク内圧検出手段は、前記燃料タンクと前記封鎖弁との間の燃料蒸気通路からタンク内圧を検出していることを特徴とする燃料タンク圧力抜き制御装置。
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