JP2013036392A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料タンクを封鎖している封鎖弁が開弁して大量の燃料蒸気がキャニスタに導入されても迅速に対処することで内燃機関の空燃比の荒れを防止することを目的とする。
【解決手段】タンク内圧Ptfと封鎖弁への出力デューティDutyとからパージ燃料濃度変化量Δfgpgを算出し(S108)、この値から、引き起こされる空燃比の荒れを防止できる制限パージ率Ltpgを算出して(S110)、パージ率を制限している(S114,S116)。制限パージ率Ltpgはリッチ側の許容空燃比を限界としてパージ率を制限するように設定されたものである。したがって封鎖弁の開弁によりパージ燃料濃度が急激に高濃度化しても、これに対応してパージ率でパージ量を制限できることから、混合気がリッチ側に大きく偏る事態を防止できる。このことにより封鎖弁開弁に迅速に対処でき、空燃比の荒れを防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料タンク、キャニスタ、キャニスタと燃料タンクとを接続する蒸発燃料通路、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、及びパージ通路に設けられたパージ制御弁を備え、パージ制御弁の開度によりパージ率を調節することでパージ制御を実行する蒸発燃料処理装置に関する。
給油時に燃料タンクから外部に燃料蒸気が排出されることを防止するために、燃料タンク内の燃料蒸気を一旦キャニスタに吸着させ、その後の内燃機関運転時に吸気中にパージする蒸発燃料処理装置が知られている。
しかしパージされる燃料濃度が濃い場合には、空燃比フィードバック制御下においても空燃比が荒れて問題が生じる。具体的には、空燃比がパージによりリッチに偏ったりして変動すると、エミッションの悪化、ドライバビリティ悪化、あるいは空燃比学習制御上の誤差が大きくなるおそれがある。
このようなパージによる空燃比の荒れによる問題を解決する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1では、空燃比フィードバック制御の学習完了時にはパージ時の制御ずれ量に基づいてパージ燃料濃度を検出し、リッチではパージ率を減少させ、リーンではパージ率を増加させている。
特開平7−305646号公報(第5頁、図2〜3)
パージ燃料濃度は、空燃比フィードバック制御のずれ量により求められているため、急激にパージ燃料濃度が増加した場合には対処できない。
ハイブリッド車両(プラグイン型ハイブリッド車両を含む)において、燃料タンクとキャニスタとの間に封鎖弁を設けた燃料供給系が存在する。このような燃料供給系では、給油時以外は通常、封鎖弁は閉弁状態にあり、燃料タンクは密閉されている。このため昇温や気圧変化により燃料タンクの内圧が過剰なものとなった場合には、封鎖弁を開弁して、燃料タンク内圧をキャニスタ側に逃す処理が行われる。
このような処理時には燃料タンク内の燃料蒸気が大量にキャニスタ側に導入されることになる。このタイミングあるいはその後に、内燃機関の吸気系にパージが実行された場合には、今までよりも格段に濃厚なパージ燃料濃度となる。このため内燃機関に供給される混合気はリッチ側に大きく偏る事態となる。
しかし空燃比フィードバック制御によりパージ燃料濃度を求めていたのでは、このような急激なパージ燃料濃度の増加には迅速に対処できない。このため空燃比を早期に元に戻すことはできず、許容できるリッチ空燃比を越えた空燃比での燃焼をしばらく継続するおそれが生じる。このためパージによる空燃比の荒れについては十分に対処できない。
本発明は封鎖弁が開弁して大量の燃料蒸気がキャニスタに導入されても迅速に対処することにより、パージによる空燃比の荒れを防止することを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の蒸発燃料処理装置は、内燃機関の燃料タンク、キャニスタ、キャニスタと燃料タンクとを接続する蒸発燃料通路、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、及びパージ通路に設けられたパージ制御弁を備え、パージ制御弁の開度によりパージ率を調節することでパージ制御を実行する蒸発燃料処理装置であって、前記蒸発燃料通路に設けられて、開弁により前記燃料タンクと前記キャニスタとの間を連通し、閉弁により前記燃料タンクと前記キャニスタとの間を封鎖する封鎖弁と、前記燃料タンクの内圧を検出する燃料タンク内圧検出手段と、前記燃料タンク内圧検出手段により検出された内圧が基準内圧よりも高い場合に、前記封鎖弁を開弁する封鎖弁開弁手段と、前記封鎖弁開弁手段による封鎖弁の開弁により前記蒸発燃料通路を介して前記燃料タンクから前記キャニスタに導入される燃料量、又はこの燃料量導入に対応して変化する物理量を求めるキャニスタ導入燃料状態検出手段と、前記キャニスタ導入燃料状態検出手段にて求められた燃料量又は物理量に基づいて前記パージ率を制限するパージ制限手段とを備えたことを特徴とする。
キャニスタ導入燃料状態検出手段が、封鎖弁開弁手段による封鎖弁の開弁により、蒸発燃料通路を介して燃料タンクからキャニスタに導入される燃料量又はこの燃料量導入に対応して変化する物理量を求めている。
キャニスタに導入される燃料量が判明すれば、直接的にキャニスタにおける燃料蒸気の吸着量増加状態が判明する。そして、このことにより、その時あるいはその後に内燃機関の吸気系にパージが実行された場合に、今までよりも、どの程度、濃厚なパージ燃料濃度となるかが直ちに判明することになる。
又、燃料量導入に対応して変化する物理量が判明した場合も同じであり、この物理量により、内燃機関の吸気系にパージが実行された場合に、今までよりも、どの程度、濃厚なパージ燃料濃度となるかが、その物理量がパージ燃料濃度変化を表す直接的な値であっても、あるいは間接的な値であっても、この値により直ちに判明する。
したがってパージ制限手段は、キャニスタ導入燃料状態検出手段にて求められた燃料量又は物理量に基づいてパージ率を制限する。
このことにより、封鎖弁開弁の結果としてパージ燃料濃度が急激に高濃度化しても、それに対応して吸気中へのパージ量を制限できることから、内燃機関に供給される混合気はリッチ側に大きく偏る事態が防止できる。
こうして封鎖弁が開弁して大量の燃料蒸気がキャニスタに導入されても迅速に対処でき、パージによる空燃比の荒れを防止することができる。
請求項2に記載の蒸発燃料処理装置は、請求項1に記載の蒸発燃料処理装置において、前記キャニスタ導入燃料状態検出手段は、前記燃料タンク内圧検出手段にて検出された前記燃料タンクの内圧と、前記封鎖弁開弁手段による前記封鎖弁の開弁制御状態とに基づいて、前記燃料量導入に対応して変化する物理量としてのパージ燃料濃度変化量を求めることを特徴とする。
封鎖弁開弁時に燃料タンクからキャニスタへ流れる蒸気状態の燃料量は、燃料タンク内圧と封鎖弁の開弁制御状態とに対応したものとなる。そしてキャニスタに導入された燃料はその量がパージ燃料濃度に反映される。
したがってキャニスタ導入燃料状態検出手段は、燃料タンク内圧検出手段にて検出された燃料タンクの内圧と、封鎖弁開弁手段による封鎖弁の開弁制御状態とに基づいて、燃料量導入に対応して変化する物理量として、パージ燃料濃度変化量を求めている。
このパージ燃料濃度変化量に基づいてパージ制限手段がパージ率を制限することで、パージ燃料濃度が大きく濃厚な方向へ変化しても、内燃機関に供給される混合気がリッチ側に大きく偏る事態を防止できる。
請求項3に記載の蒸発燃料処理装置は、請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記封鎖弁は電磁弁であり、前記封鎖弁開弁手段は、前記封鎖弁をデューティ制御により開弁制御し、このデューティ制御における出力デューティが前記開弁制御状態に相当することを特徴とする。
封鎖弁開弁手段が、電磁弁である封鎖弁をデューティ制御により開弁制御をしている場合には、封鎖弁の開弁制御状態としては、このデューティ制御における出力デューティを、開弁制御状態として用いることができる。
出力デューティにより封鎖弁の開度が調節されることから出力デューティにより燃料タンクからキャニスタへ流れる燃料蒸気量の程度が判明する。
したがってキャニスタ導入燃料状態検出手段は、燃料タンク内圧検出手段にて検出された燃料タンクの内圧と、封鎖弁開弁手段による出力デューティとに基づいて、パージ燃料濃度変化量を求めることができる。
請求項4に記載の蒸発燃料処理装置は、請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記封鎖弁は電磁弁であり、前記封鎖弁開弁手段は、前記封鎖弁を電流量制御により開弁制御し、この電流量制御における電流量、電力量又は電圧値が前記開弁制御状態に相当することを特徴とする。
封鎖弁開弁手段が、電磁弁である封鎖弁を電流量制御により開弁制御をしている場合には、封鎖弁の開弁制御状態としては、この電流量制御における電流量、電力量又は電圧値を、開弁制御状態として用いることができる。
電流量により封鎖弁の開度が調節されることから、電流量ばかりでなく、電力量又は電圧値によって燃料タンクからキャニスタへ流れる燃料蒸気量の程度が判明する。
したがってキャニスタ導入燃料状態検出手段は、燃料タンク内圧検出手段にて検出された燃料タンクの内圧と、電流量制御における電流量、電力量又は電圧値とに基づいて、パージ燃料濃度変化量を求めることができる。
請求項5に記載の蒸発燃料処理装置は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置において、前記パージ制限手段は、内燃機関にて燃焼される混合気におけるリッチ側の許容空燃比を限界として、前記パージ率を制限するものであることを特徴とする。
混合気のリッチ化においても空燃比の荒れが小さくて問題とならない程度の許容量が存在する。すなわち、エミッションの悪化、ドライバビリティの悪化、あるいは空燃比学習制御上の誤差が問題とならいない程度のリッチ空燃比の範囲が存在する。
したがってこのような許容空燃比を限界とするように、パージ制限手段はパージ率を制限することができる。
請求項6に記載の蒸発燃料処理装置は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置において、前記パージ制限手段は、前記パージ率の制限を開始してから、前記パージ制御での積算パージ量が基準量より大きくなった場合に前記パージ率の制限を解除することを特徴とする。
封鎖弁開弁が発生した後、或る程度、パージしている時間が経過すれば、空燃比フィードバック制御によりパージ燃料濃度が高精度に判明し、このパージ燃料濃度に対応したパージ制御及び空燃比フィードバック制御が可能となる。
したがってパージ制限手段は、パージ率の制限を開始してから、パージ制御での積算パージ量が基準量より大きくなった場合にパージ率の制限を解除する。
このようにして封鎖弁開弁時から制限していたパージ率を元のパージ率に戻して、通常のパージ制御に復帰することができる。
請求項7に記載の蒸発燃料処理装置は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置において、前記パージ制限手段は、前記パージ率の制限を開始してから、空燃比フィードバック制御による空燃比が安定した場合に前記パージ率の制限を解除することを特徴とする。
封鎖弁開弁により空燃比が変動し、その後に空燃比が安定した状態は、空燃比フィードバック制御によりパージ燃料濃度が高精度に学習され、このことにより空燃比フィードバック制御が適切に空燃比を制御できていることを表している。
したがって以後は、通常のパージ制御に戻しても、その更新されたパージ燃料濃度により安定したパージ制御や空燃比フィードバック制御が可能となる。
したがってパージ制限手段は、パージ率の制限を開始してから、空燃比フィードバック制御による空燃比が安定した場合にパージ率の制限を解除する。
このようにして封鎖弁開弁時から制限していたパージ率を元のパージ率に戻して、通常のパージ制御に復帰することができる。
実施の形態1のハイブリッド車両における駆動系を示すブロック図。 実施の形態1のECUが実行する封鎖弁開弁処理のフローチャート。 同じくパージ率制限解除処理のフローチャート。 パージ燃料濃度変化量Δfgpg算出マップの構成説明図。 実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。 比較例を示すタイミングチャート。
[実施の形態1]
〈構成〉図1は、上述した発明が適用されたハイブリッド車両における駆動系のブロック図である。この駆動系は、内燃機関2と、電動機(後述するモータジェネレータMG1,MG2)とを備えている。この内燃機関2はガソリンエンジンである。内燃機関2は燃料供給系4及び制御系6を備えている。
このハイブリッド車両はプラグイン型ハイブリッド車両である。したがって外部電源8から充電機構10を介してバッテリ12が充電可能とされている。このバッテリ12の電力が、電力制御ユニット14により、モータジェネレータMG1に供給されることにより、モータジェネレータMG1から回転駆動力が出力される。
内燃機関2及びモータジェネレータMG1からの回転駆動力は減速機構16により減速されて、駆動輪18に伝達される。
内燃機関2と減速機構16との間には、動力分割機構20が配置されており、内燃機関2の回転駆動力を、減速機構16側と、発電機としてのもう一つのモータジェネレータMG2側とに分割して供給可能としている。
尚、2つのモータジェネレータMG1,MG2は、それぞれ発電機としても電動モータとしても機能し、必要に応じてその間の機能を切り替えることができる。
内燃機関2の各気筒に対応する吸気ポート22にはそれぞれ燃料噴射弁24が配置されている。これらの燃料噴射弁24には、燃料タンク26内に貯留されている燃料が、燃料ポンプモジュール28により、燃料経路28bを介して圧送されて来る。そして燃料噴射制御により、燃料噴射弁24からは所定のタイミングで吸気中に燃料が噴射され、各気筒に吸入されて燃焼される。このことにより内燃機関2が運転される。
更に燃料ポンプモジュール28に付属する形で燃料温度センサ28aが配置されている。この燃料温度センサ28aにより燃料供給系4の燃料温度、ここでは特に燃料タンク26内の燃料温度Tfを検出している。
燃料供給系4は、蒸発燃料処理装置としても機能し、燃料タンク26、キャニスタ36、これらに付属する各種通路、各種弁及び各種ポンプなどから構成されている。
燃料タンク26内には、フロート30aにより燃料タンク26内の燃料液面レベルSGLを検出するためのフューエルセンダーゲージ30が設けられている。燃料タンク26の上部にはタンク内圧センサ32が設けられて、燃料タンク26の上部空間26a内の圧力(タンク内圧Ptf)を検出している。このタンク内圧Ptf(Pa)は実際には大気圧と上部空間26aとの差圧であるが、上部空間26aの絶対圧を検出するものであっても良い。
給油時における燃料タンク26内への燃料導入は、フューエルインレットパイプ34から行われる。燃料タンク26の上部空間26aは蒸発燃料通路35によりキャニスタ36に接続されている。蒸発燃料通路35の途中には封鎖弁38aとリリーフ弁38bとを備えた封鎖弁ユニット38が設けられている。
封鎖弁38aは、通電により開弁制御される電磁弁であり、給油時には、封鎖弁38aが開弁状態に制御される。このことで燃料タンク26の上部空間26aとキャニスタ36内とが蒸発燃料通路35により連通する。このため給油時には、燃料タンク26の上部空間26aに発生している燃料蒸気はキャニスタ36側へ排出される。そしてキャニスタ36では内部に収納されている活性炭などの吸着材により、その燃料蒸気を吸着する。このことにより燃料蒸気が外部へ漏出しないようにしている。
封鎖弁38aが閉弁状態にされている場合、すなわち蒸発燃料通路35が封鎖されて燃料タンク26が密閉されると、燃料タンク26の上部空間26aに発生している燃料蒸気はキャニスタ36側へは排出されない。
キャニスタ36にはフューエルインレットパイプ34に設けられたフューエルインレットボックス34aに連通する大気通路40が接続されている。この大気通路40には途中にエアフィルタ40aが設けられている。更に大気通路40には、エアフィルタ40aよりもキャニスタ36側の位置に、リーク診断用のポンプモジュール42が設けられている。尚、このリーク診断用のポンプモジュール42に付属して、常開型電磁弁として構成されてキャニスタ36内を大気通路40を介して大気開放する大気開放弁42aと、キャニスタ36側の内圧Pcを検出する圧力センサ42bとが設けられている。
キャニスタ36は、パージ通路44により、内燃機関2の吸気通路46に接続されている。特に吸入空気量を調節するスロットルバルブ48よりも下流の位置で接続されている。パージ通路44の途中には常閉型電磁弁としてのパージ制御弁50が配置されている。
このパージ制御弁50と大気開放弁42aとが、内燃機関2の運転時に開弁状態とされることでパージが実行される。すなわち吸気通路46内の吸気負圧がパージ通路44側からキャニスタ36内に導入されることでキャニスタ36内の吸着材から燃料蒸気が離脱して、大気通路40側から導入される空気の気流中に放出される。そして燃料蒸気は、気流に乗ってパージ通路44からパージ制御弁50を通過して吸気通路46内を流れる吸気中に放出される。このとき、吸気中へのパージ率はパージ制御弁50の開度により調節される。そしてサージタンク52内に流れ込んだパージ燃料蒸気を含む吸気は、各気筒の吸気ポート22に分配され、燃料噴射弁24から噴射される燃料と共に、各気筒の燃焼室内に流れ込んで燃焼されることになる。
吸気通路46においては、エアフィルタ54とスロットルバルブ48との間にエアフロメータ56が設けられて、内燃機関2に供給される吸入空気量GA(g/sec)を検出している。
内燃機関2から燃焼後の排気を排出する排気通路58には空燃比センサ(あるいは酸素センサ)60が設けられ、空燃比フィードバック制御のために、排気成分から空燃比あるいは酸素濃度を検出している。
この他、車両ドライバーが操作するアクセルペダルに設けられてアクセル開度ACCPを検出するアクセル開度センサ62、内燃機関2のクランク軸の回転数NEを検出する機関回転数センサ64、IGSW(イグニションスイッチ)66、その他のセンサ・スイッチ類が設けられて、それぞれ信号を出力している。他の信号としては、例えば冷却水温、吸気温、車速などが挙げられる。
燃料温度センサ28a、フューエルセンダーゲージ30、スロットル開度センサ48a、エアフロメータ56、空燃比センサ60、アクセル開度センサ62、機関回転数センサ64、IGSW66などの検出信号は、マイクロコンピュータを中心として構成されているECU(電子制御回路)70に入力される。
そして、このような信号データや予め記憶されたり算出されたりするデータに基づいて、ECU70は演算処理を実行して、燃料噴射弁24からの燃料噴射量、スロットルバルブ48の開度TAなどを制御する。
更にECU70は、内燃機関2が運転されている期間においてパージ制御処理を実行する。このパージ制御処理は、給油に伴って封鎖弁38aが開弁されることにより燃料タンク26側から蒸発燃料通路35を介してキャニスタ36側に吸着された燃料蒸気を、内燃機関運転中に吸気通路46に放出する処理である。
このパージ制御処理では、パージ制御弁50の開弁をデューティ制御することでパージ率を調節して、キャニスタ36に吸着されている燃料蒸気を、パージ通路44を介して吸気通路46へ放出する。尚、このときにパージされる燃料蒸気の濃度(パージ燃料濃度fgpg)は、ECU70が実行する空燃比フィードバック制御における空燃比の制御ずれ量に基づいて、周期的に行われる演算により学習値として求められている。
〈作用〉次に本実施の形態の作用について、ECU70が実行する封鎖弁開弁処理(図2)及びパージ率制限解除処理(図3)に基づいて説明する。この封鎖弁開弁処理(図2)及びパージ率制限解除処理(図3)はECU70にて周期的に実行される処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
まず、封鎖弁開弁処理(図2)について説明する。本処理が開始されると、まずタンク内圧センサ32からタンク内圧Ptfが読み込まれる(S102)。次にこのタンク内圧Ptfが基準内圧を越えているか否かが判定される(S104)。
この基準内圧は、封鎖弁38aを開弁を決定するものであり、タンク内圧Ptf>基準内圧であれば、燃料タンク26の上部空間26aが高圧状態であるとして、封鎖弁38aの開弁制御を実行することになる。
ここでタンク内圧Ptf≦基準内圧であれば(S104でNO)、燃料タンク26の上部空間26aの圧力は高圧化していない。したがってECU70は封鎖弁38aを開弁する必要がないことから、このまま本処理を出る。以後、別途行われる給油時での封鎖弁38aの開弁制御を除いて、タンク内圧Ptf≦基準内圧である限り(S104でNO)、本処理では封鎖弁38aの開弁は実行されない。
燃料タンク26の温度上昇や外気圧低下などにより、燃料タンク26の上部空間26aの圧力が上昇してタンク内圧Ptf>基準内圧となると(S104でYES)、次に封鎖弁38aの開弁のための出力デューティDuty(%)の算出が行われる(S106)。
ここでは、タンク内圧Ptfに基づいてマップにより出力デューティDutyを求めている。具体的にはタンク内圧Ptfが大きいほど出力デューティDutyが小さくなるようにされている。
次にタンク内圧Ptfと、上述したごとく算出した出力デューティDutyとに基づいて、図4に示す算出マップからパージ燃料濃度変化量Δfgpg(g/L)を算出する(S108)。
この算出マップは実験やシミュレーション計算に基づいて予め設定されている。図4に破線の等高線にて傾向を示しているように、出力デューティDutyが大きいほどあるいはタンク内圧Ptfが大きいほど、燃料タンク26からキャニスタ36へ移動する燃料量は増加するので、パージ燃料濃度変化量Δfgpgは大きい値とされる。逆に出力デューティDutyが小さいほどあるいはタンク内圧Ptfが小さいほど、燃料タンク26からキャニスタ36へ移動する燃料量は減少するので、パージ燃料濃度変化量Δfgpgは小さい値とされる。
尚、図4の算出マップに設定されているパージ燃料濃度変化量Δfgpgは、対応するタンク内圧Ptfと出力デューティDutyとに対して生じると予想される最大のパージ燃料濃度変化量が設定されている。
次にこのように求められたパージ燃料濃度変化量Δfgpgに基づいて、空燃比A/Fの荒れを防止できる制限パージ率Ltpg(%)を算出する(S110)。
制限パージ率Ltpgは、例えば次のようにして設定されている値である。
まず、内燃機関2が、空燃比フィードバック制御により空燃比A/Fが理論空燃比(A/F=14.6)で運転されている状態で、封鎖弁38aが開弁して、吸気通路46内にパージされる気体に、前記パージ燃料濃度変化量Δfgpgの燃料濃度変化が生じたものとする。
このパージ燃料濃度変化量Δfgpgにより、直前まで理論空燃比であった混合気は、その時のパージ率では、次の式1の計算で示される空燃比[A/F]pgに変化する。
[式1] [A/F]pg ← 14.6/(Δfgpg×パージ率/100+1)
ここでリッチ側で許容できる空燃比A/Fの限界値をリッチ限界空燃比[A/F]rhとすると、上記式1にて求められる空燃比[A/F]pgは、次の式2を満足する必要がある。
[式2] [A/F]pg ≧ [A/F]rh
尚、この式2は[A/F]pg>[A/F]rhとしても良い。
上記式2の左辺に、上記式1の右辺を代入して、左辺をパージ率のみにすると、式3の関係が得られる。
[式3] パージ率 ≦ (14.6/[A/F]rh−1)×100/Δfgpg
したがってステップS110では、次の式4に示すごとく、上記式3の右辺の関係を用いて、その計算値を、制限パージ率Ltpgとして設定することができる。
[式4] Ltpg ← (14.6/[A/F]rh−1)×100/Δfgpg
このようにして制限パージ率Ltpgが求まると、次に、現在、パージ制御中か否かが判定される(S112)。
HV走行時で内燃機関2が運転中であり、パージ制御弁50が開弁されることにより吸気通路46へパージ通路44を介してキャニスタ36から燃料蒸気のパージがなされている場合には(S112でYES)、そのパージ制御弁50の開度制御によるパージ率の上限が、制限パージ率Ltpgの値に設定される(S114)。
パージ制御がなされていない場合には(S112でNO)、この後にパージが再開された場合のパージ率の上限が制限パージ率Ltpgとなるように設定がなされる(S116)。
そしてステップS114又はステップS116の設定処理の次には、前記ステップS106にて算出されている出力デューティDutyによる封鎖弁38aの開弁制御が実行される(S118)。
こうして本処理を出る。以後の実行周期においても、タンク内圧Ptf>基準内圧である場合には(S104でYES)、上述したステップS106〜S118の一連の処理がなされる。そしてタンク内圧Ptf≦基準内圧となれば(S104でNO)、このまま本処理を出る。このようにステップS104にてNOと判定される状態では、ステップS118の出力デューティDutyによる封鎖弁開弁制御は実行されないので、封鎖弁38aは閉弁状態に戻る。ただしステップS104でNOと判定されても制限パージ率Ltpgによるパージ率の制限は継続している。
パージ率制限解除処理(図3)について説明する。本処理が開始されると、まず、封鎖弁開弁処理(図2)にて制限パージ率Ltpgによるパージ率の上限設定中か否かが判定される(S152)。
パージ率の上限設定中でなければ(S152でNO)、このまま本処理を出る。
パージ率の上限設定中であれば(S152でYES)、封鎖弁38aが閉弁したか否かが判定される(S154)。すなわちタンク内圧Ptf≦基準内圧となってステップS118が実行されなくなることにより、封鎖弁38aが閉弁状態となったか否かが判定される。
封鎖弁38aが未だ閉弁していない場合には(S154でNO)、このまま本処理を出る。
封鎖弁38aが閉弁状態となると(S154でYES)、次にパージ制御中か否かが判定される(S156)。パージ制御中でない場合(S156でNO)、すなわちパージ制御弁50の開弁制御によりキャニスタ36内の燃料蒸気を吸気通路46にパージしていない状態では、このまま処理を出る。
パージ制御中である場合(S156でYES)、すなわち、パージ率の上限が設定されており、封鎖弁38aが閉弁状態となっており、この状態でパージ制御がなされている場合には、積算パージ量の積算処理が実行される(S158)。
この積算処理は、封鎖弁38aが閉弁状態となった後のパージ制御時にて、パージ率と吸入空気量GAとから実行周期1周期分のパージ量(L)を計算し、この1周期分のパージ量を、実行周期毎に積算して積算パージ量として算出する処理である。
次にこの封鎖弁閉弁後の積算パージ量が基準量を越えたか否かが判定される(S160)。
封鎖弁閉弁後の積算パージ量≦基準量である場合は(S160でNO)、パージ期間が短く空燃比フィードバック制御によりパージ燃料濃度fgpgが正確に判明していないとして、このまま本処理を出る。
パージが継続することにより、封鎖弁閉弁後の積算パージ量>基準量となると(S160でYES)、パージ率上限設定を解除する(S162)。
すなわち、積算パージ量>基準量となる状態では、封鎖弁38aの開弁によりキャニスタ36に大量に導入された燃料蒸気によるパージ期間が十分に経過し、空燃比フィードバック制御によりパージ燃料濃度fgpgが高精度に判明している。このことから、パージ率の制限を解除して通常のパージ制御に移行しても、空燃比A/Fの荒れは生じないように制御されることから、パージ率上限を解除している。
そしてステップS158で計算していた積算パージ量をクリアする(S164)。こうして本処理を出る。
以後は、再度、封鎖弁開弁処理(図2)にてパージ率が制限されるまでは、ステップS152にてNOと判定されるようになる。そして上述したごとく再びステップS152,S154,S156が満足されると、封鎖弁38aの閉弁後の積算パージ量が基準量を越えてから(S160でYES)、パージ率上限設定を解除する(S162)という一連の処理を繰り返す。
図5は、上述した処理の一例を示すタイミングチャートである。図5に示すごとく、タンク内圧Ptfが上昇し、タイミングt0にて基準内圧を超えると(図2:S104でYES)、封鎖弁38aの開弁制御のための出力デューティDutyが算出され(S106)、この出力デューティDutyとタンク内圧Ptfとからパージ燃料濃度変化量Δfgpgが算出される(S108)。そしてこのパージ燃料濃度変化量Δfgpgから制限パージ率Ltpgが算出され(S110)、このときのパージ率がパージ燃料濃度変化量Δfgpgよりも高い場合には、制限パージ率Ltpgにまでパージ率が直ちに減少される。
このように制限パージ率Ltpgによりパージ率の上限が設定されるので、直後のタイミングt1〜t2にて、出力デューティDutyによる封鎖弁38aの開弁処理を実行してパージ燃料濃度fgpgが実線で示すごとく急激に高濃度化しても、その後(t3〜t4)に生じる空燃比A/Fの荒れ(過剰なリッチ化)は防止される。すなわち実線で示すごとく空燃比A/Fはリッチ側許容A/Fよりも小さくならない。
そして封鎖弁38aの閉弁(t2)以後の積算パージ量が基準量を越えたタイミングt5にて(図3:S160でYES)、制限パージ率Ltpgによる上限設定は解除される(S162)。このことにより図5の例ではパージ率を次第に上昇させている。
図5のパージ燃料濃度fgpg及び空燃比A/Fにおいて破線で示している状態は、パージ率を制限パージ率Ltpgにて制限したが、実際には大きなパージ燃料濃度fgpgの変化が生じなかった場合を示している。この場合には制限パージ率Ltpgによる制限がしばらくなされているのみであり、空燃比A/Fはほとんど変化しない。
図6に比較例として制限パージ率Ltpgを設定しない場合の例を示す。封鎖弁38aの開弁(t11〜t12)に対してパージ率を制限しなかった場合には、空燃比A/Fの荒れが大きくなり、リッチ側許容A/Fよりも低い空燃比A/F状態が生じる(t13〜t14)。この空燃比A/Fの荒れが生じてから、空燃比フィードバック制御とパージ制御とによりパージ率は減少されることになるが、このような比較例の制御では空燃比A/Fの荒れは防止できない。
〈請求項との関係〉上述した構成において、タンク内圧センサ32が燃料タンク内圧検出手段に相当し、ECU70が封鎖弁開弁手段、キャニスタ導入燃料状態検出手段、及びパージ制限手段に相当する。ECU70が実行する封鎖弁開弁処理(図2)のステップS104,S106,S118が封鎖弁開弁手段としての処理に、ステップS108がキャニスタ導入燃料状態検出手段としての処理に、ステップS110〜S116及びパージ率制限解除処理(図3)がパージ制限手段としての処理に相当する。
〈効果〉(1)封鎖弁開弁処理(図2)のステップS108ではタンク内圧Ptfと、封鎖弁38aの開弁制御状態である出力デューティDutyとからパージ燃料濃度変化量Δfgpgを算出している。
このパージ燃料濃度変化量Δfgpgは、封鎖弁38aの開弁により蒸発燃料通路35を介して燃料タンク26からキャニスタ36に導入された燃料量に対応して変化する物理量に相当し、パージ時にキャニスタ36から吸気通路46へ流れる気体におけるパージ燃料濃度fgpgの高濃度化程度を表している。
そしてステップS110にて、パージ燃料濃度fgpgの高濃度化により引き起こされる空燃比A/Fの荒れを防止できる制限パージ率Ltpgを算出し、ステップS114又はステップS116にて制限パージ率Ltpgによりパージ率を制限している。
特に制限パージ率Ltpgは、内燃機関2にて燃焼される混合気におけるリッチ側の許容空燃比を限界としてパージ率を制限するように設定されたものである。
したがって封鎖弁38aの開弁によりパージ燃料濃度fgpgが急激に高濃度化しても、この高濃度化に対応してパージ率にて吸気中へのパージ量を制限できることから、内燃機関2に供給される混合気がリッチ側に大きく偏る事態、ここではリッチ側の許容限界を外れる事態を防止できる。
このことにより封鎖弁38aが開弁して大量の燃料蒸気がキャニスタ36に導入されても迅速に対処でき、パージによる空燃比の荒れを防止することができる。
こうしてエミッションの悪化、ドライバビリティ悪化、あるいは空燃比学習制御上の誤差が大きくなるような事態を防止することができる。
(2)ステップS106では封鎖弁38aの開度を調節する出力デューティDutyは、タンク内圧Ptfに応じて設定されている。
タンク内圧Ptfが高い場合には、封鎖弁38aを開弁すると急激に蒸発燃料通路35を流れてキャニスタ36に衝撃を与えたり、キャニスタ36を吹き抜けてパージ燃料濃度が高濃度側に大きく変動したり、あるいは外気に漏出したりするおそれがある。
したがって出力デューティDutyは、タンク内圧Ptfに応じて設定することで、蒸発燃料通路35での急激な流れを抑制できる。
(3)封鎖弁38aを開弁した後、或る程度、パージしている時間が経過すれば、空燃比フィードバック制御によりパージ燃料濃度fgpgが判明し、パージ燃料濃度fgpgに対応したパージ制御及び空燃比フィードバック制御が可能となる。
このためパージ率制限解除処理(図3)では、パージ率の制限を開始してから、パージ制御での積算パージ量が基準量より大きくなった場合に(S160でYES)、パージ率の制限を解除している(S162)。
このようにして封鎖弁38aの開弁時から制限していたパージ率を元のパージ率に戻して、通常のパージ制御に復帰することができる。
[その他の実施の形態]
・前記図4の2次元マップでは、パージ燃料濃度変化量Δfgpgを算出していたが、マップから求めるのは、濃度変化量ではなく、封鎖弁38aの開弁により燃料タンク26からキャニスタ36に導入される燃料量(この場合は燃料蒸気量)であっても良い。そしてこの導入された燃料量がその時のキャニスタ36の吸着状態に対して生じるパージ燃料濃度変化量Δfgpgを計算して、前記式1〜4を用いて制限パージ率Ltpgを算出しても良い。
・前記図4の2次元マップでは、一方のパラメータは、封鎖弁38aの開弁制御のための出力デューティDutyであった。この出力デューティDutyの代わりに、電磁弁としての封鎖弁38aを開弁する際にその電磁コイルに流す電流量を用いても良い。あるいはその電流量を流すための電圧値を出力デューティDutyの代わりに用いても良い。あるいは電流量と電圧値とから求められる電力量を出力デューティDutyの代わりに用いても良い。
・更に前記図4の2次元マップのもう一方のパラメータは、タンク内圧Ptfであった。同じタンク内圧Ptfであっても、燃料タンク26内の燃料温度状態によっては、燃料タンク26の上部空間26aにおける燃料蒸気濃度も異なる。
したがって前記図2におけるステップS108とステップS110との間で、前記図4のマップから得られる値(Δfgpg)に対して、更に、燃料温度センサ28aが検出する燃料温度Tfにより補正することにより、より高精度なパージ燃料濃度変化量Δfgpgを求めて、ステップS110にて用いても良い。
・前記封鎖弁開弁処理(図2)では、封鎖弁38aを開弁(S118)する前に、ステップS108〜S116の処理を実行することでパージ率の制限を実行していたが、封鎖弁38aを開弁する設定を実行した後に、ステップS108〜S116と同じ処理を実行することでパージ率の制限を実行しても良い。
この場合には、更に、出力デューティDutyあるいは、前述した電流量、電圧値、電力量については、単に制御量として設定された値を用いるのではなく、制御中の値や実測値を用いても良い。すなわち、制御中の出力デューティDutyを用いても良く、あるいは実際に電磁コイルに流れている電流に対して実測した電流量、電圧値、又は電力量を用いても良い。
・前記パージ率制限解除処理(図3)では、積算パージ量が基準量より大きくなると(S160でYES)パージ率制限は解除していた(S162)。この代わりに空燃比フィードバック制御における空燃比変動(目標空燃比との間のずれ)の程度から判定して空燃比が安定した場合にパージ率制限を解除するようにしても良い。
2…内燃機関、4…燃料供給系、6…制御系、8…外部電源、10…充電機構、12…バッテリ、14…電力制御ユニット、16…減速機構、18…駆動輪、20…動力分割機構、22…吸気ポート、24…燃料噴射弁、26…燃料タンク、26a…上部空間、28…燃料ポンプモジュール、28a…燃料温度センサ、28b…燃料経路、30…フューエルセンダーゲージ、30a…フロート、32…タンク内圧センサ、34…フューエルインレットパイプ、34a…フューエルインレットボックス、35…蒸発燃料通路、36…キャニスタ、38…封鎖弁ユニット、38a…封鎖弁、38b…リリーフ弁、40…大気通路、40a…エアフィルタ、42…ポンプモジュール、42a…大気開放弁、42b…圧力センサ、44…パージ通路、46…吸気通路、48…スロットルバルブ、48a…スロットル開度センサ、50…パージ制御弁、52…サージタンク、54…エアフィルタ、56…エアフロメータ、58…排気通路、60…空燃比センサ、62…アクセル開度センサ、64…機関回転数センサ、66…IGSW、70…ECU、MG1,MG2…モータジェネレータ。

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃料タンク、キャニスタ、キャニスタと燃料タンクとを接続する蒸発燃料通路、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、及びパージ通路に設けられたパージ制御弁を備え、パージ制御弁の開度によりパージ率を調節することでパージ制御を実行する蒸発燃料処理装置であって、
    前記蒸発燃料通路に設けられて、開弁により前記燃料タンクと前記キャニスタとの間を連通し、閉弁により前記燃料タンクと前記キャニスタとの間を封鎖する封鎖弁と、
    前記燃料タンクの内圧を検出する燃料タンク内圧検出手段と、
    前記燃料タンク内圧検出手段により検出された内圧が基準内圧よりも高い場合に、前記封鎖弁を開弁する封鎖弁開弁手段と、
    前記封鎖弁開弁手段による封鎖弁の開弁により前記蒸発燃料通路を介して前記燃料タンクから前記キャニスタに導入される燃料量、又はこの燃料量導入に対応して変化する物理量を求めるキャニスタ導入燃料状態検出手段と、
    前記キャニスタ導入燃料状態検出手段にて求められた燃料量又は物理量に基づいて前記パージ率を制限するパージ制限手段と、
    を備えたことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置において、前記キャニスタ導入燃料状態検出手段は、前記燃料タンク内圧検出手段にて検出された前記燃料タンクの内圧と、前記封鎖弁開弁手段による前記封鎖弁の開弁制御状態とに基づいて、前記燃料量導入に対応して変化する物理量としてのパージ燃料濃度変化量を求めることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記封鎖弁は電磁弁であり、前記封鎖弁開弁手段は、前記封鎖弁をデューティ制御により開弁制御し、このデューティ制御における出力デューティが前記開弁制御状態に相当することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  4. 請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記封鎖弁は電磁弁であり、前記封鎖弁開弁手段は、前記封鎖弁を電流量制御により開弁制御し、この電流量制御における電流量、電力量又は電圧値が前記開弁制御状態に相当することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置において、前記パージ制限手段は、内燃機関にて燃焼される混合気におけるリッチ側の許容空燃比を限界として、前記パージ率を制限するものであることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置において、前記パージ制限手段は、前記パージ率の制限を開始してから、前記パージ制御での積算パージ量が基準量より大きくなった場合に前記パージ率の制限を解除することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置において、前記パージ制限手段は、前記パージ率の制限を開始してから、空燃比フィードバック制御による空燃比が安定した場合に前記パージ率の制限を解除することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020016225A (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 愛三工業株式会社 蒸発燃料処理装置

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