JP2013194602A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関停止中において燃料タンク内を密閉でき重量増や高コスト化を招いたりパージ制御時に吸気通路に急激な圧力変動や急激な気体流入が生じたりすることなく、リーク診断時に燃料タンクやキャニスタへの負圧導入も可能な燃料蒸発処理装置の提供。
【解決手段】燃料タンクに負圧を導入する際は大気開閉弁は開にする(S402)。このため吸気通路では急激な圧力変動や気体流入が防止される。大気開閉弁が開であることや目標負圧が存在する(S404)ことで過大な負圧や高圧が防止でき重量増や高コスト化を招かない。第1負圧化(S402,S403)後に第2負圧化(S406,S403)を実行するので大気開閉弁が開では負圧が不足でも閉にして十分な負圧を発生させ、封鎖弁閉により(S408)保持できる。封鎖弁、大気開閉弁及びパージ制御弁により負圧導入による燃料タンク及びキャニスタに対するリーク診断が可能な構成は維持されている。
【選択図】図9

Description

本発明は、内燃機関の燃料タンク、キャニスタ、キャニスタと燃料タンクとを接続する蒸発燃料通路、蒸発燃料通路に設けられた封鎖弁、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、パージ通路に設けられたパージ制御弁、キャニスタを大気側に接続する大気通路及び大気通路に設けられた大気開閉弁を備えた蒸発燃料処理装置に関する。
給油時に、内燃機関の燃料タンク内に発生する燃料蒸気が大気中に放出されるのを防止するために、燃料タンクとキャニスタとを連通することで燃料蒸気をキャニスタにより吸着すると共に、内燃機関運転時には、キャニスタに吸着されている燃料蒸気をパージ制御により吸気中に放出する燃料蒸発処理装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1では、燃料タンク内圧が所定の負圧値から所定の正圧値の範囲内に存在すれば、エバポ通路に設けられたプレッシャコントロールバルブは閉じたままにされて、燃料タンクは密閉されている。内圧が上記範囲から外れるとプレッシャコントロールバルブを開いて、燃料タンク内が過大な正圧や過大な負圧となるのを防止している。このことで、過大な正圧による給油の際の蒸発燃料の大気流出や、過大な負圧による燃料タンクの破損を未然に防止しようとするものである。
このような蒸発燃料処理装置において、キャニスタ及び燃料タンクからの燃料リーク異常を診断する技術が知られている(例えば特許文献2参照)。この特許文献2では、負圧ポンプによりキャニスタ及び燃料タンク内に負圧を導入して、その圧力変化からキャニスタ及び燃料タンクのリーク異常が存在するか否かを判定している。このように負圧を導入して燃料リークを検出するためには、キャニスタ及び燃料タンクの内部を密閉状態にする必要がある。特許文献2の構成では、ポンプモジュールに設けられた切換弁によりキャニスタ内が燃料タンクと共に密閉状態可能としている。そしてリーク診断後は、キャニスタ及び燃料タンク内の負圧状態を解消するためにキャニスタ及び燃料タンクに大気を導入している。
上述したリーク診断時での密閉状態ではなく、燃料タンクとキャニスタとを連通する通路に封鎖弁を備えることで、給油時以外は燃料タンクから燃料蒸気がキャニスタ側に供給されないようにする構成が提案されている(例えば特許文献3参照)。
この特許文献3では、給油時での大量の燃料蒸気放出を防止するために、給油時以外においても燃料タンク内圧が大気圧よりも高い場合にはパージ制御中に封鎖弁を開弁することにより、キャニスタを介して吸気中に燃料タンク中の燃料蒸気を放出して、燃料タンク内圧を大気圧に維持している。
特許文献3のごとく燃料タンクを密閉できる構成において、パージ制御時に燃料タンク側に供給される吸気負圧を利用して燃料タンク内を負圧化している技術も提案されている(例えば特許文献4参照)。この場合の負圧化の程度は、内燃機関運転中か停止中かに関係なく、昇温により燃料タンク内の蒸気圧が高圧化しても常に燃料タンク内が負圧状態となるような、十分な負圧レベルに設定されている。このことで、いかなる場合にも、給油時に電磁弁(封鎖弁に相当)を開けても燃料蒸気が大気側に放出されることがないようにしている。
特開平07−217504号公報(第4〜6頁、図1,5) 特開2006−170074号公報(第3〜5頁、図1〜5) 特開2004−156499号公報(第4〜9頁、図1〜4) 特開平11−125154号公報(第3〜5頁、図1〜2)
特許文献1は燃料タンク内を積極的に負圧に制御しているわけではなく、制御上のトリガーとなる内圧の範囲を限定しているのみである。したがって燃料タンク内を必要な負圧状態にするわけでもなく、要求通りの負圧状態にできるわけでもない。しかもキャニスタの大気側は開放されたままであり、この構成では特許文献2のごとく負圧導入によるキャニスタのリーク診断は不可能である。
特許文献3のタンク内圧制御構造では、キャニスタも燃料タンクもいずれも密閉できる構成で有り、このことによりリーク診断についても可能である。
しかし燃料タンク内圧が大気圧を越えないように封鎖弁の開閉を制御する構成では、パージ制御が停止して、あるいは内燃機関が停止した後に、昇温により燃料蒸気圧が高圧化するとそのまま燃料タンク内の圧力に影響が生じて、燃料タンク内が高圧化する。
このような高圧化状態を考慮すると燃料タンクの隔壁やシール部位を高強度化する必要があり、内燃機関の重量増や高コスト化が懸念される。
更に燃料タンク内が高圧となった状態でパージ制御が開始されると、封鎖弁の開弁と共に、キャニスタを介して吸気側に急激な圧力増加が伝達されたり、急激に気体が流入したりするおそれがある。このことで内燃機関の出力制御や空燃比制御に悪影響を及ぼすおそれがある。
特許文献4のように、パージ制御時に大気開閉弁を閉じて大気側から空気を導入することなく、吸気負圧を直接的に燃料タンク内に導入することで、燃料タンク内を極めて大きい負圧状態にする手法では、燃料タンク内を密閉した後での昇温による燃料タンク内の高圧化は防止できる。
しかし、特許文献4では、パージ制御時には燃料タンク内と吸気通路側との間は、キャニスタを介して接続した構成となり、この接続構成においては大気側からの空気の導入は全く阻止された状態となっている。
このため、燃料タンク内を高負圧化しようとして燃料タンク内と吸気通路とを接続する際に、最初に燃料タンク内が高圧状態であった場合には、燃料タンク内の高圧気体は他に流れることなく、キャニスタを介して吸気側にそのまま流れ込もうとする。このことにより吸気側に急激な圧力増加が伝達されたり、急激に気体が導入されたりするおそれがある。このため特許文献4の構成により高負圧化する場合にも、内燃機関の出力制御や空燃比制御に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明は、内燃機関停止中において燃料タンク内を密閉できると共に、内燃機関の重量増や高コスト化を招いたり、パージ制御時に吸気通路に急激な圧力変動や急激な気体流入が生じたりすることなく、リーク診断時には燃料タンクやキャニスタへの負圧導入も可能である燃料蒸発処理装置の提供を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の蒸発燃料処理装置では、内燃機関の燃料タンク、キャニスタ、キャニスタと燃料タンクとを接続する蒸発燃料通路、この蒸発燃料通路に設けられた封鎖弁、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、このパージ通路に設けられたパージ制御弁、キャニスタを大気側に接続する大気通路、及びこの大気通路に設けられた大気開閉弁を備えた蒸発燃料処理装置であって、内燃機関運転時に、前記パージ制御弁から前記吸気通路へ前記キャニスタ側の燃料蒸気をパージするパージ制御の実行中に、前記大気開閉弁と前記封鎖弁とを開状態にする燃料タンク負圧化手段と、前記パージ制御が停止すると、前記封鎖弁を閉状態にして燃料タンク内圧を保持する燃料タンク内圧保持手段と、を備えたことを特徴とする。
燃料タンク負圧化手段による燃料タンク内の負圧化は、封鎖弁を開状態とすることで、吸気通路側から、パージ制御弁、パージ通路、キャニスタ、蒸発燃料通路、及び封鎖弁を介して、燃料タンク内に負圧が導入される。更にこの負圧化時においては、大気開閉弁も開弁状態にされている。このため大気通路及び大気開閉弁を介して、負圧状態にあるキャニスタには大気側から空気が流れ込む通路が確保される。
したがって、燃料タンク内への負圧の導入は、大気側から流れ込む空気により、急激な負圧化ではなく、その負圧化は緩慢に進行する。
そしてこのような負圧化を開始する際に、燃料タンク内が昇温により高圧化していた場合には、燃料タンク内の高圧気体による圧力ショックは、封鎖弁、蒸発燃料通路、キャニスタ、パージ通路、及びパージ制御弁を介する吸気通路側への通路と、キャニスタから大気開閉弁及び大気通路を介する大気側への通路との分岐した通路となる。
したがって燃料タンク内の高圧気体の流れる方向は、キャニスタから2つに分かれることから、吸気通路側での急激な圧力変動や急激な気体流入は半減し緩和される。このためパージ制御時において封鎖弁開弁時の吸気量や空燃比の変動は抑制されて、内燃機関に対する高精度な出力制御や空燃比制御が維持できる。
大気開閉弁が開いていることにより大気通路側にも或る程度の高圧気体の流れが生じるが、大気側への影響については問題ない。すなわち燃料蒸気はキャニスタにより吸着されると共に、大気通路側は吸気通路よりも圧力が高いことから、燃料蒸気自体の移動は限定的であり燃料蒸気が大気中に放出されることはない。
このように内燃機関制御へのショックが緩和された状態でなされた燃料タンク負圧化の後にパージ制御が停止すると、燃料タンク内圧保持手段は、封鎖弁を閉状態にして燃料タンク内圧を保持する。このため、内燃機関が停止しても、燃料タンクは内部を負圧化された状態であり、燃料タンクが昇温して、内部の燃料蒸気圧が高圧化しても、燃料タンク内の高圧化は負圧化された分により相殺されることで抑制される。したがって内燃機関停止中において燃料タンク内を密閉できると共に、高圧化の抑制により、燃料タンクの隔壁やシール部位を高強度化する必要はなく、内燃機関の重量増や高コスト化を招くことはない。
しかも封鎖弁、大気開閉弁及びパージ制御弁が存在していることにより、燃料タンクとキャニスタとは独立して密閉可能で有り、負圧導入による燃料タンクやキャニスタのリーク診断が可能な構成は維持されている。
請求項2に記載の蒸発燃料処理装置では、内燃機関の燃料タンク、キャニスタ、キャニスタと燃料タンクとを接続する蒸発燃料通路、この蒸発燃料通路に設けられた封鎖弁、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、このパージ通路に設けられたパージ制御弁、キャニスタを大気側に接続する大気通路、及びこの大気通路に設けられた大気開閉弁を備えた蒸発燃料処理装置であって、内燃機関運転時に、前記パージ制御弁から前記吸気通路へ前記キャニスタ側の燃料蒸気をパージするパージ制御の実行中に、前記大気開閉弁及び前記封鎖弁を開状態にする第1負圧化処理と、この第1負圧化処理後に前記大気開閉弁を閉状態に切り換えることで燃料タンク内圧の負圧化を促進する第2負圧化処理とを実行する燃料タンク負圧化手段と、前記パージ制御が停止すると、前記封鎖弁を閉状態にして前記燃料タンク内圧を保持する燃料タンク内圧保持手段と、を備えたことを特徴とする。
パージ制御時において、燃料タンク負圧化手段は、まず第1負圧化処理を実行する。このことにより前記請求項1に述べたごとくキャニスタからの通路は2つに分かれるため、燃料タンク内の高圧気体による吸気通路側に対する影響は緩和される。
したがって第1負圧化処理時において吸気通路での急激な圧力変化や流入気体の急激な増加は生じることはなく、吸気量や空燃比の変動は抑制されて、内燃機関に対する高精度な出力制御や空燃比制御が維持できる。そして大気通路側への燃料蒸気自体の移動は前記請求項1に述べたごとく限定的であり燃料蒸気が大気中に放出されることはない。
更に燃料タンク負圧化手段は、第1負圧化処理後に、第2負圧化処理として、大気開閉弁を閉状態に切り換えることで大気通路からの空気導入を停止している。このことにより燃料タンク内圧の負圧化を促進し、燃料タンク内を高負圧化している。
第2負圧化処理時には先に第1負圧化処理が行われているので既に燃料タンクの高圧化状態は解消している。したがって大気開閉弁を閉じて大気側からの空気導入なしに、直接、吸気通路の負圧を燃料タンク内に導入する構成に切り換えても、吸気通路での急激な圧力変化や流入気体の急激な増加は生じることはない。
このことにより第2負圧化処理時も内燃機関に対する高精度な出力制御や空燃比制御が維持できる。しかも第2負圧化処理では大気開閉弁は閉じられているので、燃料蒸気が大気中に放出されることは完全に阻止されている。
パージ制御が停止すると、燃料タンク内圧保持手段は、封鎖弁を閉状態にして燃料タンク内圧を保持する。このため、内燃機関が停止しても、燃料タンク内は高度に負圧化された状態であり、燃料タンクが昇温して、内部の燃料蒸気圧が高圧化しても、高度に負圧化された分により十分に相殺されて、燃料タンクの高圧化は十分に抑制される。したがって内燃機関停止中において燃料タンク内を密閉できると共に、高圧化の抑制により、燃料タンクの隔壁やシール部位を高強度化する必要はなく、内燃機関の重量増や高コスト化を招くことはない。
しかも封鎖弁、大気開閉弁及びパージ制御弁が存在していることにより、燃料タンクとキャニスタとは独立して密閉可能で有り、負圧導入による燃料タンクやキャニスタのリーク診断が可能な構成は維持されている。
請求項3に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項1又は2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記燃料タンクの内圧を検出するタンク内圧検出手段が設けられ、前記燃料タンク内圧保持手段は、前記パージ制御が停止した条件と、前記パージ制御中に前記タンク内圧検出手段にて検出された前記内圧が目標負圧に到達した条件との、少なくとも一方の条件が満足された場合に、前記封鎖弁を閉状態にして前記内圧を保持することを特徴とする。
燃料タンク内圧保持手段による封鎖弁を閉状態にして内圧を保持する制御としては、パージ制御が停止した条件のみでなく、パージ制御中においてタンク内圧検出手段にて検出された内圧が目標負圧に到達した条件を論理和条件として加える。
このことにより、パージ制御が停止した際に、燃料タンク内の負圧を保持できると共に、パージ制御中でも目標負圧になれば負圧導入を停止することにより、目標とする適切な負圧状態に燃料タンク内圧を維持することができる。
このことにより、必要以上に燃料タンク内が高負圧化することが防止されて、高負圧化に対応するための燃料タンクの高強度化などの対策も不要となる。
請求項4に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項3に記載の蒸発燃料処理装置において、前記目標負圧は、前記封鎖弁が閉状態にされた状態で、かつ内燃機関運転停止中に生じる温度変化により、前記燃料タンク内圧が大気圧を挟んで上下する範囲を実現する圧力値に設定されていることを特徴とする。
封鎖弁を閉状態にするための目標負圧を設ける場合には、内燃機関運転停止中に生じる温度変化により、封鎖弁を閉状態にした燃料タンク内圧が大気圧を挟んで上下する範囲を実現する圧力値に設定する。
このことにより、内燃機関停止中の燃料タンク内の圧力が、温度変化により過大な高圧となったり、逆に過大な負圧となったりすることがない。このため燃料タンクの高強度化を考慮する要素が極めて少なくなり、高強度化に伴う重量増加を十分に抑制できる。
請求項5に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項3又は4に記載の蒸発燃料処理装置において、前記吸気通路から前記燃料タンクへ導入できる導入可能負圧を、前記パージ制御時のパージ量に基づいて推定する導入負圧推定手段を備えると共に、前記燃料タンク負圧化手段は、前記タンク内圧検出手段にて検出された前記内圧が前記目標負圧より高圧状態にある場合では、前記導入負圧推定手段により推定された前記導入可能負圧が前記タンク内圧検出手段にて検出された前記内圧よりも高圧であるとき、あるいは前記タンク内圧検出手段にて検出された前記内圧が上昇し始めたときには前記封鎖弁を閉状態にし、前記導入負圧推定手段により推定された前記導入可能負圧が前記タンク内圧検出手段にて検出された前記内圧よりも低圧であるときには前記封鎖弁を開状態にすることを特徴とする。
パージ制御中において、燃料タンク内が目標負圧に到達するまで封鎖弁が開状態にされていると、吸気通路側での負圧供給能力が低下した場合には燃料タンク内圧は上昇してしまう。このため直前まで高負圧であったとしても、負圧供給能力が低下した後に、パージ制御が停止すると、高負圧状態を経たにもかかわらず、それよりも不十分な負圧を燃料タンク内に保持してしまう。
これを防止するために燃料タンク負圧化手段は、導入負圧推定手段により推定された導入可能負圧がタンク内圧検出手段にて検出された内圧よりも高圧である場合、あるいはタンク内圧検出手段にて検出した内圧が上昇しはじめた場合に、封鎖弁を閉じる。このことで、負圧供給能力の変動が生じていても、そのときまでの最大の負圧状態を燃料タンク内に保持できる。
その後、パージ制御中に吸気通路側での負圧供給能力が復活して、現在、保持している燃料タンク内圧を、更に低くできる場合がある。
このときは封鎖弁が閉状態にあることから、タンク内圧検出手段ではパージ制御時の吸気通路側から供給される負圧状態は検出できない。したがって導入負圧推定手段により導入可能負圧を推定して、この導入可能負圧がタンク内圧検出手段にて検出された内圧よりも低圧である場合に封鎖弁を開状態にしている。
このことにより燃料タンク内を更に低圧化させて、燃料タンク内圧を目標負圧に近づけることができる。
したがって燃料タンク内圧をそれまでの最大の負圧状態に保持しつつ目標負圧へ移行させることが可能となる。
請求項6に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項5に記載の蒸発燃料処理装置において、前記導入負圧推定手段は、前記大気開閉弁が開状態である場合に、前記キャニスタによる圧力損失、前記大気通路による圧力損失、及び前記大気通路に設けられたフィルタによる圧力損失の少なくとも1つの圧力損失と前記パージ量との関係に基づいて、前記パージ量から前記燃料タンクへ導入できる導入可能負圧を推定することを特徴とする。
燃料タンク負圧化手段により大気開閉弁と封鎖弁とが共に開状態にされると、大気通路から大気が流れ込むことにより、パージ量に比例した気流が、大気通路及びキャニスタ内に生じる。このことにより、キャニスタ、大気通路、この大気通路に設けられたフィルタにおいて圧力損失が生じる。この圧力損失により大気圧よりも低圧が生じて、燃料タンクに対して負圧を供給できる。
したがってこれらの圧力損失の少なくとも1つの圧力損失とパージ量との関係に基づいて、パージ量により燃料タンクへ導入できる導入可能負圧を推定することができる。
実施の形態1のハイブリッド車両における駆動系を示すブロック図。 実施の形態1のECUが実行する燃料タンク内圧負圧化処理のフローチャート。 実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2のECUが実行する燃料タンク内圧負圧化処理のフローチャート。 実施の形態2の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態3のECUが実行する燃料タンク内圧負圧化処理のフローチャート。 実施の形態3の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態4のECUが実行する燃料タンク内圧負圧化処理のフローチャート。 実施の形態4の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態5のECUが実行する燃料タンク内圧負圧化処理のフローチャート。 実施の形態5の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態5の制御の一例を示すタイミングチャート。
[実施の形態1]
〈実施の形態1の構成〉図1は、上述した発明が適用されたハイブリッド車両における駆動系のブロック図である。この駆動系は、内燃機関2と、電動機(後述するモータジェネレータMG1,MG2)とを備えている。この内燃機関2はガソリンエンジンである。内燃機関2は燃料供給系4及び制御系6を備えている。
このハイブリッド車両はプラグイン型ハイブリッド車両である。したがって外部電源8から充電機構10を介してバッテリ12が充電可能とされている。このバッテリ12の電力が、電力制御ユニット14により、モータジェネレータMG2に供給されることにより、モータジェネレータMG2から回転駆動力が出力される。
内燃機関2及びモータジェネレータMG2からの回転駆動力は減速機構16により減速されて、駆動輪18に伝達される。
内燃機関2と減速機構16との間には、動力分割機構20が配置されており、内燃機関2の回転駆動力を、減速機構16側と、発電機としてのもう一つのモータジェネレータMG1側とに分割して供給可能としている。
尚、2つのモータジェネレータMG1,MG2は、それぞれ発電機としても電動モータとしても機能し、必要に応じてその間の機能を切り替えることができる。
内燃機関2の各気筒に対応する吸気ポート22にはそれぞれ燃料噴射弁24が配置されている。これらの燃料噴射弁24には、燃料タンク26内に貯留されている燃料が、燃料ポンプモジュール28により、燃料経路28bを介して圧送されて来る。そして燃料噴射制御により、燃料噴射弁24からは所定のタイミングで吸気中に燃料が噴射され、各気筒に吸入されて燃焼される。このことにより内燃機関2が運転される。
更に燃料ポンプモジュール28に付属する形で燃料温度センサ28aが配置されている。この燃料温度センサ28aにより燃料供給系4の燃料温度、ここでは特に燃料タンク26内の燃料温度Tfを検出している。
燃料供給系4は、内燃機関2への燃料供給機能と蒸発燃料処理機能とを有し、燃料タンク26、キャニスタ36、これらに付属する各種通路、各種弁及び各種ポンプなどから構成されている。
燃料タンク26内には、フロート30aにより燃料タンク26内の燃料液面レベルSGLを検出するためのフューエルセンダーゲージ30が設けられている。燃料タンク26の上部にはタンク内圧センサ32(タンク内圧検出手段に相当)が設けられて、燃料タンク26の上部空間26a内の圧力(タンク内圧Ptf)を検出している。このタンク内圧Ptf(kPa)は実際には大気圧と上部空間26aとの差圧である。
給油時における燃料タンク26内への燃料導入は、フューエルインレットパイプ34から行われる。燃料タンク26の上部空間26aは蒸発燃料通路35によりキャニスタ36に接続されている。蒸発燃料通路35の途中には、燃料タンク26を封鎖するための電磁弁38aとリリーフ弁38bとを並列に備えた封鎖弁38が設けられている。
電磁弁38aは、通電により開弁制御される電磁弁であり、給油時には、電磁弁38aが開弁状態に制御される。このことで燃料タンク26の上部空間26aとキャニスタ36内とが蒸発燃料通路35により連通する。このため給油時には、燃料タンク26の上部空間26aに発生している燃料蒸気はキャニスタ36側へ排出される。そしてキャニスタ36では内部に収納されている活性炭などの吸着材により、その燃料蒸気を吸着する。このことにより燃料蒸気が外部へ漏出しないようにしている。
電磁弁38aが閉弁状態にされている場合、すなわち蒸発燃料通路35が封鎖されて燃料タンク26が密閉されると、燃料タンク26の上部空間26aに発生している燃料蒸気は、リリーフ弁38bが開弁しない限り、キャニスタ36側へは排出されない。
キャニスタ36にはフューエルインレットパイプ34に設けられたフューエルインレットボックス34aに連通する大気通路40が接続されている。この大気通路40には途中にエアフィルタ40aが設けられている。更に大気通路40には、エアフィルタ40aよりもキャニスタ36側の位置に、リーク診断用のポンプモジュール42が設けられている。尚、このリーク診断用のポンプモジュール42に付属して、常開型電磁弁として構成されてキャニスタ36内を大気通路40を介して大気開放したり閉鎖したりする大気開閉弁42aと、キャニスタ36側の内圧Pcを検出する圧力センサ42bとが設けられている。
キャニスタ36は、パージ通路44により、内燃機関2の吸気通路46に接続されている。特に吸入空気量を調節するスロットルバルブ48よりも下流の位置で接続されている。パージ通路44の途中には常閉型電磁弁としてのパージ制御弁50が配置されている。
このパージ制御弁50と大気開閉弁42aとが、内燃機関2の運転時に開弁状態とされることでパージが実行される。すなわち吸気通路46内の吸気負圧がパージ通路44側からキャニスタ36内に導入されることでキャニスタ36内の吸着材から燃料蒸気が離脱して、大気通路40側から導入される空気の気流中に放出される。そして燃料蒸気は、気流に乗ってパージ通路44からパージ制御弁50を通過して吸気通路46内を流れる吸気中に放出される。そしてサージタンク52内に流れ込んだパージ燃料蒸気を含む吸気は、各気筒の吸気ポート22に分配され、燃料噴射弁24から噴射される燃料と共に、各気筒の燃焼室内に流れ込んで燃焼されることになる。
吸気通路46においては、エアフィルタ54とスロットルバルブ48との間にエアフロメータ56が設けられて、内燃機関2に供給される吸入空気量GA(g/sec)を検出している。
内燃機関2から燃焼後の排気を排出する排気通路58には空燃比センサ(あるいは酸素センサ)60が設けられ、空燃比フィードバック制御のために、排気成分から空燃比あるいは酸素濃度を検出している。
この他、車両ドライバーが操作するアクセルペダルに設けられてアクセル開度ACCPを検出するアクセル開度センサ62、内燃機関2のクランク軸の回転数NEを検出する機関回転数センサ64、IGSW(イグニションスイッチ)66、その他のセンサ・スイッチ類が設けられて、それぞれ信号を出力している。他の信号としては、例えば冷却水温、吸気温、車速などが挙げられる。
燃料温度センサ28a、フューエルセンダーゲージ30、スロットル開度センサ48a、エアフロメータ56、空燃比センサ60、アクセル開度センサ62、機関回転数センサ64、IGSW66などの検出信号は、マイクロコンピュータを中心として構成されているECU(電子制御回路)70に入力される。
そして、このような信号データや予め記憶されたり算出されたりするデータに基づいて、ECU70は演算処理を実行して、燃料噴射弁24からの燃料噴射量、スロットルバルブ48の開度TAなどを制御する。
更にECU70は、内燃機関2が運転されている期間においてパージ制御を実行する。このパージ制御処理は、給油に伴って電磁弁38aが開弁されることにより燃料タンク26側から蒸発燃料通路35を介してキャニスタ36側に吸着された燃料蒸気を、内燃機関運転中に吸気通路46に放出する処理である。
このパージ制御処理では、パージ制御弁50の開度をデューティ制御することでパージ率を調節して、キャニスタ36に吸着されている燃料蒸気を、パージ通路44を介して吸気通路46へ放出する。尚、このときにパージされる燃料蒸気の濃度(パージ燃料濃度)は、ECU70が実行する空燃比フィードバック制御における空燃比の制御ずれ量に基づいて、周期的に行われる演算により学習値として求められている。
〈実施の形態1の作用〉次に本実施の形態の作用について、ECU70が実行する燃料タンク内圧負圧化処理(図2)に基づいて説明する。本処理は一定時間周期で繰り返し実行される。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
燃料タンク内圧負圧化処理(図2)を開始すると、まずパージ制御中か否かを判定する(S100)。尚、燃料タンク内圧負圧化処理(図2)において、パージ制御中であるとの判定は、パージ学習がなされている場合には、この学習が完了した後のパージ制御状態を意味する。他の実施の形態においても同じである。
パージ制御中であれば(S100でYES)、封鎖弁38を開状態にし(S102)、大気開閉弁42aを開状態にする(S104)。そして本処理を出る。
以後、パージ制御中である限り(S100でYES)、封鎖弁38の開状態(S102)と大気開閉弁42aの開状態(S104)とが継続する。
このことにより、吸気通路46に生じている負圧が、デューティ制御により開度調節がなされているパージ制御弁50、パージ通路44、キャニスタ36、蒸発燃料通路35及び封鎖弁38を介して、燃料タンク26の上部空間26aに導入される。
本実施の形態では封鎖弁38を開弁状態にする際には、大気開閉弁42aも開状態になっている。このことから燃料タンク26内の燃料温度が上昇していて上部空間26aの圧力が大気圧よりも高圧化していても、その圧力や気流は、キャニスタ36内にてパージ通路44側と大気通路40側との二つに分岐して伝達される。
このことにより、パージ制御の初期においてパージ通路44から吸気通路46へ向かってなされる急激な圧力変動や急激な気体流入が抑制される。
そしてその後のバージ制御時において負圧導入が継続し、図3のタイミングチャートに示すごとく、パージ制御中(t0〜t1,t2〜t3)は、燃料タンク26内の圧力は次第に低下し負圧化する。そして最終的には、パージ流量(パージ通路44から吸気通路46へ放出される気体流量)に対応する大気通路40内での圧力損失、エアフィルタ40aによる圧力損失、及びキャニスタ36内での圧力損失の合計により決定される負圧レベルに収束する(ここではt3直前)。
パージ制御中では無い場合(t0以前,t1〜t2,t3〜)には(S100でNO)、封鎖弁38を閉状態にし(S106)、大気開閉弁42aを開状態にする(S108)。上述したごとく本実施の形態ではパージ制御中に大気開閉弁42aを閉じることなく開状態のままにしていることから、大気開閉弁42aについてはパージ制御が終了しても開状態が継続することになる。
以後は、タイミングt0,t2と同様にパージ制御が再開されるタイミングに(S100でYES)、封鎖弁38と大気開閉弁42aとが共に開状態にされる(S102,S104)。
尚、内燃機関2が停止し給油が行われるタイミングにおいては、別途、行われる給油時処理により、封鎖弁38と大気開閉弁42aとが共に開状態とされる。
内燃機関2が停止した場合(ここではt3〜)、この後は、上述したごとく給油時以外では、封鎖弁38は閉状態に維持され、大気開閉弁42aは開状態に維持される。この状態で、気温や日照により燃料タンク26に温度変化が生じて、内部にある燃料の蒸気圧が変化する。このことにより図4のタイミングチャートにおいて、タイミングt3以降に示すごとく、タンク内圧Ptfが変動する。このことでタンク内圧Ptfが大気圧よりも高くなる期間(t4〜t5,t6〜t7)も発生する。
しかしタイミングt3以前に、内燃機関2の運転中において燃料タンク26内を負圧になるように制御し、その負圧を保持している。このため、燃料タンク26内が大気圧になるように制御している従来の場合(図4の破線)に比較して、保持した負圧により昇圧の全部又は一部が相殺される。したがって燃料タンク26内が大気圧よりも過大な高圧になることがない。
更に負圧の程度も、大気開閉弁42aを開けた状態で、燃料タンク26内に吸気通路46側の負圧を導入しているため、過大な負圧にはならない。
〈実施の形態1と請求項との関係〉上述した構成において、燃料供給系4とECU70との組み合わせが蒸発燃料処理装置に、ECU70が燃料タンク負圧化手段及び燃料タンク内圧保持手段に相当する。燃料タンク内圧負圧化処理(図2)のステップS100〜S104が燃料タンク負圧化手段としての処理に、ステップS100,S106が燃料タンク内圧保持手段としての処理に相当する。
〈実施の形態1の効果〉(1)燃料タンク内圧負圧化処理(図2)では、上述したごとく封鎖弁38を介して燃料タンク26内に負圧を導入する際には、大気開閉弁42aは開状態にしている(S104)。このため燃料タンク26内への負圧の導入は、大気側から流れ込む空気により急激な負圧化とならずに負圧化は緩慢に進行する。
このような負圧化を開始する際に、燃料タンク26内が昇温により高圧化していた場合には、大気開閉弁42aが開状態であることにより、パージ通路44から吸気通路46へ向かってなされる急激な圧力変動の伝達や急激な気体流入は抑制される。
このことによりパージ制御の開始時において吸気通路46での吸気量や空燃比の変動が抑制され、内燃機関2に対する高精度な出力制御や空燃比制御が維持できる。
大気開閉弁42aが開状態であることによりキャニスタ36から大気通路40側へ、燃料タンク26内の高圧気体が流れたとしても、キャニスタ36で燃料蒸気が吸着されると共に、大気側では吸気通路46側よりも圧力が高いことから、燃料蒸気自体の移動は限定的であり燃料蒸気が大気中に放出されることはない。
このように内燃機関制御へのショックが緩和された状態で開始された燃料タンク26の負圧化処理の後にパージ制御が停止すると、封鎖弁38を閉状態にして(S106)、タンク内圧Ptfを保持する。このため、内燃機関2が停止しても、燃料タンク26内は負圧状態であり、その後に燃料タンク26が昇温して、内部の燃料蒸気圧が高圧化しても、燃料タンク26内の高圧化は、負圧化された分により相殺されることで抑制される。
したがって内燃機関2の停止中において燃料タンク26内を密閉できると共に、高圧化が抑制されることにより、燃料タンク26の隔壁やシール部位を高強度化する必要はなく、内燃機関2の重量増や高コスト化を招くことはない。
(2)しかも蒸発燃料通路35、大気通路40及びパージ通路44に、封鎖弁38、大気開閉弁42a及びパージ制御弁50が存在していることにより、燃料タンク26及びキャニスタ36がそれぞれ独立して密閉可能となっている。
このため前述したごとくリーク診断用のポンプモジュール42からの負圧導入による燃料タンク26及びキャニスタ36に対するリーク診断が可能な構成は維持されている。
[実施の形態2]
〈実施の形態2の構成〉本実施の形態では、前記実施の形態1にて述べた燃料タンク内圧負圧化処理(図2)の代わりに、ECU70は図5に示す燃料タンク内圧負圧化処理を実行する。他の構成は前記実施の形態1と同じであり、前記図1を参照して説明する。
〈実施の形態2の作用〉本実施の形態の作用について、燃料タンク内圧負圧化処理(図5)に基づいて説明する。本処理は一定時間周期で繰り返し実行される。
燃料タンク内圧負圧化処理(図5)を開始すると、まずパージ制御中か否かを判定する(S200)。パージ制御中であれば(S200でYES)、次にタンク内圧センサ32が検出するタンク内圧Ptfが目標負圧を表す圧力値Ptgt(<0kPa)より高いか否かを判定する(S201)。高ければ(Ptf>Ptgt:S201でYES)、未だタンク内圧Ptfは目標負圧に到達していないので、封鎖弁38を開状態とし(S202)、大気開閉弁42aを開状態とする(S204)。そして本処理を出る。
以後、パージ制御中で(S200でYES)、かつPtf>Ptgtである限り(S201でYES)、封鎖弁38の開状態(S202)と大気開閉弁42aの開状態(S204)とが継続する。
このことによりパージ制御弁50、パージ通路44、キャニスタ36、蒸発燃料通路35及び封鎖弁38を介して、吸気通路46側の負圧が燃料タンク26の上部空間26aに導入される。
このとき前記実施の形態1にて述べたごとく、大気開閉弁42aは開状態にしているので、パージ制御の初期に燃料タンク26内が高圧であってもその影響は、キャニスタ36内にてパージ通路44側と大気通路40側との二つに分岐する。このことでパージ通路44から吸気通路46へ向かってなされる急激な圧力変動伝達や急激な気体流入が抑制される。
そしてその後のバージ制御の継続により負圧導入が継続して、図6のタイミングチャートに示すごとく、パージ制御中(t10〜t11)は、燃料タンク26内の圧力は次第に低下し負圧化する。
内燃機関2の停止などでパージ制御が終了する(t11〜t12)と(S200でNO)、封鎖弁38を閉状態にし(S206)、大気開閉弁42aは開状態とする(S208)。このことでタンク内圧Ptfは保持される。
この後、パージ制御が再開されるタイミングt12で(S200でYES)、Ptf>Ptgtであれば(S201でYES)、封鎖弁38と大気開閉弁42aとを開状態にする(S202,S204)。
このようなパージ制御中における吸気通路46からの負圧の導入継続により、タンク内圧Ptfが目標負圧を表す圧力値Ptgt以下となると(S201でNO:t13)、直ちに封鎖弁38を閉状態にし(S206)、大気開閉弁42aは開状態に維持する(S208)。
このため、パージ制御中(t12〜t14)であっても、燃料タンク26内へのこれ以上の負圧の導入は阻止されて、燃料タンク26内が圧力値Ptgtを下回る過大な負圧となるのが防止される。
以後、内燃機関2が停止した場合には(t14〜)、パージ制御を停止する(S200でNO)。このため封鎖弁38の閉状態(S206)と、大気開閉弁42aの開状態(S208)とが継続する。
以後は、上述したごとく給油時以外では封鎖弁38は閉状態に維持され、大気開閉弁42aは開状態に維持される。この状態で燃料タンク26に対して温度変化が生じると内部にある燃料の蒸気圧が変化する。このことにより図4に示した状態と同様に、タンク内圧Ptfの変動が生じる。しかし内燃機関2の停止までに、燃料タンク26内を目標負圧(圧力値Ptgt)になるように制御していることから、燃料タンク26内を大気圧に制御している従来の場合(図4の破線)に比較して、負圧の相殺分により、タンク内圧Ptfは大気圧に比較して過大な高圧になることはない。
更に負圧の程度も、特に目標負圧(圧力値Ptgt)を設定していることから、過大な負圧にはならない。
〈実施の形態2と請求項との関係〉上述した構成において、燃料供給系4とECU70との組み合わせが蒸発燃料処理装置に、ECU70が燃料タンク負圧化手段及び燃料タンク内圧保持手段に相当する。燃料タンク内圧負圧化処理(図5)のステップS200〜S204が燃料タンク負圧化手段としての処理に、ステップS200,S201,S206が燃料タンク内圧保持手段としての処理に相当する。
〈実施の形態2の効果〉(1)前記実施の形態1の効果を生じると共に、目標負圧(圧力値Ptgt)を設定していることから、過大な負圧が確実に防止でき、負圧側についても燃料タンク26の隔壁やシール部位を高強度化する必要はなく、内燃機関2の重量増や高コスト化を招くことはない。
[実施の形態3]
〈実施の形態3の構成〉本実施の形態では、前記実施の形態1にて述べた燃料タンク内圧負圧化処理(図2)の代わりに、ECU70は図7に示す燃料タンク内圧負圧化処理を実行する。他の構成は前記実施の形態1と同じであり、前記図1を参照して説明する。
〈実施の形態3の作用〉本実施の形態の作用について、燃料タンク内圧負圧化処理(図7)に基づいて説明する。本処理は一定時間周期で繰り返し実行される。
燃料タンク内圧負圧化処理(図7)を開始すると、まずパージ制御中か否かを判定する(S300)。パージ制御中であれば(S300でYES)、次にタンク内圧センサ32が検出するタンク内圧Ptfが所定圧力Pxより高いか否かを判定する(S301)。
この所定圧力Pxは大気圧よりも低い圧力、すなわち負圧側に設定されており、封鎖弁38と共に大気開閉弁42aを開状態にしていても十分に達成されるタンク内圧Ptfが設定されている。この所定圧力Pxは燃料供給系4の構成に対応した適切な値を予め設定しても良く、あるいは内燃機関2の負荷状態に応じて動的に設定しても良い。
タンク内圧Ptfが所定圧力Pxより高ければ(Ptf>Px:S301でYES)、大気開閉弁42aを開状態とし(S302)、封鎖弁38を開状態として(S304)、本処理を出る。
以後、パージ制御中で(S300でYES)、かつPtf>Pxである限り(S301でYES)、大気開閉弁42aの開状態(S302)と封鎖弁38の開状態(S304)とが継続する。
このことによりパージ制御弁50、パージ通路44、キャニスタ36、蒸発燃料通路35及び封鎖弁38を介して、吸気通路46側の負圧が燃料タンク26の上部空間26aに導入される。このとき前記実施の形態1にて述べたごとく、大気開閉弁42aは開状態であるので、タンク内圧Ptfが高圧であっても、吸気通路46での急激な圧力変動や急激な気体流入が防止される。
その後のバージ制御の継続により負圧導入が継続して、図8のタイミングチャートに示すごとく、燃料タンク26内の圧力は次第に負圧化する(t20〜t21)。
このように穏やかに低下するタンク内圧Ptfが所定圧力Pxに到達するとPtf≦Pxとなることから(S301でNO:t21)、大気開閉弁42aを閉じ(S306)、封鎖弁38は開状態としたままで(S304)、本処理を出る。
このように大気開閉弁42aが閉状態となったことにより、大気通路40側からキャニスタ36内への大気導入が停止することから、パージ制御による吸気通路46から燃料タンク26内への負圧導入は直接的なものとなる。したがってそれまで(t20〜t21)よりも負圧化の速度が高まる(t21〜t22)。
図8では、負圧化速度が高くなった状態で、パージ制御が一旦停止している(S300でNO:t22〜t23)ので、封鎖弁38は閉状態にされ(S308)、大気開閉弁42aは開状態にされる(S310)。
次にパージ制御が開始されたときには(S300でYES:t23)、Ptf<Pxの状態が維持されているとすると(S301でNO)、大気開閉弁42aは閉状態(S306)、封鎖弁38は開状態にされる(S304)。
このように大気開閉弁42aは閉状態とされるため、前述したごとく負圧化は促進されて更に高負圧に向かってタンク内圧Ptfは低下する(t23〜t24)。
このときの負圧化開始時(t23)においては、タンク内圧Ptfは大気圧よりも低圧化(<Px)している。このためパージ制御開始時においては吸気通路46での急激な圧力変動や急激な気体流入を生じさせることはない。
以後、内燃機関2が停止した場合には(t24〜)、パージ制御は停止するため(S300でNO)、封鎖弁38は閉状態となり(S308)、大気開閉弁42aは開状態となる(S310)。
以後は、上述したごとく給油時以外では封鎖弁38の閉状態及び大気開閉弁42aの開状態が維持される。この状態で燃料タンク26に温度変化が生じて、内部にある燃料の蒸気圧が変化する。このことにより本実施の形態の場合には、前記実施の形態1の図4に実線にて示したタンク内圧Ptfの変動よりも更に低下した位置でのタンク内圧Ptfの変動が生じる。
この場合も、高圧側については、保持した負圧により相殺される。特に負圧が早期に確実に得られるので、温度変化により過大な高圧になることが確実に防止される。
〈実施の形態3と請求項との関係〉上述した構成において、燃料供給系4とECU70との組み合わせが蒸発燃料処理装置に、ECU70が燃料タンク負圧化手段及び燃料タンク内圧保持手段に相当する。燃料タンク内圧負圧化処理(図7)のステップS300〜S306が燃料タンク負圧化手段としての処理に、ステップS300,S308が燃料タンク内圧保持手段としての処理に相当する。ステップS302,S304が第1負圧化処理に、ステップS306,S304が第2負圧化処理に相当する。
〈実施の形態3の効果〉(1)燃料タンク26内を負圧化する場合、その初期に第1負圧化処理(S302,S304)を実行することで前記実施の形態1の効果を生じる。
更に第1負圧化処理後に、第2負圧化処理(S306,S304)を実行する。このことで、前記実施の形態1の効果を維持しつつ、大気開閉弁42aが開状態では負圧化が不十分であった場合も、十分な負圧を燃料タンク26内に発生させ、その後、封鎖弁38の閉弁(S308)により保持させることができる。
[実施の形態4]
〈実施の形態4の構成〉本実施の形態では、前記実施の形態1にて述べた燃料タンク内圧負圧化処理(図2)の代わりに、ECU70は図9に示す燃料タンク内圧負圧化処理を実行する。他の構成は前記実施の形態1と同じであり、前記図1を参照して説明する。
〈実施の形態4の作用〉本実施の形態の作用について、燃料タンク内圧負圧化処理(図9)に基づいて説明する。本処理は一定時間周期で繰り返し実行される。
燃料タンク内圧負圧化処理(図9)を開始すると、まずパージ制御中か否かを判定する(S400)。パージ制御中であれば(S400でYES)、次にタンク内圧センサ32が検出するタンク内圧Ptfが所定圧力Pxより高いか否かを判定する(S401)。この所定圧力Pxは前記実施の形態3にて説明したごとくである。
タンク内圧Ptfが所定圧力Pxより高ければ(Ptf>Px:S401でYES)、大気開閉弁42aを開状態にし(S402)、封鎖弁38を開状態にして(S403)、本処理を出る。
以後、パージ制御中で(S400でYES)、かつPtf>Pxである限り(S401でYES)、大気開閉弁42aの開状態(S402)と封鎖弁38の開状態(S403)とが継続する。
このことによりパージ制御弁50、パージ通路44、キャニスタ36、蒸発燃料通路35及び封鎖弁38を介して、吸気通路46側の負圧が燃料タンク26の上部空間26aに導入される。このとき前記実施の形態1にて述べたごとく、大気開閉弁42aは開状態であるので、タンク内圧Ptfが高圧であっても吸気通路46での急激な圧力変動や急激な気体流入は防止される。
その後のバージ制御の継続により負圧導入が継続して、図10のタイミングチャートに示すごとく、燃料タンク26内の圧力は次第に負圧化する(t30〜t31)。
このように穏やかに低下するタンク内圧Ptfが所定圧力Pxに到達するとPtf≦Pxとなることから(S401でNO)、次にタンク内圧Ptfが目標負圧を示す圧力値Ptgtより高いか否かを判定する(S404)。
ここでタンク内圧Ptfが圧力値Ptgtに達していなければPtf>Ptgtであることから(S404でYES)、大気開閉弁42aを閉じて(S406)、封鎖弁38は開状態としたままで(S403)、本処理を出る。
このように大気開閉弁42aが閉じられたことにより、大気通路40側からキャニスタ36内への大気の導入が停止することから、パージ制御による吸気通路46から燃料タンク26内への負圧導入は直接的なものとなり、それまで(t30〜t31)よりも負圧化の速度が高まる(t31〜t32)。
燃料タンク26内の負圧化速度が高まることにより、図10に示すごとく、タンク内圧Ptfは早期に目標負圧(圧力値Ptgt)に到達する(t32)。こうしてPtf≦Ptgtとなるので(S404でNO)、封鎖弁38を閉じ(S408)、大気開閉弁42aを開く(S410)。
以後、パージ制御が停止しても(S400でNO:t33)、封鎖弁38は閉状態(S408)、大気開閉弁42aは開状態(S410)のままである。その後も、パージ制御が停止されている間は(t33〜t34)は、封鎖弁38は閉状態(S408)、大気開閉弁42aは開状態(S410)が維持される。
その後、再度パージ制御が開始される(S400でYES:t34〜t35)。このときに、タンク内圧Ptfは目標負圧(圧力値Ptgt)以下の状態を維持しているとすると(S401でNO,S404でNO)、封鎖弁38は閉状態(S408)、大気開閉弁42aは開状態(S410)が維持される。
尚、パージ制御再開時に、タンク内圧Ptfが目標負圧(圧力値Ptgt)より高くなっていれば(S404でYES)、大気開閉弁42aを閉弁状態とし(S406)、封鎖弁38を開弁状態にして(S403)、早期に目標負圧を達成させることになる。
又、タンク内圧Ptfが所定圧力Pxよりも高くなっていた場合には(S401でYES)、大気開閉弁42aと封鎖弁38とを共に開弁状態にして(S402,S403)、吸気通路46での急激な圧力変動や急激な気体流入を防止しつつ、燃料タンク26内の減圧を行うことになる。
以後、内燃機関2の停止などによりパージ制御が終了した場合も(t35:S400NO)、封鎖弁38は閉状態(S408)、大気開閉弁42aは開状態(S410)が維持される。
以後は、給油時以外では封鎖弁38の閉状態及び大気開閉弁42aの開状態が維持される。この状態で燃料タンク26に対して温度変化が生じて燃料蒸気圧が変化しても。前記実施の形態2にて説明したごとく、目標負圧(圧力値Ptgt)を設定していることから、大気圧に比較して過大な高圧や過大な負圧になることはない。
〈実施の形態4と請求項との関係〉上述した構成において、燃料供給系4とECU70との組み合わせが蒸発燃料処理装置に、ECU70が燃料タンク負圧化手段及び燃料タンク内圧保持手段に相当する。燃料タンク内圧負圧化処理(図9)のステップS400〜S406が燃料タンク負圧化手段としての処理に、ステップS400,S404,S408が燃料タンク内圧保持手段としての処理に相当する。ステップS402,S403が第1負圧化処理に、ステップS406,S403が第2負圧化処理に相当する。
〈実施の形態4の効果〉(1)前記実施の形態2及び前記実施の形態3の効果を生じる。
[実施の形態5]
〈実施の形態5の構成〉本実施の形態では、前記実施の形態1にて述べた燃料タンク内圧負圧化処理(図2)の代わりに、ECU70は図11に示す燃料タンク内圧負圧化処理を実行する。他の構成は前記実施の形態1と同じであり、前記図1を参照して説明する。
〈実施の形態5の作用〉本実施の形態の作用について、燃料タンク内圧負圧化処理(図11)に基づいて説明する。本処理は一定時間周期で繰り返し実行される。
燃料タンク内圧負圧化処理(図11)を開始すると、まずパージ制御中か否かを判定する(S500)。パージ制御中であれば(S500でYES)、次にタンク内圧センサ32が検出するタンク内圧Ptfが目標負圧を表す圧力値Ptgtより高いか否かを判定する(S501)。高ければ(Ptf>Ptgt:S501でYES)、大気開閉弁42aを開状態にする(S502)。
次に、ここで封鎖弁38を開状態にした場合に燃料タンク26へ供給できる推定供給圧力Ps(導入可能負圧に相当)を、パージ通路44から吸気通路46に放出されているパージ量に基づいてマップMAPから求める(S503)。
大気開閉弁42aと封鎖弁38とを共に開状態にした場合には、キャニスタ36を大気側に接続する大気通路40からキャニスタ36内に大気が流れ込む。このことにより、パージ量に比例した気流が、大気通路40及びキャニスタ36内に生じる。このことにより、キャニスタ36、大気通路40、この大気通路40に設けられたエアフィルタ40aにおいて圧力損失が生じる。この圧力損失が大気圧よりも低圧を生じることで、燃料タンク26に対して負圧を供給できる。
したがってパージ量とこれらの圧力損失の少なくとも1つとの関係に基づいて、パージ量から燃料タンク26へ導入できる導入可能負圧を推定することができる。パージ量は、エアフロメータ56により検出している吸気量と、パージ制御にて調節されているパージ率との積から求める。
本実施の形態では、パージ量と圧力損失との関係を表すマップMAPを備えている。このマップMAPは3つのマップMAP1,MAP2,MAP3から構成されている。
第1マップMAP1は、パージ量に基づいて大気通路40により生じる圧力損失Pd1を算出するためのマップである。第2マップMAP2は、パージ量に基づいてエアフィルタ40aにより生じる圧力損失Pd2を算出するためのマップである。第3マップMAP3は、パージ量に基づいてキャニスタ36内において蒸発燃料通路35が接続している部分に生じる圧力損失Pd3を算出するためのマップである。
このようにパージ量に基づいて3つのマップMAP1,MAP2,MAP3から求められる3つの圧力損失Pd1,Pd2,Pd3の合計が、推定供給圧力Psとして設定される。
次に現在、タンク内圧センサ32が検出しているタンク内圧Ptfが推定供給圧力Psよりも高いか否かを判定する(S504)。タンク内圧Ptfが推定供給圧力Psより高ければ(Ptf>Ps:S504でYES)、推定供給圧力Psにより、タンク内圧Ptfは更に負圧化できるので、封鎖弁38を開状態にする(S505)。そして本処理を出る。
以後、パージ制御中に(S500でYES)、Ptf>Ptgt(S501でYES)、及びPtf>Ps(S504でYES)である限り、大気開閉弁42aの開状態(S502)と封鎖弁38の開状態(S505)とが継続する(図12ではタイミングt40〜t41に相当)。
このことによりパージ制御弁50、パージ通路44、キャニスタ36、蒸発燃料通路35及び封鎖弁38を介して、吸気通路46側の負圧が燃料タンク26の上部空間26aに導入される。
このとき前記実施の形態1にて述べたごとく、大気開閉弁42aも開状態であることから、燃料タンク26内が高圧であったとしても、吸気通路46での急激な圧力変動や急激な気体流入が防止される。
その後のバージ制御の継続により負圧導入が継続し、燃料タンク26内の圧力は次第に低圧化し負圧化する(t40〜t41)。
ここでタンク内圧Ptfの低下と共に、パージ量が減少することで推定供給圧力Psが上昇して、タンク内圧Ptfが推定供給圧力Ps以下となると、Ptf≦Psであるため(S504でNO)、封鎖弁38を閉状態とする(S506:t41)。
以後、パージ制御中に(S500でYES)、Ptf>Ptgt(S501でYES)であっても、Ptf≦Ps(S504でNO)である場合は、封鎖弁38は閉状態が維持されて(S506)、燃料タンク26は密閉状態となる。
したがって燃料タンク26内の負圧は維持され、推定供給圧力Psに応じて上昇することはない(t41〜t42)。
その後、パージ量が増加することで推定供給圧力Psが低下し、タンク内圧Ptfよりも推定供給圧力Psが低くなると、Ptf>Psとなる(S504でYES)。このため封鎖弁38を開状態(S505:t42)とする。
以後、パージ制御中に(S500でYES)、Ptf>Ptgt(S501でYES)及びPtf>Ps(S504でYES)であれば、封鎖弁38は開状態が維持される(S505)。このため再度、タンク内圧Ptfは目標負圧(圧力値Ptgt)に向けて次第に低下してゆく(t42〜t43)。
そしてタンク内圧Ptfが目標負圧(圧力値Ptgt)に到達すると(t43)、Ptf≦Ptgtであるので(S501でNO)、封鎖弁38は閉状態にされ(S508)、大気開閉弁42aは開状態にされる(S510)。したがってPtf>Psであるが、燃料タンク26は密閉されて、タンク内圧Ptfは保持される(t43〜t44)。
内燃機関2が停止してパージ制御が終了すると(S500でNO:t44)、封鎖弁38の閉状態(S508)と、大気開閉弁42aの開状態(S510)は維持される。
以後は、給油時以外では封鎖弁38は閉状態に維持され、大気開閉弁42aは開状態に維持される。この状態で燃料タンク26に温度変化が生じて燃料蒸気圧が変化するが、前記図4に示した状態と同様に、タンク内圧Ptfの変動は負圧により相殺されて大気圧に比較して過大な高圧になることはない。
更に負圧の程度も、大気開閉弁42aを開けた状態で、燃料タンク26内に吸気通路46側の負圧を導入していることと、目標負圧(圧力値Ptgt)を設定していることから、過大な負圧にはならない。
尚、図13では、パージ制御中(t50〜t52)においてPtf≦Psの状態(S504でNO:t51)となることで封鎖弁38を閉じる(S506:t51〜t52)と共に、この状態でパージ制御が停止した場合(t52)を示している。この場合には、タンク内圧Ptfは、パージ制御が停止した際に吸気通路46側から導入されている負圧ではなく、今回の負圧化処理にて得られている最大の負圧状態を内部に維持している。
〈実施の形態5と請求項との関係〉上述した構成において、燃料供給系4とECU70との組み合わせが蒸発燃料処理装置に、ECU70が燃料タンク負圧化手段、燃料タンク内圧保持手段及び導入負圧推定手段に相当する。燃料タンク内圧負圧化処理(図11)のステップS500〜S502,S504〜S506が燃料タンク負圧化手段としての処理に、ステップS500,S501,S508が燃料タンク内圧保持手段としての処理に、ステップS503が導入負圧推定手段としての処理に相当する。
〈実施の形態5の効果〉(1)前記実施の形態2の効果を生じる。
(2)前記実施の形態2のごとく、パージ制御中において燃料タンク26内が目標負圧(圧力値Ptgt)に到達するまで封鎖弁38が開状態にされていると、吸気通路46側の負圧供給能力が低下した場合にはタンク内圧Ptfは上昇してしまう。このため既に燃料タンク26内が高負圧であったとしても、負圧供給能力が低下した後にパージ制御が停止すると、高負圧状態を経たにもかかわらず、それよりも不十分な負圧を燃料タンク26内に保持してしまうおそれがある。
これを防止するために、本実施の形態ではパージ量に基づいてマップMAP1,MAP2,MAP3から推定供給圧力Psを求め、この推定供給圧力Psがタンク内圧Ptfよりも高圧である場合(S504でNO)には、封鎖弁38を閉じることで(S506)、そのときの最大の負圧状態を燃料タンク26内に保持できる。
その後、パージ制御中に吸気通路46側での負圧供給能力が復活して、現在、保持しているタンク内圧Ptfを更に低下できる場合がある。このことを前記図12に示したごとく推定供給圧力Psにて判定して(S504でYES:t42)、封鎖弁38を開状態にしている(S505)。このことにより燃料タンク26内を更に低圧化させて、タンク内圧Ptfを目標負圧(圧力値Ptgt)に早期に近づけることができる。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態5において、推定供給圧力Psは、パージ量に基づいて3つのマップMAP1,MAP2,MAP3から求められる3つの圧力損失Pd1,Pd2,Pd3の合計として設定されていた。この代わりに、パージ量に基づいて、いずれか1つのマップMAP1,MAP2,MAP3から圧力損失Pd1,Pd2,Pd3のうちの1つの圧力損失を算出して、これを代表値として用いても良い。
すなわち図11のステップS503では圧力損失Pd1,Pd2,Pd3のうちの1つの圧力損失に対して、係数を乗算することにより推定供給圧力Psを求め、この推定供給圧力Psとタンク内圧Ptfとを、図11のステップS504にて比較しても良い。
・前記図11のステップS504の判定において、封鎖弁38を開状態から閉状態にするタイミング(S504にてNO)では、このときまで封鎖弁38は開弁状態であり吸気通路46側の負圧供給能力は、タンク内圧センサ32により検出できている。このように封鎖弁38が開弁状態にある場合の推定供給圧力Psは、タンク内圧Ptfの値に反映されているので、この場合にはタンク内圧Ptfの上昇変化に応じて、ステップS506の実行を判定しても良い。すなわちタンク内圧Ptfが上昇し始めたときには(S504でNO)、封鎖弁38を閉じる(S506)ようにしても良い。
・図11の処理に対して、図9のごとく所定圧力Pxによるタンク内圧Ptfの判定を付加して、Ptf>Pxの場合には、大気開閉弁42aを閉じて、負圧化を早期に完了させるようにしても良い。
・車両はプラグイン型ハイブリッド車両でなく、通常のハイブリッド車でも良い。
2…内燃機関、4…燃料供給系、6…制御系、8…外部電源、10…充電機構、12…バッテリ、14…電力制御ユニット、16…減速機構、18…駆動輪、20…動力分割機構、22…吸気ポート、24…燃料噴射弁、26…燃料タンク、26a…上部空間、28…燃料ポンプモジュール、28a…燃料温度センサ、28b…燃料経路、30…フューエルセンダーゲージ、30a…フロート、32…タンク内圧センサ、34…フューエルインレットパイプ、34a…フューエルインレットボックス、35…蒸発燃料通路、36…キャニスタ、38…封鎖弁、38a…電磁弁、38b…リリーフ弁、40…大気通路、40a…エアフィルタ、42…リーク診断用のポンプモジュール、42a…大気開閉弁、42b…圧力センサ、44…パージ通路、46…吸気通路、48…スロットルバルブ、48a…スロットル開度センサ、50…パージ制御弁、52…サージタンク、54…エアフィルタ、56…エアフロメータ、58…排気通路、60…空燃比センサ、62…アクセル開度センサ、64…機関回転数センサ、66…イグニションスイッチ、70…ECU、MG1,MG2…モータジェネレータ。

Claims (6)

  1. 内燃機関の燃料タンク、キャニスタ、キャニスタと燃料タンクとを接続する蒸発燃料通路、この蒸発燃料通路に設けられた封鎖弁、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、このパージ通路に設けられたパージ制御弁、キャニスタを大気側に接続する大気通路、及びこの大気通路に設けられた大気開閉弁を備えた蒸発燃料処理装置であって、
    内燃機関運転時に、前記パージ制御弁から前記吸気通路へ前記キャニスタ側の燃料蒸気をパージするパージ制御の実行中に、前記大気開閉弁と前記封鎖弁とを開状態にする燃料タンク負圧化手段と、
    前記パージ制御が停止すると、前記封鎖弁を閉状態にして燃料タンク内圧を保持する燃料タンク内圧保持手段と、
    を備えたことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 内燃機関の燃料タンク、キャニスタ、キャニスタと燃料タンクとを接続する蒸発燃料通路、この蒸発燃料通路に設けられた封鎖弁、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、このパージ通路に設けられたパージ制御弁、キャニスタを大気側に接続する大気通路、及びこの大気通路に設けられた大気開閉弁を備えた蒸発燃料処理装置であって、
    内燃機関運転時に、前記パージ制御弁から前記吸気通路へ前記キャニスタ側の燃料蒸気をパージするパージ制御の実行中に、前記大気開閉弁及び前記封鎖弁を開状態にする第1負圧化処理と、この第1負圧化処理後に前記大気開閉弁を閉状態に切り換えることで燃料タンク内圧の負圧化を促進する第2負圧化処理とを実行する燃料タンク負圧化手段と、
    前記パージ制御が停止すると、前記封鎖弁を閉状態にして前記燃料タンク内圧を保持する燃料タンク内圧保持手段と、
    を備えたことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記燃料タンクの内圧を検出するタンク内圧検出手段が設けられ、
    前記燃料タンク内圧保持手段は、前記パージ制御が停止した条件と、前記パージ制御中に前記タンク内圧検出手段にて検出された前記内圧が目標負圧に到達した条件との、少なくとも一方の条件が満足された場合に、前記封鎖弁を閉状態にして前記内圧を保持することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  4. 請求項3に記載の蒸発燃料処理装置において、前記目標負圧は、前記封鎖弁が閉状態にされた状態で、かつ内燃機関運転停止中に生じる温度変化により、前記燃料タンク内圧が大気圧を挟んで上下する範囲を実現する圧力値に設定されていることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  5. 請求項3又は4に記載の蒸発燃料処理装置において、前記吸気通路から前記燃料タンクへ導入できる導入可能負圧を、前記パージ制御時のパージ量に基づいて推定する導入負圧推定手段を備えると共に、
    前記燃料タンク負圧化手段は、前記タンク内圧検出手段にて検出された前記内圧が前記目標負圧より高圧状態にある場合では、前記導入負圧推定手段により推定された前記導入可能負圧が前記タンク内圧検出手段にて検出された前記内圧よりも高圧であるとき、あるいは前記タンク内圧検出手段にて検出された前記内圧が上昇し始めたときには前記封鎖弁を閉状態にし、前記導入負圧推定手段により推定された前記導入可能負圧が前記タンク内圧検出手段にて検出された前記内圧よりも低圧であるときには前記封鎖弁を開状態にすることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  6. 請求項5に記載の蒸発燃料処理装置において、前記導入負圧推定手段は、前記大気開閉弁が開状態である場合に、前記キャニスタによる圧力損失、前記大気通路による圧力損失、及び前記大気通路に設けられたフィルタによる圧力損失の少なくとも1つの圧力損失と前記パージ量との関係に基づいて、前記パージ量から前記燃料タンクへ導入できる導入可能負圧を推定することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
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