JP2004301027A - エバポガスパージシステムのリーク診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン運転中に実行する負圧ポンプ式のリーク診断の実行時間を短縮化できるようにする。
【解決手段】エンジン運転中にリーク診断実行条件が成立した時点で負圧ポンプにより基準圧力検出部内に負圧を導入して該基準圧力検出部内の圧力を基準圧力として検出する。その後、通路切換弁を切り換えて負圧ポンプにより燃料タンクを含むエバポ系内に負圧を導入すると共に、この負圧ポンプによる負圧導入と並行して、パージ制御弁を開弁してエバポ系内に吸気管負圧を導入してエバポ系内の圧力を速やかに低下させる。そして、エバポ系内の圧力が基準圧力に至る手前で吸気管負圧の導入を停止し、その後は負圧ポンプによる負圧導入のみを継続してエバポ系内の圧力を徐々に低下させ、そのときのエバポ系内の圧力をリーク判定値や基準圧力と比較してリークの有無やリーク度合を判定する。
【選択図】 図5
【解決手段】エンジン運転中にリーク診断実行条件が成立した時点で負圧ポンプにより基準圧力検出部内に負圧を導入して該基準圧力検出部内の圧力を基準圧力として検出する。その後、通路切換弁を切り換えて負圧ポンプにより燃料タンクを含むエバポ系内に負圧を導入すると共に、この負圧ポンプによる負圧導入と並行して、パージ制御弁を開弁してエバポ系内に吸気管負圧を導入してエバポ系内の圧力を速やかに低下させる。そして、エバポ系内の圧力が基準圧力に至る手前で吸気管負圧の導入を停止し、その後は負圧ポンプによる負圧導入のみを継続してエバポ系内の圧力を徐々に低下させ、そのときのエバポ系内の圧力をリーク判定値や基準圧力と比較してリークの有無やリーク度合を判定する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガス(燃料蒸発ガス)を内燃機関の吸気系にパージ(放出)するエバポガスパージシステムのリーク診断を行うエバポガスパージシステムのリーク診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エバポガスパージシステムにおいては、燃料タンク内から発生するエバポガスが大気中に漏れ出すことを防止するために、燃料タンク内から発生したエバポガスをキャニスタ内に吸着し、このキャニスタと内燃機関の吸気系とを連通するパージ通路に設けたパージ制御弁を開弁することで、吸気系の負圧を利用してキャニスタ内に吸着されているエバポガスを吸気系へパージするようにしている。このエバポガスパージシステムから大気中にエバポガスが漏れる状態が長時間放置されるのを防止するために、エバポガスの漏れを早期に検出する必要がある。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1(特開平5−125997号公報)に記載されているように、内燃機関の運転中にパージ制御弁を開弁して吸気系から燃料タンク内に負圧を導入した後、パージ制御弁を閉弁してパージ制御弁から燃料タンクまでのエバポ系を密閉した状態で、エバポ系内の圧力(例えば燃料タンク内の圧力)の変化量を測定し、その負圧導入時の圧力変化量をリーク判定値(例えば大気圧導入時の圧力変化量)と比較することで、エバポ系のリーク(漏れ)の有無を判定するようにしたものがある。
しかし、上記従来のリーク診断では、微小リークやリーク度合(リーク孔の大きさ)を精度良く判定することができないという欠点があった。
【0004】
そこで、例えば、特許文献2(特開2002−4959号公報)に記載されているように、電動式の負圧ポンプと、基準孔(微小リーク孔に相当する所定孔径の孔)を形成した基準圧力検出部と、負圧ポンプで基準圧力検出部内に負圧を導入する経路と負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入する経路とを切り換える切換弁とを設け、負圧ポンプで基準圧力検出部内に負圧を導入して基準圧力検出部内の圧力を検出することで、基準孔で規制された圧力(基準圧力)を検出し、その後、基準圧力検出時と同一の条件で、負圧ポンプによりエバポ系内に負圧を導入してエバポ系内の圧力を検出し、基準圧力とエバポ系内の圧力とを比較することで、微小リークやリーク度合を判定できるようにしたものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−125997(第2頁等)
【特許文献2】
特開2002−4959号公報(第2頁等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、負圧ポンプを用いてリーク診断を行うシステムでは、低コスト化、省スペース化の要求を満たすために小型の負圧ポンプを用いることが好ましいが、燃料タンク等を含むエバポ系の容積はかなり大きい(燃料残量が少ないときには特に大きい)ため、小型の負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入するリーク診断では、吸気管負圧をエバポ系内に導入する一般的なリーク診断に比べて、エバポ系内への負圧導入に要する時間が長くなって、リーク診断の実行時間が長くなる(例えば10〜15分もの時間を必要とする)。
【0007】
このようにリーク診断の実行時間が長くなる負圧ポンプ式のリーク診断を内燃機関の停止中に実行すると、内燃機関の停止中に負圧ポンプや制御回路を駆動する時間が長くなってバッテリ電力消費量が多くなり、バッテリ上りが発生する可能性がある。
【0008】
この問題を回避するために、本発明者らは、内燃機関の運転中に負圧ポンプ式のリーク診断を実行する技術を研究しているが、リーク診断実行時間(負圧導入時間)が長くなる負圧ポンプ式のリーク診断を内燃機関の運転中に実行すると、次のような問題が発生する。
【0009】
内燃機関の運転中に負圧ポンプ式のリーク診断を行う場合は、負圧ポンプでエバポ系内のガスをキャニスタを通して大気中に排出することになるが、負圧ポンプ式のリーク診断の実行中は、エバポ系を密閉するためにパージ制御弁を閉弁状態に維持して、キャニスタ内に吸着されているエバポガスを内燃機関の吸気管にパージするパージ制御を実行できなくなるため、リーク診断実行時間(負圧導入時間)が長いと、負圧ポンプで負圧を導入するときに、エバポ系内のガスをキャニスタを通して大気中に排出しても、キャニスタ内のエバポ成分吸着量が飽和状態か又はそれに近い状態になって、ガス中のエバポ成分がキャニスタで吸着しきれずに大気中に放出されてしまう可能性がある。
【0010】
また、内燃機関の運転中に実行する負圧ポンプ式のリーク診断の診断精度を確保するには、燃料タンク内の燃料の揺れや登降坂走行時の大気圧変化による燃料タンク内の圧力変化等の影響を受けないように、所定の安定した運転状態(例えばアイドル運転状態)となっている期間中にリーク診断を行う必要がある。このため、リーク診断の実行時間が長いと、車両の運転方法、走行パターン等によっては、リーク診断が開始されても、リーク診断の途中で、内燃機関の運転状態が変化したり、内燃機関の運転が停止されたりして、リーク診断が中止される回数が増えてしまい、リーク診断の実行頻度を確保できない可能性がある。
【0011】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、内燃機関の運転中に実行する負圧ポンプ式のリーク診断実行時間(特に負圧導入時間)を短縮化することができ、リーク診断中に高濃度のエバポガスが大気中に放出されてしまうことを防止できると共に、リーク診断の実行頻度を確保することができるエバポガスパージシステムのリーク診断装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のエバポガスパージシステムのリーク診断装置は、内燃機関の運転中に負圧ポンプを作動させてエバポ系内に負圧を導入してエバポ系を密閉した状態でエバポ系内の圧力に基づいてエバポ系のリークの有無を診断するようにしたものにおいて、エバポ系内に負圧を導入する際に、負圧ポンプによる負圧導入と同時又は前後して吸気管負圧をエバポ系内に導入するようにしたものである。
【0013】
本発明の負圧ポンプ式のリーク診断では、負圧ポンプによる負圧導入と吸気管負圧の導入とを併用してエバポ系内に負圧を導入することができるので、負圧ポンプのみでエバポ系内に負圧を導入するリーク診断に比べて、エバポ系内への負圧導入に要する時間を短縮化することができ、その分、リーク診断の実行時間を短縮化することができる。これにより、内燃機関の運転中に負圧ポンプ式のリーク診断を実行しても、その実行時間を短縮化することができ、リーク診断中に高濃度のエバポガスが大気中に放出されてしまうことを防止するこができると共に、リーク診断の実行頻度を確保することができる。
【0014】
この場合、請求項2のように、エバポ系内に負圧を導入する際にエバポ系内の圧力が所定負圧に至る前に吸気管負圧の導入を停止し、その後は負圧ポンプのみでエバポ系内に負圧を導入するようにしても良い。このようにすれば、エバポ系内の圧力が所定負圧に至る手前までは吸気管負圧の導入と負圧ポンプによる負圧導入とによって(又は吸気管負圧の導入のみによって)エバポ系内の圧力を速やかに低下させることができ、その後は負圧ポンプのみによってエバポ系内の圧力を比較的緩やかに低下させることができる。これにより、エバポ系内の圧力を所定負圧付近まで低下させる負圧導入時間を短縮化しながら、負圧導入の最終段階の圧力挙動を精度良く監視することができると共に、負圧導入の最終段階の圧力を精度良く制御することができる。
【0015】
更に、請求項3のように、所定孔径の基準孔が形成された基準圧力検出部と、負圧ポンプで基準圧力検出部内に負圧を導入する経路と負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入する経路とを切り換える切換手段とを備え、内燃機関の運転中に、負圧ポンプで基準圧力検出部内に負圧を導入して基準孔で規制された圧力(以下「基準圧力」という)を検出する処理と、負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入して該エバポ系内の圧力を検出する処理とを実行し、基準圧力とエバポ系内の圧力とを比較してエバポ系のリーク診断を行うようにしても良い。このようにすれば、負圧ポンプの製造ばらつき、経時変化、環境条件(例えば大気圧、温度)等の影響を受けずに、基準圧力を基準にして微小リークやリーク度合(リーク孔の大きさ)を精度良く判定することができ、内燃機関の運転中に実行するリーク診断の診断精度を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエバポガスパージシステムの構成を説明する。燃料タンク11には、エバポ通路12を介してキャニスタ13が接続されている。このキャニスタ13内には、エバポガス(燃料蒸発ガス)を吸着する活性炭等の吸着体(図示せず)が収容されている。
【0017】
一方、キャニスタ13とエンジン吸気系との間には、キャニスタ13内の吸着体に吸着されているエバポガスをエンジン吸気系にパージ(放出)するためのパージ通路14が設けられ、このパージ通路14の途中に、パージ流量を制御するパージ制御弁15が設けられている。このパージ制御弁15は、常閉型の電磁弁により構成され、通電をデューティ制御することで、キャニスタ13からエンジン吸気系へのエバポガスのパージ流量を制御するようになっている。
【0018】
この燃料タンク11からパージ制御弁15までのエバポ系のリーク診断を行うために、キャニスタ13の大気連通路16には、リークチェックモジュール17が取り付けられている。図2に示すように、リークチェックモジュール17は、キャニスタ13側に接続されるキャニスタ連通路18に、通路切換弁19(切換手段)を介して大気連通路20と負圧導入路21とが接続されている。大気連通路20は、大気側に直接連通するように設けられ、負圧導入路21は、チェック弁22と電動式の負圧ポンプ23とを介して大気連通路20の途中に接続されている。負圧ポンプ23の駆動中はチェック弁22が開弁して負圧導入路21から大気連通路20へガスを排出し、負圧ポンプ23の停止中はチェック弁22が閉弁して大気連通路20から負圧導入路21への大気の逆流を阻止するようになっている。
【0019】
通路切換弁19は、キャニスタ連通路18と大気連通路20とを接続する大気開放位置Bと、キャニスタ連通路18と負圧導入路21とを接続する負圧導入位置Aとの間を切換可能な電磁弁により構成されている。
【0020】
また、キャニスタ連通路18と負圧導入通路21との間には、通路切換弁19をバイパスするバイパス通路24が接続され、このバイパス通路24の途中に、基準オリフィス25(基準孔)が設けられている。この基準オリフィス25は、通路内径がバイパス通路24の他の部位の通路内径よりも大幅に絞られて基準リーク孔径(例えば直径0.5mm)になるように形成されている。バイパス通路24のうち基準オリフィス25から負圧導入通路21につながる通路には、バイパス通路24内の圧力を検出する圧力センサ26(圧力検出手段)が設けられている。
【0021】
パージ制御弁15の閉弁時に通路切換弁19が負圧導入位置Aに切り換えられているときには、エバポ系が密閉されて、バイパス通路24の圧力センサ26の周辺部分が負圧導入路21とキャニスタ連通路18を介してエバポ系内に連通するため、圧力センサ26によりバイパス通路24内の圧力を検出することで、エバポ系内の圧力の代表的データである燃料タンク11内の圧力(以下「タンク内圧」という)を検出することができる。
【0022】
そして、通路切換弁19が負圧導入位置Aに切り換えられてエバポ系が密閉された状態で、負圧ポンプ23が駆動されると、エバポ系内のガスがキャニスタ13を通って大気側に排出されて、エバポ系内に負圧が導入される。
【0023】
一方、パージ制御弁15の閉弁時に通路切換弁19が大気開放位置Bに切り換えられているときには、バイパス通路24内が大気連通路20を介して大気に開放されるため、圧力センサ26によりバイパス通路24内の圧力を検出することで大気圧を検出することができる。
【0024】
そして、通路切換弁19が大気開放位置Bに切り換えられてエバポ系内が大気連通路20を介して大気に開放された状態で、負圧ポンプ23が駆動されると、基準オリフィス25の存在によりバイパス通路24のうち基準オリフィス25から負圧ポンプ23までの通路が負圧になる。このとき、圧力センサ26によりバイパス通路24内の負圧ポンプ23側の圧力を検出することで、基準オリフィス25の基準リーク孔径に対応した基準圧力を検出することができる。本実施形態では、バイパス通路24のうち基準オリフィス25から負圧ポンプ23までの通路が特許請求の範囲でいう基準圧力検出部に相当する役割を果たす。
【0025】
また、図1に示すように、燃料タンク11内には、燃料残量を検出する燃料レベルセンサ27が設けられている。その他、所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサ28、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ29、車速を検出する車速センサ30等の各種のセンサが設けられている。
【0026】
これらの各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)31に入力される。このECU31は、マイクロコンピュータを主体として構成され、そのROM(記憶媒体)に記憶された燃料噴射制御プログラム、点火制御プログラム及びパージ制御プログラムを実行することで、燃料噴射制御、点火制御及びパージ制御を行う。
【0027】
更に、ECU31は、後述する図3及び図4に示すリーク診断プログラムを実行することで、エンジン運転中に負圧ポンプ23でエバポ系内に負圧を導入してエバポ系のリークの有無を診断する負圧ポンプ式のリーク診断を行う。
【0028】
ここで、本実施形態で実行する負圧ポンプ式のリーク診断について説明する。図5に示すように、エンジン運転中に所定のリーク診断実行条件が成立した時点t1 で、通路切換弁19を大気開放位置Bに維持したまま負圧ポンプ23をONして、バイパス通路24のうち基準オリフィス25よりも負圧ポンプ23側に負圧を導入し、その負圧が基準オリフィス25に対応した基準圧力付近で安定した時点t2 で、圧力センサ26により検出されるバイパス通路24内の負圧を基準圧力としてECU31のメモリに記憶する。
【0029】
基準圧力の検出後、負圧ポンプ23をON状態に維持したまま通路切換弁19を負圧導入位置Aに切り換えて、負圧ポンプ23によりエバポ系内に負圧を導入すると共に、パージ制御弁15を開弁してエンジン吸気管からエバポ系内に吸気管負圧を導入する吸気管負圧導入制御を開始する。これにより、負圧ポンプ23による負圧導入と吸気管負圧導入制御とを同時に実行してエバポ系内の圧力を速やかに低下させる。
【0030】
この負圧ポンプ23による負圧導入と吸気管負圧導入制御とによって、圧力センサ26で検出したタンク内圧が所定の閾値(例えば基準圧力+0.399kPa)まで低下した時点t4 (つまり、タンク内圧が基準圧力に至る手前)で、パージ制御弁15を閉弁して吸気管負圧導入制御を停止し、その後は負圧ポンプ23のみによってエバポ系内に負圧を導入して、エバポ系内の圧力を徐々に低下させる。
【0031】
負圧導入開始から所定時間が経過する前に、圧力センサ26で検出したタンク内圧がリーク判定値よりも低くなれば、リーク無しと判定し、負圧導入開始から所定時間が経過した時点t5 で、タンク内圧がリーク判定値以上の場合には、リーク有りと判定する。その際、タンク内圧が基準圧力付近に収束していれば、基準オリフィス25の基準リーク孔径(例えば直径0.5mm)相当のリーク孔と判定し、タンク内圧が基準圧力よりも大きければ、基準オリフィス25の基準リーク孔径よりも大きいリーク孔と判定する。
【0032】
以下、ECU31が実行する図3及び図4に示すリーク診断プログラムの処理内容を説明する。
【0033】
図3及び図4のリーク診断プログラムは、例えばイグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定周期(例えば20msec毎)に実行され、特許請求の範囲でいうリーク診断手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、リーク診断実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、リーク診断実行条件は、例えば、次の▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たすことである。
▲1▼アイドル運転状態であること(例えば車速=0であること)
▲2▼吸気管圧力が所定値よりも低いこと
▲3▼エバポガス発生量が少ないこと
【0034】
この▲3▼の条件は、次の(1)〜(3)のいずれか1つ又は2つ以上の方法で判定すれば良い。
(1)エバポガス発生量に応じてエバポガス濃度が変化し、パージ制御中のエバポガス濃度とパージ流量とに応じてエンジン吸気系にパージされるエバポガス量が変化して空燃比フィードバック補正量が変化するため、パージ制御中のパージ流量と空燃比フィードバック補正量とを学習し、これらの学習値に基づいてエバポガス濃度を算出して、そのエバポガス濃度に基づいてエバポガス発生量が所定値よりも低いか否かを判定する。
【0035】
(2)エバポ系内のエバポガス発生量に応じてタンク内圧が変化するため、タンク内圧に基づいてエバポガス発生量が所定値よりも低いか否かを判定する。
(3)燃料温度や外気温度に応じてエバポガスの発生量が変化するため、燃料温度や外気温度に基づいてエバポガス発生量が所定値よりも低いか否かを判定する。
【0036】
上記▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たせば、リーク診断実行条件が成立するが、上記▲1▼〜▲3▼の条件のうちいずれか1つでも満たさない条件があれば、リーク診断実行条件が不成立となる。もし、リーク診断実行条件が不成立と判定されれば、ステップ102以降のリーク診断に関する処理を実行することなく、本プログラムを終了する。
【0037】
一方、ステップ101で、リーク診断実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ102以降のリーク診断に関する処理を次のようにして実行する。まず、ステップ102で、実施状況フラグが、吸気管負圧導入済みを意味する「2」にセットされているか否かを判定し、次のステップ103で、実施状況フラグが、基準圧力検出済みを意味する「1」にセットされているか否かを判定する。
【0038】
実施状況フラグが「0」の場合、つまり、まだ基準圧力検出も吸気管負圧導入も実施していない場合には、ステップ104に進み、通路切換弁19を大気開放位置Bに維持したまま、ステップ105に進み、負圧ポンプ23をONして、バイパス通路24のうち基準オリフィス25よりも負圧ポンプ23側に負圧を導入する。この後、ステップ106に進み、圧力センサ26により検出されるバイパス通路24内の圧力の変化速度が所定速度(例えば0.133kPa/sec)よりも遅いか否かを判定し、圧力変化速度が所定速度以上であれば、まだ負圧を導入する必要があると判断して、そのまま本プログラムを終了する。
【0039】
その後、ステップ106で、圧力変化速度が所定速度よりも遅いと判定された時点で、バイパス通路24内の負圧が基準オリフィス25の基準リーク孔径に対応した基準圧力付近で安定したと判断して、ステップ107に進み、圧力センサ26により検出されるバイパス通路24内の負圧を基準圧力としてECU31のメモリに記憶する。
【0040】
この後、ステップ108に進み、負圧ポンプ23をON状態に維持したまま通路切換弁19を負圧導入位置Aに切り換えて、負圧ポンプ23によりエバポ系内に負圧を導入し、次のステップ109で、パージ制御弁15を開弁してエンジン吸気管からエバポ系内に吸気管負圧を導入する吸気管負圧導入制御を開始する。これにより、負圧ポンプ23による負圧導入と吸気管負圧導入制御とによってエバポ系内の圧力を速やかに低下させる。
【0041】
この後、ステップ110に進み、圧力センサ26で検出したタンク内圧が閾値(例えば基準圧力+0.399kPa)未満に低下したか否かを判定し、タンク内圧が閾値未満に低下していなければ、負圧ポンプ23と吸気管負圧導入制御とによるエバポ系内への負圧導入を継続したまま、ステップ111に進み、実施状況フラグを基準圧力検出済みを意味する「1」にセットして、本プログラムを終了する。
【0042】
その後、ステップ110で、タンク内圧が閾値未満に低下したと判定された時点(つまり、タンク内圧が基準圧力に至る手前)で、ステップ112に進み、パージ制御弁15を閉弁して吸気管負圧導入制御を停止し、その後は負圧ポンプ23による負圧導入のみを継続して、エバポ系内の圧力を徐々に低下させる。
【0043】
この後、図4のステップ113に進み、圧力センサ26で検出したタンク内圧がリーク判定値(例えば基準圧力−0.665kPa)よりも低いか否かを判定する。その結果、タンク内圧がリーク判定値以上であれば、ステップ114に進み、負圧導入開始から所定時間(例えば2分)が経過したか否かを判定し、負圧導入開始から所定時間が経過する前であれば、ステップ115に進み、実施状況フラグを吸気管負圧導入済みを意味する「2」にセットして、本プログラムを終了する。
【0044】
その後、負圧導入開始から所定時間が経過する前に、ステップ113で、タンク内圧がリーク判定値よりも低いと判定された場合には、ステップ116に進み、正常(リーク無し)と判定する。
【0045】
これに対して、ステップ113で、タンク内圧がリーク判定値よりも低いと判定されることなく、ステップ114で、負圧導入開始から所定時間が経過したと判定された場合には、ステップ117に進み、異常(リーク有り)と判定して、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ36を点灯したり、或はインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU31のバックアップRAM(図示せず)に記憶する。
【0046】
その際、タンク内圧が基準圧力付近に収束していれば、基準オリフィス25の基準リーク孔径(例えば直径0.5mm)相当のリーク孔と判定し、タンク内圧が基準圧力よりも大きければ、基準オリフィス25の基準リーク孔径よりも大きいリーク孔と判定する。
【0047】
この後、ステップ118で、負圧ポンプ23をOFFし、次のステップ119で、通路切換弁19を大気開放位置Bに切り換えた後、ステップ120に進み、実施状況フラグを「0」にリセットして、本プログラムを終了する。
【0048】
以上説明した本実施形態では、エンジン運転中にエバポ系内に負圧を導入してリーク診断を行う際に、負圧ポンプ23による負圧導入と吸気管負圧の導入とを並行して行うようにしたので、負圧ポンプ23のみでエバポ系内に負圧を導入するリーク診断に比べてエバポ系内への負圧導入に要する時間を短縮化することができ、その分、リーク診断の実行時間を短縮化することができる。これにより、エンジン運転中に負圧ポンプ式のリーク診断を実行しても、その実行時間を短縮化することができ、リーク診断中に高濃度のエバポガスが大気中に放出されてしまうことを防止するこができると共に、リーク診断の実行頻度を確保することができる。
【0049】
また、本実施形態では、エンジン運転中に、負圧ポンプ23でバイパス通路24のうち基準オリフィス25よりも負圧ポンプ23側に負圧を導入して基準オリフィス25に対応した基準圧力を検出する処理と、負圧ポンプ23でエバポ系内に負圧を導入してエバポ系内の圧力を検出する処理とを実行し、基準圧力とエバポ系内の圧力とを比較してエバポ系のリーク診断を行うようにしたので、負圧ポンプ23の製造ばらつき、経時変化、環境条件(例えば大気圧、温度)等の影響を受けずに、基準圧力を基準にして微小リークやリーク度合(リーク孔の大きさ)を精度良く判定することができ、エンジン運転中に実行するリーク診断の診断精度を向上させることができる。
【0050】
しかも、本実施形態では、エバポ系内に負圧を導入する際に、エバポ系内の圧力が基準圧力に至る手前までは吸気管負圧導入制御と負圧ポンプ23による負圧導入とによってエバポ系内の圧力を速やかに低下させ、その後は負圧ポンプ23のみによってエバポ系内に負圧を導入してエバポ系内の圧力を比較的緩やかに低下させるようにしたので、エバポ系内の圧力を基準圧力付近まで低下させる時間を短縮化しながら、エバポ系内の圧力が基準圧力付近に収束するか否か(基準オリフィス25相当の微小リークが存在するか否か)を精度良く監視することができる。
【0051】
尚、本実施形態では、エバポ系内に負圧を導入する際に、エバポ系内の圧力が基準圧力に至る手前までは吸気管負圧導入制御と負圧ポンプ23とによってエバポ系内に負圧を導入するようにしたが、エバポ系内の圧力が基準圧力に至る手前までは吸気管負圧導入制御のみによってエバポ系内に負圧を導入し、その後は負圧ポンプ23のみによってエバポ系内に負圧を導入するようにしても良い。
【0052】
また、本発明は、基準圧力を用いる負圧ポンプ式のリーク診断に限定されず、エンジン運転中に負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入してリーク診断を行う種々の負圧ポンプ式のリーク診断に適用することができる。その際、エバポ系内の圧力を所定負圧付近まで低下させてからの圧力挙動を監視する場合、或は、エバポ系内の圧力を所定負圧付近に制御する場合には、エバポ系内に負圧を導入する際にエバポ系内の圧力が所定負圧に至る前に吸気管負圧導入制御を停止し、その後は負圧ポンプのみでエバポ系内に負圧を導入するようにすると良い。
【0053】
その他、本発明は、エンジン運転中のリーク診断とエンジン停止中のリーク診断とを行うシステムにおけるエンジン運転中のリーク診断に適用しても良い等、種々変更して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるエバポガスパージシステムの構成を示す図
【図2】リークチェックモジュールの構成を示す図
【図3】リーク診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図4】リーク診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図5】本実施形態のリーク診断の実行例を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…燃料タンク、12…エバポ通路、13…キャニスタ、14…パージ通路、15…パージ制御弁、17…リークチェックモジュール、18…キャニスタ連通路、19…通路切換弁(切換手段)、20…大気連通路、21…負圧導入路、22…チェック弁、23…負圧ポンプ、24…バイパス通路(基準圧力検出部)、25…基準オリフィス(基準孔)、26…圧力センサ(圧力検出手段)、31…ECU(リーク診断手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガス(燃料蒸発ガス)を内燃機関の吸気系にパージ(放出)するエバポガスパージシステムのリーク診断を行うエバポガスパージシステムのリーク診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エバポガスパージシステムにおいては、燃料タンク内から発生するエバポガスが大気中に漏れ出すことを防止するために、燃料タンク内から発生したエバポガスをキャニスタ内に吸着し、このキャニスタと内燃機関の吸気系とを連通するパージ通路に設けたパージ制御弁を開弁することで、吸気系の負圧を利用してキャニスタ内に吸着されているエバポガスを吸気系へパージするようにしている。このエバポガスパージシステムから大気中にエバポガスが漏れる状態が長時間放置されるのを防止するために、エバポガスの漏れを早期に検出する必要がある。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1(特開平5−125997号公報)に記載されているように、内燃機関の運転中にパージ制御弁を開弁して吸気系から燃料タンク内に負圧を導入した後、パージ制御弁を閉弁してパージ制御弁から燃料タンクまでのエバポ系を密閉した状態で、エバポ系内の圧力(例えば燃料タンク内の圧力)の変化量を測定し、その負圧導入時の圧力変化量をリーク判定値(例えば大気圧導入時の圧力変化量)と比較することで、エバポ系のリーク(漏れ)の有無を判定するようにしたものがある。
しかし、上記従来のリーク診断では、微小リークやリーク度合(リーク孔の大きさ)を精度良く判定することができないという欠点があった。
【0004】
そこで、例えば、特許文献2(特開2002−4959号公報)に記載されているように、電動式の負圧ポンプと、基準孔(微小リーク孔に相当する所定孔径の孔)を形成した基準圧力検出部と、負圧ポンプで基準圧力検出部内に負圧を導入する経路と負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入する経路とを切り換える切換弁とを設け、負圧ポンプで基準圧力検出部内に負圧を導入して基準圧力検出部内の圧力を検出することで、基準孔で規制された圧力(基準圧力)を検出し、その後、基準圧力検出時と同一の条件で、負圧ポンプによりエバポ系内に負圧を導入してエバポ系内の圧力を検出し、基準圧力とエバポ系内の圧力とを比較することで、微小リークやリーク度合を判定できるようにしたものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−125997(第2頁等)
【特許文献2】
特開2002−4959号公報(第2頁等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、負圧ポンプを用いてリーク診断を行うシステムでは、低コスト化、省スペース化の要求を満たすために小型の負圧ポンプを用いることが好ましいが、燃料タンク等を含むエバポ系の容積はかなり大きい(燃料残量が少ないときには特に大きい)ため、小型の負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入するリーク診断では、吸気管負圧をエバポ系内に導入する一般的なリーク診断に比べて、エバポ系内への負圧導入に要する時間が長くなって、リーク診断の実行時間が長くなる(例えば10〜15分もの時間を必要とする)。
【0007】
このようにリーク診断の実行時間が長くなる負圧ポンプ式のリーク診断を内燃機関の停止中に実行すると、内燃機関の停止中に負圧ポンプや制御回路を駆動する時間が長くなってバッテリ電力消費量が多くなり、バッテリ上りが発生する可能性がある。
【0008】
この問題を回避するために、本発明者らは、内燃機関の運転中に負圧ポンプ式のリーク診断を実行する技術を研究しているが、リーク診断実行時間(負圧導入時間)が長くなる負圧ポンプ式のリーク診断を内燃機関の運転中に実行すると、次のような問題が発生する。
【0009】
内燃機関の運転中に負圧ポンプ式のリーク診断を行う場合は、負圧ポンプでエバポ系内のガスをキャニスタを通して大気中に排出することになるが、負圧ポンプ式のリーク診断の実行中は、エバポ系を密閉するためにパージ制御弁を閉弁状態に維持して、キャニスタ内に吸着されているエバポガスを内燃機関の吸気管にパージするパージ制御を実行できなくなるため、リーク診断実行時間(負圧導入時間)が長いと、負圧ポンプで負圧を導入するときに、エバポ系内のガスをキャニスタを通して大気中に排出しても、キャニスタ内のエバポ成分吸着量が飽和状態か又はそれに近い状態になって、ガス中のエバポ成分がキャニスタで吸着しきれずに大気中に放出されてしまう可能性がある。
【0010】
また、内燃機関の運転中に実行する負圧ポンプ式のリーク診断の診断精度を確保するには、燃料タンク内の燃料の揺れや登降坂走行時の大気圧変化による燃料タンク内の圧力変化等の影響を受けないように、所定の安定した運転状態(例えばアイドル運転状態)となっている期間中にリーク診断を行う必要がある。このため、リーク診断の実行時間が長いと、車両の運転方法、走行パターン等によっては、リーク診断が開始されても、リーク診断の途中で、内燃機関の運転状態が変化したり、内燃機関の運転が停止されたりして、リーク診断が中止される回数が増えてしまい、リーク診断の実行頻度を確保できない可能性がある。
【0011】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、内燃機関の運転中に実行する負圧ポンプ式のリーク診断実行時間(特に負圧導入時間)を短縮化することができ、リーク診断中に高濃度のエバポガスが大気中に放出されてしまうことを防止できると共に、リーク診断の実行頻度を確保することができるエバポガスパージシステムのリーク診断装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のエバポガスパージシステムのリーク診断装置は、内燃機関の運転中に負圧ポンプを作動させてエバポ系内に負圧を導入してエバポ系を密閉した状態でエバポ系内の圧力に基づいてエバポ系のリークの有無を診断するようにしたものにおいて、エバポ系内に負圧を導入する際に、負圧ポンプによる負圧導入と同時又は前後して吸気管負圧をエバポ系内に導入するようにしたものである。
【0013】
本発明の負圧ポンプ式のリーク診断では、負圧ポンプによる負圧導入と吸気管負圧の導入とを併用してエバポ系内に負圧を導入することができるので、負圧ポンプのみでエバポ系内に負圧を導入するリーク診断に比べて、エバポ系内への負圧導入に要する時間を短縮化することができ、その分、リーク診断の実行時間を短縮化することができる。これにより、内燃機関の運転中に負圧ポンプ式のリーク診断を実行しても、その実行時間を短縮化することができ、リーク診断中に高濃度のエバポガスが大気中に放出されてしまうことを防止するこができると共に、リーク診断の実行頻度を確保することができる。
【0014】
この場合、請求項2のように、エバポ系内に負圧を導入する際にエバポ系内の圧力が所定負圧に至る前に吸気管負圧の導入を停止し、その後は負圧ポンプのみでエバポ系内に負圧を導入するようにしても良い。このようにすれば、エバポ系内の圧力が所定負圧に至る手前までは吸気管負圧の導入と負圧ポンプによる負圧導入とによって(又は吸気管負圧の導入のみによって)エバポ系内の圧力を速やかに低下させることができ、その後は負圧ポンプのみによってエバポ系内の圧力を比較的緩やかに低下させることができる。これにより、エバポ系内の圧力を所定負圧付近まで低下させる負圧導入時間を短縮化しながら、負圧導入の最終段階の圧力挙動を精度良く監視することができると共に、負圧導入の最終段階の圧力を精度良く制御することができる。
【0015】
更に、請求項3のように、所定孔径の基準孔が形成された基準圧力検出部と、負圧ポンプで基準圧力検出部内に負圧を導入する経路と負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入する経路とを切り換える切換手段とを備え、内燃機関の運転中に、負圧ポンプで基準圧力検出部内に負圧を導入して基準孔で規制された圧力(以下「基準圧力」という)を検出する処理と、負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入して該エバポ系内の圧力を検出する処理とを実行し、基準圧力とエバポ系内の圧力とを比較してエバポ系のリーク診断を行うようにしても良い。このようにすれば、負圧ポンプの製造ばらつき、経時変化、環境条件(例えば大気圧、温度)等の影響を受けずに、基準圧力を基準にして微小リークやリーク度合(リーク孔の大きさ)を精度良く判定することができ、内燃機関の運転中に実行するリーク診断の診断精度を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエバポガスパージシステムの構成を説明する。燃料タンク11には、エバポ通路12を介してキャニスタ13が接続されている。このキャニスタ13内には、エバポガス(燃料蒸発ガス)を吸着する活性炭等の吸着体(図示せず)が収容されている。
【0017】
一方、キャニスタ13とエンジン吸気系との間には、キャニスタ13内の吸着体に吸着されているエバポガスをエンジン吸気系にパージ(放出)するためのパージ通路14が設けられ、このパージ通路14の途中に、パージ流量を制御するパージ制御弁15が設けられている。このパージ制御弁15は、常閉型の電磁弁により構成され、通電をデューティ制御することで、キャニスタ13からエンジン吸気系へのエバポガスのパージ流量を制御するようになっている。
【0018】
この燃料タンク11からパージ制御弁15までのエバポ系のリーク診断を行うために、キャニスタ13の大気連通路16には、リークチェックモジュール17が取り付けられている。図2に示すように、リークチェックモジュール17は、キャニスタ13側に接続されるキャニスタ連通路18に、通路切換弁19(切換手段)を介して大気連通路20と負圧導入路21とが接続されている。大気連通路20は、大気側に直接連通するように設けられ、負圧導入路21は、チェック弁22と電動式の負圧ポンプ23とを介して大気連通路20の途中に接続されている。負圧ポンプ23の駆動中はチェック弁22が開弁して負圧導入路21から大気連通路20へガスを排出し、負圧ポンプ23の停止中はチェック弁22が閉弁して大気連通路20から負圧導入路21への大気の逆流を阻止するようになっている。
【0019】
通路切換弁19は、キャニスタ連通路18と大気連通路20とを接続する大気開放位置Bと、キャニスタ連通路18と負圧導入路21とを接続する負圧導入位置Aとの間を切換可能な電磁弁により構成されている。
【0020】
また、キャニスタ連通路18と負圧導入通路21との間には、通路切換弁19をバイパスするバイパス通路24が接続され、このバイパス通路24の途中に、基準オリフィス25(基準孔)が設けられている。この基準オリフィス25は、通路内径がバイパス通路24の他の部位の通路内径よりも大幅に絞られて基準リーク孔径(例えば直径0.5mm)になるように形成されている。バイパス通路24のうち基準オリフィス25から負圧導入通路21につながる通路には、バイパス通路24内の圧力を検出する圧力センサ26(圧力検出手段)が設けられている。
【0021】
パージ制御弁15の閉弁時に通路切換弁19が負圧導入位置Aに切り換えられているときには、エバポ系が密閉されて、バイパス通路24の圧力センサ26の周辺部分が負圧導入路21とキャニスタ連通路18を介してエバポ系内に連通するため、圧力センサ26によりバイパス通路24内の圧力を検出することで、エバポ系内の圧力の代表的データである燃料タンク11内の圧力(以下「タンク内圧」という)を検出することができる。
【0022】
そして、通路切換弁19が負圧導入位置Aに切り換えられてエバポ系が密閉された状態で、負圧ポンプ23が駆動されると、エバポ系内のガスがキャニスタ13を通って大気側に排出されて、エバポ系内に負圧が導入される。
【0023】
一方、パージ制御弁15の閉弁時に通路切換弁19が大気開放位置Bに切り換えられているときには、バイパス通路24内が大気連通路20を介して大気に開放されるため、圧力センサ26によりバイパス通路24内の圧力を検出することで大気圧を検出することができる。
【0024】
そして、通路切換弁19が大気開放位置Bに切り換えられてエバポ系内が大気連通路20を介して大気に開放された状態で、負圧ポンプ23が駆動されると、基準オリフィス25の存在によりバイパス通路24のうち基準オリフィス25から負圧ポンプ23までの通路が負圧になる。このとき、圧力センサ26によりバイパス通路24内の負圧ポンプ23側の圧力を検出することで、基準オリフィス25の基準リーク孔径に対応した基準圧力を検出することができる。本実施形態では、バイパス通路24のうち基準オリフィス25から負圧ポンプ23までの通路が特許請求の範囲でいう基準圧力検出部に相当する役割を果たす。
【0025】
また、図1に示すように、燃料タンク11内には、燃料残量を検出する燃料レベルセンサ27が設けられている。その他、所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサ28、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ29、車速を検出する車速センサ30等の各種のセンサが設けられている。
【0026】
これらの各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)31に入力される。このECU31は、マイクロコンピュータを主体として構成され、そのROM(記憶媒体)に記憶された燃料噴射制御プログラム、点火制御プログラム及びパージ制御プログラムを実行することで、燃料噴射制御、点火制御及びパージ制御を行う。
【0027】
更に、ECU31は、後述する図3及び図4に示すリーク診断プログラムを実行することで、エンジン運転中に負圧ポンプ23でエバポ系内に負圧を導入してエバポ系のリークの有無を診断する負圧ポンプ式のリーク診断を行う。
【0028】
ここで、本実施形態で実行する負圧ポンプ式のリーク診断について説明する。図5に示すように、エンジン運転中に所定のリーク診断実行条件が成立した時点t1 で、通路切換弁19を大気開放位置Bに維持したまま負圧ポンプ23をONして、バイパス通路24のうち基準オリフィス25よりも負圧ポンプ23側に負圧を導入し、その負圧が基準オリフィス25に対応した基準圧力付近で安定した時点t2 で、圧力センサ26により検出されるバイパス通路24内の負圧を基準圧力としてECU31のメモリに記憶する。
【0029】
基準圧力の検出後、負圧ポンプ23をON状態に維持したまま通路切換弁19を負圧導入位置Aに切り換えて、負圧ポンプ23によりエバポ系内に負圧を導入すると共に、パージ制御弁15を開弁してエンジン吸気管からエバポ系内に吸気管負圧を導入する吸気管負圧導入制御を開始する。これにより、負圧ポンプ23による負圧導入と吸気管負圧導入制御とを同時に実行してエバポ系内の圧力を速やかに低下させる。
【0030】
この負圧ポンプ23による負圧導入と吸気管負圧導入制御とによって、圧力センサ26で検出したタンク内圧が所定の閾値(例えば基準圧力+0.399kPa)まで低下した時点t4 (つまり、タンク内圧が基準圧力に至る手前)で、パージ制御弁15を閉弁して吸気管負圧導入制御を停止し、その後は負圧ポンプ23のみによってエバポ系内に負圧を導入して、エバポ系内の圧力を徐々に低下させる。
【0031】
負圧導入開始から所定時間が経過する前に、圧力センサ26で検出したタンク内圧がリーク判定値よりも低くなれば、リーク無しと判定し、負圧導入開始から所定時間が経過した時点t5 で、タンク内圧がリーク判定値以上の場合には、リーク有りと判定する。その際、タンク内圧が基準圧力付近に収束していれば、基準オリフィス25の基準リーク孔径(例えば直径0.5mm)相当のリーク孔と判定し、タンク内圧が基準圧力よりも大きければ、基準オリフィス25の基準リーク孔径よりも大きいリーク孔と判定する。
【0032】
以下、ECU31が実行する図3及び図4に示すリーク診断プログラムの処理内容を説明する。
【0033】
図3及び図4のリーク診断プログラムは、例えばイグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定周期(例えば20msec毎)に実行され、特許請求の範囲でいうリーク診断手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、リーク診断実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、リーク診断実行条件は、例えば、次の▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たすことである。
▲1▼アイドル運転状態であること(例えば車速=0であること)
▲2▼吸気管圧力が所定値よりも低いこと
▲3▼エバポガス発生量が少ないこと
【0034】
この▲3▼の条件は、次の(1)〜(3)のいずれか1つ又は2つ以上の方法で判定すれば良い。
(1)エバポガス発生量に応じてエバポガス濃度が変化し、パージ制御中のエバポガス濃度とパージ流量とに応じてエンジン吸気系にパージされるエバポガス量が変化して空燃比フィードバック補正量が変化するため、パージ制御中のパージ流量と空燃比フィードバック補正量とを学習し、これらの学習値に基づいてエバポガス濃度を算出して、そのエバポガス濃度に基づいてエバポガス発生量が所定値よりも低いか否かを判定する。
【0035】
(2)エバポ系内のエバポガス発生量に応じてタンク内圧が変化するため、タンク内圧に基づいてエバポガス発生量が所定値よりも低いか否かを判定する。
(3)燃料温度や外気温度に応じてエバポガスの発生量が変化するため、燃料温度や外気温度に基づいてエバポガス発生量が所定値よりも低いか否かを判定する。
【0036】
上記▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たせば、リーク診断実行条件が成立するが、上記▲1▼〜▲3▼の条件のうちいずれか1つでも満たさない条件があれば、リーク診断実行条件が不成立となる。もし、リーク診断実行条件が不成立と判定されれば、ステップ102以降のリーク診断に関する処理を実行することなく、本プログラムを終了する。
【0037】
一方、ステップ101で、リーク診断実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ102以降のリーク診断に関する処理を次のようにして実行する。まず、ステップ102で、実施状況フラグが、吸気管負圧導入済みを意味する「2」にセットされているか否かを判定し、次のステップ103で、実施状況フラグが、基準圧力検出済みを意味する「1」にセットされているか否かを判定する。
【0038】
実施状況フラグが「0」の場合、つまり、まだ基準圧力検出も吸気管負圧導入も実施していない場合には、ステップ104に進み、通路切換弁19を大気開放位置Bに維持したまま、ステップ105に進み、負圧ポンプ23をONして、バイパス通路24のうち基準オリフィス25よりも負圧ポンプ23側に負圧を導入する。この後、ステップ106に進み、圧力センサ26により検出されるバイパス通路24内の圧力の変化速度が所定速度(例えば0.133kPa/sec)よりも遅いか否かを判定し、圧力変化速度が所定速度以上であれば、まだ負圧を導入する必要があると判断して、そのまま本プログラムを終了する。
【0039】
その後、ステップ106で、圧力変化速度が所定速度よりも遅いと判定された時点で、バイパス通路24内の負圧が基準オリフィス25の基準リーク孔径に対応した基準圧力付近で安定したと判断して、ステップ107に進み、圧力センサ26により検出されるバイパス通路24内の負圧を基準圧力としてECU31のメモリに記憶する。
【0040】
この後、ステップ108に進み、負圧ポンプ23をON状態に維持したまま通路切換弁19を負圧導入位置Aに切り換えて、負圧ポンプ23によりエバポ系内に負圧を導入し、次のステップ109で、パージ制御弁15を開弁してエンジン吸気管からエバポ系内に吸気管負圧を導入する吸気管負圧導入制御を開始する。これにより、負圧ポンプ23による負圧導入と吸気管負圧導入制御とによってエバポ系内の圧力を速やかに低下させる。
【0041】
この後、ステップ110に進み、圧力センサ26で検出したタンク内圧が閾値(例えば基準圧力+0.399kPa)未満に低下したか否かを判定し、タンク内圧が閾値未満に低下していなければ、負圧ポンプ23と吸気管負圧導入制御とによるエバポ系内への負圧導入を継続したまま、ステップ111に進み、実施状況フラグを基準圧力検出済みを意味する「1」にセットして、本プログラムを終了する。
【0042】
その後、ステップ110で、タンク内圧が閾値未満に低下したと判定された時点(つまり、タンク内圧が基準圧力に至る手前)で、ステップ112に進み、パージ制御弁15を閉弁して吸気管負圧導入制御を停止し、その後は負圧ポンプ23による負圧導入のみを継続して、エバポ系内の圧力を徐々に低下させる。
【0043】
この後、図4のステップ113に進み、圧力センサ26で検出したタンク内圧がリーク判定値(例えば基準圧力−0.665kPa)よりも低いか否かを判定する。その結果、タンク内圧がリーク判定値以上であれば、ステップ114に進み、負圧導入開始から所定時間(例えば2分)が経過したか否かを判定し、負圧導入開始から所定時間が経過する前であれば、ステップ115に進み、実施状況フラグを吸気管負圧導入済みを意味する「2」にセットして、本プログラムを終了する。
【0044】
その後、負圧導入開始から所定時間が経過する前に、ステップ113で、タンク内圧がリーク判定値よりも低いと判定された場合には、ステップ116に進み、正常(リーク無し)と判定する。
【0045】
これに対して、ステップ113で、タンク内圧がリーク判定値よりも低いと判定されることなく、ステップ114で、負圧導入開始から所定時間が経過したと判定された場合には、ステップ117に進み、異常(リーク有り)と判定して、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ36を点灯したり、或はインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU31のバックアップRAM(図示せず)に記憶する。
【0046】
その際、タンク内圧が基準圧力付近に収束していれば、基準オリフィス25の基準リーク孔径(例えば直径0.5mm)相当のリーク孔と判定し、タンク内圧が基準圧力よりも大きければ、基準オリフィス25の基準リーク孔径よりも大きいリーク孔と判定する。
【0047】
この後、ステップ118で、負圧ポンプ23をOFFし、次のステップ119で、通路切換弁19を大気開放位置Bに切り換えた後、ステップ120に進み、実施状況フラグを「0」にリセットして、本プログラムを終了する。
【0048】
以上説明した本実施形態では、エンジン運転中にエバポ系内に負圧を導入してリーク診断を行う際に、負圧ポンプ23による負圧導入と吸気管負圧の導入とを並行して行うようにしたので、負圧ポンプ23のみでエバポ系内に負圧を導入するリーク診断に比べてエバポ系内への負圧導入に要する時間を短縮化することができ、その分、リーク診断の実行時間を短縮化することができる。これにより、エンジン運転中に負圧ポンプ式のリーク診断を実行しても、その実行時間を短縮化することができ、リーク診断中に高濃度のエバポガスが大気中に放出されてしまうことを防止するこができると共に、リーク診断の実行頻度を確保することができる。
【0049】
また、本実施形態では、エンジン運転中に、負圧ポンプ23でバイパス通路24のうち基準オリフィス25よりも負圧ポンプ23側に負圧を導入して基準オリフィス25に対応した基準圧力を検出する処理と、負圧ポンプ23でエバポ系内に負圧を導入してエバポ系内の圧力を検出する処理とを実行し、基準圧力とエバポ系内の圧力とを比較してエバポ系のリーク診断を行うようにしたので、負圧ポンプ23の製造ばらつき、経時変化、環境条件(例えば大気圧、温度)等の影響を受けずに、基準圧力を基準にして微小リークやリーク度合(リーク孔の大きさ)を精度良く判定することができ、エンジン運転中に実行するリーク診断の診断精度を向上させることができる。
【0050】
しかも、本実施形態では、エバポ系内に負圧を導入する際に、エバポ系内の圧力が基準圧力に至る手前までは吸気管負圧導入制御と負圧ポンプ23による負圧導入とによってエバポ系内の圧力を速やかに低下させ、その後は負圧ポンプ23のみによってエバポ系内に負圧を導入してエバポ系内の圧力を比較的緩やかに低下させるようにしたので、エバポ系内の圧力を基準圧力付近まで低下させる時間を短縮化しながら、エバポ系内の圧力が基準圧力付近に収束するか否か(基準オリフィス25相当の微小リークが存在するか否か)を精度良く監視することができる。
【0051】
尚、本実施形態では、エバポ系内に負圧を導入する際に、エバポ系内の圧力が基準圧力に至る手前までは吸気管負圧導入制御と負圧ポンプ23とによってエバポ系内に負圧を導入するようにしたが、エバポ系内の圧力が基準圧力に至る手前までは吸気管負圧導入制御のみによってエバポ系内に負圧を導入し、その後は負圧ポンプ23のみによってエバポ系内に負圧を導入するようにしても良い。
【0052】
また、本発明は、基準圧力を用いる負圧ポンプ式のリーク診断に限定されず、エンジン運転中に負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入してリーク診断を行う種々の負圧ポンプ式のリーク診断に適用することができる。その際、エバポ系内の圧力を所定負圧付近まで低下させてからの圧力挙動を監視する場合、或は、エバポ系内の圧力を所定負圧付近に制御する場合には、エバポ系内に負圧を導入する際にエバポ系内の圧力が所定負圧に至る前に吸気管負圧導入制御を停止し、その後は負圧ポンプのみでエバポ系内に負圧を導入するようにすると良い。
【0053】
その他、本発明は、エンジン運転中のリーク診断とエンジン停止中のリーク診断とを行うシステムにおけるエンジン運転中のリーク診断に適用しても良い等、種々変更して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるエバポガスパージシステムの構成を示す図
【図2】リークチェックモジュールの構成を示す図
【図3】リーク診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図4】リーク診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図5】本実施形態のリーク診断の実行例を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…燃料タンク、12…エバポ通路、13…キャニスタ、14…パージ通路、15…パージ制御弁、17…リークチェックモジュール、18…キャニスタ連通路、19…通路切換弁(切換手段)、20…大気連通路、21…負圧導入路、22…チェック弁、23…負圧ポンプ、24…バイパス通路(基準圧力検出部)、25…基準オリフィス(基準孔)、26…圧力センサ(圧力検出手段)、31…ECU(リーク診断手段)。
Claims (3)
- 燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガスを内燃機関の吸気管にパージするエバポガスパージシステムにおいて、
前記燃料タンクを含むエバポ系内に負圧を導入する負圧ポンプと、
前記エバポ系内の圧力を検出する圧力検出手段と、
内燃機関の運転中に前記負圧ポンプを作動させて前記エバポ系内に負圧を導入して前記エバポ系を密閉した状態で前記エバポ系内の圧力に基づいて前記エバポ系のリークの有無を診断するリーク診断手段とを備え、
前記リーク診断手段は、前記エバポ系内に負圧を導入する際に前記負圧ポンプによる負圧導入と同時又は前後して吸気管負圧を前記エバポ系内に導入することを特徴とするエバポガスパージシステムのリーク診断装置。 - 前記リーク診断手段は、前記エバポ系内に負圧を導入する際に前記エバポ系内の圧力が所定負圧に至る前に前記吸気管負圧の導入を停止し、その後は前記負圧ポンプのみで前記エバポ系内に負圧を導入することを特徴とする請求項1に記載のエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
- 所定孔径の基準孔が形成された基準圧力検出部と、前記負圧ポンプで前記基準圧力検出部内に負圧を導入する経路と前記負圧ポンプで前記エバポ系内に負圧を導入する経路とを切り換える切換手段とを備え、
前記リーク診断手段は、内燃機関の運転中に、前記負圧ポンプで前記基準圧力検出部内に負圧を導入して前記基準孔で規制された圧力(以下「基準圧力」という)を検出する処理と、前記負圧ポンプで前記エバポ系内に負圧を導入して該エバポ系内の圧力を検出する処理とを実行し、前記基準圧力と前記エバポ系内の圧力とを比較して前記エバポ系のリーク診断を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
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